内部統制報告書作成に当たって準拠している用語、様式及び作成方法

ワイ・ティー・エル・コーポレーション・バーハッド(以下「当社」という。)は、財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令第12条1項の規定に従い、マレーシアにおいて一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価及び報告の基準(以下「マレーシア内部統制基準」という。)である、ブルサ・マレーシア・セキュリティーズ・バーハッド(「ブルサ・セキュリティーズ」)のメイン・マーケット上場規則15.26に基づき、コーポレート・ガバナンス財務委員会(Finance Committee on Corporate Governance)により公表されたコーポレート・ガバナンスに関するマレーシアン・コード(the Malaysian Code on Corporate Governance)(2017年改正)に準拠して、当社の内部統制の評価及び報告書の作成を行っている。

 

マレーシアと日本における内部統制の評価及び報告基準の主要な相違点

マレーシア内部統制基準と日本において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価及び報告の基準(以下「日本内部統制基準」という。)との主たる相違点は、次のとおりである。

(1)評価基準
 日本内部統制基準では、企業会計審議会により公表された「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」に基づいて内部統制の評価を行うことが要求されている。

(2)評価対象となる会社
 日本内部統制基準では、当社及び連結子会社並びに持分法適用関連会社の財務報告に係る内部統制の有効性の評価が要求されている。

マレーシア内部統制基準では、当社及び連結子会社の財務報告に係る内部統制の有効性については、経営陣による評価が要求されているが、持分法適用関連会社の財務報告に係る内部統制の有効性については、経営陣による評価は要求されていない。疑義を避けるために付言すると、コーポレート・ガバナンスに関するマレーシアン・コード(2017年改正)には、財務報告に係る内部統制の有効性の経営陣による評価についての具体的な規定はない。

(3)「財務報告」の範囲
 日本内部統制基準では、評価及び報告の対象となる財務報告に係る内部統制には、有価証券報告書提出会社の個別財務諸表に係る内部統制及び財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等に関する事項に係る内部統制が含まれる。

マレーシア内部統制基準ではこれらの事項は財務報告に係る内部統制の範囲に含まれない。疑義を避けるために付言すると、コーポレート・ガバナンスに関するマレーシアン・コード(2017年改正)には、財務報告に係る内部統制の範囲についての具体的な規定はない。

(4)内部統制の枠組み

日本内部統制基準では、内部統制は、通常、企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に従って評価され、かかる内部統制の基本的枠組みは、内部統制の有効性の評価の基準として用いられている。

マレーシア内部統制基準では、特定の適用すべき内部統制の枠組みは存在しない。

 

マレーシアと日本における内部統制監査基準との主要な相違点

当社は、金融商品取引法193条の2第2項1号の規定に従い、マレーシアの監査法人HLBラー・ラムから、ブルサ・セキュリティーズのメイン・マーケット上場規則15.23に基づき、マレーシア公認会計士協会(Malaysian Institute of Accountants)により公表された推奨される実務ガイド及び取締役会による内部統制報告書のレビューに関する監査人に対するガイダンス(Guidance for Auditors on the Review of Directors' Statement on Internal Control)(以下「マレーシア内部統制監査基準」という。)に準拠して取締役会の内部統制報告書のレビューを受け、内部統制報告書のレビュー結果のレターを受けている。

マレーシア内部統制監査基準と、日本において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査に関する基準(以下「日本内部統制監査基準」という。)との主たる相違点は、次のとおりである。

(1) 日本内部統制監査基準に準拠した場合、独立監査人は経営陣が作成した内部統制報告書に対する監査意見の表明を行う。マレーシア内部統制監査基準に準拠した場合、独立監査人は経営陣が作成した内部統制報告書のレビューを行う。

(2) 日本内部統制監査基準に準拠した場合、内部統制は、通常、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に従って評価され、かかる内部統制の基本的枠組みは、内部統制の有効性の評価の基準として用いられている。マレーシア内部統制監査基準では、特定の適用すべき内部統制の枠組みは存在しない。

(3) 日本内部統制監査基準に準拠した場合、監査の対象となる財務報告に係る内部統制には、有価証券報告書提出会社の個別財務諸表に係る内部統制及び財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等に関する事項に係る内部統制が含まれる。マレーシア内部統制基準ではこれらの事項は財務報告に係る内部統制の範囲に含まれない。

 

1【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】

取締役会は、株主の投資並びに当社及び当社の子会社(以下「当グループ」という。)の資産を保護するための適切な統制環境の枠組みの確立を含む、安定した内部統制のシステムの維持、及び当該システムの適切性と完全性の審査につき最終的な責任を負う。

 

財務報告に係る内部統制を整備及び運用する際に準拠した基準の名称は、コーポレート・ガバナンスに関するマレーシアン・コードである。

 

内部統制のシステムは財務の管理だけでなく、業務及び法令遵守の管理並びにリスク管理などをカバーしている。しかしながら、取締役会は、当グループの内部統制のシステムの審査が共同で行われる継続的なプロセスであり、事業目的を達成できないリスクを排除するものではなく、むしろ詐欺行為及びエラーの発生を最小限にし、これらを管理するためのシステムであると考えている。したがって、当グループの内部統制のシステムは、重大な誤表示、詐欺及び損失に対する、合理的ではあるものの絶対的ではない保証を提供するに止まる。

 

取締役会は、当年度について、当グループの内部統制(財務その他も含めて)が当グループの効率的かつ効果的な事業活動、財務情報の信頼性及び透明性、並びに法令及び規則の遵守を合理的に保証するものであると考えている。

 

2【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】

財務報告に係る内部統制の評価が行われた基準日は、2021年6月30日である。

 

財務報告に係る内部統制の評価に当たり、マレーシアにおいて一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠した。

 

取締役会は、継続的な監視及び統制活動の効率性の審査の手続を含む、安定した内部統制構造の維持、並びに当グループ及びその従業員の行動の統治に専心している。当グループの内部統制システムの主な内容の概略は、以下のとおりである。

 

・承認手続

当グループは、承認手続を明確に定義し、説明責任を明確に定め、取締役会及び上席経営陣内で承認、許可及び管理に関する厳格な手続を有している。承認レベル、職務分掌及びその他の統制手続などの責任のレベルは、株主の最善の利益に鑑みた効率的かつ独立した管理を促すために当グループ内に通知されている。

 

・権限レベル

当グループは大規模な入札、設備投資プロジェクト、買収及び事業の処分並びにその他の大規模な取引に関して、会長、取締役社長、常勤取締役に対して権限レベルを委任している。一定の限度額を超える資本及び収益に関する承認は、取締役会がこれを決定する。その他の投資に関する判断は、権限の範囲に従って承認される。総合的な評価及び監視手続は、すべての大規模な投資に関する決定に適用される。企業への融資及び投資資金の拠出の要件、外貨及び金利リスク管理、投資、保険並びに署名権者の指名等を含む主な財務に関する事項の決定については、取締役の承認が必要である。

 

・財務成績

中間財務成績は、ブルサ・セキュリティーズに開示する前に、監査委員会が審査し、監査委員会の提言に基づき取締役会が承認する。年次財務成績及び当グループの事業の状況の分析は、外部の監査人による審査と監査を受けた後に株主に開示される。

 

・内部の法令遵守

当グループは、主な従業員が年間目標の達成を評価するべく内部で審査する経営陣のレビュー及び報告を通じて内部の財務管理の遵守を監視している。内部の方針や手続の更新は、リスクの変化、又は経営上の欠陥部分の是正、並びに当グループに関連する法令及び規則の遵守要件の変化を反映するために行われる。内部監査は、手続の遵守の監視及び精査を行い、提供された財務情報の整合性を評価するため、特定の期間について体系的に取り決められる。

 

当グループの内部統制の主な手続

内部統制のシステムの適切性と整合性を審査するために取締役会が定めた主な手続は、以下のとおりである。

 

・内部監査機能

当グループの内部監査機能は、その内部監査部門(「YTLIA」)により提供される。YTLIAは、経営陣が導入した内部統制システムの効率性及び有効性につき保証を提供し、監査委員会に直接報告を行う。また、YTLIAは、当社の上場子会社であるYTLパワー・インターナショナル及びマラヤン・セメント・バーハッド並びにそれぞれの企業グループの業務を遂行しており、これらの上場子会社の監査委員会にこれらに関連する事項を直接報告している。

YTLIAは、監査対象とする活動から独立して運営されており、内部統制システムの効率性と有効性と重大なリスクに重点を置いて実施された監査の結果につき、監査委員会に対して定期的に報告を行う。監査委員会は、YTLIAが提起した重大な課題及び事項につき審査及び評価を行い、経営陣によって適切かつ迅速な是正策が講じられることを保証する。

当年度中のいずれの脆弱性又は問題も、当社の年次報告書で開示を要求される、該当する方針若しくは手続、上場規則又は推奨される業界の慣行に対する違反には当たらなかった。

英国に拠点を置くウェセックス・ウォーター・リミテッド・グループ(「ウェセックス・ウォーター」)の会社は、上記の内部監査の対象には含まれていない。ウェセックス・ウォーターの事業は、同社の規制当局であり、政府機関である水道事業管理庁(Ofwatとして知られる)の厳格な財務及び業務管理の対象となっており、その規制ライセンスによっても管理されている。ウェセックス・ウォーター・サービシズ・リミテッド(「WWSL」)は、独自の内部監査部門を有している。内部監査部門はWWSLの監査委員会に報告し、内部監査委員会は優良な財務慣行の維持とこれらの慣行の整合性を保つための管理を監督する責任を有している。同部門は、年次財務諸表を審査し、取締役会と外部の監査人とのコミュニケーション・ラインを提供する。同部門には、その権限及び義務に関する正式な調査範囲があり、調査結果はウェセックス・ウォーター・カンパニーの親会社であり、当社の登録された子会社であるワイ・ティー・エル・パワー・インターナショナル・バーハッド(「YTLパワー」)の監査委員会に報告される。

同様に、YTLパワーの子会社であり、シンガポールに拠点を置くYTLパワーセラヤ・プライベート・リミテッド・グループ(「YTLパワーセラヤ」)のグループ会社はYTLIAの対象に含まれていない。YTLパワーセラヤの事業は、同社の規制当局であり、シンガポールの通商産業大臣の法定機関であるエネルギー市場監督庁(EMA)の厳格な財務及び業務管理の対象となっている。YTLパワーセラヤは内部監査を著名な専門会社に委託し、当該専門会社は社内の監査委員会に報告しており、その調査結果はワイ・ティー・エル・パワーの監査委員会にも報告される。YTLパワーセラヤは、内部統制及びシステムを、財務諸表の整合性と信頼性を合理的に保証できる内容に維持する義務がある。

内部統制のシステムは、事業環境の変化に伴い、今後も審査、改善又は更新されていく。取締役会はYTLIAによる評価により、内部統制システムの継続性と効果を定期的に確認する。取締役会は、現在の内部統制システムが当グループの利益を守るために有効なシステムであると考えている。

 

・執行理事会/上席経営陣会議

当グループは、会長、取締役社長、常勤取締役と部門長/シニア・マネージャーから構成される執行理事会/上席経営陣会議を定期的に開催している。この会議の目的は、緊急を要する事由について審議し、決定し、財政及び財務に関する重要事項を検討、特定、協議及び解決し、当グループの財務状況を監視することである。また、新しい金融情勢や懸念される事項が早期に明らかにされ、迅速に対処することを確保する役割も果たしている。ここでの決定事項は、すべての関係する従業員レベルに直ちに効率的に伝えることができる。これらの会議を通じて、執行理事会/経営陣は関係する事業部門における業務上又は財務上の重大なリスクを特定することができる。

 

・現場の視察

取締役社長、常勤取締役は、生産現場や事業部門、不動産開発の現場へ赴き、様々なレベルの従業員と対話し、協議し、実行された戦略の有効性を直接評価する。現場の視察は、効率的な運営のために、透明性が高く、開かれたコミュニケーション経路が経営陣及び各取締役社長、常勤取締役によって維持されることを保証する目的で行われている。

 

3【評価結果に関する事項】

取締役会は、当グループにおいて実施されているリスク管理及び内部統制システムは、安定しており、有効であると考えている。監視、審査及び報告の取り決めは、統制の構造及び運営が当グループの事業に適したものであり、リスク・レベルが全事業について適切なレベルにあることを合理的に保証するものである。取締役社長は当社の財務管理を担当しており、当社のリスク管理及び内部統制システムが適切かつ有効に機能していることを取締役会に保証している。株主の投資及び当グループの資産を保護するべく、現在実施されているリスク管理及び内部統制システムの有効性及び適切性を保証するためにすべての統制手続の審査を引き続き実施する。

 

4【付記事項】

当グループの財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす後発事象はない。

 

5【特記事項】

特記すべき事項はない。