第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当社の本有価証券報告書の提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下のとおりです。また、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
 

(1)当社グループの企業理念

 当社グループの企業理念は、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」です。当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」をビジネスモデルに適用し、組織や個人が「夢」や「生きがい」によって、たくさんの意味を社会からくみ取っている状態を実現してまいります。

 

(2)経営の基本方針

 当社グループは、創業当初より「社員のモチベーションこそが会社の成長エンジン」であると考えております。この基本的な考え方を前提に、企業理念の実現に向けた会社の経営においては、以下の3点を重要視しております。

1.人的資本を最重要視し、人的資本及びその他の資本の最大化を図ること

 当社グループのビジネスはソフトビジネスであり、人的資本が様々な資本の価値創造の源泉であると考えております。人的資本がビジネスを通して財務資本を、技術開発を通して知的資本を、顧客開発を通して社会関係資本を創造、増大させております。だからこそ、人的資本を最重要視して投資を行うことで、持続的にその他の様々な資本を増強しております。

2.「モチベーションエンジニアリング」をビジネスモデルに徹底活用すること

 「モチベーションエンジニアリング」は、経営学・社会システム論・行動経済学・心理学などの学術成果をもとに創られた当社グループの競争優位性となる基幹技術です。「診断技術」と「変革技術」から構成され、この技術を全ての事業、商品サービスに組み込むことで、顧客価値を最大化しています。

3.事業戦略と組織戦略を常にリンクさせ、顧客価値と人的資本価値の最大化を同時実現すること

 当社グループは、顧客価値の最大化を実現するための事業戦略と人的資本価値の最大化を実現するための組織戦略を常に繋げて考えています。そして、そのバランス度合いを示す生産性(人的資本ROI)をモニタリングすることで、環境変化に応じて適切な経営判断を行っています。

 

0102010_001.png

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

ⅰ経営環境

 近年、社会構造の変化に伴い、組織と個人を取り巻く環境は大きく変化しています。Elsten and Hill (2017)によれば、米国の代表的な株価指数であるS&P500に採用されている企業の市場価値を要因分解すると、2015年時点で84%が無形資産であり、欧州のS&P Europe350に採用されている企業の市場価値は71%が無形資産であるなど、世界的にビジネスのソフト化が進んでおります。この変化を受けて、企業における価値創造の主体が業界や企業から個人へと移行しています。また、日本においては労働力人口の減少とワークモチベーションの多様化も進んでおり、企業経営において、自社で活躍する人材の確保やリテンションのためにも労働市場に適応する重要性が高まっております。このような変化の中で、人的資本経営の機運が高まり、リスキリングの活発化や人材獲得競争の激化も発生しています。

 

0102010_002.png

 

ⅱ事業戦略及び目標とする経営指標、対処すべき課題

 中期的には、前述の経営環境変化をビジネス機会として活かせる事業を中心に、大幅な成長を計画しております。具体的には、組織開発Divisionを大幅に成長させていくと同時に、他Divisionと組織開発Divisionとのシナジーを拡大していく方針です。

 

目標とする経営指標

 事業の収益性・生産性を重視した経営を行うべく「売上収益営業利益率」を重要な経営指標として位置づけるとともに、規模の拡大にも注力するため、「売上収益」「営業利益」「親会社の所有者に帰属する当期利益」も合わせて重要な経営指標として位置づけております。また、各事業セグメントにおける重要な経営指標として、事業KPI(Key Performance Indicator)を下記のとおり設定しております。

 

組織開発Division

モチベーションクラウドシリーズ月会費売上

個人開発Division

従業員向けリスキリング支援売上

マッチングDivision

OpenWorkリクルーティング売上

 

 また、組織戦略とのバランス度合いを示す生産性(人的資本ROI)も重要指標としております。

 

事業戦略及び対処すべき課題

重点テーマ① 組織開発Divisionの大幅成長

<モチベーションクラウドシリーズの顧客開拓>

 人的資本経営やその情報開示の機運が高まる中、すでに企業の営業利益率や労働生産性との相関も明らかになっている従業員エンゲージメントへの注目はますます高まっております。このようなニーズの高まりを追い風に、未だ開拓余地の大きい大手企業へのモチベーションクラウドシリーズの導入を推進するとともに、グローバル企業の現地法人や地方自治体への導入も進めてまいります。また、2022年7月にリリースしたストレッチクラウドについても、市場規模が5,000億円を超える人材育成市場において拡大を進める計画です。事業の安定性の観点からもサブスクリプションモデルは非常に有効なビジネスモデルであると考えており、引き続き、モチベーションクラウドシリーズの顧客開拓を通して、コンサル・クラウド事業の大幅成長を実現してまいります。

 

<クラウドからコンサルティングへの接続強化>

 モチベーションクラウドにて従業員エンゲージメントを診断したうえで、その診断結果に応じて、採用・育成・制度・風土といった組織人事にかかわる変革ソリューションをワンストップで提供できる点が当社グループのコンサル・クラウド事業の大きな競争優位性となっています。クラウドからコンサルティングへの接続を強化し、コンサル・クラウド事業の顧客単価を向上させてまいります。

 

<コンサル・クラウド事業からIR支援事業への接続強化>

 有価証券報告書における人的資本情報開示の義務化の動きを受けて、非財務情報、特に人的資本情報の開示ニーズはさらに高まると考えております。コンサル・クラウド事業において「診断」「変革」した結果を、IR支援事業において株主・投資家向けの統合報告書等によって「公表」することで、企業の人的資本経営とその開示の双方を支援してまいります。同時に、「公表」の加速によって、さらに人的資本経営のニーズを高めるという形でもコンサル・クラウド事業とIR支援事業のシナジーを創出し、組織開発Divisionの顧客単価を向上させてまいります。

 

0102010_003.png

 

重点テーマ② 組織開発Divisionと他Divisionのシナジー創出

<従業員向けリスキリング支援サービスとのシナジーの創出>

 組織開発Divisionの顧客企業は、企業価値向上・事業成長を実現するべく、従業員エンゲージメントをはじめ、人材・組織に投資を行っています。このような企業は総じて人材力の強化にも積極的であり、特に、生産性の向上が求められる昨今、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けた、従業員のリスキリングへの投資意欲が高まっています。組織開発Divisionの顧客基盤を共有し、ITスキル等のリスキリングも含めた人的資本経営推進のニーズにワンストップで応え、従業員向けリスキリング支援サービスを大幅に成長させる計画です。

 

<OpenWorkリクルーティングとのシナジーの創出>

 「OpenWork」を活用したOpenWorkリクルーティングでは、OpenWork上でクチコミ・評価スコアが高い、即ち従業員エンゲージメントが高いほど、優秀な人材の注目を集めることが可能となります。また、求職者がクチコミを見て企業のことをよく理解したうえで求人に応募することができるシステムになっているため、求人企業と求職者の双方のミスマッチ低減や入社後の定着率の向上を図ることができます。組織開発Divisionの顧客基盤を共有し、人的資本経営を推進する企業にこのような質の高い採用を提供することで、OpenWorkリクルーティングを大幅に成長させる計画です。

 

0102010_004.png

 

ⅲ組織戦略及び目標とする経営指標、対処すべき課題

 高い能力を持った従業員がエンゲージメント高く働く状態を創り続けるために適切な投資を行い、人的資本を最大化させ、事業成長へとつなげる方針です。

 

目標とする経営指標

 「組織力」と「人材力」を重要な経営指標として位置付けております。また、グループ全体の重要な経営指標として、下記KPIを設定しております。

 

組織力

エンゲージメント・レーティング※1

人材力

階層別役割サーベイスコア※2

 

 また、事業戦略とのバランス度合いを示す生産性(人的資本ROI)も重要指標としております。

 

※1 企業と従業員のエンゲージメント(相互理解・相思相愛度合い)を表す指標です。

独自開発した組織診断サーベイの結果を基に、エンゲージメントスコア(ES)を偏差値として算出しており、ESの結果に応じた11段階のランク付けを「エンゲージメント・レーティング」と定義しています。

 

※2 個人が各階層において求められる役割をどの程度果たしているかを示す指標です。

社会人に求められる基礎力「人材要件フレーム」のうち、最も重要であると考える「スタンス」について、周囲からの期待と満足の一致度合いを測る指標です。「スタンス」とは、物事に対する姿勢や組織での役割期待を指します。マネジャー、リーダーなど各階層に求める内容が異なるため、階層ごとにサーベイを実施し、その結果を、エンゲージメント・レーティングと同様、11段階でランク化しております。

 

組織戦略及び対処すべき課題

 従業員エンゲージメントの向上及び人材力の強化に向けて、採用・育成・制度・風土を重点領域として設定おります。

 

<採用>

 当社グループの診断ツール「エントリーマネジメントサーベイ」によって、採用活動における企業と応募者のエンゲージメント状態を測定しております。2022年は、新卒採用を実施している当社グループ会社7社全てにおいて、「理念戦略」が強みに位置していることから、当社グループの理念に共感したエンゲージメントの高い状態での入社を実現できていることがわかります。

 2022年の新卒採用人数147名に対して、2023年は108名の採用を予定しております。また、2024年に関しても、理念に共感した人材を100名以上採用する計画です。

 

<育成>

 事業の拡大・成長を牽引し、従業員エンゲージメントを育むことのできる経営人材の育成は不可欠です。当社グループでは、メンバーから上級管理職まで各階層から参加者を選抜し、実業を離れた成長機会を提供する施策を実施しております。本施策は、1年間を通して経営者として持つべき視界や考え方を学ぶプログラムとなっております

 

0102010_005.png

 

<制度>

 当社グループでは、経営のスピード感へのこだわりから、3ヶ月に1回のサイクルの評価・報酬体系をとっております。この仕組みにより、個人の成長スピードを高めるとともに、従業員のエンゲージメントを維持・向上させる納得感のある評価・報酬を実現することができると考えております。また、個人評価において、会社への業績・組織への貢献度合いを評価する「パフォーマンス」と個人の成長・変化度合いを評価する「ストレッチ」の二軸を等しく評価しております。これも個人の成長を加速させるための重要な制度であると考えております。

 

<風土>

 当社グループ全体の視界共有を目的に、3ヶ月に一度、業績の振り返りやMVPの表彰、今後の方針共有などを行う「グループ総会」を実施しております。視界共有によるエンゲージメントの向上や、MVPの表彰により、社員全体の成長意欲を喚起することで、人材開発を実現しています。

 

0102010_006.png

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(2023年1月31日内閣府令第11号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30-2)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しています。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境

 様々な社会課題の顕在化やステークホルダーの価値観の変容に伴い、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営や経済価値と社会価値の双方を創出するサステナビリティ経営がより一層求められています。当社グループも、持続的な社会の創造については、責任をもって取り組んでいくべきであると考えています。

 

(2)サステナビリティに関する考え方

 当社グループにとってのサステナビリティとは、事業を通して社会課題の解決に寄与することであり、当社グループの持続的な成長が、社会の持続的な発展に貢献できるような世界を目指すことです。その実現に向けて、顧客、取引先、従業員、株主はもちろん、環境や社会とのエンゲージメントも非常に重要であると考え、2000年の創業以来、あらゆるステークホルダーとのエンゲージメントを大切に、サステナビリティを重視した経営を実践しております。

 

 その実践に際しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営の基本方針」にも記載のとおり、「人的資本を最重要視し、人的資本及びその他の資本の最大を図ること」を特徴としています。当社のビジネスはソフトビジネスです。人的資本がビジネスを通して財務資本を、技術開発を通して知的資本を、顧客開発を通して社会関係資本を創造、増大させております。だからこそ、人的資本を最重要視して投資を行い、持続的に人的資本やその他の資本を増強し続けることで、サステナビリティを実践してまいります。

 

(3)具体的な取り組み

 国内外のサステナビリティ開示で広く利用されている「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の4つの構成要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標)に基づき、取り組みを開示いたします。

 

≪ガバナンス≫

ⅰ基本的な考え方

 当社は、「モチベーションエンジニアリング」によって社会の活性化に貢献する、という創業以来の経営理念を追求する経営哲学のもと、公正で透明性の高い経営に取り組むことを基本的な考えとしております。その実現のため、株主の皆様やお客様をはじめ、取引先、地域社会、従業員等各ステークホルダーと良好な関係を築き、長期的視野の中でグループ企業価値の向上を目指すべく経営活動を推進しております。

 

 取締役会を経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催するとともに、事業経営にスピーディーな意思決定と柔軟な組織対応を可能にするため、取締役及び事業責任者等が出席する経営会議を原則月2回開催しております。加えて、業務執行に関する監視、コンプライアンスや社内規程の遵守状況、業務活動の適正性かつ有効性を監査するため、監査役が取締役会に出席することで議事内容や手続き等につき逐次確認いたしております。また、内部監査人を置き、内部監査を実施し、監査結果を定期的に代表取締役会長・社長に報告しております。

 

 ディスクロージャーに関しましては、会社法、金融商品取引法に定められた情報開示はもとより、取引所が定める「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則(適時開示規則)」に基づく情報開示は、上場会社としての当然の責務と考えております。また、株主・機関投資家・個人投資家・顧客等に向けたIR活動も重要な企業責任であるとの認識に立っており、一般に公正妥当と認められた企業会計基準を尊重し、監査法人のアドバイス等を積極的に受け入れ、制度としてのディスクロージャーの他、リスク情報を含めた自発的なディスクロージャーにも重点を置き、透明性、迅速性、継続性を基本として積極的な開示に努めております。

 

 

ⅱコーポレート・ガバナンス体制

 当社は、取締役会において、経営の重要な意思決定及び業務執行の監督を行うとともに、監査役会設置会社として、取締役会から独立した監査役及び監査役会により、職務執行状況等の監査を実施しております。継続して公正で透明性の高い経営活動を推進するため、コーポレート・ガバナンス体制の整備・強化に取り組みます。

 

0102010_007.png

 

≪リスク管理≫

①リスクマネジメント体制

 当社は、グループ経営に関するさまざまなリスクを審議するため、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価・分析し、グループ各社に必要な指示、監督を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告する体制を整えています。

 

0102010_008.png

 

②リスクマネジメントプロセス

 以下のプロセスに添い、リスク管理をしております。

 

STEP1 リスク特定

 業務プロセス全体におけるリスク整理と、各Divisionにおけるリスクの洗い出しを行います。前者では具体的に、当社を取り巻く環境について、顧客行動・選好の変化、政策・法規制の強化、投資家からの要請、新規参入者などの影響範囲を定義しています。後者では具体的に、全社、各Division、各事業において想定されるリスクと機会を洗い出しております。

 

STEP2 リスク分析

 リスクと機会を影響度・発生可能性の観点から整理しております。

 

STEP3 リスク評価

 影響度と発生可能性をもとに、定められたリスク基準と比較し、対応の要否を判定しております。

 

STEP4 リスク対応

 判定したリスクについて、対応を進めております。

 

0102010_009.png

 

≪戦略≫

ⅰサステナビリティ戦略

 当社グループのビジネスはソフトビジネスであり、人的資本が様々な資本の価値創造の源泉であると考えております。人的資本がビジネスを通して財務資本を、技術開発を通して知的資本を、顧客開発を通して社会関係資本を創造、増大させております。だからこそ、人的資本を最重要視して投資を行うことで、持続的に人的資本やその他の資本を増強することを目指して戦略を設計しています。

 このように、サステナビリティの実践に向けて、特に組織・人材戦略を中心に据え、その重要テーマとして、「組織力」と「人材力」を置き、その向上を図っております。具体的には、「組織力」においては、「エンゲージメント・レーティング※1」を、「人材力」においては「階層別役割サーベイスコア※2」を重要指標のひとつとしてモニタリングし、それぞれの向上に向けて採用・育成・制度・風土の4領域をマネジメントしています。

 

※1 企業と従業員のエンゲージメント(相互理解・相思相愛度合い)を表す指標です。

独自開発した組織診断サーベイの結果を基に、エンゲージメントスコア(ES)を偏差値として算出しており、ESの結果に応じた11段階のランク付けを「エンゲージメント・レーティング」と定義しています。

 

※2 個人が各階層において求められる役割をどの程度果たしているかを示す指標です。

社会人に求められる基礎力「人材要件フレーム」のうち、最も重要であると考える「スタンス」について、周囲からの期待と満足の一致度合いを測る指標です。「スタンス」とは、物事に対する姿勢や組織での役割期待を指します。マネジャー、リーダーなど各階層に求める内容が異なるため、階層ごとにサーベイを実施し、その結果を、エンゲージメント・レーティングと同様、11段階でランク化しております。

 

ⅱ具体的な戦略と取り組み

a. 人材の多様性の確保を含む人材の採用・育成に関する方針

 当社グループでは、「組織力」と「人材力」の両方を高めるために、多様性確保を含む人材の採用と育成は非常に重要な事項であると考えております。

 採用・育成に関する具体的な取り組み内容は、下記のとおりです。

 

<採用>

 「組織力」と「人材力」の向上に向けて、入社の入口である採用は非常に重要です。私たちは、「会社の10年後を支えるのは採用力である」という考えのもと、自社の採用コンサルティングナレッジを活用しながら採用に向き合っています。

 

①新卒採用活動

 インターンシップの実施を通して母集団を形成し、その後はエントリーマネジャー※3が学生をサポートすることで、ポテンシャルが高く、志向性や価値観も当社の考え方とフィットしている学生をエンゲージメントの高い状態で採用することができています。

 

0102010_010.png

 

※3 採用プロセスに関わるリクルーターを指します。当社グループと応募者の中間に立って橋渡しをする役割を担い、主な活動としては、当社グループについての情報提供と選考プロセスにおけるサポートを行います。

 

②エントリーマネジメントサーベイ

 企業と応募者の相思相愛度合いを定量的に可視化できる診断ツール「エントリーマネジメントサーベイ」の結果は、以下のとおりとなりました。すべての法人において「理念戦略」が強みに位置していることから、当社グループの理念に共感した状態での入社が実現できていることがわかります。

 2022年の新卒採用人数147名に対し、2023年は108名の採用を予定しております。また、2024年に関しても、理念に共感した人材を100名以上採用する計画です。

 

0102010_011.png

 

<育成>

 事業戦略の遂行には、社員ひとりひとりの成長が欠かせません。当社グループでは、自分自身を一つの株式会社に見立て、自立的に自らのキャリアを形成していく「アイカンパニー」を育むことを重要視しています。そのため、個人の成果創出に必要な要件を「人材要件フレーム」として体系化し、当社グループのサービスである様々な研修を中心に、多くの成長機会を提供しております。

 

①経営人材育成施策

 事業の拡大・成長において、組織を牽引する経営人材の育成は不可欠です。当社グループの経営人材には、「商品/労働/資本市場の3市場に適応できること」「グループ全体の視界で考えられること」を求めていますが、日々の業務では「商品市場への適応」「担当領域の視界」になってしまいがちです。そのため、実業を離れた成長機会として、2021年より、選抜型での育成施策「TOP GUN SELECTION」を実施しています。メンバーから上級管理職まで各層から参加者を選抜し、1年間を通して経営者として持つべき視界や考え方を学ぶプログラムとなっています。

 

 2022年は、全階層合わせ25名の育成を行いました。参加者からは、「経営に向き合う覚悟と基準の違いに気付いた」「改めて未来を創る当事者でありたいと強く思えた」といった感想が寄せられ、将来の経営人材を育むことができていると考えています。

 

0102010_012.png

 

②リテラシー向上施策

 「人材要件フレーム」におけるリテラシーは、時代に合わせてリスキリングさせる必要があると考えております。昨今においては、組織としての生産性を高め、さらなる事業成長を加速させるために、社員ひとりひとりのITリテラシーの向上が不可欠です。そのため、2021年より個人開発Divisionで提供している従業員向けITリテラシー向上施策を当社グループ内でも展開し、個人のリスキリングに取り組んでいます。

 

 結果として、個人のIT知識やIT操作の習熟度を測るサーベイ「DX Survey Basic」の結果において、2022年の当社グループ平均は123.3ポイント(2021年は98.9ポイント)となり、2022年の目標110ポイントを上回る結果となりました。

 

0102010_013.png

 

 

b. 社内環境整備に関する方針

 当社グループでは、「組織力」と「人材力」の両方を高めるために、人事制度と組織風土の整備は非常に重要な事項であると考えております。

 人事制度・組織風土に関する具体的な取り組み内容は、以下のとおりです。

 

<人事制度>

①キャリア形成をサポートする制度

 当社グループは、従業員エンゲージメント向上に向けて、会社のビジョンと従業員個人のビジョンとの接続を重視しております。会社に所属する中で、個人のキャリアの歩み方、成長方針、そして自分のビジョンへの近づき方を明確にすることが、従業員エンゲージメントの向上に寄与すると考えております。

 そのため、下記のとおり、時間軸ごとに会社とのすり合わせ機会を設けています。具体的には、3ヶ月間の目標を明確にする「目標設定・評価」、1年後の目標を明確にする「サーベイフィードバック」、3年後の目標を明確にする「アイカンパニーブランディング制度」を行っています。それぞれの施策は、会社の目指す方向性や会社が個人に求める期待を伝えた上で、個人がやりたいことや成長の方向性を明確にする機会となっております。

 

0102010_014.png

 

②3ヶ月を区切りとした制度設計

 創業以来、当社グループの成長を支えてきたのは、独自の時間観です。成長のためには短いスパンでサイクルを回すことが重要だという考えのもと、「世の中の3ヶ月は当社グループの1年」といった独自の時間観を共有し、3ヶ月ごとに節目を設けております。これにより、社員が高いモチベーションを維持しながら成長し続けられる環境やスピーディーな事業展開を実現しております。

 具体的には、業績管理、目標設定、人事評価、昇降格、賞与の支給、全社総会、休暇(年末年始休暇)など、組織運営上の区切りをすべて3ヶ月単位に揃え、すべて年4回行っています。意図的に時間に区切りを入れることで、日々の時間を濃く過ごすことを意識できる仕組みとなっています。

 

0102010_015.png

 

<組織風土>

 風土形成に向けては、「コミュニケーション」を大切にしております。当社グループが成長していくためには、組織の階層・機能の分化を推進しなくてはなりません。しかしながら、組織の分化が進行すると、上下(階層)、左右(機能)の距離感は増大し、経営ボードの考えが伝わらない、部署間の協働が薄れるなど、様々な問題が発生します。よって私たちは、組織成果を極大化するための組織の分化は進めていくと同時に、統合や相互理解をコミュニケーションによって実現するために投資をしています。

 

①コミュニケーション施策

 経営層から現場、部署同士、又は全社員をつなぐコミュニケーションの機会を様々なタイミングで展開しています。代表的な施策は、「グループ総会」や「社内イントラ」、「DNA BOOK」です。グループ全体としての視界共有を適切なタイミングで行い、共通言語を紡ぎあげることで、全員が共通の目的に対して行動できる状態を実現することを目指しています。

 

0102010_016.png

 

②表彰制度

 事業成長のためには、従業員ひとりひとりが成長意欲を持ち、自身の役割を拡大させていくことが重要だと考えております。そのため、そういった行動を体現している社員の表彰制度を役割ごとに設けています。全社員の前で評価理由やエピソードが書かれた賞状が読み上げられ、受賞者にはスピーチをする機会が与えられます。本人の更なる成長のきっかけになるだけでなく、他社員の成長意欲を強く喚起する場となっています。

 

0102010_017.png

 

≪指標及び目標≫

 前述のとおり、当社グループでは、サステナビリティ戦略において人的資本を最重要視しております。サステナビリティの実践に向けて、人的資本の重要テーマとして、「組織力」と「人材力」を置き、その向上を図っております。具体的には、「組織力」においては、「エンゲージメント・レーティング」を、「人材力」においては「階層別役割サーベイスコア」をモニタリングしております。そして、事業戦略とのバランス度合いを示す生産性(人的資本ROI)も重要指標としております。

 各指標の2022年の実績と2023年の目標は以下のとおりです。

 

<人的資本ROI>

 2022年の実績は下記のとおり、41.1%となりました。

 

0102010_018.png

 

 なお、人的資本ROI=調整後営業利益÷人的資本コストとして算出しております。

 調整後営業利益は、営業利益から、のれん、使用権資産、固定資産の減損など一時的要因を排除した事業の業績を測る利益指標です。人的資本コストとは、従業員の給与や賞与、法定福利費、福利厚生費、通勤交通費、その他役員報酬等を含んだ費用の合計です。

 

 当社グループでは、人的資本に対し適切に投資を行い、そのリターンとしての組織成果を高めることが重要であるという考えのもと、投資とリターンのバランスを目指した経営を行ってまいります。

 2023年は、人的資本に対し適切に投資を行い、2022年結果を超える水準を目指してまいります。

 

<従業員エンゲージメント>

 2022年の実績は下記のとおり、グループ会社11社中、10社と多くの法人が最高ランクの「AAA」となりました。この結果から、高い従業員エンゲージメントが当社グループの優位性になっていると考えております。

 

0102010_019.png

 

 なお、各年の実績は、翌年2月実施の組織診断サーベイ結果を基に算出しております。上記は実施年ごとの結果を示しており、2023年実施結果が2022年実績を示しております。

 

 2023年(2024年2月実施予定)は、全法人において「AAA」を目指してまいります。

 

<階層別役割サーベイスコア>

 2022年実績は下記のとおり、Aランク以上の割合が全体・管理職ともに50%超となりました。この結果から、一定の人材力は確保できていると考えております。

 

0102010_020.png

 

 2023年は、Aランク以上の割合を2022年実績以上に高めることで、組織の人材力を高め、事業戦略の推進及び生産性の向上を目指してまいります。

 

(参考)人的資本に関する指標

 人的資本の重要テーマである「組織力」と「人材力」強化に向けた、採用・育成・制度・風土それぞれの指標は以下のとおりです。

指標

実績

単位

補足

採用

 

 

 

 

 

採用コスト

新卒

336

百万円

 

2022年に計上した採用にかかる費用を集計。

中途

159

百万円

 

採用社員の質

 

10

 

 

入社後6ヶ月間を試用期間と設定し、試用期間終了後に、10を「期待通り」として、2~18の幅で評価。

中途採用人数

 

63

 

2022年に入社した人員数を集計。

中途1人あたり採用コスト

 

2

百万円

 

2022年の採用コストを採用人数で割って算出。

育成

 

 

 

 

 

役員現就任者数

 

27

 

 

役員候補者数

 

22

 

 

役員候補準備度

 

81.5

 

 

1人当たり研修受講時間

 

38.9

時間

 

2022年全研修の受講時間合計を2022年末従業員数で割って算出。

人材開発・研修の総費用

 

190

百万円

 

 

研修参加率

新任管理職研修

100

 

 

管理職サーベイ研修

87.9

 

内部登用率

 

78.3

 

空席ポストに対する内部登用者数÷空席ポストに対する(内部登用者数+外部登用者数)として算出。

重要ポストの割合

 

1.7

 

重要ポスト数を総ポスト数で割って算出。

重要ポストの内部登用率

 

100

 

2022年に発生した重要ポストに対する登用における内部比率。

内部継承率

 

100

 

2022年末時点の重要ポストに対する登用における内部比率。

全空席ポスト中の重要ポストの空席率

 

0

 

 

重要ポストが埋まるまでの平均日数

 

0

 

 

内部異動率

 

68.8

 

当社グループの事業を区分した領域や職種をまたぐ異動、及び昇降格による役割変更を内部異動と定義し、全従業員が1年間の間で内部異動をした割合を算出。

 

 

指標

実績

単位

補足

制度

 

 

 

 

 

Open Workクチコミ評価

20代成長環境

4.9

 

 

連結子会社を除く、当社の数値。

社員の士気

4.9

 

 

総給与に対する役員報酬の割合

 

5.2

 

役員報酬を全従業員の報酬額合計で割って算出。

風土

 

 

 

 

 

苦情の件数

合計

11

 

役員、社員、アルバイト、ALTを集計対象として算出。

従業員全体に対して公開しているホットライン窓口に相談があった件数を集計。

ハラスメント

6

 

給与差別

1

 

職場環境

2

 

その他

2

 

懲戒処分の件数

合計

6

 

役員、社員、アルバイト、ALTを集計対象として算出。

譴責・減給

6

 

出勤停止・停職・降格

0

 

諭旨解雇・懲戒解雇

0

 

外部監査指摘のうち未解決件数

 

0

 

労基署等外部の監査で指摘を受けた事項のうち、未解決の件数。

研修受講率

コンプライアンス研修

100

 

ALTを除き、役員、社員、アルバイトを集計対象として算出。

健康・安全研修については、毎年、社員に対して実施しているストレスチェックの受講結果を算出。

情報管理研修

100

 

ハラスメント研修

98.5

 

健康・安全研修

88.2

 

退職率

 

13.3

 

月間退職率(月間退職者数÷月間平均従業員数)の年間(12ヶ月分)の総和で算出。

自発的退職率

全体

13.0

 

 

労災

件数

3.2

 

役員、社員、アルバイト、ALTを集計対象として算出。

件数及び失われた時間については、100万時間あたりの件数及び時間。

失われた時間

82.86

時間

 

死亡者数

0

 

傷病休職発生率

 

2.3

 

 

育休取得率

女性

100

 

 

男性

38.9

 

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある特に重要なリスクを記載しております。ただし、全ての重要なリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性がございます。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。

 

(1)経済状況等の変動等、マクロ環境に関するリスク(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

(リスクの内容)

 新型コロナウイルス感染症の世界的な経済活動への影響の継続に加え、ウクライナ情勢の深刻化に伴う物価上昇や急速な円安進行の影響により、経済状況の先行きは不透明な状況にあります。このような経済状況等の停滞・悪化により、サービスに対する需要が低迷する場合には、当社グループの経営成績等も影響を受ける可能性があります。

 具体的には、組織開発Divisionの特に中小ベンチャー企業へのコンサルティングにおける、事業環境の悪化に伴うプロジェクトの休止等の影響や、マッチングDivisionの人材紹介事業における、企業の雇用環境の変化の影響が想定されます。

 

(主な対応策)

 当社グループでは、2010年代に経済状況等の影響を受けにくいALT配置事業やキャリアスクール事業を開始し、変動に耐えうる事業ポートフォリオの構築をしております。また、企業を取り巻く環境変化のスピードが速まる中、その変化に柔軟に、素早く対応し、影響を最小化できるよう、「LMGの経営方針3カ条」において「運動神経の良い経営」を掲げております。この方針に基づき、経済状況等についても適宜経営会議にて議論することで即時の意思決定を行っております。一例を挙げると、事業戦略と組織戦略を繋ぐ人的資本ROIのモニタリングを行い、短期・中長期の最大成果の創出に向けて、経済状況に合わせて投資内容を検討しております。

 

(2)知的財産権に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

(リスクの内容)

 当社グループは、モチベーションエンジニアリングを基軸とした事業展開によってブランドを確立しておりますが、本技術を模倣した企業の出現によって、競合事業者に対する当社グループの優位性を顧客に対して十分に訴求できなくなる恐れがあり、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、事業規模の拡大やテレワークの導入に伴って、コンサルティングノウハウや顧客事例など、知的財産の流出・漏洩が発生しやすい環境となっており、ブランド棄損や風評リスクも高まっております。

 

(主な対応策)

 モチベーションエンジニアリングの模倣可能性の低減に向けては、R&D部門が主導となり本技術を常に進化させるとともに、法務部門を中心に商標権や特許権、著作権等複数の知的財産権を組み合わせて知的財産を多面的に保護してまいります。

 また、知的財産の流出・漏洩に対しては、法令から要請される合理的な情報管理措置及びデータガバナンスの構築のみに留まらず、社員向けの啓発を強化し、営業秘密をはじめとした情報資産保護の実効性を向上させてまいります。

 

 

(3)データセキュリティ・データプライバシーに関連するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

(リスクの内容)

 当社グループでは、事業運営に関し、顧客企業の組織人事情報(組織開発Division)、氏名・生年月日等の 顧客情報(個人開発Division)、求職者・求人情報・その他企業情報(マッチングDivision)等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。

 サイバー攻撃等の外部の不正や、内部の不慮が原因で個人情報が漏洩し、情報主体ないしは顧客企業等に被害が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。

 

(主な対応策)

 当社グループでは、プライバシーマークに準じた情報管理規定及び管理手法を策定し、組織面・技術面ともにその遵守に努めております。具体的には、管理規程に則り各就業規則を策定し、全役職員及び全従業員に個人情報保護管理に関する定期的な教育を徹底しております。

 機密性・完全性・可用性を考慮したセキュリティ要件を策定し、環境構築・運用時の遵守を徹底しております。ランサムウェア、不正アクセス等の外部脅威の防御や内部の不慮の防止のための技術的対策を講じております。

 また、日々高度化する外部からの脅威に備え、必要な対策を取るべく、外部機関からの情報収集及び中長期的な視点での情報セキュリティの向上を継続的に取り組んでおります。

 

(4)自然災害、感染症の伝染及び有事に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

(リスクの内容)

 想定を超える規模の災害の発生や感染症の蔓延により、システム障害・事業停止等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 特に、気候変動に関する緊急性の物理的リスクの一例として、異常気象(豪雨)による洪水や土砂災害が発生した場合、個人開発Divisionのキャリアスクール事業において校舎の損害や営業停止といった被害を受ける可能性があります。

 

(主な対応策)

 緊急性の物理的リスクに対しては、校舎数の削減及びオンラインでの講座受講の促進を継続しております。

 

(5)法規制に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

(リスクの内容)

 当社グループは、事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。個人情報保護、データ保護、電気通信、消費者保護、労働、人権、反贈収賄、税法、独占禁止法等、当社グループに適用される法令等に違反した場合、当社グループの事業運営、業績及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、近年、企業と人権問題に関する活発な議論がなされていますが、当社グループが人権に関する法令に関して適切に対応できない場合、当社グループのブランドに影響を与える可能性があります。加えて、当社グループのALT配置事業においては、当社グループが派遣するALTが安全且つ衛生的に働ける職場環境が派遣先において整備されていない場合、派遣社員の人権が侵害され、当社グループの経営成績等やブランド及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

(主な対応策)

 当社グループは、「LMGの経営方針3カ条」において「一点の曇りもない経営」を掲げ、顧客、取引先、社員、株主など当社グループを取り巻く全てのステークホルダーに対して、法令違反や不誠実が一切存在しない経営を目指しております。法務部門を中心に、事業を展開する国又は地域の法令等の変更を適切に理解し、対応を進めてまいります。

 また、人権に関しても、既にコンプライアンスの強化とハラスメントの防止について施策の検討と実施を重ねており、人権デューデリジェンスに取り組んでまいります。特に、ALT配置事業においては、全国に派遣しているALTに対して、定期的にエンゲージメント調査を実施することにより、人権侵害リスクの予知と予防、実態の把握を徹底してまいります。

 

 

(6)人材確保に関するリスク(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)

(リスクの内容)

 当社グループは、人的資本を最重要視し、人的資本及びその他の資本を最大化させ、その資本をもとに顧客価値を創出し続けています。そのため、持続的な成長を遂げるためには、優秀な人材の確保が肝要です。大幅な成長を見込んでいる組織開発Divisionにおいては、プロジェクトマネジャーやエンジニアの確保及び育成が重要となっておりますが、かかる人材の確保ができない場合や優秀な人材を確保するため従業員の報酬・賃金水準が上昇する場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(主な対応策)

 当社グループは創業以来、「優秀な人材をエンゲージメント高く採用するために投資を惜しまない」という考えを共有し、自社の採用コンサルティングナレッジを用いながら、人材確保を重ねております。また、優秀な人材の獲得に向けて、応募者から「選ばれる企業」であるべく、従業員エンゲージメントの向上やブランディングに取り組み続けております。事業の安定化とコンサルティングの生産性向上を図るべく、組織・人事に関するコンサルティングサービスの一部クラウド化を推進し、テクノロジーとヒューマンタッチの最適化を図ってまいります。

 

(7)資産の減損等に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

(リスクの内容)

 当社グループは、M&A等による事業の拡充を行い、新たな領域への積極展開や新たな商品サービスラインナップの拡充を進めることで、拡大スピードを速めてまいりました。結果として、連結財務諸表にM&A等による株式取得に伴うのれんを相当額計上しております。今後、取得済みの株式に係る事業について、経営環境や事業状況の変化等により事業収益性が著しく低下した場合等には、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(主な対応策)

 減損損失額を最小限にするべく、M&A後のシナジー実現に向けたフォローアップや経営成績の定期的なモニタリングをさらに強化してまいります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

1.業績

 当社グループは、子会社である株式会社リンクエージェント(旧 株式会社リンクスタッフィング)が運営する国内人材派遣事業に関して、2022年1月1日をもって株式会社iDAに譲渡したため、これらの事業を非継続事業に分類しております。このため、売上収益、売上総利益、営業利益については継続事業の金額を表示し、親会社の所有者に帰属する当期利益については、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。

 

 当社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」という企業理念のもと、経営学・社会システム論・行動経済学・心理学などの学術的成果を取り入れた、当社グループの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を用い、多くの組織と個人の変革をサポートしております。当連結会計年度の日本経済は、各種の行動制限が緩和され、ウィズコロナへの移行が進む中、景気の緩やかな持ち直しがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢の深刻化に伴う物価上昇や急速な円安進行の影響により、その先行きは依然として不透明な状況です。このような経済情勢下、企業が変化に適応するための人的資本経営推進のニーズ、具体的には、従業員エンゲージメント(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合い)の向上や人材確保・育成のニーズはますます高まっていると認識しております。

 このような経営環境下、当社グループの売上収益は32,776百万円(前年比100.4%)、売上総利益が16,068百万円(同104.7%)、営業利益が3,627百万円(同175.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益が1,941百万円(同211.3%)となりました。

 当社グループのセグメント区分と事業区分は次のとおりであり、当連結会計年度におけるセグメント・事業別の概況は以下のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、事業区分・事業名称を変更しており、前年比較については、前年の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。

0102010_021.png

※株式会社リンクスタッフィングは、2022年4月1日に株式会社リンクエージェントに社名変更いたしました。

 

 

《組織開発Division》

 組織開発Divisionでは、社員のモチベーションを企業の成長エンジンとする会社を“モチベーションカンパニー”と定義して、“モチベーションカンパニー”を世に多く創出することを支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を活用し、法人顧客を対象として、企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)のエンゲージメント向上を支援するサービスを提供しております。

 当該セグメントでは、当連結会計年度における売上収益は12,092百万円(同111.8%)、セグメント利益は8,248百万円(同109.5%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。

 

(コンサル・クラウド事業)

 当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”に向けて、独自の診断フレームに基づいて従業員エンゲージメントを診断し、採用・育成・制度・風土など、組織人事に関わる変革ソリューションをワンストップで提供しております。また、クライアント企業自身が従業員エンゲージメントをマネジメントできるクラウドサービスとして、「モチベーションクラウドシリーズ」を展開しております。

 当該事業における当連結会計年度の売上収益は10,236百万円(同111.8%)、売上総利益は7,320百万円(同107.4%)となりました。

 当連結会計年度においては、コンサルティング、クラウドともに、大手企業の従業員エンゲージメント向上のニーズを着実に捉え、売上収益は前年比で大幅に増加、売上総利益は前年比で増加しました。2022年11月には、金融庁より次年度以降の有価証券報告書における人的資本に関する開示項目を定めた『企業内容等の開示に関する内閣府令』等の改正案が公表されるなど、人的資本経営の実践やその情報開示への注目はますます高まっております。この外部環境を捉え、今後も大手企業を中心に新規顧客開拓を推進するとともに、組織の「診断」「変革」「公表」のワンストップでの支援を促進し、さらなる成長を実現してまいります。

 また、当社グループは、2000年の創業以来、企業と従業員のエンゲージメント状態を「診断」するだけでなく、「変革」まで支援してまいりました。「モチベーションクラウドシリーズ」は、従業員エンゲージメント向上を実現するHRTech(人材×テクノロジー)領域のクラウドサービスです。創業以来提供してきた組織診断サービスをクラウド化し、2016年7月よりサービス提供を開始いたしました。モチベーションクラウドは、現在、株式会社アイ・ティ・アールが発行する市場調査レポート「ITR Market View:人材管理市場2022」において、従業員エンゲージメント市場のベンダー別売上金額シェアで5年連続1位(2017~2021年度予測)を獲得しております。

 2022年12月単月におけるモチベーションクラウドシリーズの月会費売上は320,000千円(同133.0%)を見込んでおりましたが、大手企業への導入推進が奏功し、2022年12月単月における月会費売上は328,505千円(同136.6%)となりました。

 今後は、引き続き開拓余地の大きい大手企業への導入を推進するとともに、グローバル企業の現地法人や地方自治体への導入も推進します。また、2022年7月にリリースしたストレッチクラウドについても、市場規模が5,000億円を超える人材育成市場において拡大を進める計画です。これらの成長戦略の実行によって、さらなる成長を実現してまいります。

 

(IR支援事業)

 当該事業は、企業の“モチベーションカンパニー創り”に向けて、IR領域を中心に様々なメディアやイベントを通じて、企業のコーポレートブランディング構築をワンストップで支援しております。具体的には、株主・投資家向けの統合報告書などの紙メディアや、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や株主総会動画配信などの映像メディアに加えて、株主総会をはじめとするリアル・バーチャルにおける場創りを行っております。

 当該事業における当連結会計年度の売上収益は2,066百万円(同107.6%)、売上総利益は1,026百万円(同116.9%)となりました。

 当連結会計年度においては、統合報告書制作が伸長したことで、売上収益は前年比で増加しました。また、動画制作等における粗利率の改善が奏功し、売上総利益については前年比で大幅増加しました。

 有価証券報告書における人的資本情報開示の義務化の動きを受けて、非財務情報、特に「人的資本情報」の開示ニーズはさらに高まると考えております。これらのニーズを捉えながら、「診断」「変革」の結果を「公表」するという形でコンサル・クラウド事業ともシナジーを創出してまいります。

 

 

《個人開発Division》

 個人開発Divisionでは、主体的・自立的に自らのキャリアや人生を切り拓く個人を“アイカンパニー(自分株式会社)”と定義して、“アイカンパニー”の輩出を支援しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”をキャリアスクール・学習塾等のビジネスに適用し、小学生から社会人までを対象に、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るまでワンストップでサービスを提供しております。

 当該セグメントの当連結会計年度における売上収益は6,960百万円(同93.2%)、セグメント利益は2,755百万円(同94.8%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。

 

(キャリアスクール事業)

 当該事業は、大学生や社会人を主な対象とした、パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、外国語スクールの「ロゼッタストーンラーニングセンター」、「ロゼッタストーンプレミアムクラブ」及び「ハミングバード」の5つのサービスブランドを掲げ、個人のキャリア向上を目的としたワンストップのサービスを提供しております。

 当該事業における当連結会計年度の売上収益は6,240百万円(同91.4%)、売上総利益は2,427百万円(同93.5%)となりました。

 当連結会計年度においては、BtoCサービスにて新型コロナウイルス感染症の影響が続き、受講者数の回復に至らず、売上収益、売上総利益ともに前年比で減少となりました。

 BtoCサービスについては、第3四半期に続き、構造改革を進めております。具体的には、新型コロナウイルス感染症によって生活様式が大きく変化し、学びのニーズが対面からオンラインへと変化したことを受け、全ての講座やサポートのオンライン提供を推進しております。同時に、校舎の最適化(移転・撤退)を図ることで固定費を削減し、事業効率を改善する計画です。一方、従業員向けリスキリング支援(BtoBサービス)については、企業のリスキリングニーズが急拡大する中、前年比132.7%と大幅に伸長しました。今後はこれまで培ってきたITスキル向上支援のノウハウに加え、組織開発Divisionの顧客アセットも活用することで、さらなる成長を実現してまいります。

 

(学習塾事業)

 当該事業は、一般的な学習塾と異なり、生徒の学力向上はもちろん、世に多くの“アイカンパニー”を輩出することを事業コンセプトに展開しております。サービス内容としては中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」を展開しており、単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル開発の場を提供しております。さらに、中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」を展開しております。将来的には、当社グループのキャリアスクール事業が持つ「プログラミング教育」や「英会話教育」といったアセットも活用し、小学生から高校生まで一気通貫で社会に役立つスキル開発の場を提供することを目指してまいります。また、キャリアスクール事業同様、コロナ禍における生活様式の変化を受けて、現在は通学・オンラインの両サービスを提供しております。

 当該事業における当連結会計年度の売上収益は720百万円(同110.5%)、売上総利益は327百万円(同105.6%)となりました。

 当連結会計年度においては、受講者数の回復によって、売上収益は前年比大幅増加、売上総利益は前年比で増加となりました。今後も引き続き、オンラインでの授業によって学びの機会を幅広い層に提供し、新規入会者数を伸長させてまいります。

 

 

《マッチングDivision》

 マッチングDivisionでは、“エンゲージメント・マッチング”をコンセプトに、組織と個人をつなぐ機会を提供しております。具体的には、当社グループの基幹技術である“モチベーションエンジニアリング”を人材紹介やALT(Assistant Language Teacher)派遣等のビジネスに適用し、企業や自治体が求めるスキル要件にとどまらず、当社グループが保有するデータをもとにした個人の特性とのマッチングをも行うことで、定着率の高いマッチングを実現しております。

 当該セグメントの当連結会計年度における売上収益は14,564百万円(同96.8%)、セグメント利益は5,778百万円(同104.4%)となりました。当連結会計年度における事業別の概況は以下のとおりであります。

 

(ALT配置事業)

 当該事業は、全国の小・中・高等学校のALTの派遣及び英語指導の請負をサービスとして提供しております。また、顧客との信頼関係や実績が重視されるため参入障壁が非常に高い本事業において、当社グループは民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しております。

 当該事業における当連結会計年度の売上収益は12,006百万円(同91.5%)、売上総利益は3,291百万円(同90.2%)となりました。

 当連結会計年度においては、2022年10月からの社会保険加入対象の拡大に伴い、価格改定を実施した影響で、一部自治体において予定価格を超えたため入札に至らず、売上収益、売上総利益ともに前年比で減少となりました。

 一方で、教員の英語授業準備効率化や英語力・指導力向上を目的として、2021年6月にリリースしたクラウドサービスである「Teachers Cloud」の利用学校数は着実に増加しております。利用学校数は、当連結会計年度末で5,676校に到達し、年度末計画の5,600校を達成しました。2024年には全国の公立の小・中・高等学校の約45%にあたる14,000校への提供を計画しております。引き続き「Teachers Cloud」を教育現場におけるインフラとして拡大し、ALT配置事業のシェア拡大を実現してまいります。

 

(人材紹介事業)

 当該事業では、組織の成長において必要な人材を、人材紹介サービスという形で提供しております。主に、転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介、そして就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介を行っております。

 当該事業における当連結会計年度の売上収益は2,570百万円(同132.2%)、売上総利益は2,500百万円(同131.0%)となりました。

 当連結会計年度においては、特に成長率の高いオープンワーク株式会社にて、コロナ禍でも登録ユーザー数、社員クチコミ・評価スコアデータ件数を着実に積み上げております。中でもダイレクトリクルーティングサービス(OpenWorkリクルーティング)は、転職市場が活発化している中、売上収益は前年比202.5%と大きく成長しております。

 今後も引き続き、組織開発Divisionとのシナジーを拡大しながら、組織と個人の真の相互理解・相思相愛を実現する“エンゲージメント・マッチング”を加速してまいります。

 

《ベンチャー・インキュベーション》

 当社グループでは、各Divisionの他に、ベンチャー・インキュベーションを展開しております。ベンチャー・インキュベーションでは、出資に加え、当社グループの組織人事コンサルティングのノウハウなどを提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援しております。出資先の主な選定基準は、①“モチベーションカンパニー創り”への共感、②株式上場を目指していること、の2点です。なお、ベンチャー・インキュベーションにて発生した売却益等は、連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素、又は連結損益計算書のその他の収益・その他の費用に計上いたします。

 

生産、受注及び販売の実績

1.生産実績

 当社グループは、コンサルティング業等を主体としており、生産実績の記載はしておりません。

 

2.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

組織開発Division

12,575

112.4

6,366

115.4

個人開発Division

6,623

91.3

1,373

87.6

マッチングDivision

14,241

93.7

7,698

100.2

その他

3

78.3

合計

33,444

99.4

15,437

104.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

(注)2 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。

 

3.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高

(百万円)

前年同期比

(%)

組織開発Division

11,728

112.1

個人開発Division

6,817

91.5

マッチングDivision

14,227

96.6

その他

3

78.3

合計

32,776

100.4

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

(注)2 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。

 

経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

1.財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,110百万円減少し、28,952百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が1,194百万円増加した一方で、国内人材派遣事業の譲渡や東京統合拠点の移転に伴い、使用権資産が840百万円、その他の長期金融資産が797百万円減少、また営業債権及びその他の債権が552百万円減少したこと等によるものです。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,807百万円減少し、17,606百万円となりました。これは主として、有利子負債及びその他の金融負債が1,481百万円、リース負債が1,278百万円減少したこと等によるものです。

 当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,697百万円増加し、11,345百万円となりました。これは主として、剰余金の配当を実施した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したこと等に伴い、利益剰余金が1,080百万円増加、また非支配持分が1,030百万円増加したこと等によるものです。

 

2.経営成績の分析

(1)売上収益

 当連結会計年度の売上収益は、前年比0.4%増の32,776百万円となりました。セグメント別には、組織開発Divisionで前年比11.8%増の12,092百万円、個人開発Divisionで前年比6.8%減の6,960百万円、マッチングDivisionで前年3.2%減の14,564百万円となりました。

 

(2)売上原価

 当連結会計年度の売上原価は、前年比3.4%減の16,708百万円となり、原価率は51.0%となりました。

 

(3)販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年比1.2%増の12,780百万円となりました。

 

(4)営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、前年比75.6%増の3,627百万円となりました。

 

(5)親会社の所有者に帰属する当期利益

 当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年比111.3%増の1,941百万円となりました。

 

3.キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,194百万円増加し、当連結会計年度末の残高は6,112百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、営業活動により獲得した資金は前年より766百万円減少し、3,550百万円となりました。これは主として、税引前当期利益が前年に比べ1,597百万円増加、営業債権及びその他の債権の増減が前年に比べ725百万円減少したことにより資金が増加した一方で、減価償却費及び償却費が前年に比べ1,146百万円減少、減損損失が前年に比べ405百万円減少、その他が前年に比べ668百万円減少、法人所得税の還付額が前年に比べ434百万円減少、法人所得税の支払額が前年に比べ343百万円増加したことにより資金が減少したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動により使用した資金は前年より458百万円減少し、269百万円となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入が前年に比べ512百万円減少、資産除去債務の履行による支出が前年に比べ309百万円増加したことにより資金が減少した一方で、事業譲渡による収入が441百万円発生したこと、敷金及び保証金の返還による収入が前年に比べ698百万円増加したことにより資金が増加したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動により使用した資金は前年より3,039百万円減少し、2,085百万円となりました。これは主として、前年に発生した自己株式の売却による収入が無かったことにより資金が減少した一方で、借入金の純増減額が前年に比べ4,185百万円増加、非支配持分からの払込による収入が1,449百万円発生したこと、リース負債の返済による支出が前年に比べ776百万円減少、前年に発生した非支配持分からの子会社持分取得による支出が無かったことにより資金が増加したこと等によるものです。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。

 当社グループの資金需要は、人件費等の運転資金のほか、ソフトウエア開発費用、M&A費用等の事業投資資金があります。これらの資金需要に対して、自己資本又は金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。

 

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

1.財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「経営成績等の状況の概要 1.業績」、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.財政状態の分析」、及び「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2.経営成績の分析」に記載しております。

 

2.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 3.キャッシュ・フローの分析」に記載しております。

 

3.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価の主な構成要素であります人件費、ソフトウエア開発費等の外注費、及び有利子負債の返済及び利息の支払い等があります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。

 当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は11,127百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,112百万円となっております。なお、安定的な運転資金の調達方法として、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当該契約の借入未実行残高は7,000百万円となっております。

 今後の動きについては引き続き注視しつつ、財政状態へ重大な影響を与える可能性のある事象が生じた場合などにおいては、適時に対応の検討を行ってまいります。

 また、当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。

 

4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断方針」に記載しています。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響等についても同様に、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断方針」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。