当第2四半期会計期間において、新たに締結した重要な契約はありません。
なお、NC-6300ライセンス及び共同開発に関する契約(以下「本契約」)を締結している興和株式会社から、同社がグローバル戦略の中で欧米を中心とした開発を先行させるにあたり、開発品目の優先順位の変更を図るため、平成28年10月21日付で本契約に対する解約申出を受領しました。これを受け、当社は同日付で同社にNC-6300開発の承継を表明しました。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
当第2四半期累計期間において、当社は、主要パイプラインの開発推進、新規パイプラインの探索、提携先の開拓などに積極的に取り組んでまいりました。
4つの主要パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。
シスプラチンミセル(NC-6004)につきましては、自社開発製品第一号として自社及びライセンス先との共同開発によりグローバル開発を推進しております。ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.(OEP社:台湾)と共に、アジア地域(台湾、香港、シンガポール、韓国、フィリピン、マレーシア及び日本)で、転移性及び進行性膵がんを対象に第Ⅲ相臨床試験を実施しております。さらに、頭頸部がんを対象とした第Ⅰ相臨床試験を日本及び台湾で実施しております。米国においては自社開発を推進しており、第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験を進めております。第Ⅱ相パートではバスケットデザイン試験として対象疾患を非小細胞肺がん、膀胱がん、胆道がんの3適応症に拡大して実施するとともに、新たな適応症の追加として、頭頸部がんを対象とした第I/Ⅱ相臨床試験を実施しております。複数の適応症を対象に実施することにより、有効性・安全性を幅広く検討することが可能となり、これにより、本剤の有効性の高いがん種を短期間で見出し、早期の承認申請が可能になると考えております。また、治験実施地域につきましても米国に加え、欧州領域に拡大して実施しております。
ダハプラチン誘導体ミセル(NC-4016)につきましては、プラチナ製剤第二弾として、自社開発により米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターにおいて固形がんを対象にした第Ⅰ相臨床試験を実施しており、主要目標である推奨用量の決定を達成いたしました。現在、試験のデータ解析を進めるとともに次段階の第Ⅰb相臨床試験につきまして、承認確率向上のための試験デザインの検討を進めております。
エピルビシンミセル(NC-6300/K-912)につきましては、全世界を対象にしたライセンス及び共同開発契約を締結している興和株式会社(興和)と共に、日本において固形がんを対象にした第Ⅰ相臨床試験を実施してまいりましたが、興和における開発品目の優先順位の見直しにより、当該ライセンス及び共同開発契約は解約されることになりました。第Ⅰ相臨床試験では、エピルビシン特有の副作用である嘔吐や骨髄毒性などの抑制傾向が見られ、また通常のエピルビシン投与量よりも高用量での投与も可能であったこと、さらに12か月間を超える投与例が存在していたにもかかわらず心機能の低下傾向が認められなかったことなどから、当社は、当該試験の結果を良好なものであると認識しております。よって当社は、NC-6300の開発を興和から承継するとともに、さらに加速させてまいります。具体的には、第Ⅰ相臨床試験の結果を活用し、希少がんを適応とした迅速審査制度の活用などあらゆる手段を検討した上で、国内外を問わず一日でも早い上市に向けた活動を推進してまいります。特に米国では、新規臨床試験開始について米国食品医薬品局(FDA)と新薬臨床試験開始届(IND)の前協議(pre-IND meeting)を行っており、米国でのNC-6300の第Ⅰ相臨床試験を開始すべく準備を進めております。
パクリタキセルミセル(NK105)につきましては、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬株式会社により、転移・再発乳がんを適用対象にした第Ⅲ相臨床試験(国際共同試験)が進められておりましたが、平成28年7月、同試験において主要評価項目が達成されなかったと発表されました。同社によると、臨床試験データ解析中であり、開発方針検討中とのことであります。
新規開発パイプラインにつきましては、当社独自の先進基盤技術である抗体/薬物結合型ミセル「ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)」を用いた次世代型医薬品パイプラインの開発を推進しています。当社は、エーザイ株式会社より導入したがん抑制作用の強いE7974とセンサーである抗体を結合したミセル化ナノ粒子を開発することにより、がん細胞へのターゲティング性能を高め、毒性を軽減することで治療域を拡大する新規医薬品の開発を進めており、臨床試験開始に向けての準備を進めております。国内の大手企業数社との共同研究等により、更なる提携を探索・推進しつつ、開発パイプラインを精力的に拡充しております。
また低分子医薬品に加え、副作用が少ないとされているsiRNAなどの核酸や、タンパク質医薬品などの高分子医薬品に対するミセル化ナノ粒子技術の応用にも取り組んでおります。当社は、独自の核酸のデリバリー技術「NanoFect®」を確立し、さらに抗体/薬物結合技術を付加したActive型NanoFect®を用いることでターゲティング機能を向上させ、高分子医薬品の細胞内への侵入と薬物放出コントロールを可能にし、薬効を発揮することができる次世代型DDS医薬品の開発を進めております。中外製薬株式会社との間では、Active型NanoFect®を基に、これまでにないファースト・イン・クラスのsiRNA医薬品開発を目指した共同研究開発を推進しております。
国内外の製薬・バイオ企業や大学・研究機関等との共同研究開発プロジェクトについても積極的に取り組んでおります。
化粧品事業につきましては、平成28年3月、当社は株式会社アルビオンとの共同開発製品である男性用スカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」のインターネット販売を開始しました。「Depth」は、当社のミセル化ナノ粒子技術を利用した製品であり、頭皮のスキンケアを通じ育毛の土台を整えることにより、健康的な頭皮・頭毛に導くための4パートシステムを採用し、これまでの育毛製品とは異なる発想から開発された新製品であります。同製品は美容室でのカウンセリング販売も行われており、今後は取扱い店舗の拡大による全国展開を目指しております。同製品のマーケティングに関しては、共同開発先である同社と協働し、顧客から長期的な支持を獲得できるような強いブランドとして育成することを目指した戦略的なマーケティング活動を展開しております。
女性用化粧品に関しましては、平成28年4月、同社が新たに販売を開始した薬用美白美容液エクシアAL ホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の原材料を供給しております。同社に対しては、以前から美容液エクラフチュールの原材料も供給しておりますが、現在、次世代型エクラフチュールの開発に向けた同社との共同研究開発を進めております。このように当社は、医薬品分野のみならず、化粧品分野においても高性能ミセル化ナノ粒子技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。
さらに、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業や周辺事業の拡大のため、有力な企業との資本・事業提携、M&A等についての検討を進めております。
財政状態につきましては、以下のとおりとなりました。
当第2四半期会計期間末における資産は、現金及び預金の減少などにより、前事業年度末に比べ1,632,277千円減少し、13,754,065千円となりました。負債は、転換社債型新株予約権付社債の転換請求などにより、前事業年度末に比べ470,089千円減少し、2,787,479千円となりました。純資産は、転換社債型新株予約権付社債の転換請求、四半期純損失の計上などにより、前事業年度末に比べ1,162,187千円減少し、10,966,586千円となりました。
経営成績につきましては、以下のとおりとなりました。
当第2四半期累計期間の売上高は化粧品材料供給収入等により83,882千円(前第2四半期売上高13,085千円)、営業損失は1,276,050千円(前第2四半期営業損失921,735千円)、経常損失は1,770,096千円(前第2四半期経常損失904,626千円)、四半期純損失は1,771,958千円(前第2四半期四半期純損失906,060千円)となりました。
なお、当第2四半期累計期間におきまして、外国為替相場の変動による為替差損518,928千円を営業外費用に計上しております。これは、当社の保有する主に外貨建て預金及び外貨建て債券の評価替えにより発生したものであります。また、受取利息27,562千円を営業外収益に計上しております。これは、主に定期預金及び債券にかかる利息であります。
当第2四半期累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前事業年度末に比べ179,734千円減少し、10,270,258千円となりました。当第2四半期累計期間のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発費の支出等による税引前四半期純損失1,770,143千円、為替差損510,639千円、たな卸資産の増加額152,376千円、売上債権の減少額52,886千円、前払費用の減少額42,181千円等により、1,277,311千円の支出(前第2四半期累計期間は766,242千円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入1,736,441千円、有形固定資産の取得による支出48,734千円、有価証券の取得による支出2,300,000千円、有価証券の償還による収入2,000,000千円等により、1,387,706千円の収入(前第2四半期累計期間は3,427,200千円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行による収入85,387千円等により、85,360千円の収入(前第2四半期累計期間は6,280千円の収入)となりました。
当第2四半期累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
当第2四半期累計期間における研究開発費の総額は1,049,603千円であります。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。また当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。なお当第2四半期累計期間における当社の販売実績は、83,882千円であります。
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期累計期間に著しい変動があったものはありません。