当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当社は、2025年10月8日及び2025年11月7日に発表のとおり、新たに金融サービス分野への本格参入を図るため、ホールディングス体制(商号変更後「NANOホールディングス株式会社」)に移行し、株式・ファンド機能とバイオベンチャー運営を統合した革新的なビジネスモデル「ヘルスケア分野でのコングロマリット」を目指します。
投資事業においては、当社が新設する子会社「Nano Bridge Investment」がSBI新生企業投資株式会社と共同でファンドを運営し、RNA創薬、再生医療、AI創薬、新規DDS技術、医療機器、デジタルヘルスなどの先端革新的な技術を持つ企業を戦略的に買収し、開発を加速することにより企業のバリューアップを行います。当社のバイオ・ヘルスケア領域における専門性と、株式会社SBI証券・SBI新生企業投資株式会社の金融・投資ノウハウを融合させることで、グループ全体での企業価値の向上に向けた取り組みを行ってまいります。
当中間連結会計期間において、臨床開発パイプラインTUG1 ASOに関しては、膠芽腫を対象とする医師主導第Ⅰ相治験が最終の投与用量レベルとなる第4段階において、2例の用量制限毒性が発現し、本試験への被験者登録は終了となりました。現在、新たに複数の用量で安全性および有効性を検証する次相(Phase Ib)試験の治験実施計画書の策定を進めております。本第Ⅰ相治験の途中経過については、2025年12月9日に開催予定の第43回日本脳腫瘍学会学術集会(山形県天童市)において、名古屋大学医学部の齋藤竜太教授が発表される予定です。また、本課題のライセンス活動につきましては引き続き進めてまいります。
RUNX1 mRNAに関しては、当社子会社 PrimRNA株式会社のオーストラリア子会社(PrimRNA AU Pty Ltd)が、変形性膝関節症患者を対象とした第Ⅰ相臨床試験につき、2025年9月に HREC(Human Research Ethics Committees:人を対象とする研究倫理審査委員会)承認を得て、現地の規制当局である TGA(Therapeutic Goods Administration)への登録も完了しました。現在、治験実施施設などと患者投与に向け最終調整中です。
mRNA医薬の研究開発については、NANO MRNA2.0としてパイプライン拡充の取り組みを開始しております。2025年8月には、株式会社カイオム・バイオサイエンスと同社のTribody®技術を始めとする最先端の抗体創薬技術と当社のmRNA創薬基盤技術の融合によるmRNAエンコード抗体の創出に向けた共同研究を開始しました。また、mRNAを用いたin vivo CAR-T治療へのチャレンジも検討しております。これらは、ヒトの体内で抗体医薬、またはCAR-T細胞を作らせるものであり、世界的に大きな注目を集める分野となっており、アライアンスにより早期に開発候補の創製を推進してまいります。
(創薬パイプライン)
創薬パイプラインの進捗状況は下表のとおりです。
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TUG1 ASO: |
膠芽腫患者を対象とする医師主導第Ⅰ相治験は、最終用量である第4段階において2例の用量制限毒性が発現し、被験者の登録は終了となりました。現在、新たに複数の用量で安全性および効果を検証する次相(Phase Ib)試験の治験実施計画書の策定を進めております。 たんぱく質に翻訳されない長鎖非翻訳RNA TUG1は膠芽腫以外にも膵臓がんなどの固形がんおよびAMLなどの血液がんでも発現しており、新規のがん分子標的として注目されています。名古屋大学 近藤豊教授と共同で進めるTUG1 ASOのサクセッサー研究はAMEDの次世代がん医療加速化研究事業に「膵臓がんに対する新規核酸医薬の最適化と検証に関する研究」に採択されており、今後さらに加速化を図ります。 |
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RUNX1 mRNA: (PrimRNA) |
オーストラリアにおける変形性膝関節症患者を対象とした第Ⅰ相治験開始のためのTGA登録が完了し、患者投与に向けて、治験実施施設などと最終調整中です。 本プロジェクトは、軟骨の増殖・分化に関わる転写因子RUNX1のmRNAをミセル製剤化し膝関節内に直接投与する変形性膝関節症の進行抑制及び疼痛の軽減を実現する革新的な疾患修飾型治療薬候補の研究開発であり、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に採択されております。 |
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眼科領域: |
2024年8月、千寿製薬株式会社と標的疾患及び治療標的を選定し、共同研究を開始しました。当社のミセルDDS製剤に加えて、LNPを用いた新たなDDS製剤の可能性についても検討を行っており、2025年度中には開発候補品を選定の予定です。 |
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免疫寛容ワクチン: |
花王株式会社が独自開発した免疫制御技術を用いたmRNA医薬の創製に向けた包括共同研究契約の下、免疫寛容ワクチンに関する共同プロジェクトを進めております。現在、開発候補のアンメット・メディカル・ニーズ※分析を進めており、同時に開発候補品に使用できるLNPについても検討中です。 |
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PRDM14 siRNA: |
公益財団法人がん研究会有明病院における医師主導第Ⅰ相臨床治験は既に完了しており、治験総括報告書が完成しております。本剤の開発者である金沢大学がん進展制御研究所の谷口博昭教授は新たな核酸配列を持つPRDM14 siRNAの探索研究をAMED次世代治療・診断のための創薬基盤技術開発事業の資金を得て進められており、そのプロトタイプ薬剤がヒト卵巣がんの動物モデルで薬効を示すことが明らかになっており、分担機関としてYBCポリマーの提供を含む支援を継続中です。 |
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mRNAエンコード抗体: |
株式会社カイオム・バイオサイエンスとmRNA エンコード抗体の創出に向けた共同研究契約を2025年8月に開始しました。本共同研究では、1 年以内を目途に開発候補品を選定し、開発候補品のin vivoでのデータ取得と物性面での最適化を経て知財化、および製薬企業との共同開発或いは導出を目指しております。 mRNA エンコード抗体は、抗体をコードするmRNAを投与し、体内で抗体を産生させる次世代の抗体医薬モダリティです。既存技術に比べ、体内動態改善とそれに伴う効果の増強、副作用の軽減が期待されることに加え、製造コストの削減や製造期間の短縮も期待され、世界的に注目されています。 |
※アンメット・メディカル・ニーズとは、既存治療が患者の利便性、安全性、有効性の面で十分でない領域における改善余地のある医療ニーズのことを指します。
(受託研究)
Crafton Biotechnology株式会社及び次世代バイオ医薬品製造技術研究組合との協業で進めているSCARDA事業“PureCap 法を基盤とした高純度 mRNA国内生産体制の構築と送達キャリアフリーの安全なmRNAワクチンの臨床開発”に関しては、分担機関として非臨床試験を担当しております。
(販売事業の状況)
株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシア ブライトニング イマキュレート セラム用の当社技術を応用した原材料を供給しております。
コムレクス®耳科用液1.5%(開発コードENT103)は、2023年6月からセオリアファーマ株式会社により販売されております。
以上の結果、当中間連結会計期間において、売上高は41,100千円(前年同期比433.8%増)、営業損失は399,139千円(前年同期営業損失373,995千円)、経常損失は384,521千円(前年同期経常損失382,431千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は440,146千円(前年同期親会社株主に帰属する中間純損失518,353千円)となりました。
なお、当中間会計期間におきまして、外国為替相場の変動による為替差損1,771千円を営業外費用に計上しております。これは主に、当社の保有する外貨建預金の評価替えにより発生したものであります。
また、転換社債償還損54,024千円を特別損失に計上しております。これは第6回無担保転換社債型新株予約権付社債の繰上償還を行ったことによるものです。
財政状態につきましては、以下のとおりとなりました。
当中間連結会計期間末における資産は、現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末に比べ619,202千円減少し、3,377,682千円となりました。負債は、転換社債型新株予約権付社債の繰上償還に伴う減少等により、前連結会計年度末に比べ514,065千円減少し、742,988千円となりました。純資産は、資本金及び資本準備金の増加、親会社株主に帰属する中間純損失の計上による利益剰余金の減少、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ105,136千円減少し、2,634,693千円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ233,003千円減少し964,198千円となりました。また、当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税金等調整前中間純損失438,756千円に、転換社債償還損54,024千円、前渡金の減少24,931千円、預り金の増加28,145千円等の調整がされた結果、312,158千円の支出(前年同期は268,192千円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、685,270千円の収入(前年同期は1,601,710千円の収入)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入500,000千円、有価証券の取得による支出3,000,000千円、有価証券の償還による収入3,100,160千円、投資有価証券の償還による収入100,451千円、敷金及び保証金の差入による支出21,865千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、609,997千円の支出(前年同期は0千円の支出)となりました。これは、転換社債の償還による支出594,265千円、新株予約権の買入消却による支出15,732千円によるものです。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は213,631千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当社グループは研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。また当社は、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。なお、当中間連結会計期間における当社の販売実績は、41,100千円であります。
(6)主要な設備
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当中間連結会計期間に著しい変動があったものはありません。
該当事項はありません。