(1)グループ経営方針、経営環境、経営戦略等
当社グループは、「ビジネスの未来をデジタルで創る、ビジネスの未来をユーザーと創る。」をグループビジョンとし、顧客企業のインターネットを通じたマーケティング活動(デジタルマーケティング)を支援し、顧客企業が消費者(ユーザー)に対して、質の高いユーザー体験を提供することで企業価値を高めることを支援しております。当社グループは、デジタルマーケティング領域においてNo.1ブランドになることを目指して、提案力、創造性の高いクリエイティブ力、先端的な技術力を強みとした独自性の高いサービスを提供し続けることを方針としております。
当社グループのビジネスモデルの中心は、顧客企業にサービスを提供するソリューションビジネスです。ソリューションビジネスは知識集約型、労働集約型の双方の側面を持っておりますが、当社では、特に大規模かつ高難易度なプロジェクトにおけるサービスの設計や企画、プロジェクトマネジメントといった知識集約型の高付加価値領域のサービスに注力しております。
現在、消費者の情報収集はテレビや新聞等の媒体からインターネットへシフトしてきており、デジタル(ICT)技術を活用した広告宣伝や販促活動を行うデジタルマーケティングのニーズは急速に拡大しております。また、デジタル技術を用い企業のビジネスモデルやビジネスプロセスを変革する「デジタルトランスフォーメーション」に取り組む企業も増加しており、ユーザー体験の設計を強みとする当社領域に対する注目は増しております。一方、市場拡大に伴い、戦略コンサルティング企業、広告代理店、SIベンダー等がデジタルマーケティング領域に参入するなど、当社をとりまく競争環境は激化しております。また、デジタル技術の導入が顧客企業の経営に大きな影響を与えるようになった結果、複数システムの高度な連携、顧客企業内での利害対立、複数ベンダーの参加による複雑なプロジェクト進行など、プロジェクトの難易度が飛躍的に上昇してきております。このような事業環境の中、当社は、ビジネス開発、システム開発、デザイン等のすべてのプロセスをユーザー体験から導出する「カスタマーエクスペリエンス」領域における知見、実績、サービスの質によって、競合企業に対して競争優位を確保しております。
高付加価値型ソリューションサービスの競争優位は人材が中心となり、当社グループの成長はプロジェクトを実施する人材に依存しております。当社グループでは、業界のリーダーとしての知名度に加え、先進事例へのチャレンジや、大規模かつ世間の耳目を集めるプロジェクト事例等を通じ、当社ブランドや業界内でのプレゼンス向上を行い、優秀な人材の獲得に繋げています。
一方、インターネット業界は人材の流動性が高く、当社人材の社外流出リスクも高く、人材だけで中長期にわたる成長を維持することは困難になってきております。そこで、当社グループでは、中心となる知識集約型のサービスの他、過度に人材の質に依存しない資本集約型サービスや、人材確保が比較的容易な領域における労働集約型サービス等の複数のビジネスモデルを企業グループ内に保持することが中長期的な成長に必要不可欠と考え、プロダクトやサービス開発を積極的に行うとともに、外部企業との提携、M&Aにも積極的に取り組んでいく方針です。
(2)目標とする経営指標
主な成長性・収益性の指標として、営業利益率及び株主資本利益率(ROE)を重視しております。なお、当社は中長期的なROE改善を目指して新サービス開発、M&A等の投資を実行しておりますので、短期的には営業利益、ROEが低下することがあります。
(3)対処すべき課題
当社グループは、短期的な業績向上、中長期的な企業価値向上を遂げるため、以下の主要課題に取り組んでまいります。
① プロジェクトマネジメント力の強化
プロジェクト大型化、基幹システムとの連携等、デジタルマーケティング関連のプロジェクト難易度は上昇し、工期遅延、コスト超過等が、発生するリスクがあります。当社では、プロジェクトマネジメント力の強化を喫緊の課題と定め、受注から納品までのプロジェクトプロセスの再整備を行うほか、従業員教育の強化に努めております。
② 人材採用と育成
当社グループの収益は人材の質と量に大きく依存しております。広報活動による情報発信、先進的な事例や実績等を通じ業界内外におけるプレゼンスを向上することで、優秀な人材が当社グループに対して魅力を感じるようにするとともに、人材が最大限に能力を発揮できるような働き方改革や職場環境作りを通したモチベーションマネジメント、教育などを通じ、中長期的な持続的成長を目指してまいります。
③ 購買マネジメントの強化
当社のプロジェクトは多様な分野にわたるため、自社人材だけですべてを賄うことはできず、外注パートナーを活用することが不可欠です。一方、プロジェクトにおける外注パートナーへの過度の依存は、価格交渉力の低下、当社内に蓄積するノウハウや知識の低下を招きます。戦略的パートナーシップを締結する外注パートナーの選定等を通じ、購買マネジメントの強化を進めております。
④ ビジネスモデルの多様化
現在の当社グループのビジネスモデルは知識集約型の受託ビジネスが中心でありますが、資本集約型や労働集約型ビジネス等のビジネスモデル多様化は、当社グループの企業価値向上に向けて中長期的に取り組むべき重要な課題と考えております。当社グループでは、ソーシャルメディア、クラウド分野における新しいサービス、プロダクトの自社開発、M&A等を通じ、ビジネスモデルの多様化に積極的に取り組んでまいります。
以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループの株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)インターネットビジネス市場の動向等について
当社グループはインターネットビジネス市場を事業領域としていることから、当該市場の拡大が当社グループの事業成長のための基本的な条件と考えております。一般的に、インターネットビジネス市場は今後も拡大していくと予測されておりますが、今後、企業等におけるインターネットの重要性の低下や、インターネット利用に関する新たな規制等の導入、その他予期せぬ要因によって、今後の市場拡大が阻害されるような状況が生じた場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)景気動向及び顧客企業の広報・広告宣伝予算の影響について
当社グループの取引は顧客企業の広報・広告宣伝予算に強く影響を受けます。景気低迷の折に、広報・広告宣伝予算は相対として削減の対象となりやすいと考えられ、顧客への景気その他の影響が、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
(3)特定顧客への依存について
当社グループの事業においては、インターネット関連投資を行う企業等を主たる顧客としており、顧客の経営方針、戦略等から特定顧客との取引が急激に拡大し、結果として、特定顧客への依存度が相対的に高くなる場合があります。このような依存度が高い状況が発生した場合、主要顧客の戦略の変化や業務上のトラブル、その他何らかの要因等により主要顧客との取引が著しく減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)サービス等の陳腐化について
インターネットにおいては、新たな技術やサービスが逐次開発及び提供されており、その利用者の嗜好等についても変化が激しい状況にあります。当社グループが保有する技術及びノウハウ等が陳腐化し、顧客に対する当社サービスの訴求力が低下した場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保及び育成について
当社グループの事業展開においては、業態的に個々の人材の知識及び能力に依存する要素が大きく、事業拡大においては優秀な人材の継続した確保が必要であります。しかしながら、優秀な人材の確保が当社グループの計画通り進まなかった場合や、現在在籍する人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因になる可能性があり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)競合について
当社グループが属するインターネットビジネス市場には、相応の事業規模を有する専業企業が複数あるほか、広告代理店やコンサルティング企業、システムインテグレーター等も参入しております。また、当社グループの事業は特許等で保護されているものではなく、既存の競合企業や新規参入企業による競争が激化し、当社の市場競争力が低下した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)提供サービスの不具合等について
当社グループの事業においては、顧客企業の広報、広告宣伝等を手掛けることから、当社の業務には高度な正確性が求められます。当社グループが提供したサービスにおいて、ウェブサイト上の誤表示等のトラブル等が生じた場合、当社グループの信頼性低下、損害賠償請求、顧客との取引停止等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)受注案件の採算性について
当社グループは、顧客企業からプロジェクト案件の採算性等に十分留意しつつ受注活動を行っておりますが、仕様変更への対応等により、当初の見積り以上の作業工数が必要となる場合があり、想定以上の費用負担によりプロジェクト案件が不採算化する可能性があります。また、受注競争の激化や、受注拡大に伴う人員不足等に起因した外注費の増加、見積り精度の低下等が生じた場合には、事業全体における採算性の悪化等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)他社との業務・資本提携等について
当社グループは、外部専門企業との業務提携、資本提携等を通じて事業の拡大、スピードアップに取り組んでいく方針であります。当社グループと提携先の持つ技術やノウハウ等を融合することにより、事業シナジーを発揮することを目指しますが、当初見込んだ効果が発揮されない場合、またこれらの提携等が何らかの理由で解消された場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)M&Aについて
当社グループは、事業拡大と収益源の多様化を加速する有効な手段のひとつとして、M&Aを積極的に活用する方針であります。M&Aの検討に際しては、対象となる企業の財務内容や契約関係、法務等について事前にデューデリジェンスを実施し、十分にリスクを吟味した上で決定しておりますが、買収後に不測の債務が発生した場合、また事業の展開等が当初想定した計画通りに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)情報管理について
当社グループの事業においては、顧客企業等の機密情報及び個人顧客情報を取り扱う場合があります。当社グループは、これらの情報管理を事業運営上の重要事項と認識しており、当社は、平成17年10月に社団法人情報サービス産業協会よりプライバシーマークの認定(認定番号第11820395)を受けております。
しかしながら、当社グループが取り扱う機密情報及び個人情報について、漏洩、改竄又は不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえず、何らかの要因からこれら事態が生じた場合には、適切な対応を行うための費用増加、損害賠償請求、当社グループへの信用失墜及び顧客との取引停止等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害等について
地震、火災等の自然災害や、戦争、テロ、感染症の流行(パンデミック)等により、当社グループにおいて人的被害または物的被害が生じた場合、または、外部通信インフラ、コンピュータネットワークに障害が生じた場合等の事由によって当社グループの業務の遂行に支障が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的としてストックオプション制度を導入しており、会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づく新株予約権を、当社の取締役及び従業員、当社子会社の取締役及び従業員等に付与しております。平成30年3月31日現在、新株予約権の目的である株式の数は460,200株であり、当社発行済株式総数6,999,000株の6.5%に相当しております。これら新株予約権の行使が行われた場合、当社の株式価値が希薄化する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界的な景気回復や政府による金融緩和政策により、回復基調が続いております。当社グループが属するインターネット関連市場は堅調に成長しており、2017年のインターネット広告費は、データ連携可能な運用型広告や、スマートフォン広告、動画広告等の成長を背景に、前年比15.2%増の1兆5,094億円と推計されています(株式会社電通「2017年(平成29年)日本の広告費」より)。また、ICT技術を用い企業のビジネスモデルやビジネスプロセスを変革する「デジタルトランスフォーメーション」に取り組む企業も増加しております。一方、市場が拡大したことにより、戦略コンサルティング会社や広告代理店等がデジタル関連のサービス及び体制強化を図っており、当社グループをとりまく競争環境は一段と激しさを増しております。また、複数システムの高度な連携、複数ベンダーの参加による複雑なプロジェクト進行など、プロジェクトの難易度が飛躍的に上昇してきております。
このような事業環境の中、当社グループにおきましては、前年度の通期業績を受け、当社におけるプロジェクトの収益性改善を最優先課題と認識し、受注プロセス及び契約プロセスの見直し、プロジェクト途中における仕様及び品質チェック部門の新設等の施策を行ってまいりました。
売上面においては、好調な市場環境を受け、ソーシャルメディア、オウンドメディア案件を中心に堅調に推移いたしました。また、上記施策により全体的にプロジェクト利益改善の傾向が見られたものの、施策実行以前に受注したプロジェクトにおけるトラブル発生により開発費用が大幅に増加する見込みとなったこと、前年度に受注損失引当金を計上したプロジェクトの終結にあたり、当初見積もり以上に費用が増加したこと等が利益面に大きく影響し、前年度に続き営業損失となりました。当社では、プロジェクト収益性改善を当面における経営の最優先課題と認識しており、2018年度以降も改善施策を実行してまいります。
なお、当社は、データを用いた社内業務の効率化、社内生産性の向上分野への参入を目的として、rakumo株式会社の株式を平成25年8月に取得し、連結子会社化しておりましたが、中長期における企業価値向上の実現に向けた事業ポートフォリオの見直しを行い、当面は経営資源をデジタルマーケティング関連分野に集中させることが最良と判断し、平成29年8月に、当社が保有するrakumo株式会社の全株式を譲渡しております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ30百万円増加し、3,203百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ263百万円減少し、1,141百万円(前年同期比18.8%減)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ294百万円増加し、2,062百万円(前年同期比16.7%増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高6,189百万円(前連結会計年度比4.8%増)、営業損失51百万円(前連結会計年度は営業損失206百万円)、経常損失53百万円(前連結会計年度は経常損失209百万円)となりました。また、関係会社株式売却益として特別利益413百万円を計上したこと、法人税、住民税及び事業税を50百万円計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は312百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失297百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、以下に記載の各キャッシュ・フローにより1,289百万円となり、前連結会計年度末に比べ237百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、減少要因として、関係会社株式売却益の計上413百万円、受注損失引当金の減少額50百万円、売上債権の増加額34百万円等があるものの、増加要因として、税金等調整前当期純利益359百万円の計上、有形・無形固定資産の償却費57百万円(のれん償却額含む)の計上、たな卸資産の減少額97百万円、未払金の増加額34百万円等により68百万円の収入(前年同期は211百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、減少要因として、有形固定資産の取得による支出32百万円、無形固定資産の取得による支出27百万円等があるものの、増加要因として、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入287百万円、貸付金回収による収入109百万円等により、335百万円の収入(前年同期は109百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額22百万円、借入金の返済による支出143百万円により、166百万円の支出(前年同期は154百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業内容に、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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SIPS事業 |
5,985,378 |
104.0 |
265,654 |
56.5 |
|
合計 |
5,985,378 |
104.0 |
265,634 |
56.5 |
(注)1.当社グループは、SIPS事業の単一セグメントであります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、受注残高に著しい変動がありました。これは、平成29年8月にrakumo㈱の保有株式を全て売却したことに伴い、連結の範囲から除外したことによります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
SIPS事業(千円) |
6,189,938 |
104.8 |
|
合計(千円) |
6,189,938 |
104.8 |
(注)1.当社グループは、SIPS事業の単一セグメントであります。
2.最近2連結会計年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループは、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上することとしております。
将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力等が低下した場合には、引当金の計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
b.受注損失引当金
当社グループは、顧客より受注済みの案件のうち、当該受注契約の履行に伴い、翌連結会計年度以降に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについては、将来の損失に備えるため翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金として計上しております。
c.固定資産の減損処理
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。
将来の事業計画や市場環境の変化により、減損の兆候が発生した場合、減損損失を計上する可能性があります。
d.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その額に変動を生じた場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により、利益が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ30百万円増加し、3,203百万円(前年同期比1.0%増)となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加237百万円、売上債権の増加20百万円等によるものであります。主な減少要因としては、仕掛品の減少98百万円、ソフトウエアの減少91百万円、のれんの減少22百万円等であります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べ263百万円減少し、1,141百万円(前年同期比18.8%減)となりました。主な増加要因は、未払金の増加20百万円、未払税金の増加30百万円等によるものであります。主な減少要因としては、前受収益の減少80百万円、受注損失引当金の減少50百万円、長期借入金の減少160百万円等であります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ294百万円増加し、2,062百万円(前年同期比16.7%増)となりました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益312百万円の計上等によるものであります。主な減少要因は、配当金の支払22百万円等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の55.0%から63.5%となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、好調な市場環境を受け、ソーシャルメディア、オウンドメディア案件を中心に堅調に推移し、前連結会計年度に比べ283百万円(4.8%)増加し、6,189百万円となりました。
(営業費用及び営業利益)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ246百万円(4.8%)増加し、5,381百万円となりました。以上の結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ36百万円(4.7%)増加し、808百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ118百万円(△12.1%)減少し、860百万円となりました。主な要因は、rakumo株式会社の保有株式売却に伴う損益取込期間の相違による減少額86百万円、のれん償却額の減少10百万円等であります。
以上の結果、営業損失は51百万円(前連結会計年度は営業損失206百万円)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ99千円(6.4%)増加し、1,650千円となりました。主な内訳は、受取利息及び配当金351千円等であります。営業外費用は、前連結会計年度に比べ785千円(△15.7%)減少し、4,210千円となりました。主な内訳は、支払利息1,411千円等であります。この結果、経常損失は53百万円(前連結会計年度は経常損失209百万円)となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純損益)
税金等調整前当期純利益は、rakumo株式売却による関係会社株式売却益を413百万円計上したことから、359百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失209百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税50百万円の計上の他、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額△8百万円の計上、また非支配株主に帰属する損益の振替4百万円により312百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失297百万円)となりました。1株当たり当期純利益は44.71円(前連結会計年度は1株当たり当期純損失43.05円)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、顧客から依頼を受け、デジタルマーケティング関連のサービスを提供する受託型のビジネスモデルが主要な収益源となっております。デジタルマーケティングのコンサルティング、ウェブサイトやソーシャルメディアのコンテンツやデザインの制作、システムの開発やシステムの運用、顧客企業の施策を評価するためのデータ分析等のサービスを、大企業を中心とする法人に対してプロジェクト形式で提供しております。
各プロジェクトの収益は、売上高からプロジェクトにかかわった当社人員の人件費と外注費等を差し引いた額となります。プロジェクトの運営が適切に行われない場合、顧客の要望と当社が制作する成果物との間に不整合が生じ、既に制作した成果物の改修等に人件費、外注費を追加投入することになり、プロジェクトの収益は悪化いたします。
当連結会計年度におきましては、好調な業界動向を受け、売上高は前年比4.8%増と伸長したものの、前事業年度以前に受注したプロジェクトにおいて、前述の不整合を原因とした赤字が拡大したこと、また当事業年度の赤字プロジェクトの防止策の実行前に受注したプロジェクトの赤字化により、2期連続の営業損失となりました。
当社グループでは、赤字プロジェクトの防止を含むプロジェクトの収益性改善を喫緊の経営課題と認識しており、2018年4月に当社組織を変更し、システム受注案件における提案時と要件定義フェーズ時の社内レビューの徹底、成果物の内容やプロジェクトの進行方法等についてプロジェクト管理標準の策定、営業値引き抑制等の施策を強化しております。
また、労働集約型の受託サービスのみでは利益率の継続的向上には一定の限界があると考えており、中長期的かつ持続的な成長に向け、資本集約型の自社サービスの開発、他社サービスの販売代理等、サービスのポートフォリオを見直しを行い、ビジネスを伸ばすための施策に取り組んでおります。当連結会計年度における当社グループにおいて、その売上の割合は約13%であり、今後も新サービスの開発、事業体制の整備等を引き続き行ってまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。また、会計システムを含めた社内システムのための無形固定資産投資等があります。当社グループは、運転資金については、内部資金、金融機関からの借入金により調達しております。また、当社グループでは、短期的なプロジェクト収益改善、中長期的な資本集約型ビジネスの開拓を目的として必要に応じてM&Aを行っていくことを方針としており、将来的な資金需要が発生する可能性がありますが、報告日現在において、発表すべき事象はございません。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、営業利益率及び株主資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。当連結会計年度における営業利益率は△0.8%(前年同期比2.7ポイント改善)、株主資本利益率(ROE)は16.6%(32.4ポイント改善)であります。
該当する事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費の総額は3百万円であります。
これは、プロダクトの開発費用であります。