第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

なお、第1四半期会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴う影響は軽微であり、詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

(1)業績の状況

当社は、製品の製造販売承認申請とライセンスアウトを加速するため、後期臨床開発品に引き続き集中し、その開発を推進しております。また、中長期的な戦略として、自社技術を核とした核酸医薬をはじめとする最先端となる次世代モダリティの取り込みなどM&Aや提携を推進し、創薬事業の拡大にも積極的に取り組んでまいりました。

なお、新型コロナウイルス感染症の当四半期累計期間における業績への影響につきましては、当社は医薬品等の研究開発段階にあるため、軽微であったと判断しております。

 

臨床パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。

Vascular Biogenics Ltd.(イスラエル、以下「VBL」といいます。)から国内の開発及び販売権に関するライセンスを取得した遺伝子治療製品 VB-111につきましては、現在、同社が実施しているプラチナ製剤抵抗性再発卵巣がんを対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(OVAL試験)に日本から参画し、当社が日本国内における臨床試験を実施しております。OVAL試験は目標症例数400例のうち、2022年1月現在で350例以上の症例登録を完了しており、2021年度中の目標症例登録数完了を見込んでおります。このうち国内においては、12施設で臨床試験を実施しており、2021年6月に投与開始、2021年12月に国内目標症例数である30例を達成いたしました。本OVAL試験の結果については、早ければ2022年後半にPFS(無増悪生存期間)の結果取得が想定されています。なお、VBLにより海外で大腸がん及び膠芽腫(こうがしゅ)の第Ⅱ相臨床試験も進められております。

セオリアファーマ株式会社(以下「セオリアファーマ」といいます。)と共同開発中の耳鼻咽喉科領域におけるパイプライン ENT103につきましては、国内において中耳炎を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施しておりましたが、2021年5月に目標症例数200例の症例登録が完了し、2021年9月に持続する膿性耳漏を有する中耳炎の臨床所見を有意に改善したことが確認され、主要評価項目を達成いたしました。現在、セオリアファーマが製造販売承認申請に向けた準備を進めております。

当社独自技術のミセル化ナノ粒子によるパイプライン NC-6004(シスプラチンミセル)につきましては、ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.と共同で頭頸部がんを対象に、NC-6004及び免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ®」との併用による第Ⅱ相臨床試験を実施しております。2020年6月、第Ⅱa相試験の主要評価項目(キイトルーダ®併用時の推奨用量の決定)を達成し、2020年11月より、欧州、台湾においてキイトルーダ®単剤との比較試験となる第Ⅱb相試験を実施しており、2021年12月に目標症例数124例(ランダム化症例)を達成しました。今後半年から1年程度でトップラインデータを取得する予定です。当社は、本試験結果に基づいてNC-6004をライセンスアウトする計画です。

NC-6300(エピルビシンミセル)につきましては、米国で軟部肉腫を対象に第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を実施中です。対象疾患として第Ⅰ相パートで有効性が示唆された軟部肉腫の一種である血管肉腫にターゲットを絞り、例数を追加して有効性及び安全性を確認する試験を実施しており、2021年5月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)において良好な成績が得られたことを報告しております。なお、米国食品医薬品局(FDA)より軟部肉腫に対するオーファンドラッグの指定※1及び、血管肉腫を対象に、ファスト・トラック指定※2を受けております。代替治療のない希少がんに対する高い治療効果が期待される新薬であるとする見解を得たとの認識のもと、ライセンス活動を行っております。

核酸新規DDS製剤であるNC-6100(siRNA医薬)につきましては、乳がんの約50%で過剰発現し、その幹細胞性・可塑性に関与する転写因子PRDM14を標的とした新しいメカニズムの治療法創出に向け、治癒的切除不能又は遠隔転移を有する再発・進行HER2陰性乳がんを対象に公益財団法人がん研究会有明病院において2020年9月より医師主導第Ⅰ相臨床試験を実施しております。

 

 

 

※1 オーファンドラッグ指定(希少疾病用医薬品指定)

米国における患者数20万人以下の希少疾病に対する新薬開発を促進するために米国FDAが与えるもので、オーファンドラッグの指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられます。また、米国政府からの補助金の獲得、臨床研究費用の税額控除、FDA申請における医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査に対しての優遇措置が受けられます。

 

 

※2 ファスト・トラック指定

米国における画期的な新薬について優先的に審査する、優先審査制度です。完治が難しい疾患に対して高い治療効果が期待される新薬を優先的に審査して早期実用化を促すことを目的とした制度です。

 

パイプライン拡充につきましては、新たなモダリティである核酸医薬品の研究を推進しております。核酸医薬品は、低分子医薬や抗体医薬では標的となり得なかった遺伝子からの転写因子であるRNAをターゲットとした新たな治療法の提供を可能とします。当社の核酸用新規DDS技術(YBCポリマー複合体及びポリプレックスミセル)は、核酸医薬品の生体内での搬送上の課題を解決するとともに、従来のDDSの製造工程が複雑であるという課題を解決するもので、アカデミアとの共同研究や企業との協働により新規パイプラインの拡充を推進しております。

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学との共同研究プロジェクトである長鎖非翻訳RNA TUG1に対するASO(アンチセンスオリゴ)医薬は、脳腫瘍の中でも悪性度が高い膠芽腫での臨床開発への移行を視野に入れた次期パイプライン候補として、非臨床試験及びCMC開発を推進しております。本件は、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業に採択されております。

軟骨の増殖・分化に関わる転写因子RUNX1のmRNA医薬につきましては、2021年4月にアクセリード株式会社と共同で株式会社PrimRNAを設立し、非臨床試験の実施、GMP製造の確立及び第Ⅰ相臨床試験の実施に向け、事業を推進しております。本件は、AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業に採択されております。

 

 

販売事業につきましては、株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシアALホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の当社技術を応用した原材料を供給しております。また、同社との共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth」事業を共同で推進しております。

株式会社エイオンインターナショナルから国内販売権を取得した「Acti-PRP(血球細胞分離器)」につきましては、産婦人科PRP研究会の会員施設に対し「Acti-PRP」を販売しております。

 

以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は、化粧品材料供給収入、PRP事業に係る医療機器売上、開発マイルストーン収入等により200,184千円(前第3四半期売上高249,073千円)、営業損失は1,504,308千円(前第3四半期営業損失860,294千円)、経常損失は1,466,730千円(前第3四半期経常損失894,614千円)、四半期純損失は1,412,640千円(前第3四半期四半期純損失2,450,652千円)となりました。

なお、当第3四半期累計期間におきまして、以下の営業外収益、営業外費用及び特別利益を計上しております。

・外国為替相場の変動による為替差益30,434千円を営業外収益に計上しております。これは主に、当社の保有する外貨建預金の評価替えにより発生したものであります。

・第19回新株予約権の発行に伴い、新株予約権発行費4,842千円を営業外費用に計上しております。

・第5回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行に伴い、社債発行費1,775千円を営業外費用に計上しております。

・第11回、第13回及び第18回新株予約権の権利行使期間満了のため、56,136千円を新株予約権戻入益として特別利益に計上しております。

 

財政状態につきましては、以下のとおりとなりました。

当第3四半期会計期間末における資産は、主に四半期純損失の計上による現金及び預金の減少により、前事業年度末に比べ186,577千円減少し、7,634,391千円となりました。負債は、主に第5回転換社債型新株予約権付社債の発行により、前事業年度末に比べ1,237,690千円増加し、1,558,686千円となりました。純資産は、前事業年度末に比べ1,424,267千円減少し、6,075,705千円となりました。

 

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

当第3四半期累計期間における研究開発費の総額は1,392,349千円であります。

なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。また当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。なお当第3四半期累計期間における当社の販売実績は、200,184千円であります。

 

(5)主要な設備

新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期累計期間に著しい変動があったものはありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。