当社は、「ナノテクノロジーを用いて新しい医薬品を創出し、人々の健康とQOLの向上に貢献する」ことをミッションとし、「がん領域のイノベーションファーマとして、世の中に必要とされる『ファーストワン』を目指す」ことをビジョンに掲げ、事業を推進しております。
当社は、既存事業であるミセル化ナノ粒子技術をコア技術とした医薬品開発を推進しつつ、引き続き提携等により、事業領域の拡大や新規事業分野への進出を効率的かつスピーディーに実施することで、さらなる成長を目指すことが必須と考えており、以下を対処すべき課題と認識しております。
シスプラチンミセル(NC-6004)及びエピルビシンミセル(NC-6300)については、最優先プロジェクトとして早期の承認・上市を実現することにより、当社の企業価値を最大限に高めるという認識のもと、これらの臨床開発を引き続き推進してまいります。研究開発プロジェクトの推進においては絶えず技術・事業性の観点からプロジェクトの優先順位付けを行い、その成果を主要パイプラインに引き上げ、パイプラインの拡充を目指します。
事業開発活動の推進により、ライセンスアウトや共同開発を行うことができる提携先の開拓を引き続き継続し、早期の収入確保を目指します。提携先の開拓に当たっては、国内外の幅広いネットワークを活用し、製薬企業等との提携、当社と相乗効果があるテクノロジーやパイプラインの探索及び獲得を進めるとともに、外部からの製品パイプラインの導入や製薬・バイオ企業への投資・買収等も視野に入れ、事業・商品ポートフォリオの拡充を目指します。
当社は、独自技術を基盤とした研究開発型国内バイオベンチャー企業から、画期的な医薬品を全世界に向けて一貫して開発、製造そして販売する製薬会社への進化を遂げるべく、医薬品会社に求められる経営基盤(開発、製造、販売体制等)の構築が急務であると考えております。医薬品事業の経営基盤構築や関連事業や周辺事業の拡大を加速させるためには、当社の内部経営資源を最大限に活用するとともに、有力な企業との資本・事業提携、M&Aを通じた外部経営資源の活用や外部成長の取り込みを図っていくことが有力な選択肢になると考えており、引き続き検討を進めてまいります。
(4)技術の応用範囲の拡大
医薬品以外の分野にも研究開発の応用範囲を広げ、特に化粧品事業の分野において既存製品の販売拡大と新製品開発を実現することにより、より安定した収入源の確保を目指します。
当社のビジョン実現のため、経営の効率性を高めつつ、株主及び投資家、患者、地域社会、取引先、従業員等の各ステークホルダーとの間の良好な関係を保ち、企業としての社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めます。
(6)財務安定性の確保
当社は継続的に研究開発投資を行っており、今後も多額の投資が見込まれます。投資資金の確保につきましては、事業活動から稼得される収益から確保すべく最大限の努力を行いながら、効率的かつ効果的な手法による資金調達を行うことにより、財務安定性を確保していきます。
以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しています。また、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。
また、文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.会社の事業内容について
(1)現在の事業内容
① 提携候補先とのライセンス契約の締結について
当社は、ミセル化ナノ粒子技術を特許等の知的財産として所有しており、有用性(有効性、安全性)を向上させた医療ニーズに応える新規医薬品を提供すべく、ナノテクノロジーを応用した製剤技術を基盤に創薬の研究開発を進めております。また、当社技術と関連性が深く、相乗効果の見込める他社技術の導入も行っております。各パイプラインの研究開発を進めて製品化に到達するために、当社は事業段階に応じた展開を図っており、現状のビジネスモデルは、(ⅰ)自社開発、(ⅱ)共同研究開発、(ⅲ)ライセンスアウト、(ⅳ)ライセンスインの4パターンとなっています。
上記のビジネスモデルのうち、(ⅱ)共同研究開発、(ⅲ)ライセンスアウト及び(ⅳ)ライセンスインに関しては、事業展開上、各パイプラインにおける提携候補先との共同研究開発契約、若しくはライセンス契約の締結時期及び条件は、当社の事業計画に重大な影響を及ぼすこととなります。また、契約を想定通りに締結できなかった場合や想定通りに契約を締結できた場合であっても提携先とのその後の方針の不一致等により共同研究開発契約等が解消された場合にも、経営成績及び財政状態並びに開発計画等に重大な影響を与えることとなります。
② 既存の化合物を利用することによる医薬品開発のリスク低減について
当社が取り組むプロジェクトの主たるものは、既に薬効が確認されている化合物をベースにミセル化ナノ粒子技術と融合させ、新剤型医薬品、あるいは新有効成分としていることから、当社では、全く新規(この世の中に存在していなかった)の構造を有する化合物に比して、医薬品とするための開発リスクが低く、成功確率が高いと考えております。
しかし、長期の開発期間中に管轄当局の規制方針の変更などにより、開発リスクや成功確率が当社の想定通りの水準におさまるとは断定できず、当社の想定以上に開発リスクが高くなった場合、あるいは成功確率が低くなった場合には、当社の事業展開に支障を及ぼすこととなります。
③ パイプラインの拡充について
当社は、薬物と当社のポリマーを結合させて新有効成分とする研究開発の過程で生じる新しい発明の特許出願を行い、排他性を確保することが重要になります。当社ではこれらの特許等に裏付けられた技術をベースにパイプラインを増やしていく必要があると考えています。しかし、想定通りに特許等に裏付けられたパイプラインを増やしていけるかどうかは不確定であり、また、各パイプラインの研究開発を想定通りに進めていけるという保証もありません。想定通りにパイプラインを増やせなかった場合、あるいは各パイプラインの研究開発が想定通りに進められなかった場合、当社の事業展開は悪影響を受けることになります。
④ 医薬品の申請区分に関する評価について
当社は既存化合物だけではなく、新薬についても当社技術と融合して新有効成分とする医薬品の開発を目指しており、申請区分については、当社開発中の製品のほとんどが新規化合物になると考えております。しかしながら、実際に想定通りの評価が得られるとは限らず、管轄当局より、当社想定通りの評価を得られなかった場合、当社の事業展開は影響を受ける可能性があります。
(2)当社の医薬品の開発状況について
① 当社のパイプラインについて
当社には、現在まで上市された承認済の医薬品はありません。当社の主要パイプラインは、シスプラチンミセル(NC-6004)、エピルビシンミセル(NC-6300)、ENT103及びパクリタキセルミセル(NK105)であり、この他臨床試験計画中や基礎研究中の新規開発パイプラインがあります。当社のパイプラインは全て、未だ研究開発途中であり、将来、医薬品として上市される保証はなく、臨床試験段階における重篤事象の発生等による開発中止の可能性や、開発遅延の可能性もあります。また、当社がライセンス・提携先との契約を解消した場合は、当社の研究開発活動に遅延が生じることで、当社の開発計画及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、先行して臨床開発段階に入っている上記パイプラインの承認の可否は、当社事業に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
さらに、日本及び海外の両地域で展開予定のパイプラインについては、先行地域の臨床開発が遅延した場合、後続地域の臨床開発遅延につながる可能性もあり、当社の事業計画の進捗に影響を及ぼすおそれがあります。
また、当社パイプラインが将来医薬品として上市されたとしても、当該医薬品が市場から受け入れられる保証はなく、各国における医薬品承認制度や知的財産制度等の影響を受ける可能性もあるため、当該医薬品が当社の想定通り製造及び販売される保証はありません。
② 第三者への依存について
当社は、当社が開発する医薬品の臨床試験については、開発業務受託機関にその実施を委託しており、また、臨床試験に用いる治験薬については、医薬品製造受託機関等にその製造を委託しております。開発業務受託機関又は医薬品製造受託機関等がこれらに課せられる各種規制等を遵守できない場合、当社と開発業務受託機関又は医薬品製造受託機関等との契約が終了し、当社が別の開発業務受託機関又は医薬品製造受託機関等と当社が望む条件で契約を締結できない場合等において、当社の想定通り臨床試験が進まない可能性があります。また、上市後の医薬品の製造についても、医薬品製造受託機関等との関係では、上記の要因による影響を受ける可能性があります。
また、上市後の医薬品の販売等について当社は第三者に販売権をライセンスアウトし、ロイヤリティ収入を得ることを想定しておりますが、かかる第三者とライセンス契約を締結できる保証はありません。また、第三者との間で販売にかかるライセンス契約を締結できない場合には、当該医薬品の販売等を自社で行う必要がありますが、この場合には、自社販売体制の構築等に想定外の費用が発生し、想定通りに販売が進まない可能性があります。
(3)化粧品事業の展開について
当社はミセル化ナノ粒子技術の応用範囲を広げ、株式会社アルビオンとの共同開発により、化粧品事業を展開しております。当社は、同社に対し、化粧品原材料の供給を行うとともに、同社から共同研究開発製品を仕入れ、最終消費者への販売を行っております。
① 競合について
化粧品業界は、参入障壁が低いこともあり、激しい企業間競争にさらされております。当社は既存の製品にない画期的な商品を開発し、株式会社アルビオンの持つブランド力、マーケティング力及び販売力を生かして、化粧品事業を推進していく所存ですが、当社の製品が顧客のニーズに合致せず、市場から受け入れられない場合には事業計画通りの売上を達成できず、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社製品及び原材料の品質及び安全性について
当社の製品及び原材料の品質や安全性について疑義が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、結果的に当社の製品及び原材料に品質欠陥や安全性に関する問題が生じなかった場合においても、風評被害等により、同様の影響を受ける可能性があります。
③ 株式会社アルビオンへの依存について
現在の当社化粧品事業は、株式会社アルビオンとの共同開発及び共同事業によるものが主であり、同社との契約が終了し、当社が望む条件で契約を締結できない場合等において、当社事業計画の達成に影響を及ぼす可能性があります。
(4)今後の事業の見通しについて
当社は早期の新薬の製造販売承認を目指して研究開発を進めておりますが、新薬の開発には長期にわたり多額の研究開発投資を要します。2018年4月に実施した第三者割当による新株予約権発行、2019年5月に実施した第三者割当による転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権の発行等により当面の研究開発資金の確保に目処はつきましたが、研究開発が計画通り進捗する保証はありません。研究開発が計画通りに進捗しない場合、新薬の製造販売承認の時期も不確定となるため、計画通りに新薬の製造及び販売が行われる保証はありません。
なお、製造販売承認が得られなければ開発コストを回収できないこととなり、また製造販売承認が得られても、当社の事業計画上の目標売上を達成できない可能性もあります。
(5)特定の取引先への依存について
① 特定の販売先への依存について
当社の主な販売先は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(生産、受注及び販売の状況)(3)販売実績」に記載のとおりであり、Orient Europharma Co., Ltd.、株式会社アルビオン等が挙げられますが、これらの会社が今後、当社との取引を継続的に行う保証はありません。よってこれらの会社の当社との取引方針の変更、収益動向の変化又は事業活動の停止などにより、当社の業績に重大な影響が生じる可能性があります。
② 特定の仕入先への依存について
当社の原料及び研究用試薬並びに化粧品の主な調達先は、株式会社SENSE、一丸ファルコス株式会社、家田化学薬品株式会社等が挙げられますが、これらの会社が当社との取引を今後も継続的に行う保証はありません。よってこれらの会社の当社との取引方針の変更、収益動向の変化又は事業活動の停止などにより、当社の研究開発活動に遅延が生じ、当社の業績に重大な影響が生じる可能性があります。
(6)経営成績及び財政状態について
当社は1996年6月14日の設立以降一貫して医薬品の開発を目指した研究開発活動を行っており、現在まで毎期研究開発費を中心とした費用が収益を上回り、当期純損失を計上する状態が続いています。また営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスの状況が続いています。
現時点における当社の収益は、当社が第三者と締結した共同研究開発契約及びライセンス契約に基づく契約一時金及びマイルストーン収入に依存しており、今後提携候補先とこれらの契約を締結できない場合や契約の相手先がこれらの契約に定められたマイルストーンを達成できなかった場合には、契約一時金の支払いやマイルストーン収入を受けられない場合があります。このような場合には、当社の純損失が想定よりも拡大する場合があります。
(7)マイナスの繰越利益剰余金が計上されていることについて
当社は研究開発型のベンチャー企業であり、臨床段階にあるパイプラインが上市され、ロイヤリティ収入等の安定した収益を受ける体制となるまでは、多額の研究開発費用が先行して計上されることとなります。そのため連続して当期純損失を計上しており、当事業年度末において、マイナスの繰越利益剰余金を計上しております。
当社は、パイプラインを計画通り、迅速、効率的かつ着実に推進することにより、早期の利益確保を目指しておりますが、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社の事業が計画通りに進展せず、当期純利益を計上できない場合には、マイナスの繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。
(8)資金繰りについて
当社は研究開発型企業として、自社研究や研究機関との共同研究開発等を行っておりますが、多額の研究開発資金を必要とします。そのため、事業計画が計画通りに進展しない等の理由から想定したタイミングで資金を確保できなかった場合には資金不足となり、当社の資金繰りの状況によっては事業存続に多大な影響を与える可能性があります。
(9)税務上の繰越欠損金について
当社には税務上の繰越欠損金が存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であるため、繰越欠損金を利用することにより将来の税額を減額することができます。しかしながら繰越欠損金の利用額と利用期間には、税務上、一定の制限も設けられております。よって計画通りに課税所得が発生しない場合、繰越欠損金を計画通り利用できないこととなるため、通常の税率に基づく法人税等が課税されることになり、当期純利益やキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(10)競合について
当社はミセル化ナノ粒子技術をコアとして、現時点では抗がん剤に特化した医薬品開発を実施しております。抗がん剤を含めた新規医薬品の市場は国内外を問わないことから、日本国内のみならず世界中の同業他社と競合状態にあります。タキソール系のパクリタキセル、あるいはシスプラチンなどの白金系抗がん剤をリポソーム化した新規製剤や、類似の薬物を用いた経口剤がいくつか開発されており、当社の開発品目にとって、これらは競合する可能性があると考えます。当社としては、早期の新薬開発、発売を目指しておりますが、他社が同様の効果や、より安全性のある製品を当社より先に販売した場合や、当社製品の販売後にこれを上回る製品が販売された場合、当社が新製品を発売しても期待通りの収益をあげることができない可能性があります。
2.経営上の重要な契約等
当社のビジネス展開上、重要と思われる契約の内容については、「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおりです。当社事業計画はこれらの契約に基づく収入等を前提に策定しているため、これら重要な契約の破棄が行われた場合、当社にとって不利な契約変更が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.当社の組織体制について
(1)人材の確保について
当社の競争力の核は研究開発力にあるため、専門性の高い研究者の確保が不可欠であります。同様に、事業拡大を支えるために、事業開発、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社は、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めていきますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画通りに進まない場合には、当社の業務に支障をきたすおそれがあります。
(2)小規模組織であることについて
当社は小規模組織であり、研究開発体制及び社内管理体制も、この規模に応じたものとなっております。
そしてこのように限られた人材の中でも業務遂行体制の充実に努めておりますが、限られた人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が大量に退職した場合には、当社の業務に支障をきたすおそれがあります。
一方、急激な規模拡大は、固定費の増加につながり、当社の業績に影響を与えるおそれがあります。
(3)特定人物への依存について
当社の事業の推進者は、代表取締役社長CEOである中冨一郎であります。中冨は当社の経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の推進において、当社の最高責任者として影響力を有しております。このため当社は中冨に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っておりますが、中冨が何らかの理由により当社の業務を継続することが困難となった場合には、当社の事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。
(4)アドバイザー及び顧問について
当社は社外の研究者とアドバイザー契約又は顧問契約を締結しており、最先端の研究成果を当社の研究開発に生かせる体制を整えております。
アドバイザー契約及び顧問契約は単年度ごとの契約になっておりますため、何らかの理由で契約の更新ができなかった場合等、契約を継続できなくなった場合には、当社の研究開発に影響を及ぼす可能性があります。
(5)M&Aについて
当社は、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業や周辺事業の拡大のため、有力な企業との資本・事業提携、M&Aを通じた外部経営資源の活用や外部成長の取り込みを図っていくことが有力な選択肢になると考えており、検討を進めております。また、外部からの製品パイプラインの導入や製薬・バイオ企業への投資・買収なども検討しておりますが、かかる投資・買収が成功裏に完了する保証はありません。
4.知的財産権について
(1)当社の特許戦略について
当社は、特許によって他社に対して優位性をもち、他方、他社の権利を尊重しつつ自社の権利行使を推し進めます。
当社が現状臨床開発を推進しているパイプラインは、当社が保有又は当社が他者からライセンスインをしている特許権若しくは特許出願を基礎とするものであり、これらの特許は医薬品市場の大きい米国、ヨーロッパ、日本及びアジアを中心に出願されております。
しかしながら、当社が保有及びライセンスインをしている現在出願中の特許が全て成立するとは限らず、また、当社が事業活動を行う全ての地域又は競合相手が存在する全ての地域において特許を出願しているわけではありません。また、特許が成立しても、当社の研究開発を超える優れた研究開発により当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は、常に存在しております。さらに、当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合や成立した特許権が事後的に取り消されたような場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社の展開する主要パイプライン及び新規開発パイプラインに関して、必要な他者所有の特許については、ライセンスインをしております。
さらに、当社の今後の事業展開の中でライセンスインする必要のある特許が生じ、そのライセンスインができなかった場合や、多額の実施料の支払いが必要になった場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)知的財産権に関する訴訟、クレーム等について
当事業年度末現在において、当社の開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。
なお、他者が当社と同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後も当社が他者の特許に抵触するような問題が発生しないという保証はありません。
当社としては、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては当社及び特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社技術が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって、このような知的財産権の侵害に関する問題の発生を完全に回避することは困難であり、第三者との間で特許権に関する紛争が生じた場合又は当社が共同研究開発の相手方と第三者の紛争に巻き込まれた場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
5.製造物責任のリスクについて
医薬品の開発及び製造には、製造物責任のリスクが内在しています。将来、開発したいずれかの医薬品が健康障害を引き起こし、又は臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な点が発見された場合、当社は製造物責任を負うこととなり、当社の業務及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、たとえ当社に対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求が与えるネガティブなイメージにより、当社及び当社の医薬品に対する信頼に悪影響が生じ、当社の事業に影響を与える可能性があります。
6.法規制について
当社は、現在医薬品の研究開発を行っておりますが、今後研究開発の成果に基づき医薬品の製造を行うことを目指しています。この場合、日本においては、医薬品医療機器等法その他の関連法規の規制を受けることとなります。この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具の品質、有効性及び安全性の確保を目的としており、これらの製造販売には所轄官公庁の承認又は許可が必要となります。
今後、開発の進捗に伴い、適宜承認・許可を取得する必要があります。また、国外においても各国で類似の法律や関連法規の規制を受けることになります。
また、当社のパイプラインについては、開発、製造、販売などにつき各国における健康保険制度に関する法規制及び患者のプライバシーに関する規制その他の規制に服することになります。
さらに、当社が日本国内において臨床試験を計画中のVB-111は遺伝子治療薬であり、カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)に基づく規制当局の承認を受ける必要があり、当該承認を受けられなかった場合、開発計画の遅延等の影響を受ける可能性があります。
7.主要な事業活動の前提となる事項について
主要パイプラインに係るライセンス契約
① 大学等からの知的財産権のライセンスインについて
当社は、大学発の研究成果(シーズ)を医薬品として実用化するために、積極的に大学及び研究機関から知的財産権のライセンスインを行っており、特に主要なパイプラインに係る下記のライセンス契約に関しては、いずれも当社事業の根幹に関わる重要な契約であると認識しております。
現時点では、下記契約の継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、当該契約の継続に支障をきたす要因が発生した場合、あるいは当社にとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社の開発計画及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 提携先へのライセンスアウトについて
当社は、医薬開発品上市前の研究開発費の負担を軽減し、当社の財務面のリスクの極小化を図るため、(ⅰ)自社開発、(ⅱ)共同研究開発、(ⅲ)ライセンスアウト、(ⅳ)ライセンスインの4パターンのビジネスモデルで研究開発を進めており、現時点でライセンスアウト中の2パイプライン(パクリタキセルミセル(NK105)、シスプラチンミセル(NC-6004))があります。下記のライセンス契約に関しては、いずれも当社事業の根幹に関わる重要な契約であると認識しております。
現時点では、下記契約の継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、当該契約の継続に支障をきたす要因が発生した場合、あるいは当社にとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社の開発計画及び業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
8.配当政策について
当社は創業以降、当期純損失を計上しており、利益配当は実施しておりません。
当社の医薬品事業については引き続き研究開発活動を実施していく必要があるため、研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先する方針です。株主への利益還元については重要な経営課題と認識しておりますが、利益計上された段階において経営成績及び財政状態を勘案し、方針を検討する所存であります。
9.ストック・オプションを含む新株予約権の発行について
当社はストック・オプション制度を採用しており、本書提出日の前月末現在でストック・オプションとして発行している新株予約権は2,119,000株相当(既行使分を除く)であります。このほか、資金調達のために新株予約権を発行しており、第4回無担保転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権は最大で7,431,338株相当、行使価額修正状況付第16回新株予約権1,813,000株相当、第17回新株予約権及び第18回新株予約権それぞれ7,840,000株(いずれも既行使分を除く)を合計すると24,924,338株相当となります。これら発行済の新株予約権が全て行使された場合の潜在株式数は27,043,338株であり、この潜在株式数と発行済株式総数52,514,671株とを合計した株式数(79,558,009株)に対し33.99%となり、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
なお、当社は、今後も優秀な人材確保のためにストック・オプション制度を継続して実施していくことを検討しております。従いまして、今後新株予約権が付与され、権利行使された場合には、1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
また、新たなストック・オプションについては費用計上が義務付けられているため、付与条件によっては、今後のストック・オプションの付与により、当社の業績が影警を受ける可能性があります。
10.為替差損等について
当社は、欧米において臨床試験を行っておりますが、臨床試験に要する費用の支払いについては、主として外貨によって行っており、またそれらの支払いに備えて外貨建て預金を保有しております。また、当社の売上高の一部は外貨により計上される場合があります。従いまして、為替相場の変動は、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当事業年度におきましては、企業収益や雇用環境は引き続き改善傾向にあり、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、米国と中国間の貿易摩擦や中国の景気減速、英国のEU離脱問題等の影響もあり、世界経済は先行き不透明な状況が続いております。
このような経済環境のもと、当社は主要パイプラインの開発推進、新規パイプラインの探索、提携先の開拓などに積極的に取り組んでまいりました。
(主要パイプラインの進捗状況)
主要パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。
シスプラチンミセル(NC-6004)につきましては、自社開発製品第一号として自社及びライセンス先との共同開発によりグローバルに開発を推進しております。
ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.(台湾、以下「OEP」といいます。)とともに、日本を含むアジア地域において膵がんを対象に第Ⅲ相臨床試験を実施しており、2019年4月に統計学的に解析可能な患者症例数に達したことから、患者登録を完了し、現在も登録患者への治験薬投与を継続しております。
頭頸部がんについては、台湾においてOEPが第Ⅰ相臨床試験を、欧米において自社で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を各々行っておりましたが、2018年5月、アジア及び欧米の地域を統合して、OEPとともに改めて免疫チェックポイント阻害剤との併用による臨床試験を実施することで合意し、2018年7月に同社と正式にライセンス契約を締結いたしました。同契約に基づき、NC-6004と免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ®」との併用による国際共同臨床試験として展開するため、2018年10月には米国食品医薬品局(FDA)に対し、頭頸部がんを対象とした第Ⅱ相臨床試験に関する治験許可申請(IND)を提出し、さらに2019年1月には欧州地域のそれぞれの規制当局に対し同試験に関する治験許可申請(CTA)を提出し、受理されております。今後は台湾においてもOEPが台湾食品医薬品監督署(TFDA)に対してINDを提出し、患者登録を進める予定です。
米国においては第Ⅱ相臨床試験(バスケットデザイン試験)として非小細胞肺がん、膀胱がん、胆道がんの3適応症を対象に実施し、2019年4月に解析結果を受領しました。有効性については既存のシスプラチン・ゲムシタビン療法と同程度であり、副作用については、既存のシスプラチンに類似しており、発生頻度や重症度は改善され、良好な忍容性が認められました。今後は、本剤のさらなる医薬品としての価値向上を図るための開発に注力する方針です。
エピルビシンミセル(NC-6300)につきましては、米国で軟部肉腫を対象に第I/Ⅱ相臨床試験を実施中です。2018年12月、第Ⅰ相パート試験において本製剤の安全性及び忍容性が認められ、主要評価項目を達成しました。現在、第Ⅱ相パート試験に移行すべく準備を行っております。なお、本剤はFDAより本適応に対するオーファンドラッグの指定※を受けております。
Vascular Biogenics Ltd.(イスラエル)から国内の開発及び販売権に関するライセンスを受けた遺伝子治療薬「VB-111」につきましては、同社が米国を中心に実施していた再発悪性神経膠芽腫(rGBM)を対象とする第Ⅲ相臨床試験の結果について、2018年3月に同社発表のとおり、VB-111とアバスチン(一般名:ベバシズマブ)の併用投与群とアバスチン単独投与群との間における生存期間に差がみられませんでした。同社は、第Ⅱ相臨床試験で良好な成績が得られている状況から、VB-111単独の先行投与(プライミング投与)が必要であるとの仮説を打ち出しており、詳細な画像解析等を実施しております。また、同社はこれと併行して、仮説検証を含めたrGBMに対する医師主導の臨床試験を開始する計画であり、さらに消化器がんを対象にした免疫チェックポイント阻害剤との併用による共同臨床試験を実施する計画である旨、発表されました。当社は、同社が実施しているプラチナ耐性卵巣がんの第Ⅲ相臨床試験も含め、試験進捗情報を随時取得し、中間解析結果等を踏まえ、日本国内における開発方針を検討してまいります。
セオリアファーマ株式会社との間で2018年6月に締結した共同開発契約に基づき、準備を進めてきた耳鼻科領域における新医薬品等の開発候補品(ENT103)につきましては、2018年12月、第Ⅲ相臨床試験に関する治験計画届書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出し、受理されております。本剤は短期間で製造販売承認を取得し、製造から販売までの一貫体制の下、患者のQOL向上に役立つ医薬品を早期にお届けすることを目指します。
パクリタキセルミセル(NK105)につきましては、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬株式会社から、2018年2月、乳がんを対象に第Ⅱ相臨床試験を開始した旨発表されております。
※ オーファンドラッグ指定(希少疾病用医薬品指定)
米国における患者数20万人以下の希少疾病に対する新薬開発を促進するために米国FDAが与えるもので、オーファンドラッグの指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられます。また、米国政府からの補助金の獲得、臨床研究費用の税額控除、FDA申請における医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査に対しての優遇措置が受けられます。
(新規開発パイプラインの進捗状況)
新規開発パイプラインにつきましては、当社独自の先進基盤技術である抗体/薬物結合型ミセル「ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)」を次世代型DDS医薬品技術として開発しています。抗がん剤を内包しセンサーとなる抗体を結合したActive型ミセル化ナノ粒子は、標的とするがん細胞へのターゲティング性能を高めることによりさらに抗腫瘍作用を高め、治療域を拡大することが期待されます。また、低分子医薬品に加え、より副作用が少ないとされているsiRNAなどの核酸についても、独自の核酸デリバリー技術を確立し、さらに抗体を付加したActive型とすることでターゲティング機能を向上させた核酸医薬品の開発を進めております。
また、技術進化として新規センサーの検討に向けた共同研究なども実施しており、ADCMの最適化やさらなる発展を目指しています。JCRファーマ株式会社との間では、脳内デリバリー創薬に関する共同研究契約を締結し、当社のADCM技術や、同社が有する脳内に薬剤を届けるための独自技術であるJ-Brain Cargo®(血液脳関門通過技術)など、両社が持つ技術や知見を融合し、革新的な脳内デリバリー医薬品の実現を目指した共同研究を推進しております。
(事業開発の状況)
事業開発活動につきましては、2018年4月、ノーリツ鋼機株式会社及び株式会社ジーンテクノサイエンスとの間で事業化ノウハウを組み合わせたバイオ事業の創出を目的とした業務提携契約を締結いたしました。さらに、当社はノーリツ鋼機株式会社が間接的に100%の持分を保有するノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社が所有する株式会社ジーンテクノサイエンスの普通株式500,000株を取得し同社に資本参加するとともに、ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社が当社の普通株式1,500,000株を取得する資本提携を行いました。
また、2018年1月より、セオリアファーマ株式会社との間で業務提携に向けた検討を行ってまいりましたが、その一環として、2018年6月に共同開発契約を締結いたしました。本契約に基づき、耳鼻科領域における第Ⅲ相臨床試験における患者登録を開始しております。
さらに、2019年4月、株式会社エイオンインターナショナルとの間で同社の再生医療用PRP(血小板濃縮血漿)分離器である「Aeon Acti-PRP」の国内販売代理店契約を締結いたしました。国内においては産婦人科PRP研究会が発足されており、臨床研究が行われております。不妊症患者の血液からPRPを分離して子宮内注入することにより不妊症の治療を目指すもので、国内初の新規事業として展開する予定です。
(化粧品事業の状況)
化粧品事業につきましては、株式会社アルビオンとの共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」のインターネット販売及びカウンセリング販売を行っております。大手百貨店や化粧品専門店の他、全国の美容室へ取扱い店舗を拡大するとともに、インターネット販売においてはECサイト、SNSやメールマガジン等を活用したオムニチャネル化を推進しております。また、同社が販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシアALホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の原材料を供給しております。同社とは、次世代型エクラフチュールの開発に向けた共同研究開発も進め、その成果として、2018年10月、「エクラフチュールd」が同社より発売されました。同製品には、当社が開発した肌細胞への吸着に着目した化粧品用ミセル化ナノ粒子「ナノセスタEX」を用いた原材料を供給しております。
また、化粧品開発における皮膚浸透性の研究を基に、皮膚科領域における医薬品開発の可能性を見いだしており、今後、皮膚科領域での医薬品にも応用展開を目指してまいります。
以上の結果、当事業年度は、開発マイルストーン収入、化粧品材料供給収入、化粧品売上等により売上高は496,732千円(前事業年度売上高259,097千円)、営業損失は1,802,313千円(前事業年度営業損失5,351,438千円)、主に定期預金にかかる受取利息13,325千円、主に外貨建て債券にかかる有価証券利息3,513千円、外国為替相場の変動による為替差益22,311千円等により経常損失は1,774,496千円(前事業年度経常損失5,304,445千円)となり、新株予約権戻入益22,563千円、固定資産の減損処理等による減損損失52,728千円等を計上した結果、当期純損失は1,808,510千円(前事業年度当期純損失5,416,808千円)となりました。
当事業年度末における財政状態につきましては、資産は、前事業年度末に比べ941,182千円増加し、8,568,179千円となりました。負債は、前事業年度末に比べ276,691千円減少し、2,688,612千円となりました。純資産は、当期純損失の計上、第三者割当増資及び新株予約権の行使による株式の発行等により、前事業年度末に比べ1,217,874千円増加し、5,879,566千円となりました。
なお、2018年6月22日開催の第22回定時株主総会において、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分について承認可決され、2018年8月1日付で効力が発生しており、資本金11,001,440千円及び資本準備金6,739,979千円がそれぞれ減少し、繰越利益剰余金が17,741,419千円増加しております。
また、2019年4月25日開催の取締役会において、株式会社ウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めるウィズ・ヘルスケア日本2.0投資事業有限責任組合及びTHEケンコウFUTURE投資事業有限責任組合を割当予定先とする第三者割当の方法による行使価額修正条項付第4回無担保転換社債型新株予約権付社債並びに第17回行使価額修正条項付新株予約権及び第18回新株予約権の募集を行うことを決議し、2019年5月13日付で割当を実施いたしました。なお、行使価額修正条項付第4回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第17回行使価額修正条項付新株予約権の発行に係る払込みについては、金銭による払込みに代えて、当社が2015年10月8日に発行した第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の、2019年4月25日時点で残存する全部が出資されたため、実質的には第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の条件変更(リファイナンス)としての効果を有しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
さらに、2019年4月25日開催の取締役会において、当社との間で資本業務提携を行っているOEPの100%子会社であるCyntec Co., Ltd.に対する第三者割当による新株式の発行を決議し、2019年5月13日付で割当を実施いたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前事業年度末に比べ376,809千円増加し3,065,334千円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税引前当期純損失1,804,880千円に、減損損失52,728千円、売上債権の増加額100,945千円、たな卸資産の減少額118,879千円、前渡金の増加額57,210千円、未払費用の減少額176,234千円等の調整がされた結果、2,037,259千円の支出(前事業年度は4,927,585千円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、992,275千円の支出(前事業年度は214,729千円の収入)となりました。定期預金の預入による支出2,707,788千円、定期預金の払戻による収入2,207,195千円、有価証券の取得による支出9,400,000千円、有価証券の償還による収入10,131,620千円、投資有価証券の取得による支出1,216,000千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,384,637千円の収入(前事業年度は24,065千円の収入)となりました。第三者割当による株式の発行による収入1,199,668千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入2,237,913千円、自己新株予約権の取得による支出83,058千円等によるものです。
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注)1.主要な輸出先並びに輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。
なお、( )内は総販売実績に対する輸出販売高の割合であります
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は6,985,895千円(前事業年度末は6,841,222千円)となり、144,673千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加877,402千円、有価証券の減少718,720千円、たな卸資産の減少118,879千円によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,582,283千円(前事業年度末は785,773千円)となり、796,509千円増加しました。これは主に投資有価証券の増加853,203千円によるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は178,356千円(前事業年度末は450,694千円)となり、272,338千円減少しました。これは主に未払費用の減少176,234千円によるものです。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は2,510,256千円(前事業年度末は2,514,610千円)となり、4,353千円減少しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は5,879,566千円(前事業年度末は4,661,692千円)となり、1,217,874千円増加しました。これは主に資本金の増加1,743,956千円、資本剰余金の増加1,743,956千円、利益剰余金の減少1,808,510千円、その他有価証券評価差額金の減少358,251千円、新株予約権の減少103,277千円によるものです(下記無償減資による影響を除いて分析)。
なお、2018年6月22日開催の第22回定時株主総会において、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分について承認可決され、2018年8月1日付で効力が発生しており、資本金11,001,440千円及び資本準備金6,739,979千円がそれぞれ減少し、繰越利益剰余金が17,741,419千円増加しております。
(2) 経営成績
当事業年度における経営成績については、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フロー
当社は現在、主たる定例的な営業収益がありませんので、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出を、主に株式の発行による収入で賄っております。当事業年度末日現在の資金残高は3,065,334千円で、資金外である長期の定期預金や短期の有価証券まで合わせますと6,566,689千円となります。さらに、2019年5月13日には約63億円のファイナンスも実施いたしました。このファイナンスでは、株価の低迷により償還の可能性が高まっていた転換社債型新株予約権付社債2,475,000千円をリファイナンスしており、転換社債型新株予約権付社債がすべて転換された場合は、合計で約88億円のファイナンス効果を有しております。
一方支出側としましては、当期純損失が1,808,510千円、進行期であります第24期の予想当期純損失が1,450百万円でありますので、当面の研究開発資金の確保、また事業の進捗によるライセンスインやM&A等の支出にも対応できる資金の確保までできていると判断しております。
(1)技術導出契約
① 実施許諾基本契約
② EXTENDED LICENSE AGREEMENT for NC-6004 Technology
③ License and Collaborative Development Agreement for NC-6004 Technology
(2)技術導入契約
① 実施許諾契約書
② License Agreement
③ DEVELOPMENT, COMMERCIALIZATION AND SUPPLY AGREEMENT
(3)供給契約
供給契約書及び確認書
(4)その他の契約
① 共同研究契約書及び覚書
② 共同開発契約書
③ 共同開発及び共同商業化に関する契約書
当社における研究開発は、研究部及び臨床開発部を中心に実施しております。当事業年度末現在で、研究開発スタッフは33名にのぼり、これは総従業員の78.6%に当たります。
当社は当事業年度において、以下のような研究開発活動を実施しており、研究開発費の総額は
(1) 当社の研究開発活動の概要
「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、当社の主たる事業目的は、日本発のナノテクノロジーに基づくミセル化ナノ粒子をコア技術として、主にがん領域において新しい医薬品を生み出し、社会に提供することです。
前述のとおり当社の研究開発活動は、研究部及び臨床開発部を中心に実施しておりますが、共同研究契約を締結している場合は締結先との共同研究により実施しております。
(2) サイエンティフィック・アドバイザーについて
当社は社外の研究者とサイエンティフィック・アドバイザー契約を締結しており、最先端の研究成果を当社の研究開発に生かせる体制を整えております。
(3) 当社の開発品目ごとの研究開発状況について
<開発品目>
当社の開発品目は、現在、主要パイプライン4品目が臨床試験の段階にあり、1品目が臨床試験計画中であります。この他、新規開発パイプラインの研究開発を進めており、グローバルな事業展開を目指しております。
(主要パイプライン)
各パイプラインの概要は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 ⑥当社の主要パイプラインについて」に記載のとおりであります。
(新規開発パイプライン)
次世代パイプライン候補の概要及び進捗状況は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 ⑦次世代パイプライン候補について」に記載のとおりであります。