第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、製造業を中心に弱さが増している面はあるものの、全体としては堅調な企業収益や雇用情勢の改善等により、緩やかな回復基調が続きました。景気の先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の個人消費の動向等に留意する必要があるものの、引き続き緩やかに回復していくことが期待されています。

当社グループの属する情報サービス産業は、日銀短観(2019年12月調査)におけるソフトウェア投資計画(全産業+金融機関)が前年度比10.6%増となる等、デジタル技術の積極的な活用を通じた経営戦略実現を目指す企業のIT投資動向の強まりを反映し、当第3四半期連結累計期間の事業環境は好調に推移しました。

このような状況の中、当社グループは「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、現在遂行中の中期経営計画(2018-2020)に基づき、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現に向けた諸施策を推進しています。

当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高319,009百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益30,103百万円(同20.3%増)、経常利益31,393百万円(同23.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益20,436百万円(同20.4%増)となりました。

売上高については、IT投資動向が強まりを見せる分野において顧客ニーズを的確に捉えたこと等が牽引し、前年同期を上回りました。営業利益については、増収効果や収益性向上(売上総利益率は前年同期比1.5ポイント増の23.4%に向上)による売上総利益の増加が構造転換に向けた対応強化による費用を中心とする販売費及び一般管理費の増加を吸収したことから前年同期比増益となり、営業利益率は9.4%(前年同期比1.1ポイント増)となりました。経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益については、主に営業利益の増加を背景として前年同期比増益となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間において、特別利益7,232百万円及び特別損失7,196百万円を計上しましたが、その多くは第2四半期連結会計期間において計上したものです。特別利益の主な内容は、2019年9月10日付「投資有価証券売却益(特別利益)の計上に関するお知らせ」で公表した投資有価証券売却益5,445百万円であり、特別損失の主な内容は、当社グループの次世代オフィス構築計画を踏まえて計上した、東京地区におけるグループのオフィス移転・集約に係る費用(オフィス再編費用引当金繰入額)、及び、一部既存拠点の整理に係る減損損失の合計4,112百万円です。

 

セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでいます。

 

①サービスIT

当社グループ独自の業務・業種ノウハウを汎用化・テンプレート化した知識集約型ITサービスを提供するビジネス(初期構築・ERP等を含む。)で構成されています。

当第3四半期連結累計期間の売上高は89,901百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は5,112百万円(同2.8%減)となりました。売上高は決済関連ビジネスの拡大等により前年同期比増収となりました。営業利益については、事業強化のための先行投資費用の増加に加え、プラットフォーム事業の更なる事業強化に向けた戦略見直しに伴う損失計上等により前年同期比減益となり、営業利益率は5.7%(前年同期比0.5ポイント減)となりました。

 

②BPO

豊富な業務・ITノウハウを活用し、マーケティング・販促業務や事務・契約業務等のビジネスプロセスアウトソーシングを提供するビジネスで構成されています。

当第3四半期連結累計期間の売上高は24,619百万円(前年同期比11.2%減)、営業利益は1,767百万円(同30.5%増)となりました。前連結会計年度にコア事業への集中の一環として一部の連結子会社についてその全株式をグループ外に譲渡した影響が大きく、前年同期比減収ながら増益となり、営業利益率は7.2%(前年同期比2.3ポイント増)となりました。

 

③金融IT

金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。

当第3四半期連結累計期間の売上高は81,963百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は10,510百万円(同16.9%増)となりました。大型開発案件の反動減の影響はあったものの、根幹先顧客におけるIT投資拡大の動き等を受けて、前年同期比増収増益となり、営業利益率は12.8%(前年同期比1.3ポイント増)となりました。

なお、特定顧客向け提供サービスに活用するノウハウが産業系から金融系に変更となったことに伴い、当該顧客との取引は、前連結会計年度は産業IT、当連結会計年度は金融ITに計上されており、増加要因となっています。

 

④産業IT

金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。

当第3四半期連結累計期間の売上高は144,506百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益は12,601百万円(同36.6%増)となりました。エネルギー系や製造業系の根幹先顧客をはじめ、幅広い業種におけるIT投資拡大の動き等により、前年同期比増収増益となり、営業利益率は8.7%(前年同期比1.8ポイント増)となりました。

なお、特定顧客向け提供サービスに活用するノウハウが産業系から金融系に変更となったことに伴い、当該顧客との取引は、前連結会計年度は産業IT、当連結会計年度は金融ITに計上されており、減少要因となっています。

 

⑤その他

リースなどの情報システムを提供する上での付随的な事業及びその他で構成されています。

当第3四半期連結累計期間の売上高は6,497百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は671百万円(同6.7%減)となり、営業利益率は10.3%(前年同期比0.3ポイント減)となりました。主に、グループのシェアードサービスを担うITサービスフォース株式会社を当社に吸収合併したことに伴い、前第2四半期連結会計期間から同社事業に相当する業績について計上するセグメントを変更したことによる影響です。

 

前述の通り、当社グループは「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、前連結会計年度から中期経営計画(2018-2020)を遂行しています。5つの基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「コア事業への集中」「先行投資型への転換」「グローバル事業の拡大」のもと、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現を目指します。

 

当連結会計年度については、以下のグループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組んでまいります。

 

<2020年3月期 グループ経営方針>

①事業拡大・構造転換のための積極的な先行投資

②収益性向上のための施策推進・事業ポートフォリオの見直し

③ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進

④働きがい向上と人材マネジメントの高度化

⑤グループ経営の高度化・効率化の実現

 

当第3四半期連結累計期間における主な取組み状況は以下のとおりです。

 

①事業拡大・構造転換のための積極的な先行投資

当社グループは、社会課題の視点から顧客に対して先回りしたビジネスへの転換を目指しており、中でも成長エンジンと位置付けるサービス型ビジネスの拡大に向けて、グループの成長・得意領域に対して重点的な投資を行うこととしています。

キャッシュレス化等による市場環境の変化やそれに伴う新たなIT投資が見込まれる決済分野においては、長年に亘り培ってきた知見・ノウハウ等の強みを活かし、トータルブランド「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」のもとでサービス型ビジネスの事業拡大を推進しています。

その一環として、これまでに培ってきたクレジット基幹業務システムの技術・ノウハウを最大限に活用し、共通化のメリットと独自性のバランスを考慮した構造による競争力とコスト削減の両立が可能な「クレジットカードプロセシングサービス」の提供に向けて準備を進めており、着実に進展しています。

また、キャッシュレス化やIoTの進展による様々なサービスの登場が予想されることから、決済関連のサービス型ビジネスの一つとして、さまざまな決済手段と店舗・EC・アプリなどの多様なインターフェースをひとつのアプリに統合する「デジタルウォレットサービス」を立ち上げ、推進しています。2019年11月には、トヨタ自動車株式会社、トヨタファイナンシャルサービス株式会社、トヨタファイナンス株式会社の3社が提供を開始した電子マネー決済、QRコード決済/バーコード決済といった複数の支払い手段を搭載するスマートフォン決済アプリ「TOYOTA Wallet」の構築を支援し、当社のデジタルウォレットサービスを提供いたしました。また、2020年1月には、デジタルウォレットサービスの中で重要な技術であるトークナイゼーション技術をもつ米国Fintech企業のSequent Software Inc.の株式を取得することとし、同年2月に連結子会社化しました。トークナイゼーション関連ビジネスについては、次世代ネットワーク「5G」を活用したIoT決済の広がりなど、今後の世界的な拡大が見込まれます。この領域で有力な技術を持つ同社を連結子会社化し、トークナイゼーション技術を早期に当社グループに取り込むことで、デジタルウォレットサービスの拡大加速及びIoT決済への対応を進めてまいります。

Fintech、IoT、AI等の新技術の進展や業界の潮流への対応としては、オープンイノベーションの活性化に積極的に取り組んでおり、米国ベンチャーファンド「Sozo Ventures Ⅱ-S」へ出資する等、スタートアップ企業との連携を加速させています。

また、将来の事業展開に備え、定款第2条の目的事項に「電子決済等代行業および資金移動業に係る業務」を追加したほか、沖縄県の八重山諸島における離島船舶、バス、タクシーによる地域観光型MaaS(Mobility as a Service)をはじめ、様々な実証実験に参画しています。なお、八重山諸島でのMaaS実証実験については、全国の牽引役となる先駆的な取り組みを行う「先行モデル事業」として、国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」に選定され、2019年11月より実証実験を開始しています。

 

②収益性向上のための施策推進・事業ポートフォリオの見直し

事業競争力の更なる強化に向け、不採算案件の撲滅やエンハンスメント領域の収益性向上のための革新活動を引き続き推進しています。その成果は着実に売上総利益率の向上として表れており、当第3四半期連結累計期間の売上総利益率はプラットフォーム事業の更なる事業強化に向けた戦略見直しに伴う損失計上等の影響がありながらも、23.4%(前年同期比1.5ポイント増)となりました。

クラウドおよびセキュリティ領域においては、セキュリティ分野において業界屈指の知見を有する株式会社ラックと業務提携を行い、共同で「セキュリティ・バイ・デザイン」をスピーディに実現する次世代型「クラウド&セキュリティサービスプラットフォーム」の提供を推進しています。加えて、当社グループ内におけるクラウド、セキュリティ、データセンター、ネットワークなどのプラットフォーム事業のさらなる強化に向けて、戦略を見直しました。当社内に「投資戦略」「販売戦略」「人材戦略」の3つをミッションとする事業戦略推進組織の設置や、グループにおける各種プラットフォームサービスの「EINS WAVE(アインスウェーブ)」へのブランド統合等を通じ、「クラウド&セキュリティ」などの成長分野を中心に、更なる事業展開を目指してまいります。また、この一環として、当社で展開しているEDI事業については、当社の100%子会社である株式会社インテックへ会社分割により承継することとしました。グループ全体最適経営の実現に向けて、EDI事業を株式会社インテックへ集約し、グループフォーメーションの整備を進めるとともに、EDI事業の競争力強化、事業拡大を図ることで、グループとしての更なる価値向上を図ってまいります。

 

③ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進

最先端技術の獲得とそのグローバル市場への投下の実現に向けた取組みの一つとして、シンガポールのスタートアップ企業SQREEM Technologies PTE.LTD.と資本・業務提携を行いました。同社は、世界最大規模の行動パターン・データ・アグリゲーターで、膨大なデータを基に独自のAI技術を利用したデジタルマーケティング、データ分析分野で急成長を遂げている企業です。今後、同社が持つ高度なAI技術と、当社グループが金融機関、製造業等の様々な業界で培ってきた業務知識を活かし、日本およびASEANにおいて、AIを利用したデータ分析でのリーディングカンパニーとなることを目指して協業を推進しています。

 

④働きがい向上と人材マネジメントの高度化

当社では、多様な社員一人ひとりの成長と会社の持続的な発展を実現する「働きがいの高い会社」を目指す方針を掲げ、「働き方改革」及び「健康経営」の各種施策に取り組んでいます。

その一環として、2019年4月より新たに、終日テレワークを主とする働き方「テレワーカー」や「勤務間インターバル制度」「スマートワーク手当」等の人事制度を開始する等、社員の健康に配慮し多様な働き方を可能にする環境づくりを推進しています。当社は従前から時間外労働の削減や年休取得率の向上、各種勤務制度の整備などに継続的に取り組み、4年連続で厚生労働省より「くるみん」認定を取得していましたが、こうした積極的な取り組みを通じて、仕事と子育ての両立支援の制度の導入や利用が進んだことが評価され、「くるみん」取得企業の中からより高い水準の取り組みを行っている企業に与えられる「プラチナくるみん」認定を新たに取得しました。

 

 

⑤グループ経営の高度化・効率化の実現

当社グループは、当社グループの共通の価値観としてすべての活動の基本軸と位置づけるグループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を2019年1月に発表しました。これを受けて、ゆるぎない企業活動ならびにグループ一体経営を強力に推進するための基礎として、グループの全役職員への浸透に向けて「OUR PHILOSOPHY」に関する研修を精力的に実施しています。また、コーポレートサステナビリティに関する取組みをよりいっそう強化しており、その一環として、新たに「環境方針」「持続可能な調達方針」「ダイバーシティ&インクルージョン方針」を制定しました。

また、グループ経営管理の高度化・効率化の実現に向けて、「本社系機能高度化プロジェクト“G20”」を引き続き推進しています。新たなグループ基幹システムは2021年3月期の始動に向けて構築プロジェクトが予定通りに進捗しており、グループシェアードサービスについても、今後の推進体制を整備するとともに対象業務や展開スケジュールを定める等、順調に進捗しています。

また、企業価値向上を支える経営基盤強化の一環として、「ビジネス機会の拡大」「人材採用力の向上」「働く誇りの向上」の実現を目指して戦略的なブランド活動を強力に推進することとしました。この方針に基づき、当第3四半期連結会計期間から翌連結会計年度にかけてコミュニケーションプランに基づく集中投資を実施し、早期の認知度獲得を図ります。

加えて、グループの働き方改革の推進と、グループ間コミュニケーションの促進を目的として、東京地区におけるグループのオフィス移転・集約を実施し、2021年度に豊洲に新拠点を開設することとしました。これにより東京地区は、当社および株式会社インテックの事業機能を集約する豊洲オフィスと、両社の本社機能を集約する西新宿オフィスの2つの基幹オフィスのもと、事業におけるグループの一体感の強化と中期経営計画の目標である構造転換を加速させるとともに、グループガバナンスの強化を図ります。

 

その他、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図る一環として、2019年5月から7月にかけて、計749,800株(取得価額の総額4,139百万円)の自己株式の取得を実施しました。

 

(2) 財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,336百万円減少369,320百万円(前連結会計年度末370,657百万円)となりました。

流動資産は、167,849百万円(前連結会計年度末176,231百万円)となりました。これは主に受取手形及び売掛金が11,229百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産は、201,471百万円(前連結会計年度末194,426百万円)となりました。これは主に投資有価証券が8,141百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15,568百万円減少120,680百万円(前連結会計年度末136,248百万円)となりました。

流動負債は、71,035百万円(前連結会計年度末91,126百万円)となりました。これは主に未払法人税等が7,317百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債は、49,644百万円(前連結会計年度末45,121百万円)となりました。これは主に長期借入金が1,994百万円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ14,232百万円増加248,640百万円(前連結会計年度末234,408百万円)となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益等により利益剰余金が13,668百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,226百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。