(1)経営方針
当社は、「ナノテクノロジーを用いて新しい医薬品を創出し、人々の健康とQOLの向上に貢献する」ことをミッションとし、「がん領域のイノベーションファーマとして、世の中に必要とされる『ファーストワン』を目指す」ことをビジョンに掲げ、事業を推進しております。
(2)目標とする経営指標
当社は医薬品等の研究開発を主たる事業として展開しておりますが、新薬の開発には長期にわたり多額の研究開発投資を要するため、現時点では継続的な事業利益を計上する段階には至っておりません。
当社のビジネスモデルは、①自社開発、②共同研究開発、③ライセンスアウト、④ライセンスインの4つの形態をとっており、既存のパイプラインについては、その進捗状況、提携先の開拓状況、資金等を勘案したうえで、①自社開発から②共同研究開発又は③ライセンスアウトへ、②共同研究開発から③ライセンスアウトへ移行することや、④ライセンスインにより新規のパイプラインを獲得すること、また、化粧品事業等他分野へ進出すること等により、事業進捗の加速化、研究開発費の負担軽減、安定収入の確保等に努めております。
当社は、このような事業活動の推進により、早期に継続的な黒字化を実現することを中長期的な目標としております。
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社は、既存事業であるミセル化ナノ粒子技術をコア技術とした医薬品開発を推進しつつ、当社の成長戦略として“早期収益化と革新技術の取り込みを推進”を掲げ、以下の3項目を重点目標としており、これらを最優先の対処すべき課題と認識しております。
①後期臨床開発への集中
当事業年度に引き続き、開発ステージ後期のパイプラインであるVB-111、ENT103、NC-6004の臨床開発に集中し、早期のライセンスアウト及び承認申請による収益化を目指し開発を推進します。
VB-111は、VBLが進める国際共同第Ⅲ相OVAL試験に参画し、国内における第Ⅲ相臨床試験の患者リクルートを開始しております。国際共同第Ⅲ相臨床試験に途中から日本が参画することで、開発期間を大幅に短縮して国内での承認取得を目指すことができます。標準治療がないプラチナ抵抗性卵巣がんに対する新たな治療法を提供するため、本製品の早期の国内上市を目指しております。
ENT103は、セオリアファーマ株式会社との共同開発により中耳炎を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。本試験は耳科領域では四半世紀ぶりとなる本格的な国内治験であり、新規の治療薬を市場投入するため、本試験の早期終了と製造販売承認申請を目指しております。
NC-6004は、頭頸部がんを対象に、免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ®」との併用による第Ⅱb相臨床試験を欧州、台湾において実施中です。がん治療の中心となった免疫チェックポイント阻害剤の併用薬としての製剤価値を創造し、本試験終了後のライセンスアウトを目指しております。
②核酸創薬の推進
核酸創薬においては、siRNA医薬、ASO医薬、mRNA医薬の3つのモダリティを進めており、そのパイプライン及びパイプライン候補は次表のとおりです。核酸創薬の推進により、低分子や抗体医薬では難しいとされた標的分子に対する新しい治療法を提供する臨床パイプラインの拡充を図ります。核酸創薬は新たな治療域を創造し、新たなマーケットを創出すると期待されています。当社が臨床開発中の既存パイプラインにこれら新規パイプラインが加わることで、当社パイプラインのポートフォリオが充実し、当社の収益向上に寄与することを目指します。
■核酸創薬分野のパイプライン及びパイプライン候補の概要
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モダリティ |
ターゲット |
現在の状況 |
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siRNA医薬 |
PRDM14 |
siRNAと当社独自の核酸デリバリー技術からなる核酸医薬(NC-6100)であり、治癒的切除不能又は遠隔転移を有する再発乳がんを対象に公益財団法人がん研究会有明病院において医師主導第Ⅰ相臨床試験が開始されております。 |
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ASO医薬 |
TUG1 |
ASOと当社独自のデリバリー技術からなる核酸医薬であり、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学との共同研究プロジェクトです。次期パイプライン候補として、非臨床試験を推進中です。本件は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業に採択されております。 |
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mRNA医薬 |
RUNX1 |
mRNA医薬を用いた変形性関節症に対する機能維持治療法の開発を目指すものであり、AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業に採択され、アクセリード株式会社と共同で設立した株式会社PrimRNAが主体となり研究開発を推進します。 |
③M&Aや提携の推進
グローバルで最先端の新しい治療法の獲得、オープンイノベーションで多様な革新的技術の取り込みを推進し、創薬企業として持続成長モデルの実現を目指します。当社は従来より、医薬品事業の経営基盤構築や関連事業や周辺事業の拡大を加速させるための、資本・事業提携等による外部経営資源の活用や外部成長の取り込みを図るためのM&A等に関する検討を行っており、その一環として、2020年9月にアキュルナ株式会社を吸収合併しております。今後もM&A相手先企業について、引き続き幅広く検討してまいります。今後は、1)核酸創薬等の事業拡大のための有力な企業、2)医薬品事業の経営基盤強化(開発、製造、販売体制構築等)の上で有力な企業との業務提携や新規事業が検討対象となります。この他、当社は2017年11月にVBLから「VB-111」の国内開発権をライセンス・インしていますが、このような臨床後期ステージの有力な他社パイプラインの導入等も対象に検討を進めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関しましては、現時点において、主に以下の事象の発生を予想しております。
・臨床開発段階のパイプラインにおける患者登録の遅れに伴う試験期間の延長
・百貨店等における化粧品の店頭販売の低迷等に伴う当社化粧品材料供給収入の減少
当社の主たる事業は医薬品等の研究開発にあるため、当社への影響は限定的と考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
1.パイプラインに関するリスク
(1)既存のパイプラインの進捗に関するリスク(特に重要なリスク)
当社は、新規医薬品を創出することを目的に複数のパイプラインの研究及び開発を進めておりますが、当社のすべてのパイプラインは研究開発途中であり、臨床試験段階における有害事象の発生等により、開発中止や遅延等の可能性が常に存在します。また、当社が意図しない提携解消の可能性、臨床開発が一定の段階まで進捗した際にライセンスアウトできない可能性、ライセンスアウトできたとしても当社の望む契約条件とならない可能性等もあります。
これらが顕在化した場合、研究開発の遅延、研究開発コストの増加、将来の売上高の減少等により、投下資金の回収が困難又は遅延することとなり、株価の低迷や他のパイプラインへの悪影響等も想定され、研究開発計画及び経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
当社は後述のとおり小規模組織であるため、選択と集中によるパイプラインの優先順位付けと絞り込みを行い、経営資源の効率的な投入、プロジェクト管理の徹底及び強化、医療ニーズや開発トレンドに応じた開発方針の変更、提携先の探索、新規パイプラインの拡充等により本リスクの低減に努めております。
(2)新規パイプラインの拡充に関するリスク
当社は、現時点においては既存のパイプラインの進捗を最優先として推進しているものの、経営基盤強化のためには、新たなパイプラインを増やしていく必要があると考えており、研究段階プロジェクトの臨床段階へのステージアップ、提携やM&A等による他社の技術やパイプラインの導入も並行して検討を進めております。しかしながら、研究段階プロジェクトが想定通りに臨床段階へステージアップできない可能性、他社の技術やパイプラインの導入ができない可能性、導入できたとしても製造販売承認を取得できない可能性等があります。
これらが顕在化した場合、中長期的な事業計画、事業目標の達成が困難となるおそれがあります。また新規パイプラインの拡充は、既存のパイプラインのバックアップにもなりうるため、「(1)既存のパイプラインの進捗に関するリスク」が顕在化した場合のリスクヘッジ機能が低下するおそれもあります。
このため、研究段階プロジェクトのステージアップについては、優先順位付けと絞り込みを行い、経営資源を効率的に投入しております。また、他社の技術やパイプラインの導入については、対象となる企業、技術、パイプライン等に関する詳細なデューデリジェンスを行うなど、意思決定に必要十分な情報を収集し、企業価値、事業価値、シナジー等について慎重に評価検討することとしております。
2.研究開発資金の確保に関するリスク(特に重要なリスク)
当社はいち早く新薬の製造販売承認を取得すべく研究開発に邁進しておりますが、新薬の開発には長期にわたり多額の研究開発投資を要するため、営業キャッシュ・フローがマイナスの状態が続いております。当社において研究開発資金の確保は重要課題の1つでありますが、これまでに実施したファイナンス等により当面の研究開発資金の確保、またライセンスインやM&A等の支出にも対応できる資金の確保までできていると判断しております。しかしながら、研究開発が計画通りに進捗する保証はないため、研究開発の遅延等が生じ、研究開発資金に不足が予想された場合には新たな資金調達が必要となります。適切なタイミングで十分な資金調達ができなかった場合には事業存続に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
このため、選択と集中によるパイプラインや研究段階プロジェクトの優先順位付けと絞り込みを行い、経営資源の効率的な投入、プロジェクト管理の徹底及び強化、その他コスト削減策の実施等により支出を抑えております。また、資金調達が必要となった場合に備え、効果的かつ効率的な資金調達手段を検討しております。さらに、医療ニーズや開発トレンドに応じた開発方針の変更、提携先の探索等、多角的に本リスクの低減に努めております。
3.小規模組織であることに関するリスク
(1)人材の確保及び特定人材への依存に関するリスク
当事業年度末現在、当社は従業員数27名の小規模組織であります。限られた人的資源に依存しているため、従業員に業務遂行上の支障が生じた場合や大量に退職した場合には、各種業務に影響を及ぼすおそれがあります。また、事業ステージにあわせた採用計画を立案、実施しておりますが、想定したタイミングで適切な人材を採用できなかった場合も、各種業務に影響を及ぼすおそれがあります。
このため、教育訓練の実施、業務の文書化等、内部統制のフレームワークを活用した属人化の解消策等により、人材のバックアップ体制を拡充しております。また株式報酬制度の導入等による従業員へのインセンティブの付与や成果主義に基づく人事制度の導入等により従業員のモチベーション向上にも努めております。
(2)第三者への依存に関するリスク
現在当社は、医薬品開発企業として必要な機能のすべては有していないため、それらの業務については外部へ委託しており、主には、臨床試験については開発業務受託機関に、治験薬の製造については医薬品製造受託機関等にそれぞれ委託しております。これら受託機関等の倒産、契約の解消、当社が望む条件で契約締結又は更新できない等の可能性があり、当社は第三者への依存度が高い状況にあるため、これらリスクが顕在化した場合、代替機関の選定や移管のためのコスト増、臨床試験の遅延等が生じ、事業継続に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
委託先とは相互利益の考えのもとに契約を締結しており、今後もこの考えを継続することで現契約の維持につながると考えております。また、定期的な連絡会議や担当者レベルでの日常的なコミュニケーション等により、関係の強化や認識の共有等にも努めております。万が一の事態に備え、代替候補先の探索検討を行うことでも、本リスクの低減を図っております。
(3)M&Aに関するリスク
当社は、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業や周辺事業の拡大のためには、提携やM&A等を通じた外部経営資源の活用や外部成長の取り込みを図っていくことが有力な選択肢になると考えており、適宜、探索や検討を進めております。また並行して、外部からのパイプラインの導入、製薬やバイオ企業への投資又は買収等も検討しておりますが、かかる導入、投資又は買収等が成功する保証はなく、想定した時期に提携やM&A等が成立する保証もなく、また、成立しても想定したシナジー効果が得られない可能性もあり、中長期的な事業目標が達成できないおそれがあります。
このため、提携やM&A等の検討にあたっては、対象となる企業に関する詳細なデューデリジェンスを行うなど、意思決定に必要十分な情報を収集し、企業価値、事業価値とシナジー等について慎重な評価検討を行うこととしております。
4.その他のリスク
(1)競合に関するリスク
当社はミセル化ナノ粒子技術をコアとして、現時点では主に抗がん剤領域の医薬品開発を実施しております。抗がん剤を含めた新規医薬品の市場は国内外を問わないことから、常に日本国内のみならず世界中の同業他社と競合状態にあります。当社としては、いち早く新薬の製造販売承認を取得すべく研究開発に邁進しておりますが、他社がより優位性のある製品を開発した場合、当社技術を利用した医薬品開発の成功確率が低下する可能性があり、事業継続に重大な影響を及ぼすおそれがあります。また将来当社が製造販売承認を取得した後に他社がより優れた製品の製造販売承認を取得した場合、将来の売上高の減少等により、経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
このため、技術の改良や深化に努めて当社技術の優位性を確保し続けるとともに、他分野への進出や他社の技術の導入等により本リスクの低減を図っております。
(2)知的財産に関するリスク
当社が現在臨床開発を推進しているパイプラインは、当社が保有又は当社が他者からライセンスインをしている特許権若しくは特許出願を基礎とするものであり、これらの特許は医薬品市場の大きい米国、ヨーロッパ及び日本を含むアジアを中心に出願されております。
しかしながら、現在出願中の特許が全て成立するとは限らず、また、当社が事業活動を行う全ての地域又は競合相手が存在する全ての地域において特許を出願しているわけではありません。また、特許が成立しても、当社の研究開発を超える優れた研究開発により当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在します。これらが顕在化した場合、当社パイプラインの開発継続が困難になるなど、事業継続や経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。さらに、当社の今後の事業展開の中でライセンスインする必要のある特許が生じ、そのライセンスインができなかった場合や、多額の実施料の支払いが必要になった場合には、研究開発コストの増加など、事業計画や経営成績等に影響を及ぼすおそれがあります。
なお、当事業年度末現在において、当社の開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生した事実はありませんが、他者が当社と同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後も当社が他者の特許に抵触するような問題が発生しないという保証はありません。このような問題を未然に防止するため、当社及び特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、現時点において当社技術が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって、このような知的財産権の侵害に関する問題の発生を完全に回避することは困難であり、第三者との間で特許権に関する紛争が生じた場合又は当社が共同研究開発の相手方と第三者の紛争に巻き込まれた場合には、事業戦略や経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
(3)製造物責任に関するリスク
医薬品の開発及び製造には、製造物責任のリスクが内在します。将来、当社が開発し製品として販売された医薬品が健康障害を引き起こした場合若しくは臨床試験、製造、営業又は販売において不適当な点が発見された場合、当社は製造物責任を負うこととなり、売上高の減少や損害賠償費用等、経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。また、たとえ当社に対する損害賠償の請求等が認められなかったとしても、損害賠償請求が与えるネガティブなイメージにより、当社及び当社が開発した医薬品に対する信頼性に悪影響を及ぼし、事業継続に影響を及ぼすおそれがあります。
現時点において当社の医薬品事業は研究開発段階であるため、本リスクの可能性は製造業務、つまり委託先に内在すると考えており、製造委託機関への監査等を実施することで、品質管理とその維持に努めております。(化粧品事業については、「(4)化粧品事業に関するリスク」を参照)
(4)化粧品事業に関するリスク
当社はミセル化ナノ粒子技術の応用範囲を広げ、株式会社アルビオンとの共同開発により、化粧品事業を展開しております。当社は主に、同社に対し化粧品の材料供給を行っております。
化粧品業界は、参入障壁が低いこともあり、激しい企業間競争にさらされておりますが、当社は同社とともに既存の製品にない画期的な製品を開発し、また同社の持つブランド力、マーケティング力及び販売力を活用することにより、現時点において化粧品事業は堅調に進捗しております。しかしながら、他社がより優位性のある製品を発売した場合や、顧客のニーズの移り変わりなど、市場から受け入れられなくなるリスクは常に存在し、これらのリスクが顕在化した場合、化粧品材料供給収入の減少等、経営成績等に影響を及ぼすおそれがあります。このため、消費者ニーズのタイムリーな把握による製品の改良、新製品の開発等により本リスクの低減に努めております。
また、化粧品事業は株式会社アルビオンに対する依存度が高く、契約の解消や当社の望む条件で契約更新できなかった場合等、化粧品事業の継続に重大な影響を及ぼすおそれがあります。同社とは相互利益の考えのもとに契約を締結しており、今後もこの考えを継続することで現契約の維持につながると考えております。また、定期的な連絡会議や担当者レベルでの日常的なコミュニケーション等により、関係の強化や認識の共有等にも努めております。
さらに、当社の供給する原材料等の品質管理には検査の徹底等により万全を期しておりますが、品質や安全性について疑義が生じた場合は、化粧品材料供給収入の減少等により経営成績等に影響を及ぼすおそれがあり、また結果的に当社の製品及び原材料に品質欠陥や安全性に関する問題が生じなかった場合においても、風評被害等により、同様の影響を受けるおそれがあります。このため、製造委託機関による品質適合検査の実施及び当社による検査結果の確認等により、品質管理とその維持に努めております。
5.新型コロナウイルス感染症に関するリスク
今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、世界各国の経済活動に影響が及んでおります。当社は医薬品等の研究開発段階にあるため、当社への影響は限定的と考えておりますが、①臨床開発段階のパイプラインにおける患者登録の遅れに伴う試験期間の延長、②百貨店等における化粧品の店頭販売の低迷等に伴う当社化粧品材料供給収入の減少等の可能性があり、本リスクは今後、新型コロナウイルス感染症の収束後数ヵ月乃至数年程度存在すると予想しております。①については、治験登録施設の追加等を実施しておりますが、臨床開発の遅延による開発コストの増加、将来の売上高の計上時期の遅れ等の可能性があり、②については、対策が困難であるため、化粧品材料供給収入の減少等の可能性が高く、いずれも経営成績等や事業展開に影響を及ぼすおそれがあります。
(業績等の概要)
(1)業績
当事業年度における我が国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により経済活動が制限され、企業収益の悪化や雇用情勢の低迷が続いており、大変厳しい状況で推移いたしました。政府による社会経済活動と感染拡大防止の両立に向けた施策、ワクチン接種の進捗等により景気回復が期待されますが、変異ウイルスの脅威や感染再拡大の懸念等から、国内外ともに先行き不透明で予断を許さない状況になっております。
このような経済環境のもと、当社は主要パイプラインの開発推進、新規パイプラインの探索、経営基盤強化のためのM&A等による外部経営資源の活用などに積極的に取り組んでまいりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当事業年度における業績への影響につきましては、当社は医薬品等の研究開発段階にあるため、軽微であったと判断しております。
(ミセル化ナノ粒子による臨床パイプラインの進捗状況)
主要パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。
NC-6004(シスプラチンミセル)につきましては、ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.と共同で頭頸部がんを対象に、NC-6004及び免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ®」との併用による第Ⅱ相臨床試験を実施しております。欧米地域において、2019年7月より投与を開始し、2020年6月、第Ⅱa相試験の主要評価項目(キイトルーダ®併用時の推奨用量の決定)を達成し、2020年11月、欧州、台湾において第Ⅱb相試験を開始いたしました。本試験は、キイトルーダ®単剤との比較試験です。
NC-6300(エピルビシンミセル)につきましては、米国で軟部肉腫を対象に第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を実施中です。対象疾患として第Ⅰ相パート試験で有効性が示唆された軟部肉腫の一種である血管肉腫にターゲットを絞り、有効性及び安全性を確認する追加試験を実施しており、2020年10月に患者登録が完了しております。現在も治験薬の投与が継続されておりますが、並行してデータ解析を実施しております。なお、本剤は米国食品医薬品局(FDA)より本適応に対するオーファンドラッグの指定※1を受けております。
新たに拡充いたしました乳がんの約50%で過剰発現する転写因子PRDM14に対するsiRNA医薬NC-6100(SRN-14/GL2-800)につきましては、治癒的切除不能又は遠隔転移を有する再発乳がんを対象に公益財団法人がん研究会有明病院において2020年9月より医師主導第Ⅰ相臨床試験が開始されました。本剤は2020年9月1日付で統合したアキュルナ株式会社と複数のアカデミア研究機関が共同研究を進めてきた核酸プロジェクトの一つです。
NK105(パクリタキセルミセル)につきましては、2021年5月、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬株式会社から、第Ⅱ相臨床試験結果より乳がんでの開発を中止する旨発表されております。
※1 オーファンドラッグ指定(希少疾病用医薬品指定)
米国における患者数20万人以下の希少疾病に対する新薬開発を促進するために米国FDAが与えるもので、オーファンドラッグの指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられます。また、米国政府からの補助金の獲得、臨床研究費用の税額控除、FDA申請における医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査に対しての優遇措置が受けられます。
(導入臨床パイプラインの進捗状況)
導入臨床パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。
Vascular Biogenics Ltd.(イスラエル、以下「VBL」といいます。)から国内の開発及び販売権に関するライセンスを取得した遺伝子治療製品 VB-111につきましては、現在、同社が米国を中心にプラチナ抵抗性卵巣がんを対象に国際共同第Ⅲ相臨床試験(OVAL試験)を実施しております。2020年3月、当社はOVAL試験に日本から参画することを決定し、準備を進めてまいりましたが、2020年11月、国内第Ⅲ相臨床試験開始のため、医薬品医療機器総合機構に対し治験計画届を提出し、治験実施施設において準備が進んでおります。現在、複数の施設において患者リクルートが開始されており、投与に向けた手続きが進捗しております。なお、当社は、2019年11月、同パイプラインの国内開発に向け、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法※2)に基づく第一種使用規程の厚生労働大臣・環境大臣連名による承認を取得しております。また、本製剤につきましては、VBLにおいて海外で大腸がん及び膠芽腫の第Ⅱ相臨床試験も進められております。
セオリアファーマ株式会社と共同開発中の耳鼻咽喉科領域における開発候補品 ENT103につきましては、国内において中耳炎を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施しております。新型コロナウイルス感染症の影響等により患者登録に遅れが生じておりますが、施設の入れ替えや医師との連携により、患者登録の加速化に努め、2021年5月に患者登録が完了しております。
※2 カルタヘナ法
生物の多様性を保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼす可能性のあるもの(人の健康に対する危険も考慮したもの)の安全な移送、取扱い及び利用の分野において十分な水準の保護を確保することに寄与することを目的として2003年に国際発効したカルタヘナ議定書を日本で実施するための法律です。遺伝子組換え生物等を用いた遺伝子治療臨床試験は、カルタヘナ法における拡散防止措置を執らずに行う使用等(第一種使用等)に該当します。遺伝子治療用製品の治験の実施にあたっては、第一種使用規程を定め、生物多様性影響評価書を提出して大臣承認を受ける義務があります。
(パイプライン拡充)
パイプライン拡充につきましては、吸収合併いたしましたアキュルナ株式会社が進めておりました核酸医薬品の研究を継承、推進しております。低分子医薬や抗体医薬では標的となり得なかった遺伝子からの転写因子であるRNAをターゲットとした新たな治療法の提供を可能とします。
国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学との共同研究プロジェクトである長鎖非翻訳RNA TUG1に対するASO(アンチセンスオリゴ)医薬は、臨床開発への移行を視野に入れた次期パイプライン候補として、非臨床試験を推進しております。本件は、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業に採択されております。
軟骨の増殖・分化に関わる転写因子RUNX1のmRNA医薬につきましては、2021年4月にアクセリード株式会社と共同で株式会社PrimRNAを設立し、非臨床試験の実施、GMP製造の確立及び第Ⅰ相臨床試験の実施に向け、事業を開始いたしました。本件は、AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業に採択されております。
アキュルナ株式会社から継承いたしました核酸医薬のDDS技術は、核酸医薬品の生体内での搬送上の課題を解決するとともに、従来のDDSの製造工程が複雑であるという課題を解決するもので、アカデミアとの共同研究や企業との協働により新規パイプラインの拡充を推進しております。
(事業開発の状況)
事業開発活動につきましては、2020年7月15日開催の取締役会において、当社を吸収合併存続会社、アキュルナ株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施することを決議し、同日付で同社との間で合併契約書を締結し、2020年9月1日付で実施いたしました。これにより、当社パイプライン及びパイプライン候補が拡充し、今後は核酸分野の更なる開発、mRNA創薬の一環としてのワクチン開発の推進等、シナジーの実現に向けた活動を推進してまいります。さらに、本合併の効力発生を契機に、同日付で研究部門と開発部門のより一層の連携と研究開発機能の強化を図ることを目的として、研究開発本部を創設する組織変更を行いました。
(販売事業の状況)
販売事業につきましては、株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシアALホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の当社技術を応用した原材料を供給しております。また、同社との共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth」事業を共同で推進しております。
株式会社エイオンインターナショナルから国内販売権を取得した「Acti-PRP(血球細胞分離器)」につきましては、産婦人科PRP研究会の会員施設に対し「Acti-PRP」を販売し、あわせて臨床研究を実施しております。
以上の結果、当事業年度は、開発マイルストーン収入、化粧品材料供給収入、化粧品売上、PRP事業に係る医療機器売上等により売上高は313,264千円(前事業年度売上高552,973千円)、営業損失は1,302,882千円(前事業年度営業損失1,105,796千円)、経常損失は1,278,764千円(前事業年度経常損失1,144,436千円)、当期純損失は2,835,793千円(前事業年度当期純損失2,009,676千円)となりました。なお、当事業年度におきまして、以下の営業外収益及び特別損失を計上しております。
・外国為替相場の変動による為替差益13,041千円を営業外収益に計上しております。これは主に、当社の保有する外貨建預金の評価替えにより発生したものであります。
・アキュルナ株式会社の吸収合併において発生したのれん1,553,178千円全額を減損処理したこと等により、減損損失1,553,251千円を特別損失に計上しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ2,078,844千円減少し1,891,799千円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税引前当期純損失
2,832,027千円に、減損損失1,553,251千円等の調整がされた結果、1,247,432千円の支出(前事業年度は1,138,665千円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、871,694千円の支出(前事業年度は112,337千円の支出)となりました。定期預金の預入による支出2,913,564千円、定期預金の払戻による収入1,426,489千円、有価証券の取得による支出11,800,000千円、有価証券の償還による収入12,400,000千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、11,461千円の支出(前事業年度は2,161,503千円の収入)となりました。主として自己新株予約権の取得による支出10,071千円によるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
(2)受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
(3)販売実績
当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
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当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
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販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
313,264 |
56.65 |
(注)1.主要な輸出先並びに輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。
なお、( )内は総販売実績に対する輸出販売高の割合であります
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輸出先 |
前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
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アジア |
317,696 |
100.0 |
150,845 |
100.0 |
|
合計 |
317,696 (57.5%) |
100.0 |
150,845 (48.2%) |
100.0 |
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
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Orient Europharma Co., Ltd. |
317,696 |
57.5 |
150,845 |
48.2 |
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株式会社アルビオン |
132,750 |
24.0 |
109,250 |
34.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は6,902,163千円(前事業年度末は7,919,858千円)となり、1,017,695千円減少しました。これは主に、当期純損失の計上に伴う現金及び預金の減少によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は918,805千円(前事業年度末は1,024,704千円)となり、105,899千円減少しました。これは主に、1年以内に満期が到来する投資有価証券の流動資産への振替によるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は265,374千円(前事業年度末は148,410千円)となり、116,964千円増加しました。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は55,622千円(前事業年度末は27,186千円)となり、28,436千円増加しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は7,499,972千円(前事業年度末は8,768,967千円)となり、1,268,994千円減少しました。これは主に、当期純損失の計上及び吸収合併に伴う新株式の発行によるものです。
(2)経営成績
当事業年度における経営成績については、「(業績等の概要) (1)業績」をご参照ください。
(3)キャッシュ・フロー
当社は現在、主たる定例的な営業収益がありませんので、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出を、主に株式の発行による収入で賄っております。当事業年度末日現在の資金残高は1,891,799千円ですが、一時的な余剰資金については預金又は元本維持を原則とした安全かつ流動性の高い金融商品等に限定して運用しており、それら預金や金融商品まで合わせますと6,402,385千円となります。
一方支出側としましては、当事業年度の経常損失は1,278,764千円、進行期であります第26期の予想経常損失が1,751百万円でありますので、当面の研究開発資金の確保、また事業の進捗によるライセンスインやM&A等の支出にも対応できる資金の確保までできていると判断しております。
なお、新型コロナウイルス感染症に関しましては、以上のとおり、当面の資金の確保ができておりますので、現時点において、当社キャッシュ・フローへの影響は軽微と考えております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。また、会計上の見積りにおける新型コロナウイルス感染症の拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(1)技術導出契約
① EXTENDED LICENSE AGREEMENT for NC-6004 Technology
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契約会社名 (契約締結日) |
契約期間 |
主な契約内容 |
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Orient Europharma Co., Ltd. (2012年11月7日) |
2012年11月7日(本契約締結日)から、NC-6004の開発、製造又は販売を行っている間。 |
① 当社はOrient Europharma Co.,Ltd.(OEP)に対し、アジア地域(日本、中国、インドを除き、オセアニアを含む。以下同じ)を対象とするシスプラチンミセル(NC-6004)の開発及び販売権に加え、ミセル原薬及び最終製剤に関する全世界における非独占的製造権を付与する。 ② アジア地域におけるNC-6004の開発に関しては、OEPが主体となり、当社は共同開発の立場で協力する。開発費用についてはOEPが負担する。 ③ OEPは、非独占製造権に対する対価として、開発、販売の段階に応じて当社に対し、最大で総額8億円のマイルストーンを支払うほか、販売数量に応じたロイヤリティの支払いを行う。 また、当社は製造に必要な原料の供給を行い、OEPはこの対価を支払う。 |
② License and Collaborative Development Agreement for NC-6004 Technology
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契約会社名 (契約締結日) |
契約期間 |
主な契約内容 |
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Orient Europharma Co., Ltd. (2018年7月20日) |
2018年7月20日(本契約締結日)から、NC-6004の開発、製造又は販売を行っている間。 |
① 当社はOrient Europharma Co., Ltd.(OEP)に対し、欧米地域を含み日本を除く地域におけるNC-6004の開発に関し、免疫チェックポイント阻害剤との併用かつ頭頸部癌に適応症を限定した範囲で開発権を付与し、OEPと当社は国際共同開発を行う。 ② 当該開発権付与の対価として、OEPは開発の段階に応じて当社に対し、総額8百万米ドルの開発マイルストーンを支払うほか、共同ライセンスアウト後の将来収益に応じたロイヤリティの支払いを行う。 |
(2)技術導入契約
① 実施許諾契約書
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契約会社名 (契約締結日) |
契約期間 |
主な契約内容 |
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株式会社先端科学技術インキュベーションセンター(現:株式会社東京大学TLO) (2001年1月26日) |
2001年1月26日から、対象特許が消滅するまで。 |
① 株式会社東京大学TLOは、株式会社東京大学TLOが所有する特許「シスプラチン内包高分子ミセル」について、日本国内及び当社が希望する外国において、シスプラチン内包ミセル等を開発、製造、販売することができる再実施許諾権付きの独占実施権及び専用実施権を当社に許諾する。 ② 当社は、実施権の対価として、一時金及び当社が実施した場合は当社の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を、当社が再実施許諾した場合は再実施権者の正味販売額に一定料率を乗じた実施料を株式会社東京大学TLOに支払う。 |
② DEVELOPMENT, COMMERCIALIZATION AND SUPPLY AGREEMENT
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契約会社名 (契約締結日) |
契約期間 |
主な契約内容 |
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Vascular Biogenics Ltd. (2017年11月3日) |
契約締結日から「VB-111」の日本国における製品販売終了又はロイヤリティ対象期間(データ保護期間中若しくは知財存続期間又は日本国初回販売開始時から15年間のいずれか長い期間)終了のいずれか長い期間。 |
① Vascular Biogenics Ltd.(以下、「VBL」)は、遺伝子治療製品「VB-111」の日本国における開発及び商業化に関する再許諾権付の独占実施許諾権を当社に付与する。 ② 本契約に基づき、VBLは当社に「VB-111」を供給し、当社は日本における商業化に向けた臨床開発及び販売を担当する。 ③ 当社はVBLに対して、契約締結時に契約一時金15百万米ドルを支払う。また開発ステージが一定の段階に進んだ段階で一定のマイルストーンや、上市後は売上に応じた対価を支払う。 |
(3)供給契約
供給契約書及び確認書
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契約会社名 (契約締結日) |
契約期間 |
主な契約内容 |
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日油株式会社 (2014年2月7日) |
ポリマー供給に関する新たな契約が締結・発効するまで。 |
当社及び当社の提携先が、ミセル化ナノ粒子を利用した新規医薬品の研究・開発・製剤の商業的製造のために必要とするポリマーを、日油株式会社が当社に独占的に製造供給する供給契約書の契約期間満了(2013年12月15日)後も、合意した条件に従い、同社よりポリマー製造供給を受ける。 |
(4)その他の契約
① 共同開発契約書
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契約会社名 (契約締結日) |
契約期間 |
主な契約内容 |
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株式会社アルビオン (2016年3月24日) |
2015年7月30日から、2024年3月31日まで。 |
① 当社と株式会社アルビオン(以下、「アルビオン」)は、当社が所有する最新の医薬品技術を応用した新しい化粧品素材の共同開発を行い、その素材を使用した化粧品をアルビオンが製品化する。 ② 当社は、化粧品素材として使用される原料の供給を行い、アルビオンは、本素材を用いた新しい化粧品の製造・販売に向け、開発を推進する。 ③ アルビオンは当社に対し、当社技術利用の対価として一定額を支払う。また、当社から供給された原料の対価を支払う。 |
② 共同開発及び共同商業化に関する契約書
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契約会社名 (契約締結日) |
契約期間 |
主な契約内容 |
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セオリアファーマ株式会社 (2018年6月14日) |
2018年6月14日から、両社が解約に合意するまで。 |
当社とセオリアファーマ株式会社(以下、「セオリア」)は、セオリアが所有する医療用医薬品候補物の商業化に向けた共同開発を行い、製造販売承認の取得及び販売を早期に開始するため、相互に協力し推進する。 |
③ 合併契約
当社は、2020年7月15日開催の取締役会において、当社を吸収合併存続会社、アキュルナ株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施することを決議し、同日付で同社との間で合併契約書を締結いたしました。なお、本合併は2020年9月1日付で予定どおり実施いたしました。
詳細は、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)に記載のとおりであります。
当社における研究開発は、研究部及び臨床開発部を中心に実施しております。当事業年度末現在で、研究開発スタッフは19名にのぼり、これは総従業員の70.3%に当たります。
当社は当事業年度において、以下のような研究開発活動を実施しており、研究開発費の総額は
(1)当社の研究開発活動の概要
「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、当社の主たる事業目的は、有効な治療法がない患者さんに対し新たな治療を提供することを目指し、独自のDDS技術を活用した抗がん剤の開発や、新しいモダリティ技術による遺伝子治療製品、核酸創薬による難治がん治療薬や再生医薬の開発に取り組み、これらの医薬品を患者さんにお届けし、健康と幸福に貢献することです。
前述のとおり当社の研究開発活動は、研究部及び臨床開発部を中心に実施しておりますが、共同研究契約を締結している場合は締結先との共同研究により実施しております。
(2)サイエンティフィック・アドバイザリーボードについて
当社は、社外専門家からの専門的な意見や提言を当社の更なる研究開発の推進及び事業運営に生かすことを目的に、サイエンティフィック・アドバイザリーボードを設置しております。当社のコア技術であるミセル化ナノ粒子技術の専門家からの知見や見識に基づく助言及び提言を受けるとともに、最先端の研究成果を当社の研究開発に生かすことにより、より効率的でより高い研究開発成果を得る体制を整えております。
(3)当社の開発品目ごとの研究開発状況について
<開発品目>
当社の開発品目は、現在、パイプライン5品目が臨床試験の段階にあります。この他、次期パイプライン候補の研究開発を進めており、グローバルな事業展開を目指しております。
(臨床パイプライン)
各パイプラインの概要は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 ⑦ 当社のパイプラインについて」に記載のとおりであります。
(次期パイプライン候補)
次期パイプライン候補の概要及び進捗状況は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 ⑧ 次期パイプライン候補について」に記載のとおりであります。