第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 足下の経営環境は厳しさを増しておりますが、当社経営の基本方針である社是は確固たるものであります。

  私達はグローバルな会社を目指します。

  私達は最新のテクノロジーを持ち続けます。

  社員の夢を実現します。

 

 ものづくり企業を支援する当社の課題は、いつの時代・環境下においても、従業員のモチベーションを高めながら業績を維持し、世界に通用する技術力と人材を確保・育成していくことであります。

 当社グループは、ドキュメンテーション事業、エンジニアリング事業、技術システム事業を展開することで、IT技術を駆使した「ストレート・スルー・プロセシング」を可能とする「技術情報統合マネジメント企業」を目指しております。

 当社は、ドキュメンテーション事業としてドキュメント・ソリューションの提供を行い、株式会社PMC(子会社)は、取扱説明書やメディアコンテンツの制作を、株式会社東輪堂(子会社)およびSAS SB Traduction(海外子会社)は、多言語翻訳やソフトウェアローカリゼーションを行っております。

 エンジニアリング事業は、開発・生産の設計支援の提供を行い、株式会社バイナス(子会社)は、各種制御技術、FA・ロボットなどを活用した生産設備の設計・製作、ならびにその技術を応用した各種教育用装置の製作・販売を行っております。

 また、技術システム事業として、株式会社MCOR(子会社)が、ものづくり企業の基幹情報システムの構築・運用支援や各種解析、MBD・PLMソリューションの提供を行っております。

 

 このようにグループ各社とも多種多様な特長と強みを持っており、それぞれの特色を活かすことでグループ内シナジーを創出し、顧客企業の製品開発から製造・販売・サービスまでのビジネスプロセスの各段階を、他社にはない付加価値を加え、トータルでサポートすることができる数少ない会社であると考えております。

 以上の通り、当社グループは他社にないビジネスモデルの下で、世界に通用する技術力を養い、人材を集め育成することにより、どのような環境においても継続的な成長・発展が得られるものと確信しております。

 

(2)経営環境

 新型コロナウイルス感染症に関しては、感染症法上の分類が引き下げられたことに伴い、当該感染症が経済社会活動に及ぼす影響は沈静化していくものと想定しております。一方で、光熱費をはじめとする物価上昇等の懸念があり、国内経済において先行きの不透明な経営環境は続くものと予想されます。

 当社グループを取り巻く環境としましては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組み、電気自動車の推進をはじめとする脱炭素への取り組み、生成AIの普及など、中長期的に当社グループへの需要も拡大するものと考えております。

 翌連結会計年度より、当社グループは事業の見直しを行います。具体的には、ドキュメンテーション事業は「技術情報ソリューション事業」、エンジニアリング事業は「FAロボットソリューション事業」、技術システム事業は「デジタルソリューション事業」に名称を変更し、同時にCDS株式会社のエンジニアリング事業を「中日本第3支社」として「技術情報ソリューション事業」へ移管します。これにより当該事業が有するドキュメント技術と設計技術を組み合わせることで、事業基盤の強化を図ります。また、FAロボットソリューション事業はFAロボットに特化することで事業基盤の再構築を行ってまいります。

 今後も多様化する顧客ニーズへ対応しつつ、新規顧客や新規部門、新規事業の開拓に力を入れてまいります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 中期経営戦略の遂行

 中期経営戦略として、既存事業の継続的な発展および経営体質の強化と併行して戦略的な施策を推進し、バランスの取れた企業構造を形成することを掲げております。

 具体的には、

「3事業の競争力強化と持続性のあるグループ経営の推進」

「技術情報ソリューション事業における事業基盤の強化」

「FAロボットソリューション事業における技術力の拡充」

「デジタルソリューション事業における事業領域の拡充」

を進めてまいります。

 

② 人材確保・育成

 当社グループが継続的に事業を拡大するためには、安定的な人材の確保が不可欠であります。人材構成の変化にあわせた多様化を推進することも含め、新卒・既卒を問わず必要な人材を積極的に確保していくとともに、事業の中核を担う人材の計画的な育成をグループ各社で推進してまいります。

 

(4)目標とする経営指標

 当社グループは、営業利益率を経営の重要なマネジメント指標としております。具体的には、営業利益率10%を継続的に確保することで、成長を図ってまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

当社グループは、2022年7月1日に以下の「サステナビリティ方針」を制定しております。

経営理念である「ものづくりの“心”をつたえる」のもと、企業活動を通じてESG課題と向き合い、「ものづくりのトータルパートナー」「環境保全」「地域社会への貢献」「多様な人材が活躍できる職場づくり」を軸として、持続可能な社会の実現への貢献を目指してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社では、経営会議においてサステナビリティ推進に関して検討・審議を行ったうえで、取締役会において重要事項を決定しております。サステナビリティ方針の制定に伴い「環境方針」および「企業行動規範」を改訂いたしました。それを基に代表取締役社長および取締役が日常的な管理・統制を担いつつ、取締役会でその監視および意思決定を行っております。

 ガバナンスの詳細に関しましては、「4.コーポレート・ガバナンスの状況」をご参照ください。

 

(2)戦略

当社では、サステナビリティ方針に基づき、「社会から必要とされる存在であり続ける」ことを目指し、「環境」、「地域貢献」をマテリアリティに組み込んだESG経営を推進してまいります。

①環境

当社では事業活動を推進するにあたり常に地域を通じて地球規模の環境に配慮し以下の環境方針のもとで活動しております

・環境マネジメントシステムの運用

環境マネジメントシステムの運用により地球環境の保全に努めます

・環境関連法規の遵守

環境に関する法規制及びその他の要求事項を遵守し環境保全を促進します

・環境負荷の低減

環境負荷の低減のため省資源・省エネルギー・廃棄物の抑制・リサイクル活動に取り組みます

・環境に配慮した事業活動の推進

当社の事業活動において環境に配慮したサービスの提案・提供を推進します

・管理体制の構築と継続的な改善

環境管理体制を構築し環境改善の目的・目標を設定した上でその達成状況の監査を行い継続的な改善を図ります

・環境教育・啓発活動の推進

本方針は当社グループで働く役員従業員に周知し教育・啓発活動を行い環境に対する意識の向上を図ります

・環境方針の開示

本方針及び環境に対する取り組みはホームページに掲載する等により広く社外に公開します

 

②地域貢献

当社では、「地域社会への貢献」、「働きがいのある職場環境の構築」を重点項目と定めております。具体的な取り組みとして、下記を行っております。

・地域社会への貢献

愛知県岡崎市で開催される「岡崎城下家康公夏まつり花火大会」等地元で開催される季節ごとの行事に協賛しております。また、本社近隣に位置する中学校より職場体験実習の受入れを実施しております。

・働きがいのある職場環境の構築

従業員の多様なワークライフバランスに配慮した業務の効率化・生産性の向上を目指した新たな働き方、さらには非常時の事業継続計画(BCP)の対策手段として、当社では在宅勤務を導入しております。それに伴い、当社では「情報セキュリティ基本方針」および「個人情報保護方針」の策定とその徹底によって情報漏洩の防止をしております。

 

(3)リスク管理

当社は常務取締役を委員長、各部門長を委員、常勤監査役をオブザーバー、管理本部長および内部監査室長を事務局として構成するリスクマネジメント委員会において全社的なリスクマネジメントを行っております。リスクマネジメント委員会の中で検討・審議、報告を行い、特に重要な事項と判断されるものについては、取締役会で判断することとしております。

 

(4)指標及び目標

当社では、「環境保全」を管理するための指標として、2003年11月21日に環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001の認証を取得し、継続して審査、登録を受けております。今後も環境に配慮した事業を行ってまいります。

人的資本に関しましては具体的な目標数値を定めておりませんが、長期的なキャリアビジョンを持って、自発的に仕事に取り組む意欲や姿勢を養うことを目的として、職責に合わせたキャリアアップのための研修、社内OJTを定期的に実施しております。社内環境の整備につきましては、時差出勤制度の導入、有給休暇の取得奨励、子育て層の家庭と仕事の両立に向けたサポート体制の強化を行い、離職率の低減に努めております。

 

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している事項には、以下のようなものがあります。

 また、当社グループとして、必ずしも事業遂行上のリスクとは考えていない事項につきましても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業を理解いただく上で重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から開示をしております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

(1)当社グループを取り巻く事業環境について

 当社グループの行っているドキュメンテーション事業、エンジニアリング事業及び技術システム事業は、自動車産業、情報機器産業、産業機械・工作機械産業に属する企業を主要取引先としており、技術系資料等の作成、設計支援、各種産業設備・試験装置等の製作および技術系システムの開発等の業務を受託しております。

 顧客企業のニーズの多様化・高度化に伴って、顧客企業が製品を開発していく工程において、アウトソーシングの重要度は増しております。その反面、企業間競争のグローバル化の進展に伴い、コスト削減、品質、納期などの顧客企業側の要請も厳しくなっております。とりわけ、情報家電をはじめ自動車産業、産業設備・工作機械産業においては、業界内における競争環境は厳しく、かつ技術革新の早い分野でもあるため、製品のライフサイクルも短期化する傾向があります。

 したがいまして同業他社との価格競争等の進展によって当社グループの競争力が低下した場合、あるいは顧客企業の製品の開発ニーズに対処し得るための支援体制が十分に整備できなかった場合、当社グループの期間損益等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、景気動向その他の理由により、顧客企業における事業等の撤退、製品の開発・発売計画の中止、延期等が行われた場合、当社グループの期間損益等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定の取引先への取引依存度について

 主要取引先への売上依存度のうち、上位3社への売上依存度は、前連結会計年度が36.2%、当連結会計年度が42.2%でありました。

 当社グループでは、ドキュメンテーション事業、エンジニアリング事業、技術システム事業それぞれの特性ならびにシナジーを活かして、既存取引先との関係を維持しつつ、新規取引先の獲得にも注力していくことを継続的に行い、特定の取引先への依存度をより低減させていく方針であります。

 

(3)法的規制について

 当社グループが行っている各事業は、顧客企業の製品開発等の支援を行うにあたり、顧客企業との間で「業務請負契約」あるいは「派遣契約」を締結いたします。当社グループでは、従業員あるいは派遣対象者を顧客企業に派遣・常駐させるなどして、顧客企業における製品開発業務へのサポート体制を敷いております。「業務請負契約」とするか「派遣契約」とするかは顧客企業側のニーズ等によって決まることとなります。

① 業務請負契約

 業務請負では、当社グループに属するそれぞれの会社(以下、「当社等」という。)と顧客企業との間の業務請負契約に基づき、請負った業務を遂行することとなります。派遣契約との違いは、労働者の業務遂行に係る指揮命令が雇用主(当社等)に帰属している点にあり、請負った業務成果に対して契約相手先より対価が支払われることとなります。

 労働者派遣法に基づき派遣労働者を受け入れる企業では、使用者責任や労働安全上の義務を果たすための対策を講じる必要がありますが、こうした責任・義務を回避するため、契約形態を業務請負契約として、実質的には派遣対象者を派遣先企業の指揮命令下に置く、偽装請負の問題が社会的にも取り上げられています。

 偽装請負は職業安定法や労働基準法に抵触するものであり、当社等が顧客企業と業務請負契約を締結する場合、当社等の従業員が顧客企業構内にて業務を行う必要が生じたとしても、必ず管理責任者を設置し、従業員への指揮命令を当該管理責任者が行うこととする体制にしております。また管理責任者からは定期的な業務報告を受けることとしており、当該問題に発展しないための対策を講じております。

  しかしながら、顧客企業が行政当局より偽装請負の問題を指摘され、業務停止等の処分を受けることとなった場合、特定の取引先への取引依存度の高い当社グループにとって、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

② 派遣契約

 当連結会計年度において、派遣業務を行ったのは、当社、株式会社MCOR及び株式会社PMCの3社であります。
 2015年9月30日に施行された「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律」により、特定労働者派遣事業(届出制)と一般労働者派遣事業(許可制)の区分が廃止される等の改正がなされました。
 また、労働者派遣法および関係諸法令は、情勢の変化に伴って継続的に見直しが行われております。その結果、当社グループの事業にとって不利な改正であった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)瑕疵担保責任、製造物責任について

 業務請負契約に基づく受注は、受託した業務の遂行と完成を約し、その成果に対して対価が支払われる契約形態となっているため、成果物に対する瑕疵担保責任や製造物責任等の責任問題が当社グループに及んだ場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

(5)三菱自動車工業株式会社とのサービスレベル契約について

 当社連結子会社の株式会社MCORは、三菱自動車工業株式会社の製品の開発に関わるシステム開発・運用管理に関する業務の受託に関して、三菱自動車工業株式会社との間で「ITアウトソーシングサービス契約」を締結しております。

 本契約では年間の基本的業務発注量が取決められており、2024年3月31日までは、当該業務発注量に対して82.5%を下限とする業務の発注が同社より保証されております。契約期間を過ぎてからは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループの三菱自動車工業株式会社への売上依存度は、前連結会計年度では27.6%、当連結会計年度では33.0%でありました。

 

(6)のれんの償却に伴う連結業績への影響

 当社は2011年12月期に株式会社PMCの株式を取得と企業買収を行っております。

 この株式の取得によって「のれん」が発生しております。当社は今後も事業拡大を目的とした企業買収に取り組み、企業価値の向上を図っていくこととしております。こうした企業買収には多額の資金需要が発生する可能性があるほか、企業買収に伴って発生した「のれん」の償却により業績に影響を与える可能性もあります。

 また、これらの買収が必ずしも当社グループの見込どおりに短期間で連結の収益に貢献するとは限らず、連結収益への貢献に時間を要してしまう可能性もあります。

 更に、「のれん償却額」はその全額が税務上の損金として算入ができないため、税効果会計適用後における法人税等の負担率は高くなります。したがいまして、「のれん償却額」あるいは税効果会計適用後の法人税等の負担額を吸収し得るだけの収益が伴わなかった場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材の確保・育成について

 当社グループが行っている、ドキュメンテーション事業、エンジニアリング事業及び技術システム事業においては、事業を拡大するにあたって人材の確保、育成が不可欠であります。当社グループでは、成長戦略の実現に必要な人材の確保や育成を積極的に行っていく方針ですが、適格な人材の確保、社内教育等が計画どおりに進まない場合は、当社グループの事業運営等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報管理について

 当社グループの従業員や派遣社員は、顧客企業内において、あるいは顧客企業からの依頼において、製品の情報に触れる業務に携わるケースがあります。当社グループでは、情報管理について教育・指導などを通じて管理の強化に努めておりますが、予期せぬ事態によって、顧客や当社グループに関わる機密情報が外部に漏洩した場合、当社グループの信用力が失墜することによって、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)自然災害等について

 地震等の自然災害や予期せぬ事故等の発生により、当社グループあるいは顧客企業の重要な設備が損壊する等の被害があった場合、また、新型コロナウイルス変異株や、新型コロナウイルス以外の感染症の流行等により、当社グループあるいは顧客企業での操業の縮小、停止等が起きた場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)会計制度・税制等について

 会計制度または税制の予期せぬ新たな導入や変更等が行われた場合、当社グループの業績や財政状態が影響を受ける可能性があります。

 また税務申告において税務当局との見解の相違が生じた場合にも、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)物価の上昇について

 燃料価格の大幅な上昇等から物価水準が上昇しております。これにより原材料費や光熱費をはじめとする諸経費、あるいは人件費が上昇し、それらをタイムリーに取引価格への転嫁ができなかった場合、当社グループの収益性を圧迫する可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策としての行動制限が解除されたことにより、個人消費やインバウンド需要が伸長し、回復基調となりました。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、パレスチナ問題の深刻化、原油をはじめとする資源価格や原材料の高騰、物価水準の上昇、中国経済の停滞、人手不足などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループは、ドキュメンテーション事業、エンジニアリング事業、技術システム事業の3つの事業を展開し、各事業のノウハウを組み合わせることで取引先企業における製品開発から試験・解析、製造、販売、サービス保守に至る全行程をサポートしております。また、長年の取引実績を持つ自動車業界をはじめFA機器、産業機器、医療機器、情報機器、教育関連など様々な業界に向けてのサービスを提供しております。

当連結会計年度の業績におきましては、ドキュメンテーション事業と技術システム事業とが前期比で増収増益となりましたが、エンジニアリング事業では減収減益となったこと、コロナ期間中に抑制していた営業活動や採用活動がコロナ禍前の水準に戻り、販売管理費が対前期比増となったこと等から、増収減益となっております。

具体的な業績は次のとおりであります。

 

売上高

9,722百万円  (前期比 0.7%増)

営業利益

1,465百万円  ( 同上 5.5%減)

経常利益

1,467百万円  ( 同上 6.4%減)

親会社株主に帰属する

当期純利益

 998百万円  ( 同上 0.7%減)

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。(各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高または振替高を含みます。)

 

(ドキュメンテーション事業)

 経済活動の回復に伴って受注量が増加してきたことと、作業効率の向上によって、売上高は3,090百万円(前期比4.6%増)、営業利益は944百万円(前期比7.5%増)の増収増益となりました。

 

(エンジニアリング事業)

 前連結会計年度で売上増加に寄与した教育関連の入札案件において、当連結会計年度も同等の規模を想定しておりましたが、実際には教育関連の入札件数が少なかったことにより、売上高1,895百万円(前期比18.3%減)、営業利益490百万円(前期比19.6%減)の減収減益となりました。

 

(技術システム事業)

 前連結会計年度から引続きシステム開発案件やITインフラ案件の売上が好調だったことにより、売上高4,794百万円(前期比8.1%増)、営業利益724百万円(前期比1.4%増)の増収増益となりました。

 

 

(2)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当社グループが行っている事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため省略しております。

② 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ドキュメンテーション事業

2,982,191

95.3

565,278

84.1

エンジニアリング事業

1,795,040

101.9

238,958

71.0

技術システム事業

4,591,088

97.8

1,796,557

92.3

合計

9,368,320

97.7

2,600,794

88.0

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ドキュメンテーション事業

3,088,681

104.5

エンジニアリング事業

1,892,862

81.6

技術システム事業

4,740,863

108.1

合計

9,722,408

100.7

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱自動車工業株式会社

2,670,414

27.6

3,209,838

33.0

 

(3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は10,767百万円であり、前連結会計年度末より1,039百万円増加しております。内訳は、流動資産が1,127百万円増加の7,643百万円、固定資産が88百万円減少の3,123百万円であります。

 流動資産の変動の主な要因は、現金及び預金が659百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が382百万円増加したこと等であります。また、固定資産変動の要因は、主に減価償却により有形固定資産が89百万円減少したこと等であります。

 負債は前連結会計年度末より438百万円増加し、2,475百万円となりました。内訳は流動負債が435百万円増加の2,461百万円、固定負債が2百万円増加の14百万円であり、流動負債の変動の主な要因は、短期借入金が430百万円増加したこと等であります。

 当連結会計年度末の純資産は8,291百万円であり、前連結会計年度末より601百万円増加しております。その要因としては、主に利益剰余金が575百万円増加したためであり、これは親会社株主に帰属する当期純利益998百万円の計上と剰余金の配当422百万円を行ったことによるものであります。

 

 

 

② 経営成績の分析

〔売上高〕

 当連結会計年度における売上高の概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要」に記載しております。

 

〔営業利益〕

 当連結会計年度の営業利益は、前期比5.5%減の1,465百万円であり、営業利益率は15.1%(前期は16.1%)となりました。

 セグメントごとの営業利益と営業利益率は次のとおりであります。

 ドキュメンテーション事業 944百万円(前期比7.5%増)、30.5%(前期は29.7%)。

 エンジニアリング事業 490百万円(前期比19.6%減)、25.9%(前期は26.3%)。

 技術システム事業 724百万円(前期比1.4%増)、15.1%(前期は16.1%)。

 営業利益率は連結、セグメント別のいずれにおいても10%を超えております。

 

〔経常利益〕

 営業外収益は、前連結会計年度より17百万円減少の12百万円、営業外費用は、前連結会計年度より1百万円減少の11百万円となっております。営業外収益減少の主な要因は、助成金収入が減少したことによります。

 当連結会計年度の経常利益は、前期比6.4%減の1,467百万円となりました。

 

〔親会社株主に帰属する当期純利益〕

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益、経常利益の減少に伴い、前期比0.7%減の998百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度より659百万円増加し、3,762百万円となりました。

 各活動におけるキャッシュ・フローの状況と、それらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により、716百万円(前期比914百万円減)の資金を獲得しました。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,467百万円(前期比57百万円減)、減価償却費151百万円、仕入債務の増加178百万円(前期比94百万円増)等の資金の増加があった一方で、売上債権の増加414百万円(前期は売上債権の減少267百万円)、法人税等の支払額642百万円(前期比74百万円増)等の資金の減少があったことが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動では、有形固定資産の取得による支出35百万円(前期比11百万円減)、無形固定資産の取得による支出29百万円(前期比15百万円減)があったこと等により、68百万円の資金を支出(前期比37百万円減)しました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動におきましては、短期借入金の増加430百万円(前期は短期借入金の減少480百万円)があった一方で、配当金の支払422百万円(前期比6百万円増)等があった結果、7百万円の資金を取得しました(前期は資金の支出895百万円)。

 

④ 資金需要及び資金の財源についての分析

 当社グループが行っている、ドキュメンテーション事業、エンジニアリング事業、技術システム事業のいずれの事業におきましても、役務提供型の業務がほとんどであるため、毎期多額の設備投資や研究開発投資が必要となる業態ではありません。資金需要は主として人件費支出や外注加工費等の運転資金であり、これらの資金は基本的に営業活動によって生じるキャッシュ・フローにより財源を確保しておりますが、資金不足が生じる場合には、金融機関から資金を借入れることとしております。

 なお、運転資金の効率的な調達を行うことを目的として、当社および国内連結子会社は主要取引銀行5行との間で当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度末において当座貸越契約及び貸出コミットメント契約の総額5,050百万円に対して700百万円の借入を実行しております。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは一定の仮定を置き合理的な基準に基づいて実施しておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

三菱自動車工業株式会社とのITアウトソーシングサービス契約

契約会社名

相手先

契約の内容

契約締結日

契約期間

株式会社MCOR

三菱自動車工業㈱

ITアウトソーシングサービス契約(注)1

2016年1月29日

自 2016年4月1日

至 2019年3月31日

以降1年ごとの自動更新(注)2

(注)1.株式会社MCORでは三菱自動車工業株式会社の製品開発においてシステム開発・運用管理に関する業務を受託するに当たり、「ITアウトソーシングサービス契約」を締結しております。

本契約では年間の基本業務発注量が取決められており、更に契約期間中は、当該業務発注量に対して82.5%を下限とする業務の発注が保証されております。

2.自動更新は、当該子会社又は相手先からの契約解除の申し出がない限り、自動的に契約更新がされるものであります。

 

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。