当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、持ち直しの動きがみられました。しかしながら、先行きについては、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスク、変異株をはじめとする感染症による内外経済への影響等を注視する必要があります。
当社グループの属する情報サービス産業においては、日銀短観(2021年12月調査)におけるソフトウェア投資計画(金融機関を含む全産業)が前年度比14.2%増となる等、DX技術を活用した業務プロセスやビジネスモデルの変革がグローバルで進展する中で、IT投資需要の更なる増加が期待されています。
このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2026」の達成に向けた更なる成長のため、当連結会計年度から新たな3カ年の中期経営計画(2021-2023)を開始し、DX提供価値の向上を基軸とした事業構造転換の加速に取り組んでいます。
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高353,133百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益38,258百万円(同27.2%増)、経常利益38,830百万円(同41.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益29,414百万円(同62.3%増)となりました。
売上高については、顧客のデジタル変革需要をはじめとするIT投資ニーズへの的確な対応に加え、前年度に子会社化した企業の業績が反映されたことにより、前年同期を大きく上回りました。営業利益については、増収に伴う増益分に加え、高付加価値ビジネスの提供、生産性向上施策の推進等により売上総利益率が26.0%(前年同期比1.2ポイント増)に向上したことが、オフィス改革コスト等の将来成長に資する投資を中心とした販売費及び一般管理費の増加を吸収し、前年同期比増益となり、営業利益率は10.8%(同1.3ポイント増)となりました。経常利益については、営業利益の増加に加え、営業外損益の改善を背景として前年同期比増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益については、経常利益の増加及び2021年10月12日付「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」で公表した中央システム株式会社の株式譲渡に伴う子会社株式売却益6,362百万円を特別利益に計上したこと等で特別損益が大きく改善したことから前年同期比増益となりました。
なお、第1四半期連結会計期間の期首から、収益認識に関する会計基準等(以下、収益認識基準等)を適用していますが、業績全体に与える影響は軽微です。
セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでいます。
①サービスIT
当社グループ独自の業務・業種ノウハウを汎用化・テンプレート化した知識集約型ITサービスを提供するビジネス(初期構築・ERP等を含む。)で構成されています。
当第3四半期連結累計期間の売上高は112,093百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益は7,617百万円(同48.7%増)となりました。デジタル化の進展に伴う決済やマーケティング関連等のIT投資需要の取り込みに加え、前年度に子会社化した企業(MFEC Public Company Ltd.)の業績が反映されたことにより、前年同期比増収増益となり、営業利益率は6.8%(前年同期比1.3ポイント増)となりました。
②BPO
豊富な業務・ITノウハウを活用し、マーケティング・販促業務や事務・契約業務等のビジネスプロセスアウトソーシングを提供するビジネスで構成されています。
当第3四半期連結累計期間の売上高は27,238百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は2,487百万円(同16.1%増)となりました。保険業界をはじめとする企業のアウトソーシングニーズの高まりを受けて堅調に推移し、前年同期比増収増益となり、営業利益率は9.1%(前年同期比0.9ポイント増)となりました。
③金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当第3四半期連結累計期間の売上高は92,288百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益は12,130百万円(同13.6%増)となりました。クレジットカード系の根幹先顧客におけるIT投資拡大の動き等を受け、前年同期比増収増益となりました。この結果、営業利益率は13.1%(前年同期比0.2ポイント減)となりました。
④産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当第3四半期連結累計期間の売上高は139,534百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は15,761百万円(同26.8%増)となりました。製造・サービスの根幹先顧客の堅調なIT投資や新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて抑制傾向にあった地方・中堅中小企業のIT投資需要の回復が、収益認識基準等の適用に伴う減収影響を吸収し、前年同期比増収増益となり、営業利益率は11.3%(前年同期比2.3ポイント増)となりました。なお、前年度に子会社化した企業(澪標アナリティクス株式会社及びTIS千代田システムズ株式会社)の業績反映が増加要因に、当連結会計年度にグループ外へ株式譲渡した企業(中央システム株式会社)の業績除外が減少要因になっていますが、合計での業績影響は軽微です。
⑤その他
情報システムを提供する上での付随的な事業及びその他で構成されています。
当第3四半期連結累計期間の売上高は6,729百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益は664百万円(同12.6%増)となり、営業利益率は9.9%(前年同期比0.3ポイント増)となりました。
前述の通り、当社グループは、当連結会計年度から「グループビジョン2026」の達成に向けたセカンドステップとなる新たな3カ年の中期経営計画(2021-2023)を開始いたしました。「Be a Digital Mover 2023」をスローガンに、戦略ドメインへの事業の集中を推進するとともに、DX提供価値の向上を基軸とした事業構造転換の加速に取り組んでまいります。
注)戦略ドメイン:「グループビジョン2026」で目指す、2026年に当社グループの中心となっているべき4つの事業領域
中期経営計画(2021-2023)の初年度となる当連結会計年度は、以下のグループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組んでいます。
<2022年3月期 グループ経営方針>
①サステナビリティ経営による社会提供価値と企業価値向上への取組推進
②生産性革新とDX提供価値向上による高付加価値化への取組強化
③財務健全性を堅持しつつ、DX価値提供力強化への成長投資
④ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略推進とガバナンス確立
⑤社員の働きがいの持続的向上とDX化を牽引する多様性に富む人材の育成
グループ経営方針における課題や取組み状況は以下の通りです。
①サステナビリティ経営による社会提供価値と企業価値向上への取組推進
当社グループはコーポレートサステナビリティ委員会の設置、マテリアリティの特定、解決を目指す4つの社会課題の特定など、サステナビリティ経営の高度化に向けた実行体制を整えてまいりました。中期経営計画(2021-2023)においては、特定した社会課題解決に資する事業活動への重点的な経営資源配分を実現することに加え、ESGを高度化し、脱炭素社会、循環型社会への寄与、ステークホルダーエンゲージメントの持続的向上、社会からの信頼を高めるコーポレートガバナンスの追求を推進してまいります。
同時に、企業価値の向上と認知度の向上への取組みとして、戦略的なブランド活動も継続してまいります。テレビCMや広告媒体への記事掲載などを継続的に実施した結果、当社グループの認知度は向上し、それに応じて社員の働きがいや採用面での効果が得られるなど、ブランド活動に基づく成果は着実に表れています。
また、コーポレート・サステナビリティ基本方針を制定するとともに、喫緊の重要な社会課題として優先度の高いテーマである人権や環境に関する取組みを進めています。人権問題に関しては、人権方針を制定するとともに、国連による「ビジネスと人権に関する指導原則」に即して人権デューデリジェンスのリスクアセスメントを進めています。また、気候変動問題に関しては、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同の後、その提言に基づく情報開示を実施しました。今後もサステナビリティ経営を深化させ、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上の実現を目指してまいります。加えて、従前から取り組んでいる「本社系機能高度化プロジェクト“G20”」の一環として、当社のグループシェアードサービス事業を完全子会社のTISトータルサービス株式会社に吸収分割することといたしました。グループ全体のバックオフィス業務のシェアードサービス化及びDX化の促進をはかり、グループ一体経営に基づく業務効率化の推進を一層強化いたします。
なお、東京証券取引所において2022年4月に予定されている市場区分の見直しに関し、当社はグローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場である「プライム市場」への移行が決定しています。
②生産性革新とDX提供価値向上による高付加価値化への取組強化
当社グループは、社会インフラとしての情報システムを担う社会的責任を強く認識し、継続的に「品質」「生産性」「技術力」の向上に取り組んでいます。特に生産性革新の観点において、「不採算案件の撲滅」、「エンハンスメント領域の収益性向上のための革新活動」、「オフショア推進」を継続的に推進してまいりました。現在は更に、サービス型ビジネスに対応した品質マネジメントシステムとして、「Trinity Ver.2」の展開を進めるなど、グループ全体で収益性向上に向けた取組みを継続しています。
また、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」において掲げるミッション「デジタル技術を駆使したムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りをつける」を体現すべく、顧客や社会のデジタル化に向けた課題に対する戦略立案から解決策の実行まで一気通貫の価値提供を目指し、DX提供価値向上による高付加価値化への取組みを進めています。その一例として、当社は2021年5月に、経済産業省が定める「DX認定事業者」に選定されました。これまでの顧客企業向けや自社のDX化の取組みが経済産業省の認定基準を満たしていること、並びにステークホルダーへの適切な情報開示が行われていることなどが評価されたものです。
当社グループの強みである決済領域においては、会員管理や加盟店管理に関する業務プロセッシングサービスの中心となるシステムをサービス型で提供する「クレジットカードプロセッシングサービス」を確立することに加え、貸付・融資などの金融サービス事業者のシステムをクラウド型で提供するレンディングサービスの拡大、さらにはそれらをつなぎ機能を高度化するデータ分析の機能を強化してまいります。また、それら各機能を用途・目的ごとにマイクロサービス化し、柔軟で変化に強い機能やサービス提供を進めることで、決済・金融のデジタル化における総合的な提供力を向上し、更なる強みの強化と事業領域の拡大を目指してまいります。
中でも、2023年3月期上期にサービスインを予定している「クレジットカードプロセッシングサービス」の展開により、ファイナンス機能を含む総合的プロセッシング需要に確実に応えてまいります。加えて、デジタル口座、モバイルウォレット、サービス連携、セキュリティ、データ利活用というデジタル化する決済に求められる要素をカバーする等、決済領域全般における事業展開を進めています。
また、顧客との接点である「フロントラインの更なる強化」に向け、DXを推進するための戦略立案や課題形成など上流領域のコンサルティング機能を強化するために、戦略的な経営資源配置と人材育成を推進してまいります。この一環として、2020年8月に連結子会社化したデータ分析・AIのコンサルティングに強みを持つ澪標アナリティクス株式会社と連携し、根幹顧客のDX推進に対する価値提供を強化しています。また、DX戦略人材会議を設置して具体的な施策検討や議論を開始するなどの取組みを進めています。積極的な配置転換やキャリア採用を進め、2022年3月期中にはDXコンサルタントを約50名増員し、300名体制に拡充する予定です。
③財務健全性を堅持しつつ、DX価値提供力強化への成長投資
不確実性の高まる環境においてもより競争力のある企業グループとなり、持続的な企業成長及び企業価値向上を実現するため、4つのテーマに対する積極的な成長投資(ソフトウェア投資、人材投資、研究開発投資、M&A・出資等)と適正リターンを獲得するための投資マネジメントの一層の高度化を進めてまいります。中期経営計画(2021-2023)の3年間においては、総額で約1,000億円の成長投資を行い、DX提供価値の向上や新技術の獲得を推進する方針であり、順次投資を実行しています。
また、当社グループは、「グループビジョン2026」で目指す4つの戦略ドメインへの事業の集中を推進する観点から、グループフォーメーションの最適化についても継続して検討を進める中、当連結会計年度においては連結子会社である中央システム株式会社の全株式をグループ外へ譲渡しました。今後も、構造転換に向けた諸施策を推進する一環としてグループフォーメーションの最適化及び事業ポートフォリオの見直しを継続的に実施し、それによって得た資金は財務投資戦略におけるキャッシュアロケーションの方針に沿って成長投資に充当してまいります。
④ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略推進とガバナンス確立
前中期経営計画において確立したASEAN各国のパートナーとのアライアンスを強化し、最先端技術や破壊的テクノロジーを活用することで、戦略ドメインで掲げる「ITオファリングサービス」、「フロンティア市場創造ビジネス」をグローバルで拡大してまいります。
こうした中、2020年10月に連結子会社化したタイ国内のエンタープライズ向けITソリューション提供のリーディングプレイヤーであるMFEC Public Company Limitedとの間で一層の事業シナジーを創出し、事業の拡大、競争力の向上を目指してまいります。
また、東南アジア最大のデジタルペイメントプラットフォームを展開するGrab Holdings Inc.との戦略的パートナーシップ関係を一層強化し、東南アジアおよび日本でのデジタルペイメントのインフラ強化や新たな決済技術の開発にも共同で取り組んでまいります。
加えて、中国トップクラスのブロックチェーン技術企業「杭州趣鏈科技有限会社(Hangzhou Qulian Technology Co., Ltd.)」やブロックチェーン技術を用いてTrade Financeプラットフォームを展開するシンガポールの「Contour Pte. Ltd.」との資本・業務提携を行うなど、テクノロジー(技術)の観点でも引き続き有力企業とのアライアンスを進めてまいります。
⑤社員の働きがいの持続的向上とDX化を牽引する多様性に富む人材の育成
社員と会社の価値交換性の継続的な高度化を実現するために、個の多様化と先鋭化に着目した人材戦略を推進してまいります。多様な個が活躍できる環境・組織風土の整備、ニューノーマルを見据えた次世代の働き方改革の推進、人材データベースのデジタル化による人材ポートフォリオマネジメントの高度化などを通して、社員のエンゲージメント向上に取り組んでまいります。加えて、構造転換をさらに加速するため、経営、コンサルティング、グローバル、サービスビジネスなど、先鋭化人材の戦略的な確保と育成に努めるとともに、最適配置を進めてまいります。
この一例として、当社は、社員の柔軟な働き方を促進する遠隔地テレワークや、自発的なキャリア形成を尊重する成長支援制度を新たに整備するとともに、様々なライフステージや自己実現を支援するライフステージサポート制度を拡充するなどの取組みを進めています。
その他、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図る一環として、2021年9月に計1,430,400株(取得価額の総額4,470百万円)の自己株式を取得するとともに、保有自己株式のほぼ全量にあたる計12,206,400株(消却前発行済株式総数の4.6%)を消却しました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ18,743百万円増加の469,815百万円(前連結会計年度末451,072百万円)となりました。
流動資産は、229,600百万円(前連結会計年度末229,965百万円)となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が6,920百万円減少したこと等によるものであります。
なお、注記事項(会計方針の変更)に記載の通り、収益認識会計基準等を適用したため、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」に表示していた「受取手形及び売掛金」は、第1四半期連結会計期間より「受取手形、売掛金及び契約資産」に区分して表示しております。
固定資産は、240,215百万円(前連結会計年度末221,106百万円)となりました。これは主に投資有価証券が19,695百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,237百万円減少の159,404百万円(前連結会計年度末171,642百万円)となりました。
流動負債は、105,457百万円(前連結会計年度末100,915百万円)となりました。これは主に短期借入金が24,935百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、53,946百万円(前連結会計年度末70,726百万円)となりました。これは主に長期借入金が24,400百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ30,980百万円増加の310,410百万円(前連結会計年度末279,429百万円)となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益等により利益剰余金が19,978百万円増加したこと等によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,081百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。