第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは『決済基盤を軸とした新しいワークフローの提供し、お客様の利益を創出します』という企業理念のもと、決済情報に基づいた業務処理の効率化を図る「マネー・チェーン・マネジメント」の思想のもと、企業のあらゆる決済業務の大幅な効率化とコストダウンの実現を支援しております。

当社グループでは上記企業理念のほか、以下の経営理念を掲げ、経営者をはじめとした従業員全体で大切にするべき価値観や行動指針として企業活動を行っております。

① 私達が大切にする価値観

1)誠実と責任

 誠実を旨とし、責任感を持って、信頼のサービスを社会に提供します。

2)創造と革新

 環境の変化を機敏に感じ取り、創意工夫に努め、常にサービスの革新・改善を推進します。

3)発展と成長

 お客様と共に発展し、社員一人ひとりの成長と幸せを実現します。

② ビジョン

1)私たちは、創意工夫と相互の啓発を大切にし、誇りとやりがいを持てる環境を作ります。

2)私たちは、決済サービスを中核としつつ、その情報と分析を活かした新しい領域のサービスを提供し、お客様の成長と発展に貢献します。

3)私たちは、パートナー企業と共に相互のノウハウと強みを活かしたアライアンスを推進し、1+1=∞の価値を創出します。

4)私たちは、ビジネスインフラとしての自覚を持ち、事業の安定的な運営と経営の透明性、健全性を堅持し、社会の発展に貢献します。

③ 行動指針

1)私たちは、ありがとうを大切にします

 個人の尊重、利他の精神を重んじ、自由闊達で協力を惜しまない文化の涵養とお互いに感謝しあう気持ちを大切にします。

2)私たちは、約束を守ります

 常に信用を第一に、社内外のルールに沿って誠実に行動し、お客様との約束、情報資産を守ります。

3)私たちは、挑戦します

 現状維持は停滞と捉え、「大胆な発想、着実な一歩。」により、創造、革新、改善に挑戦し続けます。

 

(2)経営戦略等

当社グループはこれまで、証券会社や為替・金融先物取引会社に対してクイック入金サービスや、損害保険会社向け自賠責保険料の回収システム「e-JIBAI」に代表される収納代行サービスを主力サービスとして経営を行っておりますが、昨今のキャッシュレス決済の急速な進展を受けて、今後の当社グループの主力サービスとすべく、急増する訪日中国人観光客向けスマホ決済アプリ「WeChatペイ」「Alipay」や、払込票での支払をスマホを利用して即座に自身の銀行口座より決済できる「PayB」などのスマホマルチ決済サービスと、自動販売機、各種屋内外無人機、店頭など場所を選ばず、電子マネーの新たな決済サービスを提供するシンクライアント型電子決済端末の販売に力を入れております

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

(2)で記載しました当社グループが注力しておりますスマホマルチ決済サービスやシンクライアント型電子決済端末の販売の市場については、現在進行形で新しいスマホ決済アプリや電子決済端末が次々に誕生していることから、今後も引き続き成長基調で推移していくものと想定しております。

この流れを受けて当社グループにおきましても、スマホマルチ決済サービスと自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の販売の拡大を目指しており、この方針の達成状況を判断するため、それぞれのサービスにおける売上高を、客観的な指標としております。

なお、サービスごとの営業利益に関しましては、市場が現時点では成長段階であり、まだ投資フェーズにあると判断しており、市場がある程度成熟し回収フェーズに入った段階で収益性についても客観的指標として注視していきたいと考えております。

(4)経営環境及び対処すべき課題

当社グループは、企業の財務活動における決済等の効率化を支援するサービスをインターネットを通して提供しております。

資金の回収業務につきましては、オンライン証券、外国為替証拠金取引会社等へクイック入金サービスを、また損害保険会社等に対し保険料等の回収業務を収納代行サービスとして提供する既存サービスに加えて、日本へ来る中国人旅行者向けのスマホ決済アプリ「WeChatペイ」や「Alipay」、払込票での支払をスマホを利用して即座に自身の銀行口座より決済できる「PayB」等の新サービスを展開しております。その他、資金の支払業務につきましては、事業会社及び金融会社等に対し、送金サポートサービスを提供しております。また、資金の回収業務や支払業務において得られたデータを活用したファイナンス取次業務を行っており、これら決済に関連する多岐にわたるサービスの提供が当社グループの特色でもあります。

しかしながら、クイック入金サービスを除き、それぞれのマーケットへの普及率は未だ不十分であり、限定的範囲での対応に留まっているため、以下の点を主要課題として認識するとともに、これまで以上の成長を目指し、事業価値の向上を推進してまいります。

① 人材の確保と教育

当社グループは、クイック入金サービスや収納代行サービスなどの既存サービスをはじめとして、スマホ決済アプリ「WeChatペイ」「Alipay」や「PayB」、自動販売機などの無人機でのキャッシュレス決済を可能とする電子マネー対応シンクライアント型決済端末の販売などの新規サービスを開発し提供するなど積極的な事業拡大を図っております。

それに伴い、営業人員をはじめとした人員確保が急務になっており、採用部門の強化、また採用後の教育を実施することで、組織全体の底上げを図り、顧客・サービスに柔軟に対応できる対応力の高い組織を目指してまいります。

② アライアンスの強化

当社グループは、資金業務の効率化や地方拠点からの資金の集中等、物販を伴わない資金移動を行うサービスを提供できることに強みがあり、このようなサービスは多くの一般事業会社でもニーズが高く、大きなマーケットが見込めると考えております。一方、サービスをパッケージ化し自力で広く営業展開を図るには、現在の会社規模では難しく、拡販について十分に対応できているとは言えない状況です。

当社グループのより一層の成長のため、社内の営業人員の確保・育成とともに、営業代行会社等とのアライアンスを強化することで営業力強化を図り、積極的でスピード感のある営業展開を行ってまいります。

③ システムの増強

決済サービスは一種の社会インフラでもあり、高度なセキュリティと信頼性の高い安定したシステム運用が求められます。インターネットを取り巻く技術革新は日進月歩であり、当社グループは、新しい技術を積極的に取り入れ、引き続き質の高い運用環境を維持するとともに、事業拡大に対応した運用要員の確保等に注力してまいります。

④ 事業開発力の強化

売上強化のためには、既存のビジネスを着実に発展させることはもとより、顧客ニーズの変化・社会の要請に合わせた新規サービスをタイムリーに開発することが重要です。

直近におきましても、スマホ決済アプリ「WeChatペイ」「Alipay」や「PayB」、自動販売機向け電子マネー対応シンクライアント型決済端末の提供などの新規サービスの開発・提供を行っておりますが、引き続き、社会の変化を常に意識し、新しいサービスを開発することで積極的な事業拡大を図ってまいります。

 

(5)会社の支配に関する基本方針

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、企業の決済業務と多数の金融機関を一元的に結び、様々な決済ソリューションを提供することを目的に、平成12年6月に設立されました。当社の創業者は、銀行における23年の実務経験の中で、企業間決済や資金運用機能の開発に携わってまいりましたが、多くの企業から寄せられる決済処理の効率化の要望に、金融機関が提供する機能やサービスだけでは十分に答えられないという事態に直面しておりました。そこで、当社は、金融機関という立場では様々な制約もあることを踏まえて、系列を超えた真にユーザーサイドに立ったサービスの実現を図ることを目指してまいりました。

企業の決済処理を効率化するためには、取引先の利用するすべての銀行との連携、そして十分な情報伝達と処理スキームの共有が必要となります。そこで、当社は、インターネットを利用した決済基盤の構築を通して、各種金融機関のサービスと連携して利用できる独自の決済プラットフォームを構築してまいりました。金融機関等決済機関はそれぞれ使用するシステムが異なりますが、当社では企業から受け取った決済等の情報を、必要な決済機関に合致したデータに変換して伝達いたします。これにより、企業は決済機関毎に決済等の情報を送付しなくとも、当社とアクセスすることで一括して決済等の業務を完結させることが可能となります。

こうした事業に携わる当社の社員は、決済業務を知り尽くした専門家集団であり、高いコンサルティング力を有しております。そして、かかる専門知識を活かして、顧客企業の事業モデルに即した効率化とコスト削減を実現する決済手段を提案しております。

この結果、インターネットを利用した個人投資家の株式の売買、為替・金融先物取引に付随する銀行口座、証券口座(証拠金口座)間の資金移動をリアルタイムでサポートする「クイック入金サービス」は一種業界の標準サービスとなり、現在約60社で利用されております。また、自賠責保険に関わる損害保険業界の共通のシステム(e-JIBAI)において収納代金の回収業務を受託しており、これも損害保険業界の標準サービスとなっております。

当社の顧客は、このように証券会社、為替・先物取引会社、損害保険会社といった金融庁が所管する金融機関が多く、当社はアウトソーシング先として、当局が要求する事務、システム、オペレーションにおける一定の水準をクリアすることが求められており、当社の提供する「決済情報プラットフォーム」は、企業活動の合理化を支援するサービスとして一種の社会インフラともなっております。

このような決済関連サービスを提供する中で、当社は、安定的かつ持続的な企業価値の向上が当社の経営にとって最優先課題と考え、その実現に日々努めております。

したがいまして、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念、企業価値の様々な源泉及び当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。

上場会社である当社の株式は、株主及び投資家の皆様による自由な取引に委ねられているため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思に基づき決定されることを基本としており、会社の支配権の移転を伴う大量の買付けに応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株券等の大量の買付けであっても、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保・向上に資するものであればこれを否定するものではありません。

しかしながら、事前に当社取締役会の賛同を得ずに行われる株券等の大量の買付けの中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強制するおそれがあるもの、当社取締役会が代替案を提案するための必要十分な時間や情報を提供しないもの、当社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするものなど、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を毀損するおそれをもたらすものも想定されます。

当社は、このような当社の企業価値や株主の皆様の共同の利益の確保・向上に資さない株券等の大量の買付けを行う者が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による株券等の大量の買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保・向上する必要があると考えております。

② 当社の基本方針の実現に資する特別な取組み

イ. 当社の企業価値の源泉

ⅰ 高い専門性

 当社の営業は、個々の企業ニーズに合わせた決済処理についての提案型営業が主体であり、規格化された商品をマスマーケットに拡販する営業とは異なります。このため決済に関わる高度の専門的知識が求められております。当社の設立当初は創業者のかかるノウハウに依存しておりましたが、その後OJTによる教育の浸透、また、信販会社、銀行、ノンバンク、証券会社等の出身者が入社したこともあり、組織としての高い専門性を有するようになっております。

 

ⅱ 提携金融機関と顧客企業

 当社の最大の強みは、大手銀行、ネット銀行、ゆうちょ銀行等多数の金融機関との提携により、決済業務における中継システムとして統合的な決済基盤を確立していることです。設立以来築き上げてきた金融機関との連携は、システム面のみならず、人的ネットワークも含めた幅広いものです。こうした基盤の構築により、顧客企業にかつてない利便性の提供を可能にしております。

 また、当社の主要顧客は、証券会社、為替・先物取引会社、損害保険会社等の金融関連企業となっております。こうした企業との取引は、一度取引を開始させていただくと、継続的な取引につながるケースが多々あります。

 このような顧客資産と提携金融機関のネットワークは当社にとって最大の財産であり、今後とも一層取引深耕を図っていくことが必要となります。

ⅲ 企業風土と健全な財務体質

 決済サービスは、物の販売等の経済活動の裏側にある、謂わば黒子のような存在ですが、なくてはならない一種の社会インフラとも言えます。そして、これを支えるには堅牢なシステムとオペレーションが必要です。また、業務に携わる社員には、高い倫理観と誠実性が求められております。このように、当社は、縁の下の力持ち的な存在であることから、当社社内でも堅実な成長を求め続ける企業風土が定着しているとともに、当社としても、それを維持することが重要となっております。当社では、創業以来培ってきたノウハウに加えて、こうした堅実、誠実な企業としての姿勢があいまって、安心、安全、安定したサービスを提供できる体制が構築できているものと認識しております。

 また、こうしたサービスを支える企業にとっては、財務体質の健全化が取引先の信頼を確保するために重要となるため、当社は、極めて健全な財務体質を維持しており、今後の事業拡大における設備投資、人的投資、企業買収等にも迅速に対応できる資金力を保有しておりますが、こうした財務体質の健全性も、当社の成長の礎となっております。

ロ. 企業価値向上のための取組み

 当社は、企業価値向上のためには、既存ビジネスの拡大と新規ビジネスへの取組みが必須であると認識しております。

 当社の決済支援サービスの主力商品として、収納代行サービス、クイック入金サービス、送金サポートがございますが、今後は、送金取次サービスの拡大、スマートフォン決済基盤の確立等を図ってまいります。

ハ. 株主還元の方針

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと認識しており、利益配分につきましては、経営成績及び財政状態を見ながら、また、一方で将来に備えた内部留保充実の必要性を勘案して決定することを基本方針としており、親会社株主に帰属する当期純利益の35%程度を目処として配当を実施する方針です。

 なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款で定めており、毎事業年度における配当は、期末と中間の2回行うことができることとしております。

 これらの剰余金の配当については、期末配当は株主総会、中間配当は取締役会を決定機関としております。

 平成30年度の期末配当につきましては、株主の皆様への利益還元として、1株当たり17円50銭の期末配当を実施いたしました。

 当社は、これらの取組みが、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保・向上につながるものと考えております。

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、当社株券等の大量の買付けを行う際の一定のルールを設ける必要があると考えました。

そこで、当社は、平成23年8月12日開催の取締役会の決議に基づき、「当社株券等の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入し、直近では平成30年3月28日開催の当社第18回定時株主総会において承認をいただき継続しております。(当該継続後の対応策を「本プラン」といいます。)

本プランの概要は、次のとおりです。

イ.本プランの対象となる当社株券等の買付行為

 本プランは、(ⅰ)当社株券等の特定株式保有者等の議決権割合を15%以上とする当社株券等の買付行為、(ⅱ)結果として特定株式保有者等の議決権割合が15%以上となる当社株券等の買付行為、又は、(ⅲ)結果として特定株式保有者等の議決権割合が15%以上となる当社の他の株主との合意等(共同して当社株券等取得し、若しくは譲渡し、又は当社の株主としての議決権その他の権利を行使することの合意その他金融商品取引法第27条の23第5項及び第6項に規定する共同保有者に該当することとなる行為をいいます。)を対象とします。(いずれについても当社取締役会があらかじめ同意したものを除き、また、(ⅰ)及び(ⅱ)の買付行為については、市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何は問わないものとします。以下、(ⅰ)乃至(ⅲ)の行為を総称して「大量買付行為」といい、買付行為を行う者を「大量買付者」といいます。)

ロ.独立委員会の設置

 本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止するため、独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で合理的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役又は社外有識者等のいずれかに該当する者の中から選任されます。

ハ.大量買付ルールの概要

 大量買付者が大量買付行為を行う前に、当社代表取締役に対して買付意向表明書を当社所定の書式にて提出していただき、当社取締役会は、かかる大量買付行為に関する評価、検討に必要な情報の提供を求め、大量買付行為についての評価、検討、大量買付者との買付条件等に関する交渉又は株主の皆様への代替案の提案等を行うとともに、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置を発動するための大量買付ルールを定めております。

 大量買付者は、大量買付ルールに従って、当社取締役会又は株主総会において、対抗措置の発動の是非に関する決議が行われるまでは、大量買付行為を開始することができないものとします。

ニ.大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合

 大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、原則として対抗措置は採りません。大量買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様にご判断を委ねます。

 但し、当該大量買付行為が、当社に回復し難い損害をもたらすことが明らかであると認められる行為であり、対抗措置を採ることが相当であると判断する場合には、例外的に当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動の決議を行うものとします。

ホ.大量買付者が大量買付ルールを遵守しない場合

 大量買付者が、大量買付ルールを遵守しなかった場合、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保・向上のために、対抗措置の発動の決議を行うものとします。

へ.本プランの有効期間等

 本プランの有効期間は、平成33年3月に開催予定の定時株主総会の終結の時まで延長されております。

 なお、有効期間の満了前であっても、本プランは、株主総会又は取締役会の決議により廃止が可能です。

④ 基本方針の実現のための取組みについての当社取締役会の判断及びその理由

イ.当社の基本方針の実現に資する特別な取組み(上記②)について

 上記②「当社の基本方針の実現に資する特別な取組み」に記載した各取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的に確保・向上させるための具体的取組みとして策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。

 したがいまして、これらの各取組みは、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

ロ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(上記③)について

ⅰ 当該取組みが基本方針に沿うものであること

 本プランは、大量買付行為が行われる際に、当該大量買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要十分な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために大量買付者等と交渉を行うことなどを可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保・向上するための取組みであり、基本方針に沿うものであります。

 

ⅱ 当該取組みが当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

 当社は、以下の理由により、本プランは、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

(ⅰ) 買収防衛策に関する指針において定める三原則を完全に充足していること等

 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日付で公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」において定められた(a)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、(b)事前開示・株主意思の原則、(c)必要性・相当性の原則の三原則を完全に充足しております。

 また、本プランは、企業価値研究会が平成20年6月30日付で公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の趣旨を踏まえた内容になっており、合理性を有するものであります。

(ⅱ) 株主の皆様の意思の重視と情報開示

 本プランの発効は当社取締役会決議によるものですが、当社は、当社株主総会において株主の皆様のご承認が得られることを条件として本プランを継続させていただく予定であります。

 また、本プランの有効期間満了前であっても、当社株主総会において、本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになっており、本プランは、その廃止についても、株主の皆様の意思を尊重した形になっております。

 さらに、これらに加えて、当社取締役会は、本プランに従った対抗措置の発動の決議に際して、実務上適切であると判断する場合には、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することとされており、対抗措置の発動に関しても株主の皆様の意思が反映されることとなります。

 また、株主の皆様に、本プランの廃止等の判断、大量買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かについての判断及び対抗措置の発動の是非を判断する株主総会における議決権行使等の際の意思形成を適切に行っていただくために、当社取締役会は、大量買付情報その他大量買付者から提供を受けた情報を株主の皆様へ当社取締役会が適当と認める時期及び方法により開示することとしております。

(ⅲ) 当社取締役会の恣意的判断を排除するための仕組み

a 独立性の高い社外者の判断の重視

 当社は、本プランの導入にあたり、取締役会の恣意的判断を排除するために、独立委員会を設置することとしております。

 当社に対して大量買付行為がなされた場合には、独立委員会が、大量買付行為に対する対抗措置の発動の是非等について審議・検討した上で当社取締役会に対して勧告し、当社取締役会は当該勧告を最大限尊重して決議を行うこととされており、取締役会の恣意的判断に基づく対抗措置の発動を可及的に排除することができる仕組みが確保されています。

b 合理的な客観的要件の設定

 本プランは、大量買付者が、本プランにおいて定められた大量買付ルールを遵守しない場合、又は大量買付者が、当社の企業価値を著しく損なう場合として合理的かつ詳細に定められた客観的要件を充足した場合のみ発動することとされており、この点においても、当社取締役会による恣意的な対抗措置の発動を可及的に排除する仕組みが確保されているものといえます。

 さらに、当社取締役会が株主総会の開催を決定した場合には、対抗措置の発動の是非の決定は当社株主総会の決議に委ねられ、この点においても、当社取締役会による恣意的な対抗措置の発動を可及的に排除する仕組みが確保されているものといえます。

(ⅳ) デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと

 本プランは、当社取締役会により廃止することができるものとされていることから、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役の任期について期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

2【事業等のリスク】

以下に、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。また、当社グループとして必ずしもそのようなリスク要因とは考えていない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。これらリスクの発生可能性について十分に認識をした上で、発生の回避及び発生時の対応に努めてまいります。本項については、本株式に対する投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありませんので、ご留意ください。

なお、文中における将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において判断しております。

 

1.事業を取り巻く経営環境について

(1)証券取引、為替取引における規制について

当社グループは、クイック入金サービスにおいて、個人投資家の銀行口座から証券、外国為替の証拠金口座への資金移動をサポートするサービスを提供しておりますが、証拠金倍率の上限規制が導入される等当局による規制が強化され、取扱件数が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)株式市況、外為市況等の変動について

当社グループの提供するクイック入金サービスによる売上げは、株式、外為等市況の変動幅が大きい程取引件数が増加する傾向にありますが、市況変動幅が小さくなった等の理由により取引件数が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)法令による規制について

当社グループの決済代行支援事業については、改正割賦販売法のクレジット番号等取扱契約締結事業者、改正銀行法における電子決済等代行業者にそれぞれ登録し、それぞれの規制を受け事業を行っておりますが、今後、それぞれの法律が改正され、その内容によって当社の提供するサービスが制限を受ける、また、何らかの事情により登録が取り消された場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)収納代行預り金について

当社グループの収納代行サービスは、事業者に代わり収納した代金を、分別管理された当社名義の預貯金口座に一時保管した後、所定の期日に事業者に送金するスキームとなっております。収納代行により当社が一時保管する代金については、貸借対照表上「現金及び預金」(流動資産)及び「預り金」(流動負債)に両建計上されております。

当該収納代行代金については、事業者財産保護の観点から金融機関の決済性預貯金口座において決済用資金と分別管理しており、貸倒リスク軽減のため、契約に基づき事業者に送金する際に手数料(当社売上)を相殺するスキームを採用しておりますが、ペイオフ等に関する金融行政の方針が変更され、当該口座が預金保護の対象とならなくなった場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

(5)競合と参入障壁について

当社グループの提供する決済代行支援事業のうち、クイック入金サービスについては金融機関とのシステム連携のノウハウは専門性を要求されるため、参入障壁が高いものと認識しております。その一方で、EC事業者の運営する仮想店舗での物販に伴うクレジットカード、コンビニエンスストア店頭払い等の収納代行サービスは参入障壁は必ずしも高いものではなく、また、既存の決済代行業者間の競争は激化しております。これら決済等のうち収納代行サービスについて競争の激化により低価格競争を余儀なくされた場合、当社の連結子会社であるQCS株式会社の株式取得時に発生したのれんの減損損失を含め当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)新規事業について

当社グループは、従来からのクレジットカード決済やコンビニエンスストア決済などの収納代行サービスや銀行振込入金を24時間リアルタイムで行えるクイック入金サービスに加え、当社開発のスマホ決済アプリ「PayB」や中国一のダウンロード数を誇るWeChat(微信)に紐づいたモバイル決済サービス「WeChatペイ」などのスマホマルチ決済サービスや自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の販売など新しいサービスを開発し展開しております。しかしながら、これらのサービスは市場成長率も高く競合他社も増加傾向にあるため、サービスの差別化が難しくなり価格競争に巻き込まれ収益性が悪化するなど予想と異なった場合、投資資金の回収が遅れ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)革新的技術の出現について

当社グループは、前述(6)記載の通り、収納代行サービスやクイック入金サービス、スマホマルチ決済サービスや自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の販売など多くのサービスを展開しておりますが、決済代行支援サービス業界の技術革新のスピードは非常に速く、まったく新しい決済スキーム等の出現により、当社サービスが著しく陳腐化することにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)災害リスクについて

当社グループは、システム構成の冗長化等を行い、システムダウンが発生しないよう然るべき対応を便宜図っておりますが、地震や台風、大雪などの自然災害や、火災や停電、テロ行為等が発生した場合、物的・人的な損害の発生や、システムダウン以外に営業活動が制限される等当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)海外との取引について

当社グループは、中国人旅行者向けに「WeChatPay」「Alipay」というスマホアプリ決済サービスを展開しており、日本国内で中国人観光客がスマホアプリで決済した代金を契約中国企業より送金してもらい、各加盟店企業に当社より送金するスキームを採っております。

そのため、中国において予期しない法律の変更や経済環境の変化、戦争・テロ・紛争等その他要因による社会的・政治的混乱の発生により、送金が停止される等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)仕入先について

当社グループは、自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末を海外の企業から輸入し日本国内で販売を行っております。輸入元企業の信用状況悪化等により製品の安定的供給、保守が行われなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)商品について

当社グループは、自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の品質管理に関して適切な対応に努めております。しかし、このような管理体制を整えているにも関わらず、当社又は、輸入元企業に起因する製造物責任に関わる事故の発生や品質等の不適切な表示により関係諸法令に抵触した場合は、当社グループの社会的信用や企業イメージを損ない、多額の賠償金又は罰金の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)仕入価格について

当社グループは、自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末を販売しておりますが、この製品については中国から輸入しており、仕入代金の支払いについては米ドル建てで行っております。

そのため、円高傾向にある時期に事前に米ドルに換金するなど想定レートより有利になるように仕入価格を調整しておりますが、日本円と米ドル間の為替相場が想定以上に円安傾向となった場合、円換算した仕入価格が上昇することになります。当社グループの想定以上に円安が進んだ場合、市場環境いかんでは、かかる仕入価格の上昇分を適正に製品の販売価格に転嫁することが出来ず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、中国からの仕入については上記の通り、米ドル決済としておりますが、人民元が切上げられた場合、仕入価格が上昇する可能性があり、当該上昇分を適正に製品の販売価格に転嫁出来ない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.当社の事業体制について

(1)小規模組織であることについて

当社グループは、平成30年12月31日現在、役職員数合計が64名で、このうち取締役5名(うち非常勤取締役2名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)と小規模な組織であり、内部管理体制や業務執行体制も組織規模に応じたものとなっております。そのため、もし社員が予期せぬ退社をした場合にはメンバー構成に重大な変化が生じる可能性があります。

(2)営業体制について

当社グループの現状の規模では、直接顧客企業への営業展開を行うことには限界があるため、顧客開拓等については、事業上のアライアンス先の営業に協力を得ております。このため、アライアンス先の事業戦略が変更されたり、アライアンス先が計画通りの取引先数、決済取次件数を達成できない等の事情が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループの既存の顧客に対しては、追加サービスを提供することにより売上の拡大を図っておりますが、既存顧客に対して当社グループが想定する新たなサービスを提供することができなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)開発体制について

当社は、キャッシュレス化の流れを踏まえスマートフォンを利用した決済サービス「PayB」等新しいサービスを展開しておりますが、優秀な技術者を確保できないなど多様化する顧客のニーズに対応したサービスの提供や高度化するアプリケーション開発がタイムリーにできなかった場合、事業の展開が遅れ当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)人材の確保について

当社グループは、クイック入金サービスや収納代行サービスなどの既存サービスをはじめ、スマホマルチ決済サービスや自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の販売などの新規サービスを提供するなど積極的な事業拡大を進めております。それに伴い、営業人員やシステム開発要員をはじめとした人員確保が急務になっており、採用部門の強化、また採用後の教育を実施することで、組織全体の底上げを図り、顧客・サービスに柔軟に対応できる対応力の高い組織を目指しております。

ただし、当社グループが事業拡大を進めていくうえで、必要な人材を確保・育成し、活用できない場合には、当社グループの事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)個人情報の漏洩について

当社グループは、決済取次サービスの提供において、個人情報を有することがあり、事業の拡大に伴い当社グループの取り扱う個人情報が増大する可能性があります。当社グループは、個人情報に係る社内管理体制を整備し、役職員に対する教育を実施し、一般財団法人日本情報経済社会推進協会よりプライバシーマークの付与認定を受けております。

しかしながら、外部からの不正なアクセスや想定していない事態によって個人情報の外部流出等の発生で当社の信用が失墜し、顧客の離反や損害賠償等が発生し当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(6)システム障害について

当社グループは、インターネットを活用した決済関連の業務受託を行っており、金融機関、コンビニエンスストア、カード会社等のシステムとネットワークで接続されております。当社グループの運用するシステムについては、基本的に二重化すること及び定期メンテナンスの実施により障害対策を講じておりますが、直下型の地震等の自然災害や事故等の不測の事態が起こった場合、外部からの不正侵入によるシステム動作の不良、当社グループ又はネットワークで接続された他社のシステムダウンによるサービスが停止した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(7)業務委託先のシステムについて

当社グループは、株式会社エヌ・ティ・ティ・データと業務提携を行い、決済収納システムの構築と運用の一部を委託しております。同社のシステムは極めて信頼性が高いものと認識しておりますが、不測の事態により障害が発生した場合は、当社グループの業務が正常に行えなくなり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)投資(有価証券)の減損について

当社グループは、投資価値の下落が著しく、かつ回復の可能性がないと判断した場合、投資の減損を計上しております。非上場企業への投資の場合、当該会社の財政状態の悪化によりその純資産価額が取得価額に比して50%下落した場合に通常回復の可能性はないものと判断しております。

将来、市況悪化・業績不振等により現在の帳簿価額に反映されていない損失や回収不能が発生した場合、投資の減損が必要になり当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)ソフトウエアの減損について

当社グループでは、将来の収益獲得、費用削減が確実であると認められた開発費用についてはソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)に計上しております。このソフトウエアについて将来大規模な計画や使用状況の変更やサービスの陳腐化等により収益獲得、費用削減効果が大幅に損なわれた場合、ソフトウエアの償却や減損が必要になり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)知的財産権の侵害について

当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないよう社内管理体制を強化しておりますが、当社グループの事業分野において知的財産権の現況を完全に把握することは困難であり、当社グループが把握できないところで第三者がすでに特許・著作権その他知的財産権を保有している可能性は否めず、当社グループの事業分野において第三者が当社グループより先に特許・著作権その他知的財産権を保護し、損害賠償や使用差止等の請求を受けた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)事務オペレーションリスクについて

当社グループは、事務手続きの標準化や文書化に常に取り組んでおりますが、当社グループの展開するサービスの急速な拡大等で事務量が大幅に増加した場合、事務手続きのミスが発生する可能性があり、ミスの内容によっては、加盟店や取引先からの信用を大きく落とし、加盟店や取引先数が減少することで当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、冬場の天候不順や世界的なスマートフォン需要の一服もあって1~3月期の実質GDP成長率は前期比年率マイナス0.6%となったものの、世界的な景気回復の継続に加え、国内の雇用・所得環境の一層の改善、技術革新や人手不足に対応した企業の投資意欲の高まり等により、内外需ともに底堅さがみられ、緩やかな景気回復の基調は続いております。しかしながら、アメリカの通商政策やそれに対応した各国の反応、アメリカの金融政策の正常化の影響、英国のEU離脱交渉の動向、中国の過剰債務問題等の構造問題への対応など世界経済や金融資本市場の先行きは依然として不透明な状況で推移しております。

当社の属する決済市場においては、日本政府が2017年6月に行った発表「未来投資戦略2017」の中で、数ある重点分野の中で「キャッシュレス決済比率」という指標に着目し、これを今後10年間(2027年6月まで)で現在(20%)の2倍、全体の40%程度まで上昇させることを目指すと明言しており、日本国内における2020年の電子決済取扱高の合計は最大で約87兆円に迫ることが予想されており、決済方式別に見ると、クレジットカード決済市場が58兆円(2017年)から最大73兆円(2020年)へ、デビットカード決済市場は9,911億円(2017年)から最大1.5兆円(2020年)へ、非接触IC型やサーバ管理型の電子マネーを含むプリペイドカード決済市場は約9.6兆円(2017年)から最大12.6兆円(2020年)へと利用規模が拡大するものと推定されています。

このような状況の下、当社グループは、クイック入金サービスや公共料金支払代行サービスなど既存サービスの新規顧客獲得と並行して、クイック口振サービスやスマホマルチ決済サービス、自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の販売など新サービスの開発についても積極的に取り組んでおり、スマホマルチ決済サービス「PayB」については、サービス提供を2017年7月より開始し、すでに都市銀行や地方銀行などの各金融機関27行において利用可能となっており、今後も利用可能金融機関は増えていく予定です。また、利用可能取引先の拡大についても積極的に進めており、公共料金収納企業では、2018年8月には関西電力株式会社、10月より日本放送協会(NHK)、東北電力株式会社、11月より東京電力エナジーパートナー株式会社、東京ガス株式会社、地方公共団体では2018年10月に大阪府においてサービスが開始されるなど、払込票による決済が可能な公共料金や税金等の公金を中心に営業活動を展開しております。

加えて、飲料自動販売機向け電子マネー対応シンクライアント型決済端末の販売についても、2017年3月にイオンディライト株式会社と契約し、全国のイオン各店舗内に設置しております飲料自動販売機への導入も順調に進んでおり、使用可能の電子マネーについても、WAONやSuicaなどの交通系ICの他に、iD・QUICPay・楽天Edyが加わり、今後もnanacoなど他の電子マネーや、Apple PayなどEMVコンタクトレスでの決済も可能になるよう機能を順次追加していく予定です。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度における資産の合計は、前連結会計年度末に比べ443,469千円減少し、6,159,640千円となりました。

当連結会計年度における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ582,096千円減少し、4,166,183千円となりました。

当連結会計年度における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ138,626千円増加し、1,993,456千円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高2,638,701千円(前年同期比18.2%増)、営業利益346,438千円(前年同期比40.6%増)、経常利益345,888千円(前年同期比39.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益172,443千円(前年同期比35.0%増)となりました。

セグメントごとの経営成績については、決済支援事業サービス以外の区分のサービスについては、重要性が乏しいことから記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して395,297千円減少となり、残高は5,140,991千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は238,701千円(前連結会計年度は867,045千円の収入)となりました。これは主に、売掛金の増加による支出72,863千円、買掛金の減少による支出82,284千円及び預り金の減少額647,349千円等の資金減少要因が、たな卸資産の減少に伴う収入91,684千円、減損損失77,723千円及び税金等調整前当期純利益268,164千円等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は96,841千円(前連結会計年度は103,871千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出12,868千円、無形固定資産の取得による支出60,733千円及び、敷金及び保証金の差入による支出14,099千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は59,754千円(前連結会計年度は154,035千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金返済による30,000千円の支出及び配当金の支払額39,754千円の資金減少要因によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループでは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループでは、受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。

事業の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

決済支援事業 (千円)

2,632,141

18.3

ファイナンス支援事業 (千円)

5,583

△15.3

その他の事業 (千円)

977

△29.0

合計 (千円)

2,638,701

18.2

(注)1主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成30年1月1日

至 平成30年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ACSリース株式会社

264,840

11.9

467,160

17.7

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

237,893

10.7

239,567

9.1

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

236,027

10.6

231,820

8.8

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態の分析

(資産合計)

当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べ443,469千円減少の6,159,640千円(前連結会計年度末は6,603,110千円)となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ421,256千円減少の5,841,026千円(前連結会計年度末は6,262,282千円)となりました。これは主に、売掛金が72,864千円増加した一方、現金及び預金が395,297千円、商品が91,028千円減少したことなどによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ22,213千円減少の318,614千円(前連結会計年度末は340,827千円)となりました。これは主に、投資有価証券が10,000千円、繰延税金資産が15,219千円増加した一方、ソフトウェアが50,170千円減少したことなどによるものであります。

(負債合計)

当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ582,096千円減少の4,166,183千円(前連結会計年度末は4,748,279千円)となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ553,570千円減少の4,127,027千円(前連結会計年度末は4,680,597千円)となりました。これは主に、未払法人税等が101,035千円、未払消費税等が40,027千円増加した一方で、買掛金が78,386千円、預り金が641,094千円減少したことなどによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ28,526千円減少の39,156千円(前連結会計年度末は67,682千円)となりました。これは主に、長期借入金が30,000千円減少したことなどによるものであります。

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ138,626千円増加の1,993,456千円(前連結会計年度末は1,854,830千円)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益172,443千円を計上したこと及び剰余金の配当により39,840千円減少したことなどによるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、新規サービスでありますスマホマルチ決済サービスにかかる収納代行手数料、自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の販売台数などが伸びたことにより、前連結会計年度に比べ18.2%増の2,638,701千円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における売上原価は、上記新規サービスにかかるスマホマルチ決済サービスにかかる金融機関等への支払手数料、自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の仕入、また、システム開発に関連する人件費やソフトウェアの償却費などが増加したことにより、前連結会計年度に比べ16.1%増の1,722,704千円となりました。

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、事業拡大や営業体制強化による人件費の増加などにより、前連結会計年度に比べ13.2%増の569,559千円となりました。

(特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別損失は、スマホマルチ決済サービスにかかるソフトウェアの減損損失77,723千円であります。

また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を89,697千円を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ35.0%増の172,443千円となりました。

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、株式市場・外為市況動向、銀行法などの法改正、収納代行預り金などがあります。

まず、株式市場・外為市況動向によって、当社グループの提供するクイック入金サービスによる売上に与える影響は大きく、クイック入金サービスの収益が当社グループ全体の業績に大きな影響を与えることを認識しております。株式・外為等市況の変動幅が大きい程取引件数が増加する傾向にあり、市況変動幅が小さいと取引件数が減少する傾向にあります。このように株式・外為等市況に当社グループの業績が大きく影響を受けないために、スマホマルチ決済サービスや自動販売機向け電子マネー対応シンクライアント型決済端末の販売などの新規サービスを展開し事業を拡大していくことで、株式・外為等市況によるリスクを最大限に抑えるよう取り組んでおります。

また、当社グループは、改正割賦販売法のクレジット番号等取扱契約締結事業者、改正銀行法における電子決済等代行業者にそれぞれ登録し、それぞれの規制を受け事業を行っております。それぞれの法律が改正され、その内容によって当社の提供するサービスが制限を受ける、また、何らかの事情により登録が取り消された場合、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼすことを認識しております。そのため当社グループは、関連する業界団体等に加入し、研修会やセミナーに参加することで最新の情報を入手できる環境を整えており、事業部門だけなくコーポレート部門も関与し、法改正への対応についても事前に対策が講じることができる体制を整えております。

当社グループの収納代行サービスは、事業者に代わり収納した代金を、分別管理された当社名義の預貯金口座に一時保管した後、所定の期日に事業者に送金しております。この際、当該収納代行代金の一次保管中に預貯金口座のある銀行が破綻した場合に、預貯金が目減りするリスクを認識しております。そのため当社グループは、事業者財産保護の観点から金融機関の決済性預貯金口座において決済用資金を分別管理し、ペイオフによる預金目減りのリスクを回避しております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、収納代行サービスにかかる金融機関等への支払手数料や、システム開発や運用・維持にかかる人件費や外注費、自動販売機向けシンクライアント型電子決済端末の購入費用などの売上原価のほか、営業や管理部門などの人件費や本社オフィスの家賃などの販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、当社サービスにかかるサーバ構築費用やソフトウェア開発費用であります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は、自己資金と金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入金を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金を含む有利子負債の残高は65,833千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,140,991千円となっております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが重視している経営指標は、新しく展開しておりますサービスの売上高です。それぞれの指標の実績及び目標は以下のとおりです。

サービス名

2017年12月期

実績

2018年12月期

実績

2019年12月期

目標

スマホマルチ決済サービス

44百万円

232百万円

291百万円

カードリーダーソリューションサービス

276百万円

513百万円

699百万円

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

「決済支援事業」以外の事業の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

業務委託契約等

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約

締結日

契約内容

契約期間

ビリングシステム株式会社

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

日本

システム使用並びに業務委託契約

平成21年10月1日

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ所有のシステムの使用並びに収納代行・決済サービスの業務委託契約

平成21年10月1日から

平成27年5月31日まで

(その後1年単位の自

動更新)

ビリングシステム株式会社

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

日本

MPN通信機能に関するITアウトソーシングサービス契約

平成23年12月27日

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ所有のシステムの使用並びに収納代行・決済サービスの業務委託契約

平成24年1月15日から

平成27年5月31日まで

(その後1年単位の自

動更新)

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。