当第2四半期会計期間において、新たに締結した重要な契約はありません。
なお、平成29年11月3日付でVascular Biogenics Ltd.(イスラエル:VBL Therapeutics(VBLT)として米国NASDAQに上場)と腫瘍血管を選択的に細胞死に導く遺伝子治療薬「VB-111」の日本国における開発及び商業化に関するライセンス契約を締結しております。
詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
当第2四半期累計期間において、当社は、主要パイプラインの開発推進、新規パイプラインの探索、提携先の開拓などに積極的に取り組んでまいりました。
4つの主要パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。
シスプラチンミセル(NC-6004)につきましては、自社開発製品第一号として自社及びライセンス先との共同開発によりグローバルに開発を推進しております。ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.(台湾)と共に、日本を含むアジア地域において転移性及び進行性膵がんを対象に第Ⅲ相臨床試験を実施しております。同様に、再発・転移頭頸部がんについても、Orient Europharma Co., Ltd.と共に、台湾において第Ⅰ相臨床試験を実施しております。一方、欧米においては自社で開発を推進しており、第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験(バスケットデザイン試験)として非小細胞肺がん、膀胱がん、胆道がんの3適応症で患者登録を進めております。さらに、第I/Ⅱ相臨床試験として再発・転移頭頸部がんを対象に実施中です。複数の適応症を対象にした試験を複数の地域で併行して進めることにより、有効性・安全性について幅広い成績を取得し、本剤の有用性が高いがんを見出し、早期の承認申請を可能にすることを目指しております。なお、平成29年7月、胆道がん適応については、米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)※の指定を受けております。
エピルビシンミセル(NC-6300)につきましては、国内で実施された第Ⅰ相臨床試験の結果を活用し、軟部肉腫を対象に米国における第I/Ⅱ相臨床試験を実施中です。本パイプラインは、FDAよりオーファンドラッグの指定を受けております。
ダハプラチンミセル(NC-4016)につきましては、プラチナ製剤第二弾として、自社開発により米国で固形がんを対象にした第Ⅰ相臨床試験を実施しており、患者登録を完了し主要目標である推奨用量を決定いたしました。今後、観察期間を経てデータ解析を実施し、次段階の試験デザインの検討を進めてまいります。
パクリタキセルミセル(NK105)につきましては、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬株式会社により、転移・再発乳がんを適用対象にした第Ⅲ相臨床試験(国際共同試験)が進められておりましたが、平成28年7月、同試験において主要評価項目が達成されなかったと発表されました。同社によると、現在、追加臨床試験を計画中とのことであります。
新規開発パイプラインにつきましては、当社独自の先進基盤技術である抗体/薬物結合型ミセル「ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)」を次世代型医薬品パイプラインとして開発を推進しています。当社は、エーザイ株式会社より導入したがん抑制作用の強いE7974とセンサーである抗体を結合したActive型ミセル化ナノ粒子を開発することにより、がん細胞へのターゲティング性能を高め、抗腫瘍作用をさらに高めることで治療域を拡大する新規医薬品の研究開発を進めております。また、国内の大手企業数社との共同研究等により、さらなる提携を探索・推進しつつ、開発パイプラインの拡充に精力的に取り組んでおります。
低分子医薬品に加え、より副作用が少ないとされているsiRNAなどの核酸や、タンパク質医薬品などの高分子医薬品に対するミセル化ナノ粒子技術の応用にも取り組んでおります。当社は、独自の核酸デリバリー技術「NanoFect®」を確立し、さらに抗体を付加したActive型NanoFect®とすることでターゲティング機能を向上させた次世代型DDS医薬品の開発を進めております。中外製薬株式会社との間では、Active型NanoFect®を基に、これまでにないファースト・イン・クラスのsiRNA医薬品開発を目指した共同研究開発を推進しております。また、平成29年10月には、JCRファーマ株式会社と核酸等を対象とした脳内デリバリー創薬に関する共同研究契約を締結し、革新的な脳内デリバリー医薬品の実現を目指した共同研究を推進しております。
事業開発活動におきましては、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業や周辺事業の拡大のため、有力な企業との資本・事業提携、M&A等並びに国内外の製薬・バイオ企業や大学・研究機関等との共同研究開発プロジェクトについても積極的に取り組んでおります。平成29年3月、TPG Biologics, Inc.(台湾)と共同研究開発契約を締結し、平成29年4月に同社へ出資いたしました。共同研究においては、同社が所有する抗体などバイオ医薬品に関する研究基盤と当社のADCMを融合した新しい技術基盤の確立を目指します。また、平成29年4月、Tocagen Inc.(米国)に出資いたしました。同社技術の将来における可能性に注目し、出資を決定いたしました。さらに、平成29年11月3日付でVascular Biogenics Ltd.(イスラエル:VBL Therapeutics(VBLT)として米国NASDAQに上場)と腫瘍血管を選択的に細胞死に導く遺伝子治療薬「VB-111」の日本国における開発及び商業化に関するライセンス契約を締結いたしました。「VB-111」はファースト・イン・クラスの遺伝子治療薬で、先行する臨床試験は脳腫瘍の中でも最も難治性の再発悪性神経膠芽腫(こうがしゅ)を対象とする米国を中心とした第Ⅲ相試験で、既に患者登録が完了しており、早期の承認取得が期待されます。また、米国を中心にプラチナ耐性卵巣がん及び甲状腺がんで第Ⅱ相臨床試験を実施中です。当社は、本契約によりこれらパイプラインの日本での開発権及び販売権を取得し、本製品を画期的な医薬品として国内で早期に実用化することで、当社の経営基盤が早い段階で強化されるものと期待しております。この他の活動として、平成29年8月、米国での事業開発拠点として、マサチューセッツ州ボストン郊外に米国子会社NanoCarrier USのオフィスを開設いたしました。これを契機に米国における医薬品の研究開発や事業開発の活動を推進してまいります。
化粧品事業におきましては、株式会社アルビオンとの共同開発製品である男性用スカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」のインターネット販売及び美容室でのカウンセリング販売を行っております。顧客から長期的な支持を獲得できるような強いブランドとして育成することを目指した戦略的なマーケティング活動を展開しており、その成果として、大手百貨店や化粧品専門店による取扱いが開始されております。平成29年8月には新規スタイリング用商品(ワックス、スタイリングジェル)を販売開始し、平成29年9月より、女性も販売対象とした「Depth For Share(デプス フォー シェア)」シリーズを新たに展開しております。ラインアップの強化によりお客様のさまざまなニーズに対応可能となり、同ブランドの価値を向上させることを目指しております。
女性用化粧品に関しましては、株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシアALホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の原材料を供給しております。同社とは、次世代型エクラフチュールの開発に向けた共同研究開発も進めております。このように当社は、医薬品分野のみならず、化粧品分野においても主力成分を封入した高性能ミセル化ナノ粒子技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。
なお、平成29年4月、当社はより成果追求型の体制とすることにより、研究開発のアウトプット(質と速度)を高め、少数精鋭で戦える集団を目指すための組織改正を行いました。機動的かつ活力ある新組織により、当社ビジョンの実現に向け邁進してまいります。
※オーファンドラッグ指定(希少疾病用医薬品指定)
米国における患者数20万人以下の希少疾病に対する新薬開発を促進するために米国FDAが与えるもので、オーファンドラッグの指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられます。また、米国政府からの補助金の獲得、臨床研究費用の税額控除、FDA申請における医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査に対しての優遇措置が受けられます。
財政状態につきましては、以下のとおりとなりました。
当第2四半期会計期間末における資産は、前事業年度末に比べ1,970,575千円減少し、10,968,844千円となりました。負債は、前事業年度末に比べ33,208千円増加し、2,905,286千円となりました。純資産は、四半期純損失の計上等により、前事業年度末に比べ2,003,784千円減少し、8,063,558千円となりました。
経営成績につきましては、以下のとおりとなりました。
当第2四半期累計期間の売上高は化粧品材料供給収入等により70,553千円(前第2四半期売上高83,882千円)、営業損失は2,080,013千円(前第2四半期営業損失1,276,050千円)、経常損失は2,054,221千円(前第2四半期経常損失1,770,096千円)、四半期純損失は2,049,386千円(前第2四半期四半期純損失1,771,958千円)となりました。
なお、受取利息26,069千円を営業外収益に計上しております。これは、主に定期預金及び債券にかかる利息であります。
当第2四半期累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前事業年度末に比べ780,604千円減少し、6,605,034千円となりました。当第2四半期累計期間のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発費の支出等による税引前四半期純損失2,047,571千円、たな卸資産の減少額145,138千円、未収消費税等の減少額59,554千円、前払費用の減少額54,337千円等により、1,765,407千円の支出(前第2四半期累計期間は1,277,311千円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入1,008,000千円、有形固定資産の取得による支出28,262千円、有価証券の取得による支出3,400,000千円、有価証券の償還による収入3,748,799千円、投資有価証券の取得による支出340,767千円等により、987,375千円の収入(前第2四半期累計期間は1,387,706千円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行による収入により、5,448千円の収入(前第2四半期累計期間は85,360千円の収入)となりました。
当第2四半期累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
当第2四半期累計期間における研究開発費の総額は1,852,108千円であります。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。また当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。なお当第2四半期累計期間における当社の販売実績は、70,553千円であります。
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期累計期間に著しい変動があったものはありません。