第一部 【企業情報】

第1 【本国における法制等の概要】

1 【会社制度等の概要】

(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】

1965年会社法(以下「旧会社法」という。)は、2017年1月31日付けで廃止され、2016年会社法(以下「新会社法」という。)に置き換えられた。

当社に適用される新会社法の概要は以下のとおりである。

 

設立

新会社法の下では、保証有限責任会社を除き、定款の作成は会社の義務ではない。ただし、新会社法第619条第3項により、当社が旧会社法に基づきマレーシア会社登記所に登記済みで新会社法の発効時点で有効である既存の基本定款、及び旧会社法の別紙4に基づく別表Aの規定は、それらが新会社法の発効時点で当社の付属定款の全部又は一部として採用されている場合、当社の特段の決議なき限り、新会社法の下で作成されあるいは採択されたものとして有効である。

 

定款

新会社法の下では、「基本定款」及び「付属定款」という用語は使用されておらず、それらの代わりに、会社は定款を作成するかどうかを任意で決めることができるとされている。会社が定款を有している場合、新会社法が同法の定める権利、権限、義務及び責任について同法に従った変更を許容している事項について現に当該会社の定款により変更されている場合を除き、当該会社並びにその各取締役及び各構成員は、同法の定める権利、権限、義務及び責任を有する旨が同法31条に規定されている。

 

会社が定款を有しない場合、当該会社並びにその各取締役及び各株主は、新会社法の定める通りの権利、権限、義務及び責任を有する。

 

新会社法第35条第1項に基づき、定款には、以下に関する規定を記載することができる。

(a) 会社の目的

(b) 定款の規定が会社の権利能力、権利権限又は特権を制限している場合には、当該権利能力、権利、権限又は特権

(c) 新会社法が定款に記載することを予定している事項

(d) 会社が定款に記載することを望むその他一切の事項

 

定款は、改定又は変更を禁止する旨の定めを有しない限り、21日以上前に株主に対し事前通知がなされた株主総会において、自ら又は代理人により出席した株主の議決権及び書面による議決権を行う権限を有する者の議決権の4分の3以上の多数をもって採択する特別決議によって変更することができる。

 

新会社法第316条第4項に従って、公開会社の場合、21日前の事前通知は、総会に出席し議決権を行使する権利を有する株主の過半数が合意し、かつ、その合意した株主の株式数(自己株式として会社が保有するものを除く。)の合計が95%以上となる場合に、短縮することができる。

 

取締役の義務

新会社法及び定款によって付与された権利及び権限を行使するに際しては、取締役は合理的な注意、技能及び配慮をもってこれに当たる義務を負い、かつ常に適切な目的のために、誠意をつくし、会社の最善の利益となるようその権限を行使することが要求されている。また、取締役は、総会の承認若しくは承諾を得ることなく、以下のことを行い、直接的又は間接的に、自己又は他者のために利益を得、若しくは会社に損害を生じさせてはならない。

イ 会社の不動産を利用すること。

ロ 取締役としての役職により取得した情報を利用すること。

ハ 取締役としての立場を利用すること。

ニ 取締役としての役割を果たす過程において知るところとなった会社のビジネスチャンスを利用すること。

ホ 会社と競合する事業を行うこと。

 

株式の発行

新会社法75条は、取締役会は株主の承認なくして会社が有する株式発行の権限を行使してはならない旨明文で規定している。

 

会計

財務諸表、監査報告書及び取締役報告書は、定時株主総会の開催日の21日以上前の日(又は新会社法に従って、該当する会計年度の総会通知の受領について合意されたこれより短い期間)に公開会社の株主名簿に記載されたすべての株主に送付されなければならない.

 

取締役会報告書

取締役会は、新会社法で要求する事項について株主宛の報告書を作成しなければならない。特に、主要な事業、当期純損益、(もしあれば)配当提案額及び配当支払額又は宣言額、当該事業年度の業績の検討、当該会計期間中における業務内容の重要な変更及び会社の業務、業績又は経営状態に重大な影響を及ぼしたか又はその可能性のあるすべての事項を記載しなければならない。報告書は、財務書類に添付しなければならない。

 

財務書類

財務書類、監査報告書及び取締役会報告書はいずれも年次株主総会の少なくとも21日前までに(又は新会社法の規定に従い、招集通知の受領の対象となっている事業年度について合意されたこれより短い期間内に)当社の株主名簿に記載された株主全員に送付されなければならない。

 

株主

新会社法の規定に従い、公開会社は少なくとも年1回株主総会を開催しなければならない。この総会は、年次株主総会と呼ばれる。年次株主総会に加え、取締役及び一定割合以上の株式を保有する株主は、その他の株主総会を招集することができる。この総会は、臨時株主総会と呼ばれる。年次株主総会の通常の機能は、(ⅰ)事業年度の財務書類並びにこれに係る取締役会及び監査人の報告を受領し承認すること、(ⅱ)配当の宣言を承認すること、(ⅲ)取締役を選任ないし再任すること、(ⅳ)事業年度中の取締役報酬の支払いを承認すること、及び(ⅴ)監査人を再任し、その報酬の決定を取締役に授権することである。

会社の株式の議決権については、株主総会におけるその行使方法とともに、定款に定められている。

株主総会への出席権及び議決権を有する株主は、通常、代理人を株主総会に出席させることができる。旧会社法における付属定款に別段の定めがない限り、弁護士である場合、会社の承認された会計監査人である場合、又は個別に会社登記所が承認した場合を除き、代理人は会社の株主でなければならないという旧会社法の制限は廃止された。新会社法第334条第1項は、株主がいかなる者でも代理人として指名できる旨を定めている。

 

経営及び運営

公開会社は2名以上のマレーシア国内を主な又は唯一の居住地とする取締役を選任しなければならない。取締役は18歳以上の成人である自然人でなければならない。取締役の会社運営権限(及びこの権限に対するすべての制限)は、通常、定款(定款がある場合)及び新会社法に定められている。定款は通常、取締役会に対し、特定の権能の遂行又は特定分野の業務の処理のために委員会を設置する権限を付与している。

取締役会は、合議体として行為しなければならず、決議を会議で行うほか、取締役会を開催することなく書面決議の方法により決議することができる。個々の取締役は、その地位に必然的に伴う一定の権限を黙示的に有するとされる場合はあるが、取締役会の決議で付与された権限の範囲内においてのみ会社を代表して現実に行為する権限を有する。取締役社長(Managing Director)は一般に、会社の日常業務を執行する明示的な権限及びその地位に必然的に伴う一定範囲で会社を代表して行為する権限を黙示的に有する。

会社は少なくとも1名のマレーシアに永住する市民で、成人の自然人である秘書役を置くことを義務づけられており、当該秘書役はマレーシアに永住している市民であり、成人である自然人でなければならない。会社秘書役は会社登記所が認可する専門機関に属する者又は会社登記所による許可を受けた者とし、当該地位につくことを禁じられている場合にはこれを行うことはできない。秘書役は新会社法に基づき特定の権能と責任を有しており、マレーシア国内を主な又は唯一の居住地とし、新会社法に規定された特定の資格を有する18歳以上の自然人でなければならない。

新会社法及び定款(会社が定款を定めている場合)は通常、会社の業務運営権限を取締役会に対してのみ付与しており、これによって、株主が会社業務の運営方法につき取締役会に指示を与え、業務遂行につき取締役会の決定した事項を覆すことを排除している。ただし、株主が株主総会において提案を行った場合で、当該提案が会社の最善の利益になるものである場合には、取締役会は当該提案に拘束されるが、当該会社の定款に提案の権利が定められている又は当該会社の臨時株主総会において決議されていることを条件とする。

ただし、株主は、次の点において究極の制裁措置を有するということができる。

(a) 取締役会に権限を付与している定款を、改正の通知を条件として、特別決議として改正することができる。

(b) 取締役の全員若しくは一部の解任又は不再任を決議することができる。

 

配当

新会社法第131条は、会社に支払能力がある場合に限り、利用可能な収益金から配当を支払うことができる旨を定めている。新会社法第132条第3項では取引支払能力検査が導入され、「支払能力」を、株主への配当実施直後から12ヶ月間以内に支払義務が発生する債務についての会社の弁済能力と定義されている。新会社法では、旧会社法で認められていた会社の株主に対する株式発行による資本剰余金勘定からの配当金の支払いを認めていない。

 

減資

新会社法は、旧会社法における減資手続に代わる手続を導入している。新会社法に基づき、会社は以下のとおり減資を行うことができる。

 

(a) 裁判所の承認手続(新会社法第116条に定める)

 

会社は、裁判所の承認を条件として、特別決議をもって、資本金及びその額に応じた株式を減少させることによって随時資本金を減少させることができる。

 

(b) 支払能力検査による手続(新会社法第117条に定める)

 

非公開又は公開会社は、裁判所の認めた手続以外に、会社の特別決議による減資を行うことができ、当該特別決議の通知は、特別決議の日から7日以内に、1967年所得税法第134条に定める内国税収入局の局長及び会社登記所に提出するものとし、当該通知には、決議が行われたこと、決議の内容、決議日及び支払い能力に関するステートメントの記載を要する。

 

(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】

当社の会社制度は、新会社法において規定されるほか、当社の既存の定款にも規定されている。

(a) 総会及び議決権

当社は、定款及び新会社法の規定に従い、毎年、年次株主総会と称する株主総会を開催することが要求されている。その他のすべての株主総会は臨時株主総会である。特別決議を可決するために招集される株主総会は、総会に出席し、投票する権利を有する株主の過半数で、株式の額面価額の95%以上を保有する株主(年次株主総会の場合には当該総会に出席し、投票することのできる全株主)が通知期間の短縮を承認する場合を除き、新会社法及びブルサ・マレーシア・セキュリティーズ・バーハッド・メイン・マーケット上場規則(「上場規則」)の規定に従い、21日以上前の書面による通知をもって開催しなければならない。その他の株主総会は、14日以上前の書面による通知をもって開催しなければならない。

取締役会は、取締役会が適切と判断する場合、又は当社の払込済株式資本の10%以上を保有する2名以上の株主の請求がある場合には臨時株主総会を招集することができる。

招集通知は、当社にマレーシア国内の通知先を届け出ていない株主を除き、出席し、議決権を行使することのできるすべての株主に対して送付しなければならない。

付属定款上、株主本人又は委任状若しくは代理人により代表される株主(法人の場合には適切に授権されたその代表者)2名により、あらゆる議事について定足数を構成する。

各株主は、本人自ら、又は委任状若しくは代理人を通じて株主総会における議決権を行使することができる。ただし、当社が種類株式を発行している場合には、これに付与されている議決権に係る権利又は制限に従い、またそれを侵害してはならない。株主総会に出席する普通株式若しくは優先株式を保有する株主は(委任状、代理人若しくは会社の場合は代表者も含む)、挙手の場合には1人1議決権を有し、投票の場合には、本人又は委任状若しくは代理人その他適切に授権された代表者によって出席する株主は、所有する全額払込済株式1株について1議決権を有する。株式に係る請求金その他の株主にかかる債務が未払いの株主は議決権を行使することはできない。

書面による投票の請求がありこれが撤回されない場合を除き、挙手により全会一致又は特定の多数によって決議が可決又は否決されたとの議長の宣言及びその旨を記載した当社の議事録は、決議に関する確定的証拠となる。この場合決議に対する賛成又は反対の数又は割合を証明する必要はない。書面による投票の請求は撤回することができる。

(b) 株式資本の変更

当社は、株主総会における株主の事前の承認がなければ、経営権を譲渡するための株式の発行はできない。

当社は、適宜、(1)普通決議すなわち議決権の過半数による決議により、株式資本を当該決議に定める金額において増額し、当該決議で定める金額の株式に分割することができ、また、(2)特別決議により、付属定款によって認められる方法及び新会社法に規定される条件に従い、株式資本及び資本償還準備金を減少することができる。

また、当社は、(1) 株式資本を既存株式より多額の株式に併合及び分割するため、又は(2)新会社法に従い、株式資本又はその一部を基本定款及び付属定款に規定する額より少額の株式に再分割するため(この場合再分割する株式中一部の株式に対し、当該再分割のための決議で、配当、資本配当、議決権又はその他の事項について他の株式に優先する権利又は利益を付与することができる)、基本定款及び付属定款を普通決議により変更することができる。

(c) 権利の変更

当社の株式資本が異なる種類の株式に分割されている場合、新会社法の規定に従い、各種類の株式に付与される権利は、(当該種類の株式の発行条件によって別段に規定される場合を除き)当該種類の株式の発行済株式の株主の4分の3以上の書面による同意、又は、21日以上前の通知により開催する当該種類株式の株主総会における出席株主の4分の3以上の賛成決議をもって、変更することができる。

個別に開催される種類株式の株主総会には総会に関する付属定款の規定が準用される。ただし、定足数は、当該種類株式の発行済株式について支払われた若しくは支払われたとされる株式資本の3分の1を所有する株主本人又は委任状によって代理される株主2名とし、当該種類株式を所有し、株主本人又は委任状によって代理される株主はすべて書面による投票を請求することができるものとする。当該発行済種類株式の10%以上を所有する反対株主は、決議の取り消しを裁判所に請求することができる。

(d) 配当

当社株式に特別な権利が付与されている場合にはこれに従うことを条件として、配当は、当該株式に対する払込済みの金額又は払込済みとして貸記された金額に比例して、請求に先立ち宣言されかつ支払われる。

取締役会は、株主総会の普通決議の承認を条件として、随時配当を宣言することができるが、取締役会が提案する金額を超えて配当することはできない。取締役会は、適切と判断する場合には、株主に対して適宜、当社の利益から判断して正当であると考えられる中間配当を宣言し、支払うことができる。取締役会により提案された金額を超える中間配当を支払うことはできない。

取締役会は、配当の提案をする前に、当社の利益から適当と考える金額を準備金として留保することができる。当該準備金は、取締役会の裁量により、準備金として留保せずに当社の利益を適法に使用することのできる他の目的に使用することができ、当該目的に使用されるまで、取締役会は、適宜これを当社の事業資金として利用し、取締役会が選択する商品(当社の株式を除く)に投資することができる。取締役会はまた、適宜、分配しない方が賢明であると考える利益を次期に繰り越すことができる。

配当証書は、別段の指定のない限り、配当を受領する権利を有する株主の直近の登録住所に宛てて郵送される。配当宣言の日現在、当社株式の所有者としてブルサ・マレーシア・デポジタリー・センドリアン・バーハッド(「BMD」)((h)を参照のこと)が記録する預託者名簿に記載されている株主が、又は株式が共有されている場合には、共有者のうちの一名が配当証書を受領することにより、当社は当該株式に係る配当を適法に行ったものとみなされる。未払配当には利息を付さない。

2010年9月1日より、ブルサ・セキュリティーズは既存の配当支払いシステムに代わる電子的な配当支払いサービス(eDividend)を開始した。

2010年9月1日以降に現金配当の基準日を公表するすべての上場会社は、随時、株主がBMDに対して通知している銀行口座に直接振り込むことにより、配当を支払うよう指示される。

株主が2010年9月1日までにBMDに口座情報を提供していない場合、上場会社は引き続き当該会社の定款に定める方法に従って現金配当を支払うことができる。しかし、上場会社の株主がeDividendに関する電子メール通知のための連絡先をBMDに提供している場合、上場会社は現金配当を口座に支払った後に電子メールにて当該株主に通知するものとする。

現金配当に加えて、2012年1月3日以降、上場発行会社は「配当金再投資スキーム」(「DRS」)として知られるスキームによって、株主に株式で配当を支払うことが認められる。

DRSを予定している上場発行会社は、株主の承認を得た上で、すべての株主に対して配当の一部又は全部を現金又は株式で受領することを選択するための通知を発送し、配当を受け取る権利を有するすべての株主にDRSに参加する機会を与えなければならない。

DRSに基づき割り当てられる株式は、価格決定日の直前の5市場営業日の加重平均市場価格の10%のディスカウントを上回ってはならない。この点について、上場発行会社は、配当に関する基準日設定の前又はその予定がある時点でDRS対象株式の発行価格を発表しなければならない。

(e) 新株引受権及び株式の新規発行

当社付属定款第52条の要件を除き、基本定款及び付属定款上、株式の新規発行又は株式の譲渡について、株主に新株引受権はない。

ただし、新会社法上、取締役会は株主総会における普通決議による事前の承認なくして、当社の株式を発行する権利を行使することはできない。かかる条件に違反する株式の発行は無効である。当社は、新会社法の規定、当社の付属定款及び当社の決議による条件に従って、配当、議決権、資本配当その他に関する取締役が定める権利及び規制を付した上で、取締役会が定める条件に従い、株式を割り当て、発行することができる(株式の無償交付及び株主割当発行を除く)。ただし、1事業年度中に発行される株式総数は当社の当時の発行済み、払込済株式資本の額面価格の10%を超えないものとするが、当該発行の条件の詳細が株主総会の事前の承認を得た上で発行される場合にはこの限りではない。一般的に、従業員持株制度若しくは従業員株式オプション制度に基づく株式の発行、株式の無償交付、株主割当発行若しくは私募の行使による株式の発行(当該株式の発行が当社の事業の方向性若しくは方針に重大な影響を与える資産の取得若しくは処分を伴わないことを条件とする)又は配当に代わる新規株式の分配である場合を除き、当社の株式発行はさらにマレーシアの証券委員会の事前の許可を条件とする。

上記に従い、当社株式は取締役会の管理下にあり、取締役会は、付属定款及び上場規則の規定に従い、取締役会が適切と判断する者に対し、適切と判断する条件及び時期に、当該株式の割当又は発行をすることができる。

(f) ブルサ・マレーシア・セキュリティーズ・バーハッド(「ブルサ・セキュリティーズ」)規則

当社株式はブルサ・セキュリティーズに上場されている。当社株式が上場されていることにより、当社はブルサ・セキュリティーズとの契約及び2007年資本市場及びサービスに関する法律の要件に基づき、特に以下の規定を含むブルサ・セキュリティーズの上場規則を遵守しなければならない。

(1) 取締役は、株主が株主総会において当該取締役による特定割当を承認しない限り、従業員に対する株式の発行に参加することができない。

(2) 株主総会において株主が別段の指示をしない限り、すべての新株は、発行前に、募集の日付現在当社から株主総会の招集通知を受領する権利を有する株主に対し、可能な限りその所有株式数に比例して、募集しなければならない。募集は、募集する株式数、及び募集に応じなかった場合には辞退したとみなされる期間を明記した通知によって行うものとし、当該期間の経過後、又は募集の対象者が辞退の意思を表示した場合には、取締役会は、当社にとって最も利益となると考える方法によって、当該株式を処分することができる。取締役会はまた、(新株の既存株式への割当比率上)、本規定に基づいて適宜割り当てることができないと取締役会が考える新株についても、同様に処分することができる。

(g) 自社株の取引

ある一定の要件に従って自社株を購入する権利(当社の付属定款により許可されている場合)を除き、新会社法により、当社は自社株の買取り、取引又は自社株を担保とする金銭貸付を行うことはできない。

(h) 登録及び譲渡

1991年証券産業(中央預託)法(以下「中央預託法」という。) に基づき、ブルサ・セキュリティーズは当社株式を指定証券に指定した。中央預託法に基づき、指定証券は、BMDに預託しなければ、証券取引所において、取引することはできない。BMDはマレーシアの中央預託制度上の中央預託機関であり、ブルサ・セキュリティーズの子会社である。株主は、直接、又はブルサ・セキュリティーズ会員の中からBMDが指名する公認預託代理人を通じて、1998年12月1日までに証券口座を開設することにより当社株式を預託することを義務づけられた。これを行わなかった場合には、当社株式はマレーシアの財務大臣(Minister of Finance)に移転され(ただし、不当な扱いを受けた株主による限定された異議申立の権利の対象となる)、適用のある法律に従って財務大臣により処分されることがある。預託された当社株式は証券口座間の振替記帳により取引され、物理的な株券の譲渡は行われない。預託された当社株式は、当社株主名簿上はBMDのノミニーであるBMDノミニーズの名義で登録されるが、中央預託法は、BMDは権限のない受託者であることを規定し、当社はBMDが作成する預託者名簿に記載された者を当社株主として取扱う。中央預託制度上の日本の実質株主についての取扱いについては下記第8の1(1)「本邦における株式事務等の概要」を参照。

新会社法上、以下の場合、当社の議決権付株式を有する株主は、14日以内に当社に対し、書面により、氏名、国籍及び住所並びに利害関係を有する当社の議決権株式の詳細を通知しなければならない。

(1) 当社の全発行済議決権付株式の額面金額の5%以上を保有する場合

(2) 当該株主の当該株式に関する利害関係に変更があった場合

(3) 当社の全議決権付株式の額面金額の5%以上を所有しなくなった場合

当社は、マレーシアにおいて上場している会社として、登録株主に対し、当該株主がその議決権株式を実質株主、承認されたノミニー又は受託者のいずれの資格で所有しているかを明らかにするよう求めることができる。当該株主が承認されたノミニー又は受託者として議決権株式を所有している場合には、可能な範囲で当該株式の所有に関する委託者の名称若しくはこれらの者を確認するために必要なその他の情報を明らかにし、その持分の性質を明らかにするよう求める権利を有する。

(i) 清算

新会社法に従い、当社が任意清算する場合、清算人は、特別決議により、同種の株主の間で当社の資産の全部又は一部を分配し、分配される財産に関して清算人が適正とみなす価格を決定し、異種の種類株主間における分配の方法を決定することができる。清算人は、清算人が適切と判断する場合には、同様の特別決議により、出資者を受益者として当該資産の全部又は一部を信託することができるが、これにより債務の付着した株式又はその他の証券の受け入れを株主が強制されることはない。特別な条件に基づき発行された株式の株主の権利を損なうことなく、以下の規定を適用する。

(1) 当社が清算され、株主に分配可能な資産が払込済資本の全額を返済するに足りない場合には、各株主が保有する株式についての払込資本若しくは清算開始時に払込済みとなっているはずの金額に比例して当該損失を株主に分配する。

(2) 清算時に株主に分配可能な資産が清算開始時の払込済資本の全額を返済しても余る額である場合、超過分は各株主が保有する株式についての払込資本若しくは清算開始時に払込済みとなっているはずの金額に比例して株主に分配する。

(j) 取締役

選任等

株主総会において当社が別途定めない限り、取締役の数は3名以上20名以下とする。各年次株主総会において取締役の3分の1、又は取締役の数が3名若しくは3名の倍数ではない場合、3分の1に最も近似する数の取締役が退任するものとする。すべての取締役は3年に一度、退任する。退任する取締役は再任することができる。

付属定款の規定に基づき取締役が退任する総会において、当社は普通決議によって退任する取締役又は任命資格を有するその他の者を選任することにより欠員を補充することができる。かかる選任が行われない場合には、退任取締役が再任されたものとみなす。

取締役会は偶発的な欠員を補充するため、あるいは取締役を増員するため、いつでも随時取締役を選任する権限を有する。ただし、取締役の総数はいかなる時でも付属定款上の定員を超えてはならない。任命された取締役の任期は次の年次株主総会までとし、当該総会において再任することができる。なお、当該総会において輪番により退任する取締役の対象とはならない。

当社は、普通決議により、法に従い、任期満了前に取締役を解任し、普通決議により、当該取締役に代わる者を選任する権利を有する。選任された取締役の退任については、解任された取締役が取締役として選任された日から取締役であったものとして、決定する。

取締役会は随時、代替取締役を選任し、また随時かかる選任を取り消すことができる。

取締役会の権限

当社の事業は、取締役会が運営し、取締役会は、新会社法又は定款上株主総会において当社が行使すべき権限を除く、当社の権限を行使することができる。株主総会において、当該規則が制定されなければ有効であったはずの取締役会の過去の行為を無効とする規則を制定することはできない。

取締役会の議事手続

付属定款に従い、取締役会において提起される議事は過半数をもって決定し、取締役の過半数による決議を取締役会の決議とみなす。可否同数の場合は、出席取締役が2名のみである場合を除き又は議事について議決権を行使することのできる取締役が2名のみである場合を除き、議長が2番目の議決権又は決定権を有する。

取締役会の活動に必要な定足数は、取締役会が決定し、別段の決定がない限り、2名とする。

取締役社長

取締役会は随時取締役の中から取締役社長及び取締役副社長を、適当と判断する期間及び条件で選任することができ、個別の選任に係る契約の条件に従い、選任を撤回することができる。当該取締役及び会社の間の契約の規定にもかかわらず、取締役社長は、就任期間中、当社のその他の取締役と同様の辞任、輪番による退任及び解任の規定の対象となり、取締役ではなくなった場合には、自動的に選任が決定される。取締役社長及び取締役副社長は取締役会の支配の対象となる。

 

2 【外国為替管理制度】

(1) 為替管理

1997年の東南アジアにおける経済危機に対する政策として、マレーシア中央銀行、バンク・ヌガラ・マレーシア(「BNM」)は1998年9月1日より、選択的資本規制を導入した。1998年9月に発表された当該政策により、マレーシアの認可銀行に維持しているマレーシア・リンギット口座(非居住口座として指定されたもの)の所有者(非居住会社及び非居住の個人を含む)は認められた目的以外の資金の利用についての非居住口座間の資金の移動について、外国為替規制当局から事前の承認を得ることが義務づけられた。また、ポートフォリオ資本の流入額は、最低でも1年間はマレーシア国外に送金することはできないものとし、マレーシア人旅行者によるリンギットの輸出入を規制し、海外における投資若しくは旅行者が持ち出すことのできる外貨の金額を制限した。マレーシア国外のリンギットの取引も制限され、2005年7月21日までは、リンギットは米ドルに対して為替レートが固定されており、これにより市場による為替変動から守られた。

BNMは1999年に選択的資本規制の緩和を開始し、外国人投資家が資本と投資利益を本国へ送金できるようにしたが、送金する利益のパーセンテージに基づく税金を課した。2001年2月1日に、BNMはマレーシアにおける投資期間が1年未満のポートフォリオ投資からの利益についてのみ当該税金を課すことに変更した。2001年5月2日に、BNMは主にブルサ・セキュリティーズに上場している株式の売却から発生した海外ポートフォリオ資金に影響するすべての規制を廃止した。

BNMの外国為替に関する規制緩和を促進するため、BNMは2005年4月1日に非居住者による外貨送金に関する規制及び条件を緩和する変更を発表した。この変更により、外国の直接投資か若しくはポートフォリオ投資家による資本、利益、配当、利息、報酬若しくは賃貸料の送金に関する規制はないが、すべての送金はイスラエルの通貨以外の外貨で行うものとする。

2007年1月1日付けで、1953年為替管理法(「ECA」)が改正され、外国為替の未承認取引に関する取り締まりを強化し、居住者による保証の発行若しくは取得による偶発的な債務をBNMが取り締まることが可能となった。特に、ECAの第4項(1)及び第4項(3)が改正され、第4条A及び第10条Aが追加された。

その後ECAは、2013年6月30日付けで施行された2013年金融サービス法(FSA)によって廃止された。ECAの第4条、第4条A及び第10条Aは、FSAの第214条(2)及び第14条第1項及び第5項に統合された。

マレーシアにおいてビジネスを行うコストを引き続き軽減させるために、BNMは以下のとおり決定した。

(ⅰ) 2007年3月21日より、為替管理通知にいくつかの改正を行い、自由化した。例えば、国内会社がグループ内において海外通貨で借入を行うことや、海外の証券取引所において株式上場を行ったことによる収益など。

(ⅱ) 2007年10月1日より、非居住者が外国為替予約契約の満期前にリンギット建て資産の売却した場合、当該売却から7営業日以内に既存の外国為替予約契約を継続するために、再投資する条件等を廃止した。

(iii) 2010年8月18日より、居住者及び非居住者による物品及びサービスの決済に関する規則及び居住者による外貨の借入に関する規則が以下のとおり緩和された。

(a) 非居住者は、居住者との物品又はサービスに関する決済を、外部口座を通じて、マレーシア・リンギットで受領若しくは支払うことができる。ただし、外部口座における資金によって第三者の支払いを立て替えることに関する規制は今後も適用される。
「外部口座」とは、(a)非居住者が(i)単独、(ii)別の非居住者と共同で、(iii)(aa)マレーシアにおける合弁事業、(bb)夫若しくは妻のいずれか以外の別の居住者と共同で、又は(b)非居住者から受託して、若しくはこれに代わって居住者がマレーシア・リンギット建てでマレーシアの金融機関において開設した口座である。

(b) 国内会社は非居住ノンバンク関連会社から外貨を制限なく借り入れることができ、当該関連会社には最終的な持株会社、親会社/本店、子会社/支店、関連又は兄弟会社(共通の株主を有する会社)が含まれる。ただし、非居住ノンバンク関連会社が非居住金融機関から外貨を取得することのみを目的として設立されている場合、非居住ノンバンク関連会社からの借入金額の上限は、引き続き非居住者からの借入金額の上限である100百万マレーシア・リンギットに制限される。

(iv) 2011年6月1日より、マレーシア・リンギットでの関連会社からの借入金についての規制が緩和され、居住会社は、非居住ノンバンク関連会社から制限なく借入を行い、マレーシアにおける実物部門での活動資金とすることができる。実物部門とは製品の製造やサービスが実在する部門を意味し、金融サービスを除くすべての産業が含まれる。ただし、非居住金融機関から外貨を取得することのみを目的として設立されている非居住ノンバンク関連会社から居住会社がマレーシア・リンギットの借入を行う場合、借入金額は引き続き非居住者からの借入金額の上限である100百万マレーシア・リンギットに制限される。

(v)  2016年11月13日に、BNMはリンギットのノンデリバラブル・フォワード(NDF)のオフショア取引を禁止するため、既存の規則を強化することを発表した。

(2) マレーシアにおける海外投資規制

マレーシアにおける株式の取得は、マレーシアの外国投資委員会(「FIC」)の規制及び監視の対象であった。マレーシア首相のダト・スリ・ナジブ・トゥン・ラザックが2009年6月30日に発表したとおり、持分の取得、合併及び買収に関するFICのガイドラインは2009年6月30日付けで廃止され、これに代わる新たなガイドラインは定められていない。この決定はより自由な規制環境を整備することにより、より積極的な投資活動と活発な資本市場を実現可能にし、民間企業の繁栄を目指すためのマレーシア政府による自由化政策の一環である。

上記に基づき、従前のガイドラインに定められていた、ブミプトラであるマレーシア人が最低でも30%の株式を保有するという規定の適用はなくなった。しかし各業界の規制当局が課す株式に関する規制は今後も適用される。

マレーシアにおける資産の取得については、2014年3月1日付けで資産取得に関する新たなガイドラインが首相部門付属の経済計画局により発行された。新たなガイドラインに従って、居住用の不動産以外のすべての不動産について、(i)直接の取得については、20百万マレーシア・リンギット以上の不動産について、ブミプトラの持分及び/若しくは政府機関の持分の希薄化が生じる場合、又は (ii)ブミプトラ持分以外の不動産の株式の取得による間接的な取得の場合、ブミプトラ持分及び/若しくは政府当局が所有する株式の支配の変更が生じる場合で、当該総資産の50%以上の資産を有し、当該資産が20百万マレーシア・リンギット以上の評価額とされる場合には、首相部門付属の経済計画局の承認が必要であるとしている。

首相部門付属の経済計画局の承認を必要としないが、該当する省庁及び/又は行政府の部門の権限の対象となる外国人投資家による不動産の取得は以下のとおりとする。

(a) 評価額が1,000,000マレーシア・リンギット以上の商業施設の取得

(b) 評価額が1,000,000マレーシア・リンギット以上の農業用地又は下記の目的のための5エーカー以上の土地の取得

(i) 最新又はハイテクノロジーを使用した、商業規模での農業活動、又は

(ii) 農業観光旅行プロジェクトの引受、又は

(iii)輸出用製品の生産のための農業又は農産ベースの産業活動。

(c) 評価額が1,000,000マレーシア・リンギット以上の工業用地の取得

(d) 近親者間の親族関係に基づく外国人に対する不動産の譲渡は親族間においてのみ許される。

外国人投資家は、政府当局が低価格又は中低価格住居として指定した、1ユニット当たりの評価額が1,000,000マレーシア・リンギットを下回る不動産、マレー保留地の不動産及び不動産開発プロジェクトにおいて政府当局がブミプトラ持分に割り当てた不動産を取得してはならない。

「外国人投資家」とは、(ⅰ)マレーシア市民ではない者、(ⅱ)永住者、(ⅲ)外国会社若しくは機関、又は、(ⅳ)(ⅰ)、(ⅱ)若しくは(ⅲ)の者が議決権の50%以上を保有する現地法人又は現地機関から構成される、投資家、投資家グループ又は協調して活動する投資家の集団を意味する。

「永住者」とは、マレーシア市民ではなく、マレーシア政府より永住権を与えられた者を意味する。

 

3 【課税上の取扱い】

以下の課税上の取扱いに関する記載は、本書の日付現在有効な法律に基づいており、当該日付以降の法制の変更により変更される可能性があり、かかる変更は過去に遡及して行われる場合がある。以下に記載する概要は、当社株式の購入、所有又は処分に関連する課税上の検討事項を余すところなく記載したものでも、あらゆる種類の投資家に適用される課税上の取扱いを説明したものでもなく、(証券会社等の)一部の投資家には特別な規則が適用されることもある。当社株式を保有しようとする者は、当社株式所有による課税上の取扱い全般について各自の税務専門家と相談すべきである。

 

配当課税

マレーシアはシングルティア課税システムを導入して、シングルティア課税システムに基づき支払う配当金は、株主に支払後はマレーシアの所得税の課税対象とはならない。

 

キャピタル・ゲイン課税

現行のマレーシア法上、不動産会社以外の会社の証券(当社株式を含む)の売却によるキャピタル・ゲインに対する課税はない。

 

不動産収益税

不動産の処分及び不動産会社に対する持分の処分による利益に対する不動産収益税率は、以下のとおりである。

 

処分の日

会社

個人

(国民及び永住者)

個人

(非居住者)

取得日から3年以内

30%

30%

30%

4年目

20%

20%

30%

5年目

15%

15%

30%

6年目以降

5%

0%

5%

 

4 【法律意見】

当社の法律顧問を務めるリー・ペラーラ・アンド・タン法律事務所から、(ⅰ)当社が、マレーシア法に準拠した法人として適法に設立されかつ有効に存続し、(ⅱ)本書に記載されたマレーシア法に関する記述が、すべての重要な点において正確である旨の法律意見書が提出されている。