第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは『決済基盤を軸とした新しいワークフローを提供し、お客様の利益を創出します』という企業理念のもと、決済情報に基づいた業務処理の効率化を図る「マネー・チェーン・マネジメント」の思想のもと、企業のあらゆる決済業務の大幅な効率化とコストダウンの実現を支援しております。

当社グループでは上記企業理念のほか、以下の経営理念を掲げ、経営者をはじめとした従業員全体で大切にするべき価値観や行動指針として企業活動を行っております。

① 私達が大切にする価値観

1)誠実と責任

 誠実を旨とし、責任感を持って、信頼のサービスを社会に提供します。

2)創造と革新

 環境の変化を機敏に感じ取り、創意工夫に努め、常にサービスの革新・改善を推進します。

3)発展と成長

 お客様と共に発展し、社員一人ひとりの成長と幸せを実現します。

② ビジョン

1)私たちは、創意工夫と相互の啓発を大切にし、誇りとやりがいを持てる環境を作ります。

2)私たちは、決済サービスを中核としつつ、その情報と分析を活かした新しい領域のサービスを提供し、お客様の成長と発展に貢献します。

3)私たちは、パートナー企業と共に相互のノウハウと強みを活かしたアライアンスを推進し、1+1=∞の価値を創出します。

4)私たちは、ビジネスインフラとしての自覚を持ち、事業の安定的な運営と経営の透明性、健全性を堅持し、社会の発展に貢献します。

③ 行動指針

1)私たちは、ありがとうを大切にします

 個人の尊重、利他の精神を重んじ、自由闊達で協力を惜しまない文化の涵養とお互いに感謝しあう気持ちを大切にします。

2)私たちは、約束を守ります

 常に信用を第一に、社内外のルールに沿って誠実に行動し、お客様との約束、情報資産を守ります。

3)私たちは、挑戦します

 現状維持は停滞と捉え、「大胆な発想と着実な一歩。」により、創造、革新、改善に挑戦し続けます。

 

(2)経営戦略等

当社グループはこれまで、証券会社や為替・金融先物取引会社に対してクイック入金サービスや、損害保険会社向け自賠責保険料の回収システム「e-JIBAI」に代表される収納代行サービスを主力サービスとして経営を行っておりますが、昨今のキャッシュレス決済の急速な進展を受けて、今後の当社グループの主力サービスとすべく、急増する訪日中国人観光客向けスマホ決済アプリ「WeChat Pay」「Alipay」などのスマホマルチ決済サービスや、払込票での支払をスマートフォンを利用して即座に自身の銀行口座より決済できるスマホ決済サービス「PayB」などと、自動販売機、各種屋内外無人機、店頭など場所を選ばず、電子マネーの新たな決済サービスを提供するキャッシュレス決済端末の販売に力を入れております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

(2)で記載しました当社グループが注力しておりますスマホ決済サービスやキャッシュレス決済端末の販売の市場については、現在進行形で新しいスマホ決済アプリや電子決済端末が次々に誕生していることから、今後も引き続き成長基調で推移していくものと想定しております。

この流れを受けて当社グループにおきましても、スマホ決済サービスとキャッシュレス決済端末の販売の拡大を目指しており、この方針の達成状況を判断するため、それぞれのサービスにおける売上高を、客観的な指標としております。

なお、サービスごとの営業利益に関しましては、市場が現時点では成長段階であり、まだ投資フェーズにあると判断しており、市場がある程度成熟し回収フェーズに入った段階で収益性についても客観的指標として注視していきたいと考えております。

(4)経営環境及び対処すべき課題

当社グループは、企業の財務活動における決済等の効率化を支援するサービスをインターネットを通して提供しております。

資金の回収業務につきましては、オンライン証券、外国為替証拠金取引会社等へクイック入金サービスを、また損害保険会社等に対し保険料等の回収業務を収納代行サービスとして提供する既存サービスに加えて、日本へ来る中国人旅行者向けのスマホ決済サービス「WeChat Pay」や「Alipay」、払込票での支払をスマホを利用して即座に自身の銀行口座より決済できる「PayB」等の新サービスを展開しております。その他、資金の支払業務につきましては、事業会社及び金融会社等に対し、送金サポートサービスを提供しております。また、資金の回収業務や支払業務において得られたデータを活用したファイナンス取次業務を行っており、これら決済に関連する多岐にわたるサービスの提供が当社グループの特色でもあります。

しかしながら、クイック入金サービスを除き、それぞれのマーケットへの普及率は未だ不十分であり、限定的範囲での対応に留まっているため、以下の点を主要課題として認識するとともに、これまで以上の成長を目指し、事業価値の向上を推進してまいります。

① 人材の確保と教育

当社グループは、クイック入金サービスや収納代行サービスなどの既存サービスをはじめとして、スマホ決済サービス「WeChat Pay」「Alipay」や「PayB」、自動販売機などの無人機でのキャッシュレス決済を可能とするキャッシュレス決済端末の販売などの新規サービスを開発し提供するなど積極的な事業拡大を図っております。

それに伴い、営業人員をはじめとした人員確保が急務になっており、今後とも継続して採用部門の強化、また採用後の教育を実施することで、組織全体の底上げを図り、顧客・サービスに柔軟に対応できる対応力の高い組織を目指してまいります。

② アライアンスの強化

当社グループは、資金業務の効率化や地方拠点からの資金の集中等、物販を伴わない資金移動を行うサービスを提供できることに強みがあり、このようなサービスは多くの一般事業会社でもニーズが高く、大きなマーケットが見込めると考えております。一方、サービスをパッケージ化し自力で広く営業展開を図るには、現在の会社規模では難しく、拡販について十分に対応できているとは言えない状況です。

当社グループのより一層の成長のため、今後とも継続して社内の営業人員の確保・育成とともに、営業代行会社等とのアライアンスを強化することで営業力強化を図り、積極的でスピード感のある営業展開を行ってまいります。

③ システムの増強

決済サービスは一種の社会インフラでもあり、高度なセキュリティと信頼性の高い安定したシステム運用が求められます。インターネットを取り巻く技術革新は日進月歩であり、当社グループは、今後とも継続して新しい技術を積極的に取り入れ、引き続き質の高い運用環境を維持するとともに、事業拡大に対応した運用要員の確保等に注力してまいります。

④ 事業開発力の強化

売上強化のためには、既存のビジネスを着実に発展させることはもとより、顧客ニーズの変化・社会の要請に合わせた新規サービスをタイムリーに開発することが重要です。

スマホ決済サービス「WeChat Pay」「Alipay」や「PayB」、キャッシュレス決済端末の提供などの新規サービスの開発・提供を行っておりますが、引き続き、社会の変化を常に意識し、新しいサービスを開発することで積極的な事業拡大を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

以下に、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。また、当社グループとして必ずしもそのようなリスク要因とは考えていない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。これらリスクの発生可能性について十分に認識をした上で、発生の回避及び発生時の対応に努めてまいります。本項については、本株式に対する投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありませんので、ご留意ください。

なお、文中における将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において判断しております。

 

1.事業を取り巻く経営環境について

(1)証券取引、為替取引における規制について

当社グループは、クイック入金サービスにおいて、個人投資家の銀行口座から証券、外国為替の証拠金口座への資金移動をサポートするサービスを提供しておりますが、証拠金倍率の上限規制が導入される等当局による規制が強化され、取扱件数が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)株式市況、外為市況等の変動について

当社グループの提供するクイック入金サービスによる売上げは、株式、外為等市況の変動幅が大きい程取引件数が増加する傾向にありますが、市況変動幅が小さくなった等の理由により取引件数が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)法令による規制について

当社グループの決済代行支援事業については、改正割賦販売法のクレジット番号等取扱契約締結事業者に登録し、また、改正銀行法における電子決済等代行業者に登録しており、それぞれの規制を受け事業を行っておりますが、今後、それぞれの法律が改正され、その内容によって当社の提供するサービスが制限を受ける、また、何らかの事情により登録が取り消された場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)収納代行預り金について

 当社グループの収納代行サービスは、事業者に代わり収納した代金を、分別管理された当社名義の預貯金口座に一時保管した後、所定の期日に事業者に送金するスキームとなっております。収納代行により当社が一時保管する代金については、貸借対照表上「現金及び預金」(流動資産)及び「預り金」(流動負債)に両建計上されております。

当該収納代行代金については、事業者財産保護の観点から金融機関の決済性預貯金口座において決済用資金と分別管理しており、貸倒リスク軽減のため、契約に基づき事業者に送金する際に手数料(当社売上)を相殺するスキームを採用しておりますが、ペイオフ等に関する金融行政の方針が変更され、当該口座が預金保護の対象とならなくなった場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

(5)競合と参入障壁について

当社グループの提供する決済代行支援事業のうち、クイック入金サービスについては金融機関とのシステム連携のノウハウは専門性を要求されるため、参入障壁が高いものと認識しております。その一方で、EC事業者の運営する仮想店舗での物販に伴うクレジットカード、コンビニエンスストア店頭払い等の収納代行サービスは参入障壁は必ずしも高いものではなく、また、既存の決済代行業者間の競争は激化しております。これら決済等のうち収納代行サービスについて競争の激化により低価格競争を余儀なくされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)新規事業について

当社グループは、従来からのクレジットカード決済やコンビニエンスストア決済などの収納代行サービスや銀行振込入金を24時間リアルタイムで行えるクイック入金サービスに加え、当社開発のスマホ決済サービスPayBや中国一のダウンロード数を誇るWeChat(微信)に紐づいたモバイル決済サービス「WeChat Pay」などのスマホマルチ決済サービスやキャッシュレス決済端末の販売など新しいサービスを開発し展開しております。しかしながら、これらのサービスは市場成長率も高く競合他社も増加傾向にあるため、サービスの差別化が難しくなり価格競争に巻き込まれ収益性が悪化するなど予想と異なった場合、投資資金の回収が遅れ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)革新的技術の出現について

当社グループは、前述(1)~(6)記載のとおり、収納代行サービスやクイック入金サービス、スマホマルチ決済サービスやキャッシュレス決済端末の販売など多くのサービスを展開しておりますが、決済代行支援サービス業界の技術革新のスピードは非常に速く、まったく新しい決済スキーム等の出現により、当社サービスが著しく陳腐化することにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)災害リスクについて

当社グループは、システム構成の冗長化等を行い、システムダウンが発生しないよう然るべき対応を適宜図っておりますが、地震や台風、大雪などの自然災害や、火災や停電、テロ行為、パンデミック等が発生した場合、物的・人的な損害の発生や、システムダウン以外に営業活動が制限される等当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)海外との取引について

当社グループは、中国人旅行者向けに「WeChat Pay」「Alipay」というスマホアプリ決済サービスを展開しており、日本国内で中国人観光客がスマホアプリで決済した代金を契約中国企業より送金してもらい、各加盟店企業に当社より送金するスキームを採っております。

そのため、最近発生した新型コロナウイルス等を始めとするパンデミックや中国における予期しない法律の変更や経済環境の変化、戦争・テロ・紛争等その他要因による社会的・政治的混乱の発生により、利用者の急減や送金の停止等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)仕入先について

当社グループは、キャッシュレス決済端末を海外の企業から輸入し日本国内で販売を行っております。輸入元企業の信用状況悪化等により製品の安定的供給、保守が行われなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)商品について

当社グループは、キャッシュレス決済端末の品質管理に関して適切な対応に努めております。しかし、このような管理体制を整えているにも関わらず、当社又は、輸入元企業に起因する製造物責任に関わる事故の発生や品質等の不適切な表示により関係諸法令に抵触した場合は、当社グループの社会的信用や企業イメージを損ない、多額の賠償金又は罰金の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)仕入価格について

当社グループは、キャッシュレス決済端末を販売しておりますが、この製品については中国から輸入しており、仕入代金の支払いについては米ドル建てで行っております。

そのため、円高傾向にある時期に事前に米ドルに換金するなど想定レートより有利になるように仕入価格を調整しておりますが、日本円と米ドル間の為替相場が想定以上に円安傾向となった場合、円換算した仕入価格が上昇することになります。当社グループの想定以上に円安が進んだ場合、市場環境いかんでは、かかる仕入価格の上昇分を適正に製品の販売価格に転嫁することが出来ず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、中国からの仕入については上記のとおり、米ドル決済としておりますが、人民元が切上げられた場合、仕入価格が上昇する可能性があり、当該上昇分を適正に製品の販売価格に転嫁出来ない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)製造・供給について

当社グループは、キャッシュレス決済端末を販売しておりますが、この製品の製造・供給について技術上の問題、使用原材料の供給停止、パンデミック、火災、地震、その他の災害等により工場が閉鎖又は操業停止した場合、あるいは物流機能等が停止した場合には、製品の供給が妨げられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.当社の事業体制について

(1)小規模組織であることについて

当社グループは、2021年12月31日現在、役職員数合計が83名で、このうち取締役8名(うち非常勤取締役3名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)と小規模な組織であり、内部管理体制や業務執行体制も組織規模に応じたものとなっております。そのため、もし社員が予期せぬ退社をした場合にはメンバー構成に重大な変化が生じる可能性があります。

(2)営業体制について

当社グループの現状の規模では、直接顧客企業への営業展開を行うことには限界があるため、顧客開拓等については、事業上のアライアンス先の営業に協力を得ております。このため、アライアンス先の事業戦略が変更されたり、アライアンス先が計画どおりの取引先数、決済取次件数を達成できない等の事情が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループの既存の顧客に対しては、追加サービスを提供することにより売上の拡大を図っておりますが、既存顧客に対して当社グループが想定する新たなサービスを提供することができなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)開発体制について

当社は、キャッシュレス化の流れを踏まえスマートフォンを利用した決済サービス「PayB」等新しいサービスを展開しておりますが、優秀な技術者を確保できないなど多様化する顧客のニーズに対応したサービスの提供や高度化するアプリケーション開発がタイムリーにできなかった場合、事業の展開が遅れ当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)人材の確保について

当社グループは、クイック入金サービスや収納代行サービスなどの既存サービスをはじめ、スマホマルチ決済サービスやキャッシュレス決済端末の販売などの新規サービスを提供するなど積極的な事業拡大を進めております。それに伴い、営業人員やシステム開発要員をはじめとした人員確保が急務になっており、採用部門の強化、また採用後の教育を実施することで、組織全体の底上げを図り、顧客・サービスに柔軟に対応できる対応力の高い組織を目指しております。

ただし、当社グループが事業拡大を進めていくうえで、必要な人材を確保・育成し、活用できない場合には、当社グループの事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)個人情報の漏洩について

当社グループは、決済取次サービスの提供において、個人情報を有することがあり、事業の拡大に伴い当社グループの取り扱う個人情報が増大する可能性があります。当社グループは、情報セキュリティ関連規程を整備し、個人情報保護委員会を設置する等、個人情報に係る社内管理体制を整備し、役職員に対する教育を実施し、一般財団法人日本情報経済社会推進協会よりプライバシーマークの付与認定を受けております。

しかしながら、外部からの不正なアクセスや想定していない事態によって個人情報の外部流出等の発生で当社の信用が失墜し、顧客の離反や損害賠償等が発生し当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(6)システム障害について

当社グループは、インターネットを活用した決済関連の業務受託を行っており、金融機関、コンビニエンスストア、カード会社等のシステムとネットワークで接続されております。当社グループの運用するシステムについては、情報セキュリティに関する機密性、完全性、可用性の確保が重要と認識し、システムの二重化、定期メンテナンスの実施、運用状況のモニタリング、社内CSIRT(コンピューターセキュリティ障害対応チーム)の設置等により障害抑止策や発生時の対処の適正化・迅速化を図るための対策を講じておりますが、システム障害等の不測の事態が起こった場合、外部からの不正侵入によるシステム動作の不良が起こった場合、また、ネットワークで接続された他社のシステム障害などによってサービスが停止した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(7)子会社の管理体制について

当社は、連結子会社について、その運営にあたり「子会社管理規程」に基づき子会社の管理体制を整備するとともに当社の役員が子会社の役員を兼務し、子会社の業務運営を把握、改善を行うなど、適切な管理及び支援を行っております。しかしながら、当社による連結子会社への管理及び支援が適切に行われず、当該子会社の業績悪化や不祥事等が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)業務委託先のシステムについて

当社グループは、株式会社エヌ・ティ・ティ・データと業務提携を行い、決済収納システムの構築と運用の一部を委託しております。同社のシステムは極めて信頼性が高いものと認識しておりますが、不測の事態により障害が発生した場合は、当社グループの業務が正常に行えなくなり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)知的財産権の侵害について

当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないよう社内管理体制を強化しておりますが、当社グループの事業分野において知的財産権の現況を完全に把握することは困難であり、当社グループが把握できないところで第三者がすでに特許・著作権その他知的財産権を保有している可能性は否めず、当社グループの事業分野において第三者が当社グループより先に特許・著作権その他知的財産権を保護し、損害賠償や使用差止等の請求を受けた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)事務オペレーションリスクについて

当社グループは、事務手続きの標準化や文書化に常に取り組んでおりますが、当社グループの展開するサービスの急速な拡大等で事務量が大幅に増加した場合、事務手続きのミスが発生する可能性があり、ミスの内容によっては、加盟店や取引先からの信用を失墜し、加盟店や取引先数が減少することで当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大により緊急事態宣言が断続的に発出され経済活動の停滞が長期化しましたが、ワクチン接種の普及とともに新規感染者が大幅に減少し経済活動に持ち直しの動きも見られました。しかし、新たな変異株が出現するなど、依然として収束の見通しが立たず、先行き不透明な状況が続いております。

 当社の属する決済市場においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、インバウンド需要の回復は当面、見込めない状況が続いておりますが、一方で、越境EC市場の拡大や、感染防止の観点からも、キャッシュレス決済の普及が急速に進んでおり、スマートフォンを利用した非対面決済の需要は、アフターコロナにおいても引き続き拡大が見込めるものと考えております。

 このような状況の下、当社グループは、クイック入金サービスや公共料金支払代行サービスなど既存サービスの着実な運営、また即時口座振替サービスやスマホ決済サービスPayB、キャッシュレス決済端末の開発・販売に取組んでまいりました。

 スマホ決済サービスPayBは、ゆうちょ銀行や各メガバンクを始めとして45の金融機関と提携しております。また利用可能な払込票発行機関(加盟店)は2021年12月末時点で、民間収納企業、地方公共団体合わせ9,352社・団体まで広がり、特に地方公共団体については、1,132団体まで広がっております。この様に、接続金融機関や加盟店数の拡大、また各種決済機関との連携を進めて来た結果、取扱件数も期初計画を上回り順調に伸長しました。

 一方、スマホマルチ決済サービスのWeChat PayやAlipayについては、新型コロナウイルス感染症が収束せず、インバウンド需要の回復が見込めない状況が続いたため、計画を下回る結果となりましたが、アフターコロナを見据え、利用可能な国内外の各種決済アプリ数の拡大に向けた準備を進めました。また、越境EC対応として、前期から提供を始めたWeChatミニプログラムに続き、当期からはAlipayミニアプリのサービス提供も開始しております。

 キャッシュレス決済端末の販売については、飲料自販機市場での販売と共に、駐車場やコインランドリー等への新機能の開発や運営ソリューションの構築を進めました。端末販売は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、期初の販売計画を下回る結果となりましたが、一方で、決済端末関連システムの受託開発案件については、追加開発の受託もあり計画を上回りました。

 既存サービスのクイック入金サービスは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い株式市場や為替市場の変動が大きかったことや暗号資産の取引増加等のため、通期にわたり取扱件数が堅調に推移しました。また、収納代行サービスも新規取引先の取扱件数が当初の見込みを上回って推移したため、期初計画を上回る結果となっております。その他の既存サービスについては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は受けておりません。

 以上のことから、売上高は概ね計画通りとなりましたが、利益率の高いクイック入金サービスが計画を上回ったことなどから、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、期初の計画を上回る結果となっております。なお、前期に、本社移転中止に伴う賃貸借契約解約損を概算計上しましたが、当期において金額が確定したため、賃貸借契約解約損戻入益を特別利益に計上しております。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べ6,026,151千円増加し、16,023,257千円となりました。

当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ5,947,843千円増加し、13,928,008千円となりました。

当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ78,308千円増加し、2,095,249千円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高3,143,327千円(前年同期比8.9%増)、営業利益345,428千円(前年同期比51.3%増)、経常利益345,237千円(前年同期比48.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益224,024千円(前年同期比57.6%増)となりました。

セグメントごとの経営成績については、決済支援事業サービス以外の区分のサービスについては、重要性が乏しいことから記載を省略しております。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して6,090,031千円増加となり、残高は14,732,823千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は6,331,237千円(前連結会計年度末は1,895,039千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益349,237千円、減価償却費52,298千円、売掛債権の減少による収入93,704千円及び預り金の増加額5,996,931千円等の資金増加要因が、立替金の増加による支出115,557千円、未払金の減少による支出34,205千円等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は86,028千円(前連結会計年度は25,095千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出37,803千円、無形固定資産の取得による支出37,092千円、敷金及び保証金の差入による支出11,992千円などの資金減少要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は155,665千円(前連結会計年度末は81,249千円の支出)となりました。これは、配当金の支払い額55,668千円及び自己株式の取得による支出99,996千円の資金減少要因によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループでは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループでは、受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。

事業の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

決済支援事業 (千円)

3,142,001

8.9

ファイナンス支援事業 (千円)

1,326

△44.3

合計 (千円)

3,143,327

8.9

   (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 その他重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、主なもの及びその補足事項については以下のとおりであります。

 

a.繰延税金資産

 繰延税金資産については、将来の課税所得を検討し、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。しかしながら、将来の課税所得等を検討し、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加計上する可能性があります。また、法人税率が引き下げられた場合、貸借対照表に計上する繰延税金資産の計上額を減額する可能性があります。

 

b.ソフトウエア

 ソフトウエアについては、将来の収益獲得、費用削減が確実であると認められた開発費用についてはソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)に計上しております。このソフトウエアについて将来大規模な計画の変更や使用状況の見直しにより収益獲得、費用削減効果が大幅に損なわれた場合には、ソフトウエアの減損が必要となる可能性があります。

 

c.投資の減損

 投資価値の棄損が著しく、かつ回収の可能性がないと判断した場合、投資の減損を計上しております。非上場企業への投資の場合、当該会社の財政状態の悪化によりその純資産価値が取得価額に比して50%程度以上下落した場合に将来の回復可能性がなければ、減損処理を行っております。将来の市況悪化・業績不振等により現在の帳簿価額に反映されていない損失や回収不能が発生した場合、投資の減損が必要となる可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態の分析

(資産合計)

当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べ6,026,151千円増加の16,023,257千円(前連結会計年度末は9,997,105千円)となりました。これは主に、現金及び預金が6,090,031千円増加したことによるものであります。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ6,001,610千円増加の15,755,168千円(前連結会計年度末は9,753,557千円)となりました。これは主に、現金及び預金が6,090,031千円増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ24,541千円増加の268,089千円(前連結会計年度末は243,548千円)となりました。これは主に、工具、器具及び備品(純額)が21,914千円、建物(純額)が3,353千円増加したことなどによるものであります。

(負債合計)

当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ5,947,843千円増加の13,928,008千円(前連結会計年度末は7,980,164円)となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ5,947,843千円増加の13,921,399千円(前連結会計年度末は7,973,555千円)となりました。これは主に、未払金が34,205千円減少する一方、預り金が5,996,931千円、未払法人税等が68,481千円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

固定負債は前連結会計年度と同額の6,608千円となっております。

 

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ78,308千円増加の2,095,249千円(前連結会計年度末は2,016,940千円)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益224,024千円を計上した一方で、自己株式を99,996千円取得したことによる減少及び剰余金の配当55,775千円を実施したことによるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、収納代行サービス、クイック入金サービス等が順調に推移し、キャッシュレス決済端末の販売においては既存製品の販売に加え、受託開発案件の受注により、売上、営業利益ともに前期比で増加し、売上高は前連結会計年度に比べ8.9%増の3,143,327千円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における売上原価は、上記収納代行サービスの売上増及びキャッシュレス決済端末の販売、受託開発案件の受注に伴い売上原価が増加したため、前連結会計年度に比べ4.3%増の2,112,909千円となりました。

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、事業拡大や営業体制強化による人件費の増加などにより、前連結会計年度に比べ8.1%増の684,990千円となりました。

(特別利益、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は、前期に、本社移転中止に伴う賃貸借契約解約損を概算計上しましたが、当期において金額が確定したことによる賃貸借契約解約損戻入益が4,000千円であります。

また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を115,157千円計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、224,024千円となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、株式市場・外為市況動向、銀行法などの法改正、収納代行預り金などがあります。

まず、株式市場・外為市況動向によって、当社グループの提供するクイック入金サービスが売上に与える影響は大きく、クイック入金サービスの収益が当社グループ全体の業績に大きな影響を与えることを認識しております。株式・外為等市況の変動幅が大きい程取引件数が増加する傾向にあり、市況変動幅が小さいと取引件数が減少する傾向にあります。このように株式・外為等市況に当社グループの業績が大きく影響を受けないために、スマホマルチ決済サービスやキャッシュレス決済端末の販売などの新規サービスを展開し事業を拡大していくことで、株式・外為等市況によるリスクを最大限に抑えるよう取り組んでおります。

また、当社グループは、改正割賦販売法のクレジット番号等取扱契約締結事業者に登録し、また、改正銀行法における電子決済等代行業者に登録しており、それぞれの規制を受け事業を行っております。それぞれの法律が改正され、その内容によって当社の提供するサービスが制限を受ける、また、何らかの事情により登録が取り消された場合、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼすことを認識しております。そのため当社グループは、関連する業界団体等に加入し、研修会やセミナーに参加することで最新の情報を入手できる環境を整えており、事業部門だけなくコーポレート部門も関与し、法改正への対応についても事前に対策が講じることができる体制を整えております。

当社グループの収納代行サービスは、事業者に代わり収納した代金を、分別管理された当社名義の預貯金口座に一時保管した後、所定の期日に事業者に送金しております。この際、当該収納代行代金の一次保管中に預貯金口座のある銀行が破綻した場合に、預貯金が目減りするリスクを認識しております。そのため当社グループは、事業者財産保護の観点から金融機関の決済性預貯金口座において決済用資金を分別管理し、ペイオフによる預金目減りのリスクを回避しております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、収納代行サービスにかかる金融機関等への支払手数料や、システム開発や運用・維持にかかる人件費や外注費、キャッシュレス決済端末の購入費用などの売上原価のほか、営業や管理部門などの人件費や本社オフィスの家賃などの販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、当社サービスにかかるサーバ構築費用やソフトウエア開発費用であります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は、自己資金と金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入金を基本としております。

なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14,732,823千円となっております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが重視している経営指標は、新しく展開しておりますサービスの売上高です。それぞれの指標の実績及び目標は以下のとおりです。

サービス名

2020年12月期

実績

2021年12月期

実績

2022年12月期

目標

スマートフォン決済サービス

334百万円

526百万円

422百万円

カードリーダーソリューションサービス

413百万円

449百万円

571百万円

※スマートフォン決済サービスの売上高の一部につきましては、2022年12月期より「収益認識に関する会計基準」が適用されるため、2022年12月期目標売上高は純額で表示しております。前期と同様に総額で表示した場合の売上高は782百万円となります。

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

「決済支援事業」以外の事業の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

業務委託契約等

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約

締結日

契約内容

契約期間

ビリングシステム株式会社

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

日本

システム使用並びに業務委託契約

2009年10月1日

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ所有のシステムの使用並びに収納代行・決済サービスの業務委託契約

2009年10月1日から

2015年5月31日まで

(その後1年単位の自

動更新)

ビリングシステム株式会社

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

日本

MPN通信機能に関するITアウトソーシングサービス契約

2011年12月27日

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ所有のシステムの使用並びに収納代行・決済サービスの業務委託契約

2012年1月15日から

2015年5月31日まで

(その後1年単位の自

動更新)

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。