第3 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 事業実績

2017年度及び2016年度の当グループの主な事業部門別の売上高及び税引前利益は以下のとおりである。

(監査済)

 

2016年度

2017年度

売上高

百万マレーシア・リンギット(百万円)

百万マレーシア・リンギット(百万円)

建設部門

112.4

(3,102)

0.73%

144.6

(3,991)

0.98%

情報技術及び電子商取引関連部門

3.5

(97)

0.02%

3.2

(88)

0.02%

ホテル経営部門

872.9

(24,092)

5.68%

967.5

(26,703)

6.57%

セメント製造及び販売部門

2,788.30

(76,957)

18.13%

2,425.6

(66,947)

16.47%

運用サービス部門及びその他

575.4

(15,881)

3.74%

408.0

(11,260)

2.77%

不動産投資開発部門

1,009.40

(27,859)

6.57%

1,228.1

(33,896)

8.34%

公共事業部門

10,015.60

(276,431)

65.13%

9,551.7

(263,627)

64.85%

合計

15,377.50

(424,419)

100.00%

14,728.7

(406,512)

100.00%

税引前利益

百万マレーシア・リンギット(百万円)

百万マレーシア・リンギット(百万円)

建設部門

17.0

(469)

0.75%

57.2

(1,579)

3.32%

情報技術及び電子商取引関連部門

1.6

(44)

0.07%

0.9

(25)

0.05%

ホテル経営部門

2.2

(61)

0.10%

100.5

(2,774)

5.83%

セメント製造及び販売部門

544.8

(15,036)

24.08%

220.9

(6,097)

12.80%

運用サービス部門及びその他

226.0

(6,238)

9.99%

47.3

(1,305)

2.74%

不動産投資開発部門

440.0

(12,144)

19.45%

385.2

(10,632)

22.32%

公共事業部門

1,030.9

(28,453)

45.56%

913.5

(25,213)

52.94%

合計

2,262.5

(62,445)

100.00%

1,725.5

(47,624)

100.00%

 

(2) 概況

 

当グループが事業を営む一部の主要市場で不利な状況が続いたことを考慮すれば、当社及び当グループは、2017年度において良好な業績を収めた。

 

マレーシア経済は、緩やかなペースで成長し、主に民間部門の持続的な投資に支えられた内需に牽引され、2015年の5.0%に比べて、2016年は4.2%の国内総生産(GDP)成長率となった。マレーシア経済は、2017年上半期には5.7%の堅調なGDP成長率を記録したが、これは、主に内需のより堅調な拡大によるものであった。一方、当グループが事業を営むその他の主要経済圏である、英国では、2016年には約1.8%の成長率を記録し、2017年の第1四半期及び第2四半期には、それぞれ0.2%及び0.3%の成長率であった。また、シンガポールでは、2016年には1.8%の成長率を記録し、2017年上半期には約2.5%の成長率を記録した(出典:マレーシア財務省、マレーシア国立銀行、シンガポール通商産業省、英国国家統計局最新情報及び報告書)。

 

当グループは、2017年度について147.3億マレーシア・リンギットの収益を計上したが、2016年度の153.8億マレーシア・リンギットからの減収となった。2017年度の税引前利益は、前年度の22.6億マレーシア・リンギットに対して、17.3億マレーシア・リンギットとなった一方、当社株主に帰属する純利益は、前年度の9億1640万マレーシア・リンギットから8億1330万マレーシア・リンギットに減少した。

 

当社は、2017年度について、普通株式1株につき5センの中間配当及び普通株式50株につき自己株式1株の割当てを内容とする株式配当を発表した。配当金及び株式配当の総利回りは、2017年度の出来高加重平均価格1株1.56マレーシア・リンギットに基づけば、5.2%となる。

 

公共事業部門

当グループの主要な公共事業部門では、収益及び税引前利益が減少したが、これは、主に英国で事業を営む上下水道部門におけるリンギット高・英国ポンド安のほか、前年度は下位の事業部門である受託発電部門において計上された、仲裁裁定による一時的な利益がなかったことによるものである。

 

同部門のシンガポールにおける商業向けマルチ・ユーティリティ事業は、シンガポールの電力卸売市場において、市場の需要を上回る、発電量の継続的な供給過剰の影響を受け続けた。しかし、同部門は、その中核事業を超えて、スチームの販売、石油貯蔵・タンカーのリース、バンカリング・サービス及び飲料水の販売に関して統合された、マルチ・ユーティリティの供給事業及び未規制の付属事業へと収入源を多様化させる継続的な戦略を順調に進めた。

 

当グループの英国における上下水道事業は、主に、英国南西部の営業地域一帯の280万人の既存の顧客基盤を考慮すれば極めて重要となる、優秀な顧客サービス基準に牽引され、良好な業績を収めた。

 

下位の事業部門であるマレーシアにおける受託発電部門では、現存する当グループのトレンガヌ州のパカ発電所から585メガワットの電力供給を行うことに関する電力売買契約が従前の2年10ヶ月から3年10ヶ月に契約期間を延長のうえ、2017年度中に更新され、また、新たな電力売買契約に基づくパカ発電所からの電力供給が、2017年9月1日に開始された。

 

当グループの開発中のプロジェクトでは、2017年3月、554メガワットのオイル・シェール火力発電プロジェクトをヨルダンで展開中のアタラット・パワー・カンパニーPSCが融資の組成を完了し、当グループの持分は、30%から45%まで増加した。当グループは、80%の持分を保有しており、インドネシアの国有電気事業会社であるPT PLN(ペセロ)との間で30年間の電力売買契約を締結しているインドネシアのジャワ島における2×660メガワットの石炭火力発電プロジェクト、タンジュン・ジャティAプロジェクトについても、融資の組成の完了に向けて進行中である。

 

一方、当グループのモバイル・ブロードバンド・ネットワーク部門は、2017年度において、2016年6月に開始されたYes 4G LTE及びVoLTEサービスのほか、2017年に新発売されたHuddle XS LTEモバイル・ホットスポット機器、ブランド向上及び新たなマーケティング・キャンペーンに支えられ、引き続き利用者基盤を拡大した。

 

セメント製造及び販売部門並びに建設部門

セメント製造部門は、建設業界におけるセメント需要の低下、価格競争及び製造原価の上昇により、収益及び税引前利益の減少を記録した。しかし、当グループの建設部門は、当グループの他の中核事業により発注された不動産開発及びインフラ工事のパイプラインの恩恵を受け、当会計年度の業績は回復した。

 

不動産投資開発部門

スントゥル・イーストのザ・フェンネル並びにダリア、ショアフロント及びウ・タント・プレイスの住宅開発は、順調に進捗しており、また2017年度中に開発が完了した案件としては、スンガイ・ブシの高層コンドミニアムを構成するミッド・フィールズ2が挙げられる。

 

当グループの下位の事業部門である不動産投資部門では、シンガポールで上場しているスターヒル・グローバルREITの投資資産の正味の公正価格が再評価に伴って下落したことの影響を受けた。これにもかかわらず、スターヒル・グローバルREITは、オーチャード大通りのニー・アン・シティ及びウィスマ・アトリアへの投資持分により構成されるシンガポールの資産並びにブキット・ビンタンの中心に位置するスターヒル・ギャラリー及びロット10ショッピング・センター内の区画により構成されるマレーシアの資産の堅調な業績に引き続き支えられた。

 

ホテル経営部門

当部門は、北海道、バース、サバ州及びクアラルンプールにおける当グループのホテルの良好な業績の恩恵を受けた。2017度中に新設されたホテルには、マリオット・インターナショナルのオートグラフ・コレクションを構成するクアラルンプールのホテル・ストライプス、ロンドンの5つ星ブティックホテルのスレッドニードルズ・ホテル及びエジンバラの中心に位置するザ・グラスハウス・ホテル並びにバークシャー州のモンキー・アイランド及びロンドンのウェストエンドに位置するジョージア王朝時代の修復済みのタウンハウス5棟の一角を構成するザ・アカデミー・ホテルが含まれる。

 

運用サービス部門及びその他

マレーシアにおける当グループの発電所の運転に関連する当グループの運営管理(O&M)事業からの拠出金の減少、支払利息の増加及び関連会社が前年度計上した発電所資産の再評価に係る一時的な繰延税額控除がなかったことにより、業績は悪化した。

 

持続可能性

2017年6月、当社は、FTSE4グッド・ブルサ・マレーシア・インデックスの構成銘柄となったが、当該インデックスは、環境・社会・ガバナンス(ESG)を適正に実施している企業のパフォーマンスを測定するために組成されている。当該インデックスの構成銘柄となるためには、責任あるビジネスの実践の維持が要求されるが、当グループは、その運営体制を継続的に評価及び改善するために、継続的な努力を続けている。

 

当グループの持続可能性に関する記録を、株主や利害関係者がより詳しく評価できるようにするため、当グループは11年連続でYTLグループの持続可能性に関する報告書:2017年度を独立した報告書として作成した。

 

見通し

今後に目を向けると、当グループの業績は、引き続き堅調なものとなることが予想される。公共事業部門については、シンガポールの電力市場での競争は引き続き激しいものになるとの見通しだが、当グループの運営効率は、当該部門の事業がかかる困難に対処するための体制を十分に整備していることを保証している。また、当グループの英国における上下水道部門では、顧客サービス基準で改善を図り、規制で要求されている基準値を優に上回るための取組みが継続される。マレーシアでは、発電部門が、パカ発電所からの電力供給に関する新たな電力売買契約の開始の恩恵を受けることになる一方で、モバイル・ブロードバンド事業では、4G LTE及びVoLTEサービスが無事に開始されたことによって、ネットワークの利用者基盤の拡大の幸先が良くなった。

 

当グループのセメント部門は、引き続き競争の激しい市場に置かれたが、高品質で多岐にわたる製品の開発及び提供並びに運営費及び製造費の管理の実績は、当事業がかかる状況を乗り切るために大いに役立つことが予想される。当グループの建設部門の見通しも、特に、不動産開発及びインフラ工事のパイプラインによって、同様に安定している。

 

シンガポールにおける国内不動産市場及び高級住宅市場は、マレーシア及びシンガポールの両国における不動産価格の高騰に対処するための取組みに由来する、近年の様々な価格抑制施策の影響を受け続けることが予想される。しかし、当グループは、長年にわたって、当グループの資本利益の創出の実績並びに高品質で精巧なデザインの住宅及び生活環境に魅了された真の買手のニーズに応えることを視野に、販売の概念化、時機及び価格を設定する姿勢を貫いている。

 

一方、当グループのホテル経営部門の見通しは、多様な地域市場及び同部門のホテル資産によって賄われるホスピタリティ部門に支えられ、引き続き良好である。

 

(3) 2017年度と2016年度との比較

1 売上高

当グループの当年度の売上高は、前年度の15,377.5百万マレーシア・リンギットに対して、648.8百万マレーシア・リンギット、すなわち4.2%減少し、14,728.7百万マレーシア・リンギットとなった。収益の減少は主に2015年9月30日に締結された、電力購入契約の締結による、発電(契約)部門の収益がなくなったこと及び水道・下水道事業部門におけるポンドに対するマレーシア・リンギットの価値の上昇によるものである。

 

2 税引前利益

当グループの税引前利益は、前年度の2,265.5百万マレーシア・リンギットから1,725.5百万マレーシア・リンギットに減少した。これは23.7%の減少に相当し、主にセメント製造及び販売部門並びに運用サービス部門及びその他部門の利益の減少によるものであった。

 

3 法人税等

当年度の法人税は、前年度の375.6百万マレーシア・リンギットに対して283.5百万マレーシア・リンギットとなった。法人税の減少は、主に2020年4月1日より英国の法人税率を18%から17%に引き下げることによる繰延税金の認識によるものであった。

 

4 少数株主持分損益

少数株主持分損益は、前年度の970.5百万マレーシア・リンギットから当年度の628.7百万マレーシア・リンギットヘと35.2%減少した。これは主にワイ・ティー・エル・パワー・インターナショナル・バーハッド・グループ、スターヒル・グローバル・リアル・エステート・インベストメント・トラストの税引後利益の減少によるものである。

 

5 税引後利益及び少数株主持分

上記の結果、当グループの税引後利益及び少数株主持分損益は、前年度の916.4百万マレーシア・リンギットから813.3百万マレーシア・リンギットヘと103.1百万マレーシア・リンギット、すなわち11.3%減少した。純利益の減少は、建設業界におけるセメント需要の落ち込みによる販売量の減少、セメント製造及び販売部門における厳しい価格設定及びファイナンス・コストの増加並びに売掛金の支払に関する仲裁裁定、発電部門に計上された利息収入及び関連会社に計上された発電所資産の再評価による繰延税額控除による一度限りの収益が今年度はなかったことによるものである。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

第3 1「業績等の概要」を参照のこと。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題】

 

下記「第3 1業績等の概要」及び「第3 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。

 

4 【事業等のリスク】

 

当年度中、当社及びその子会社(総称して「当グループ」)は、ブルサ・セキュリティーズのメイン・マーケット上場規則(「上場規則」)及び2012年のコーポレート・ガバナンスに関するマレーシアン・コード(「本規範」)の方針及び勧告を遵守するために、当グループの内部統制とリスク管理のシステムの改善を引き続き行った。本規範は2000年に施行され、その後2007年及び2012年に修正された。2017年4月に、マレーシアの証券取引委員会は企業統治法を公表し、企業は、2017年12月31日に終了する事業年度より、新法に従った実務の適用を報告することが求められる。したがって、当社の取締役会は、現在の当社の実務や手続で変更が必要な箇所を検討している段階にあり、2018年6月30日に終了する事業年度の年次報告書においては、新法に従った報告を行う。

取締役会は、取締役会が株主の投資及び当グループの資産の保護を目的とした安定したリスク管理及び内部統制システムの維持につき全責任を有していること、並びにかかる統制が重大な過失、詐欺又は損失が発生するリスクに対して合理的ではあるが完全ではない保証を提供するに止まるものであることを認識している。

 

取締役会の責任

取締役会は、株主の投資及び当グループの資産を保護するための適切な統制環境の枠組みの確立を含む、安定したリスク管理及び内部統制のシステムの維持、並びに当該システムの適切性と完全性の審査につき最終的な責任を負っている。内部統制のシステムは財務の管理だけでなく、業務及び法令遵守の管理並びにリスク管理などをカバーしている。しかしながら、取締役会は、当グループのリスク管理及び内部統制のシステムの審査が共同で行われる継続的なプロセスであり、事業目的の達成に失敗するリスクを排除するものではなく、むしろかかるリスクを管理し、詐欺行為及びエラーの可能性を最小限にするためのシステムであると考えている。したがって、当グループのリスク管理及び内部統制のシステムは、重大な誤表示、詐欺及び損失に対する、合理的ではあるものの、絶対的ではない保証を提供するに止まる。

取締役会は、当年度について、当グループのリスク管理及び内部統制(財務その他も含めて)が当グループの効率的かつ効果的な事業活動、財務情報の信頼性及び透明性、並びに法令及び規則の遵守を合理的に保証するものであると考えている。

 

当グループの内部統制の主な特徴

取締役会は、継続的な監視及び統制活動の効率性の審査の手続を含む、安定した内部統制構造の維持、並びに当グループ及びその従業員の行動の統治に専心している。当グループの内部統制システムの主な内容の概略は、以下のとおりである。

 

・承認手続

当グループは、承認手続を明確に定義し、説明責任を明確に定め、取締役会及び上席経営陣内で承認、許可及び管理に関する厳格な手続を有している。承認レベル、職務分掌及びその他の統制手続などの責任のレベルは、株主の最善の利益に鑑みた効率的かつ独立した管理を促すために当グループ内に通知されている。

 

・権限レベル

当グループは大規模な入札、設備投資プロジェクト、買収及び事業の処分並びにその他の大規模な取引に関して、常勤取締役に対して権限レベルを委任している。一定の限度額を超える資本及び収益に関する承認は、取締役会がこれを決定する。その他の投資に関する判断は、権限の範囲に従って承認される。総合的な評価及び監視手続は、全ての大規模な投資に関する決定に適用される。

企業への融資及び投資資金の拠出の要件、外貨及び金利リスク管理、投資、保険並びに署名権者の指名等を含む主な財務に関する事項の決定については、取締役の承認が必要である。

 

・財務成績

中間財務成績は、ブルサ・セキュリティーズに開示する前に、監査委員会が審査し、監査委員会の提言に基づき取締役会が承認する。年次財務成績及び当グループの事業の状況の分析は、外部の監査人による審査と監査を受けた後に株主に開示される。

 

・内部の法令遵守

当グループは、主な従業員が年間目標の達成を評価するべく内部で審査する経営陣のレビュー及び報告を通じて内部の財務管理の遵守を監視している。内部の方針や手続の更新は、リスクの変化、又は経営上の欠陥部分の是正、並びに当グループに関連する法令及び規則の遵守要件の変化を反映するために行われる。内部監査は、手続の遵守の監視及び精査を行い、提供された財務情報の整合性を評価するため、特定の期間について体系的に取り決められる。

 

当グループの内部統制の主な手続

内部統制のシステムの適切性と整合性を審査するために取締役会が定めた主な手続は、以下のとおりである。

 

・内部監査機能

当グループの内部監査機能は、その内部監査部門(「YTLIA」)により提供される。YTLIAは、経営陣が導入した内部統制システムの効率性及び有効性につき保証を提供し、監査委員会に直接報告を行う。内部監査機能の活動に関する詳細は、当社ウェブサイト(www.ytl.com)の「ガバナンス」の項にある監査委員会報告に記載されている。

YTLIAは、監査対象とする活動から独立して運営されており、内部統制システムの有効性と重大なリスクに重点を置いて実施された監査の結果につき、監査委員会に対して定期的に報告を行う。監査委員会は、YTLIAが提起した重大な課題及び事項につき審査及び評価を行い、経営陣によって適切かつ迅速な是正策が講じられることを保証する。

当年度中のいずれの脆弱性又は問題も、当社の年次報告書で開示を要求される、該当する方針若しくは手続、上場規則又は推奨される業界の慣行に対する違反には当たらなかった。

英国に拠点を置くウェセックス・ウォーター・リミテッド・グループ(「ウェセックス・ウォーター」)の会社は、上記の内部監査の対象には含まれていない。ウェセックス・ウォーターの事業は、同社の規制当局であり、政府機関である水道事業管理庁(Ofwatとして知られる)の厳格な財務及び業務管理の対象となっており、その規制ライセンスによっても管理されている。ウェセックス・ウォーター・サービシズ・リミテッド(「WWSL」)は、独自の内部監査部門を有している。内部監査部門はWWSLの監査委員会に報告し、内部監査委員会は優良な財務慣行の維持とこれらの慣行の整合性を保つための管理を監督する責任を有している。同部門は、年次財務諸表を審査し、取締役会と外部の監査人とのコミュニケーション・ラインを提供する。同部門には、その権限及び義務に関する正式な調査範囲があり、調査結果はウェセックス・ウォーター・カンパニーの親会社であり、当社の登録された子会社であるワイ・ティー・エル・パワー・インターナショナル・バーハッド(「YTLパワー」)の監査委員会に報告される。

同様に、YTLパワーの子会社であり、シンガポールに拠点を置くYTLパワーセラヤ・プライベート・リミテッド・グループ(「YTLパワーセラヤ」)のグループ会社はYTLIAの対象に含まれていない。YTLパワーセラヤの事業は、同社の規制当局であり、シンガポールの通商産業大臣の法定機関であるエネルギー市場監督庁(EMA)の厳格な財務及び業務管理の対象となっている。YTLパワーセラヤは内部監査を著名な専門会社に委託し、当該専門会社は社内の監査委員会に報告しており、その調査結果はワイ・ティー・エル・パワーの監査委員会にも報告される。YTLパワーセラヤは、内部統制及びシステムを、財務諸表の整合性と信頼性を合理的に保証できる内容に維持する義務がある。

内部統制のシステムは、事業環境の変化に伴い、今後も審査、改善又は更新されていく。取締役会はYTLIAによる評価により、内部統制システムの継続性と効果を定期的に確認する。取締役会は、現在の内部統制システムが当グループの利益を守るために有効なシステムであると考えている。

 

・上席経営陣会議

当グループは、常勤取締役と部門長から構成される上席経営陣会議を定期的に開催している。この会議の目的は、緊急を要する事由について審議し、決定することである。ここでの決定事項は、全ての関係する従業員レベルに直ちに効率的に伝えることができる。これらの会議を通じて、経営陣は関係する事業部門における業務上又は財務上の重大なリスクを特定することができる。

 

・財務会議

当グループの経営陣会議は、財務及び資金に関する重要な問題を審査、特定、議論及び解決し、当グループの財務状況を監視するために招集される。これらの会議は、財務に関する新たな状況又は懸念点が早い時点で明確化され、これらに迅速に対処することができるようにするため、定期的に開催される。この会議のメンバーは、少なくとも当グループの取締役社長、常勤取締役及び上席経営陣から構成される。

 

・現場の視察

常勤取締役は、生産現場や事業部門の現場へ赴き、様々なレベルの従業員と対話し、協議し、実行された戦略の有効性を直接評価する。現場の視察は、効率的な運営のために、透明性が高く、開かれたコミュニケーション経路が経営陣及び常勤取締役によって維持されることを保証する目的で行われている。

 

当グループのリスク管理体制の主な特徴及び手続

当グループの安定した財務プロファイルは、事業活動の中で発生するリスクを軽減するための内部統制及びリスク管理のシステムの結果である。これは当グループの規制資産取得及びノンリコース・ベースでの融資獲得の戦略に象徴されている。これらには、ワイ・ティー・エル・パワー・インターナショナル・バーハッドの完全子会社、ウェセックス・ウォーター及びYTLパワーセラヤ、エレクトラネット・プロプライエタリー・リミテッドに対する持分及びPTジャワ・パワーに対する持分が含まれる。これらの資産は事業コストと収益の流れが非常に予測しやすい、という共通点があり、これにより安定した、予測可能なキャッシュ・フロー及び利益が生み出され、それぞれの市場における安定した規制環境によりさらに強化されている。

当グループの事業活動の全ての分野は何らかのリスクを伴うことを取締役会は認識している。当グループは、経営陣が定義されたパラメーター及び基準に従ってリスク管理を行うための有効なリスク管理システムの維持を保証するよう努めており、株主価値の向上のために当グループの事業の収益性を促進している。

取締役会は当グループのリスク管理体制について全責任を負っている。当グループが直面する重大なリスクの特定、分析及び管理は上席経営陣が各事業レベルで行い、これらの調査結果を評価分析し、取締役会に報告する場合には監査委員会がこれを行うなど、あらゆるレベルで行われる継続的なプロセスである。同時に、YTLIAはYTLIAの中間監査において、当グループが直面する重大なリスクの特定及び分析を行い、その結果を監査委員会に報告する。当会計年度中、取締役会のリスク管理体制における機能は、内部統制システムの適切性と全体性を保証するために経営会議に常勤取締役が参加することにより実行された。当グループの事業に影響を与える重大なリスクの特定及び分析のプロセスの検討と更新、並びにこれらのリスクを管理するための方針及び手続に重点が置かれている。

当グループの事業活動は、市場リスク(為替リスク、金利リスク及び価格リスク)、信用リスク、流動性リスク及びキャピタル・リスクなど、様々な金融リスクを伴う。当グループ全体の金融リスクの管理の目的は、当グループが株主価値を創造することを保証することである。当グループは金融市場の予測不可能性に焦点を合わせ、財務業績に与える悪影響の可能性を最小限に抑えることを目標としている。金融リスク管理は定期的なリスク評価、内部統制システム及び当グループの金融リスク管理方針に従って実施されている。取締役会はこれらのリスクを定期的に評価し、適切な管理環境体制について承認を行う。当グループのリスク管理の詳細については、「第3 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載する。

経営陣は、当グループ内でのリスク意識を高め、各自の担当事業に該当する重大なリスクの特定及び分析を行い、適切な内部統制手続の設定と運営の義務がある。これらのリスクは、継続的に評価され、リスク管理の不備、情報システムの故障、競争、自然災害及び規制など社内外のリスクに関するものが含まれる。重大なリスクに影響を与える事業の重大な変化及び外部の環境については、リスクを抑制するためのアクション・プランの策定の中で取締役会に対して経営陣が報告する。

システム改善の必要性がある場合には、取締役会は監査委員会及び内部監査人の推奨する内容を検討する。

取締役会は今後も各事業分野において直面する事業、営業及び財務リスクの特定、評価及び管理を行い、また定期的に戦略を見直して、リスクが軽減され、管理されているかを確認し、当局が発行するガイドラインを遵守する。これは、当グループが株主持分及び株主価値を保護し、向上させるために常に変化し続ける事業環境に効率的に反応できることを確実にするためである。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 2017年度当初から本書の日付までの間に当社と他企業との合併又は合併の契約はなかった。

(2) 2017年度当初から本書の日付までの間に、当社の事業に重大な影響を与えるような、当社による事業の全部又は重要な部分の譲渡、又は他企業の事業の全部又は大部分の取得はなく、また、当該期間中、当社は上記に関連する契約は一切締結しなかった。

(3) 当社の事業の全部又は重要な一部分を賃貸若しくは預託する契約、別の当事者と当社の営業利益及び損失を共有する契約、若しくは当社の事業に重大な影響を与える技術協力若しくはこれに類する契約の締結はなかった。

 

6【研究開発活動】

該当なし。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 本項には、将来予想に関する記述が含まれているが、これは当該事業年度終了時点での当社の予測又は見積もりに基づくものである。

 

公共事業部門

(契約)発電事業

・YTLPG

YTLパワーの完全子会社であるYTLPGは、マレーシアに2基の発電所を所有しており、両発電所の総発電量は、1,212メガワットである(トレンガヌ州のパカ発電所の総発電容量:808メガワット、ジョホール州のパシール・グダン発電所の総発電容量:404メガワット)。YTLPGは、1993年、マレーシア初のIPP(独立系発電事業者)となり、2015年9月30日に契約期間が満了となった21年間の電力売買契約に基づき事業を営んでいた。その後、YTLPGは、マレーシア・エネルギー委員会(「EC」)が募る短期発電容量の入札に基づき、パカ発電所から電力供給を行うプロジェクトを獲得した。

 

2017年4月20日、ECは、マレーシア政府との交渉に従って、修正された落札決定書をYTLPGに交付し、プロジェクトの商業運転開始日から3年10ヶ月の間(当初の落札期間の2年10ヶ月から12ヶ月の期間延長)、パカ発電所から585メガワットの電力供給を行うことについて、YTLPGの入札を認めた。

 

落札決定書に従い、YTLPG及びテナガ・ナショナル・バーハッドは、2017年5月9日付で、電力売買契約及び土地賃貸借契約を締結した。当該土地賃貸借契約は、パカ発電所の既存の土地賃貸借契約に優先し、その契約期間は、2017年9月1日の商業運転開始日から5年10ヶ月である。2017年5月22日、YTLPG及びペトロリアム・ナショナル・バーハッドは、発電所への天然ガス供給に関するガス供給契約を締結した。パカ発電所からの供給は、2017年9月1日に開始した。

 

・タンジュン・ジャティ・パワー

当グループは、インドネシアのジャワ島における2×660メガワットの石炭火力発電プロジェクト、タンジュン・ジャティAの開発を手がける独立系発電事業者であるタンジュン・ジャティ・パワーの株式持分を80%保有している。タンジュン・ジャティ・パワーは、インドネシアの国有電気事業会社であるペセロとの間に、2015年12月に修正・更改された(発電所の商業運転開始日に開始する)30年間の電力売買契約を有している。同プロジェクトは、現在開発段階にあり、融資の組成完了に向けて進行中である。

 

・APCO

2017年度中、当グループは、プロジェクトが2017年3月16日に融資の組成が完了したことを受け、APCOの株式持分を(従来の30%から)45%まで増やした。APCOは、ヨルダン・ハシミテ王国において、554メガワットのオイル・シェール火力発電プロジェクトを展開している。APCOは、ヨルダンの国有事業会社である国営電力会社(「NEPCO」)との間で、発電所の電気容量及びエネルギー全体について、NEPCOが契約期間を(プロジェクトの2基目の設備の商業運転開始日から)40年に延長する選択権付きの30年間(3年半の建設期間を含む。)の電力売買契約を締結した。同プロジェクトの建設は開始され、2020年半ばに運転開始が予定されている。

 

554メガワットのオイル・シェール火力発電所は、ヨルダンのエネルギー需要の大部分をカバーすることにより、ヨルダン国内の発電に用いる石油製品の輸入を縮小し、また、その開発は、ヨルダン政府が掲げるエネルギー自立促進の達成に向けての重要な布石である。APCOは、YTLパワー(45%)、粤電集団(45%)及びエスティ・エネルギアAS(10%)に間接的に所有されている。

 

(商業向け)マルチ・ユーティリティ事業

YTLパワーは、スチーム・タービン式発電設備、コンバインド・サイクル式発電設備及び熱併給コンバインド・サイクル式発電設備から成る3,100メガワットの認可発電容量を有するシンガポールのエネルギー会社であるYTLパワーセラヤの持分を100%保有している。YTLパワーセラヤは、シンガポールの石油、ガス及び石油化学製品の拠点であるジュロン島に所在し、発電及び電力の小売りのほか、ユーティリティの供給(スチーム、天然ガス及び水)、石油貯蔵タンクのリース並びに石油取引及びバンカリングから成る他のマルチ・ユーティリティ事業の運営をも中核事業とする総合エネルギー会社である。

 

2017年度において、YTLパワーセラヤは、8,620ギガワット時の電力を販売した一方、発電量の市場占有率は、前年度の18.7%に比べ17.7%までわずかに減少した。これは主に、シンガポールの卸電力市場における発電容量の供給過剰が市場の需要を上回り続けたことに起因する。

 

一方、同社は、(2016年6月に開始した)3年間の飲料水販売契約で勢いを増し、一日あたり最大1,000立方メートル(前年度の30%増)の飲料水を供給した。

 

前年度中、YTLパワーセラヤは、2017年初めに、規制当局であるシンガポールのエネルギー市場監督庁(「EMA」)と共同で、自社のガス及び電力システムの安全機能回復能力を評価するための再調査を実施した結果、安全回復能力及び品質管理能力も証明することとなった。監査プロセスは、運営管理に関する標準業務手順、管理実務、技術要員研修並びに有事への備え及びガス・電力に係る緊急事態への対応等、様々な分野を対象としていた。

 

2017年度において、需要者の選択可能性が広い小売電力部門におけるYTLパワーセラヤの小売部門のセラヤ・エネルギー・プライベート・リミテッド(「セラヤ・エネルギー」)の市場占有率は、17.8%となり、前年度の19.2%から減少した。これに対し、2017年度の売上高は、5,924ギガワット時となった。しかし、激しい競争が続く中、セラヤ・エネルギーは、民間の電力小売業者上位3社の地位を維持した。

 

同小売部門は、競争力のある産業消費者及び商業消費者の増加に伴い、小企業の間でも安定した足場を築いた。2013年3月以降、EMAは、供給者の選択可能性に関する電力消費量の下限値を一企業あたり10メガワット時から2メガワット時まで徐々に引き下げ、小企業は、自身の希望する電力供給会社を選択できるようになった。セラヤ・エネルギーは、かかる業界の動きと共に拡大し、顧客の異なるニーズに応じてカスタマイズされた様々な金融電力パッケージを提供し、従前の供給業者からの円滑な移行のためのプロセスを綿密に計画し、かつ最適な顧客サービス及び顧客体験の提供を目指して励むことで、かかる市場部門のシェアを獲得することに成功した。

 

YTLパワーセラヤの通商及び燃料管理部門であるペトロセラヤ・プライベート・リミテッド(「ペトロセラヤ」)は、2017年度において、合わせて81万立方メートルの貯蔵容量を誇る18の貯蔵タンク全てを引き続きリースした。ペトロセラヤは、2017年度において、前年度に比べ5.2%減の12.97百万メートルトンの燃料石油及びディーゼル燃料を取り扱ったが、これは、主に困難な市況が長引いたことに起因する。一方、前年度の1,161隻に対し、当年度は1,209隻の船舶がターミナルに停泊し、停泊所の平均利用率は、57%を超えた。

 

石油市場に広がる不確実性にもかかわらず、ペトロセラヤは、タンクのリース及び燃料管理の分野での存在感を強化するためにこれらの活動に引き続き注力するほか、突堤及び石油ターミナルの業績の一層の最適化及び強化を図るための機会を探求する。

 

プロセス及びイノベーション部門は、様々なビジネス活動を支援するための既存のインフラ及びシステムの見直しを継続し、エネルギー業界における最新の技術開発に後れを取ることなく成長することに重点を置いた。モバイル・アプリケーション及び技術への依存度が高まる環境の中で、サイバー・セキュリティーの側面は進化した。重要データ及び顧客のプライバシーを保護するため、同部門は、社内外の利害関係者(規制機関を含む。)と密接に協力して、より効率的かつ強固なサイバー・セキュリティー・イニシアチブの開発に取り組んだ。

 

YTLパワーセラヤが目標とする、技術に裏づけされたユーザー体験の推進の一環として、同部門は、小売事業の効率及び競争力を高める一助となる、新たな顧客情報システムの実施に励んでいる。完成すれば、同システムの柔軟性によって、大衆消費者のニーズを支えるのにも役立ち、また、YTLパワーセラヤが、2018年に参入障壁が完全に撤廃された市場に参入する際に、ブランドの経験及び信頼を構築することとなる。

 

上下水道事業

英国では、YTLパワーは、英国南西部の約10,000平方キロメートルに及ぶ地理的地域(ドーセット、サマセット、ブリストル、ウィルトシャーの大部分並びにグロスターシャー及びハンプシャーの一部を含む。)で2.8百万人の顧客を相手にしている地域の上下水道事業であるウェセックス・ウォーターの株式持分を100%保有している。ウェセックス・ウォーターは、英国及びウェールズで最も効率の良い上下水道会社として、英国の水道業界の経済規制当局である水道事業規制局(通称:Ofwat)から評価されている。ウェセックス・ウォーターは、英国政府の任命書に基づき、英国南西部の営業地域からの上水の供給及び下水の処理を任命されている。

 

ウェセックス・ウォーターの当年度の業績は、引き続き業界トップであり、Ofwatのサービス・インセンチブ基準(SIM)で上下水道会社史上最高の顧客サービス得点を獲得し、また、英国環境庁によると、環境パフォーマンスでは業界トップを維持した。同部門は、国内の下水の浸水防止等、顧客にとって最も重要な指標をはじめ、当年度の指標の多くを達成したか又は要求水準以上の結果を残した。

 

同部門史上最大のプロジェクトである、大規模な一体型水供給網は、2018年の完成に向けて、順調に進んでいる。主要なパイプラインは全て配管され、計画の最終部分の作業は、ウォーミンスター近くのブランドフォード及びコッドフォードのブラックレーンで順調に進捗している。ウェセックス・ウォーターは、史上初めて、南部及び北部の資源地域間で水を引き、その結果、計画の利益の一部は、目標期日前にもたらされた。

 

アンモニアや過剰な栄養素等の汚染物質による悪影響を防止するために、下水処理も改良された。また、通常詰まりが原因で発生する下水道の汚染事故件数は減少し、ウェセックス・ウォーターは、引き続き環境庁及び地方自治体と協力して、国内の配管ミスによる水質汚染に対処した。

 

2017年4月、英国小売市場が開放され、1.2百万人の法人顧客は、水道サービスの小売業者を自ら選択できるようになった。かかる変化に対処するため、ウェセックス・ウォーターは、同部門が、新市場において効率的に、基準を遵守してかつ予算内で運営を行うことを確実なものとする自社のオープン・ウォーター・プログラムを導入した。

 

ウェセックス・ウォーターは、再び、Ofwatの顧客満足度調査のトップに立った。当年、同部門は、リアルタイム・フィードバック・ツールを実施し、これまで以上に多くの顧客からサービスに関するフィードバックを得ることができるようになった。顧客体験グループの指導の下、同社は、かかる情報を方針、プロセス、システム及び研修の継続的な改良に使用している。2016年9月、水道消費者協議会は、ウェセックス・ウォーターについて、水道業界の中で引き続き苦情件数が最も低く、かつ当年度は英国の水道に関するオンブズマンであるWATRSへの付託がなかったことを確認した。

 

ウェセックス・ウォーターでは、カスタマー・エクセレンス・プログラムが2年目を迎え、当年度中は、顧客の視点からのカスタマー・ジャーニーの見直し、問題点の解決、コミュニケーションの改善、フィードバック用の優れたツールや指標の開発、セルフサービスの提供の改良、あらゆる地域活動の見直し及び営業時間の延長に注力した。

 

ウェセックス・ウォーターは、全員に開かれ、全員が利用可能な存在となることを視野に、顧客を個々人として扱い、かつ各々のニーズに見合ったサービスを提供することを誇りにしている。同部門は、日常業務において及び今後5年間の事業計画の作成等、特定の業務のプログラムのために、顧客及び利害関係者と広く関わっている。ウェセックス・ウォーターの業務の履行状況全般を監督するチャレンジ・グループであるウェセックス・ウォーター・パートナーシップは、当年度中6回の会合が開催され、また、英国の前連立政権の前水担当大臣であるダン・ロジャーソンが独立した議長を務めている。

 

環境庁の年間環境性能評価によると、持続可能性の観点では、ウェセックス・ウォーターが、当年度の業界トップの企業となった。同社の資本投資プログラムの全てのプロジェクトは、野生生物への危害を防止するための詳細な環境スクリーニングの対象となっている。ウェセックス・ウォーターの長期的持続可能性目標の一つは、その運営についてカーボンニュートラルであることである。同社の2016年から2017年の期間中の温室効果ガスの正味排出量は、二酸化炭素換算で123キロトンに減少し、1999年から2000年の期間以来最も低い排出量となり、同社は、当年度のパフォーマンス義務を果たすこととなった。かかる減少は、エネルギー効率の改善並びに再生可能エネルギーの生成の拡大及び多様化に取組み、英国の電力供給網の二酸化炭素排出原単位が減少した結果である。

 

同部門は、顧客による水のより効果的な使用を推進するための取組みを拡大し、当年度中に5,000件超の家を訪問し、節水装置の取付けやアドバイスの提供を行った結果、一人あたり約50リットルの節約に繋がった。

 

2015年から2016年におけるトローブリッジ下水処理工場での高度な嫌気性消化及び関連する発電の導入後、ウェセックス・ウォーターは、ボーンマス近くのベリー・ヒルの汚水分解を改善するための計画を順調に進めている。また、ウェセックス・ウォーターの運営部門であるGENecoリミテッドは、ブリストル下水処理工場の嫌気性消化装置から発生する生物メタンの認可供給に関する契約をユニリーバと締結した。

 

モバイル・ブロードバンド・ネットワーク

YTLパワーは、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)からのマレーシアにおける2.3ギガヘルツの無線ブロードバンド・ネットワークの運用許可に基づき、国家全域に及ぶ4G LTE無線ブロードバンド・プラットフォームのYesを所有及び運用するYTL Commsの株式持分を60%保有している。Yesは、国家全域に及ぶコンバージド4G LTEネットワークであり、音声サービス付きの高速モバイル・インターネットを提供している。同ネットワークは、2010年11月に販売及び商業的な運用を開始した。YTL Commsは、現在、マレーシア半島及びサバ州の全域で、人口85%の普及率に到達するオール4G LTE提供領域をもたらす4,300超の基地局を有しており、また、2016年には、国家全域における4G LTEネットワークを開始し、マレーシア初のVoLTE(ボイス・オーバーLTE)サービスを提供した。YTL Commsは、モバイル・インターネット体験を提供するために、サムスン、クアルコム、中国移動通信及びグーグルをはじめとする業界のリーダーと共に、グローバル・パートナーシップを築いた。

 

YTL Commsは、2016年6月に開始された、高精細度の音声・ビデオ通話及び高速インターネット・アクセスのためのYes 4G LTE及びVoLTEサービスに支えられ、2017年度中も引き続き、利用者基盤の拡大を順調に進めた。

 

マレーシアで最も歴史の浅い全国ネットワークでありながら、Yesは、独自のオールIPインフラストラクチャをもって、世界有数の最先端の4Gネットワークとして世界的に認められている。YTL Commsは、同部門が革新的な4Gモバイル体験の提供に尽力したことの証拠に、マレーシアで初めて全国規模のVoLTEサービスを提供した携帯電話会社としてのリーダーシップを評価され、名高いテレコムズ・アジア・アワード2017の「最も革新的な音声サービス」を受賞した。

 

Yesのポストペイド・データ・プラン及びプリペイド・データ・プランは、市場で最もコストパフォーマンスの良いプランを引き続き提供しており、低額の月額利用料で高いデータ割当を提供している。また、同プランは、サムスン、ファーウェイや小米科技等、一流のスマートフォン・ブランドとセットで販売されており、顧客は、安価な機器でモバイル4Gインターネットの恩恵を享受することができる。これには、サムスン・マレーシア・エレクトロニクスとのパートナーシップが含まれるが、これに基づき、サムスンJシリーズのスマートフォンの一部は、無料のYesプリペイドSIMパック及び10ギガバイトの無料のデータ割当とセットで販売されている。また、YTL Commsは、プロトン・マレーシアと共同して、プロトンYes Altitudeプランを通じて車載用コネクティビティをマレーシアで導入したが、これに基づき、プロトン製の一部車種を購入した顧客は、Yes Altitudeスマートフォン及び一月あたり16ギガバイトの無料のデータ割当付きの12ヶ月間のプリペイド・データ・プランも受け取ることができる。

 

Yesは、最も売れ行きの良い4Gモバイルルーター機器の機能を強化した、新発売のHuddle XS LTEも2017年に発表した。LTE容量が追加されて性能が向上した結果、Huddle XS LTEは、高速インターネット及び高品質のコネクティビティを提供することができるようになった。Huddle XS LTEはポケットサイズの大きさにもかかわらず、一度に10個のWifi対応機器又はユーザーを接続することができ、バッテリー寿命は、一度の充電で最大8時間にまで改良された。

 

YTL Commsは、2017年度中、自社のブランド開発戦略に注力し続け、マレーシア国内全域に及ぶレベルでプラスの変化を推進するために、同社のコア・メッセージである「Amazing Things Happen When You Say Yes(「『Yes』と言えば、素晴らしいことが起きる」)」を軸とする新規の消費者のマーケティングに関するキャンペーンや活動を展開した。2017年度、同ブランドに新たに加わったブランド・アンバサダーには、グローバル・ブランド・アンバサダーとして、伝説のサッカー選手のエリック・カントナ並びに最新のローカル・ブランド・アンバサダーとして、現地で著名なラジオ司会者兼テレビタレントのジャック・リム及びマレーシア出身の女優、テレビ司会者、モデル兼企業家のノール・ニーロファ・モハマド・ノールが含まれる。かかる様々な戦略を通じて、Yesは、2017年度において、ブランド・イメージへの後押し及び利用者数増加の前向きな勢いを獲得した。

 

マレーシアの学生が世界の知識経済で成功を収めることができるように、能力を与え、生涯学習の文化及び技術ノウハウを授けるために、インターネット技術の使用を擁護する動きに駆られ、YTL Commsは、マレーシア全域で国の教育大勢をデジタル化するために、引き続き様々なパートナーと協働した。当グループは、Frog VLE(バーチャル学習環境)を通じて提供されるコンテンツの開発が重要な特色となっている1BestariNetプロジェクトの実施を引き続き順調に進めた。Frog VLEは、1BestariNetプロジェクトに基づき教育省によりマレーシア全域の全ての公立学校に提供されるデジタル学習プラットフォームである。

 

セメント製造及び販売部門

当グループのセメント製造及び販売部門は、国内のセメント市場が直面する、建設業界におけるセメント需要の低下、価格競争及び製造原価の上昇を背景とした売上高の減少を記録したりした困難な状況に直面した。

 

それにもかかわらず、同部門は、様々な商業・住宅開発並びに大規模なインフラ及び専門的なプロジェクトを供給し、2017年度においてその市場シェアを維持し順調に躍進した。かかるプロジェクトには、新しいトゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)における開発、クアラルンプールにおけるライトレールトランジット(LRT)の拡張プロジェクト及びクランバレー高速輸送(MRT)プロジェクトに対する継続的供給などの重要なプロジェクトに加え、その他多くの社内外の商業・住宅開発や全国各地の高層ビルが含まれた。

 

当グループのシンガポールに所在するセメント・ターミナルは、2017度中、引き続き良好な業績を収めた。ジュロン港の鉱業拠点に位置する最先端のセメント・ターミナル設備は、シンガポール最大であり、様々なセメント製品について3百万メートルトンの年間処理能力及び多様な混合セメント製品を製造することが可能な混合プラントを有している

 

中国では、クリンカー及びセメントについて、それぞれ1.55百万トン及び2百万トンの年間製造能力を有する当グループの工場が、杭州市場において主要な製造工場の一つとしての地位を引き続き維持している。同部門は、省当局及び中国政府の環境目標に沿って、排出削減プログラムや工場の効率及び代替燃料源の使用を改善するためのイニシアチブに引き続き投資した。

 

主に、YTLセメントの完全子会社であるビルドコン・コンクリート・センドリアン・バーハッド(「ビルドコン」)の下で業務が遂行されている当グループのセメント部門の下位の事業部門である生コンクリート部門は、環境に優しいコンクリートを製造するためにセメント系補助材料及び普通ポルトランドセメント(「OPC」)の使用、現地の生コンクリート業界における環境に優しいコンクリート及び環境的持続可能性の推進に関する指導的役割の構築について、20年の実績がある。

 

使用されているセメント系補助材料としては、高炉スラグ微粉末(「GGBS」)や微粉末燃料炭(「PFA」)が挙げられる。高炉スラグは、水理特性を用いてGGBSに加工され、建設業界におけるセメント系材料としての使用に適したものとなる。GGBSの低熱性、高耐久性、高性能及び低透過性等の特質が、特に、建設業界で求められる、より革新的かつ持続可能な建設ソリューションに関する難解な要求の充足に見合ったものであることは、立証済みである。

 

2016年、ビルドコンは、TRXシグネチャー・タワーのラフト基礎について、マレーシア最大かつ一業者による世界最大規模の継続的なコンクリート打設を成功裏に完了した。2018年の完成時には、クアラルンプールのTRX開発に位置し、地上92階建て、高さ424メートルのTRXシグネチャー・タワーは、KLCCツイン・タワーに次ぐ、マレーシアで2番目に高い建物となる。TRXシグネチャー・タワーのラフト基礎には、48時間以内に1万9,500立方メートルのコンクリート打設を行い、建物の厳格な要件を充足するために、OPCを補完する約3,000メートルトンのPFAを用意する必要があった。

 

建設部門

2017年2月、当グループは、クアラルンプールの中心に位置するジャラン・カムンティンの客室184室を擁する20階建ての新たなブティックホテルであるホテル・ストライプス・クアラルンプールの建設を完了した。有名なアジアン・ヘリテージ・ロウ(現ザ・ロウ)から目と鼻の先に位置するホテル・ストライプスの建築及び建設は、同不動産が、地域特有の、独特、折衷的かつ歴史あるショップハウス建築及び遊歩道と調和するよう設計された。

 

住宅分野では、高層のコンドミニアム・ビル群を構成する、スンガイ・ブシにおける当グループのミッド・フィールズ2開発が、予定通り、2017年5月に完成した。

 

ペナンに位置する当グループ最新の住宅開発であるショアフロントの建設は完成間近である。低層・低密度開発は、3棟の5階建てビルに収容される合計115戸で構成される。建設は、2015年に開始され、2017年末までに完成予定である。

 

スントゥル・イーストのザ・フェンネルも、順調に進捗しており、建設工事は、2017年末に完成予定である。4棟の38階建て高層タワーの916戸から構成されるザ・フェンネルは、当グループのスントゥルの贅沢な都市再開発計画の最終段階であり、浮遊プールやトロピカル・ベランダ等、クアラルンプールの街並みを一変させるような、他にはないデザイン及び建築要素を取り入れている。

 

一方、クアラルンプールのエンバシー・ロウ沿いに位置する18戸の高級コンドミニアム(2階建ての住居2件を含む。)を特色とするウ・タント・プレイスも完成間近であり、2017年末に引き渡される予定である。

 

イポーのパカタン・ジャヤに位置する216棟の2階建てテラスハウスを構成するダリアの建設工事が開始され、2018年半ばに完成予定である。

 

一方、シンガポールでは、25階建ての77戸の高級住宅を構成する当グループのオーチャード大通りの高級住宅開発である3オーチャード・バイ・ザ・パークが完成し2017年半ばに同プロジェクトには一時入居許可が付与された。かかる建物は、独特の設計要素並びに工学及び建設面での環境に優しい姿勢によって、シンガポールの建築・建設局のグリーン・マーク・ゴールド・プラス・アワードで評価された。

 

同部門は、2017年度中、最高基準の品質及びサービスに従ったより良い構築環境を創ることへの長年の取組みの一貫として、様々な戦略に着手した。スンガイ・ブシのミッド・フィールズ2、ペナンのショアフロント及びリード(スンガイ・ブシにおける当グループのレイク・フィールズ開発の一部)は全て、シンガポールの建築品質評価制度(「CONQUAS」)の認定を受けた。CONQUASは、BCAシンガポールにより評価され、建設の各段階における建築物の施工全体の質の定量的基準である。CONQUASは、品質のベンチマーク・ツールとして、広く認識され、かつ国際的に認められている。

 

評価の一貫として、建設の各段階で行われる措置には、作業性能の異常及び差異を特定するための定期的な見直し及び適切な是正措置又は予防措置並びに作業が関連する建築基準及び仕様書を遵守していることを確保するための厳格かつ定期的な点検及び検査体制が含まれる。また、同部門は、2017年末を目標に、ISO 14001及びOHSAS 18001基準に基づく認定の取得に向けて邁進している。

 

不動産投資開発部門

不動産開発

・スントゥル・イーストのザ・フェンネル

スントゥル・イーストのザ・フェンネルは、当グループが、2017年1月16日、SRSBの株式のうちYTL L&Dが保有していない残る30%を取得した後に当グループの完全子会社となったSRSBが、クアラルンプールのスントゥルにおける294エーカーの開発地区を対象とするスントゥル・マスタープランに基づき請け負っている。ザ・フェンネルの建設工事は進行中であり、2017年末の完成予定に向けて順調に進捗している。ザ・フェンネルは、1,081から1,690平方フィートに及ぶ916戸のコンドミニアムから構成され、住居は4棟の38階建ての住居タワーの中に所在している。ザ・フェンネルのC棟のみがその対象となっている新しいデュアル・キー・コンセプトでは、2つの寝室及び寝室毎に入り口を設けたコネクティング・スタジオのある革新的なデザインを誇る住戸が特色となっている。

 

現地の文化及び活気にあふれる都市生活の多様性が支持されているスントゥル・イーストは、KTMコミューター及びLRT線経由で、周辺の3つの駅全てとクランバレー全域を接続する優れた連絡路線を有している。スントゥル開発全体は、2016年7月のスリ・ペタリン線及びアンパン線の拡張の完了及び2017年7月に全面開通したMRT線1に伴う接続性の向上の恩恵を受けた。

 

・ダリア

ダリアは、YTL L&Dの完全子会社であるPYPセンドリアン・バーハッドが請け負っている。ダリアは、パカタン・ジャヤ・イポーにある現代風の2階建てリンクホームである。美しく見事に概念化された線に沿ってデザインされ、広い間取りを擁する、構造化され、頑丈な造りのテラスホームは、若いカップルや育ち盛りの子供のいる家族に理想的な成長の余地のある設計が施されている。同開発は、216戸のテラスホームを構成し、家族のレクリエーションのための緑地及び屋外エリアを特色とする公園で補完される。建設は順調に進捗しており、同開発は、2018年に完成予定である。

 

・ウ・タント・プレイス

ウ・タント・プレイスは、YTL L&Dの完全子会社であるブダヤ・ベルサトゥ・センドリアン・バーハッドが請け負っている。ウ・タント・プレイスは、クアラルンプールのエンバシー・ロウ沿いに建設された低密度・高所得者向けの開発である。同開発は、10階に広がる18戸から構成され、2017年末に完成予定である。

 

・ショアフロント

ショアフロントは、YTL L&Dが持分を50%保有している合弁会社のショアフロント・デベロップメント・センドリアン・バーハッドが請け負っており、その完成予定の2017年末は間近にせまっている。当グループのショアフロント開発は、ジョージタウンのヘリテージ・ゾーン内に位置し、海に面する最後の自由保有区域の一つである。同不動産は、ニッチで、高所得層向けの、低層・低密度開発であり、歴史あるE&Oホテルに隣接する自由保有地に合計でわずか115戸の3棟を構成する。中には、スカイ・テラスやプライベート庭園を特徴とする住戸もあり、プライベートなエレベーター・ロビーは、更なる高級感及びプライバシーを与える。

 

・ミッド・フィールズ2

ミッド・フィールズ2は、SPYTLが請け負っており、2017年6月に、予定より早く完成した。大成功を収めたミッド・フィールズ1に継ぐスンガイ・ブシのミッド・フィールズ2は、市内の一等地に設けられた、新世代の都市住宅所有者の生活様式に配慮した住宅を提供し、実用的かつ機能的なコンドミニアム住戸により構成される。ミッド・フィールズ2の周辺環境は、大都会に近接しているにもかかわらず、感覚の安らぎの場となるよう設計もされており、また、自然保護にも重点が置かれ、開発の40パーセント近くが公園や屋上庭園に割り当てられている。

 

・3オーチャード・バイ・ザ・パーク

3オーチャード・バイ・ザ・パークは、YTL L&Dの完全子会社であるワイ・ティー・エル・ウェストウッド・プロパティーズ・プライベート・リミテッドが請け負っている。シンガポールの並木が連なるオーチャード大通り沿いに位置する3オーチャード・バイ・ザ・パークは、2017年半ばに一時入居許可を取得した。

 

ミラノ、ロンドン及びバリのブルガリホテルの設計で名高い、世界的に有名なイタリア人建築家及びプロダクト・デザイナーのアントニオ・チッテリオ氏により設計された3オーチャード・バイ・ザ・パークは、現代風の巨大な25階建てタワーである。建築及び風景は、見事に融合され、建物は敷地の自然環境と一体化しながら、都会のスカイラインを一望できるようになっている。

 

3オーチャード・バイ・ザ・パークの3つの特徴的な棟(すなわち、ウッド、ウィルダーネス及びウォーター)は、熱帯の公園内に位置し、南北方向に開かれ、住戸全体に自然光を通すパビリオンや木々で仕切られた緑のテラスが付いているが、正面には、日陰を作ったり、都会の街並みを臨む景色を縁取ったりすることのできる縦型ルーバーが掛かっている。

 

同開発は、主に、寝室が2つ、3つ又は4つの異なるアパートを提供している。ウォーター棟は、寝室が3つ又は4つのロフト住戸で、2倍の面積を誇るリビング、プライベートプール又はバルコニーを特色とし、ウッド棟は、2つ又は4つの寝室が混在し、ウィルダーネス棟は、各住戸専用のプライベートなエレベーター・ロビーに通じるガーデン・テラス付きの寝室が3つの「スカイ・ビラ」を特色とする。

 

シンガポール中心部の一等地のシンガポールの高級住宅地であるオーチャード大通り沿いに位置する自由土地保有開発は、オーチャード大通りのショッピング街兼歓楽街に戦略的に配置され、間もなく開業が予定されているオーチャード大通りMRT駅にすぐアクセスできる範囲にある。同開発は、象徴的な高級ショッピングモール、セントレジス、フォーシーズンズやリージェント・シンガポール等の国際的に有名なホテル、及びカムデン・メディカル・センターやグレンイーグルス・ホスピタルを含む医療センターに近接している。

 

シンガポール人及び外国人の間で評判の住宅地である3オーチャード・バイ・ザ・パークは、高級住宅街のグッド・クラス・バンガロー及び一流のコンドミニアム並びにいくつかの大使館の近くに位置している。

 

不動産投資

当グループは、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、日本及び中国で小売店舗やオフィス不動産を所有しているスターヒル・グローバルREITの実効持分を36.46%保有している。スターヒル・グローバルREITの運用会社であるワイ・ティー・エル・スターヒル・グローバルREITマネジメント・リミテッドは、当グループの完全子会社である。スターヒル・グローバルREITの不動産ポートフォリオには、シンガポールのニー・アン・シティ及びウィスマ・アトリアの株式、オーストラリアのデービット・ジョーンズ・ビルディング、プラザ・アーケード及びマイヤー・センター、マレーシアのスターヒル・ギャラリー及びロット10ショッピング・センター内の区画、東京のブティック型の商業施設並びに中国の商業施設が含まれる。

 

スターヒル・グローバルREITの不動産ポートフォリオは、2017年6月30日現在、31.4億シンガポール・ドルと査定され、2016年6月30日現在の過去の評価額から変化はなかった。シンガポール及びオーストラリアにおけるスターヒル・グローバルREITの保有資産の高い評価及びプラスの為替動向(純額)は、原宿secondoの売却及び中国及びマレーシアにおける低い資産評価に相殺された。日本の東京にある原宿secondoは、ポートフォリオを改良するための戦略の一貫として、2017年5月に売却された。

 

シンガポール及びマレーシアにおけるスターヒル・グローバルREITの不動産の業績は、引き続き堅調であったが、主に、中国におけるショッピングモールのリポジショニング、オーストラリアにおける資産の再開発及びオフィス不動産の業績低下に起因する収益の乱れ並びに日本における売却による収益の消滅によってその大部分が相殺された。

 

小売業の事業環境は、過去10年で急速に進化した。この期間中、新たな巨大ショッピングモールの参入及び電子商取引の出現が伝統的な小売事業に混乱を生じさせることとなった。かかる困難が生まれた一方で、新たな機会も生まれた。購買行動の変化及び国際的ブランドの参入の増加は、世界の小売事情を変化させる可能性が高い。スターヒル・グローバルREITは、このように進化する環境を活用できるよう備えるため、その資産の一部を活性化させるための措置を講じた。

 

現在、ブキット・ビンタンに位置するロット10不動産については、より多くのY世代及びミレニアル消費者を惹きつけるために、ショッピングモールのハードウェア及びソフトウェアをアップデートする目的で、2,000万マレーシア・リンギットをかけた改修が行われている。2017年7月のスンガイ・ブロー・カジャンMRT線の新規開通も、ロット10を活気付けるものと期待され、また、ショッピングモールを新しいMRT駅に直結させる新しいエントランスも現在建設中である。

 

パースでは、現在、プラザ・アーケードについても、新たな国際的アンカー・テナントを収容するために、約10百万オーストラリア・ドルをかけた再開発が行われている。完了すれば、ショッピングモールの小売店舗用の床面積は、3分の1拡大し、改修は、プラザ・アーケードの外観及び位置付けを高めることになる。

 

一方、中国におけるスターヒル・グローバルREITの不動産については、先日リポジショニングが行われ、高所得者向けの高級百貨店モデルから長期のテナント・モデルに転換したが、これは、不動産の賃貸料収入を安定させ、賃貸借期間中の定期的な賃貸料の引上げを通して利益を生み出すことを目的としている。

 

ホテル経営部門

YTLホテルズ・グループ

当年度は成長の年となり、YTLホテルズ・グループは、その英国ポートフォリオに4つの不動産を追加した。

 

・ザ・グラスハウス・ホテル、エジンバラ

受賞歴のある客室77室を擁する高級ブティックホテルは、2016年9月に取得された。秘密の屋上庭園付きで、カテゴリーCに指定されている風化した石を建物の正面部分にあつらえた象徴的なホテルは、かつては、レディー・グレノーキー教会であり、19世紀半ばに建てられた。230年に及ぶ独自の歴史を誇るザ・グラスハウス・ホテルは、市内の中心に位置し、ビジネス旅行者及び観光旅行者に交通の便の良さを提供している。同ホテルは、マリオット・インターナショナルがまとめる、個性や独自性のあるラグジュアリー・ホテル、オートグラフ・コレクション・ホテルの一つである。

 

・スレッドニードルズ、ロンドン

ロンドン市の上品なブティックホテルは、かつて、1880年代以降、シティ及びミッドランド銀行の本社であった。2級に指定されたビクトリア朝時代の建物は、2002年に、客室74室のラグジュアリー・ホテルに見事に改修されたが、その歴史的特徴の多くは残されている。スレッドニードルズは、ロンドンの金融街の中心に位置し、イングランド銀行等、多くの大手金融機関が徒歩圏内にある。YTLホテルズ・グループの英国不動産の中でマリオット・インターナショナルのオートグラフ・コレクション・ホテルのメンバーとなるのは、同ホテルで2つ目である。

 

・ザ・アカデミー、ロンドン

ザ・アカデミーは、2016年10月にポートフォリオに追加された。ジョージア朝時代のタウンハウス5棟に49室を擁する4つ星ホテルは、トテナム・コート・ロード、大英博物館並びに交通の拠点であるユーストン、セント・パンクラス及びキングス・クロス近くの、ロンドン一流のブルームズベリー地区という最高のロケーションに位置する。大規模な改修が2017年9月に開始され、営業再開は、ザ・アカデミーがスモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールドのポートフォリオのメンバーとなる2018年春を予定している。

 

・モンキー・アイランド・エステート

モンキー・アイランド・エステートは、英国バークシャー州ブレイ村のテムズ川の絵のように美しい島の上に所在する。YTLホテルズ・グループは、受賞歴のあるシャンパリマウド・デザイン社に、不動産及び驚くほど景観の素晴らしい庭園の修復を委託した。モンキー・アイランド・エステートは、2018年春の営業再開時には、多種豊富な客室及びスイート並びに企業イベントや特別行事を主催できるように特別に設計された設備を備えることとなる。同不動産は、スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールドのポートフォリオのメンバーとなる予定である。

 

・ゲインズボロ・バス・スパ

同ホテルは、次々と成果を上げ、バースの5つ星ホテルとしての地位を確立した。ゲインズボロは、旅行業界で最も名声のある栄誉の一つであるAAホテル・オブ・ザ・イヤーを受賞した。同ホテルのレストランである、ダン・ムーン・アット・ザ・ゲインズボロ・レストランも、3つのAAロゼットを表彰された。ゲインズボロは、トップUKスパ・ホテル及びトップUKホリデー・ホテルに名前が挙がり、世界トップ100に選出された。

 

・サーメ・バース・スパ

バースのサーメ・バース・スパは、英国で最も人気のある日帰りスパで、市内の天然温泉水を利用できることの恩恵を受けており、景観の素晴らしい屋上・屋外プールも設置している。2017年3月、老朽化したスチームルームは、ローマン・スチームルーム及びジョージアン・スチームルーム、最新式のインフラレッド・ルーム、アイス・チャンバー並びにセレスティアル・リラクゼーション・ルームを特色とする、革新的な新しいウェルネス・スイートに取り替えられた。

 

・ミューズ・ホテル・サントロペ、フランス

8年目を迎えたミューズ・ホテルは、メアリー・ゴストロウやテッド・ソーンヒル等の著名な紀行作家から引き続き絶賛を受けている。由緒ある建築及び夢幻的かつ超時的な雰囲気が結合し、実に独特な滞在先を創り出している。ミューズ・ホテルは、前年度、フランスの環境局から5つ星のステータスを公式に授与された。

 

・ホテル・ストライプス・クアラルンプール

ホテル・ストライプスは、2017年2月に、受賞歴のあるバンド、シャカタクを迎えた街頭祝典で開業した。歴史あるジャラン・カムンティン地区に位置し、客室184室を擁するホテルの都会の上品さを兼ねた独特なデザインは、好評を博している。同ホテルは、魅力的な屋上プール及びマオ・タオ・バー、オールデイダイニングレストランであるザ・スナッグ、姉妹ホテルのミューズ・サントロペからインスピレーションを受けたフレンチ・スタイルのレストランであるブラッスリー25を特色としている。ホテル・ストライプスは、マリオット・インターナショナルのオートグラフ・コレクションに認められ、その独自性を評価された。

 

・JWマリオット・クアラルンプール

同ホテルの全面改装は、完成間近である。ロビーは、洗練された現代風の装い及び魅力的なシャンデリアで一新された。新しいスターヒル・スパ・ビレッジは、9室のトリートメント・ルーム、リラクゼーション・ラウンジ及び最新式の器具を備えたジムを特色としている。

 

・ザ・リッツ・カールトン、クアラルンプール

同ホテルの全面改装は、ゲストに大好評であった。新しいロビー・ラウンジでのアフタヌーンティーは人気が非常に高い一方、気品あるディナーレストランであるザ・ライブラリーは、ゲスト・シェフが提供する国際的な料理を特色としている。トリップ・アドバイザーのトラベラーズ・チョイス・アワード2017において、ザ・リッツ・カールトン、クアラルンプールは、マレーシアのトップ25ホテル並びにラグジュアリー及びサービスについてトップ25ホテルに選出された。

 

・YTLラグジュアリー・リゾート

パンコール・ラウト・リゾート、タンジョン・ジャラ・リゾート及びガヤ・アイランド・リゾートは、各地域有数の観光地として十分な定評を有している。スパ・ビレッジ・パンコール・ラウトは、第12回アジアスパ・アワード2016のスパ・オブ・ザ・イヤーに名前が挙がり、コンデナスト・トラベラー誌のリーダーズ・トラベル・アワード2016の海外ホテル・スパのトップ20に選出された。同リゾートは、デスティンアジアン誌のリーダーズ・チョイス・アワード2017のマレーシアのベスト・ホテル・アンド・リゾートのトップ10にも選出された。ガヤ・アイランド・リゾートは、ホテルズコンバインドからエクセレンス認証を受賞した。トリップ・アドバイザーのトラベラーズ・チョイス・アワード2017において、パンコール・ラウト・リゾート及びタンジョン・ジャラ・リゾートは、マレーシアのトップ25ホテルに選出された。パンコール・ラウト・リゾート及びガヤ・アイランド・リゾートは、ラグジュアリー・ホテル・トップ25及びロマンス・ホテル・トップ25に名を連ね、パンコール・ラウト・リゾート及びタンジョン・ジャラ・リゾートは、サービスについて表彰された。

 

・YTLクラシック・ホテル

ザ・マジェスティック・ホテル・クアラルンプール、キャメロン・ハイランズ・リゾート及びザ・マジェスティック・マラッカは、引き続き、優れた評判を維持している。トリップ・アドバイザーのトラベラーズ・チョイス・アワード2017において、ザ・マジェスティック・ホテル・クアラルンプール及びキャメロン・ハイランズ・リゾートは、マレーシアのトップ25ホテルに選出され、ザ・マジェスティック・ホテル・クアラルンプールは、ラグジュアリー及びサービスについてもトップ25ホテルに名前が挙がった。ザ・マジェスティック・マラッカは、ラグジュアリー及びロマンスについてトップ25ホテルに選出された。

 

・ヴィスタナ・グループ・オブ・ホテルズ

ヴィスタナの系列ホテルは、クアラルンプール、ペナン及びクアンタンに位置する地域のビジネス旅行者用のホテルとして成功を収めているブランドである。ザ・ヴィスタナ・ペナン・ブキット・ジャンブル及びザ・ヴィスタナ・クアンタン・シティ・センターは、エグゼクティブ・ラウンジを増設したが、クラブ・ルームやスイートに宿泊するゲストは、ここで追加特典を享受することができる。

 

・ザ・リッツ・カールトン、コサムイ、タイ

新しいリゾートホテルは、2018年第1四半期の正式なオープンが公表され、その準備が整えられている。サムイ国際空港から車でわずか20分のホテルは、コサムイ島の南東岸部に位置する。プライベート・ベイ及び手付かずのビーチを有するリゾートは、島への観光旅行にふさわしい憩いの場である。同リゾートは、175のスイートやプール・ビラを擁し、多種多様なレクリエーション、料理及び健康増進に役立つアクティビティを特色としている。スパ・ビレッジ・コサムイは、8つのトリートメント・スイート、3つの屋外トリートメント・パビリオン、ヨガ及びリラクゼーションのパビリオン並びに簡易更衣室付きのラッププールを備える予定である。

 

・ザ・スリン・プーケット、タイ

ザ・スリン・プーケットは、世界最大のオンライン・ホテル・レビューサイトであるトリップ・アドバイザーのエクセレンス認証を7年連続で受賞した。ザ・スリンは、エキゾチック・タイランド・ベスト・オブ・ザ・ベスト・アワード2017のプーケットのベスト・ホテルレストランの金賞を受賞した。

 

・イースタン&オリエンタル・エクスプレス

イースタン&オリエンタル・エクスプレスは、合理化及び事業の統合を維持し、需要動向を十分に活用している。商品及びサービスの卓越性も引き続き絶賛されている。2017年には、豪華列車の旅の新たなコンセプトで、シンガポール人画家のラジェス・クマールの作品を動くキャンバスとして表現するアート・イン・モーションが発表され、メディアで広く取り上げられた。

 

・スパ・ビレッジ・リゾート、テンボック、バリ

スパ・ビレッジ・リゾート・テンボック、バリは、有名なインドネシアの島の北東海岸の高品質のスパ静養地として確固たる定評がある。顧客の意見の多くは、サービスに関する素晴らしい評価を含んでいる。

 

・オーストラリア・ポートフォリオ

当グループは、オーストラリアにおいて、YTL REITの下で、シドニー・ハーバー・マリオット・ホテル、ブリスベン・マリオット・ホテル及びメルボルン・マリオット・ホテルを保有している。シドニー・ハーバー・マリオット・ホテルは、2017年、改装が完了した結果、新しいロビー及びフロント並びに新しいレストラン及びバーで一新された現代風の装いを備えることとなった。シルベスターズは、新鮮な季節の農産物を目の前で提供するレストランであり、スリー・ボトル・マンは、日中はレーンウェイ・カフェ、夜はカクテル・バーとなり、また、有名なカスタムズ・ハウス・バーも改装された。

 

・ニセコビレッジ、北海道、日本

ニセコビレッジは、国際的に認められた、アウトドア愛好家向けの通年営業の観光地として、引き続き高い評価を得ている。当グループは、ザ・ヒルトン・ニセコビレッジ、ザ・グリーンリーフ・ニセコビレッジ及びカサラ・ニセコビレッジを保有している。ニセコビレッジは、ニセコ・ユナイテッドのリゾート観光地の一部として、4年連続で、ワールド・スキー・アワードの日本のベスト・スキーリゾートに選出された。2017-2018年シーズンについて、ニセコは、一流のスキー観光地の国際的なアライアンスであるザ・マウンテン・コレクティブのグローバル・アフィリエイトに加盟した。ニセコビレッジは、北米以外でザ・マウンテン・コレクティブへの加入を認められた6番目の観光地である。

 

YTL REIT

YTL REITの投資ポートフォリオは、2016年6月30日現在の評価額の35億マレーシア・リンギットに対し、2017年6月30日現在の39.1億マレーシア・リンギットと査定された。これには、主に、オーストラリアのシドニー・ハーバー・マリオットの評価額の増加が寄与し、また、少額の増加だが、ザ・リッツ・カールトン・スイート・ウィング(旧称:ザ・リッツ・カールトン、クアラルンプールのザ・レジデンス)、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・ウィング(旧称:ザ・リッツ・カールトン、クアラルンプール)、ヒルトン・ニセコビレッジ、ブリスベン・マリオット及びメルボルン・マリオットもこれに寄与した。

 

・マレーシア・ポートフォリオ

YTL REITは、その所有不動産について定期賃貸借によるリース契約を維持・締結し、かかる収益構造によりもたらされた安定した収入による恩恵を受けている。クアラルンプールにおけるYTL REITのポートフォリオは、ゴールデントライアングルの商業地区に位置するラグジュアリー資産、すなわち、JWマリオット・ホテル・クアラルンプール並びにザ・リッツ・カールトン・ホテル・ウィング及びザ・リッツ・カールトン・スイート・ウィングにより構成される。3つのラグジュアリー資産は、スターヒル・ギャラリー、フィースト・ビレッジ 高級ダイニング・パビリオン、カールトン・カンファレンス・センター及びスパ・ビレッジ・クアラルンプールの程近くで運営されており、他では味わえない幅広い高級アメニティやサービスをゲストに提供している。

 

ゴールデントライアングル内及びその周辺で継続中のMRT作業は、2017年7月から順調に軌道に乗り始め、これらの不動産は、この地域で改善された旅行者や交通の流れの恩恵を受ける見込みである。YTL REITは、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・ウィング及びザ・リッツ・カールトン・スイート・ウィングについて、これら2つの資産からYTL REITに新たに発生した賃貸料によって行われた最近の改装及びブランド再構築の恩恵も受けた。

 

YTL REITのリゾート・ポートフォリオは、パンコール・ラウト・リゾート、タンジョン・ジャラ・リゾート及びキャメロン・ハイランズ・リゾートを構成する。リゾートはそれぞれ、受賞歴のあるスパ・ビレッジをはじめとする各リゾート特有の様々な贅沢なサービス及び体験を提供する。これらのリゾートは、世界中から旅行客を惹きつけながら、当年度においても引き続き一貫して良好な客数を上げた。

 

YTL REITの国内のビジネス商品には、クアラルンプール、クアンタン及びペナンで運営しているヴィスタナ・ホテルがある。地元及び地域のビジネス旅行者は、快適な客室における実用的かつ現代的なアメニティの調和及び洗練されたサービス基準に引き続き惹きつけられており、これらは、ホスピタリティ産業の競争の激しい部門において、ヴィスタナ・ホテルを際立たせている。

 

・インターナショナル・ポートフォリオ-日本

YTL REITは、日本において、北海道に位置するヒルトン・ニセコビレッジを所有しており、これは、固定リース契約に基づき営業し、YTL REITに安定した収入をもたらしている。ニセコ地域の観光産業は、日本国内の観光客からの安定した地元の支持に加え、増え続けるアジア諸国(特に、中国、韓国及び台湾)からの観光客をはじめとする大勢の海外旅行者を有している。

 

ヒルトン・ニセコビレッジは、見事な粉雪、スキー場・スキー場外双方へのアクセスを有するロケーション及び施設内の温泉設備による、日本で最も有名なスキーリゾートの一つとしての評判の恩恵を受け続け、2017年度中、安定した稼働率を維持した。気象条件によって、同地域は時期尚早の融雪に見舞われ、スキーヤーの数が減少したにもかかわらず、ヒルトン・ニセコビレッジは、豊富かつ高品質な夏期用施設一式の提供に重点を置くことで、1年を通して観光客を集客することができた。

 

・インターナショナル・ポートフォリオ-オーストラリア

YTL REITは、オーストラリアにおいて、シドニー・ハーバー・マリオット、ブリスベン・マリオット及びメルボルン・マリオットを所有しており、YTL REITは、これらのホテル資産の運営に基づく多角的な収入源の恩恵を受けている。

 

シドニー・ハーバー・マリオットは、確立した地位及び提供するサービスの質によって、2017年度は良好な業績を収めた。シドニー・ハーバー・マリオットの稼働率は、2017年度中に行われた改装によって、前年の86.8%に比べ85.7%とわずかに減少した。同ホテルの価値を高めるための施策としては、地下ロビー並びに食品・飲料エリアの再構成が含まれ、これは、2017年3月に完成した。シドニー・ハーバー・マリオットは、ハーバーブリッジ及びシドニーオペラハウスを含む象徴的なランドマークを見下ろすサーキュラーキーの中心部に位置し、客室595室を擁する5つ星ホテルである。

 

メルボルン・マリオットは、2017年度において、2016年度の88.65%をわずかに上回る89.21%の稼働率を達成した。過去数年にわたるビクトリア地区の客室数の増加にかかわらず、客室186室を擁する同ホテルは、安定した稼働率を達成し続けている。メルボルン・マリオットは、市内の劇場地区に程近い、バーク通りやコリンズ通りのショッピング街、チャイナタウン、メルボルン博物館及び王立展示館ビルから数分の距離に位置している。

 

263の客室及び4つのスイートを擁するブリスベン・マリオットでは、前年の84.10%に比べ、2017年度は87.90%と高い稼働率を記録した。市場全体は、鉱業関連の事業の縮小によって、供給が増加する一方、需要が比較的穏やかであったことの影響を受け続けた。市況の変化に応じて、ブリスベン・マリオットは、法人をターゲットにしたマーケットミックスを分散させることに成功し、様々な企業との取引及びグループ内の取引を獲得した。ブリスベン・マリオットは、ブリスベンの中央ビジネス地区とフォーティテュード・ヴァリーの中間に位置しており、ショッピング街や川沿い飲食街と市内の企業や文化施設に近接している。

 

運用サービス部門及びその他

ERL

ワイ・ティー・エル・エクスプレス・レールリンク・センドリアン・バーハッド (ERL)は、クアラルンプール国際空港(KLIA)とKLセントラル駅を結ぶ高速鉄道、KLIAエクスプレスを所有及び運行している。ERLは、2016年8月に7,500万人目の乗客を迎え、2017年6月末までに、8,200万人超の乗客数を記録した。

 

2017年度において、ERLは、2016年1月に初めて運賃を値上げしてから、失った顧客を取り戻し、新たな顧客を惹きつけるための利用者数の回復戦略に引き続き重点を置いた。主な戦略は、マスターカードと共同したオンライン・プロモーションである「RM40 per trip(片道40マレーシア・リンギット)」、KLIAエクスプレスのウェブサイト、アプリ及びセルフサービスのキオスクを利用した買い物の「10% off(10%値引き)」、及び学校の休暇期間中及び祝日の観光旅行者のためのスペシャル・ファミリー・パッケージ・アンド・グループ・セイバー等、価格に敏感な顧客を対象とした運賃に主眼を置いたプロモーションを基軸に展開された。

 

ERLは、印刷刊行物、屋外の広告看板、空港やERLの駅での広告を継続し、メディア露出、デジタル・マーケティング及びソーシャル・メディアの活用を増加し、航空会社やオンライン旅行会社との技術主導型のスマート・パートナーシップを締結することで、幅広い顧客層を対象とする啓発活動も強化し、その知名度を高める活動を推し進めた。あらゆるコンタクト・ポイントにおける顧客体験全般を改善することも継続的な主要優先事項となっており、そのための対処としては、駅構内の標識や案内の改善、エレベーターの性能向上、サラク・ティンギ・パーク&ライド施設の開業及び顧客に対するソーシャル・メディアを通じたサービスの最新情報の提供方法の改善が含まれる。

 

2016年10月20日、サラク・ティンギ・デポで、マレーシアの運輸大臣のYBダト’スリ・リオウ・ティオング・ライの主宰のもとで新たなKLIAトランジット鉄道が発表された。中国中車長春軌道客車股有限公司が製造する車両は、ERLの収容力を50%増加し、精密な検査及び試運転の実施後、2017年末までに運行を開始する見込みである。各車両は、安全基準を向上させるために、改良された2つのコンプレッサー付きの冗長性システム、強度の高いトラクション及び追加のセンサーを備えている。また、新車両は、改良された空調、手すりの増設及び対面型の座席用の広々とした足元のスペースで、乗客の快適性を向上させることとなる。

 

2016年12月、マリンド・エアの市内のチェックイン・サービスが開始され、マリンド・エアの乗客は、空港への列車に乗る前に、KLセントラル駅でチェックインし、荷物を預けることができるようになった。ERLは、過去15年間の運用期間中、預け入れ荷物について、100%の安全性及び運搬実績を維持している。

 

ERLは、航空・鉄道サービス業界において高い基準を継続的に提供していることについて、国内外で引き続き評価されている。2016年11月、ERLは、ロンドンに本部を置くグローバル・エアレール・アライアンス(GARA)のエアレール・リンク・オブ・ザ・イヤーの4度目の選出を果たし、フロッグ・クラスルーム・メークオーバー・プロジェクトについて、ソーシャル・レスポンシビリティ・アワードを受賞した。ERLは、陸路公共交通委員会(SPAD)の陸路公共交通シンポジウム2016でベスト・カスタマー・サービス・アワード及びベスト・セーフティー・プラクティシズ・アワードを受賞し、また、2017年5月には、マレーシア・カナダ商工会議所の25周年記念ビジネス・エクセレンス・アワード2017に伴い、アウトスタンディング・グリーン・エアレール・トランスポート・アワードを受賞した。

 

YTLPS

YTLPSは、1212メガワットの総発電量を有し、YTLPGが所有する、当グループのトレンガヌ州のパカ発電所及びジョホール州のパシール・グダン発電所の運営管理業者である。YTLPGの発電所に関する21年間の電力売買契約は、2015年9月に期間満了を迎えた。その後、YTLPGは、マレーシア・エネルギー委員会が募る短期発電容量の入札に基づき、パカ発電所から電力供給を行うプロジェクトを獲得した。

 

2017年5月、YTLPG及びテナガ・ナショナル・バーハッドは、パカ発電所への585メガワットの電力供給に関して、契約期間を3年10ヶ月とする新たな電力売買契約を締結し、パカ発電所からの供給は、2017年9月1日に開始した。

 

エレクトラネット

エレクトラネットは、200年間の利権に基づき、南オーストラリア全域の高電圧送電システムを運営管理しており、南オーストラリアの発電所と地方公共事業が運営する配電網及びその他主要なエンドユーザーを結ぶ大容量リンクを提供している。約20万平方キロメートルの範囲に広がるエレクトラネットの送電網は、約5,700サーキット・キロメートル超の送電線と88の高圧変電所を通じて、南オーストラリアの人口の99%超に電力供給を行っている。

 

エレクトラネットは、オーストラリア・エネルギー当局が設定し、通常、調整されるまで5年間の規制期間について適用される収益制限の対象である。現在の収益制限は、2013年1月1日に発効し、2018年6月30日までの5年半の期間にわたり有効である。

 

ジャワ・パワー

ジャワ・パワーの1,220メガワットの発電所は、30年間の電力売買契約に基づき、インドネシアの国有公共事業会社であるPT PLN(ペセロ)(「PLN」)に対して電力を供給している。YTLパワーの完全子会社であるPT ワイ・ティー・エル・ジャワ・ティムールは、30年契約に基づき、ジャワ・パワーの運営管理を行っている。

 

ジャワ・パワーは、2016年12月31日に終了した1年間については、90.73%の平均稼働率を、2017年6月30日に終了した6ヶ月間については、93.05%の稼働率を達成した。同発電所は、その唯一のオフテイカーであるPLNに対して、前年度の8,220ギガワット時に対し、当年度中に7,603ギガワット時の発電を実施した。

 

情報技術及び電子商取引関連部門

同部門の2017年度における業績は、主に2.3ギガヘルツ(GHz)のWiMAX周波数帯域並びにコンテンツ及びデジタル・メディア部門のデジタル・メディア広告の売上高に支えられ、引き続き安定していた。かかる帯域は、当グループの子会社であり、Yesモバイル・インターネット・プラットフォームを運営するYTL Commsによって利用されている。

 

一体型のアウト・オブ・ホーム(「OOH」)デジタル・ネットワークを運営し、OOHデジタル・メディア・ソリューションを提供するコンテンツ及びデジタル・メディア部門は、広告市場における困難な状況にもかかわらず、良好な業績を収め、引き続き多数の名高いブランド名を惹きつけた。

 

同部門は、専有のコンテンツ・マネジメント・ソリューション及びコンテンツ生産を提供し、クアラルンプールのビンタン・ウォーク・エリアでのデジタル・ナローキャスト・メディアネットワーク、ロット10ショッピング・センターの向かいに位置する、デジタル「キューブ」及び同センターの正面出入口に隣接する大型LEDスクリーンで広告配信を行っている。さらに、スターヒル・ギャラリー等、その他のショッピング及び商業地域におけるデジタル・ネットワークや、クアラルンプール国際空港(KLIA)とKLIA2の低コストキャリア・ターミナルの間を運行するサービスを含むクアラルンプール・エクスプレス・レール・リンク(KLIAエクスプレス及びトランジット)の車内などを通じてサービスが提供されている。