第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

 

(1) 業績

    [表1]前年同期比                                    (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(実績)

当連結会計年度

(実績)

前年同期比

 商品取扱高

159,500

(100.0%)

212,090

(100.0%)

+33.0%

 売上高

54,422

(34.1%)

76,393

(36.0%)

+40.4%

 差引売上総利益

50,085

(31.4%)

69,213

(32.6%)

+38.2%

 営業利益

17,756

(11.1%)

26,284

(12.4%)

+48.0%

 経常利益

17,883

(11.2%)

26,442

(12.5%)

+47.9%

 親会社株主に帰属する当期純利益

11,988

(7.5%)

17,035

(8.0%)

+42.1%

 

 ( )内は商品取扱高に対する割合です。

当社グループは、「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念のもと、日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」及びファッションメディア「WEAR」の運営を中心に事業活動を行っております。当連結会計年度における日本国内の衣料品・アクセサリー市場は、国内消費の停滞感を受け、緩やかな減少基調となっております。雇用・所得環境の改善傾向こそ持続してはいるものの、日本経済の先行きに不透明感が漂っていることもあり、景況感や消費者マインドの改善には至らず、個人消費は依然足踏みが続いている状況と考えられます。しかしながら、当社グループが軸足を置くファッションEC市場においては、百貨店及びブランドがオムニチャネル戦略に対して積極的に取り組み始めていること、CtoCサービスやソーシャルコマース等ECの裾野が確実に広がってきていること等を受け、堅実な成長を持続させております。

このような環境下、当連結会計年度における当社グループは、「ZOZOTOWN」のユニークユーザー数拡大及びコンバージョンレート(ユニークユーザーの購買率)向上のために、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りにより一層傾注してまいりました。具体的には、多様化するユーザーのニーズに対応できるよう積極的に新規出店を行ったことに加え、ブランドクーポン等のプロモーションを効率的に実施いたしました。

また、前連結会計年度にリプレイスを行ったCRMシステムを活用し、ユーザーに対するコミュニケーションも積極的に行ってまいりました。さらに、平成28年11月には、支払い期限を注文日から2ヶ月後とする後払い決済サービス「ツケ払い」を導入することで決済手段の拡充にも取り組んでおります。

これらの結果、当連結会計年度の商品取扱高は212,090百万円(前年同期比33.0%増)、売上高は76,393百万円(同40.4%増)、差引売上総利益は69,213百万円(同38.2%増)となりました。セールスミックスの変化及びZOZOUSEDの伸長に加え、その他売上高も増加したことから、差引売上総利益率(対商品取扱高)が32.6%(前年同期比1.2ポイント増)となりました。

販売費及び一般管理費は42,928百万円(前年同期比32.8%増)となりました。プロモーション関連費率(対商品取扱高)は2.7%と前年同期と比較して0.2ポイント上昇したものの、商品取扱高拡大による固定費負担が減少したことで、商品取扱高に対する販管費率は20.2%と前年同期と比較して0.1ポイント低下いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は26,284百万円(前年同期比48.0%増)となり、営業利益率(対商品取扱高)が12.4%と前年同期と比較して1.3ポイント上昇しております。経常利益は26,442百万円(前年同期比47.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17,035百万円(同42.1%増)となりました。

なお、連結子会社である㈱アラタナの業績が当初策定した計画を下回っており、業績の見通しを慎重に検討した結果、のれんの未償却残高の全額を減損損失として1,483百万円計上しております。また、当社が保有する投資有価証券について、実質価額が著しく下落したことにより、投資有価証券評価損885百万円を特別損失として計上することとなりました。

 

  [表2]期初計画比                                 (単位:百万円)

 

当連結会計年度

(期初計画)

当連結会計年度

(実績)

計画比

 商品取扱高

195,000

(100.0%)

212,090

(100.0%)

+8.8%

 売上高

69,030

(35.4%)

76,393

(36.0%)

+10.7%

 営業利益

22,140

(11.4%)

26,284

(12.4%)

+18.7%

 経常利益

22,150

(11.4%)

26,442

(12.5%)

+19.4%

 親会社株主に帰属する当期純利益

15,260

(7.8%)

17,035

(8.0%)

+11.6%

 

 ( )内は商品取扱高に対する割合です。

平成28年4月28日に開示いたしました期初計画に対しては、商品取扱高が8.8%、売上高が10.7%、営業利益が18.7%、経常利益が19.4%、親会社株主に帰属する当期純利益が11.6%上回ることができました。ZOZOTOWN事業における各種商品取扱高拡大施策が当初計画を上回ったことが期初計画の達成要因です。なお、平成29年4月19日に連結業績予想の修正を行っており、当連結会計年度の実績は修正後計画値と同水準となりました。

なお、当社グループはEC事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、単一セグメント内の各事業区分の業績を以下のとおり示しております。

 

各事業別の業績は、以下のとおりです。

[表3]事業別前年同期比

事業別

前連結会計年度
(自 平成27年4月1日 
   至 平成28年3月31日)

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日 
   至 平成29年3月31日)

取扱高
前年同期比
(%)

売上高
前年同期比
(%)

取扱高
(百万円)

構成比
(%)

売上高
(百万円)

取扱高
(百万円)

構成比
(%)

売上高
(百万円)

ZOZOTOWN事業

 

 

 

 

 

 

 

 

(受託ショップ)

137,452

86.2

39,313

191,903

90.5

55,253

+39.6

+40.5

(買取ショップ)

693

0.4

693

193

0.1

193

-72.1

-72.1

(ZOZOUSED)

7,958

5.0

7,958

12,875

6.1

12,875

+61.8

+61.8

 小計

146,105

91.6

47,966

204,972

96.7

68,322

+40.3

+42.4

BtoB事業

13,280

8.3

3,256

6,220

2.9

1,338

-53.2

-58.9

フリマ事業

114

0.1

6

898

0.4

△0

+681.7

その他

3,192

6,731

+110.9

合計

159,500

100.0

54,422

212,090

100.0

76,393

+33.0

+40.4

 

 

① ZOZOTOWN事業

ZOZOTOWN事業は、「受託ショップ」「買取ショップ」「ZOZOUSED」の3つの事業形態で構成されております。「受託ショップ」は各ブランドの商品を受託在庫として預かり、受託販売を行っております。「買取ショップ」は各ブランドからファッション商材を仕入れ、自社在庫を持ちながら販売を行っております。「ZOZOUSED」は個人ユーザー等から中古ファッション商材を買取り、販売を行っております。

当社では、ZOZOTOWN事業を持続的に成長させていくためには「購入者数の拡大」及び「ファッション消費におけるZOZOTOWN利用率上昇」が重要なファクターであると認識しております。そのために、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに取り組んでおります。

当連結会計年度のZOZOTOWN事業の商品取扱高は204,972百万円(前年同期比40.3%増)、売上高は68,322百万円(同42.4%増)となりました。多様化するユーザーのニーズに対応できるようショップの新規出店を積極的に行ったこと、ブランドクーポン等のプロモーションを効率的に実施したこと、決済手段を拡充させたことにより取扱高の拡大を図ることができました。また、前連結会計年度に数多く出店したショップの認知度が向上したことも取扱高の拡大に繋がりました。

 

 

なお、ZOZOTOWN事業に係る主なKPIの推移は以下のとおりです。

 [表4]KPI推移

 

前連結会計年度

当連結会計年度

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

ZOZOTOWN出店ショップ数(注)1

685

720

839

867

842

872

934

954

内)買取ショップ

27

26

28

24

10

7

7

7

  受託ショップ

658

694

811

843

832

865

927

947

年間購入者数(注)2

3,603,196

3,698,254

4,034,742

4,477,350

 4,832,558

5,252,541

5,783,381

6,324,033

内)アクティブ会員数

2,401,421

2,401,317

2,522,500

2,686,926

2,844,171

3,059,991

3,421,440

3,893,156

  ゲスト購入者数

1,201,775

1,296,937

1,512,242

1,790,424

1,988,387

2,192,550

2,361,941

2,430,877

年間購入金額(注)2、4、5

44,279

46,135

47,140

47,937

48,644

48,556

48,275

46,417

年間購入点数(注)2、4

8.0

8.6

8.9

9.4

9.9

10.4

10.5

10.3

出荷件数(注)3

3,007,626

3,330,674

3,901,739

4,871,419

4,652,101

5,391,093

5,886,580

6,931,318

平均商品単価(注)3、5

5,041

4,522

5,939

4,922

4,468

3,855

5,236

4,474

平均出荷単価(注)3、5

9,605

9,277

10,651

9,189

8,680

7,941

10,143

8,955

デバイス別出荷比率(注)3

 

 

 

 

 

 

 

 

 PC

38.7%

36.9%

33.4%

31.3%

29.7%

28.1%

24.6%

22.3%

 スマートフォン

60.4%

62.3%

66.0%

68.2%

69.9%

71.6%

75.2%

77.5%

 モバイル

0.9%

0.7%

0.6%

0.5%

0.4%

0.3%

0.2%

0.2%

 

(注) 1 四半期会計期間末日時点の数値を使用しております。

2 集計期間は会計期間末日以前の直近1年間としております。

3 四半期会計期間の数値を使用しております。

4 アクティブ会員1人当たりの指標となっております。

5 円単位となっております。

 

当連結会計年度に新規出店したショップ数は、「GAP」、「BLUE LABEL / BLACK LABEL CRESTBRIDGE」、「Vivienne Westwood」、「SPINNS」、「Francfranc」等194ショップとなりました。平成29年3月末現在の総ショップ数は954ショップ(平成28年3月末867ショップ)となりました。

積極的な新規出店及びブランドクーポンを含むプロモーションの実施が利用者数の拡大に繋がり、直近12ヶ月(平成28年4月~平成29年3月)における年間購入者数は6,324,033人(前年同期比1,846,683人増)となりました。

アクティブ会員1人当たりの年間購入金額は46,417円(前年同期比3.2%減)、年間購入点数は10.3点(同9.3%増)となっております。年間購入金額が前年同期比で僅かにマイナスとなっておりますが、既存会員と比較すると年間購入金額が低い新規会員が直近で増加したことで、アクティブ会員に占める新規会員の割合が上昇したことが要因です。これは、新規会員が順調に増加している局面において生じるものであり、既存会員に限定した年間購入金額は前年同期比および前四半期比で増加しております。なお、既存アクティブ会員1人当たりの年間購入金額は61,770円(前年同期比6.7%増、前四半期比1.4%増)、年間購入点数は13.6点(前年同期比 20.2%増、前四半期比3.7%増)となりました。

第4四半期連結会計期間の平均商品単価は、4,474円と前年同期比で9.1%下落しております。平均商品単価の下落は、低価格帯のショップの出店が相次いだことによるものです。第4四半期連結会計期間の平均出荷単価も平均商品単価の下落の影響を受けることで下落しておりますが、取扱商品の拡充やユーザーインターフェイスの改善等により1注文当たりの購入点数が上昇しているため、平均出荷単価の下落率は平均商品単価と比較して限定的となりました。

 

受託ショップ、買取ショップ及びZOZOUSEDの実績は以下のとおりです。

 

a.受託ショップ

当連結会計年度の商品取扱高は191,903百万円(前年同期比39.6%増)、商品取扱高に占める割合は90.5%(前年同期実績86.2%)となりました。売上高(受託販売手数料)は55,253百万円(前年同期比40.5%増)となりました。平成29年3月末現在、受託ショップでは947ショップ(平成28年3月末843ショップ)を運営しております。

b. 買取ショップ

当連結会計年度の商品取扱高は193百万円(前年同期比72.1%減)、商品取扱高に占める割合は0.1%(前年同期実績0.4%)となりました。売上高は商品取扱高と同額の193百万円(前年同期比72.1%減)となりました。平成29年3月末現在、買取ショップでは7ショップ(平成28年3月末24ショップ)を運営しております。

c. ZOZOUSED

当連結会計年度の商品取扱高は12,875百万円(前年同期比61.8%増)、商品取扱高に占める割合は6.1%(前年同期実績5.0%)となりました。売上高は商品取扱高と同額の12,875百万円(前年同期比61.8%増)となりました。

 

②BtoB事業

BtoB事業では、ブランドの自社ECサイトの構築及び運営を受託しております。当連結会計年度の商品取扱高は6,220百万円(前年同期比53.2%減)、商品取扱高に占める割合は2.9%(前年同期実績8.3%)となりました。売上高(受託販売手数料)は1,338百万円(前年同期比58.9%減)となりました。ブランドが自社ECサイトに集客力や購買率向上を求めるだけでなく、実店舗との連携等にも目を向けるようになってきたことに対応し、従来の事業形態からの脱却を進めております。その結果、前年同期と比較し商品取扱高が大きく減少しておりますが、あくまでも経営方針に沿ったものとなります。平成29年3月末現在、BtoB事業では27サイトの構築及び運営を受託しております(平成28年3月末35サイト)。

 

③フリマ事業

フリマ事業では、スマートフォンアプリ内においてファッションアイテムを個人間売買する「ZOZOフリマ」を運営しております。当連結会計年度の商品取扱高は898百万円(前年同期比681.7%増)、売上高は△0百万円となりました。売上高の前年同期比については、返品により当連結会計年度において負の値となるため記載しておりません。なお、フリマ事業は平成29年6月30日をもってサービスを終了することを予定しております。

 

④その他

その他には、ZOZOTOWN事業に付随した事業の売上(有料会員収入、送料収入、決済手数料収入等)や、連結子会社のその他売上高が計上されております。当連結会計年度のその他売上高は6,731百万円(前年同期比110.9%増)となりました。なお、前年同期比での増加要因は、配送ポリシーの変更及び有料会員制度が挙げられます。

ファッション市場全体の活性化を狙ったファッションメディア「WEAR」については、引き続きユーザー数の拡大及びコンテンツの拡充を目指した事業運営を行っております。平成29年3月末時点のアプリダウンロード数は約900万ダウンロードとなり、堅調に推移しております。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から10,655百万円増加し、22,151百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

営業活動によるキャッシュ・フロー

12,027

18,294

52.1%

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,175

△2,725

25.3%

財務活動によるキャッシュ・フロー

△23,222

△4,995

△78.5%

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は18,294百万円となりました。主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益24,657百万円の計上に加え、受託販売預り金の増加額3,635百万円、非資金項目の減価償却費843百万円及びのれん償却額825百万円の計上による増加要因があったことによるものであります。一方、主な減少要因としては、売上債権の増加額10,076百万円及び法人税等の支払額6,582百万円があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は2,725百万円となりました。これは、投資有価証券の取得による支出2,027百万円、有形固定資産の取得による支出888百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は4,995百万円となりました。これは、配当金の支払額4,984百万円があったこと等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは、受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。

また、販売の状況については、「1 業績等の概要」に記載のとおりであります。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営方針

当社グループは単なる商品の流通だけではなく、消費者および商品サプライヤー(ブランド)と密な関係を構築しながら、新たな価値の創造、提供を行っております。「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念のもと、“想像”と“創造”を繰り返し、高付加価値なサービスを提供していくクリエイター集団であり続けることを基本姿勢に事業活動を行っております。

「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念を達成するために、経営理念として「いい人をつくる」、事業理念として「つながる人を増やす」を掲げております。これらの理念は「いい人がいい会社をつくり、いい会社がいい事業を生み出していく。いい事業はいい文化に繋がり、それがひいてはいい世界に繋がっていく。つまり、いい世界を作るためにはいい人を作っていくことが大切。」という発想に基づいております。

また、「世界中をカッコよく」という言葉には「自然体であること」という思いが込められております。実力主義、競争主義という名目の下、同じ組織内で競争することなく、企業=全従業員が自分のやりたいことに「独自性ある自然の営み」を大切にしながら取り組むことこそが長期的には重要なことであると当社では考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループが重視している経営指標は、様々な形態のEC事業から生み出される商品取扱高であります。なお、EC事業で計上する売上高のうち、受託販売(受託ショップ及びBtoB事業)に係る部分は、商品取扱高に各手数料率を乗じた受託販売手数料のみを会計上の売上高として計上しております。当連結会計年度においては、買取販売と受託販売の商品取扱高(フリマ事業除く)に占める割合はそれぞれ前者が6.2%、後者が93.8%であり、当連結会計年度の会計上の売上高が76,393百万円であるのに対し、商品取扱高は212,090百万円となっております。経費面につきましても、商品取扱高に連動する変動費が販売費及び一般管理費の多くを占めており、事業全体の規模を示す商品取扱高が売上高、利益それぞれに密接な関連を持っております。

また、当社グループでは、資本コストを上回る利益を生み出した時、企業価値が増大し、全てのステークホルダーに満足いただけると考えております。加えて株主の皆様への利益配分につきましては、財務基盤及び今後の投資計画等を鑑み、適切に対応していくことが必要と考えております。その実現のため経営指標に自己資本当期純利益(ROE)を導入し、効率的な経営に努めてまいります。具体的にはグローバル的見地に立った際の類似企業の水準等を勘案しROE30%を最低限の水準としたうえで利益体質の強化、純資産の効率的活用に努めてまいります。

当連結会計年度のROEは72.7%(前年同期実績55.5%)となりました。当期純利益率(対商品取扱高)が 8.0%(前年同期実績7.5%)へと改善したほか、前連結会計年度に自己株式の取得を行ったことにより、総資産回転率は上昇し、ROEは高い水準を維持しております。なお、当連結会計年度に予定している配当額から算出される配当性向は41.5%となり、純資産配当率(DOE)は30.1%(前年同期実績23.1%)となります。今後につきましても、流動性の向上を勘案したうえで、株主還元施策の強化に努め、一層効率的な資本の運用を目指してまいります。

 

[補足情報]経営指標等の推移

 

 

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

連結業績の推移

 

 

 

 

 

 

商品取扱高

(百万円)

95,897

114,674

129,059

159,500

212,090

 内、受託ショップ

(百万円)

75,820

91,594

106,145

137,452

191,903

 内、買取ショップ

(百万円)

8,139

5,381

766

693

193

 内、ZOZOUSED

(百万円)

577

2,285

4,446

7,958

12,875

 内、BtoB

(百万円)

11,360

15,412

17,701

13,280

6,220

 内、フリマ

(百万円)

114

898

売上高

(百万円)

35,050

38,580

41,182

54,422

76,393

売上総利益(注)2

(百万円)

28,159

33,453

38,777

50,085

69,213

営業利益

(百万円)

8,529

12,388

15,084

17,756

26,284

経常利益

(百万円)

8,570

12,429

15,139

17,883

26,442

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

5,360

7,797

8,999

11,988

17,035

包括利益

(百万円)

5,240

7,942

9,206

11,585

16,923

EBITDA(注)1

(百万円)

9,002

13,206

16,280

19,265

27,952

期初計画

 

 

 

 

 

 

商品取扱高

(百万円)

111,500

108,400

132,400

168,200

195,000

売上高

(百万円)

41,700

36,800

41,700

53,800

69,030

営業利益

(百万円)

10,440

10,320

13,710

19,140

22,140

経常利益

(百万円)

10,450

10,320

13,720

19,160

22,150

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

6,370

6,320

8,430

12,520

15,260

連結財政状態

 

 

 

 

 

 

総資産

(百万円)

23,873

33,188

41,351

34,916

55,720

負債

(百万円)

11,099

13,961

15,106

16,984

25,851

純資産

(百万円)

12,773

19,227

26,244

17,932

29,868

自己資本

(百万円)

12,412

18,786

25,753

17,477

29,416

連結キャッシュ・フロー

 

 

 

 

 

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

5,661

10,138

10,487

12,027

18,294

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△1,249

△2,590

△501

△2,175

△2,725

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△6,369

△2,139

△3,109

△23,222

△4,995

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

12,037

17,711

24,713

11,495

22,151

1株当たり情報

 

 

 

 

 

 

1株当たり純資産(BPS)(注)4

(円)

38.71

58.41

79.79

56.08

94.39

1株当たり純利益(EPS)(注)4

(円)

16.53

24.27

27.93

37.46

54.66

潜在株式調整後1株当たり当期純利益(注)4

(円)

16.48

24.21

27.86

37.38

発行済み株式数(自己株式を除く)(注)4

(株)

320,656,500

321,633,900

322,762,440

311,644,800

311,644,285

期中平均株式数 (注)4

(株)

324,392,415

321,258,570

322,195,258

320,042,333

311,644,487

潜在株式調整後期中平均株式数 (注)4

(株)

325,244,067

322,089,053

323,004,296

320,729,724

安全性に関する指標

 

 

 

 

 

 

流動比率

(%)

198.1

212.2

256.8

161.5

190.9

固定比率

(%)

25.9

33.1

23.5

57.8

34.3

自己資本比率

(%)

52.0

56.6

62.3

50.1

52.8

成長性に関する指標

 

 

 

 

 

 

商品取扱高 前年同期増減率

(%)

19.5

19.6

12.5

23.6

33.0

営業利益 前年同期増減率

(%)

10.7

45.2

21.8

17.7

48.0

経常利益 前年同期増減率

(%)

12.5

45.0

21.8

18.1

47.9

当期純利益 前年同期増減率

(%)

15.7

45.5

15.4

33.2

42.1

収益性に関する指標

 

 

 

 

 

 

対商品取扱高 売上総利益率(注)2

(%)

29.4

29.2

30.0

31.4

32.6

対商品取扱高 営業利益率

(%)

8.9

10.8

11.7

11.1

12.4

対商品取扱高 経常利益率

(%)

8.9

10.8

11.7

11.2

12.5

対商品取扱高 当期純利益率

(%)

5.6

6.8

7.0

7.5

8.0

対商品取扱高 EBITDAマージン

(%)

9.4

11.5

12.6

12.1

13.2

自己資本 当期純利益率(ROE)

(%)

41.5

50.0

40.4

55.5

72.7

総資産 経常利益率(ROA)

(%)

36.4

43.6

40.6

46.9

58.3

配当に関する情報

 

 

 

 

 

 

中間配当 (注)4

(円)

3.3

3.3

4.7

6.3

6.7

期末配当 (注)4

(円)

3.3

5.0

6.7

9.3

16.0

配当総額

(百万円)

2,137

2,680

3,652

4,970

7,063

配当性向

(%)

40.3

34.3

40.6

41.8

41.5

純資産配当率(DOE)

(%)

16.8

17.2

16.4

23.1

30.1

株価に関する情報

 

 

 

 

 

 

期末株価

(円)

388

881

1,055

1,513

2,463

株式時価総額

(百万円)

124,414

283,359

340,514

471,622

767,579

時価ベースの自己資本比率

(%)

521.1

853.8

823.5

1,350.7

1,377.6

株価収益率(PER)

(倍)

23.5

36.3

37.8

40.4

45.1

株価純資産倍率(PBR)

(倍)

10.0

15.1

13.2

27.0

26.1

 

(注)1 EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

2 差引売上総利益を使用しております。

3 いずれも連結ベースの財務数値を基礎とした指標となっております。

4 当社は、平成28年10月1日を効力発生日として、1株につき3株の割合で株式分割を行っております。平成25年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

日本国内の衣料品・アクセサリー市場(衣料品、靴、履物、和洋傘類、鞄、トランク、ハンドバッグ、裁縫用品、宝石、貴金属を除く装身具等が対象)は、2016年においては約15兆円、そのうち広義のアパレルECは1.4兆円を占めているに過ぎません(経済産業省から発表される商業動態統計調査等をもとに当社で推計)。また、当社グループが軸足を置くラグジュアリー・トレンドマーケット(当社推計市場規模約9兆円)のEC市場規模につきましても、約4,300億円(当社推計)に過ぎないのが現状です。当社グループは、消費者、ブランド双方にとってより利便性の高いファッションECのインフラ及びファッションに特化したインターネット・メディアを構築し、自ら衣料品・アクセサリー市場におけるEC化率の上昇を促進することにより、中長期的に年間商品取扱高5,000億円の達成を目標としております。ボトムアップアプローチによる年間商品取扱高5,000億円達成の前提条件は、年間購入者数1,000万人、ユーザー1人当たりの年間購入金額50,000円と考えております。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループの当面の課題は、①ファッションやオシャレに関心を持つ人を増やすための啓蒙、②取扱アイテムの拡充及び安定的な商材の確保、③フルフィルメント及びECシステム機能の強化への取り組みであると考えております。

①ファッションやオシャレに関心を持つ人を増やすための啓蒙

衣料品・アクセサリー市場におけるEC化率を高めていくためには、実店舗とECサイトが互いの強みを生かし、ファッションやオシャレを楽しむ人を一人でも増やし、ファッション業界全体を拡大させていくことが必要だと考えております。この考えを実現するためのツールとして、ファッションメディア「WEAR」の運営も行っております。ユーザーにとって欲しい洋服が見つかるファッションメディアというコンセプトをもとに、コンテンツの拡充及びユーザーインターフェイスの改善等を行うことで、ユーザー数の拡大を目指してまいります。

②取扱アイテムの拡充及び安定的な商材の確保

商品取扱高を増加させていくに当たり、取引先からの十分な商品供給を受けることが前提条件となっております。現時点において、既存取引先とは良好な関係を保っておりますが、依然多くの機会損失が発生している状況であり、潜在需要に対し適正な在庫を確保するべく今後についても更なる連携強化を行っていく必要があると認識しております。また、ファッションEC事業者としての絶対的な地位をより強固なものとするために、多くの顧客がそれぞれの趣向にあった商品を購入できるよう取扱アイテムの更なる拡充を目指してまいります。

③フルフィルメント及びECシステム機能の強化への取り組み

今後見込まれる商品取扱量の増加を視野に入れ、更なる物流キャパシティの拡大、業務効率化の促進を検討してまいります。

また、ECシステムのハード及び機能面に関しましては、利用者数の増加及びそれに伴うアクセス数の増加への対応、ユーザビリティ向上のため、適宜強化を図っております。

 

 

4 【事業等のリスク】

 

投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社グループ株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

①事業内容に係わるリスクについて

a.特定事業への高い依存度について

現在、当社グループは「ZOZOTOWN」等のECサイトの運営を主力事業としており、事業の継続的な発展の前提条件として、インターネットに接続するためのブロードバンド環境の普及及び携帯端末を使ったインターネットヘの接続環境の普及によるインターネットの利用者の増加が必要と考えております。

しかしながら、インターネットの利用に関する新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、又は利用料金の改定を含む通信事業者の動向などの要因により、ブロードバンド環境や携帯端末を使ったインターネットヘの接続環境の発展が阻害される場合、又はECサイト運営の遂行が困難になった場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

b.システムトラブルについて

当社グループの主力事業はECサイトの運営であり、ECサイトにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、ECサイトの安定的な運用のためのシステム強化、セキュリティ強化及び複数のデータセンターへサーバーを分散配置する等の対策を行っております。しかしながら、地震、津波、火災などの自然災害、事故、停電など予期せぬ事象の発生によって、当社グループの設備又は通信ネットワークに障害が発生した場合、又は物流機能が麻痺した場合は当社グループの事業活動が不可能になります。また、当社グループ若しくはインターネット・サービス・プロバイダーのサーバーが何らかの原因によって作動不能となること、又は外部からの不正な手段によるサーバーヘの侵入などの犯罪や役職員の過誤によるネットワーク障害が発生する可能性があります。これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的損害が生じるほか、サーバーの作動不能や欠陥等に起因する取引停止等については、当社グループに対する訴訟や損害賠償など、当社グループの事業、経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

c.サイトの健全性の維持について

当社グループでは「WEAR」を通じてソーシャルネットワーキングサービス(以下、「SNS」といいます。)を提供しております。これらのサービスでは、会員同士がインターネット上でコミュニケーションを図っており、係るコミュニケーションにおいては他人の所有権、知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等の侵害が生じる危険性が存在しております。当社グループは、このような各種トラブルを未然に防ぐ努力として以下のような禁止事項を利用規約に明記すると共に、利用規約の遵守状況を常時モニタリングしており、本サービスの健全性の維持に努めております。

・ 規約、法令、規則若しくは条例に反する行為又はこれらの行為を教唆、誘引、勧誘し、若しくは幇助、助長する行為

・ 会員登録又は登録内容の変更の際に、虚偽の内容又は第三者の情報を利用して申請する行為

・ 本サービスの円滑な運営を妨げる行為又は本サービスに支障をきたすおそれのある行為

・ 第三者のユーザーID又はパスワードを不正に使用する行為

・ 1つのアカウントを複数人で利用する行為

・ 1人の会員が複数のアカウントを設定又は保有する行為

・ 第三者若しくは当社に対して何らかの損害、損失又は費用を生じさせる行為又はこれらのおそれのある行為

・ 第三者若しくは当社の著作権等の知的財産権、営業秘密、ノウハウ、肖像権、人格権、名誉権、プライバシー権、パブリシティ権その他の権利を侵害する行為又はそれらのおそれのある行為

・ 自殺、自傷行為、薬物乱用等を教唆、誘引、勧誘、又は幇助、助長するおそれのあるコンテンツを投稿する行為

・ グロテスク、暴力的な写真、その他一般の方にとって不快に感じると当社が合理的に判断するコンテンツを投稿する行為

・ 露出度の高い動画・画像(モザイク・ぼかし等を入れたものも含みます。)等当社が猥褻と判断するコンテンツを投稿する行為

・ 猥褻な動画、画像等を内容とするコンテンツ又は第三者の誹謗・中傷にあたるおそれのあるコンテンツを投稿する行為

・ 猥褻な動画又は画像(児童ポルノを含みます。)等を内容とするコンテンツ又は第三者の誹謗・中傷にあたるおそれのあるコンテンツを作成する行為

・ 性交、性交類似行為その他の猥褻な行為を目的とした売春、出会い等を勧誘、誘引又は助長する行為又はこれらを目的としたメールアドレスの交換

・ 出会い系サイト、アダルトサイト、年齢制限のあるサイトその他の違法・有害サイトに誘導する情報(単にリンクを張る行為を含みます。)を掲載する行為

・ 人種、民族、性別、社会的身分、宗教、信条等について、差別につながる又は差別を助長するコンテンツを投稿する行為

・ 虚偽の内容又は第三者の誤認・混同を生じさせる内容のコンテンツを投稿する行為

・ 公序良俗に反する行為又はそのおそれのある行為

・ 本サービスを通じて入手したコンテンツ等を私的使用の範囲外で使用する行為

・ 第三者の個人情報を当社及び当該第三者に無断で取得、蓄積、保存、販売、頒布、公開等する行為

しかしながら、今後急速に利用会員数が増加し、これらのサービス内においてトラブルが発生した場合には、利用規約の内容に関わらず、当社グループが法的責任を問われる場合があります。また、当社グループの法的責任が問われない場合においても、トラブルの発生自体がサイトのブランドイメージの悪化を招き、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

d.取り扱いブランドについて

当社グループでは、「ZOZOTOWN」等において多くの顧客の嗜好に合う有力ブランドの商品を取り扱っております。当社グループとブランドとの関係は良好であり、何ら問題は生じておりませんが、今後ブランドの事業方針や戦略等の見直し、経営状況の変化や財務内容の悪化、当社がプライベートブランドを扱うことに対する心理的懸念等を起因とした商品供給量及び委託量の減少、契約の不履行若しくは取引の中止等があった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

e.顧客の嗜好への対応について

当社グループは、流行に敏感な顧客層に支持されるブランドに加え、ファッションに対して先鋭的な感性を持つ顧客層に支持されたブランドを取り扱っております。当社グループとしては多くの顧客の嗜好に応えるべく、取扱ブランドの拡大を図っておりますが、先鋭的な顧客の嗜好が変化した場合には、新たなファッション嗜好に対応するブランドや商材を扱っていく必要性が生じることも考えられ、当社グループが顧客の嗜好の変化に対応できなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

f.返品について

当社グループは「ZOZOTOWN」等において平成21年12月1日に改正、施行された「特定商取引に関する法律」に基づき返品に関するルールを定めております。返品の受け入れにあたっては、返送品の処理等による追加的な費用や、商品発送から返品を受けるまでの期間において販売機会損失が発生することから、想定以上の返品が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

g.競合について

当社グループは、ファッション関連商材を取り扱うEC事業者として、単なる商品の流通だけではなく、ECサイトの利便性及びデザイン性を高めること並びに消費者及び商品サプライヤー(ブランド)と密な関係を構築することで、他のアパレルEC事業者との差別化を図っております。しかしながら、EC市場の拡大に伴い、他のファッション関連商材を取り扱うEC事業者の拡大、ブランド自らインターネット通信販売へ参入及びその他新規事業者の参入等により、新たな高付加価値サービスの提供等がなされた場合、更なる競争の激化が予想され、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、これら競争の激化が、サービスの向上をはじめとした競合対策に伴うコスト増加要因となることで、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

h.特定の業務委託に対する依存度の高さについて

当社グループは、商品購入者からの販売代金の回収業務について、クレジットカード決済分及びコンビニ決済分をGMOペイメントゲートウェイ㈱に、また代金引換決済分をヤマトフィナンシャル㈱に委託しております。提出日現在において、これらの代金回収委託業者との間で何ら問題は生じておりませんが、今後各社の事業方針や戦略等の見直し、経営状況の変化や財務内容の悪化並びに取引条件の変更等があった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

i.BtoB事業について

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、アパレルメーカーが独自に運営するECサイトのシステム開発、物流等を受託するBtoB事業を行っております。

当社グループに委託しているブランドが自ら、若しくは他社の支援によりECサイトを立ち上げ、運営することとなった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

j.物流機能の強化について

当社グループの商品取扱量の増加に応じて、物流に関わる業務システムの効率化及び商品管理スタッフや画像撮影スタッフの確保の対応が必要となります。これらの対応が商品取扱量の増加に追いつかない場合には、意図的に商品在庫数や自社EC支援の社数及び「ZOZOTOWN」等に掲載する商品数を物流が対応可能な業務量に合わせてコントロールする必要がありますが、これらが事業機会や販売機会のロスに繋がり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

k.プライベートブランドの取り扱いについて

当社グループがインターネット又はスマートフォンアプリを通じ販売する商品は、インターネット又はスマートフォンアプリ上への掲載前に需要予測に基づいた生産・仕入を行う可能性があります。しかしながら、ユーザーからの受注は流行、天候や景気その他様々な要因に左右されるため、受注が需要予測を上回った場合には販売機会を失うことになります。一方で、受注が需要予測を下回った場合には、当社グループに過剰在庫が発生しキャッシュ・フローへの影響や商品評価損が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

l.海外事業の展開について

海外事業の展開については、当社グループとしてさらなる中長期的な成長の機会として位置付けております。

海外事業の展開においては、戦争やテロといった国際政治に関わるリスク、地域特性によるビジネスリスク、予期できない法律または規制の変更のリスク、知的財産権によるリスク、為替によるリスク、社会的なインフラの未整備によるリスクなど多岐にわたるリスクがあり、このようなリスクにより当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②経営に係わるリスクについて

a.法的規制について

(a)インターネット事業及びECサイトの運営について

当社グループでは、主力事業であるECサイト「ZOZOTOWN」等の運営において「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「知的財産法」並びに「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及びSNSサービス「WEAR」の運営においては「電気通信事業法」による法的規制を受けております。当社グループは、社内管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令の改正または新たな法令の制定が行われた場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(b)ファッション関連商材の販売について

当社グループは、ECサイト「ZOZOTOWN」等においてファッション関連商材の販売を行っており、「製造物責任法」及び「家庭用品品質表示法」等による法的規制を受けております。当社グループは、社内管理体制の構築及び取引先との契約内容にこれらの法令遵守義務事項を盛り込んでおりますが、これらの法令に違反する行為が行われた場合には、当社グループのブランドイメージの低下及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(c)知的財産権について

当社グループは、運営するサービスの名称を商標として登録しており、今後もインターネットサイト上で新たなサービスを行う際には、必要に応じて関連する名称の商標の登録を行っていく方針です。また、当社グループが運営するインターネットサイト上に掲載する画像については第三者の知的財産権を侵害しないよう監視・管理を行っており、「ZOZOTOWN」等で販売している商品については、第三者の知的財産権を侵害していないことを取引先より契約書において表明保証して頂いておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(d)個人情報保護について

当社グループはECサイト「ZOZOTOWN」等での通信販売及び「WEAR」の運営を通じて保有した会員の個人情報並びにBtoB事業の受託を通じて保有する個人情報を管理しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱業者としての義務を課されております。

当社グループは個人情報の第三者への漏洩、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報保護規程及び個人情報管理に関連する規程やマニュアルを制定することにより「個人情報保護マネジメントシステム」に準拠した管理体制を確立し、また、全社員を対象とした個人情報に関する教育を通じて個人情報の取扱いに関するルールを周知徹底し、個人情報保護に関する意識の向上を図ることで、同法及び関連法令等の法令遵守に努めております。なお、当社は平成19年10月に財団法人日本情報処理開発協会より、プライバシーマークの認定・付与を受けており、平成28年3月期に更新しております。システム面においては個人情報を管理しているサーバーは物理的なセキュリティ設備が強固な外部データセンターにて管理されており、更には外部からの不正アクセスに対するセキュリティの強化及び個人情報の閲覧にアクセス制限を設ける等により、厳重に個人情報の管理を行っております。

しかしながら、個人情報が当社グループ関係者、業務委託先等の故意又は過失により外部へ流出した場合、又は外部からの不正なアクセスや想定していない事態によって個人情報の外部流出等が発生した場合には、適切な対応を行うために相当な費用負担、当社グループヘの損害賠償請求、当社グループ並びに当社サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

b.特定の経営者への依存について

当社グループ設立の中心人物であり、設立以来の事業推進者である代表取締役社長前澤友作は、ファッション及びEC事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社グループの事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に同氏に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による業務執行体制の構築等により、経営組織の強化に取組んでおりますが、何らかの理由により同氏による当社グループの業務遂行が困難になった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

c.人材の確保について

当社グループの継統的な成長を実現させるためには、優秀な人材を十分に確保し、育成することが重要な要素の一つであると認識しております。そのため、積極的な新卒社員の採用、中途社員の採用及びアルバイト社員の受け入れ並びに社内公募制度の拡充及び社内教育体制の構築を行う等、優秀な人材の獲得、育成及び活用に努めております。

しかしながら、当社グループが求める優秀な人材を計画通りに確保出来なかった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

d.訴訟等について

当社グループは、提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループが保有する個人情報の管理不徹底等の人為的ミスの発生、第三者からの不正アクセスによる情報流出又はシステム障害及び販売した商品の不備等に起因して、訴訟を受ける可能性があります。その訴訟の内容及び結果、損害賠償の金額によっては当社グループの事業及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

e.自然災害について

当社グループの本社及び主たる物流拠点は千葉県内にあり、当地域内において地震、津波等の大規模災害が発生したことにより本社または物流拠点が被害を受けた場合、事業を円滑に運営できなくなる可能性や、物流拠点において保管している商品が販売不能になる可能性、顧客への商品の発送及び配送が円滑に実施できなくなる可能性があり、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

f.のれんの減損について

当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを連結貸借対照表に計上しております。当該のれんについては将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られない場合は、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

(1) 子会社(ファンド)の設立

当社は、平成29年3月30日開催の取締役会において、海外のファッションEC関連企業を投資対象とする「STV FUND, LP」に出資することについて決議を行い、同日3月30日付けで出資契約を締結しております。

 

(2) 賃貸借契約の締結

当社は、平成29年5月26日開催の取締役会において、固定資産(物流センター)の賃借に関する契約を締結することについて決議を行い、同日5月26日付けで定期建物賃貸借契約を締結しております。

 

(建物賃貸借契約)

契約会社名

相手方の名称

契約年月日

契約の内容

㈱スタートトゥデイ(当社)

筑波特定目的会社

平成29年5月26日

物流センターの定期建物賃貸借契約

㈱スタートトゥデイ(当社)

浅間特定目的会社

平成29年5月26日

物流センターの定期建物賃貸借契約

 

 

6 【研究開発活動】

 

特記すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 (1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。

 

 (2) 財政状態の分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減率

総資産

34,916

55,720

59.6%

負債

16,984

25,851

52.2%

純資産

17,932

29,868

66.6%

 

(総資産)

総資産については、前連結会計年度末に比べ20,803百万円増加(前連結会計年度末比59.6%増)し、55,720百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ20,819百万円増加(同83.9%増)し、45,641百万円となりました。主な増減要因としては、現金及び預金の増加10,725百万円、売掛金の増加9,688百万円などによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ15百万円減少(同0.2%減)し、10,079百万円となりました。主な増減要因としては、投資有価証券の増加1,084百万円、のれんの減少2,308百万円などによるものであります。

(負債)

負債については、前連結会計年度末に比べ8,867百万円増加(前連結会計年度末比52.2%増)し、25,851百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ8,532百万円増加(同55.5%増)し、23,906百万円となりました。主な増減要因としては、受託販売預り金の増加3,635百万円、未払法人税等の増加2,083百万円などによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ334百万円増加(同20.8%増)し、1,945百万円となりました。主な増減要因としては、退職給付に係る負債の増加271百万円、資産除去債務の増加59百万円などによるものであります。

(純資産)

純資産については、前連結会計年度末に比べ11,936百万円増加(前連結会計年度末比66.6%増)し、29,868百万円となりました。主な増減要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加17,035百万円、剰余金の配当による減少4,986百万円などによるものであります。

 

 (3) 経営成績の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。

 

 (4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

 (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

 (6) 経営者の問題認識と今後の方針について

①経営者の問題認識

経営者の問題認識につきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 会社の対処すべき課題」をご参照下さい。

②今後の方針

今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」をご参照下さい。