当社の本有価証券報告書の提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下の通りです。また、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」をミッションに掲げております。具体的には、基幹技術「モチベーションエンジニアリング」によって顧客の問題解決や願望実現を支援し、組織や個人に多くの変革の機会を提供してまいります。結果として、多くの組織や個人が「夢」や「生きがい」等を通じて沢山の意味を感じとれる社会を実現したいと考えております。
(2)目標とする経営指標
事業の収益性・生産性を重視した経営を行うべく「売上収益営業利益率」を重要な経営指標として位置づけるとともに、規模の拡大にも注力するため、「売上収益」及び「営業利益」も合わせて重要な経営指標として位置づけております。加えて、社会の人材流動化が進み、企業の競争優位の源泉が「事業戦略」から「組織戦略」へと変化している環境を踏まえ、企業の労働市場への適応度を測る「エンゲージメント・レーティング」も非常に重要な経営指標であると位置づけております。
また、各事業セグメントにおける経営指標として、事業KPI(Key Performance Indicator)を下記の通り設定しております。
組織開発ディビジョン :モチベーションクラウドシリーズ月会費売上(サブスクリプションモデル)及び
顧客売上単価(コンサル・クラウドモデル)
個人開発ディビジョン :受講者数 及び 受講者売上単価
マッチングディビジョン :派遣稼働人数
(3)中長期的な会社の経営戦略
私たちは、創業以来20年間、当社独自の基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」を基盤に、事業領域を拡大させてきましたが、さらなる成長を実現するためには、事業戦略と組織戦略を高次元でリンクさせることが重要だと考えております。
そのために、長期的な事業戦略としては、各ディビジョンが有する独自のデータベースをつなぐことで組織と個人のエンゲージメントを飛躍的に向上させる「エンゲージメントチェーン」を構築していきます。具体的には、テクノロジーの強化により、人が関わるサービスを高付加価値へシフトさせることで、「テクノロジーとヒューマンタッチサービスの最適化」を図ってまいります。また、長期的な組織戦略としては、社員数の拡大とエンゲージメントスコア向上の同時実現により、従業員エンゲージメントの向上を図ってまいります。
また、長期戦略の達成に向けて、中期においては、従業員エンゲージメント市場が急成長している中で、創業事業であり、最も利益率が高い組織開発ディビジョンに注力してまいります。中期的な事業戦略としては、コンサル・クラウド事業の売上・売上総利益及び、モチベーションクラウドシリーズの月会費売上を重点指標として掲げ、コンサル・クラウド事業に投資してまいります。組織においては、コンサル・クラウド事業の採用人数、エンゲージメントスコア及び、エンジニア内製化率を重点指標として掲げ、コンサルタントとエンジニアの採用・育成強化に投資してまいります。
なお、セグメント毎の中長期戦略は下記のとおりです。
<組織開発ディビジョン>
まずは、クラウド事業において、安定的なサブスクリプション売上を積み上げることに注力してまいります。具体的には、大手企業のさらなる導入推進に加えて、診断サーベイの多言語化を推進し、グローバル展開を図ります。また、2022年には、すでに実績のある人材開発サービスを新たにクラウド化することで、2023年以降につながるサブスクリプション積み上げに大きく寄与する予定です。加えて、クラウドからの接続を強化し、診断結果に応じたワンストップコンサルティングを拡大することで、当社グループにしかできない価値提供の実現をさらに加速してまいります。
<個人開発ディビジョン>
急激な環境変化に適応すべく多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していますが、従業員のITスキル育成を課題としているケースが多いのが現状です。中長期的には、今後拡大が期待されるITスキル育成市場においてプレゼンスを獲得すべく、アビバブランドで培ってきたノウハウや組織開発ディビジョンの顧客基盤を最大限活用して企業内個人向けのDX支援サービスを強化していきます。従業員エンゲージメント向上に加えて、DXスキル育成による業務効率化支援も同時に行うことで、真の「One for All, All for One」を実現する組織創りを加速していきます。
加えて、テクノロジーとヒューマンタッチサービスの最適化に向けて、テクノロジーサービスの強化を推進していきます。具体的には、「スキな時に、スキな場所で、INPUT&OUTPUT学習ができる」オンライン学習コンテンツ「SkiP」をリリースし、順次対応講座を拡大するとともに、納品効率の向上や店舗の統廃合を推進していきます。これまでリアルで培ってきた挫折させない学習支援ノウハウに加え、プロダクトのテクノロジー化とサイバーティーチングの強化を推進することで顧客価値を増大させていきます。
<マッチングディビジョン>
新たなクラウドサービス「Teachers Cloud」によって、さらにブランド力を向上しALTの拡大を目指してまいります。「Teachers Cloud」は、2021年6月にリリースした新たなクラウドサービスで、これまで培ってきた実績とグループのコンサルティングノウハウを活用し、英語授業準備の業務効率化や先生方の英語力や指導力向上を目的としております。教育現場でもデジタル化が急速に推進される中で、教員の生産性と指導力の向上に多くの期待が集まり、リリースから半年で、全国の公立小・中・高等学校数のうち約15%となる4,300校で利用が開始されています。引き続きALT契約自治体に順次導入することでリピート率を向上させるとともに、ブランディング強化によるさらなるシェア拡大を実現していきます。
また、「OpenWork」の拡大によって組織状態がオープンになってきたことに加え、求職活動時に社員クチコミサイトの閲覧が当たり前※となっている中、引き続き好調なダイレクト採用モデルを強化していきます。具体的には、転職候補者のレジュメの増加に加え、組織開発ディビジョンとの連携強化によって求人数を増加する両翼戦略を推進するとともに、マッチング率の向上を目指します。「OpenWork」を通じた納得感の高い就職・転職の実現と「コンサル・クラウド事業」を通じた企業に対する従業員エンゲージメントの向上支援によって、従業員エンゲージメント市場をさらに活性化させていきます。(※オープンワーク株式会社2018年4月調査。転職者の内74.3%は社員クチコミサイトの利用経験あり。)
また、今後は日本社会が抱える「労働力人口の減少」、「産業のソフト化・サービス化」、「ワークモチベーションの多様化」といった環境変化を背景に、組織・人材・教育等に関わるビジネス領域の市場は、ますます拡大していくものと思われます。そのような環境下において、これまでに築いてきた当社の競争優位性を活かし、更なる事業成長を遂げていくため、下記4点の優位性強化に努めてまいりたいと考えております。
① 基幹技術「モチベーションエンジニアリング」によるオンリーワン性の追求
当社独自の基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」は、モチベーションの観点から問題点を診断する「診断技術」と、診断結果に応じて変革施策を実行する「変革技術」の2つの技術によって構成されており、心理学・社会学・経営学等の学術的背景を保持しながら、創業以来のナレッジを蓄積し、普遍的な技術として進化を遂げてまいりました。この普遍的な基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」を全事業に適用することにより、各事業領域において、オンリーワンのポジションを築いております。今後も、各事業で得られたナレッジを「モチベーションエンジニアリング」に常に還元して進化を図り、各事業におけるオンリーワン性を追求することで、優位性を確固たるものにしたいと考えております。
② 「モチベーションエンジニアリング」によって培ってきた独自のデータベースの強化
私たちは、基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を基盤として、組織と個人に対して診断と変革サイクルを提供してきた中で、さまざまなデータを取得してきました。組織開発ディビジョンにおいては、20年以上にわたってさまざまな業界、業種、規模の組織診断データを蓄積、個人開発ディビジョンにおいては、M&A後約10年間で、個人のモチベーションタイプやスキルデータを蓄積、さらにマッチングディビジョンでは、2019年のオープンワーク株式会社のM&Aによって、圧倒的な質と量の組織・個人データを取得したことで、モチベーションカンパニー創りとアイカンパニー創りを加速させる土台が整いました。今後は、テクノロジーの強化によって、唯一無二のデータベースをさらに強化したいと考えております。
③ 収益の安定性と成長性の両立を実現する事業ポートフォリオ
当社は、組織開発ディビジョン・個人開発ディビジョン・マッチングディビジョンの3つの事業セグメントで、BtoBからBtoCまで幅広い事業を有しており、事業ポートフォリオによって収益の安定性と成長性の両面を兼ね備えることができております。具体的には、個人開発ディビジョンのキャリアスクール事業やマッチングディビジョンの海外人材紹介・派遣事業が、景気の影響を受けにくく不景気局面でも安定した収益が見込める一方で、組織開発ディビジョンのコンサル・クラウド事業は、景気の影響を受ける事業ではあるものの、市場成長率の高さに伴って今後も収益の成長が見込まれると考えております。更にコンサル・クラウド事業においては、サブスクリプションモデルであるモチベーションクラウドシリーズも順調に拡大しており、事業内での安定性と成長性の両立も進んでおります。今後も、収益の安定性と成長性を両立した経営を推進していくことで、優位性を確固たるものにしたいと考えております。
④ 自社における従業員エンゲージメントの向上
社会の人材流動化が進む中で企業の競争優位の源泉が「事業戦略」から「組織戦略」へと変化しており、企業にとって従業員エンゲージメント(企業と従業員の相互理解・相思相愛度合い)の重要性が非常に高まっております。その環境を踏まえ、当社は従業員エンゲージメントを数値化した指標である「エンゲージメントスコア」を非常に重要な経営指標として位置づけ、当社グループ内でのエンゲージメント向上に努めております。2018年から「エンゲージメントスコア」をランク化した「エンゲージメント・レーティング」を開示していますが、2022年2月は全法人11社中9社が最高ランクである「AAA」となり、高い従業員エンゲージメントを維持し続けています。今後も、エンゲージメントの高い組織づくりに継続して注力し、優位性を確固たるものにしたいと考えております。
(4)会社の対処すべき課題
<経営環境等>
近年、日本においては、少子高齢化の進行により労働力人口の減少、商品・サービスのソフト化・短サイクル化、ワークモチベーションの多様化などが急速に進行し、組織と個人を取り巻く環境は大きく変化しています。その中で、組織は「従業員エンゲージメントの向上」に取り組まなければ個人から選ばれず、個人は「自立的なキャリア形成」に取り組まなければ企業から選ばれないという二極化が加速していると当社グループとしては認識しております。
上記のような経営環境を踏まえ、事業の拡大スピードと共に様々なステークホルダーの皆様からの期待が一層高まる中、以下を当社グループのディビジョンごとの課題として捉え、その対処に向けて積極的に取り組みたいと考えております。特に、昨今のコロナ禍における働き方の変容や世界的な人的資本開示の流れを受け、従業員エンゲージメント向上のニーズが大手企業を中心に一層高まる中で、当社グループとしては、組織開発ディビジョンへの成長投資に注力していきます。
<組織開発ディビジョン>
① モチベーションクラウドシリーズ比率の向上
事業の安定性と成長性の両立を実現するために、サブスクリプションモデルは非常に有効なビジネスモデルであると考えております。現在、従業員エンゲージメントへの注目は国内外で急速に高まり、さらに非財務面から企業経営を測るモノサシとしての期待が高まっています。そのような状況を追い風にすべく、大手企業のさらなる導入推進に加えて、多言語対応を進めるなどグローバル展開も図ります。また、すでに実績のある人材開発サービスを新たにクラウド化すること等により、モチベーションクラウドシリーズ比率の向上に注力し、安定性と成長性を両立しながら、より生産性の高い事業へと進化させていきます。
② クラウドからコンサルティングへの接続強化
事業の収益性・生産性を継続的に向上させていくためには、クラウドからコンサルティングへの接続が必要不可欠であると考えております。独自の診断フレームに基づいてモチベーションクラウドにて従業員エンゲージメントを診断したうえで、その診断結果に応じて、採用・育成・制度・風土といった組織人事にかかわる変革ソリューションをワンストップで提供できるという強みを活かして、クラウドからコンサルティングへの接続を強化し、より生産性の高い事業へと成長させていきます。
③ 上場企業におけるエンゲージメント・レーティング開示の普及
近年、商品市場に加えて労働市場への適応が企業の至上命題となる中、当社グループでは、商品市場への適応度を測る「財務諸表」に加え、労働市場への適応度を測る「エンゲージメント・レーティング(ER)」を経営指標に掲げて経営を行い、自発的・積極的にER結果を開示しています。また、近年世界的に資本市場における「人的資本の開示」が注目を集めていることから、上場企業に対するエンゲージメント・レーティング開示の普及活動に注力していきます。
<個人開発ディビジョン>
① 組織開発ディビジョンとシナジーのある企業内個人向けDX支援サービスの強化
今後拡大が期待されるITスキル育成市場においてプレゼンスを獲得すべく、中長期的には、アビバブランドで培ってきたノウハウや組織開発ディビジョンの顧客基盤を最大限活用して企業内個人向けのDX支援サービスを強化していきます。従業員エンゲージメント向上に加えて、DXスキル育成による業務効率化支援も同時に行うことで、真の「One for All, All for One」を実現する組織創りを加速していきます。
② 個人の学びを最大化するテクノロジーサービスの強化
テクノロジーとヒューマンタッチサービスの最適化に向けて、中長期的にはテクノロジーサービスの強化を推進していきます。オンライン学習コンテンツ「SkiP」をリリースし、順次対応講座を拡大するとともに、納品効率の向上や店舗の統廃合を推進していきます。これまでリアルで培ってきた挫折させない学習支援ノウハウに加え、プロダクトのテクノロジー化とサイバーティーチングの強化を推進することで顧客価値を増大させていきます。
<マッチングディビジョン>
① 新たなクラウドサービス「Teachers Cloud」による更なるブランド力の向上及び事業の拡大
「Teachers Cloud」は、これまで培ってきた実績とグループのコンサルティングノウハウを活用し、英語授業準備の業務効率化や先生方の英語力や指導力向上を目的に、2021年6月にリリースしたクラウドサービスです。引き続きALT契約自治体に順次導入することでリピート率を向上させるとともに、ブランディング強化によるさらなるシェア拡大を実現していきます。
② 「モチベーチョンエンジニアリング」を基盤にプラットフォームとエージェント機能の両輪によるフィッティングの実現
競争優位の源泉である基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を基盤にしながら、プラットフォームとエージェント機能の両輪によって、企業と個人のフィッティングを実現しています。「OpenWork」に蓄積された1,000万件を超えるクチコミ情報によって企業の働きがいがスコア化され、このプラットフォームを通じてダイレクト採用することでミスマッチの少ないマッチングを実現。さらに、応募者のスキル・モチベーションタイプの診断結果を踏まえ、スキルフィットだけではなくカルチャーフィットを実現するエージェント機能によって、真のフィッティングを実現していきます。
③ オープンワーク株式会社における「ダイレクト採用モデル」の強化
ダイレクト採用モデルのさらなる強化に向けて、転職候補者のレジュメの増加に加え、組織開発ディビジョンとの連携強化によって求人数を増加する両翼戦略を推進するとともに、マッチング率の向上を目指します。「OpenWork」を通じた納得感の高い就職・転職の実現と「コンサル・クラウド事業」を通じた企業に対する従業員エンゲージメントの向上支援によって、従業員エンゲージメント市場をさらに活性化させていきます。
以下において、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある特に重要なリスクを記載しております。ただし、すべての重要なリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性がございます。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
(1)経済状況等の変動(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
組織開発ディビジョン及びマッチングディビジョンにおいて展開するBtoBビジネスは、産業構造の変化、社会情勢、景気変動等の影響を受ける可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性や時期は不明確ではありますが、場合によっては当社グループに大きな影響を与えます。
実際、新型コロナウイルス感染症は、イベント及び研修のキャンセルや延期、中小企業における人材投資の抑制等を発生させ、前連結会計年度において、当社グループの経営成績に大きな影響を与えました。当連結会計年度においては、ワクチン接種率の向上に伴って新型コロナウイルス感染症の影響は徐々に緩和され、日本経済は回復傾向にあったものの、新たな変異株が確認されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。しかし、オンライン上での新人・管理職育成研修などの実施や、テレワーク下における従業員エンゲージメント向上に関するニーズを着実に捉え、前年比106.0%まで売上を回復させる事ができました。今後も、社会情勢の変化に、柔軟に、素早く対応し、影響を最小化できるよう、当社グループの体制を構築して参ります。
(2)競合等の台頭(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、「モチベーションエンジニアリング」という他に例のない基幹技術を軸にビジネスを展開しているため、グループ全体としての競合企業は存在しないと考えております。しかしながら、本技術を模倣した企業の出現によって、競合事業者に対する当社グループの優位性を顧客に対して十分に訴求できなくなった場合は、売上の減少等、経営成績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
当該リスクの対策として、R&D部門の強化をはじめ、本技術を常に進化させ、模倣可能性の低減に向けて一層努めて参ります。また、当社グループは、「モチベーションエンジニアリング」を基軸とした事業展開によってブランドを確立しておりますが、当該ブランド保護のために、関連する商標権・特許権の取得、著作権の明示等による知的財産の保護・維持に努めております。
(3)「のれん」の減損発生(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、M&A等による事業の拡充を行い、新たな領域への積極展開や、新たな商品サービスラインナップの拡充を進めることで、拡大スピードを高めてまいりました。結果として、連結財務諸表にM&A等による株式取得に伴うのれんを相当額計上しております。今後、取得済みの株式に係る事業について、経営環境や事業状況の変化等により事業収益性が著しく低下した場合等には、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。また当連結会計年度では、59百万円の減損損失を計上しており、今後も発生する可能性がございます。当該リスクの対策として、減損損失額を最小限にするべく、M&A後のシナジー実現に向けたフォローアップや経営成績の定期的なモニタリングをさらに強化して参ります。
(4)個人情報及び機密情報の漏洩(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループでは、事業運営に関し、顧客企業の組織人事情報(組織開発ディビジョン)、氏名・生年月日等の顧客情報(個人開発ディビジョン)、求職者・求人情報その他企業情報(マッチングディビジョン)等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループでは、個人情報及び機密情報に関する規程及び教育体制の整備、プライバシーマークの取得(更新)等、適切な情報管理体制を構築しております。
しかしながら、不測の事態が原因で個人情報が外部に漏洩し、情報主体ないしは顧客企業等に被害が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。
(5)大規模災害、重度感染症蔓延等に伴うシステム障害・事業停止等(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループでは、地震、台風等の自然災害、また、新型コロナウイルス感染症など重度感染症蔓延等の発生可能性を認識した上で、安否確認サービスの導入など可能な限りの措置を講じております。想定を超える規模の災害の発生や感染症の蔓延により、システム障害・事業停止等が発生した場合、サービス提供の中止・中断等を余儀無くされ、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(6)特定人物への依存について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの代表取締役である小笹芳央は、当社の創業者であり、創業以来代表取締役を務めております。当該リスクの対策として、優秀な人材の採用・育成を始め、サービスの標準化等を推進することにより、一個人の属人性に依存することのない組織的な事業経営体制を構築しております。しかし、現在の当社グループ全体のブランド形成という側面におきまして、同氏は重要な役割を果たしております。当該側面におきましても組織的な形成を実現すべく、2013年1月に坂下英樹を代表取締役社長に選任する等の体制強化を図っております。何らかの理由により小笹芳央が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社グループの事業推進・経営戦略の実行等に影響を与える可能性があります。
経営成績等の状況の概要
1.業績
当社グループは、子会社である株式会社リンクスタッフィングが運営する国内人材派遣事業に関して、2022年1月1日をもって株式会社iDA(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:加福 真介)に譲渡したため、これらの事業を非継続事業に分類しております。このため、売上収益、売上総利益、営業利益については継続事業の金額を表示し、親会社の所有者に帰属する当期利益については、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。また、前年比較については、前年の数値を譲渡後の分類で組み替えた数値で比較しております。
当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」というミッションのもと、心理学・行動経済学・社会システム論などを背景にした当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を用い、多くの企業と個人の変革をサポートしております。当連結会計年度の日本経済は、ワクチン接種率の向上に伴って新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和され回復傾向にあったものの、新たな変異株が確認されるなど予断を許さない状況が続いており、依然として先行き不透明な状況が続いております。一方、このような経済情勢下の中においても、前連結会計年度に引き続きテレワーク等の働き方の変更に伴う従業員エンゲージメント向上のニーズや、急速なデジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」)に伴う個人のスキル強化のニーズはますます高まっていると認識しております。
このような経営環境下、当社グループの売上収益は32,644百万円(前年比106.0%)、売上総利益が15,340百万円(同109.5%)、営業利益が2,066百万円(同240.2%)、親会社の所有者に帰属する当期利益が918百万円(前年は親会社の所有者に帰属する当期損失996百万円)となりました。
当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当連結会計年度におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。
なお、株式会社リンクスタッフィングが運営する国内人材派遣事業に関して、2022年1月1日をもって株式会社iDAに譲渡したため、これらの事業を非継続事業に分類しております。
《組織開発ディビジョン》
組織開発ディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を活用し、法人顧客を対象として、企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)との関係構築と関係強化を支援するサービスを展開しております。
当該セグメントでは、当連結会計年度における売上収益は10,819百万円(同109.0%)、セグメント利益は7,534百万円(同110.4%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(コンサル・クラウド事業)
当該事業は、社員のモチベーションを組織の成長エンジンとする会社“モチベーションカンパニー”を世に多く創出することをコンセプトとして活動しております。サービス提供手法としては、独自の診断フレームに基づいて従業員エンゲージメントを診断し、採用・育成・制度・風土など、組織人事にかかわる変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、クライアント企業自身が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービスとして、「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は8,716百万円(同111.6%)、売上総利益は6,703百万円(同109.1%)となりました。
当連結会計年度においては、引き続き大手企業を中心とした従業員エンゲージメントの向上ニーズを着実に捉え、売上収益は前年比で大幅増加、売上総利益は前年比で増加しました。独立行政法人労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2019」によれば、日本の労働力人口は世界最速のスピードで減少していくことが予想され、人材の流動化が加速する昨今において、多くの企業の経営における重要課題は自社で活躍する人材の確保や維持へと移行しています。加えて、国際標準化機構による人的資源マネジメントISO30414の発行や、米国での人的資本開示の義務化など、世界的に人的資本開示が活性化しています。こうした状況下において、従業員エンゲージメントや人材開発ニーズは非常に高まっており、そのニーズは長期的に継続すると当社グループとしては考えており、2000年の創業以来、多くの企業の組織変革を支援してきた当社グループにとって大きな機会であると捉えております。引き続き、“モチベーションエンジニアリング”を活用したワンストップソリューションの提供によって、さらなる顧客単価の向上を実現していきます。
また、当社は、2000年の創業以来、企業と従業員のエンゲージメント状態を「診断」するだけでなく、数多くの企業の「組織変革」までを支援してまいりました。「モチベーションクラウドシリーズ」は、従業員エンゲージメント(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合い)の向上を実現するHRTech(人材×テクノロジー)領域のクラウドサービスです。創業以来提供してきた組織診断サービスをクラウド化し、2016年7月よりサービス提供を開始いたしました。
現在、株式会社アイ・ティ・アール(以下、ITR)が発行する市場調査レポート「ITR Market View:人材管理市場2021」において、従業員エンゲージメント市場のベンダー別売上金額シェアで4年連続1位(2017~2020年度予測)を獲得しています。
当連結会計年度においては、大手企業への導入強化が奏功し、前年を大きく上回る結果となりました。月会費売上も堅調に推移しており、2021年12月単月における月会費売上の合計額は、240,545千円と伸長しております。
今後は、引き続き大手企業向け新規導入のさらなる強化に加えて、多言語対応の推進によって日本企業のグローバル支社への支援をはじめグローバル展開も進めてまいります。また変革機会における新たなクラウドサービスとして、すでに納品実績のある人材開発サービスを2022年度中にクラウド化し、リリースする予定です。モチベーションクラウドに加えて、その新規クラウドサービスを展開する事で、2022年12月単月におけるモチベーションクラウドシリーズの月会費売上は3.2億円(同133.0%)を見込んでおります。これらの実現に向けて、人材・IT投資も積極的に行うことでクラウドシリーズの展開スピードを加速させ、従業員エンゲージメント市場を牽引してまいります。
(イベント・メディア事業)
当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”をサポートするため、事業活動上での様々なコミュニケーションシーンにおけるイベントやメディアを制作しております。イベント制作としては、周年記念イベント、採用説明会、プロモーションイベント、株主総会など、リアル・バーチャルにおける場創りをサポートすることでステークホルダーへの興味喚起や理解促進を支援しております。また、メディア制作としては、社内報、会社説明パンフレット、株主向けのアニュアルレポートなどの紙メディアに加えて、会社ホームページ、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や株主総会動画配信などの映像メディアも手がけております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は2,479百万円(同95.2%)、売上総利益は1,081百万円(同112.6%)となりました。
当連結会計年度については、イベント事業において、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、売上収益は前年比減となりました。一方で、オンライン化に伴う粗利率の改善などによって、売上総利益は前年比で大幅に増加しております。
引き続き、WEB、映像を活用したオンラインイベントを推進するとともに、IRに関するWebメディアや映像メディアのサービス提供に注力してまいります。
《個人開発ディビジョン》
個人開発ディビジョンでは、主体的・自立的に自らのキャリアや人生を切り拓く個人を“アイカンパニー(自分株式会社)”と定義して、“アイカンパニー”の輩出を支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”をキャリアスクール・学習塾等のビジネスに適用し、小学生から社会人に対して、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るまでワンストップでサービスを提供しております。
当該セグメントの当連結会計年度における売上収益は7,471百万円(同111.0%)、セグメント利益は2,904百万円(同136.9%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(キャリアスクール事業)
当該事業は、大学生や社会人を主な対象とした、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、外国語スクール「ロゼッタストーンラーニングセンター」、「ロゼッタストーンプレミアムクラブ」および「ハミングバード」の5つのサービスブランドを掲げ、個人のキャリア向上を目的としたワンストップのサービスを提供しております。これまでは、教室での受講を主としていましたが、現在は通学・オンラインの両サービスを提供し、継続的な学びのサポートを実現しております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は6,824百万円(同112.4%)、売上総利益は2,596百万円(同144.3%)となりました。
当連結会計年度については、DXスキルニーズの加速に伴いIT講座が伸長するとともに、オンライン化に伴う粗利率の改善が功を奏し、前年を大きく上回る結果となりました。また、DXに向けた従業員のスキル強化ニーズの拡大に伴い、企業内個人向けのDX支援サービスも順調に伸長しております。
今後も引き続き、拠点だけに依存しないバーチャル空間での価値提供によって受講者の成果創出を支援するとともに、ますます拡大が期待されるDX市場において、これまで培ってきたITスキル支援のノウハウや組織開発・マッチングディビジョンの顧客アセットも活用することで、さらなる成長を実現してまいります。
(学習塾事業)
当該事業は一般的な学習塾と異なり、生徒の学力向上はもちろん、世に多くの“アイカンパニー”を輩出することを事業コンセプトに展開しております。サービス内容としては中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」を展開しており、単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル開発の場を提供しております。さらに、中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」を展開しております。将来的には、当社グループのキャリアスクール事業が持つ「プログラミング教育」や「英会話教育」といったアセットも活用し、小学生から高校生まで一気通貫で社会に役立つスキル開発の場を提供することを目指してまいります。また、キャリアスクール事業同様、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しています。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は651百万円(同97.8%)、売上総利益は310百万円(同96.1%)となりました。
当連結会計年度については、新規入会数は回復傾向にあるものの、1人あたりの単価減少に伴い、売上収益・売上総利益ともに前年比減となりました。なお、当該事業は単一プロダクトになります。
今後も引き続き、授業や面談のオンラインサービスのクオリティのさらなる向上によって新規入会者数を伸長させ、安定的なサービスを提供するとともに、従来の学習塾には成し得ない小学生から高校生、社会人までワンストップのサービス実現を目指してまいります。
《マッチングディビジョン》
マッチングディビジョンでは、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を人材紹介事業に転用した「エンゲージメント・マッチング」をコンセプトにサービスを展開しております。企業が求めるテクニカルスキル要件とのマッチングだけではなく、当社が保有するデータをもとに個人の特性と企業の特性とのマッチングを行うことで、定着率の高いマッチング、いわゆる「求人ニーズのある組織」と「キャリアアップをしたい個人」の相思相愛創りを実現しています。主に、日本で働きたい外国籍人材や、就職希望の学生、転職希望者を対象としております。
当該セグメントの当連結会計年度における売上収益は15,043百万円(同101.3%)、セグメント利益は5,534百万円(同98.2%)なりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。
(海外人材紹介・派遣事業)
当該事業は、全国の小・中・高等学校の外国語指導講師(ALT:Assistant Language Teacher)の派遣および英語指導の請負をサービスとして提供しております。また、顧客との信頼関係や実績が重視されるため、参入障壁が非常に高い本事業において、当社グループは民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しております。さらに、外国人雇用ニーズの高まりを捉え、外国人雇用を促進したい企業に外国人の採用・育成・労務サポートをワンストップで提供する事業を展開しております。
日本では、文部科学省の英語教育改革によって、英語学習開始の早期化が進んでいます。2020年度には、小学校3年生から英語教育開始、小学校5年生から正式教科扱いとなった一方で、まだALTの担当授業数が少ない自治体も多いことから、今後も日本における英語教育市場は、引き続き拡大傾向にあると捉えています。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は13,123百万円(同101.5%)、売上総利益は3,650百万円(同96.5%)となりました。
当連結会計年度については、入国制限の影響を引き続き受けているものの、雇用の長期化や国内人材採用などが着実に進捗した結果、売上収益は増加しました。一方で、国内採用や入国後の隔離期間のサポート等での原価増の影響を受け、売上総利益は微減となりました。
また、先生方の英語授業準備効率化や英語力・指導力向上を目的に、2021年6月にリリースしたクラウドサービスである「Teachers Cloud」の利用学校数も着実に増加しています。利用学校数は、12月末で全国の公立の小・中・高等学校の約15%にあたる4,300校を超え、2024年には全国の公立の小・中・高等学校の約45%にあたる14,000校への提供を計画しています。引き続き「Teachers Cloud」を通してブランド力を向上させることで、ALT契約のリピート率向上とさらなるシェア拡大を実現してまいります。
(国内人材紹介・派遣事業)
当該事業では、組織の成長において必要となる人材を、人材紹介サービスという形で提供しております。主な事業としては、就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介事業、転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介事業を行っております。前第1四半期連結会計期間より連結対象範囲となったオープンワーク株式会社は、日本最大級の社員クチコミによる転職・就職者向け情報プラットフォーム「OpenWork」の運営を行っており、人材紹介企業への送客やプラットフォーム上でのダイレクト採用サービスの提供を主な収益源としております。
当該事業における当連結会計年度の売上収益は1,943百万円(同99.9%)、売上総利益は1,907百万円(同101.2%)となりました。
主な収益源であるオープンワーク株式会社においては、コロナ禍でも登録ユーザー数、社員クチコミ・評価スコアデータ件数を着実に積み上げており、中でもダイレクト採用サービスは前年比で約180%と大きく成長しています。今後も引き続き、組織開発ディビジョンの顧客基盤の活用や転職候補者のレジュメの増加に加え、マッチング率向上を実現することで、組織と個人の真の相互理解・相思相愛を実現する「エンゲージメント・マッチング」を加速してまいります。
《ベンチャー・インキュベーション》
当社グループでは、各ディビジョンの他に、ベンチャー・インキュベーションを展開しております。ベンチャー・インキュベーションでは、出資に加え、当社グループの組織人事コンサルティングのノウハウなどを提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援しております。出資先の主な選定基準は、①“モチベーションカンパニー”創りへの共感、②株式上場を目指していること、の2点です。なお、ベンチャー・インキュベーションにて発生した売却益等は、連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素に計上致します。
生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当社グループは、コンサルティング業等を主体としており、生産実績の記載はしておりません。
2.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
組織開発ディビジョン |
11,186 |
118.1 |
5,518 |
115.1 |
|
個人開発ディビジョン |
7,255 |
107.2 |
1,567 |
89.0 |
|
マッチングディビジョン |
15,197 |
104.4 |
7,684 |
106.5 |
|
その他 |
4 |
22.0 |
- |
- |
|
合計 |
33,643 |
109.2 |
14,770 |
107.3 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注)2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)3 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。
3.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
組織開発ディビジョン |
10,461 |
109.9 |
|
個人開発ディビジョン |
7,449 |
110.8 |
|
マッチングディビジョン |
14,728 |
101.4 |
|
その他 |
4 |
22.0 |
|
合計 |
32,644 |
106.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注)2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)3 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
1.財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,021百万円減少し、30,062百万円となりました。これは主として、東京統合拠点の移転撤退決議等に伴い、使用権資産が8,641百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ14,752百万円減少し、21,413百万円となりました。これは主として、有利子負債及びその他の金融負債が5,667百万円減少し、東京統合拠点の移転撤退決議等に伴い、リース負債が8,825百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ3,731百万円増加し、8,648百万円となりました。これは主として、自己株式の処分等により、資本剰余金が2,024百万円増加し、自己株式が1,413百万円減少したこと等によるものです。
2.経営成績の分析
(1)売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前年比6.0%増の32,644百万円となりました。セグメント別には、組織開発ディビジョンで前年比9.0%増の10,819百万円、個人開発ディビジョンで前年比11.0%増の7,471百万円、マッチングディビジョンで前年比1.3%増の15,043百万円となりました。
(2)売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前年比3.1%増の17,304百万円となり、原価率は53.0%となりました。
(3)販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年比4.5%増の12,625百万円となりました。
(4)営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前年比140.2%増の2,066百万円となりました。
(5)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、918百万円(前年は親会社の所有者に帰属する当期損失996百万円)となりました。
3.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下、「資金」)は1,532百万円減少し、当連結会計年度末の残高は4,917百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により獲得した資金は、前年より346百万円増加し、4,316百万円となりました。これは主として、減損損失が前年に比べ1,629百万円減少、営業債権及びその他の債権の増減が前年に比べ676百万円増加、その他が前年に比べ1,205百万円減少したことにより資金が減少した一方で、税引前当期利益が前年に比べ1,233百万円増加、非継続事業からの税引前当期損失が前年に比べ597百万円減少、投資有価証券評価益が前年に比べ563百万円減少、法人所得税の還付額が前年に比べ411百万円増加、法人所得税の支払額が前年に比べ858百万円減少したことにより資金が増加したこと等によるものです。その他の主な減少理由は、基幹システムのライセンス料等の前払費用が224百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により使用した資金は、728百万円(前年は1,969百万円の獲得)となりました。これは主として、前年に発生した連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が無かったことにより資金が減少したこと等によるものです(前年はオープンワーク株式会社の子会社化に伴い、現金及び現金同等物が2,290百万円増加)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により使用した資金は、5,124百万円(前年は1,647百万円の使用)となりました。これは主として、自己株式の売却による収入4,029百万円が発生したことにより資金が増加した一方で、前年に発生した短期借入金の純増減額が無かったこと(前年は3,640百万円増加)、長期借入金の返済による支出が前年に比べ3,796百万円増加したことにより資金が減少したこと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの資金需要は、人件費等の運転資金のほか、ソフトウエア開発費用、M&A費用等の事業投資資金があります。これらの資金需要に対して、自己資本または金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1.財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「経営成績等の状況の概要 1.業績」、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.財政状態の分析」、及び「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2.経営成績の分析」に記載しております。
2.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 3.キャッシュ・フローの分析」に記載しております。
3.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価の主な構成要素であります人件費、ソフトウェア開発費等の外注費、及び有利子負債の返済及び利息の支払い等があります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は13,887百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,917百万円となっております。なお、安定的な運転資金の調達方法として、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当該契約の借入未実行残高は3,600百万円となっております。
なお新型コロナウイルス感染症による財政状態への影響は、現在のところ軽微でありますが、長期戦略の実現に向けて、成長事業への投資や借入金の返済による財務基盤の強化を目的として、自己株式処分による4,202百万円含む、総額4,713百万円の調達を実施しております。
今後の動きについては引き続き注視しつつ、財政状態へ重大な影響を与える可能性のある事象が生じた場合などにおいては、適時に対応の検討を行ってまいります。
また、当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断方針」に記載しています。
また、新型コロナウイルス感染症の影響等についても同様に、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断方針」に記載しております。
(定期建物賃貸借契約)
当社は、2021年2月12日開催の取締役会において、本社を移転することについて決議し、同日付けにて定期建物賃貸借契約を締結し、2021年10月に移転を完了いたしました。
1.移転先
東京都中央区銀座4-12-15歌舞伎座タワー
2.移転時期
2021年10月
3.移転の目的
当社では、新型コロナウイルス感染症拡大を機会に、「Compatible Work」という働き方のモデルを新たに構築しました。「Compatible Work」とは、「労働生産性の向上」と「従業員エンゲージメントの向上」の同時実現を果たすために、リアルとバーチャルの特性を活かした働き方です。具体的には、チームごとに決められたオフィス出社日とテレワーク日が設定されており、それぞれに適した業務デザイン・遂行を行っていきます。この「Compatible Work」の推進によるオフィス必要面積の縮小に伴い移転の決定となりました。
(吸収分割契約)
当社は、2021年11月12日開催の取締役会において、2022年1月1日をもって株式会社リンクスタッフィングの国内人材派遣事業を株式会社iDAに対して事業譲渡することを決議し、同日付で吸収分割契約を締結いたしました。当該契約に基づき、当社は2022年1月1日付で当該事業について株式会社iDAに対して事業譲渡を行いました。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.後発事象」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。