第一部 【企業情報】

第1 【本国における法制等の概要】

下記を除き、当四半期会計期間中に、当社の属する国における会社制度、当社の定款等に規定する制度、外国為替管理制度及び課税上の取扱いについて、重大な変更はなかった。

 

1 会社制度等の概要

(1) 提出会社の属する国・州等における会社制度

マレーシアの1965年会社法(以下「1965年会社法」という。)は、2017年2月1日付けで2016年会社法(以下「2016年会社法」という。)により廃止され、これに置き換えられた。当社に適用のある2016年会社法のもたらす影響の概要は以下のとおりである。

 

設立

2016年会社法の下では、保証有限責任会社を除き、定款の作成は会社の義務ではない。ただし、2016年会社法第619条第3項により、当社が1965年会社法に基づきマレーシア会社登記所に登記済みで2016年会社法の発効時点で有効である既存の基本定款、及び1965年会社法の別紙4に基づく別表Aの規定は、それらが2016年会社法の発効時点で当社の附属定款の全部又は一部として採用されている場合、当社の特段の決議なき限り、2016年会社法の下で作成されあるいは採択されたものとして有効である。

 

基本定款及び附属定款

2016年会社法の下では、「基本定款」及び「附属定款」という用語は使用されておらず、それらの代わりに、会社は定款を作成するかどうかを任意で決めることができるとされている。会社が定款を有している場合、2016年会社法が同法の定める権利、権限、義務及び責任について同法に従った変更を許容している事項について現に当該会社の定款により変更されている場合を除き、当該会社並びにその各取締役及び各構成員は、同法の定める権利、権限、義務及び責任を有する旨が同法31条に規定されている。

 

会社が定款を有しない場合、当該会社並びにその各取締役及び各株主は、2016年会社法の定める通りの権利、権限、義務及び責任を有する。

 

2016年会社法第35条第1項に基づき、定款には、以下に関する規定を記載することができる。

(a) 会社の目的

(b) 定款の規定が会社の権利能力、権利権限又は特権を制限している場合には、当該権利能力、権利、権限又は特権

(c) 2016年会社法が定款に記載することを予定している事項

(d) 会社が定款に記載することを望むその他一切の事項

 

定款は、改定又は変更を禁止する旨の定めを有しない限り、21日以上前に株主に対し事前通知がなされた株主総会において、自ら又は代理人により出席した株主の議決権及び書面による議決権を行う権限を有する者の議決権の4分の3以上の多数をもって採択する特別決議によって変更することができる。

 

2016年会社法第316条第4項に従って、公開会社の場合、21日前の事前通知は、総会に出席し議決権を行使する権利を有する株主の過半数が合意し、かつ、その合意した株主の株式数(自己株式として会社が保有するものを除く。)の合計が95%以上となる場合に、短縮することができる。

 

株式の発行

2016年会社法第75条は、株主総会における事前の承認がない限り、取締役は会社が有する株式発行に関するいかなる権限も行使してはならない旨を規定している。

 

財務書類

 

財務書類、監査報告書及び取締役報告書は、年次株主総会の少なくとも21日前までに(又は2016年会社法の規定に従い、招集通知の受領時期について、ある年度に合意済みのこれより短い期間内に)、公開会社の株主名簿に記載された株主全員に送付しなければならない。

 

株主

2016年会社法のもとでは、公開会社は少なくとも年1回は株主総会を開催しなければならない。この総会は、年次株主総会と呼ばれる。また、取締役及び一定割合以上の株式を保有する株主は、年次株主総会以外に株主総会を招集することができる。この総会は、臨時株主総会と呼ばれる。年次株主総会の通常の機能は、(ⅰ)事業年度の財務書類並びにこれに係る取締役及び監査人の報告を受領し承認すること、(ⅱ)配当宣言を承認すること、(ⅲ)取締役を選任ないし再任すること、(ⅳ)事業年度中の取締役報酬の支払いを承認すること、及び(ⅴ)監査人を再任し、その報酬の決定を取締役に授権することである。

会社の株式の議決権については、株主総会におけるその行使方法と共に、定款に定められている。

株主総会への出席権及び議決権を有する株主は、通常、代理人を株主総会に出席させることができる。議決権行使の代理人指名に関して、附属定款に別段の定めがない限り、弁護士、会社の承認された会計監査人又は個別に会社登記所が承認した者を除き会社の株主以外の者の指名を禁止する1965年会社法の規定は廃止された。2016年会社法第334条第1項は、株主がいかなる者でも代理人に指名できる旨を定めている。

 

経営及び運営

公開会社は、マレーシア国内を主な又は唯一の居住地とする取締役を2名以上選任しなければならない。取締役は18歳以上の自然人でなければならない。取締役の会社運営権限(及びこの権限に対するすべての制限)は、通常、定款(会社が定款を定めている場合)及び2016年会社法に定められている。定款(会社が定款を定めている場合)は通常、取締役に対し、特定の権能の遂行又は特定分野の業務の処理のために委員会を設置する権限を付与している。

取締役は、合議体で行為しなければならず、決議を取締役会で行うほか、取締役会を開催することなく書面決議の方法により決議することができる。個々の取締役は、その地位に必然的に伴う一定の権限を黙示的に有するとされる場合はあるが、取締役会の決議で付与された権限の範囲内においてのみ会社を代表して現実に行為する権限を有する。業務執行取締役は一般に、会社の日常業務を執行する明示的な権限及びその地位に必然的に伴う一定範囲で会社を代表して行為する権限を黙示的に有する。

会社はまた、1名以上のマレーシア国民又はマレーシアの永住者で成人である自然人を秘書として置かなければならない。会社の秘書は、マレーシア会社登記所又はその認可を有する者が認める専門機関に所属する者でなければならず、その職位を得るに相応しい者でなければならない。秘書は2016年会社法に基づき特定の権能と責任を有しており、マレーシア国内を主な又は唯一の居住地とし、2016年会社法に規定された特定の資格を有する18歳以上の自然人でなければならない。

2016年会社法及び定款(会社が定款を定めている場合)は、通常、会社の業務運営権限を取締役会に対してのみ付与しており、これによって、株主が会社業務の運営方法につき取締役会に指示を与え、業務遂行につき取締役会の決定した事項を覆すことを排除している。ただし、株主が取締役会に対して提案を行う権利が会社の定款において定められている場合又は臨時株主総会において承認されている場合に、株主が株主総会において、取締役会に対して拘束力を有する形で会社にとって最善の利益となる内容の提案を行う場合を除く。しかし尚、株主は、次の点において究極の制裁措置を有している。

(a) 取締役会に権限を付与している定款を、改正の通知がなされることを条件として、特別決議によって改正することができる。

(b) 取締役の全員若しくは一部の解任又は不再任を決議することができる。

 

配当

2016年会社法第131条は、会社に支払能力がある場合に限り、利用可能な収益金から配当を支払うことができる旨を定めている。2016年会社法第132条第3項では取引支払能力検査が導入され、「支払能力」については、株主への配当実施直後から12カ月間以内に支払義務が発生する債務についての会社の弁済能力と定義されている。2016年会社法では、1965年会社法で認められていた会社の株主に対する株式発行による株式払込剰余金からの配当金の支払いを認めていない。

 

減資

2016年会社法では、1965年会社法に基づく減資手続に代わる制度が導入された。2016年会社法では、会社は以下の方法で減資を行うことができる。

(a)裁判所の承認手続(2016年会社法第116条)

会社は、裁判所の承認を条件として、特別決議をもって、会社の資本金及びその額に応じた株式を減少させることにより、資本金を減少させることができる。

(b)支払能力検査の手順(2016年会社法第117条)

非公開会社又は公開会社は、会社の特別決議によって、裁判所の承認手続を経ることなく減資を行うことができる。かかる減資を行う際には、減資の特別決議をしたことの通知が1967年所得税法第134条に定める内国歳入庁長官及び会社登記官に対して当該特別決議の日から7日内に交付されなければならない。かかる通知には当該決議が可決されたこと並びに当該決議の文言及び日付並びに支払能力に関する表明が記載されていなければならない。