文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営方針
当社グループは「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念のもと、“想像”と“創造”を繰り返し、高付加価値なサービスを提供していくクリエイター集団であり続け、世界中の全ての尊い個性がファッションで繫がる未来を目指すことを基本姿勢に事業活動を行っております。また、ESG(Environment/環境・Society/社会・Governance/ガバナンス)に関する課題に積極的に対応していくことが、ステークホルダーをはじめ、一般社会との持続的な共存・共栄につながると考えており、「ファッションでつなぐサステナブルな未来へ」をサステナビリティステートメントとし、主に4つの重点的な取り組みを設定いたしました。これにより、ファッションとテクノロジーズが持つ力で、すべての人が可能性を発揮できるよう支援すると共に、社会・環境問題の解決を目指してまいります。これからも当社グループは、世界中の全ての尊い個性がファッションで繫がる未来を目指してまいります。
また、この企業理念の達成のため、「MORE FASHION」×「FASHION TECH」、「ワクワクできる『似合う』を届ける」という経営戦略を設定しており、当社グループの強みであるファッションを更に極め、テクノロジーで時代を進めることを実践することが、中長期的な企業価値の向上につながるものと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループが重視している経営指標は、EC事業から生み出される商品取扱高であります。なお、EC事業で計上する売上高のうち、受託商品の販売に係る収益は、商品取扱高に各手数料率を乗じた受託販売手数料のみを会計上の売上高として計上しております。そのため、当連結会計年度においては会計上の売上高が213,131百万円であるのに対し、商品取扱高は614,361百万円となっております。販売費及び一般管理費につきましては、商品取扱高に連動する変動費が多くを占めており、事業全体の規模を示す商品取扱高が売上高、利益それぞれに密接な関連を持っております。
また、当社グループでは資本コストを上回る利益を生み出すことが企業価値の増大につながると考えていることから、経営指標として自己資本利益率(ROE)も定めており、資本効率の高い経営に努めてまいります。具体的な目標値としては、世界的にみた場合に当社と類似する企業のROEの水準等を勘案し、ROE30%を目安としております。
当連結会計年度のROEは49.4%(前年同期実績55.0%)と引き続き高い水準を維持しており、目標値を大きく上回っております。株主への利益還元に関しては、財務基盤及び今後の投資計画等を鑑み、適切に対応してまいります。なお、当連結会計年度の配当額から算出される連結配当性向は70.1%となります。自己株式の取得も含めた総還元性向は中長期の通算(2024年3月期以降の概ね5年平均)で80%超を目指しており、今後につきましても、株主還元施策の強化に努め、一層効率的な資本の運用を目指してまいります。
[補足情報]目標とする経営指標及びその他経営指標の推移
(注)1 EBITDA=営業利益+株式報酬費用+減価償却費+のれん償却額
2 いずれも連結ベースの財務数値を基礎とした指標となっております。
3 商品取扱高前年同期増減率及び商品取扱高に対する割合は、商品取扱高(その他商品取扱高除く)を用いて算定しております。
4 当社は2025年4月1日付で普通株式1株を3株とする株式分割を行っており、2021年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり情報を算定しております。
(3) 優先的に対処すべき課題
当社グループの当面の課題は、①ZOZOTOWNの更なる成長を目的とした取り組み強化、②親会社であるLINEヤフー㈱との連携深化によるシナジー創出、③利益構造の多様化、④フルフィルメント及びECシステム機能強化が必要であると考えております。
① ZOZOTOWNの更なる成長を目的とした取り組み強化
当社コアビジネスであるZOZOTOWNにおいては、「MORE FASHION」×「FASHION TECH」~ ワクワクできる『似合う』を届ける ~ をテーマに掲げ、これまで以上にファッションならびにコスメをはじめとしたファッション周辺領域を追求し、より幅広いユーザー層に対するアプローチを推進してまいります
ファッションを「買う」ならZOZOから、ファッションの「コト」ならZOZOの世界を実現する事で、ユーザー・ブランド双方に対して当社ならではの付加価値を与えられるサービスとなるべく新たな取り組みを強化してまいります。
② 親会社であるLINEヤフー㈱との連携深化によるシナジー創出
当社グループはLINEヤフー㈱のグループ会社となって以降、同社グループ会社との連携を強めてまいりました。引き続きグループ会社間で更なるシナジー効果を最大化できるように注力してまいります。
ⅰ.ZOZOTOWN Yahoo!ショッピング店の商品取扱高拡大
LINEヤフー㈱が運営するYahoo!ショッピングへZOZOTOWNを出店しております。新たな顧客層の獲得によりZOZOTOWN Yahoo!ショッピング店の売上は徐々に成長しておりますが、まだ拡大余地が十分にあると認識しております。今後も幅広いユーザー層に対応するECサイトとして商品取扱高の拡大を目指してまいります。
ⅱ.開発リソースの共有
LINEヤフー㈱所属のエンジニアと当社所属のエンジニアの技術力の共有により、開発スピード及び開発クオリティの向上を目指してまいります。
③ 利益構造の多様化
当社コアビジネスであるZOZOTOWNを始めとした既存ビジネスから生まれる利益に満足することなく、利益構造の多様化を目指します。当社が独自に保有する顧客基盤、情報、ノウハウ、技術等の資産を最大限に活用することをはじめ、対象企業を国内・海外問わないM&Aも手段の一つとして事業ドメインの拡大を目指してまいります。
④ フルフィルメント及びECシステム機能強化
今後見込まれる商品取扱量の増加を視野に入れ、更なる物流キャパシティの拡大、業務効率化の促進を検討してまいります。また、ECシステムのハード及び機能面に関しましては、ユーザー数の増加及びそれに伴うアクセス数の増加への対応、ユーザビリティ向上のため、適宜強化を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社は2020年に、「SDGs推進委員会」を設置し、環境・社会に対して、ファッションを扱うプラットフォーマー企業として何ができるのか議論を重ね「ファッションでつなぐ、サステナブルな未来へ。」というサステナビリティステートメントを策定しました。このステートメントには、ファッションとテクノロジーを通じて、人と人をつなぎ、社会課題を革新的なやり方で解決していくという想いが込められています。
また、サステナビリティステートメント達成に向けてマテリアリティ19項目と、これまで大切にしてきたこととこれからの事業を通じて中長期で取り組むべきことをかけ合わせた4つの重点取り組みを掲げ、積極的に取り組み中長期的な企業価値の向上につなげることで、環境や社会に配慮した新しいファッションの世界の実現を目指しています。
①サステナビリティ経営の全体像
当社グループでは、取締役会において気候変動や生物多様性、人権、ガバナンスなどの課題を扱うことにより、戦略の立案・実行が効果的に行われると考えており、ESGに関する重要事項を取締役会で審議・決議しております。また、執行側でのマネジメント機関として設けた「SDGs推進委員会」では代表取締役社長兼CEOが委員長を務め、当社のリスクや機会、取り組み方針、目標についての議論や、ESGの取り組み実績の進捗確認を行い、「SDGs推進委員会」で審議された重要事項を取締役会にて承認します。また、2023年6月より当社は会社法関連法令に基づく監査等委員会設置会社へ移行しており、取締役会の運営状況の監視及び取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査を行っております。
②取締役の報酬制度
取締役の報酬制度については、取締役会の諮問機関であり社外取締役を中心とした指名・報酬諮問委員会にて制度の見直しを検討してまいりました。その審議結果及びその答申を踏まえ、当社取締役のうち業務執行取締役について、当社の持続的かつ中長期の企業価値向上を促し、健全なインセンティブとして機能させることを目的とし、当社の経営戦略に基づく短期・中長期の業績の達成及び企業価値の向上に向けた取り組みとその成果に対して報酬を支払う報酬制度を導入いたしました。
具体的には、固定報酬及び業績連動報酬で構成されており、固定報酬は現金のみ、業績連動報酬は現金賞与及び株式報酬の2種類の報酬から構成されております。各報酬の割合については、業績連動報酬の割合が固定報酬の割合を上回り、業績連動報酬のうち株式報酬の割合が現金賞与の割合を上回っております。
また、株式報酬は、2023年度から「ESG評価指標」を導入し、事業の成長度を測る「株価成長率」「営業利益」「在籍要件」とESG経営の推進度を測る「ESG評価指標」で決定します。
役員報酬制度の概要
ESGに関するリスク・機会は、サステナビリティを専任で担当しているコミュニケーションデザイン本部(サステナビリティ推進ブロック)が把握し、事業に影響を与えるリスク・機会を洗い出し、その後、代表取締役社長兼CEOが委員長を務める「SDGs推進委員会」で議論を行い、取締役会に報告しております。また、リスクマネジメント委員会では、当社グループ横断で重要リスクを特定しリスク管理を実施しております。
サステナビリティ・マネジメント

リスクマネジメント委員会

① マテリアリティ
当社グループは、サステナビリティステートメント「ファッションでつなぐ、サステナブルな未来へ。」を実現するために、ステークホルダーと当社の双方にとって重要性の高いマテリアリティを特定しました。
※「マテリアリティ及び、4つの重点取り組み」は、SDGs推進委員会にて審議し、2024年8月16日の取締役会にて決議しております。これに伴い①マテリアリティ及び、②4つの重点取り組み・KPIの内容を2023年度の内容から変更しております。
特定プロセス
Step1:課題の抽出
主要なESG評価機関(投資家)の評価、社会からの要請や株主、顧客、取引先、従業員、自治体、NGO等、各ステークホルダーの声を参考に、当社グループの特性や成長への寄与の観点から課題を抽出
※アナリストレポート、ユーザーインタビュー、取引先アンケート、従業員アンケート、NGOインタビューなどを参照
Step2:マテリアリティの分析・評価
「ZOZOグループとして大切にしたいこと」と「財務影響」を考慮して「ZOZOグループにとっての重要性」、「ステークホルダーにとっての重要性」の2つの軸で、マテリアリティを仮評価。仮評価を踏まえ、マテリアリティを解決する「4つの重点取り組み」を仮策定
Step3:妥当性の確認
仮評価したマテリアリティと「4つの重点取り組み」の妥当性、成長戦略との整合性を確認し、「SDGs推進委員会」にて経営陣により審議
Step4:承認
取締役会の決議を経て、ZOZOグループのマテリアリティを特定・公表
※社会環境や経営環境の変化に合わせて随時見直しを行います

② 4つの重点取り組み・KPI
当社は、サステナビリティステートメント「ファッションでつなぐ、サステナブルな未来へ。」の実現、マテリアリティ19項目の解決に向け、4つの重点取り組みを策定し、解決に向けた取り組みを進めております。
ⅰ.重点取り組み①取引先と共につくる、サステナブルでナナメウエなサービスの提供
テクノロジーの活用や取引先を含むすべてのステークホルダーと協働・共創することで、安全・安心で持続可能なワクワクするサービスを提供し、環境・社会課題の解決を目指します。
(注) 2024年より生産型数の算定方法の変更を行いました。これに伴い過年度分も遡及適用し、2023年度実績は変更後の生産型数となっております。
ⅱ.重点取り組み②DE&Iの推進による、すべての人が自分らしく笑顔で生きられる職場や地域の実現
多様性を重んじる職場環境の推進や、産官学を中心としたステークホルダーとの連携により地域社会の活性化および次世代支援に貢献することで、誰もが尊重し合い自分らしく笑顔で生きられる公平・公正な世界の実現を目指します。
(注)1 ZOZOグループカバレッジ:97.6%
2 男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合
ⅲ.重点取り組み③環境負荷の軽減による、豊かな地球への貢献
自然環境の課題解決にステークホルダーと共に取り組み、環境負荷を軽減することで、持続可能な地球環境の実現を目指します。
ⅳ.重点取り組み④ガバナンス強化による、正しい経営と強靭な管理体制の維持・改善
コーポレートガバナンスやリスクマネジメント、プライバシーセキュリティ等を強化することで、健全かつしなやかな管理体制を維持・改善し、高い透明性・実効性・迅速性のある経営を目指します。
④ 環境に関する戦略及び具体的な取り組み
当社は、将来の気候変動のシナリオは気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に基づいた「FASHION INDUSTRY CHARTER FOR CLIMATE ACTION」と「A Roadmap to Net-zero Emissions for the Apparel Sector」を使用してシナリオ分析を行い、気候変動に関連するリスク・機会の抽出を行いました。
TCFDの戦略の図
(注)短期:2024~2027年、中期:2027~2030年、長期:2030~2050年
リスクと機会において、環境配慮型のサービスや製品への移行、環境配慮型オペレーションの構築が重要であると考え、マテリアリティおよび重点取り組み「取引先と共につくる、サステナブルでナナメウエなサービスの提供」「環境負荷の軽減による、豊かな地球への貢献」への対応をより一層進めていきます。
なお、気候変動などに関する具体的な取り組みは、以下のとおりです。
ⅰ 当社拠点へ再生可能エネルギーを導入
当社は、「2030カーボンニュートラル宣言」のもと、2030年までに拠点の電力を100%再生可能エネルギー化することを目指しており、2025年3月現在、当社拠点の電力消費量のうち9割以上が再生可能エネルギーとなっています。また、当社のサーバー等を保管しているデータセンターは、100%再生可能エネルギー電力を使用しています。今後、その他拠点においても、再生可能エネルギーの導入を進め、カーボンニュートラルの達成を目指します。
ⅱ 省エネ化を促進するため空調最適制御システム「EMS-AI」を導入
物流拠点「ZOZOBASE習志野1」では年間約540万kWhの電力を使用しており、そのうち空調使用による電力使用量は約50%を占めています。「EMS-AI」の導入によって、空調の温度制御が自動で最適化され、2023年度の年間電力使用量に換算するとCO2削減量は約506トンに相当します。また、物流拠点「ZOZOBASE」では、全ての照明機材にLED照明を使用し、省エネ化、CO2削減に取り組んでいます。
ⅲ 計測テクノロジーにおける取り組み
当社は、ECでの購入時のサイズへの不安を解決すべく3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT」をはじめ、足の3D計測用マット「ZOZOMAT」、フェイスカラー計測ツール「ZOZOGLASS」などの計測ツールを提供しています。これにより購入後のサイズ不一致による返品の抑制に努めています。また、身体の3Dモデル生成が可能な「ZOZOSUIT」を使い、ワークアウトの進捗をサポートするボディーマネジメントサービス「ZOZOFIT」を米国で提供を開始しています。また、国内においてはファッションだけでなく健康医療分野などにも計測テクノロジーを活用しています。
ⅳ 生産支援プラットフォーム「Made by ZOZO」による受注販売
当社はファッション業界の課題である大量生産・大量廃棄を解決する取り組みとして、生産支援プラットフォーム「Made by ZOZO」を開発し、取引先ブランドへ提供しています。「Made by ZOZO」はお客様からの注文後に商品の生産(受注生産)を行う為、需要に応じた適正量の生産が可能、これにより商品の作りすぎによる生産材料への負荷や売れ残りによる廃棄が発生しません。また、「Made by ZOZO」は1点から生産、また注文から最短10日で配送可能のため、通常の受注生産と比べお客様へもストレスなく商品をお届けすることが出来ます。また、「Made by ZOZO」の生産を行う中国の提携工場ではISO14001認証、ISO9001認証、ISO45001認証を取得しております。
ⅴ ZOZOUSEDにおける取り組み
ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」では、お客様が使わなくなったファッションアイテムの買取・販売を行い廃棄物削減に取り組んでいます。また、アイテムを回収する際に使用する資材は、クリーニングすることで繰り返し利用できるリユースバッグを導入しています。
「ZOZOUSED」で、お客様から回収したアイテムを二次流通させることにより、新たに生産されるアイテムの製造過程から廃棄焼却までに発生するCO2排出を防ぐことができたと想定した場合、サービス開始時から累計でCO2排出量は約18万トン(※1)の削減、また、2024年度のCO2排出抑制量をスギの木の吸収量に換算すると約158万本に相当します。(※2)
また、これまでに「ZOZOUSED」の利用者数(リユース経験者数)は、サービス開始から累計(※3)で約499万人にのぼります。当社は今後も、リユース経験者を増やしていくことで、循環型ファッションを確立し、循環の環を拡げていきたいと考えています。
なお、2024年より利用者数の算定方法の変更を行っております。これに伴い過年度分も遡及適用し、2024年度は変更後の利用者数となっております。
(※1)2012年11月〜2025年3月。新たに生産されるアイテムの製造過程から廃棄焼却までの間に発生するCO2排出を回避したと仮定。回収したアイテム品数を重量に変換(出典:環境省「サステナブルファッション―これからのファッションを持続可能」)し、アイテム1kgあたりのCO2排出量を乗算し算出(出典:環境省「3R原単位の算出方法」)
(※2)スギの木1本あたり約14kgのCO2排出量を吸収すると仮定(出典:関東森林管理局 森林の二酸化炭素吸収力)
(※3)2012年11月〜2025年3月。リユース経験者の定義は、「ZOZOUSED」サービス商品の購入者・買い替え割サービスの利用者・通常買取サービスの利用者の合計
ⅵ 輸送・配送
a. 幹線輸送における積載効率の向上
物流拠点「ZOZOBASE」では、遠方(北海道・九州地方など)へ商品配送を行う際、当社拠点で梱包を行わず、幹線輸送後に各地域エリアにあるヤマト運輸のリレーションセンターで個別梱包・配送をしています。これにより幹線輸送における積載効率の向上を図り、輸送に伴うCO2の削減へ取り組んでいます。
b.「置き配」サービスの推奨
当社はヤマト運輸が提供する、玄関前などの受け取り方法が選択可能なサービス「EAZY」を国内で初導入し、注文完了画面などで推奨しております。このようなサービスを通じて再配達を防ぐことにより、配送時のCO2の削減へ取り組んでいます。
c.「注文のおまとめ」機能の導入
当社では複数回に分けて商品を注文した際に、1つの注文としてまとめて配送する「注文のおまとめ」機能を導入しています。発送前の注文が複数ある場合、おまとめ可能な注文は自動的にまとめられ、ご指定のお届け先へ配送されます。これにより商品のお届けの際に使用する梱包資材や配送回数は減少し、配送に伴うCO2の削減へ取り組んでいます。
d.「ゆっくり配送」
「ゆっくり配送」は、商品注文日の7日後から10日後までに発送する新たな配送の選択肢で、注文から発送までのリードタイムが通常配送に比べ最大で6日長くなります。働き方改革関連法の施行による「2024年問題」への対応として、2024年4月に試験導入を実施したところ、「注文のおまとめ」促進による配送件数の削減効果を確認できたことから、CO2排出量の低減等のさらなる効果を見込み2024年8月から本格導入しました。
ⅶ 梱包資材
物流拠点「ZOZOBASE」では、お客様へ商品を配送する際に使用する梱包資材にFSC認証段ボールやバイオマス素材の袋資材を採用しているほか、商品を保護するための緩衝材には再生紙を、物流拠点で使用する荷役台は100%リサイクル素材のパレットを導入し、環境配慮に努めています。また、梱包資材は複数のサイズを用意し、商品のサイズに対して適正サイズの資材を梱包担当者に知らせるシステムを導入するなど、配送用資材の廃棄量の削減に取り組んでおります。
ⅷ ペーパーレス化の促進
ZOZOTOWNで注文頂いた際にお客様へお渡しする納品書兼領収書を全て電子化しています。2024年度の出荷件数で換算した場合、年間約6,100万枚の納品書兼領収書(紙)を削減したこととなり、納品書兼領収書(紙)の生産と焼却に伴うCO2排出量としては、約354トンの廃棄削減効果が見込まれます。また社内においても電子契約サービス「クラウドサイン」を導入し契約書などWeb完結型として紙の廃棄削減に取り組んでいます。
ⅸ 水資源保全の取り組み
水資源は、気候変動課題や生物多様性の保全とも関連する自然資本の保全上の重要項目と認識し、事業活動における水使用量の削減、水源の保全、水リスクの管理と対処に努めてまいります。ZOZOグループにおいて主に水を利用している用途は、データセンターでの冷却水等と事業所での生活用水に大別されます。そのうち事業所については、職場生活に必要な量のみを消費しております。
これら、事業にかかる水資源に関しては、世界資源研究所(WRI)のWater Risk Atlasツールを活用し定期的に水源地の水ストレスを確認しています。調査を行った15拠点のうち、約80%の12拠点を日本国内拠点が占め、売上規模では国内売上が99%以上を占めています。国内拠点の多くは「Low - Medium (10-30%)」と中程度であり、事業への影響は大きくないと判断していますが、複数の国内拠点が海岸部などの低地に立地し、気候変動に伴う集中豪雨や洪水、高潮等のリスクがあると認識しています。なお、水ストレスリスクHigh(リスク割合40%)以上の拠点として、海外2カ国における2拠点に該当がありました。これらのエリアには人口集中、渇水/干ばつリスクがあり、要配慮エリアであると考えています。リスク規模は以下のとおりです。
また、2050年における将来リスクも同時に確認を行い、High(リスク割合40%)以上に該当するエリアが確認されました。これらのエリアにおいては中長期的な水没/洪水リスク、渇水/干魃リスク、水質的なリスクなどが懸念されることから節水に努め事業の継続性を確保してまいります。
ⅹ 生物多様性
当社グループでは、2023年1月、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指す「ネットゼロ」を発表しました。CO2排出量の削減は気候変動を緩和させるだけでなく、生態系の保全にもつながり、生物多様性の損失を抑えます。また、当社では「生物多様性」をマテリアリティの一つとして捉え、FSC認証段ボールや環境に配慮した梱包資材の採用、納品書兼領収書の電子化による紙の使用量の削減、商品を配送用段ボールに入れる際に使用する緩衝材をプラスチック素材から再生紙100%の素材に変更するなど企業活動において、森林破壊の抑制や、生物多様性/生態系の維持、強化、保全に努めています。今後も、関連する条約や法令を遵守し自然と共生する社会の実現を目指します。
ⅺ 第三者検証の受審
グループ企業であるソフトバンク㈱、㈱LINEヤフーとともに、「ISO14064-3」「ISAE3000」に準拠した第三者検証を受審しています。検証の保証水準は「限定的保証水準」において実施し、2023年度のスコープ1、2、3の温室効果ガス排出量、エネルギー使用量、再生可能エネルギー使用量、再生可能エネルギー利用率、水使用量、水使用量原単位および産業廃棄物処分量について検証が行われた結果「算定ルール」に準拠せず、正確に算定されていない事項は発見されませんでした。今後、検証対象の範囲を拡大していきます。
ⅻ 環境デューデリジェンス
ZOZOTOWN出店アパレルブランド企業(アパレルの売上がメインの企業)、ZOZOTOWN出店アパレル以外のブランド企業(シューズ、コスメ、革小物などの売上がメインの企業)、ブランド以外の企業の環境リスクを特定するため、気候変動、水、資源などについてアンケートを実施し、リスクの高いサプライヤーを特定したため、リスクの防止・改善活動に取り組んでいます。
⑤ 人的資本・人権に関する戦略及び具体的な取り組み
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のように策定しております。
当社は「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」を企業理念とし、世界中のすべての尊い個性がファッションでつながる未来を目指しております。ダイバーシティ経営を推進し、誰もが自分らしく自然に「自事(しごと)※」ができる仕組みづくりに取り組んでいます。事業の特性上、ファッションが好きな社員が多いことから、社員それぞれが個性豊かなファッションを楽しみ、ファッションを通じて互いの個性を理解し尊重し、多様性を大切にする独自の企業文化が醸成されております。また、役職や年次にとらわれることなく、フラットな組織の中でコミュニケーションが活発に生まれております。これにより、管理職や中核人材への登用においても性別や国籍、キャリア採用者等の枠を超えた多様性の確保がなされており、この環境を人材育成に活かしながら事業と共に社員も成長してまいります。
※当社では「仕事」を「自事」と表記します。これには「仕事(仕えること)」ではなく「自事(自然なこと)」であるという意味が込められています。
ⅰ 多様性の重視
当社は、人権に関する基本方針(人権ポリシー)で、多様性の重視について以下の宣言を行い取り組んでおります。
「私たちは、すべての人を個人として尊重し、政治的信念、思想、宗教、性・性自認・性的指向、身体的特徴、疾病、年齢、国籍、人種、民族などに拘らず、差別や不利益な取扱いを許容せず、採用、評価、育成、配置、昇給・昇進、役職登用等の機会を均等とし、多様な人材がいきいきと活躍できる職場環境を推進します。」
ⅱ 女性の活躍推進に関する取り組み
当社は、女性社員のさらなる活躍のため、女性活躍指針法の定めに基づく一般事業主行動計画を策定し取り組んでおります。当社の社員構成比は女性42.0%、男性58.0%(2025年3月時点)、課長相当職以上の女性管理職比率は24.2%(2025年3月時点)となっており、全国平均の12.7%※に比べ、高い数値となっております。引き続き多様性を大切にしながら、経営戦略を推進するために適切な人材登用を行うことを基本としつつ、女性社員のさらなる活躍のための施策を積極的に推進し、女性管理職比率を向上させることに努めてまいります。
※女性管理職比率の全国平均は、厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」を参考
ⅲ 障がい者に関する取り組み
当社では、法定を上回る3.35%(2024年6月時点)の雇用率で障がいのある従業員が在籍しており、管理部門、カスタマーサポート部門、開発部門など様々な部門に所属しています。一人ひとりの障がいに寄り添った配慮を行うことで、障がいの有無に限らず個性を発揮し自分らしく活躍できる会社を目指します。
ⅳ 外国人の中核人材への登用
当社は、アメリカ、ニュージーランド、ベトナム等にグループ会社を保有しており、各グループ会社の取締役に外国人を登用しております。引き続き多様性を大切にしながら、適切な人材登用を行ってまいります。なお、経営戦略の推進に海外ビジネスの経験者が必要な場合には、国籍にかかわらず、適切な人材の登用を行ってまいります。
ⅴ キャリア採用者の中核人材への登用
当社の2024年度の新規キャリア採用者数は、65名(男性42名、女性23名)です。業務執行取締役および執行役員のほとんどが中途採用者である等、多くのキャリア採用者を管理職、中核人材として登用しております。なお、新卒採用者かキャリア採用者かにかかわらず、引き続き多様性を大切にしながら、適切な人材登用を行ってまいります。
ⅵ 多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針
a.多様性の確保に向けた人材育成方針
人材育成に関する社内環境の整備については、一般社員、管理職、全社員を対象とした様々な研修を実施しており、事業推進に必要な基礎知識を学ぶための研修やダイバーシティ推進研修など、社員の学ぶ環境を整えております。また、管理職については、選任評価基準に沿ったフィードバックを定期的に実施し、管理職内での縦横の連携を深めると共に、家庭環境やライフステージに応じた働き方のサポートを実施するなど、細部に応じたフォローアップを行っております。今後は中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略、人的資本制度をより充実させてまいります。
b.多様性の確保に向けた社内環境整備方針
当社はダイバーシティ経営を推進しており、性別(性的指向や性自認も含む)や国籍、価値観など互いの多様性を理解しあい、個々のライフスタイルに合わせた多様な働き方を応援するような仕組みづくりに取り組んでいます。社内規程における配偶者の定義には同性パートナーも含まれ、当社の社員はパートナーの性別にかかわらず、休暇、慶弔などの社内制度の適用を受けることが可能となっております。これまでもZOZOグループの社員を対象に、LGBTQ+に対する正しい認識と理解を促進するためe-ラーニングを実施、6月のプライド月間にはLGBTQ+を支援する団体へ寄付を行うとともに、日本国内の婚姻の平等(同性婚の法制化)を推進するキャンペーンへの賛同を表明しました。こうした職場におけるLGBTQ+への取り組みが評価され、「PRIDE指標2024」において最高評価「ゴールド」認定と「レインボー」認定を獲得しています。
外国籍・宗教に関する取り組みも実施しており、要望に応じて礼拝用のスペースを用意するなど、国籍や宗教により対応が必要な場合は都度検討し整備・改善を行っています。
また、当社の育休取得率は女性100%、男性(正規雇用労働者)70.5%(2025年3月時点)、産休・育休後の復職率は100%(2025年3月時点)と非常に高く、性別を問わず子育てしながら働く社員が働きやすい環境づくりに力を入れております。
ⅶ 人権方針の策定
「世界人権宣言」「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「子どもの権利とビジネス原則」「ILO宣言の中核8条約上の基本原則」などの国際的な人権規範に従い、事業活動全てにおいて、事業を行う国や地域の文化・慣習を理解し、これを尊重して行動し、自らが差別や人権侵害に関与しないよう努めるとともに、サプライヤー・ビジネスパートナーなどに対しても、これらの原則にのっとって人権を尊重し、侵害しないように求めます。
ⅷ 人権デューデリジェンス
ZOZOTOWN出店アパレルブランド企業(アパレルの売上がメインの企業)、ZOZOTOWN出店アパレル以外のブランド企業(シューズ、コスメ、革小物などの売上がメインの企業)、ブランド以外の企業の人権リスクを特定するため人権、強制的な労働、人身取引、児童労働、ハラスメント、差別、賃金、労働安全衛生などについてアンケートをおこない、リスクの高いサプライヤーを特定し、リスクの防止・改善活動に取り組んでいます。
当社グループは、上記「④環境に関する戦略及び具体的な取り組み」に係る指標については、自社の事業活動での温室効果ガス排出量(スコープ1、2)を2030年までに実質ゼロにする「2030カーボンニュートラル宣言」に加え、間接的に排出される温室効果ガス排出量(スコープ3)も含めたサプライチェーン排出量を、2050年までに実質ゼロにする「ネットゼロ」を掲げ、実現に向け取り組んでいます。他にも、2023年3月にパリ協定が定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減目標「Science Based Targets(サイエンス・ベースド・ターゲット)(以下SBT)」を認定する機関「SBTイニシアティブ」に対しコミットメントレターを提出し、パリ協定の「1.5℃目標」を達成するための目標を設定しSBT認定を申請しています。
(単位:t-CO2)
スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
スコープ3:スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
(注)1 2024年よりCO2排出量の算定方法の変更を行いました。これに伴い基準年排出量及び、目標年排出量を変更しております。
2 算定範囲や排出係数の変更にともない、排出量の算定結果が今後変動する可能性があります。
また、当社グループでは、上記「⑤人的資本・人権に関する戦略及び具体的な取り組み」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
(1)方針・体制
当社では、発生しうるリスクの把握、発生防止にかかる管理体制の整備ならびに発生したリスクへの対処に関する基本的な事項を定め、事業の適正化かつ円滑な運営およびその継続性を確保することを目的として「リスク管理規程」を制定し、取締役会直下の組織としてリスクマネジメント委員会を設置しています。リスクマネジメント委員会は、委員長である代表取締役社長兼CEO及び全ての業務執行取締役で構成されており、オブザーバーとして常勤の監査等委員、内部監査室、その他委員長が必要と認めた者が参加しております。リスクマネジメント委員会では、当社グループのリスクについて各部門が洗い出した経営に重大な影響を及ぼす可能性が高いリスクを分析・評価の上選定し、リスクマネジメントの取組状況について継続的なモニタリングを行うと共に必要な支援を実施するなどリスクの回避、低減に必要な措置を事前に講じています。また、取締役会は付議・報告されたリスク管理状況についてリスク管理体制を見直し、問題点の把握と改善に努めています。
なお、リスクマネジメント委員会の体制については、「第2 事業の状況2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)リスク管理」の図をご参照ください。
(2)個別のリスク
投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社グループ株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
[表1]前年同期比
(単位:百万円)
(注) ( )内は商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合です。
当社グループは、「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念のもと、日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」、及びファッションメディア「WEAR by ZOZO」の運営を中心に事業活動を行っております。
当連結会計年度においては、物価上昇が続く中でも賃上げやインバウンド消費(特にオフライン)等が国内需要の支えとなり、ファッション関連の消費意欲は底堅く推移しました。一方で、不安定な為替相場、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化、資源・エネルギー価格の高騰等、経済の先行きは不透明な状況が続いています。
この状況下で当社グループは、ZOZOTOWNにおいてはユニークユーザー数拡大及びコンバージョンレート(ユニークユーザーの購買率)向上を目指し、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに一層注力してまいりました。具体的には、セールイベント「ZOZOWEEK」の実施期間(2024年5月15日~26日の12日間、同年9月11日~16日及び19日~23日の10日間、同年11月1日~10日及び13日~17日の15日間)や、夏・冬の本セール開始期間ならびにブラックフライデー期間(2024年11月27日~12月1日の5日間)にはTVCMを放送し集客を強化する等、ZOZOTOWNにおける販売力の最大化に取り組みました。加えて、引き続き多様化するユーザーニーズに対応できるよう幅広いジャンルの新規ブランドの出店も進めてまいりました。カテゴリー強化の取り組みとしては、コスメカテゴリー強化を図る「ZOZOCOSME」に注力しております。ZOZOCOSMEは2025年3月末時点において国内外の750以上のコスメブランドを取り扱っておりますが、商品取扱高拡大のため、更に積極的な新規ブランドの誘致及びラインナップの拡大を進めてまいります。また、当社ならではの付加価値提供としては、当社独自のAIを活用した超パーソナルスタイリングサービス「niaulab(似合うラボ)」を開始する等、購買の上流にアプローチする「似合う」を軸としたソリューションの提供を目指しています。
LINEヤフーコマース(Yahoo!ショッピングとYahoo!オークションの合算値)については、前連結会計年度までに獲得した顧客の定着に加え、モールを運営するLINEヤフー㈱による集客及び「本気のZOZO祭」(2024年5月19日、同年7月21日、同年9月23日、同年10月20日、同年11月17日、同年12月22日、2025年1月1日、同年2月16日、同年3月21日~22日)等の販促施策投下により、順調に売上を伸長させております。
これらの結果、当連結会計年度における商品取扱高は614,361百万円(前年同期比7.0%増)、その他商品取扱高を除いた商品取扱高は574,666百万円(同7.0%増)となりました。売上高は213,131百万円(同8.2%増)、売上総利益は198,312百万円(同8.3%増)となりました。売上総利益の商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合(粗利率)は34.5%となり、前年同期と比較して0.4ポイント上昇いたしました。
売上高については、広告事業の成長及び送料収入の増加(2024年4月1日よりお客様からいただく送料を一律税込330円に改定)に伴うその他売上高の増加が主な要因となり、前年同期比で商品取扱高(その他商品取扱高除く)の成長率を上回る伸び率となりました。
粗利率上昇の主な要因は、売上高について記載の通り、広告事業の成長及び送料収入の増加に伴うその他売上高の増加となります。
販売費及び一般管理費は133,556百万円(前年同期比8.5%増)、商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合は23.2%と前年同期と比較して0.3ポイント上昇いたしました。前年同期比で変動があった販管費項目は以下のとおりです。なお、以下の対商品取扱高比は、各販管費項目を商品取扱高(その他商品取扱高除く)で除した結果となります。
・上昇(悪化)要因
① 平均出荷単価が前期実績を上回った一方で、2024年4月1日発送分よりヤマト運輸㈱による配送料値上げを受け入れたことにより、荷造運賃(対商品取扱高)が0.3ポイント上昇。
② 商品取扱高及び営業利益の期初計画達成に伴い、スタッフへ決算賞与を支給したことにより、人件費うち社員人件費(対商品取扱高)が0.2ポイント上昇。
③ 物流拠点「ZOZOBASEつくば3」関連のマテハン機器等の償却開始により、減価償却費(対商品取扱高)が0.1ポイント上昇。
④ 物流拠点ZOZOBASEつくば3及び「DPLつくば中央」の賃借開始に伴い、賃借料(対商品取扱高)が0.1ポイント上昇。
・低下(改善)要因
① 物流拠点の在庫保管量の適正化等による作業効率の改善や、自動化推進による省人化等により、物流関連費(対商品取扱高)が0.3ポイント低下。
② 前期発生した物流拠点ZOZOBASEつくば3稼働開始に伴う作業用備品等のスポット費用の減少等により、その他費用(対商品取扱高)が0.2ポイント低下。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は64,756百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益率は対商品取扱高(その他商品取扱高除く)比11.3%となり、前年同期と比較して0.1ポイント上昇いたしました。また、経常利益は64,888百万円(同8.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は45,346百万円(同2.3%増)となりました。
[表2]通期連結業績予想比
(単位:百万円)
(注) ( )内は商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合です。
2024年4月30日に開示いたしました期初計画に対しては、商品取扱高が0.8%、商品取扱高(その他商品取扱高除く)が0.4%、それぞれ上回りました。月によってはネガティブな気候影響を受けましたが、機動的なプロモーション施策の投下等が奏功し、商品取扱高及び商品取扱高(その他商品取扱高除く)の期初計画達成となりました。一方で、売上高は期初計画を0.6%下回りましたが、第4四半期連結会計期間における広告事業の不調に伴う広告事業の期初計画未達や、実質プロモーション費用のうち、売上高から控除となるポイント等費用の計上額が期初計画を超過したことが主な要因です。利益面では、期初計画に対して、営業利益が0.9%、経常利益が1.1%、親会社株主に帰属する当期純利益が0.3%、それぞれ上回りました。営業利益については、物流拠点の在庫保管量の適正化等による作業効率の改善及び自動化推進による省人化等に伴い物流関連費(対商品取扱高)が低減したこと等による各種コストコントロールの結果、期初計画達成となりました。営業利益の計画達成に連動し、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益についても、期初計画を上回っての着地となりました。
なお、当社グループはEC事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、単一セグメント内の各事業区分の業績を以下のとおり示しております。
各事業別の業績は、以下のとおりです。
[表3]事業別前年同期比
① ZOZOTOWN事業
ZOZOTOWN事業は、「買取・製造販売」「受託販売」「USED販売」の3つの事業形態で構成されております。「買取・製造販売」は当社グループが仕入れを行い、在庫リスクを負担し販売を行う事業形態になります。各ブランドからファッション商材を仕入れる形態と、MS(マルチサイズ)等、当社グループが商材を発注する形態がこちらに該当します。「受託販売」は各ブランドの商品を受託在庫として預かり、受託販売を行っております。「USED販売」は主に個人ユーザー等から中古ファッション商材を買取り、販売を行っております。新品商品購入促進のための付加価値サービスと位置付けております。
当社では、ZOZOTOWN事業を持続的に成長させていくためには「購入者数の拡大」及び「ファッション消費におけるZOZOTOWN利用率上昇」が重要なファクターであると認識しております。そのために、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに取り組んでおります。
なお、ZOZOTOWN事業に係る主なKPIの推移は以下のとおりです。
(ショップ数等)
[表4]ショップ数、ブランド数の推移
(注) 1 四半期会計期間末日時点の数値を使用しております。
2 プライベートブランド「ZOZO」及び「マルチサイズ」は含んでおりません。
当連結会計年度に新規出店したショップ数は142ショップ(純増54ショップ)となりました。なお、第4四半期連結会計期間に新規出店したショップ数は28ショップ(純減7ショップ)となりました。主な新規出店ショップは、㈱コーセーが運営する「雪肌精」や「Visse」、エスティローダーカンパニーズが運営する「TOM FORD BEAUTY」等のコスメブランドです。新規出店誘致は計画通り進捗しましたが、ブランドの終了等による退店が多かったため、前四半期比でショップ数は減少いたしました。
(年間購入者数)
[表5]年間購入者数の推移
(注) 1 集計期間は会計期間末日以前の直近1年間としております。
2 年間購入者数は過去1年以内に1回以上購入したアクティブ会員数とゲスト購入者数の合計です。
3 アクティブ会員数は過去1年以内に1回以上購入した会員数になります。
4 「LINEヤフーコマース」は含んでおりません。
第4四半期連結会計期間において、アクティブ会員数が前年同期比及び前四半期比でそれぞれ増加したことに伴い、年間購入者数も増加いたしました。アクティブ会員数の増加は、前連結会計年度に新規獲得した会員の定着に加え、2024年5月・9月・11月のZOZOWEEKやブラックフライデーの開催期間、ならびに夏・冬の本セール期間における、TVCM放送及びWEB上の広告を通じた集客強化が主な要因です。第4四半期連結会計期間のうち、1月・2月はセール在庫の不足等の影響により、新規会員の獲得に苦戦しました。一方で、3月以降はWEB上の広告等の集客プロモーションを積極的に展開したことと春夏物の需要上昇により、新規会員の獲得状況は好転いたしました。
(年間購入金額及び年間購入点数)
[表6]年間購入金額、年間購入点数の推移
(注) 1 集計期間は会計期間末日以前の直近1年間としております。
2 アクティブ会員1人当たりの指標となっております。
3「LINEヤフーコマース」は含んでおりません。
4 円単位となっております。
第4四半期連結会計期間において、全体の年間購入金額及び年間購入点数は前年同期比で増加、前四半期比で減少いたしました。前年同期比で増加した主な要因は、直近数四半期の新規会員獲得が低調であったこと等が影響し、全体に占める新規会員の割合が低下したこと(会員歴が浅い程年間購入金額及び年間購入点数が低い)です。
(平均商品単価等)
[表7]平均商品単価、平均出荷単価、1注文あたり購入点数、出荷件数の推移
(注) 1 四半期会計期間の数値を使用しております。
2「LINEヤフーコマース」は含んでおりません。
3 円単位となっております。
第4四半期連結会計期間の平均商品単価は、前年同期比で微増となりました。1月・2月はセール期間であった一方、セール在庫の不足に苦しんだブランドが多く、当社もその影響を受けました。ブランド各社が早期の在庫欠品を懸念してか、前年同期比でセール比率が低下したことが、平均商品単価にプラスの影響を与えました。平均出荷単価については、1注文あたりの購入点数が増加した影響で、前年同期比で増加いたしました。1注文あたりの購入点数が増加したのは、1万2千円以上の購入で送料無料となる送料無料施策の投下量が前年同期比で増加したため、同施策実施日の合わせ買いの割合が上昇したことが主な要因です。
ⅰ. 買取・製造販売
当連結会計年度の商品取扱高は3,692百万円(前年同期比16.6%減)、商品取扱高に占める割合は0.6%(前年同期実績0.8%)となりました。売上高は3,484百万円(前年同期比18.3%減)となりました。2025年3月末現在、買取・製造販売のZOZOTOWN出店ショップは29ショップ(2024年12月末30ショップ)を運営しております。
ⅱ. 受託販売
当連結会計年度の商品取扱高は468,606百万円(前年同期比6.0%増)、商品取扱高に占める割合は76.3%(前年同期実績77.0%)となりました。売上高(受託販売手数料)は129,651百万円(前年同期比6.3%増)となりました。2025年3月末現在、受託販売のZOZOTOWN出店ショップは1,620ショップ(2024年12月末1,626ショップ)を運営しております。
ⅲ. USED販売
当連結会計年度の商品取扱高は19,643百万円(前年同期比8.6%増)、商品取扱高に占める割合は3.2%(前年同期実績3.1%)となりました。売上高は18,841百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
② LINEヤフーコマース
LINEヤフーコマースは、Yahoo!ショッピングとYahoo!オークションの合算値となります。LINEヤフー㈱が運営するオンラインショッピングモールYahoo!ショッピングへZOZOTOWNを出店、ならびに、2024年3月より同社が運営するネットオークションサービスYahoo!オークションへZOZOUSEDを出店しております。当連結会計年度の商品取扱高は69,610百万円(前年同期比20.6%増)、商品取扱高に占める割合は11.3%(前年同期実績10.1%)となりました。売上高(受託販売手数料)は21,329百万円(前年同期比24.5%増)となりました。
③ BtoB事業
BtoB事業では、ブランドの自社ECサイトの構築及び運営・物流業務を受託しております。当連結会計年度の商品取扱高は13,112百万円(前年同期比9.4%減)、商品取扱高に占める割合は2.1%(前年同期実績2.5%)となりました。売上高(受託販売手数料)は2,145百万円(前年同期比5.6%減)となりました。2025年3月末現在、受託サイト数は32サイト(2024年12月末31サイト)となっております。
④ 広告事業
広告事業は、ZOZOTOWN及びWEAR by ZOZOのユーザーリーチ基盤を活用し、主に取引先ブランド各社に広告枠を提供し、広告収入を得る事業形態となります。当連結会計年度の売上高は11,209百万円(前年同期比15.1%増)となりました。
WEAR by ZOZOについては、引き続きユーザーの拡大及びコンテンツの拡充に注力しております。
⑤ その他
その他商品取扱高には、Yahoo!ショッピングにおけるZOZOTOWN店を除いたファッションカテゴリーストアのうち、ZOZOオプション(当社提案をもとにYahoo!ショッピング内で実施する特集企画への参加等の営業支援の恩恵を受けることが出来るサービス)の契約を結んだストアの流通総額、当社連結子会社の自社ECサイトにおける流通総額、ZOZOTOWNからオフライン店舗への送客をする仕組み「ZOZOMO」を経由した流通総額及び米国で有料販売をしている「ZOZOSUIT」の流通総額を計上しております。当連結会計年度のその他商品取扱高は39,695百万円(前年同期比6.0%増)、商品取扱高に占める割合は6.5%(前年同期実績6.5%)となりました。その他売上高には、ZOZOTOWN事業に付随した事業の売上(送料収入、決済手数料収入等)及び前述のその他商品取扱高に関連した売上等が計上されており、当連結会計年度のその他売上高は26,470百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
(単位:百万円)
(総資産)
総資産については、前連結会計年度末に比べ25,947百万円増加(前連結会計年度末比16.0%増)し、187,810百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ24,257百万円増加(同19.7%増)し、147,394百万円となりました。主な増減要因としては、現金及び預金の増加26,738百万円、売掛金の増加3,663百万円、商品及び製品の減少1,178百万円、有価証券の減少5,000百万円などによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,690百万円増加(同4.4%増)し、40,415百万円となりました。主な増加要因としては、有形固定資産の増加786百万円、無形固定資産の増加825百万円などによるものであります。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ11,972百万円増加(前連結会計年度末比15.5%増)し、89,090百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ11,566百万円増加(同16.9%増)し、79,828百万円となりました。主な増加要因としては、受託販売預り金の増加2,182百万円、未払金の増加588百万円、未払法人税等の増加3,702百万円、賞与引当金の増加1,758百万円などによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ406百万円増加(同4.6%増)し、9,262百万円となりました。主な増減要因としては、資産除去債務の増加335百万円、退職給付に係る負債の減少54百万円などによるものであります。
(純資産)
純資産については、前連結会計年度末に比べ13,974百万円増加(前連結会計年度末比16.5%増)し、98,719百万円となりました。主な増減要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加45,346百万円、剰余金の配当による減少32,071百万円などによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から21,738百万円増加し、91,486百万円となりました。
当社グループは、自己資金及び金融機関からの借入等を資本の財源としております。また、当社グループの資金の流動性については、事業規模に応じた資金の適正額を維持することとしており、当社グループは運転資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、取引銀行1行と貸越極度額20,000百万円の当座貸越契約を締結しております。
また、取引銀行3行と総額12,500百万円のシンジケートローン契約を締結しております。
当連結会計年度末における借入実行残高は、20,000百万円となっております。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は60,114百万円となりました。主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益64,710百万円の計上などによるものであります。一方、主な減少要因としては売上債権の増加額3,664百万円、前払費用の増加額159百万円、法人税等の支払額16,127百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は6,285百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出4,799百万円、無形固定資産の取得による支出1,486百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は32,081百万円となりました。これは配当金の支払額32,069百万円などによるものであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、親会社株主に帰属する当期純損益額が変動する可能性があります。
② 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に設定しています。
割引率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(1)借入に関する契約
当社は、2025年3月28日付でシンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結しております。
(2) 企業・株主間のガバナンスに関する合意に関する契約
① 当該契約の概要
ⅰ.相手方の名称
LINEヤフー㈱
ⅱ.相手方の所在地
東京都千代田区紀尾井町1-3
東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー
ⅲ.契約締結日
2019年9月12日
ⅳ.合意の内容
a.相手方は提出会社の取締役のうち、監査等委員でない取締役2名を指名する権利を有することへの合意
b.以下の事項を行う場合には、相手方の書面による承諾を取得することへの合意
イ.定款の変更
ロ.大幅な利益減少を伴う事業計画の策定または変更
ハ.合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡等のM&A取引や第三者との資本提携(一定の場合)
ニ.解散、清算、倒産手続きの申立て
② 当該合意の目的
本業務提携の趣旨を踏まえ、提携後は円滑かつ安定した経営体制を構築し、両社の協力を通じて企業価値の最大化を図るものです。
本提携における合意内容は、提携パートナーとして一定の関与を持ちつつ、経営の一体性やシナジーの創出を図ることを目的としております。ただし、取締役候補者の選任については、当社の指名・報酬委員会による適切な判断および株主総会決議を前提としており、議決権の行使についても法的拘束力はなく、独立した判断が尊重されております。
さらに、当社の経営の独立性や少数株主の利益を不当に損なう事がないよう、重要な意思決定に関する事前承諾義務についても、対象は限定され、合理的に拒絶しないことを前提に運用されております。これらの枠組みにより、両社の企業価値の向上と、少数株主を含む全ての株主の共同の利益の確保が図られるものと考えております。
③ 取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程及び当該合意が当該提出会社の企業統治に及ぼす影響
当社は、2019年9月12日開催の取締役会において、本取引に関する当社のリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から提供された法的助言およびフィナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証
券株式会社から提供された本取引の交渉・評価に関する専門的知見を踏まえ、慎重に協議・検討を重ねた結果、本取引の実行が当社及びその株主の利益に資するものと判断し、本合意の締結を決定いたしました。
これらの合意は、資本業務提携に基づく協働体制の構築と、企業価値向上を図るためのガバナンス強化の一環として合理的に位置づけられるものであり、当社の企業統治に与える影響は限定的かつ軽微であると判断しております。
(3)企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意に関する契約
① 当該契約の概要
ⅰ.相手方の名称
LINEヤフー㈱
ⅱ.相手方の所在地
東京都千代田区紀尾井町1-3
東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー
ⅲ.契約締結日
2019年9月12日
ⅳ.合意の内容
a. 当該株主による当該提出会社の株式の譲渡その他の処分について当該提出会社の事前の承諾を要する旨の合意
b. 当該契約が終了した場合に、当該提出会社が当該株主に対しその保有する当該提出会社の株式を当該提出会社(当該提出会社が指定する者を含む。)に売り渡すことを請求することができる旨の合意
② 当該合意の目的
当該合意は、当該株主との資本関係が当該株主の意思のみにより一方的に変更されることを防止することを目的とするとともに、契約終了時には過去の提携関係に基づく株主の影響を適切に整理・排除することで、将来の経営戦略や資本政策における柔軟性を確保することを目的としたものです。
③ 取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程
当社は、2019年9月12日開催の取締役会において、本取引に関する当社のリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から提供された法的助言およびフィナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券株式会社から提供された本取引の交渉・評価に関する専門的知見を踏まえ、慎重に協議・検討を重ねた結果、本取引の実行が当社及びその株主の利益に資するものと判断し、本合意の締結を決定いたしました。
当連結会計年度の研究開発活動は、当社及び子会社の㈱ZOZO NEXT、ZOZO NEW ZEALANDLIMITEDで行っております。既存分野における新製品開発、既存製品の改良、新技術の開発及び技術サービス、新たな市場創出を目的として活動しております。
また、中・長期的展望に立って将来の事業領域を拡大するため、共同研究等により、先端技術を取り入れた基礎的研究を行っております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。