第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におきましては、政府の経済政策を背景に、雇用情勢や企業収益等で緩やかな改善が見られましたが、中国などの新興国の景気減速懸念、英国のEU離脱、米国の新政権誕生等の影響により、景気は依然として先行きの不透明な状況が続いております。

このような政治経済環境のもと、当社は主要パイプラインの開発推進、新規パイプラインの探索、提携先の開拓などに積極的に取り組んでまいりました。

 

(主要パイプラインの進捗状況)

4つの主要パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。

シスプラチンミセル(NC-6004)につきましては、自社開発製品第一号として自社及びライセンス先との共同開発によりグローバル開発を推進しております。ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.と共に、アジア地域(台湾、香港、シンガポール、韓国、フィリピン、マレーシア及び日本)で、転移性及び進行性膵がんを対象に薬剤併用療法による第Ⅲ相臨床試験を実施しております。日本における頭頸部がんを対象とした放射線との併用療法による第Ⅰ相臨床試験は、平成28年12月、中止を決定いたしました。その影響を受けて、上述の第Ⅲ相臨床試験においては、患者の安全性に配慮するため新規患者登録を控えておりましたが、第三者機関であるデータ安全性モニタリング委員会より、平成29年2月に当該試験の「継続」勧告を受け、平成29年4月に治験計画の変更内容が適切である旨の通知を受け、新規患者登録の再開を決定いたしました。引き続き安全性に留意しながら本試験を推進し、承認取得を目指してまいります。一方、欧米においては自社開発を推進しており、第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験が進捗しております。第Ⅰb相パート終了後、第Ⅱ相パートに移行時に、バスケットデザイン試験として対象疾患を非小細胞肺がん、膀胱がん、胆道がんの3適応症に拡大して欧米で試験を進めております。また、薬剤併用療法による再発・転移頭頸部がんを対象とした開発も欧米における第I/Ⅱ相臨床試験として実施中です。当該適応に関しては、台湾においてもライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.と共に、第Ⅰ相臨床試験を実施しております。複数の適応症を対象にした試験を複数の地域で併行実施することにより、有効性・安全性の幅広い成績を取得し、本剤の有用性が高いがん種を見出し、早期の承認申請を可能にすることを目指しております。

ダハプラチンミセル(NC-4016)につきましては、プラチナ製剤第二弾として、自社開発により米国で固形がんを対象にした第Ⅰ相臨床試験を実施しており、患者登録を完了し主要目標である推奨用量を決定いたしました。今後、観察期間を経てデータ解析を実施し、次段階の試験デザインの検討を進めてまいります。

エピルビシンミセル(NC-6300)につきましては、平成28年10月、ビジネス上の事由による興和株式会社からのライセンス及び共同開発契約の解約申出に伴い、本品の開発を承継することを決定いたしました。国内で実施された第Ⅰ相臨床試験では、エピルビシン特有の副作用である嘔吐や骨髄毒性などの抑制傾向が見られ、エピルビシンの臨床投与量である60mg/㎡または100mg/㎡(乳がん治療の例)を超える用量まで投与可能となり、推奨投与量は170mg/㎡に決定されました。この試験においては、心機能の低下傾向は認められず、12か月間を超える投与例が存在し、継続的な治療の可能性が見出されております。当社は、この第Ⅰ相臨床試験の結果を活用し、希少がんである軟部肉腫を適応とした米国での開発を推進し早期承認を目指すため、平成28年12月、第I/Ⅱ相臨床試験に関する治験計画届出書(IND)を米国食品医薬品局(FDA)に提出し受理されました。現在、患者登録開始に向けた準備を進めております。

パクリタキセルミセル(NK105)につきましては、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬株式会社により、転移・再発乳がんを適用対象にした第Ⅲ相臨床試験(国際共同試験)が進められておりましたが、平成28年7月、同試験において主要評価項目が達成されなかったと発表されました。同社によると、現在、追加臨床試験を計画中とのことであります。

 

 

<開発パイプラインの状況>

品目

対象疾患

ステージ

地域

開発形態/企業

NC-6004

膵がん

Phase Ⅲ

アジア

台湾

ライセンス及び共同開発/
Orient Europharma

シンガポール

香港

韓国

フィリピン

マレーシア

日本

頭頸部がん

Phase Ⅰ

台湾

肺がん

Phase Ⅱ

米国・欧州

自社開発

胆道がん

膀胱がん

頭頸部がん

Phase Ⅰ/Ⅱ

NC-4016

固形がん

Phase Ⅰ

米国

自社開発

NC-6300

軟部肉腫

Phase Ⅰ/Ⅱ

米国

自社開発

NK105

乳がん

Phase Ⅲ

日本・アジア

ライセンスアウト/
日本化薬

 

 

(新規開発パイプラインの進捗状況)

新規開発パイプラインにつきましては、当社独自の先進基盤技術である抗体/薬物結合型ミセル「ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)」を用いた次世代型医薬品パイプラインの開発を推進しています。当社は、エーザイ株式会社より導入したがん抑制作用の強いE7974とセンサーである抗体を結合したActive型ミセル化ナノ粒子を開発することにより、がん細胞へのターゲティング性能を高め、抗腫瘍作用をさらに高めることで治療域を拡大する新規医薬品の開発を進めております。また、国内の大手企業数社との共同研究等により、さらなる提携を探索・推進しつつ、開発パイプラインの拡充に精力的に取り組んでおります。

低分子医薬品に加え、より副作用が少ないとされているsiRNAなどの核酸や、タンパク質医薬品などの高分子医薬品に対するミセル化ナノ粒子技術の応用にも取り組んでおります。当社は、独自の核酸デリバリー技術「NanoFect®」を確立し、さらに抗体結合技術を付加したActive型NanoFect®とすることでターゲティング機能を向上させた次世代型DDS医薬品の開発を進めております。中外製薬株式会社との間では、Active型NanoFect®を基に、これまでにないファースト・イン・クラスのsiRNA医薬品開発を目指した共同研究開発を推進しております。

国内外の製薬・バイオ企業や大学・研究機関等との共同研究開発プロジェクトについても積極的に取り組んでおります。

 

(化粧品事業の状況)

化粧品事業につきましては、平成28年3月、当社は株式会社アルビオンとの共同開発製品である男性用スカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」のインターネット販売を開始しました。「Depth」は、当社のミセル化ナノ粒子技術を利用した製品であり、頭皮のスキンケアを通じ育毛の土台を整えることにより、健康的な頭皮・頭毛に導くための4パートシステムを採用し、これまでの育毛製品とは異なる発想から開発された新製品であります。同製品は美容室でのカウンセリング販売も行われており、取扱い店舗は増加しております。同製品のマーケティングに関しては、共同開発先である同社と協働し、顧客から長期的な支持を獲得できるような強いブランドとして育成することを目指した戦略的なマーケティング活動を展開しております。その成果として、大手百貨店や化粧品専門店による取扱いが開始されました。製品価値の高い、注目のブランド製品を取り扱う中心的な百貨店である伊勢丹新宿本館やメンズ館に、期間限定ショップを出店し、さらには、化粧品専門店として業界が注目する粧苑SUKIYA S-PAL店のメンズ売り場において、「Depth」の取扱いが開始されました。

女性用化粧品に関しましては、平成28年4月、同社が新たに販売を開始した薬用美白美容液エクシアAL ホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の原材料を供給しております。同社に対しては、以前から美容液エクラフチュールの原材料も供給しておりますが、次世代型エクラフチュールの開発に向けた同社との共同研究開発も進めております。このように当社は、医薬品分野のみならず、化粧品分野においても主力成分を封入した高性能ミセル化ナノ粒子技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。

 

(事業開発の状況)

事業開発活動におきましては、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業や周辺事業の拡大のため、有力な企業との資本・事業提携、M&A等についての活動を行っております。

当事業年度におきましては、平成29年3月、TPG Biologics, Inc.(台湾)への出資及び共同研究契約を締結することを決定し、平成29年4月に出資を完了いたしました。共同研究においては、同社が所有する抗体などバイオ医薬品の製造に関連した技術と当社のADCMを融合した新しい技術基盤の確立を目指します。

また、平成29年4月、Tocagen Inc.(米国)に出資することを決定し、出資を完了いたしました。同社は、ユニークなプラットフォーム技術を有して脳腫瘍などを対象としたがん治療薬の開発を推進しており、現在、第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を実施しております。同社技術の将来における可能性に注目し、出資を決定いたしました。

 

以上の結果、当事業年度は、契約収入、化粧品材料供給収入、化粧品売上等により売上高は218,694千円(前事業年度比10.1%減)、営業損失は2,712,219千円(前事業年度営業損失2,082,678千円)、外国為替相場の変動による為替差損45,566千円、主に定期預金にかかる受取利息42,540千円、主に外貨建て債券にかかる有価証券利息19,154千円等により経常損失は2,619,075千円(前事業年度経常損失2,381,182千円)となり、新株予約権戻入益8,525千円、固定資産の減損処理等による減損損失61,821千円等を計上した結果、当期純損失は2,676,049千円(前事業年度当期純損失2,537,148千円)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前事業年度末に比べ3,064百万円減少し7,385百万円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの概況は以下の通りです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税引前当期純損失2,672百万円に、減損損失61百万円、たな卸資産の増加額126百万円、未払金の増加額100百万円等の調整がされた結果、2,525百万円の支出(前事業年度は1,971百万円の支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、597百万円の支出(前事業年度は7,384百万円の収入)となりました。定期預金の預入による支出2,010百万円、定期預金の払戻による収入1,736百万円、有形固定資産の取得による支出176百万円、有価証券の取得による支出5,200百万円、有価証券の償還による収入5,166百万円、投資有価証券の取得による支出112百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、88百万円の収入(前事業年度は3,101百万円の収入)となりました。新株予約権の行使による株式の発行による収入88百万円等によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

 

(2) 受注実績

当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績を示すと、次の通りであります。

当事業年度

(自  平成28年4月1日 至  平成29年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

218,694

△10.1

 

(注)1.主要な輸出先並びに輸出販売高及び割合は、次の通りであります。

  なお、( )内は総販売実績に対する輸出販売高の割合であります。

輸出先

前事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当事業年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

アジア

1,020

100.0

合計

(-%)

1,020

(0.5%)

100.0

 

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。

相手先

前事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当事業年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社アルビオン

145,588

59.8

146,481

67.0

アステラス製薬株式会社

30,000

12.3

10,000

4.6

アキュルナ株式会社

38,000

15.6

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は、「ナノテクノロジーを用いて新しい医薬品を創出し、人々の健康とQOLの向上に貢献する」ことをミッションとし、「がん領域のイノベーションファーマとして、世の中に必要とされる『ファーストワン』を目指す」ことをビジョンに掲げ、事業を推進しております。

当社では、ミセル化ナノ粒子技術を利用した医薬品の実用化によって、従来の薬物療法より有効性と安全性を高め、これまで期待する効果が得られなかったがん等の難治性疾患の薬物療法をより有効にすることができると考えており、今後とも同技術のパイオニアとしてポテンシャルを最大限に活かした製品開発を目指し、社会的ニーズと貢献度の高い抗がん剤事業を中心にグローバル展開を行い、化粧品事業をはじめとする周辺事業についても、積極的に事業を展開していきたいと考えており、以下を対処すべき課題と認識しております

 

(1)自社開発の加速化及び適応症の拡大

開発の進捗を自らコントロールし、計画的に開発を進めることができる自社開発戦略を進め、それぞれの製品が持つ製品価値の最大化を実現します。主要パイプラインのうち、シスプラチンミセル(NC-6004)、ダハプラチンミセル(NC-4016)及びエピルビシンミセル(NC-6300)につき、早期の承認・上市を実現することが当社の企業価値を最大限に高めるという認識の下、これらの臨床開発を独力で加速化します。さらに、将来における申請及び承認を視野に入れ、適応症の選択性を拡大し、早期承認の可能性が高いと判断される適応症に絞り込んで臨床試験を推進することにより、治験期間の短縮と承認確率の向上を目指します。

 

(2)開発パイプラインの拡充

次世代型ADCM技術や、核酸デリバリー技術(Active型NanoFect®)等を用いた研究開発を迅速化し、その成果を主要パイプラインに引き上げ、パイプラインの拡充を図るとともに、これら技術の蓄積と応用により、他のバイオ・製薬企業とのアライアンスを加速します。

 

(3)ネットワーク活用と提携拡大

主要パイプラインに続く製品の開発を推進し、ライセンスアウトや共同開発を行うことができる提携先の開拓を引き続き継続します。提携先の開拓に当たっては、国内外の幅広いネットワークを活用し、製薬企業等との提携、当社と相乗効果があるテクノロジーやパイプラインの探索及び獲得を進めるとともに、外部からの製品パイプラインの導入や製薬・バイオ企業への投資・買収等も視野に入れ、事業・商品ポートフォリオの拡充を目指します。

 

(4)経営基盤の充実

当社は、独自技術を基盤とした研究開発型国内バイオベンチャー企業から、画期的な医薬品を全世界に向けて一貫して開発、製造そして販売する製薬会社への進化を遂げるべく、医薬品会社に求められる経営基盤(開発、製造、販売体制等)の構築が急務であると考えております。医薬品事業の経営基盤構築や関連事業や周辺事業の拡大を加速させるためには、当社の内部経営資源を最大限に活用するとともに、有力な企業との資本・事業提携、M&Aを通じた外部経営資源の活用や外部成長の取り込みを図っていくことが有力な選択肢になると考えており、検討を進めてまいります。

 

(5)ライフサイクルマネジメントと特許戦略の強化

優良製薬企業等とのネットワーキングを構築し、各社の既存製品や新薬候補薬物のライフサイクルマネジメントに貢献できるビジネスモデルを構築します。また、特許戦略を構築・推進し、製品のライフサイクルマネジメント戦略に活用します。

 

(6)技術力の最良化と最新技術の確保

 大学・研究機関との共同研究や他企業との提携により、自社の基盤技術力の最適化・最良化を進めるとともに、競争力の根源となる中核的な機能・分野を独自のノウハウとして創成し、収入源を確保します。

 

 

(7)技術の応用範囲の拡大

 医薬品以外の分野にも研究開発の応用範囲を広げ、特に化粧品事業の分野において既存製品の販売拡大と新製品開発を実現することにより、安定した収入源の確保を目指します。

 

(8)選択と集中、アウトソーシングの活用

研究開発プロジェクトの推進においては絶えず技術・事業性の観点からプロジェクトの優先順位付けを行い、大学、研究機関及び外部受託機関との連携・提携を有効活用します。

 

(9)コーポレート・ガバナンスの充実

当社のビジョン実現のため、経営の効率性を高めつつ、株主及び投資家、患者、地域社会、取引先、従業員等の各ステークホルダーとの間の良好な関係を保ち、企業としての社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めます。

 

(10)財務安定性の確保

当社は継続的に研究開発投資を行っており、研究開発テーマによっては多額の投資が見込まれる場合もあります。投資資金の確保につきましては、事業活動から稼得される収益から確保すべく最大限の努力を行いながら、効率的かつ効果的な手法による資金調達を行うことにより、財務安定性を確保していきます。

 

なお、現状の研究開発停滞を鑑み、上記課題解決に向けた取り組みの一環として、当社は平成29年4月19日付で組織改正を実施いたしました。組織改正の要旨は以下のとおりであります。

 

・研究部及び臨床開発部を統合し、研究開発統括部を新設、全社体制のCEO直轄とする。これに伴いCOO職は廃止する。

・プロジェクト制を導入し、プロジェクトリーダーに権限を委譲する。より透明性の高い、フラットな体制とすることで、機動的なプロジェクト推進を目指す。

・プロジェクトの推進と円滑な運営をサポートするため、研究支援室を設置する。

・上記の他、知的財産部及び法務室を統合し法務知財部を新設する。管理部を総務人事部及び経理部に分割する。

 

上記組織改正の狙いは、より成果追求型の体制とし、研究開発のアウトプット(質と速度)を高めることにあり、少数精鋭による世界で戦える創薬集団を目指すものです。機動的かつ活力ある新組織により、当社ビジョンの実現に向け邁進してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しています。また、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。
 また、文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

1.会社の事業内容について

(1)現在の事業内容

①提携候補先とのライセンス契約の締結について

当社は、ミセル化ナノ粒子技術を特許等の知的財産として所有しており、有用性(有効性、安全性)を向上させた医療ニーズに応える新規医薬品を提供すべく、ナノテクノロジーを応用した製剤技術を基盤に創薬の研究開発を進めております。各パイプラインの研究開発を進めて製品化に到達するために、当社は事業段階に応じた展開を図っており、現状のビジネスモデルは、(ⅰ)自社開発、(ⅱ)共同研究開発、(ⅲ)ライセンスアウトの3パターンとなっています。

上記のビジネスモデルのうち、(ⅱ)共同研究開発及び(ⅲ)ライセンスアウトに関しては、事業展開上、各パイプラインにおける提携候補先との共同研究開発契約、若しくはライセンス契約の締結時期及び条件は、当社の事業計画に重大な影響を及ぼすこととなります。また、契約を想定通りに締結できなかった場合や想定通りに契約を締結できた場合であっても提携先とのその後の方針の不一致等により共同研究開発契約等が解消された場合にも、経営成績及び財政状態並びに開発計画等に重大な影響を与えることとなります。

 

②既存の化合物を利用することによる医薬品開発のリスク低減について

当社が取り組むプロジェクトの主たるものは、既に薬効が確認されている化合物をベースにミセル化ナノ粒子技術と融合させ、新剤型医薬品、あるいは新有効成分としていることから、当社では、全く新規(この世の中に存在していなかった)の構造を有する化合物に比して、医薬品とするための開発リスクが低く、成功確率が高いと考えております。

しかし、長期の開発期間中に管轄当局の規制方針の変更などにより、開発リスクや成功確率が当社の想定通りの水準におさまるとは断定できず、当社の想定以上に開発リスクが高くなった場合、あるいは成功確率が低くなった場合には、当社の事業展開に支障を及ぼすこととなります。

 

③パイプラインの拡充について

当社は、薬物と当社のポリマーを結合させて新有効成分とする研究開発の過程で生じる新しい発明の特許出願を行い、排他性を確保することが重要になります。当社ではこれらの特許等に裏付けられた技術をベースにパイプラインを増やしていく必要があると考えています。しかし、想定通りに特許等に裏付けられたパイプラインを増やしていけるかどうかは不確定であり、また、各パイプラインの研究開発を想定通りに進めていけるという保証もありません。想定通りにパイプラインを増やせなかった場合、あるいは各パイプラインの研究開発が想定通りに進められなかった場合、当社の事業展開は悪影響を受けることになります。

 

④医薬品の申請区分に関する評価について

当社は既存化合物だけではなく、新薬についても当社技術と融合して新有効成分とする医薬品の開発を目指しており、申請区分については、当社開発中の製品のほとんどが新規化合物になると考えております。しかしながら、実際に想定通りの評価が得られるとは限らず、管轄当局より、当社想定通りの評価を得られなかった場合、当社の事業展開は影響を受ける可能性があります。

 

 

(2)当社の医薬品の開発状況について

①当社のパイプラインについて

当社には、現在まで上市された承認済の医薬品はありません。シスプラチンミセル(NC-6004)、ダハプラチンミセル(NC-4016)、エピルビシンミセル(NC-6300)及びパクリタキセルミセル(NK105)の4品目が臨床開発段階にあり、この他基礎研究中の新規開発パイプラインがあります。当社のパイプラインは全て、未だ研究開発途中であり、将来、医薬品として上市される保証はなく、臨床試験段階における重篤事象の発生等による開発中止の可能性や、開発遅延の可能性もあります。また、当社がライセンス・提携先との契約を解消した場合は、当社の研究開発活動に遅延が生じることで、当社の開発計画及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、先行して臨床開発段階に入っている上記パイプラインの承認の可否は、当社事業に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

さらに、日本及び海外の両地域で展開予定のパイプラインについては、先行地域の臨床開発が遅延した場合、後続地域の臨床開発遅延につながる可能性もあり、当社の事業計画の進捗に影響を及ぼすおそれがあります。

また、当社パイプラインが将来医薬品として上市されたとしても、当該医薬品が市場から受け入れられる保証はなく、各国における医薬品承認制度や知的財産制度等の影響を受ける可能性もあるため、当該医薬品が当社の想定通り製造及び販売される保証はありません。

 

②第三者への依存について

当社は、当社が開発する医薬品の臨床試験については、開発業務受託機関にその実施を委託しており、また、臨床試験に用いる治験薬については、医薬品製造受託機関等にその製造を委託しております。開発業務受託機関又は医薬品製造受託機関等がこれらに課せられる各種規制等を遵守できない場合、当社と開発業務受託機関又は医薬品製造受託機関等との契約が終了し、当社が別の開発業務受託機関又は医薬品製造受託機関等と当社が望む条件で契約を締結できない場合等において、当社の想定通り臨床試験が進まない可能性があります。また、上市後の医薬品の製造についても、医薬品製造受託機関等との関係では、上記の要因による影響を受ける可能性があります。

また、上市後の医薬品の販売等について当社は第三者に販売権をライセンスし、ロイヤリティ収入を得ることを想定しておりますが、かかる第三者とライセンス契約を締結できる保証はありません。また、第三者との間で販売にかかるライセンス契約を締結できない場合には、当該医薬品の販売等を自社で行う必要がありますが、この場合には、自社販売体制の構築等に想定外の費用が発生し、想定通りに販売が進まない可能性があります。

 

(3)化粧品事業の展開について

当社はミセル化ナノ粒子技術の応用範囲を広げ、株式会社アルビオンとの共同開発により、化粧品事業を展開しております。当社は、同社に対し、化粧品原材料の供給を行うとともに、同社から共同研究開発製品を仕入れ、最終消費者への販売を行っております。

 

①競合について

化粧品業界は、参入障壁が低いこともあり、激しい企業間競争にさらされております。当社は既存の製品にない画期的な商品を開発し、株式会社アルビオンの持つブランド力、マーケティング力及び販売力を生かして、化粧品事業を推進していく所存ですが、当社の製品が顧客のニーズに合致せず、市場から受け入れられない場合には事業計画通りの売上を達成できず、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②当社製品及び原材料の品質及び安全性について

当社の製品及び原材料の品質や安全性について疑義が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、結果的に当社の製品及び原材料に品質欠陥や安全性に関する問題が生じなかった場合においても、風評被害等により、同様の影響を受ける可能性があります。

 

 

③株式会社アルビオンへの依存について

現在の当社化粧品事業は、株式会社アルビオンとの共同開発及び共同事業によるものが主であり、同社との契約が終了し、当社が望む条件で契約を締結できない場合等において、当社事業計画の達成に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)今後の事業の見通しについて

当社は早期の新薬の製造販売承認を目指して研究開発を進めておりますが、新薬の開発には長期にわたり多額の研究開発投資を要します。平成25年10月に実施した公募増資等により当面の研究開発資金の確保に目処はつきましたが、研究開発が計画通り進捗する保証はありません。研究開発が計画通りに進捗しない場合、新薬の製造販売承認の時期も不確定となるため、計画通りに新薬の製造及び販売が行われる保証はありません。

なお、製造販売承認が得られなければ開発コストを回収できないこととなり、また製造販売承認が得られても、当社の事業計画上の目標売上を達成できない可能性もあります。

 

(5)特定の取引先への依存について

①特定の販売先への依存について

当社の主な販売先は、「2 生産、受注及び販売の状況 (3) 販売実績」に記載のとおりであり、株式会社アルビオン等が挙げられますが、これらの会社が今後、当社との取引を継続的に行う保証はありません。よってこれらの会社の当社との取引方針の変更、収益動向の変化又は事業活動の停止などにより、当社の業績に重大な影響が生じる可能性があります。

 

②特定の仕入先への依存について

当社の原料及び研究用試薬の主な調達先は、Orient Pharma Co., Ltd.、家田化学薬品株式会社、日油株式会社等が挙げられますが、これらの会社が当社との取引を今後も継続的に行う保証はありません。よってこれらの会社の当社との取引方針の変更、収益動向の変化又は事業活動の停止などにより、当社の研究開発活動に遅延が生じ、当社の業績に重大な影響が生じる可能性があります。

 

(6)経営成績及び財政状態について

当社は平成8年6月14日の設立以降一貫して医薬品の開発を目指した研究開発活動を行っており、現在まで毎期研究開発費を中心とした費用が収益を上回り、当期純損失を計上する状態が続いています。また営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスの状況が続いています。

現時点における当社の収益は、当社が第三者と締結した共同研究開発契約及びライセンス契約に基づく契約一時金及びマイルストーン収入に依存しており、今後提携候補先とこれらの契約を締結できない場合や契約の相手先がこれらの契約に定められたマイルストーンを達成できなかった場合には、契約一時金の支払いやマイルストーン収入を受けられない場合があります。このような場合には、当社の純損失が想定よりも拡大する場合があります。

 

(7)マイナスの繰越利益剰余金が計上されていることについて

当社は研究開発型のベンチャー企業であり、臨床段階にあるパイプラインが上市され、ロイヤリティ収入等の安定した収益を受ける体制となるまでは、多額の研究開発費用が先行して計上されることとなります。そのため連続して当期純損失を計上しており、当事業年度末において、マイナスの繰越利益剰余金を計上しております。

当社は、パイプラインを計画通り、迅速、効率的かつ着実に推進することにより、早期の利益確保を目指しておりますが、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社の事業が計画通りに進展せず、当期純利益を計上できない場合には、マイナスの繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。

 

 

(8)資金繰りについて

当社は研究開発型企業として、自社研究や大学等との共同研究開発等を行っておりますが、多額の研究開発資金を必要とします。そのため、事業計画が計画通りに進展しない等の理由から想定したタイミングで資金を確保できなかった場合には資金不足となり、当社の資金繰りの状況によっては事業存続に多大な影響を与える可能性があります。

 

(9)税務上の繰越欠損金について

当社には税務上の繰越欠損金が存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であるため、繰越欠損金を利用することにより将来の税額を減額することができます。しかしながら繰越欠損金の利用額と利用期間には、税務上、一定の制限も設けられております。よって計画通りに課税所得が発生しない場合、繰越欠損金を計画通り利用できないこととなるため、通常の税率に基づく法人税等が課税されることになり、当期純利益やキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

(10)競合について

当社はミセル化ナノ粒子技術をコアとして、現時点では抗がん剤に特化した医薬品開発を実施しております。抗がん剤を含めた新規医薬品の市場は国内外を問わないことから、日本国内のみならず世界中の同業他社と競合状態にあります。タキソール系のパクリタキセル、あるいはシスプラチンなどの白金系抗がん剤をリポソーム化した新規製剤や、類似の薬物を用いた経口剤がいくつか開発されており、当社の開発品目にとって、これらは競合する可能性があると考えます。当社としては、早期の新薬開発、発売を目指しておりますが、他社が同様の効果や、より安全性のある製品を当社より先に販売した場合や、当社製品の販売後にこれを上回る製品が販売された場合、当社が新製品を発売しても期待通りの収益をあげることができない可能性があります。

 

2.経営上の重要な契約等

当社のビジネス展開上、重要と思われる契約の内容については、「5 経営上の重要な契約等」に記載の通りであります。当社事業計画はこれらの契約に基づく収入等を前提に策定しているため、これら重要な契約の破棄が行われた場合、当社にとって不利な契約変更が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.当社の組織体制について

(1)人材の確保について

当社の競争力の核は研究開発力にあるため、専門性の高い研究者の確保が不可欠であります。同様に、事業拡大を支えるために、事業開発、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社は、優秀な人材の確保、及び社内人材の教育に努めていきますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画通りに進まない場合には、当社の業務に支障をきたすおそれがあります。

 

(2)小規模組織であることについて

当社は小規模組織であり、研究開発体制及び社内管理体制も、この規模に応じたものとなっております。

そしてこのように限られた人材の中でも業務遂行体制の充実に努めておりますが、限られた人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が大量に退職した場合には、当社の業務に支障をきたすおそれがあります。

一方、急激な規模拡大は、固定費の増加につながり、当社の業績に影響を与えるおそれがあります。

 

(3)特定人物への依存について

当社の事業の推進者は、代表取締役社長CEOである中冨一郎であります。中冨は当社の経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の推進において、当社の最高責任者として影響力を有しております。このため当社は中冨に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っておりますが、中冨が何らかの理由により当社の業務を継続することが困難となった場合には、当社の事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)アドバイザー及び顧問について

当社は社外の研究者とアドバイザー契約又は顧問契約を締結しており、最先端の研究成果を当社の研究開発に生かせる体制を整えております。

アドバイザー契約及び顧問契約は単年度ごとの契約になっておりますため、何らかの理由で契約の更新ができなかった場合等、契約を継続できなくなった場合には、当社の研究開発に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)M&Aについて

当社は、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業や周辺事業の拡大のため、有力な企業との資本・事業提携、M&Aを通じた外部経営資源の活用や外部成長の取り込みを図っていくことが有力な選択肢になると考えており、検討を進めております。また、外部からの製品パイプラインの導入や製薬・バイオ企業への投資・買収なども検討しておりますが、かかる投資・買収が成功裏に完了する保証はありません。

 

4.知的財産権について

(1)当社の特許戦略について

当社は、特許によって他社に対して優位性をもち、他方、他社の権利を尊重しつつ自社の権利行使を推し進めます。

当社が現状臨床開発を推進しているパイプラインは、当社が保有又は当社が他者からライセンスインをしている特許権若しくは特許出願を基礎とするものであり、これらの特許は医薬品市場の大きい米国、ヨーロッパ、日本及びアジアを中心に出願されております。

しかしながら、当社が保有及びライセンスインをしている現在出願中の特許が全て成立するとは限らず、また、当社が事業活動を行う全ての地域又は競合相手が存在する全ての地域において特許を出願しているわけではありません。また、特許が成立しても、当社の研究開発を超える優れた研究開発により当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は、常に存在しております。さらに、当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合や成立した特許権が事後的に取り消されたような場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社の展開する主要パイプライン及び新規開発パイプラインに関して、必要な他者所有の特許については、ライセンスインをしております。

さらに、当社の今後の事業展開の中でライセンスインする必要のある特許が生じ、そのライセンスインができなかった場合や、多額の実施料の支払いが必要になった場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)知的財産権に関する訴訟、クレーム等について

当事業年度末現在において、当社の開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。

なお、他者が当社と同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後も当社が他者の特許に抵触するような問題が発生しないという保証はありません。

当社としては、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては当社及び特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社技術が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって、このような知的財産権の侵害に関する問題の発生を完全に回避することは困難であり、第三者との間で特許権に関する紛争が生じた場合又は当社が共同研究開発の相手方と第三者の紛争に巻き込まれた場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5.製造物責任のリスクについて

医薬品の開発及び製造には、製造物責任のリスクが内在しています。将来、開発したいずれかの医薬品が健康障害を引き起こし、又は臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な点が発見された場合、当社は製造物責任を負うこととなり、当社の業務及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、たとえ当社に対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求が与えるネガティブなイメージにより、当社及び当社の医薬品に対する信頼に悪影響が生じ、当社の事業に影響を与える可能性があります。

 

6.法規制について

当社は、現在医薬品の研究開発を行っておりますが、今後研究開発の成果に基づき医薬品の製造を行うことを目指しています。この場合、日本においては、医薬品医療機器等法その他の関連法規の規制を受けることとなります。この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具の品質、有効性及び安全性の確保を目的としており、これらの製造販売には所轄官公庁の承認又は許可が必要となります。

今後、開発の進捗に伴い、適宜承認・許可を取得する必要があります。また、国外においても各国で類似の法律や関連法規の規制を受けることになります。

また、当社のパイプラインについては、開発、製造、販売などにつき各国における健康保険制度に関する法規制及び患者のプライバシーに関する規制その他の規制に服することになります。

 

7.主要な事業活動の前提となる事項について

 主要パイプラインに係るライセンス契約

①大学等からの知的財産権のライセンスインについて

当社は、大学発の研究成果(シーズ)を医薬品として実用化するために、積極的に大学及び研究機関から知的財産権のライセンスインを行っており、特に主要なパイプラインに係る下記のライセンス契約に関しては、いずれも当社事業の根幹に関わる重要な契約であると認識しております。

現時点では、下記契約の継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、当該契約の継続に支障をきたす要因が発生した場合、あるいは当社にとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社の開発計画及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

契約書名

契約会社名
(契約締結日)

契約内容

実施許諾契約書

株式会社東京大学TLO
(平成13年1月26日)

後述の「5 経営上の重要な契約等 (2)技術導入契約 ①実施許諾契約書」をご参照ください。

実施許諾契約書

株式会社東京大学TLO
(平成16年5月19日)

後述の「5 経営上の重要な契約等 (2)技術導入契約 ②実施許諾契約書及び覚書」をご参照ください。

覚書

国立大学法人東京大学及び株式会社東京大学TLO
(平成18年3月31日)

 

 

 

②提携先へのライセンスアウトについて

当社は、医薬開発品上市前の研究開発費の負担を軽減し、当社の財務面のリスクの極小化を図るため、(ⅰ)自社開発、(ⅱ)共同研究開発、(ⅲ)ライセンスアウトの3パターンのビジネスモデルで研究開発を進めており、現時点でライセンスアウト中の2パイプライン(パクリタキセルミセル(NK105)、シスプラチンミセル(NC-6004))があります。下記のライセンス契約に関しては、いずれも当社事業の根幹に関わる重要な契約であると認識しております。

現時点では、下記契約の継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、当該契約の継続に支障をきたす要因が発生した場合、あるいは当社にとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社の開発計画及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

契約書名

契約会社名
(契約締結日)

契約内容

実施許諾基本契約

日本化薬株式会社
(平成14年6月12日)

後述の「5 経営上の重要な契約等 (1)技術導出契約 ①実施許諾基本契約」をご参照ください。

EXTENDED LICENSE AGREEMENT for NC-6004 Technology

Orient Europharma Co., Ltd.
(平成24年11月7日)

後述の「5 経営上の重要な契約等 (1)技術導出契約 ②EXTENDED LICENSE AGREEMENT for NC-6004 Technology」をご参照ください。

 

 

8.配当政策について

当社は創業以降、当期純損失を計上しており、利益配当は実施しておりません。

当社の医薬品事業については引き続き研究開発活動を実施していく必要があるため、研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先する方針です。株主への利益還元については重要な経営課題と認識しておりますが、利益計上された段階において経営成績及び財政状態を勘案し、方針を検討する所存であります。

 

9.ストック・オプションを含む新株予約権の発行について

当社はストック・オプション制度を採用しており、当事業年度末現在でストック・オプションとして発行している新株予約権は2,593,000株相当(既行使分を除く)であります。このほか、資金調達のために新株予約権を発行しており、第3回無担保転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権2,171,052株相当並びに第14回新株予約権5,450,000株相当(いずれも既行使分を除く)を合計すると7,621,052株相当となります。これら発行済の新株予約権が全て行使された場合の潜在株式数は10,214,052株であり、この潜在株式数と発行済株式数43,179,384株とを合計した株式数(53,393,436株)に対し19.13%となり、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

なお、当社は、今後も優秀な人材確保のためにストック・オプション制度を継続して実施していくことを検討しております。従いまして、今後新株予約権が付与され、権利行使された場合には、1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

また、新たなストック・オプションについては費用計上が義務付けられているため、付与条件によっては、今後のストック・オプションの付与により、当社の業績が影警を受ける可能性があります。

 

10.為替差損等について

当社は、欧米において臨床試験を行っておりますが、臨床試験に要する費用の支払いについては、主として外貨によって行っており、またそれらの支払いに備えて外貨建て預金を保有しております。また、当社の売上高の一部は外貨により計上される場合があります。従いまして、為替相場の変動は、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)技術導出契約

 ①実施許諾基本契約

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

日本化薬株式会社
(平成14年6月12日)

平成14年3月31日から、日本化薬株式会社がパクリタキセル含有ポリマーミセル(以下「本ミセル」という。)又は本ミセル化成分を含有する医薬品製剤(以下「本医薬品製剤」という。)の研究、開発、製造または販売を行っている間。

①  当社は、日本化薬株式会社に対し、日本及びアジアにおいて、本ミセル及び本医薬品製剤を研究、開発、製造、使用及び販売する独占的実施権(再実施許諾権付)を日本化薬株式会社に許諾し、その他の地域において、本医薬品製剤を販売する非独占的実施権を許諾する。

②  本ミセル及び本医薬品製剤の開発は日本化薬株式会社が実施し、当社は同社より、契約一時金及び開発ステージに応じたマイルストーンの支払いを受ける。

③  製品の上市後、日本化薬株式会社は、当社に対し、正味販売高に一定料率を乗じたロイヤリティを支払う。ロイヤリティは、当社の工業所有権のすべてが消滅した時、又は本医薬品製剤を最初に上市した日から10年のいずれか遅い日まで支払われる。

 

 

②EXTENDED LICENSE AGREEMENT for NC-6004 Technology

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

Orient Europharma
Co.,Ltd.
(平成24年11月7日)

平成24年11月7日(本契約締結日)から、NC-6004の開発、製造又は販売を行っている間。

① 当社はOrient Europharma Co.,Ltd.(OEP社)に対し、アジア地域(日本、中国、インドを除き、オセアニアを含む。以下同じ)を対象とするシスプラチンミセル(NC-6004)の開発及び販売権に加え、ミセル原薬及び最終製剤に関する全世界における非独占的製造権を付与する。

② アジア地域における NC-6004の開発に関しては、OEP社が主体となり、当社は共同開発の立場で協力する。開発費用についてはOEP社が負担する。

③ OEP社は、非独占製造権に対する対価として、開発、販売の段階に応じて当社に対し、最大で総額8億円のマイルストーンを支払うほか、販売数量に応じたロイヤリティの支払いを行う。
また、当社は製造に必要な原料の供給を行い、OEP社はこの対価を支払う。

 

 

③独占ライセンス契約

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

国立大学法人東京大学、株式会社東京大学TLO及び日油株式会社
(平成21年12月8日)

平成21年12月8日から、対象特許の全てが効力を失う日まで。

①  当社は、国立大学法人東京大学及び株式会社東京大学TLOから独占的実施権を許諾された「静電結合型ミセル薬剤担体とその薬剤」他4発明につき、内包物及び地域を限定して遺伝子治療分野における再実施を日油株式会社に許諾する。

②  日油株式会社は、再実施権の対価として、株式会社東京大学TLO及び当社に対してそれぞれ、一定額の一時金及び、正味販売額に一定の料率を乗じた実施料を支払う。

③  国立大学法人東京大学、株式会社東京大学TLO、当社及び日油株式会社が別途合意した場合、契約の全部又は一部を解約又は変更することができる。

 

 

 

(2)技術導入契約

 ①実施許諾契約書

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

株式会社先端科学技術インキュベーションセンター(現:株式会社東京大学TLO)
(平成13年1月26日)

平成13年1月26日から、対象特許が消滅するまで。

①  株式会社東京大学TLOは、株式会社東京大学TLOが所有する特許「シスプラチン内包高分子ミセル」について、日本国内及び当社が希望する外国において、シスプラチン内包ミセル等を開発、製造、販売することができる再実施許諾権付きの独占実施権及び専用実施権を当社に許諾する。

②  当社は、実施権の対価として、一時金及び当社が実施した場合は当社の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を、当社が再実施許諾した場合は再実施権者の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を株式会社東京大学TLOに支払う。

③  株式会社東京大学TLO、又は当社は60日間の予告期間をおいて相手方に文書により通知した上、双方合意すれば契約の全部又は一部を解約又は変更することができる。

 

 

②実施許諾契約書及び覚書

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

株式会社東京大学TLO
(平成16年5月19日)

平成16年5月19日から、対象特許が効力を失う日まで。

①  株式会社東京大学TLOは、株式会社東京大学TLOの所有する特許「ジアミノシクロヘキサン白金(II)とポリ(カルボン酸)セグメント含有ブロック共重合体との配位錯体、その抗腫瘍剤」について、日本国内及び当社が希望する外国において、ダハプラチン内包ミセル等を開発、製造、販売及び使用することができる再実施許諾権付きの独占実施権及び専用実施権を当社に許諾する。

②  当社は契約一時金を株式会社東京大学TLOに支払う。

③  株式会社東京大学TLO又は当社は60日間の予告期間をおいて相手方に文書により通知した上、双方合意すれば契約の全部又は一部を解約又は変更することができる。

国立大学法人東京大学及び株式会社東京大学TLO
(平成18年3月31日)

平成16年5月19日から、対象特許が効力を失う日まで。

当社は、実施権の対価として、当社が実施した場合は当社の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を、当社が再実施許諾した場合は、再実施権者の正味販売額に一定料率を乗じた額又は当社が再実施権者から得た実施料に一定料率を乗じた額の何れか低い実施料を株式会社東京大学TLOに支払う。

 

 

 

③独占ライセンス契約

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

株式会社東京大学TLO
(平成18年7月31日)

平成18年7月31日から、対象特許が効力を失う日まで。

①  株式会社東京大学TLOは、株式会社東京大学TLOの所有する「静電結合型高分子ミセル薬物担体とその薬剤」に関する特許権及び特許出願について、日本、米国、カナダ、欧州、豪州、韓国において再実施許諾権付きの独占実施権を当社に、内包物を限定し許諾する。

②  当社が、専用実施権の登録が認められる許諾国について専用実施権の登録を求め、株式会社東京大学TLOと合意した場合、専用実施権の登録を行うことができる。

③  当社は、実施権の対価として、一時金及び当社の新株予約権を付与する。また、当社が実施した場合は当社の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を、当社が再実施許諾をした場合は、再実施権者の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を株式会社東京大学TLOに支払う。

④  株式会社東京大学TLO及び当社が合意した場合、契約の全部又は一部を解約又は変更することができる。

株式会社東京大学TLO
(平成20年4月1日)

平成20年4月1日から、対象特許及び上記「静電結合型高分子ミセル薬物担体とその薬剤」の両方が効力を失う日まで。

①  株式会社東京大学TLOは、株式会社東京大学TLOが実施許諾権を有する「核酸用ミセル」に関して、日本国及び当社が希望する国における再実施許諾権付きの独占実施権を当社に、内包物を限定し許諾する。

②  当社が、専用実施権の登録が認められる許諾国について専用実施権の登録を求め、株式会社東京大学TLOと合意した場合、専用実施権の登録を行うことができる。

③  当社は、契約一時金並びに、本件特許を実施した場合の対価として、当社が実施した場合は当社の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を、当社が再実施許諾をした場合は、再実施権者の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を株式会社東京大学TLOに支払う。

④  それぞれの許諾地域において、上記の特許権及び特許出願「静電結合型高分子ミセル薬物担体とその薬剤」が有効に存続している場合には、当該特許権及び特許出願の実施料は、本契約の③に記載の実施料に含まれるものとする。

⑤  株式会社東京大学TLO及び当社が合意した場合、契約の全部又は一部を解約又は変更することができる。又、当社が実施権を不要と判断し、契約の終了を希望する日の2ヶ月前までに当該終了を文書で通知した場合は、解約することができる。

 

 

 

④独占ライセンス契約

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

国立大学法人東京大学及び株式会社東京大学TLO
(平成19年2月15日)

平成19年2月15日から、対象特許が効力を失う日まで。

①  国立大学法人東京大学は、国立大学法人東京大学の所有する特許「pH応答性高分子ミセルの調製に用いる新規ブロック共重合体及びその製造法」について、日本国内及び当社が希望する外国において再実施許諾権付きの独占実施権を当社に許諾する。

②  当社が、専用実施権の登録が認められる許諾国について専用実施権の登録を求め、国立大学法人東京大学と合意した場合、専用実施権の登録を行うことができる。

③  当社は、実施権の対価として、一時金及び正味販売額に一定の料率を乗じた実施料、当社が再実施許諾をした場合は、再実施権者の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を国立大学法人東京大学に支払う。

④  国立大学法人東京大学、株式会社東京大学TLO及び当社が別途合意した場合、又は当社が実施権を不要と判断し契約の終了を希望する日の2ヶ月前までに当該終了を文書で通知した場合は、契約の全部又は一部を解約又は変更することができる。

 

 

⑤独占ライセンス契約

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

国立大学法人東京大学及び株式会社東京大学TLO
(平成21年5月22日)

平成21年5月22日から、対象特許が効力を失う日まで。

①  国立大学法人東京大学は、国立大学法人東京大学の所有する特許「カチオン性のポリアミノ酸及びその使用」について、日本国内及び当社が希望する外国において再実施許諾権付きの独占実施権を当社に許諾する。

②  当社が、専用実施権の登録が認められる許諾国について専用実施権の登録を求め、国立大学法人東京大学と合意した場合、専用実施権の登録を行うことができる。

③  当社は、実施権の対価として、一時金及び正味販売額に一定料率を乗じた実施料、当社が再実施許諾をした場合は、再実施権者の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を国立大学法人東京大学に支払う。

④  国立大学法人東京大学、株式会社東京大学TLO及び当社が別途合意した場合、又は当社が実施権を不要と判断し契約の終了を希望する日の2ヶ月前までに当該終了を文書で通知した場合は、契約の全部又は一部を解約又は変更することができる。

 

 

 

⑥独占ライセンス契約

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

国立大学法人東京大学及び株式会社東京大学TLO
(平成21年12月8日)

平成21年12月8日から、対象特許の全てが効力を失う日まで。

①  国立大学法人東京大学及び株式会社東京大学TLOは、その所有する特許「静電結合型ミセル薬剤担体とその薬剤」他1件の発明につき、平成18年7月31日付で当社と「独占ライセンス契約」(原契約)を締結し、再実施許諾権付きの独占実施権を内包物を限定して当社に許諾している。

②  国立大学法人東京大学及び株式会社東京大学TLOは、上記原契約の範囲に含まれていない当該特許及び発明の遺伝子治療分野における独占実施権を、内包物を限定して当社に許諾する。また、原契約に含まれていない3発明を新たに実施許諾の対象に加えるものとする。

③  当社は、実施権の対価として、正味販売額に一定の料率を乗じた実施料を支払う。当社が再実施許諾をした場合は、再実施権者の正味販売額に一定の料率を乗じた実施料を国立大学法人東京大学に支払う。

④  国立大学法人東京大学、株式会社東京大学TLO及び当社が別途合意した場合、契約の全部又は一部を解約又は変更することができる。

 

 

⑦License Agreement 

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

エーザイ株式会社

(平成26年6月23日)

契約締結後、ロイヤリティ支払期間(製品販売開始日から10年間又は契約発効日から25年間のいずれか長い期間)又はマイルストーン分配期間(契約発効日から10年以内に締結されたサブライセンス契約に基づくマイルストーン支払完了日)のいずれか長い期間

① エーザイ株式会社(以下、「エーザイ」)は、全世界を対象に、エーザイ所有の新規医薬品候補の開発・販売等を行う権利を当社に付与し、これに基づき当社が臨床試験実施に向けて研究開発を進める。

② エーザイは、開発ステージが進んだ段階で、当社から本新規医薬品候補の開発・販売等を行う権利を買い戻すための優先交渉権を有する。

③ 当社はエーザイに対して、契約締結時に契約一時金及び開発ステージが一定の段階に進んだ段階で一定のマイルストーンを支払う。

 

 

(3)供給契約

供給契約書及び確認書

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

日油株式会社
(平成26年2月7日)

ポリマー供給に関する新たな契約が締結・発効するまで

当社及び当社の提携先が、ミセル化ナノ粒子を利用した新規医薬品の研究・開発・製剤の商業的製造のために必要とするポリマーを、日油株式会社が当社に独占的に製造供給する供給契約書の契約期間満了後(平成25年12月15日)も、合意した条件に従い、同社よりポリマー製造供給を受ける。

 

 

 

(4)その他の契約

①Termination Agreement

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

Debiopharm S.A.
(平成23年3月11日)

契約締結日から、10年間もしくは製品発売日より10年間のいずれか遅いほう

① 当社とDebiopharm S.A.が平成19年10月15日付で締結したライセンス・供給契約の終了にあたり、同契約に基づきDebiopharm S.A.が実施した非臨床試験及び第Ⅰ相臨床試験において得たデータを当社に移管する。

② ダハプラチンミセルに関し、当社が新たな提携先とライセンス契約を締結した場合、当社は、治験データ提供の対価として、当社が受領したマイルストーン収入の一部をDebiopharm S.A.に支払う。

 

 

②共同研究契約書

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

信越化学工業株式会社
(平成25年6月20日)

平成25年6月20日(本契約締結日)から、平成29年12月31日まで

① 当社と信越化学工業株式会社は高品質かつ合理的なコストのポリマーを開発することによって相互の事業に寄与する事を目的に共同研究を行う。

② 当社は原料の供給、試作ポリマーの評価等を行い、信越化学工業株式会社はポリマーの試作、評価サンプルの提供、製造用設備の検討・導入等を行う。この他、必要に応じ本件ポリマーを共同で設計・開発及び最適化する。

 

 

③共同研究契約書及び共同研究期間延長の覚書

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

中外製薬株式会社
(平成27年2月24日)

平成27年2月24日(本契約締結日)から3年間

① 当社と中外製薬株式会社(以下、「中外製薬」)は、中外製薬が選択したsiRNA及び抗体に当社のactive型NanoFect®技術を応用して、新規siRNAミセルの開発を目指した共同研究を行う。

② 中外製薬は、当社保有の特許等や本共同研究における成果を利用して医薬品の開発及び事業化を行うことを希望する場合、優先的に当社から特許等の独占的実施の許諾を受けるオプション権を保有する。

③ 本共同研究に要する費用については、両社が各々の分担業務にかかった部分を個別に負担し、当社は上記②のオプション権付与の対価として一定額を受領する。

 

 

④共同開発契約書

契約会社名
(契約締結日)

契約期間

主な契約内容

株式会社アルビオン
(平成28年3月24日)

平成27年7月30日から、平成30年7月29日まで

① 当社と株式会社アルビオン(以下、「アルビオン」)は、当社が所有する最新の医薬品技術を応用した新しい化粧品素材の共同開発を行い、その素材を使用した化粧品をアルビオンが製品化する。

② 当社は、化粧品素材として使用される原料の供給を行い、アルビオンは、本素材を用いた新しい化粧品の製造・販売に向け、開発を推進する。

③ アルビオンは当社に対し、当社技術利用の対価として一定額を段階的に支払う。また、当社から供給された原料の対価を支払う。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社における研究開発は、研究開発統括部の統括管理の下、研究部及び臨床開発部を中心に実施しております。当事業年度末現在で、研究開発スタッフは45名にのぼり、これは総従業員の77.6%に当たります。

当社は当事業年度において、以下のような研究開発活動を実施しており、研究開発費の総額は2,252,454千円となりました。

 

 (1)当社の研究開発活動の概要

「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の通り、当社の主たる事業目的は、日本発のナノテクノロジーに基づくミセル化ナノ粒子をコア技術として、主にがん領域において新しい医薬品を生み出し、社会に提供することです。

前述の通り当社の研究開発活動は研究開発統括部の統括管理の下、研究部及び臨床開発部を中心に実施しておりますが、共同研究契約を締結している場合は締結先との共同研究により実施しております。

 

 (2)サイエンティフィック・アドバイザーについて

当社は社外の研究者とサイエンティフィック・アドバイザー契約を締結しており、最先端の研究成果を当社の研究開発に生かせる体制を整えております。

 

 (3)当社の開発品目ごとの研究開発状況について

  <開発品目>

当社の開発品目は、現在、主要パイプライン4品目が臨床試験の段階にあります。この他、新規開発パイプラインの研究開発を進めており、グローバルな事業展開を目指しております。

 

  (主要パイプライン)

 各パイプラインの概要は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 ⑥当社の主要パイプラインについて」に記載の通りであります。現在の進捗状況は、「1 業績等の概要 (1)業績 (主要パイプラインの進捗状況)中の<開発パイプラインの状況>」に記載の図表をご参照ください。

 

  (新規開発パイプライン)

 次世代パイプライン候補の概要及び進捗状況は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 ⑦次世代パイプライン候補について」に記載の通りであります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

第21期事業年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

なお、本項に記載した予想、見込み、見通し、方針などの将来に関する事項は本書提出日(平成29年6月26日)現在において判断したものであり、リスクや不確実性を含んでいます。将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。

 

(1)財政状態

(流動資産)
 当事業年度末における流動資産の残高は12,442,347千円(前事業年度末は14,316,526千円)となり、1,874,179千円減少しました。これは主に現金及び預金の減少2,685,842千円、有価証券の増加694,873千円、たな卸資産の増加126,012千円によるものです。

 

(固定資産)
 当事業年度末における固定資産の残高は497,072千円(前事業年度末は1,069,815千円)となり、572,743千円減少しました。これは主に投資有価証券の減少660,170千円、有形固定資産の増加100,812千円によるものです。

 

(流動負債)
 当事業年度末における流動負債の残高は369,603千円(前事業年度末は232,036千円)となり、137,566千円増加しました。これは主に未払金の増加96,992千円によるものです。

 

(固定負債)
 当事業年度末における固定負債の残高は2,502,473千円(前事業年度末は3,025,531千円)となり、523,058千円減少しました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の減少525,000千円によるものです。

 

(純資産)
 当事業年度末における純資産の残高は10,067,342千円(前事業年度末は12,128,773千円)となり、2,061,431千円減少しました。これは主に利益剰余金の減少2,676,049千円、資本金の増加310,249千円、資本剰余金の増加310,249千円によるものです。

 

(2)経営成績

 当事業年度における経営成績については、「1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。

 

(3) キャッシュ・フロー
 当事業年度におけるキャッシュ・フローについては、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。