文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) グループの理念体系
グループ理念体系(Mission・Vision・Values・Brand Message)の共有により、グループ各社が、それぞれの地域や国で、生命保険の提供を中心に人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献いたします。
また、グループ戦略の共有により、各社がベクトルをあわせてグループ価値の最大化と持続的な成長を目指します。
2022年に創業120周年を迎える当社グループは、将来にわたって、すべての人々が世代を超えて安心に満ち、豊かで健康な人生を送れるwell-being(幸せ)に貢献し続けられる存在でありたいと願います。そのため、事業領域を4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)へと拡げることで、従来に増してお客さまに寄り添ってまいります。また、私たちが追求するすべての人々の幸せは、社会のサステナビリティがあってこそ実現するものであります。今般、社会の持続可能性の実現を事業運営の根幹と位置付け、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。

こうした考えの下、当社グループが安心、豊かさ、健康といった体験価値の総体としてのwell-being(幸せ)をお届けすることをグループが一丸となって目指すため、グループビジョンを“Protect and improve the well-being of all”(すべての人々の幸せを守り、高める。)へと改めることといたしました。

Mission:私たちの存在意義
「一生涯のパートナー」
“By your side,for life”
当社グループは、1902年、日本での創業以来、お客さま本位(お客さま第一)を経営の基本理念に据え、生命保険の提供を中心に、地域社会への貢献に努めてまいりました。
これからも、お客さまとお客さまの大切な人々の“一生涯のパートナー”として、グループ各社が、それぞれの地域で、人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献してまいります。
Vision:私たちの目指す姿
「すべての人々の幸せを守り、高める」
“Protect and improve the well-being of all”
当社グループは安心、豊かさ、健康といった体験価値の総体としてのwell-being(幸せ)をお届けすることをグループが一丸となって目指してまいります。
Values:私たちの大切にする価値観
「グループ企業行動原則(DSR憲章)」
“Dai-ichi's Social Responsibility Charter (DSR Charter)”
当社グループは、お客さま、社会、株主・投資家の皆さま、従業員からの期待に応え続けるための企業行動原則として「DSR憲章」を定め、持続可能な社会づくりに貢献いたします。
「DSR」とは、「第一生命グループの社会的責任(Dai-ichi’s Social Responsibility=DSR)」を表し、PDCAサイクルを全社で回すことを通じた経営品質の絶えざる向上によって各ステークホルダーに向けた社会的責任を果たすと同時に、当社グループの企業価値を高めていく独自の枠組みであります。
Brand Message:理念体系を支える私たちの想い
「いちばん、人を考える」
“People First”
いちばん、お客さまから支持される保険グループになるために、以下の4つの視点から誰よりも「人」を考える会社を目指してまいります。
いちばん、品質の高い会社
いちばん、生産性の高い会社
いちばん、従業員の活気あふれる会社
いちばん、成長する期待の高い会社
(2) 経営環境及び対処すべき課題
①経営環境
2021年3月期における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国における入国規制や外出禁止等の政策を背景に急速に悪化しました。対面型サービス業に大きな打撃が及んだ一方、製造業においてはリモートワークの広がりによる電子部品需要の拡大等がみられ、業種間の濃淡が強くなりました。日本経済においても、2020年4月及び2021年1月の2度の緊急事態宣言発出等を背景に、経済活動が停滞しました。
金融環境は、新型コロナウイルス感染拡大に対する懸念が強まる中で、年度初の株価は世界的に低迷したものの、各国の政策対応やワクチンの開発等を受けて年度を通じて上昇傾向が続き、歴史的な上昇相場となりました。この間、景気回復期待を受けて米国主導で金利上昇が続きましたが、日本の長期金利は日本銀行のイールドカーブコントロールの効果等から上昇幅が限定されました。生命保険業においては、感染拡大防止のための対面営業自粛が相次ぎ、新契約業績が低調に推移する中で、デジタルツールを活用した非接触の営業スタイル等、新たなビジネスモデルへの変革に向けた動きが業界に広がっていきました。
生命保険事業を中心に国内外で事業を展開する当社グループは、2021年3月期において、2019年3月期に開始した中期経営計画「CONNECT 2020」に沿って、「3つの成長エンジン(国内生命保険事業、海外生命保険事業、資産運用・アセットマネジメント事業)」の更なる強化に向けた取組みを実行するとともに、新型コロナウイルス感染拡大により急激に加速したライフスタイルの多様化や経済・金融市場の変動といった外部環境の変化に対応した様々な施策に取り組みました。詳細は「(3)前中期経営計画「CONNECT 2020」の振返り」をご参照下さい。
②優先的に対処すべき課題
新型コロナウイルスの沈静化に向けた情勢は、ワクチンの供給が開始された現在もなお見通しづらく、当面は不透明な状況が続くものと予想されます。他方、世界的な低金利環境の進行・長期化や景気の減速等、当社グループを取り巻く経営環境は厳しさを増しております。また、デジタル技術の急速な進展や人々の価値観の多様化は、新型コロナウイルス感染拡大を契機として更に加速し、生命保険事業には、とりわけお客さまとの接点に関して、今後大幅な変化が求められることが見込まれます。
当社グループでは、お客さまや従業員の健康に配慮した業務運営を継続する中で、速やかな保険金・給付金のお支払い等、お客さまにとってのライフラインである保険事業者としての役割を果たすことに加え、お客さまのニーズを捉えた保険商品やサービスの開発、デジタルツールを活用した非接触の販売プロセスの確立に取り組むとともに、低金利環境の継続や急激な市場変動への対応を強化してまいります。
昨年来、第一生命保険株式会社(以下「第一生命」という。)において、元従業員による金銭の不正取得事案が複数明らかになりました。これらの不正事案を発生させてしまった原因は複数あると認識していますが、お客さまからの直接の金銭授受を一律禁止するルールや不正行為の予兆を把握するための管理・監督が不十分であったこと等に加え、多くのお客さまのご契約をお取扱いさせていただいている営業員(以下、「優績者」という。)の特権意識を醸成させてしまったことや、従業員による優績者への遠慮意識等、企業風土や体質そのものにも問題があったと認識しております。
第一生命ではこれらの事案を厳粛に受け止め、被害を受けられたお客さまに対して会社として真摯に向き合うとともに、同様の金銭に係る不正行為がないかの総点検、金銭に係る不正行為の撲滅に向けた内部統制体制の一層の整備・充実(事業部門の自律的なリスクコントロール機能並びにコンプライアンス部門・内部監査部門の牽制機能の再強化)に取り組みます。また、真因の一つと考えられる企業風土の抜本的改革を進め、根本原因の分析に基づく網羅的かつ実効性のある再発防止策を徹底してまいります。
また、当社においても、外部専門家の意見、助言及び社内調査を踏まえた第一生命のこれらの課題への取組みと、その改善状況について注視していくとともに、グループ全体の経営管理に係る内部統制システムの運用について課題の存在を強く認識し、適切に管理してまいります。
(3) 前中期経営計画「CONNECT 2020」の振返り
前中期経営計画「CONNECT 2020」の3年間では、保険事業者としての役割に立ち返り、お客さまのQOL向上や社会課題解決に向けた各種の取組みを進めた他、国内外における事業基盤の拡大やデジタル化対応、リスク削減方針の打出し等、成長と規律の両面から果断な挑戦を行ってまいりました。
前中期経営計画「CONNECT 2020」における主な取組みは以下のとおりです。

※ ERMとは、エンタープライズ・リスク・マネジメントの略であり、D&Iとは、ダイバーシティ&インクルージョンの略であります。
一方で、第一生命においてお客さまや社会からの信頼を揺るがす不正事案が発覚し、お客さまとの向き合い方から従業員の意識・企業風土の改革に至るまで、新中期経営計画に大きな課題を残すこととなりました。
掲げた計数目標等については、外部環境の変化を踏まえつつ、「3つの成長エンジン(国内生命保険事業、海外生命保険事業、資産運用・アセットマネジメント事業)」の更なる強化に向けた取組みを推進する中で、当初2年間は、将来利益指標と資本効率指標が市場環境要因により未達ペースの進捗となったものの、会計利益指標と健全性指標は順調に進捗いたしました。
最終年度にあたる2021年3月期においては、長引く低金利に加え営業活動の自粛等の影響により将来利益指標は大幅に目標未達となりました。一方、従来の延長線上にないリスク削減取組みを資産・負債の両面から実施した結果、健全性指標は中長期的に目指す姿に到達した他、会計利益指標と資本効率指標では市場環境の好転を主因に目標を達成できました。ただし、市場変動の影響を受けやすい収益構造には依然として課題が残りました。

各事業における主な取組みは次のとおりであります。
① 国内生命保険事業
国内生命保険事業では、「お客さま第一の業務運営方針」の下、多様化するお客さまニーズに的確に応えるために、商品・サービス・チャネルの進化等に資源を投下し、特色の異なる国内3社の強みを活かすという「マルチブランド・マルチチャネル戦略」を推進してまいりました。
第一生命、第一フロンティア生命保険株式会社(以下、「第一フロンティア生命」という。)及びネオファースト生命保険株式会社(以下、「ネオファースト生命」という。)(以下、「国内生命保険3社」という。)においては、保険事業者としての役割を果たすため、迅速な保険金支払いの継続や感染拡大防止に配慮した営業活動に取り組みました。また、新型コロナウイルス感染を原因とした死亡・高度障害に対する災害割増の適用や、お客さまの資金ニーズに配慮した保険料払込みの猶予等の特別取扱いを実施するとともに、お客さま向けの感染症に関するご相談サービスの提供等に取り組みました。
第一生命の元従業員による金銭の不正取得事案を受け、発生原因分析を踏まえた伏在調査(総点検)を実施するとともに、金銭不正行為の撲滅のための内部統制体制の整備・充実、金銭不正行為の背景となった企業風土・体質の改革を進めました。また、これらを実施するために新たに社長が主導する全社横断的な「経営品質刷新プロジェクト」を発足させました。
国内のお客さまニーズにお応えする保険商品の開発・販売を推進し、第一生命では、一時給付金の受取りを可能とすることで入院期間の短期化等に対応した商品の発売、第一フロンティア生命では、資産承継ニーズにお応えする相続・贈与型商品の改定、ネオファースト生命では、健康年齢型商品への最新の治療に対応したがん保障の上乗せ特約の追加等に取り組みました。
また、国内グループ会社として第一スマート少額短期保険の営業開始に向けた準備を進めました。デジタルチャネルを通じてミレニアル世代やZ世代と呼ばれる若年層へのアプローチを強化します。

② 海外生命保険事業
海外生命保険事業では、各国毎の異なる市場環境に応じて、事業基盤の強化・拡大を企図した安定的な利益貢献と、中長期的な成長享受双方のバランスが取れたポートフォリオの構築を推進してまいります。
海外グループ各社では、新型コロナウイルス感染拡大を受けた非接触ニーズに対応するため、ビデオ通話等のデジタル技術を活用した商品説明に取り組むとともに、従業員の在宅勤務推進等、各国情勢に応じた適切な業務運営を行いました。
Protective Life Corporationでは、オンラインでの保険金請求サービス等、お客さまの利便性向上を図る一方、レボロスとしてブランド展開を行う損害保険会社を買収した他、2019年に買収が完了したGreat-West Life & Annuity Insurance Companyの既契約ブロックからの利益貢献が本格化する等、事業基盤を強化いたしました。
TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltdでは、新契約が底堅く推移した他、解約失効率も良好に推移しました。一部の団体契約において保険収支の悪化が見られましたが、影響は限定的であり、また、下半期には同団体との間で保険料率の引上げに合意する等、安定した事業運営を継続いたしました。
新興国の各社においては、対面営業活動が制限される中、お客さま向け・個人代理店向け双方のプラットフォームのデジタル化や代理店チャネル研修のオンライン化を推進する等、お客さま等の利便性の確保・向上に取り組みました。

③ 資産運用・アセットマネジメント事業
第一生命の資産運用では、低金利環境が長期化する中、確定利付資産を中心とした運用を基本としつつ、マーケット動向に応じたリスクコントロールを行う等、安定的な収益確保に向け、分散投資を行っております。アセットマネジメント事業においては、グループ会社を通じて日・米・欧の各地域における市場の成長を享受し、当社グループへの利益貢献の拡大に取り組みました。また、保険負債の特性を考慮したALM(Asset Liability Management)運用を基本に、金融市場の変動に対する財務健全性の確保と資本効率向上のため、主に金利リスクや株式リスクといった市場関連リスクの削減を強化・加速することで、リスク特性の改善に取り組みました。また、収益力強化やリスク分散の観点から、オルタナティブ投資や実物資産投資にも積極的に取り組みました。
アセットマネジメント事業では、アセットマネジメントOneにおいては公募投信の販売が好調に推移した一方、Janus Henderson Group plcにおいて無形固定資産等の減損損失を計上したこと等から、修正利益は前年度比17.5%の減益となりました。
また、グループ事業戦略や財務・資本戦略の方向性を踏まえ、Janus Henderson Group plcとの資本関係を解消するとともに、新たな業務提携契約を締結いたしました。
<サステナブル(持続可能)な社会を目指した機関投資家としての取組み>
・ 第一生命は、日本全国のお客さまからお預かりしている資金を幅広い資産で運用するユニバーサル・オーナーとして、中長期的な投資リターンの獲得と多様なステークホルダーを意識した持続可能な社会の実現の両立を目指した資産運用を行っております。
・ 2021年3月期は、持続可能な社会の実現に向けてESG投資を更に力強く進めるために、「ESG投資の基本方針」を公表いたしました。
・ESG投資の基本方針(概要)
①全資産の運用方針・運用プロセスにESG要素を組込み(2024年3月期完了を目標)
②当社が設定する重点的な社会課題の解決に向けた投融資(2024年3月期末までに2020年3月期末比で累計投資金額を倍増以上)
③投資先企業のESG取組み促進に向けたスチュワードシップ活動
・ 具体的な取組みとしては、ESG投資を通じた新型コロナウイルス対策支援として、ソーシャルボンド(コロナ債等)の発行機運の高まりを受けた債券投資や、インパクト投資を通じたヘルスケア関連のイノベーション創出を後押しいたしました。
・ 更に、2050年までに運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを対外的に表明する等、気候変動問題に対する取組みを一段と強化いたしました。

④ ERM (Enterprise Risk Management)
昨今の経済情勢を踏まえれば、低金利環境が長期にわたり継続する蓋然性が高まっております。当社グループは、ERM※1の枠組みに基づき、リスクを適切にコントロールし、健全性向上を図る一方で、より高い利益が見込める事業に資本を配賦する等、資本効率・企業価値向上に繋がる取組みを進めております。
これらの取組みの結果、健全性やリスク許容度の水準を示す経済価値ベースの資本充足率※2は、2021年3月期を通じて、中長期的な目標である170-200%の範囲を上回って安定的に推移し、前年度末比9ポイント増加となる203%となりました。
※1 ERMとは、事業におけるリスクの種類や特性を踏まえ、利益・資本・リスクの状況に応じた経営計画・資本政策を策定し、事業活動を推進することを指します。
2 経済価値ベースの資本充足率(ESR)の計測基準は、2021年3月期末においてより厳格な内部管理の観点から主に負債割引率等の計測前提を改定しております。
<2021年3月期の主な取組み>
~資産側のリスクコントロール~
・ 2020年4月、保険負債の特性を考慮したALM運用を基本に据える中で、リスクコントロールを強化する方針を発表しました。具体的には、市場環境に左右されにくい財務体質への変革に向けて、市場関連リスク(金利・株式リスク量)を2024年3月期までの4年間で20%削減することといたしました。
・ この方針の下、2021年3月期は、当初計画を大幅に上回る金利リスク削減等により、4カ年の削減目標対比で約7割相当の金利・株式リスク量削減を実施できました。
~負債側のリスクコントロール~
・ 過去に販売した高予定利率の個人保険契約については、現在の低金利環境に照らせば将来にわたって予定利息を充足し続けることが困難であるため、これらの保険契約に関わる財務的なリスクを外部の再保険会社に移転する取引を3年連続で実施いたしました。
・ 団体年金契約については、予定利率と国内金利水準との著しい乖離を背景として長らく新規の受託を抑制しておりましたが、生命保険会社が担う利率保証機能を発揮するため、すでに受託している一般勘定の年金資産を含めて予定利率を引き下げる一方、手数料率を見直すことで商品性を確保すること等により、2021年10月から新規受託を再開することといたしました。
・ グループ内再保険の活用推進により、日本を含む9ヵ国に生命保険事業を展開する保険グループとしてのシナジーを追求しつつ、最適な資本配賦を通じた財務健全性の確保と資本効率の向上を目指し、英領バミューダに再保険会社を設立いたしました。第1号案件として、金利変動による損益への影響を軽減するため、第一フロンティア生命からの再保険の引受けを開始いたしました。
⑤ イノベーションの創出
当社グループでは、テクノロジーの進化やライフスタイルの多様化等を背景としたお客さまニーズの急激な変化に対応するため、2015年から生命保険事業独自のイノベーションを創出する取組みとして“InsTech※1”を推進してまいりました。2020年には本取組みの更なる強化に向け、イノベーションの専担組織として当社にイノベーション推進ユニット、第一生命にイノベーション推進部を設置いたしました。
専担組織に加え、グローバルかつタイムリーに先端テクノロジーの動向把握やスタートアップの発掘に取り組むため、国内ではイノベーションラボ、データマネジメント室を設置した他、海外ではシリコンバレー、ロンドン、シンガポール、上海等に拠点を設けております。また、異分野における知見やアイデアを持つ医師会、医療機関、大学等との連携の強化や、先端技術を有する国内外のベンチャー企業への戦略的な投資を進めております。
<2021年3月期の主な取組み>
・ 当社グループでは、保険会社として従来から提供する「保障」に「資産形成・承継」「健康・医療」「つながり・絆」を加えた4つの体験価値を事業領域と定め、各領域におけるイノベーションに取り組んでおります。体験価値(CX※2)の改善を通じてお客さま満足度の向上を図るCXデザイン戦略を推進するため、開発組織の整備等に取り組みました。
・ 第一生命では、AIを活用した将来の医療費予測の分析を通じて健康保険組合の保健事業の効率化と医療費抑制を支援するサービス「Healstep℠(ヘルステップ)」の2021年度の提供開始に向けて、みずほ銀行等※3と業務提携契約を締結いたしました。なお、同サービスは厚生労働省が主催するデータヘルス・予防サービス見本市2020において、優秀賞を受賞いたしました。
・ 当社グループでヘルスケアサービスを提供するQOLeadでは、新型コロナウイルス感染拡大の状況下における人々の生活や健康のサポートを目的として、同社が無料で提供する「健康第一」アプリ上で、新型コロナウイルス感染症関連情報「毎日、健康第一」を公開いたしました。外出自粛に伴う運動不足や食事の量と栄養のバランスに関する不安等、感染症拡大の影響が生活の様々な場面で見られる中、アプリを通じて健康に役立つ情報を発信し、社会課題の解決に向けて取り組んでおります。
※1 保険ビジネス(Insurance)とテクノロジー(Technology)の両面から生命保険事業独自のイノベーションを創出する活動
2 Customer Experienceの略語で、お客さまが商品・サービスを通じて体験する価値
3 QOLead、みずほ銀行、みずほ情報総研(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー
⑥ ダイバーシティ&インクルージョン
当社グループでは、多様化するお客さまの価値観・ニーズを先んじて捉え、お客さまの期待を超える体験・感動をお届けすることで持続的成長を実現するためには、私たちも多様性に富んだ人財・組織である必要があるという考えの下、「ダイバーシティ(人財の多様性)」と「インクルージョン(お互いに包摂すること)」を推進しております。
加えて、従業員一人ひとりがかけがえのない個性を発揮し、自分らしく健康でいきいきと働くことができる企業文化・風土の醸成や、ライフスタイルに合わせた就業を可能とする制度の整備を通じた働き方改革を推進することで、「働きがい」を高めてまいります。
<2021年3月期の主な取組み>
・ 女性が活躍できる環境の構築がダイバーシティの推進、ひいては企業価値の向上に資するとの認識から、意識・風土の改革、能力開発の充実、ワーク・ライフ・マネジメントの推進を3本柱として取組みました。
・ 当社及び国内生命保険3社では、2020年代に女性管理職比率30%の実現を目指し、女性リーダーの安定輩出と定着を推進しております。2021年4月時点において女性役員数※1は7名、前中期経営計画期間に25%の目標を掲げた女性管理職比率※2は27.5%に達しました。加えて第一生命では、国内生命保険会社で初となる「30% Club Japan Investor Group※3」へ加入する等、機関投資家としてジェンダーダイバーシティ促進に取り組みました。
・ 当社グループでは、グループ企業行動原則(DSR憲章)及びグループ人権方針において基本的な人権の尊重を明確に打ち出すとともに、LGBT※4フレンドリーな企業を目指し、従業員の理解促進に向けた研修や社外イベントへの参加等に取り組んでおります。2021年3月期は、「PRIDE指標2020※5」において最高位の「ゴールド」を5年連続で受賞いたしました。
・ 第一生命では、グループの持続的な成長のための人財育成方針の一環として、マネジメント職を目指すことに重きを置いていた従来のキャリアパスを、高度な専門性を持つ人財の活躍の場が広がるように複線化する等、人事制度を抜本改定いたしました。人財の市場価値を意識した、個の能力の活用と伸長、均質的な人財育成からの脱却、高度な専門性を持つ人財の獲得・活躍の促進等を目指します。
<非財務情報ハイライト>
※1 2021年4月時点、当社及び第一生命合計(執行役員を含む)
2 2021年4月時点、当社及び国内生命保険3社合計、営業部長・機関担当のオフィス長・オフィス長代理を含んでおります
3 ジェンダーダイバーシティの促進を通じて投資先企業の中長期的企業価値向上を目指す機関投資家グループ
4 女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、性同一性障害を含む性別越境者(トランスジェンダー、Transgender)等の人々を意味する各単語の頭文字を組み合わせた表現
5 任意団体「work with Pride」が策定した職場におけるLGBT等への取組みの評価指標
6 2020年6月1日現在、持株会社および第一生命(キャリアローテーション者を含む)・第一生命情報システム・第一生命ビジネスサービス・第一生命チャレンジドの合計
7 2021年3月末時点、海外子会社5社合計
8 2021年3月末時点、持株会社および第一生命(キャリアローテーション者を含む)の合計
⑦ 地域・社会が抱える課題の解決
<保険事業者としての責務>
・ 当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大への対応として、お客さまの生活を守るため保険契約の特別取扱いや速やかな保険金・給付金のお支払い等に取り組みました。
・ 国内生命保険3社では、医療機関へ1億円を寄附するとともに感染症指定医療機関を中心にマスク50万枚や消毒液の提供等を実施いたしました。新型コロナウイルス感染拡大の状況下で活動に制限がある中においても、各支社・営業オフィスが地域に寄り添いながら創意工夫の下、手作りマスクの製作・配布や学校における消毒活動のサポート等、各地域において様々な地域貢献活動を展開してまいりました。これらの地域貢献をきっかけに市区町村との連携も深まり、包括連携協定締結につながる等、全国で地域との結びつきが大きく進展いたしました。
・ 米国では、プロテクティブ財団が100万米ドルを拠出して救済基金を設立した他、海外各社でも、寄附やマスクの提供等の活動を行いました。
<気候変動への対応>
・ 環境問題の中でもとりわけ気候変動は、お客さまの生命や健康、企業活動、地域・社会の持続可能性(サステナビリティ)に大きな影響を与える問題と認識しており、グローバルに生命保険事業や資産運用事業を展開する当社グループにとっても、重要課題の一つと位置付けております。
・ 2021年3月期は、第一生命で、本邦初となる「ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス※1」への加盟を通じて、2050年までの運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量実質ゼロを表明するとともに、2025年3月までに運用する上場株式・公募社債・不動産のCO2排出量を2020年3月末比で25%削減する目標を設定いたしました。また、「RE100(Renewable Energy 100%)※2」については2024年3月期までの達成に加え、特に投資用不動産については2021年度中の再生可能エネルギー100%化を目指す方針を決定いたしました。
※1 パリ協定での目標(気温上昇を1.5℃未満に抑える)達成を目的に、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアティブ
※2 事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする協働イニシアティブ
<気候変動に関する取組みの変遷>

(4) 新中期経営計画『Re-connect 2023』
当社グループは、上記の経営環境や課題を踏まえ、全てのステークホルダーの皆さまと「再度、より良い形でつながり直す」という想いを込めて、新中期経営計画『Re-connect 2023』をスタートさせました。全役員・従業員が価値観を共有し、共鳴しあいながら変革を遂げるために 改めて結束を強めてまいります。

<第一生命グループの重要課題>
第一生命グループは、全ての人々のwell-being実現に貢献していくにあたり、重点的に取り組むべき社会課題を以下のとおり選定いたしました。具体的には、ステークホルダーからの期待及び当社の事業活動に照らした重要度、さらにはグループ理念との関係性(ビジョンとの親和性等)から取り組むべき社会課題の優先度・重要度を評価し、中期経営計画「Re-connect 2023」の事業戦略に反映しております。
具体的には以下の3つのステップにて重要課題を選定しております。
<ステップ1>
・ 具体性を高めて取り組むべき社会課題の優先度・重要度を検討するために、SDGsの17の目標・169のターゲットを目的によってグルーピングし、50の社会課題を抽出
<ステップ2>
・ 50の社会課題を対象に、国際機関・ガイドライン策定団体、NGO、投資家にESG情報を提供する評価機関、業界団体をはじめとするステークホルダーからの期待を踏まえて、優先度付けを実施
・ 国内外の保険会社が取り組んでいる社会課題を踏まえて、重要度付けを実施
<ステップ3>
・ 保険会社にとっての重要課題を抽出し、「グループ理念」「QOL向上への貢献」との関連度を加味し、個々の重要課題の位置付け・表現を整理
・ 外部有識者との対話を経て、重要課題を選定
重要課題毎に具体的な社会課題を定め、中長期目標を設定した上で、当社グループの貢献度の測定にも取り組んでまいります。課題解決を通じて、当社グループにおける非保険分野を含めた、お客さま数の拡大を目指してまいります。
当社の重要課題のうち、“well-being”を構成する4つの体験価値と、それを支えるCX向上のそれぞれについて、中長期的に目指す方向性については以下のとおりであります。

一方で私たちが追求する全ての人々の幸せは、持続的社会(サステナビリティ)があってこそ実現するものであります。今般、持続的社会の実現を事業運営の根幹と位置づけ、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。

新中計『Re-connect 2023』においては、新ビジョン“Protect and improve the well-being of all”で表現した私たちの目指す姿からバックキャスティングする形で、お客さまをはじめとする全てのステークホルダーとの「つながり」の在り方を見直し、この3年間で4つの重要施策「国内事業戦略」「海外事業戦略」「財務・資本戦略」「サステナビリティ・経営基盤」を展開してまいります。
<新中期経営計画「Re-connect 2023」における4つの重要施策>
① 国内事業戦略:保険ビジネスモデルの抜本的転換「事業ポートフォリオにおける深化と探索の同時追求」
国内生命保険事業では、市場シェアの拡大に加え事業効率向上を通じて事業の「深化」を図ると同時に、新たな組織能力の獲得、即ち「探索」に向けて、健康・医療領域の新規サービス提供、デジタル技術の獲得を目的とした外部との協業、資産形成・承継領域の機能強化につながる事業投資等を通じて、グループの持続的成長を目指します。
マルチブランド・マルチチャネル戦略を基盤としつつ、お客さまの継続した体験、すなわちCXに軸足を置き、対面チャネルに加えてデジタルも活用した総合的なビジネス・サービスプロセスを構築する「CXデザイン戦略」に取り組んでまいります。「CXデザイン戦略」とは、全てのお客さま接点でお客さまの期待を超える体験・感動をお届けすることで、会社の成長につなげていくものであります。デジタル接点を含めたお客さま接点の拡大や、リアルチャネルのコンサルティング力向上、データアナリティクスなどを通じた 「お客さま理解」の深化に取り組むことで、一人ひとりに最適で品質の高いCXを提供できる仕組みづくりを行ってまいります。オフラインであるリアルチャネルの強みを活かしながら、オンラインと融合することでお客さま接点を一つにつなげ、最適な商品・サービス・情報を、最適なタイミング・最適なチャネルで提供する当社版OMO(Online Merges with Offline)を実現し、お客さまにとって「ほしいものがほしいときに自然なかたち」でお客さまの期待を超える体験・感動をお届けすることを目指してまいります。

② 海外事業戦略:環境変化に柔軟に対応し、成長を牽引する海外事業ポートフォリオの構築
海外生保事業においては、市場ステージに応じたポートフォリオ戦略を引き続き推進いたします。
安定成長と早期利益貢献が期待できる米国及び豪州と、中長期の利益貢献が見込まれるアジア新興国での成長に加え、将来の更なる環境変化に備えた革新的なビジネスモデルの取込みを戦略の3つの柱とし、これらにバランスよく取り組むことで、持続的な利益成長と資本コストを上回る資本効率を同時追求してまいります。
特に各国の資本規制や引き続き継続する低金利環境に対応した新ビジネスの探索(イノベーション)を進めてまいります。キャピタルライトなビジネスの取り込みや地域・事業分散を通じて、より厳しさを増す外部環境の変化への耐性を持った持続的成長基盤の構築を目指してまいります。
また、これまでも、社長、海外各社のCEO、関連役員により構成されるGLC(グローバル・リーダーズ・コミッティー)において、グローバルな知見を活用しつつ、グループ共通の課題解決に向けた協働取組みを行ってまいりましたが、海外生命保険事業の更なる拡大が見込まれる中、より一層グループ最適な視点から経営戦略を策定し、求心力を発揮することが不可欠であります。
このために、海外グループ会社の中間持株会社に海外生命保険事業戦略を議論する討議体を設置し、その運営を担える国内外のグローバル人財の活用を通じて、よりグローバルな経営スタイルへの転換を加速させてまいります。

③ 財務・資本戦略:グループ事業を支える強靭な財務体質への変革と資本循環経営
財務・資本戦略では、市場関連リスクの削減による健全性の向上や資本コストの低減に加え、ERMに基づく規律ある成長投資や機動的かつ柔軟な株主還元の実践等を通じ、中長期的に資本コストを上回る資本効率を目指してまいります。
資本コストについては、経営環境が変化する中で、これまでの当社想定8%から10%水準へと自己認識を改めました。高い資本コストの一因としては、金融市場変動の影響を受けやすい財務体質が挙げられ、実際、当社グループが有する統合リスク量(2021年3月末時点)の構成を見ると、市場関連リスクが68%を占めております。そこで市場関連リスクの削減については、従来の削減量・スピードともに高め、新中期経営計画期間の3年間で20%削減することといたしました。これは、2021年3月期の取組みを含めると、当初の4年計画の約1.5倍に相当する削減計画となりますが、これはあくまで通過点であり、金利リスクについては流動性も踏まえつつ、新中期経営計画期間以降においても更なるリスク削減を図ってまいります。
資本効率については、改定後の資本コストを安定凌駕する水準を目指します。グループ各社の事業リスク特性に応じたベータや所在国による市場リスクプレミアムを勘案した資本コストを個別に設定の上で事業成果を評価し、資本の配賦・回収等の意思決定を行ってまいります。
このような考えのもと、新中期経営計画のKPIとしては、資本効率指標に従来のROEVに加えて新たに修正ROEを加えるとともに、市場関連リスク削減に関する具体的な削減金額ならびに資本充足率についても目標設定を行いました。

④ サステナビリティ・経営基盤:サステナビリティ向上への使命・責任を果たし、人と社会と地球の幸せな未来を創る
当社グループは地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。地域・社会のサステナビリティに関する取組みは、国内グループ中心に“世の中の範”となるための目標を設定しております。将来的には、独自の商品・サービスなどを通じた社会的インパクトの創出も挑戦してまいります。
例えば、気候変動対応については、カーボンニュートラルの実現に向けて、2024年3月期までに第一生命が事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達する方針を決定しました。加えて、責任ある機関投資家としてESG投資をグループ会社へも展開することを目指します。第一生命では、2050年までに運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指します。
また、新中計「Re-connect 2023」より、社長を委員長とする 「グループサステナビリティ推進委員会」を新設し、グループ横断的に非財務分野に係る方針・戦略の立案や、各社における取組遂行状況のモニタリング等を開始いたしました。多様化するお客さまの価値観・ニーズを先んじて捉え、お客さまの期待を超える体験・感動をお届けするためには、私たちも多様性に富んだ人財・組織である必要があると考えており、ダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。
男女共同参画社会の実現に向けた取組みはもとより、中途社員・外国人・専門人財など、様々なバックグラウンドを持つ人財が自分らしく働き、個や組織の能力と生産性を高めながら、仲間とつながり、アイデアの共有や相乗効果を生みやすい環境を整備してまいります。具体的には女性管理職比率の新たな目標として、2021年4月時点で13%を占めるライン部長・ラインマネジャー級の管理職における女性比率を2024年4月までに30%とすることを目指してまいります。
より良い未来を創造し、世代を超えて人々のwell-being(幸せ)に貢献するためにも、気候変動対策をはじめとする様々な社会課題に一層積極的に取り組むとともに、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、多様な働き方の支援、機動的な人財シフト等を通じて、ビジネスモデル変革の原動力となる人財・組織を強化してまいります。

文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本有価証券届出書提出日現在において、当社及び当社グループが判断したものであります。
当社は、当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性のある予見可能なリスクを「重要なリスク※1」として特定しております。当社グループの重要なリスクについては以下のとおりであります。
<重要なリスクと選定プロセス>


重要なリスクの特定に当たっては、環境変化等により発現する「エマージングリスク※2」を含めて、様々なリスクをグループ各社において網羅的に洗い出しております。各社で洗い出されたリスクについて、各社の企業規模やグループ内での波及等を考慮し、リスク管理所管においてグループベースでの影響度・発生見込み等を勘案の上、グループベースの重要なリスクを特定しております。また、これらのリスクを踏まえた事業計画を策定することで、リスク認識を踏まえたPDCAサイクルを推進し、予兆段階から適切にリスクの管理を実施しております。
※1 経営に重要な影響を及ぼす可能性のある予見可能なリスク
※2 環境変化等により、新たに現れてくることが想定されるリスク
当社は、これら「重要なリスク」の管理状況を定期的に経営会議、取締役会に報告しており、その状況を認識した上でリスクの発生の回避に向けた対応を推進するとともに、リスクが顕在化した場合には迅速かつ適切な対応に努めております。
なお、当社グループのリスク管理体制については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ④ リスク管理体制の整備状況」に記載のとおりであります。
以下に「重要なリスク」並びに投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるその他のリスクを列挙しております。
<新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリスク>
当社グループにおいて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、グローバルに、かつ、幅広い分野にまで及びましたが、保険リスクについては、昨年度、米国を中心に保険関連収支の悪化がみられたものの、グループ全体での悪化は限定的な水準に止まっており、また、市場リスクについては、感染が拡大し始めた当初、一時的に株価下落やクレジットスプレッド拡大の影響を受けたものの、その後、市況は急回復しており、これまで当社グループの健全性や事業継続に係るリスクは顕在化しておりません。
また、更なる感染の拡大や影響の長期化に備え、保険収支や金融市場環境の悪化等、大きなストレスをかけたシナリオでストレス・テストを実施しており、具体的には、各国の新型コロナウイルスの感染状況等を参考に、国内では全人口の10%が感染し、致死率(死亡者数/感染者数)が10%以上となる等の想定を置き、今後、大きなストレスがかかった状況下でもグループ全体の健全性に大きな問題が生じないことを確認しております。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、営業面や事務面にも及びましたが、情報セキュリティ対策を講じながら、対面営業等のニーズ増大への対応やテレワーク環境の整備を進める等、事業環境の変化にも対応しております。
<重要なリスクにおける新型コロナウイルスの主な影響>

(1) 市場・信用・流動性に関するリスク
1) 国内外の金融市場・経済情勢の悪化に関するリスク
当社グループの業績は、国内外の経済状況や金融市場に大きく影響されるものであります。日本経済を取り巻く環境には、世界的な地政学リスクの高まりに加えて、米国と中国の通商交渉の行方等、先行きには不透明感もあります。また、先進国における金融・財政政策の動向が為替を通じて実体経済に与える影響にも注視する必要があります。世界的に経済や金融市場における先行き不透明感が強まった場合、金融資本市場は不安定さを増し、金融市場のパフォーマンスの悪化につながる可能性があります。深刻な金融不安が生じた場合には、主要な経済圏に多大な影響を及ぼす可能性もあります。
当社グループは、ストレス・テスト等によるリスク耐性確認を定期的に実施しており、健全性が懸念される場合には速やかにリスク削減のアクションプランを講ずる等の態勢を構築しておりますが、こうしたリスクが現実となった場合、当社グループの保険商品への需要が低下する可能性や、個人保険の解約・失効率が上昇するおそれがある他、低金利や株価下落により資産運用収支の悪化等、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2021-23年度中期経営計画「Re-connect 2023」において、財務健全性の確保に向けて、経済価値ベースの資本充足率(以下、ESRという。)のターゲット水準を170~200%としておりますが、2021年3月31日時点のESRは203%と200%を上回る水準を確保しております。
第一生命では、金利・株式等の市場関連リスクの削減に継続的に取り組んでおり、2021年3月期にも、国内における低金利環境の長期化を見越し、超長期債券の購入によるデュレーションの長期化やデリバティブを活用した金利リスクの削減を進めました。また、保有株式の計画的な売却を継続した他、高予定利率の保険契約を再保険会社へ戦略的に出再する等、金融市場変動の影響を受けにくい財務体質に向けた取組みを強化しており、2020年3月末に掲げた4年間で市場関連リスク量20%削減という目標に対し、1年間で計画の約7割を達成いたしました。
<グループ統合リスク量内訳(2021年3月末)>

金融市場環境は今後も世界的に不安定な状況が継続すると想定される中、ESRの安定性を高め、資本コストを低減させるべく、市場関連リスクをさらに削減する取組みを推進いたします。具体的には、市場関連リスクの削減の量・スピードともに高め、新中期経営計画期間の3年間で改めて20%削減することを目指しております。これは、2021年3月期の取組みを含めると、当初計画の約1.5倍に相当する削減計画となりますが、これはあくまで通過点であり、金利リスクについては流動性も踏まえつつ、新中期経営計画期間以降においても更なるリスク削減を図ってまいります。
2) 株式投資に関するリスク
国内株式市場を含むグローバル金融市場は、世界的な経済・金融情勢により大きく変動いたします。経済危機及び主要経済大国における景気回復見通しの不透明感等に起因して株価が急落する場合、有価証券評価損・売却損の増加及び有価証券含み益・売却益の減少を通じて当社グループの資産運用収支、純資産及びソルベンシー・マージン比率やESR等の健全性指標等を著しく悪化させ、当社グループの財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、その他有価証券評価差額金は、当社グループの純資産と支払余力及びソルベンシー・マージン比率に影響を及ぼします。
株式市場の著しい低迷及び経済状況の悪化による保有株式の価値減少に係るリスクに備えるため、第一生命においては将来的な株価下落によるリスク顕在化に備え、株式の売却やデリバティブの活用を通じたリスク・コントロールを実施しておりますが、今後、国内外の経済状況及び株式市場が大きく悪化した場合には、当社グループに重大な損失をもたらし、当社グループの財務内容に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
3) 金利変動に関するリスク
当社グループでは、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理するため、長期的な資産・負債間のバランスを考慮しながら安定的な収益の確保を図ることを目的として、資産・負債総合管理(Asset Liability Management。以下、「ALM」という。)を行っておりますが、金利の乱高下といった大幅な市場環境の変動等が起きた場合には、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、中長期金利が長期にわたり著しく低水準で推移した場合には、収益性の確保が困難になり、販売中止を余儀なくされる貯蓄性商品が今後も発生する可能性があります。
特に、第一生命ではALMの考え方に基づき保有債券のデュレーション(残存期間)を長期化させる努力をしておりますが、契約者に対して負う債務のデュレーションは未だ運用資産よりも長期であることから、このような負債と資産のデュレーションのアンマッチ(不一致)による金利変動リスクを有しております。金利の低下局面では、より低い金利水準を求めて期限前償還又は繰上返済される債券や貸付及び満期を迎えて償還される資産を再投資した際の運用利回りは従来より低くなるため、平均運用利回りは低下いたします。既契約の保険料が原則として変わらない一方、このような低い金利水準により資産運用ポートフォリオの利回りが低下することで、当初想定していた運用収益が確保できない、あるいは逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均利回りが既契約の保険料率の設定に用いた予定利率を下回る状態)となる可能性があり、当社グループの収益性及び長期的な事業運営能力に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
逆に、金利が上昇する局面では、資産運用利回りが上昇することにより資産運用ポートフォリオの収益力を向上させることができる一方で、保険契約者がより高収益の資産運用手段を求めることにより保険契約の解約が増える可能性があります。更に、金利上昇時は債券等の価格が下落し、含み損益の悪化により純資産にマイナスの影響を及ぼします。当社グループは金利上昇リスクに対応し、会計上、一定のデュレーションマッチングを条件に簿価評価が可能な責任準備金対応債券を積極的に活用することにより、かかる影響を緩和しておりますが、金利が短期間で大幅に上昇した場合は当社グループの財務内容及び収益性に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、第一フロンティア生命においても、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理するためALMを行っておりますが、2018年度以降販売を伸ばしている米ドル建並びに豪ドル建商品には市場価格調整(MVA)が付加されており、米金利及び豪金利の大幅かつ急速な低下に伴い、当社グループの財務内容及び収益性に重大な影響を及ぼす可能性があります。これについて、当社グループではグループ内に再保険会社を設立し、第一フロンティア生命における一部の保険契約について同再保険会社への出再を行うことで会計上の影響を緩和する等の対策を行っております。
4) 資産運用ポートフォリオに係るその他のリスク
安定的な資産運用収益の獲得は当社グループの事業運営にとって重要であるため、当社グループの資産運用ポートフォリオは、国内外の公社債及び株式以外にも、貸付金、不動産並びにオルタナティブ投資等幅広い資産区分に分散投資することでリスク抑制的な運営を行っておりますが、以下に掲げる様々なリスクを回避できない可能性があります。
a 為替リスク
当社グループの保有する有価証券には外貨建てのものも含まれております。外貨建ての有価証券とは、主に外国債券(外国の国債・政府機関債・社債等)、外国株式及び証券化商品でありますが、特別勘定において保有するもの及び外貨建商品に係る責任準備金に実質的に対応させて保有するものを除いて、外国為替相場の変動による時価の変動が当社グループの業績に実質的に影響を及ぼします。当社グループは、保有する外国債券の一定割合について外国為替相場の変動をヘッジしておりますが、著しい為替差損等が生じた場合、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
b 信用リスク
当社グループが保有する債券の発行体の信用力が信用格付けの引下げ等により低下し、債券の市場価格が下落する可能性及び保有する債券の発行体が元利金不払い等債務不履行に陥る可能性並びに当社グループの貸付先の財務内容悪化や信用力低下等による貸付金の評価額が減少する可能性があります。その結果、有価証券評価損の発生、有価証券売却損益・含み損益の悪化、貸倒引当金を上回る損失の発生や引当金の増額が必要となることで、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが市場リスクをヘッジするために用いている金利スワップ、為替予約、株価指数先物等のデリバティブ取引についても、カウンターパーティー・リスク(デリバティブ取引等の相手方の信用リスク)を有しており、カウンターパーティーに債務不履行が生じた場合には、有価証券評価損及びその他損失の発生や、有価証券売却益及びその他利益の減少につながる可能性があり、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは貸付先の財務内容や信用力が悪化するリスクにさらされており、当該リスクは当社グループの貸付金ポートフォリオの信用コストを上昇させる可能性があります。即ち、当社グループは貸付先に関する評価・見積りに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、国内外の経済状況の悪化や業種固有の問題等により債務不履行や信用力の低下が発生した場合には、実際に発生する損失が引当金を超過し又は引当金の増額が必要となり、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内のメガバンクに対して相当量のエクスポージャー(与信等の残高)を有しておりますが、それは主に劣後債であります。一般的に、これら劣後性証券の価値はシニア債券の価値に比べて、発行体である銀行の信用情報の変化に、より大きく影響を受ける傾向があります。そのため、国内の銀行の信用状況や財務内容が悪化した場合には、有価証券評価損、引当金の増額及びその他損失の発生又は有価証券売却益及びその他利益の減少につながる可能性があり、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
c 不動産投資に関するリスク
当社グループは、営業・投資を目的とする不動産を保有しております。景気低迷により、不動産価格や賃貸料の下落及び空室率の上昇等が生じた場合には、当社グループの不動産関連収益は減少し、結果として、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5) 資産流動性に関するリスク
当社グループが提供する多くの商品は、契約者が積立金の一部を引き出すこと及び契約を解約し解約返還金を受け取ることを認めております。
当社グループは、今後予想される積立金の引出しや解約の請求、保険金・給付金等の支払い及び金融機関等とのデリバティブ契約に関する担保の差入れ要請に対応するために十分な流動性を提供し維持できるよう、負債の管理と資産運用ポートフォリオの構築をしており、また、流動性を高めるために当座借越契約を締結しております。一方で、不動産、貸付金及び私募債等の一部の資産は一般的に流動性に乏しいものであります。当社グループが、例えば、不測の引出しや解約、感染症の大流行等の大規模災害により、急遽、多額の現金の支払いを求められる場合、当社グループの流動資産及び当座借越が無くなり、その他の資産も不利な条件で処分することを強いられる可能性があります。更に、金融市場における混乱は、当社グループが有利な条件で資産を処分できない又は全く処分できないといった、流動性における危機をもたらす可能性があります。当社グループが不利な条件での資産の処分を強いられる又は資産を処分できない場合には、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 保険引受に関するリスク
1) 保険商品の料率設定及び責任準備金の積立ての前提が変動するリスク
当社グループの収益は、当社商品の料率設定及び責任準備金額の決定に用いる計算基礎率が保険金・給付金等の支払い実績とどの程度一致するか等に大きく影響されます。計算基礎率には、将来の死亡率(予定死亡率)、資産運用収益率(予定利率)、事業費率(予定事業費率)を含みます。計算基礎率よりも実際の死亡率が高かった場合、資産運用収益が低かった場合、事業費がかかり過ぎた場合には、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、標準生命表や標準利率の改定は計算基礎率の設定に影響し、結果として会社の財務内容及び業績にも影響を及ぼし得ます。近年、当社グループが販売に力を入れている「第三分野」の保険商品(医療保険、がん保険、介護保険等)の料率設定の計算基礎率は、伝統的な死亡リスクを保障する生命保険商品の計算基礎率に比べて限定的な経験に基づくことが多く、相対的に高い不確実性を内包しております。
当社グループは、保有契約の責任準備金について定期的に計算を行い、責任準備金の変動分を費用又は収益として計上しております。保険金・給付金等の支払い実績が当初の計算基礎率より多額となる等により責任準備金の積立不足が顕在化した場合、又は環境の変化によって当社グループの責任準備金の計算基礎率を変更せざるを得ない場合においては、当社グループは責任準備金の積み増しを行うことが必要となる可能性があります。このような積み増しが多額である場合には、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが販売している円貨建及び外貨建定額商品等の中には、市場価格調整(MVA)を設定するものがあり、国内外の市場金利の低下局面においては責任準備金の積増し、上昇局面においては責任準備金の取崩しが必要となることから、会計上の一時的な変動要因となる可能性があります。更に、当社グループで販売している変額年金保険の中には、最低給付の保証を特徴とするものがあります。この保証型商品については、責任準備金に不足があれば積み増しを行う必要があり、結果として費用が増加する可能性があります。当社グループは、ダイナミックヘッジ(価格変動リスクをヘッジする手法の一つ)の活用や再保険契約の締結等によって最低給付保証に係るリスクのヘッジに努めておりますが、こうした取組みが成功するとは限らず、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2)医療技術の進展に関するリスク
近年、様々な医療分野において研究開発が進められております。これらにより疾病の発症予測・検診・診断や予防医療、治療に関する技術開発が進んだ場合、従来であれば発見されなかった疾病が発見されることや、将来の疾患リスクが把握できることにより、リスクの高いお客さまが積極的に高額の保険に加入する逆選択加入のリスクが増加したり、保険金等の支払いが大幅に増加する可能性があります。
他方、リスクの細分化が進むことによる保険料競争の激化の他、自由診療・混合診療が拡大することに伴う医療費高騰による給付金額との大幅な乖離、新たな疾病の発見による保障内容の陳腐化等により現行商品の競争力が劣後する可能性があります。さらに、リスクの低いお客さまにおいては保険の加入ニーズが低下し、新契約の販売が減少するとともに既契約の解約が増加する可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
第一生命では、これらのリスクに備えて、保有契約および販売中の商品の保障内容を踏まえ、がんに関わる医療技術を中心に動向等を調査・分析し、今後3~5年の期間を見据えた「技術の精度」、「技術の普及度」を評価することで、保険金等の支払いに与える影響等を分析しております。
3)再保険取引に関するリスク
当社グループは、責任準備金の積立てにかかるリスクの軽減や金利リスク削減等のため、再保険契約を活用しております。しかし、再保険取引は、将来適切な条件で締結できない又は再保険の締結自体ができないリスクがあるとともに、カウンターパーティー・リスクにさらされており、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) オペレーショナル等に関するリスク
1) サイバー攻撃・システム障害に関するリスク
当社グループでは、グローバルに展開するグループ経営を安定的に支え、世界各国のお客さまへの持続的な価値提供を実現するために、COBIT5(※3)を採用したグループITガバナンスの態勢整備を推進しております。
また、「グループITガバナンス基本方針」を制定し、COBIT5をベースとしたITガバナンスの態勢整備の方向性をグループ内で共有しております。ITガバナンスの推進をベースとして、ITの各種の取組みについて意見交換・情報共有を進めることで、国内外のグループ会社とシナジー創出を行い、グローバル経営へ貢献するIT活用を目指しております。また、国内外のグループ生命保険事業会社のIT責任者を一堂に会したカンファレンスを年に一度開催し、各社の事業特性を尊重しつつ、グループ共同での取組み等の検討も進めております。
しかしながら当社グループの事業運営は、外部の業務委託先によるものを含め、情報システムに大きく依存しております。当社グループは、これらのシステムに依拠して、保険契約の管理、資産運用、統計データ及び当社グループのお客さまの個人情報の記録・保存並びにその他の事業を運営しております。当社グループが事業運営や商品ラインアップを拡大するにつれて、情報システムへの多額の追加投資が必要となる可能性があります。その結果として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
事故、火事、自然災害、停電、ユーザー集中、人為的ミス、妨害行為、ハッキング、従業員の不正、ソフトウェアやハードウェアのバグや異常、ウィルス感染やネットワークへの侵入を原因とするインターネット全般への悪影響又は設備、ソフトウェア、ネットワークの障害等の要因により、当社グループの情報システムが機能しなくなる可能性があります。このような障害は、当社グループがお客さまに提供するサービス、保険金・給付金等の支払いや保険料の集金、資産運用業務等を中断させる可能性があります。また、当社グループのレピュテーションの低下、お客さまの不満やお客さまからの信頼の低下等のその他の深刻な事態をもたらす可能性があり、また、既契約の解約の増加、新契約販売の減少、行政処分につながるおそれもあります。その結果として、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※3 COBIT5:米国情報システムコントロール協会・ITガバナンス協会の提唱するITガバナンスの成熟度を測るフレームワーク
2) 情報漏洩に関するリスク
当社グループは、外部の業務委託先によって提供されるものを含め、オンラインサービスや集中データ処理を広く利用しており、機密情報を厳格に管理することは当社グループの事業において重要であります。顧客情報を紛失したり、ご本人の同意なく情報が開示されてしまうことが、現在まで又は将来において全くないとは限らず、当社グループ、外部の業務委託先及び当社の戦略的提携先の情報システム等から情報が漏洩しないとも限りません。当社グループ及びその従業員がお客さまの個人情報を紛失した場合若しくはご本人の同意なく開示した場合又は第三者が当社グループ、提携先又は外部の業務委託先のネットワークに侵入して当社グループの顧客情報を不正利用した場合には、当社グループが損害賠償を請求され、その結果として、当社グループのレピュテーションを大きく低下させ、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
3)訴訟リスク
当社グループのうち保険事業を営む会社は、恒常的に、保険事業に関連した訴訟を抱えております。現在及び将来の訴訟の結果について予想することはできませんが、その結果によっては、当社グループに多額の損害賠償責任が発生する可能性があります。当社グループでは、「グループコンプライアンス規程」の制定、グループコンプライアンス委員会の設置及び同委員会におけるグループ会社のコンプライアンス推進状況のモニタリング等を通じて可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための体制を整備しております。多大な法的責任が課された場合や訴訟への対応に多大なコストがかかった場合、当社グループのレピュテーションが低下し、また当社グループの事業、財務内容、業績及びキャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) パンデミック・大規模災害等に関するリスク
1) 大規模災害等に関するリスク
当社グループは、東京等の人口密集地域又は広範囲な地域を襲う地震・津波・テロ・紛争・戦乱等の大規模災害を原因として大量の死者が出た場合に、保険給付に関する予測不可能な債務を負うリスクにさらされております。当社グループは、業界慣行や会計基準に従って危険準備金を維持しておりますが、こうした準備金が実際の保険給付債務をカバーするのに適切な水準にあるとは限らず、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、物理的な被害その他のこうした大規模災害の影響により、当社グループの業務運営に重大な支障を来す可能性があります。
更に、当社グループが主に事業を展開する日本国内の業務及び情報システム等は、外部の業務委託先及び取引先と同様に首都圏に集中しているため、首都圏に被害を及ぼす地震等の災害によって当社グループの事業運営が著しい混乱に陥る可能性があります。地震等の災害が発生した場合には、当社グループ、外部の業務委託先及び取引先が直ちに業務を再開できるとは限らず、その結果として当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは首都圏における大規模災害の発生に備えて、データセンターについて首都圏外に移管するなど、当該リスクにおける影響を緩和する対策を進めております。
2) パンデミックに関するリスク
新型コロナウイルスや、鳥インフルエンザ・新型インフルエンザのような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、保険給付に関する予測不可能な債務を負うリスクにさらされております。当社グループは、業界慣行や会計基準に従って危険準備金を維持・積み増ししている他、ストレス・テスト等によるリスク耐性確認を定期的に実施しておりますが、感染の世界的な拡大や金融市場の混乱といったストレス・シナリオの想定を大幅に超える事態が発生した場合等においては、こうした準備金が実際の保険給付債務をカバーするのに適切な水準にあるとは限らず、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3) 気候変動に関するリスク
2016年のパリ協定発効により、環境問題とりわけ気候変動への対応は国際社会全体で取り組む課題であるとの認識が高まっております。グローバルに生命保険事業及びアセットマネジメント事業を展開する当社グループにとっても、気候変動はお客さまの生命や健康、企業活動、社会の持続可能性等に大きな影響を与えうる重要な経営課題と認識しております。
こうした認識の下、当社グループは、気候変動が及ぼすリスクと機会の評価によって経営のレジリエンス(強靭性)を強化するとともに、その状況の開示によるステークホルダーとの健全な対話を通じた企業価値の向上を図るために、2018年9月にTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言への賛同を表明いたしました。また、2020年度は、第一生命で、本邦初となる「ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス(※4)」への加盟を通じて、2050年までの運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量実質ゼロを表明し、「RE100(Renewable Energy 100%)(※5)」については2023年度までの達成に加え、特に投資用不動産については2021年度中の100%再生可能エネルギー化を目指す方針を決定いたしました。
その一方で、気候変動の物理的リスクと移行リスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク)は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。物理的リスクとしては、温暖化に伴う熱中症や感染症の増加による保険金・給付金支払額の増加、台風等による水害発生の増加に伴う保険金・給付金支払額の増加等が想定されます。また、移行リスクとしては、炭素税導入、市場・社会環境変化による資産の毀損、新技術開発、消費者行動の変化への対応等の環境変化への対応が不十分な企業への投融資価値の低下等が想定されます。
※4 パリ協定での目標(気温上昇を1.5℃未満に抑える)達成を目的に、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアティブ
※5 事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする協働イニシアティブ
(5) その他のリスク
1) 法規制に関するリスク
a 当局の監督権限に関するリスク
当社及び当社グループの国内生命保険会社は、保険業法及び関連業規制の下、金融庁による包括的な規制等の広範な監督下にあります。また、当社グループの海外生命保険会社は、それぞれが事業を行う国や州等の法令や規制等の影響を受けます。
例えば、日本の保険業法は、保険会社が行える事業の種類ごとに規制を設けるとともに、保険会社に一定の準備金や最低限のソルベンシー・マージン比率を維持させることとしております。保険業法は、内閣総理大臣に対して、免許取消しや業務停止、報告徴求、会計記録等に関する厳格な立入り検査の実施等、保険業に係る広範な監督権限を与えております。また、保険業法その他の法令等のうち特に重要なものに違反した場合等には、内閣総理大臣は保険会社の免許を取り消すことができます。また、保険会社の財産の状況が著しく悪化し、保険業を継続することが保険契約者等の保護の見地から適当でないと認められる場合にも、内閣総理大臣は保険会社の免許を取り消すことができます。
このように、仮に、監督当局によって当社グループの生命保険会社の免許が取り消されることになれば、その会社は事業活動を継続できなくなり、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
b ソルベンシー・マージン比率等の規制に関するリスク
現在、当社及び当社グループの国内生命保険会社は、保険業法及び関連業規制に基づき、自己資本の充実度合いを計る基準であるソルベンシー・マージン比率を200%超に維持するよう要求されております。また、当社グループの海外生命保険会社についても、各国の規制等により財務健全性を一定水準に保つことが求められております。
例えば、国内生命保険会社がソルベンシー・マージン比率やその他の財務健全性指標を適切なレベルに維持できない場合には、内閣総理大臣はその生命保険会社に対して早期是正措置を命じることができます。具体的には、生命保険会社のソルベンシー・マージン比率が200%を下回った場合に、その状況に応じて内閣総理大臣の是正措置命令が発動されることで、保険会社に対して早期に経営改善への取組みを促す制度であり、ソルベンシー・マージン比率の水準等に応じて、措置内容が定められております。また、実質純資産額(※6)がマイナス又はマイナスと見込まれる場合にも、内閣総理大臣から業務の全部又は一部の停止を命じられる可能性があります。このような早期是正措置により、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
c 国際的な規制に関するリスク
保険監督者国際機構(以下、「IAIS」という。)は、国際的に活動する保険会社グループ(以下、「IAIG」という。) を対象とした共通の監督の枠組みであるコムフレームを開発しており、2019年11月に採択されております。当社は、IAISが定めるIAIGの定量基準を満たしており、金融庁よりIAIGに選定されております。特に、コムフレームの一部である、経済価値に基づく新たな資本規制であるICSについては、現在の規制とは大きく異なることが予想され、金融庁によって本規制が導入された場合又は本規制導入に関連し、その他の基準改正がなされた場合には、これらの改正によって生じる制約が、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、金融安定理事会は、毎年グローバルなシステム上重要な保険会社(以下、「G-SIIs」という。)を選定し、G-SIIsに対する監督の強化を含む、一連の政策措置を導入しておりましたが、2019年11月にIAISにより採択された「保険セクターのシステミックリスクに対する包括的な枠組み」(以下、「包括的な枠組み」という。)を踏まえて2017年以降選定を凍結しております。今後は、包括的枠組みの各国における実施状況に基づき、2022年11月にG-SIIs選定の存続要否を再検討することとしております。仮に当社がG-SIIsに選定された場合には、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
包括的な枠組みは、G-SIIs選定のように個社のリスクを捉えるだけではなく、複数の保険会社が一斉に同じような行動を起こす場合に発生しうるリスクを捉えようとする活動ベースの手法を中心的な要素とするものであり、予防的な監督上の政策措置や監督当局による介入権限を含めるものです。金融庁によって本規制が導入された場合又は本規制導入に関連し、その他の基準改正がなされた場合には、これらの改正によって生じる制約が、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※6 実質純資産額とは、貸借対照表の資産を基礎として計算した額(有価証券・不動産等について一定の時価評価を行ったもの)から負債の部に計上されるべき金額を基礎として計算した額(負債の額から価格変動準備金・危険準備金等の額を差し引いた額)を控除した金額をいい、内閣総理大臣による早期是正措置において、実質的な債務超過の判定基準として用いられる額であります。
2) 法改正に伴うリスク
日本及び当社グループが事業を営む海外各国において、法規制の改正及びその執行に関する政府方針の変更、当社グループ及び生命保険各社に対する規制措置並びに当社グループが取扱う商品ラインナップの拡大等に関連する規制動向は、当社グループの保険商品の販売に影響を及ぼし、コンプライアンス・リスクを高めるとともに、コンプライアンスの強化・改善のための追加支出や競争の激化をもたらし、当社グループの事業、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業には、多数の営業職及び販売代理店が関与しており、将来において規制の改正がなされた場合、適時にこれに適合した態勢をとることができるとは限りません。
また、日本の現行の所得税法は、当社グループが提供する大部分の保険商品の払込保険料の全部又は一部について所得控除を認めております。同様に、法人又は中小企業の契約者は、一定の条件の下で、定期保険や年金商品のような特定の保険商品につき、保険料の全部又は一部を経費として損金算入することが認められております。こうした当社グループの保険商品の保険料に対する税務上の取扱いに影響を及ぼす税制改正は、第一生命やネオファースト生命をはじめとした当社グループの新契約販売数、ひいては業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3) 保険販売が個人向け生命保険商品に集中しているリスク
当社グループの国内生命保険会社の保険料収入においては、個人向け生命保険契約によるものの占有率が高く、個人向け生命保険商品の販売においては、以下に掲げるものを含む様々な要因が影響を及ぼしております。
・国内の雇用水準及び家計所得水準
・貯蓄の代替商品及び投資商品の相対的な魅力
・保険会社の財務健全性、信頼性及びレピュテーションに対する一般的な認識
・出生率の動向及び高齢化といった日本の人口構成に影響を及ぼす長期的な人口動態
・販売チャネルや商品に対するお客さまのニーズ
このような要因の変化等は、当社グループの個人向け生命保険商品における新契約販売の減少又は既契約の解約・失効の増加をもたらし、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内生命保険事業では個人向け生命保険商品の販売チャネルの多様化・複線化を進めているものの、現時点では、大部分を営業職チャネルや銀行等の金融機関に依存しております。今後、新たなチャネルが規制や環境の変化等により、既存のチャネルに取って代わる程の規模に成長した場合や、営業職の採用環境が熾烈化し、想定の採用数を確保できずに営業職在籍数が大幅に減少する場合等には、当社グループは現在の競争力・収益性と市場シェアの維持という点において課題に直面し、結果として、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
4) 銀行等のチャネルでの販売に関するリスク
当社グループは、銀行や証券会社といった販売チャネル向けの年金商品等の開発・販売を専門とする第一フロンティア生命を子会社として設立し、2007年10月より販売を開始しております。変額年金保険等において、国内景気の停滞、資産運用パフォーマンスの不振による需要の減少及び金融機関間の競争激化等の厳しい事業環境により、同社の販売が低迷する可能性があります。また、第一フロンティア生命は、最低給付保証(変額年金商品の中にはかかる保証が付されているものがあります。)に係るリスクへのエクスポージャー(リスク量)を管理するため、特定の金融機関代理店を通じて販売する変額年金商品の販売抑制を実施する場合があります。
当社グループは、販売代理店数を増やし、また、円建定額保険、外貨建定額保険等、商品ラインアップの多様化を図っておりますが、このような事業環境において当社グループが競争力を確保し、又は販売を拡大して目標となる収益性を達成できるとは限りません。更に、販売代理店である銀行・証券会社等の金融機関と当社の営業職との間の競争が将来激化する可能性があります。これらの結果、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5) 新市場等における取組みが成功しないリスク
近年、お客さまニーズが多様化する中、銀行窓口において、貯蓄性保険に加えて保障性保険の販売が拡大し、また銀行・来店型保険ショップ等において、商品を自ら比較検討したいというご意向を持つお客さまが増加しております。
そこで、当社グループはネオファースト生命を通じて、こうしたお客さまに対し、銀行窓口、来店型保険ショップ等のチャネルを通じて、医療保険等の第三分野を中心に、商品性がわかりやすく、手続きが簡便な、新しい商品とサービスを提供しております。
当社グループは、競争環境に合わせた戦略立案・商品提供を行っておりますが、競争戦略が想定どおりに実現できなかったり、競合他社から類似商品が販売されたりすることで、販売件数が想定に満たない場合が考えられます。また、代理店に対する保険会社間の手数料競争が激化することで、手数料率が高水準となり事業費が増加する場合が考えられます。それらの結果、新市場における取組みが収益性を確保するまでに、想定以上の期間が必要となる可能性があります。
6) 日本の人口動態に関するリスク
日本の合計特殊出生率は、1975年頃から長期に低下傾向にありました。2005年以降反転上昇したものの、近年は微減傾向が続いており、足元の水準は日本の人口置換水準からは遠い状況にあります。当社はこうした人口動態を踏まえた商品の開発や営業戦略の策定を行っておりますが、今後、更に人口が減少し、生命保険に対する需要が減少することになれば、当社グループの生命保険事業の規模が縮小し、財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
7)競争状況に関するリスク
当社グループの国内生命保険会社は、日本の生命保険市場において、国内生命保険会社、外資系生命保険会社、保険子会社を保有している又は大手保険会社と業務提携している国内の大手金融機関との激しい競争に直面しております。特に、規制緩和、死亡保障性の保険商品に対する需要の低下及び外資系生命保険会社との競争の激化等により、日本の生命保険市場における競争環境は熾烈化しております。競合他社の中には、卓越した金融資産や財務力格付け、高いブランド認知度、大規模な営業・販売ネットワーク、競争力のある料率設定、巨大な顧客基盤、高額な契約者配当、広範囲に亘る商品・サービス等において、当社グループより優位に立っている企業もあります。加えて、近年は、商品開発やお客さまサービスへのビッグデータ等の活用が積極化されており、当社グループのICT活用が他社に劣後した場合には、新契約の獲得・既契約サポートが思うように進まず、将来利益を逸失するリスクがあります。
また、株式会社かんぽ生命保険は、巨大な顧客基盤や全国的な郵便局のネットワークの活用、日本郵政株式会社を通じた間接的な一部政府出資の存在等から、日本の保険市場における競争優位性を保持しております。当該競争優位性を保持したまま、株式会社かんぽ生命保険の業務範囲の拡大(保険金額の上限見直しや販売できる保険契約の種類拡大等)が進められた場合、当社グループの国内生命保険会社の競争力が相対的に低下する可能性があります。なお、2016年3月29日、当社は株式会社かんぽ生命保険との間で業務提携に係る基本合意に至りました。この基本合意は、両社の強みを相互補完・融合することで事業基盤を強化し、持続的な企業価値の向上を実現すること等を目的としております。加えて、当社グループは、全国共済農業協同組合連合会、全国労働者共済生活協同組合連合会、日本生活協同組合連合会のような、競合する保険商品を提供している各種協同組合との競争にも直面しております。
また、各種の規制撤廃策は日本の生命保険業界における競争の激化をもたらしました。例えば、1998年から2007年の間に制定された数多くの規制緩和のための法改正によって、証券会社や銀行で保険商品が販売できるようになりました。当社グループは規制緩和により激化した競争環境について、更に激しさを増していくと考えております。更に、来店型保険ショップやインターネット等を主要な販売チャネルとして活用する保険会社の新規参入によって、価格競争が激化する可能性もあります。その他、日本の金融業界における新たな再編が生命保険商品の販売における競争環境に影響を及ぼす可能性があります。
また、ベトナム、オーストラリア及び米国における保険会社の買収、インド、タイ及びインドネシアにおける保険会社への出資、カンボジア、ミャンマーにおける保険会社の設立により、当社グループはそれぞれの海外市場において現地保険会社との競争に直面しております。
当社グループが競争力を維持できない場合には、このような競争圧力等により当社グループの新契約販売が減少するとともに既契約の解約が増加し、当社グループの事業及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
8) ステークホルダーの不正により損害を被るリスク
当社グループは、従業員や販売代理店、外部の業務委託先及びお客さまといったステークホルダーによる詐欺その他の不正による潜在的な損失にさらされております。当社グループが擁する営業職及び販売代理店は、お客さまとの対話を通じて、お客さまの個人情報(家計情報を含みます。)を熟知しており、一部の業務委託先もお客さまの個人情報を了知しているため、当該個人情報を用いて不正が行われる可能性があります。不正としては、違法な販売手法、詐欺、なりすましその他個人情報の不適切な利用等があり得ます。
保険契約の詐欺的な使用や、保険契約時のなりすまし等、お客さまも詐欺的な行為をすることがあります。また、反社会的勢力であることを秘して当社グループと取引を行う者もいます。当社グループは、このような詐欺的行為を防ぎ、見破るための対策をとっておりますが、当社グループの取組みがこれらの詐欺、違法行為又は反社会的勢力との取引を排除できない可能性があります。
従業員、代理店、取引先及びお客さまがこれらの不正を行った場合、当社グループのレピュテーションが大幅に低下し、当社グループは重大な法的な責任を問われるとともに、行政処分につながるおそれがあります。それらの結果として、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
第一生命では、2020年度において、元従業員による金銭の不正取得事案が複数明らかとなりました。
これを受け、第一生命では、個人保険・個人年金保険のお客さまを網羅的に対象として、金銭の不正取得等の被害を受けていないかどうかの確認を開始するとともに、第一生命の商品の取扱いにおいて、同社の従業員がお客さまから直接金銭を授受することを禁止する事務手続の構築等を含めて、金銭に係る不正行為の撲滅に向けた体制の整備・充実を早期に実施する等の対応を進めております。当該事案の発生原因分析及び再発防止策に関しては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) 経営環境及び対処すべき課題」をご参照ください。
第一生命では、こうした事案の発生を受け、徹底した意識改革に集中的に取り組み、これに応じた営業方針の見直しを進めておりますが、今後、伏在調査等を通じ他の不正事案が判明する等の場合には、第一生命並びに当社グループの社会的信用が更に毀損されることになり、業務運営に影響を及ぼす可能性があるほか、追加的な営業方針の見直し等が必要となる場合が考えられ、その場合、当社グループの事業運営、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9) 風評リスク
当社グループは、不適切な事象の発覚等に端を発して、社名が報道・公表された場合に、当社グループの信用が著しく失墜し、損失を被る可能性があります。
当社グループは、プレスリリース及び適時情報開示等により信頼の維持・向上を図り、リスク顕在化の未然防止に努めておりますが、メディアにより事実とは異なる情報が流布された場合にも、保険契約者や市場関係者等が当社グループについて報道された情報に基づき理解・認識する可能性があり、それにより当社グループのレピュテーションが低下し、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
10) M&Aが想定どおりのメリットをもたらさないリスク
当社グループは、株式会社化以来、M&Aを成長戦略の一環と位置づけており、今後もその機会を追求してまいります。しかし、将来のM&Aについては、そもそも適切な買収対象があるとは限らず、また、適切な買収対象があった場合にも、当社にとって受入れ可能な条件で合意に達することができない可能性があり、この他、買収資金を調達できない可能性、必要な許認可が取得できない可能性、法令その他の理由による制約が存在する可能性があり、買収を実行できる保証はありません。また、買収実行後に買収対象企業の価値が低迷した場合には、減損処理が必要となる可能性もあります。当社グループは、近年、適切な買収対象の選定、M&Aの実行及び被買収事業の当社グループへの統合等につき経験を積み重ねておりますが、将来的なM&Aの成功は、以下のような様々な要因に左右されます。
・買収した事業の運営・商品・サービス・人財を当社の既存の事業運営・企業文化と統合させる能力
・当社グループの既存のリスク管理、内部統制及び報告に係る体制・手続きを被買収企業・事業に展開する能力
・被買収事業の商品・サービスが、当社の既存事業分野を補完する度合い
・被買収事業の商品・サービスに対する継続的な需要
・目標とする費用対効果を実現する能力
また、当社連結子会社であるProtective Life Corporationが行う保険ブロック買収事業(他の保険会社から保険契約を買取り、必要に応じて契約内容を変更し、義務を履行する業務)が、想定どおりの収益性を確保できない可能性があります。
これらの結果、M&Aが想定どおりのメリットをもたらさなかった場合、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
11) 海外事業の拡大に関連するリスク
近年、当社グループは、日本以外の収益基盤を確保するために、海外において保険事業を積極的に展開しております。特に、海外保険事業では、ベトナム、オーストラリア及び米国における保険会社の買収、インド、タイ及びインドネシアにおける保険会社への出資、カンボジア、ミャンマーにおける保険会社の設立等を行っております。また、展開地域の拡大に伴い、北米及びアジアパシフィック地域に、地域統括会社を設立し、経営管理・支援体制の強化を図っております。当社グループは、進出各国における保険事業のバリューアップに努めておりますが、生命保険商品の普及率が当社の予想水準、あるいは成熟市場の水準まで向上するとは限らず、その結果、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、海外への展開においては、以下を含む様々なリスクにさらされております。
・政情や治安の不安
・外国為替相場の変動
・将来起こりうる不利益な税制
・法令や規制の予期せぬ変更
・お客さまニーズ、市場環境及び現地の規制に関する理解不足
・人財の採用・雇用及び国際的事業管理の難しさ
・新たな多国籍企業との競争
海外事業の拡大に取り組む中で、上記のような事業展開に関連する様々なリスクが顕在化し、想定した事業展開を行うことができない可能性があります。また、海外企業への投資に関連して減損が生じる可能性や、当社グループの目標を達成できない市場から撤退する可能性があります。これらの結果、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、ミャンマーにおいては、2021年2月1日にミャンマー国軍が与党国民民主連盟の幹部等を拘束し、1年間の非常事態宣言が発令された影響により、本書提出日現在において、現地における営業活動を実質的に停止しております。今後も従業員の安全確保を最優先しつつ、引き続き情勢を注視してまいります。
12) 従業員の雇用等に関するリスク
当社グループの主たる保険会社である第一生命の事業は優秀な営業職を雇用・教育・維持できるかということに大いに左右されますが、優秀な営業職を確保するための競争が激化しております。営業職による保険販売は同社保険料収入の大部分を占めており、その中でも生産性の高い営業職による保険販売は、個人向けの保険商品の販売において非常に高い割合を占めております。営業職の平均的な離職率は同社の営業職以外の従業員に比べて著しく高く、生産性の高い営業職を維持し又は採用し続けるための努力が実を結ぶとは限りません。また、当社グループの資産運用部門や保険数理部門の従業員も高度な専門性を求められるため、優秀な人財を確保、教育・維持するためには特別な努力が必要となります。当社グループが優秀な従業員を確保、教育・維持できない場合や、これらの事由により想定している販売計画を大幅に下回る場合には、当社グループの事業展開及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)「重要なリスク」以外の主なリスク
1)当社グループの格付けの引下げに伴うリスク
当社グループの財務健全性が実際に悪化した又は悪化したと判断された場合、保険契約の解約・払戻しの増加、新契約販売の減少、費用の増加、当社グループの資産運用・資金調達・資本増強策に関連するその他の問題という形で、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの悪影響は、保険業界全体における格付けの引下げの可能性、否定的なメディア報道や風評、業績悪化のみならず、実際の当社グループ会社の格付けの引下げやソルベンシー・マージン比率等の健全性指標の大幅な悪化によって生じる可能性があります。また、特に他の生命保険会社と比較して、当社グループの健全性指標が大幅に悪化した場合には、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの財務健全性が実際に悪化した又は悪化したと判断された場合に加え、当社グループが資金調達を行おうとする資本市場・信用市場が悪化した場合等にも、当社グループにとって有利な条件で資本増強ができない又は資本増強そのものができないおそれがあり、結果として、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2)提携先との関係及び提携先の業績に係るリスク
当社グループは、販売チャネル及び商品ラインアップの拡大のために、損害保険ジャパン株式会社、アフラック生命保険株式会社、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社りそなホールディングス及び株式会社かんぽ生命保険といった生命保険業界内外の企業と業務提携を行っております。これらの提携関係は、第三分野商品や年金商品等の販売の拡大や、事業基盤の強化を通して、持続的な企業価値の向上を実現すること等を目的としております。また、当社の関連会社で、国内最大級の年金資産運用会社であるアセットマネジメントOne株式会社は、株式会社みずほフィナンシャルグループと当社が出資している合弁会社であります。アセットマネジメントOne株式会社における当社の株主議決権保有割合は49%、経済持分割合は30%であります。これらの戦略的提携先が、財務面等事業上の問題に直面した場合、業界再編等によって戦略的志向を変更した場合又は当社が魅力的な提携相手でなくなったと判断した場合には、当社グループとの業務提携を望まなくなる又は当該提携が解消される可能性があります。当社グループが業務提携を継続できない場合には、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3) リスク管理に係るリスク
当社グループのリスク管理の方針・手続きは、保険引受リスク、資産運用リスク、流動性リスク、事務リスク、システムリスクを含む幅広いリスクへの対応を想定したものとなっております。当社グループのリスク・エクスポージャーの管理手法の多くは、過去の市場動向や歴史的データによる統計値に基づいております。これらの手法は将来の損失を予測できるとは限らず、将来の損失は過去実績によって示される予想損失を大幅に上回る可能性もあります。その他のリスク管理手法は、ある程度、市場やお客さま等に関する一般的に入手可能な情報に対する当社の評価に依拠しておりますが、それらの情報は常に正確、完全、最新であるとは限らず、また適切に評価されているとは限りません。更に、当社グループのリスク管理手続きにおいては、多数のグループ会社等の情報源から収集した情報を統合する過程で誤りが生じる可能性もあります。一般的に、これらのリスク管理方針・手続きにおける誤りや有効性の欠如は、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、事務リスクの管理においては、膨大な取引や事象を適切に記録し検証するための方針・手続きが必要となりますが、当社の方針・手続き自体が必ずしも有効であるとは限りません。従業員、前記2)記載の提携先又は外部委託先による事務手続き上の過失は、当社グループのレピュテーション上又は財務上の損害をもたらす可能性があるとともに、行政処分につながるおそれもあり、これらの結果として、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります
4) 退職給付費用の増加に関するリスク
当社グループは、年金資産の時価の増減、年金資産における収益率の低下又は退職給付債務見込額の計算基礎率及び資産運用利回りの変化により、当社グループの退職給付制度に関する追加費用を計上する可能性があります。また、当社グループには、将来、当社グループの退職給付制度の変更に伴う未認識の過去勤務費用の負担が生じる可能性があります。その結果として、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5) 契約者配当の配当準備金に係るリスク
当社の連結損益計算書上の契約者配当準備金は費用として扱われ、これにより会計年度における純利益が減少いたします。契約者配当準備金は、第一生命に係るものでありますが、同社は契約者配当準備金の決定について裁量を有しており、契約者配当準備金の積立額の水準については、同社商品の競争力、業績、ソルベンシー・マージン比率等の様々な要素を考慮して判断する必要があります。その結果として、同社が現行水準を超える契約者配当準備金の積立てを行い、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
6) のれんの減損に係るリスク
当社グループは、他の企業又は事業を取得した場合、その取得に要した費用(取得原価)が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合には、その超過額をのれんとして認識しており、連結貸借対照表上、のれん又は有価証券に計上しております。
当社グループは、毎期のれんの減損テストを実施しており、のれんを含む資産グループから得られるキャッシュ・フロー等が継続してマイナスの場合、のれんを含む資産グループの回収可能額が著しく低下した場合、のれんを含む資産グループの経営環境が著しく悪化した場合等には、のれんの減損損失を認識する可能性があります。
7) 責任準備金の計算に係る会計基準の変更に関するリスク
責任準備金の積み増しを求める基準変更が行われた場合には、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、国際会計基準審議会は、保険負債の現在価値評価を含む、保険契約に係る新会計基準を公表しております。保険負債の現在価値評価が導入された場合、当社グループは、その時々の金利水準等の計算要素を考慮した保険負債の現在価値に基づいて責任準備金を計算していく必要があります。保険負債の現在価値評価の導入を見越して、当社グループは、現行基準において必要とされる金額を超える責任準備金の積立てを行っておりますが、想定している以上の積立てが必要になった場合には、その結果、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
8) 繰延税金資産の減額に係るリスク
当社グループは、日本の会計基準に従い、将来の税負担額の軽減効果を有すると見込まれる額を繰延税金資産として納税主体毎に繰延税金負債と相殺した上で連結貸借対照表に計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する前提を含む様々な前提に基づいているため、実際の結果がこれらの前提と大きく異なる可能性もあります。また、将来的な会計基準の変更により、当社グループが計上できる繰延税金資産の金額に制限が設けられる場合や、将来の課税所得の見通しに基づき当社グループが繰延税金資産の一部を回収できないとの結論に至った場合には、繰延税金資産が減額される可能性があります。それらの結果、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後法人税率が変更され、法定実効税率が引き下げられる場合には、中長期的には当社グループの業績の向上及びエンベディッド・バリューの増加が見込まれる一方で、法定実効税率の引き下げ前の税率を前提として計上を行った繰延税金資産の取崩しが行われることにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
9)持株会社体制に係るリスク
当社は持株会社であり、利益の大部分は、当社が直接保有する国内外の子会社や関連会社が当社に支払う配当によるものとなっております。一定の状況下では、保険業法及び会社法上の規制や、諸外国の規制により、子会社等が当社に支払うことができる配当の金額が制限される場合があります。また、子会社や関連会社が充分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合等には、当社は配当を支払えなくなる恐れがあります。
10) 生命保険契約者保護機構の負担金及び国内の他の生命保険会社の破綻に係るリスク
当社グループの国内生命保険会社は、国内の他の生命保険会社とともに、破綻した生命保険会社の契約者を保護する生命保険契約者保護機構(以下、「保護機構」という。)への負担金支払い義務を負っております。保護機構は、破綻した生命保険会社の保険契約を引き継ぐ生命保険会社に対する資金の提供等、特殊な役割を担っております。国内の他の生命保険会社と比較して、当社グループの国内生命保険会社の保険料収入及び責任準備金が増加する場合、当社グループの国内生命保険会社へ割り当てられる負担金が増加する可能性があります。また、将来的に、国内の他の生命保険会社が破綻した場合や、保護機構への負担金の支払いに関する法的要件が変更される場合には、当社グループの国内生命保険会社は保護機構に対して追加的な負担を求められる可能性があります。それらの結果、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、日本の他の生命保険会社の破綻は、日本の生命保険業界の評価にも悪影響を及ぼし、お客さまの生命保険会社に対する信頼を全般的に損ない、これにより、当社グループの国内生命保険会社の新契約販売が減少又は既契約の失効・解約が増加し、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度(2020年4月1日から開始し、2021年3月31日に終了した連結会計年度をいいます。以下同じ。) における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
①社長メッセージ
2020年10月に公表いたしました当社グループ元従業員による金銭の不正取得事案をはじめ、複数の金銭に係る不正事案等により被害を受けられたお客さま並びに関係者の皆さまからの信頼を大きく毀損する事態となり、株主の皆さまにも多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
全役員・従業員一丸となって金銭不正行為の撲滅に向けた体制の整備・充実に取り組み、皆さまからの信頼回復に努めてまいります。
2021年3月期までの中期経営計画「CONNECT 2020」では、お客さまのQOL向上や社会課題解決に向けた各種の取組みを進め、全てのステークホルダーの皆さまとのつながりを強化することを目指してまいりましたが、コロナ禍でつながりが一部分断され、一連の金銭不正事案の発覚もあり、大きな課題を残すこととなりました。
そのため、2022年3月期からは、全てのステークホルダーの皆さまと「再度、より良い形でつながり直す」という想いを込めて、新中期経営計画「Re-connect 2023」をスタートいたしました。全役員・従業員が価値観を共有し、共鳴しあいながら変革を遂げるために改めて結束を強め、国内事業戦略、海外事業戦略、財務・資本戦略、サステナビリティ・経営基盤の4つの戦略の柱を展開してまいります。また、新中期経営計画への移行とともに、グループビジョンを“Protect and improve the well-being of all” (すべての人々の幸せを守り、高める。)と定めました。
当社グループでは、「将来にわたるすべての人々の“well-being”への貢献」、「100年後を見据えた持続的社会の実現」の2つのテーマを、私たちの存在意義として掲げております。
人々の“well-being”への貢献に向けて、保険領域にとどまらず事業領域を4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)へと拡げるとともに、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも積極的に取り組んでまいります。
<新中期経営計画「Re-connect 2023」における経営目標(計数目標)>
新中期経営計画「Re-connect 2023」においては、トップライン指標ではなく、お客さまからの評価を重視した運営や資本効率向上に焦点を当てることによって、売上や利益そのものよりも、その質に価値観を転換いたします。
そのため、新中期経営計画3年間の目標水準に加え、その変革の成果を形にするための追加の3年間に向けた方向性についても合わせて記載しております。
なお、各計数目標の選定理由については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等 ④ 取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬(業績連動報酬等を含む。)に関する事項」に記載のとおりであります。

(注)1 グループ修正ROEは、「修正利益÷{純資産-のれん・確定利付資産含み損益(税後)・市場価格調整(MVA)関連損益累計(税後)等}」にて算出いたします。
2 TSRは、Total Shareholder Return(株主総利回り)の略語で、キャピタルゲインとインカムゲインを合わせた株主にとっての総合投資利回りを指しております。
3 相対TSRは、以下の合計10社との比較であります。(HDとは、ホールディングスの略語であります。)
国内保険会社5社:株式会社かんぽ生命保険、株式会社T&Dホールディングス、東京海上ホールディングス株式会社、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社及びSOMPOホールディングス株式会社
グローバルで生命保険事業を展開し、日米市場等で当社グループと競合関係にある会社5社:Aflac Incorporated、AXA SA、Manulife Financial Corporation、MetLife Inc. 及び Prudential Financial, Inc.
②連結業績における概況
世界的な新型コロナウイルス感染拡大の状況下、当社グループでは保険事業者として、お客さまや従業員等の健康を第一に考えた業務運営を行いながら、保険金・給付金等のお支払いをはじめとする事業活動を継続し、お客さまの生活の安定に寄与いたしました。第一生命では、上半期の対面営業を自粛するとともに、営業活動の非接触化、テレワーク業務範囲の拡大等に取り組んでまいりました。営業活動が制限されたこと等により、グループ新契約年換算保険料は前事業年度比で大幅に減収となったものの、為替変動の影響等によりグループ保有契約年換算保険料は前事業年度末比で増収となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、主に一時的な要因により大幅増益となりました。具体的には、海外金利の上昇に伴い、第一フロンティア生命における市場価格調整(MVA)に係る責任準備金の戻入が発生したことや、グループ事業再編の一環でJanus Henderson Group plcの全株式を売却したことに伴う特別利益の計上等の要因がありました。これら一時的な増益要因等を除いても、グループ修正利益は増益となりました。新型コロナウイルス感染拡大による収支への直接的な影響は、Protective Life Corporationを除けばグループ各社において総じて限定的であった中、第一生命は、金融市場の回復による順ざやの拡大等により増益となりました。
企業価値の成長性を表すEV成長率(ROEV)は、グループEEVが2020年3月期末の急激な金融市場変動を背景とした大幅減から回復したことに伴い、2021年3月期において32.5%となりました。また、中長期的な目標である8%に対しては、直近3年間の平均で8.6%に達しました。
グループ修正利益については、第一生命や第一フロンティア生命において2021年1月以降の金融市場の大幅な改善により順ざやが増加したこと等を主な要因として、2020年3月期と比較して82億円増加し、2,828億円となりました。

(1) 基礎利益は税前を記載しており、第一生命における法人税等の変動はキャピタル・臨時損益等に含めております。
一方、グループ新契約価値については、新型コロナウイルスの感染状況や第一生命における営業自粛及び中期経営計画における目標策定時から内外金利が大幅に下落していたこと等を踏まえて2020年8月に算定した、2021年3月期において900億円程度との予想に対し、1,271億円となりました。なお、2021年3月期の新契約価値の計算においては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、第一生命で上半期に実施した営業自粛に係る費用について、コロナ禍の特殊な状況に鑑み、新契約価値算定上の費用に含めず、EEVの修正純資産より直接控除する取扱いを実施しております。
当連結会計年度の業績は以下のとおりであります。
① 経常収益
経常収益は7兆8,278億円(前期比10.0%増)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入が4兆7,303億円(同3.2%減)、資産運用収益が2兆7,195億円(同44.9%増)、その他経常収益が3,779億円(同7.3%増)となっております。
a 保険料等収入
保険料等収入は、第一生命において新型コロナウイルス感染拡大に伴い上半期は営業活動を自粛したことや、第一フロンティア生命において緊急事態宣言が発出されたことにより金融機関窓口における保険販売が減少したこと等を主な要因として、前連結会計年度(2019年4月1日から開始し、2020年3月31日に終了した連結会計年度をいいます。以下、前連結会計年度及び前期につき同じ。)に比べ1,551億円減少し、4兆7,303億円(前期比3.2%減)となりました。
b 資産運用収益
資産運用収益は、主に第一フロンティア生命において、為替相場の変動により為替差益が増加したこと等の理由から、前連結会計年度に比べ8,429億円増加し、2兆7,195億円(前期比44.9%増)となりました。
c その他経常収益
その他経常収益は、前連結会計年度に比べ258億円増加し、3,779億円(前期比7.3%増)となりました。
② 経常費用
経常費用は7兆2,749億円(前期比5.5%増)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が5兆11億円(同2.7%増)、責任準備金等繰入額が9,712億円(同490.5%増)、資産運用費用が3,266億円(同60.3%減)、事業費が6,890億円(同1.3%増)、その他経常費用が2,868億円(同19.9%減)となっております。
a 保険金等支払金
保険金等支払金はTAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltdにおいて新型コロナウイルス感染拡大に伴い所得補償保険等の支払いが増加したこと等から、前連結会計年度に比べ1,303億円増加し、5兆11億円(前期比2.7%増)となりました。
b 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、第一フロンティア生命における前年同期の戻入からの反動増の影響等により前連結会計年度に比べ8,067億円増加し、9,712億円(前期比490.5%増)となりました。
c 資産運用費用
資産運用費用は、第一フロンティア生命において外国為替相場の変動により為替差損が為替差益に転じたこと等を主な要因として前連結会計年度に比べ4,953億円減少し、3,266億円(前期比60.3%減)となりました。
d 事業費
事業費は、TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltdにおける事業費が為替変動の影響により増加したこと(外貨ベースでは減少)を主な要因として、前連結会計年度に比べ89億円増加し、6,890億円(前期比1.3%増)となりました。
e その他経常費用
その他経常費用は、前連結会計年度に比べ714億円減少し、2,868億円(前期比19.9%減)となりました。
③ 経常利益
経常利益は、第一フロンティア生命において、資産運用収益が市場要因により前期比で大きく改善したこと等により、前連結会計年度に比べ3,344億円増加し、5,528億円(前期比153.2%増)となりました。
④ 特別利益・特別損失
特別利益は404億円(前期比719.3%増)、特別損失は333億円(同15.8%減)となりました。
a 特別利益
特別利益は、保有するJanus Henderson Group plcの全株式を売却したことを主な要因として、前連結会計年度に比べ355億円増加し、404億円(前期比719.3%増)となりました。
b 特別損失
特別損失は前連結会計年度に比べ62億円減少し、333億円(前期比15.8%減)となりました。
⑤ 契約者配当準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額は前連結会計年度に比べ50億円減少し、775億円(前期比6.1%減)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益に特別利益、特別損失、契約者配当準備金繰入額、法人税等合計を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、第一生命及び第一フロンティア生命において市場要因により資産運用収益が増加したことや第一フロンティア生命における市場価格調整(MVA)に係る損益の改善等により前連結会計年度に比べ3,313億円増加し、3,637億円(前連結会計年度は324億円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
⑦ 資産の部
資産の部合計は外国証券の残高増加を主な要因として、前連結会計年度末に比べ3兆5,817億円増加し、63兆5,937億円(前期比6.0%増)となりました。
⑧ 負債の部
負債の部合計は売現先取引への取組み拡大を主な要因として、前連結会計年度末に比べ2兆5,514億円増加し、58兆7,865億円(前期比4.5%増)となりました。
⑨ 純資産の部
純資産の部合計は前連結会計年度末に比べ1兆302億円増加し、4兆8,071億円(前期比27.3%増)となりました。これは主に第一生命において市場環境の良化を受けた株価上昇等の影響によりその他有価証券評価差額金が増加したこと等が影響しております。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
① 国内生命保険事業
国内生命保険事業における経常収益は、第一生命において有価証券売却益が増加したことや第一フロンティア生命において外国為替相場の変動により為替差益が増加したこと等を背景に資産運用収益が増加したことを主な要因として前連結会計年度に比べて3,079億円増加し、6兆1,812億円(前期比5.2%増)となりました。セグメント利益は、第一フロンティア生命における市場価格調整(MVA)に係る損益の改善等により、前連結会計年度に比べて2,943億円増加し、4,742億円(同163.6%増)となりました。
② 海外保険事業
海外保険事業における経常収益は、TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltdにおける保険料等収入の増加を主な要因として、前連結会計年度に比べて137億円増加し、1兆8,681億円(前期比0.7%増)となりました。セグメント利益は、Protective Life Corporationにおいて商業モーゲージローンに対する貸倒引当金等の繰入負担が発生したこと等により、前連結会計年度に比べて92億円減少し、730億円(同11.2%減)となりました。
③ その他事業
その他事業においては、当社グループ会社からの配当収入が増加したこと等により、経常収益は前連結会計年度に比べて36億円増加し、1,934億円(前期比1.9%増)となりました。セグメント利益はJanus Henderson Group plcの株式を売却したことに伴う特別利益を計上したこと等により前連結会計年度に比べて542億円増加し、1,777億円(同44.0%増)となりました。
なお、セグメントにおける主たる子会社の業績は以下のとおりであります。
<国内生命保険事業(第一生命保険株式会社)>
① 経営成績
当事業年度(2020年4月1日から開始し、2021年3月31日に終了した事業年度をいいます。以下同じ。)の経常収益は、保険料等収入2兆2,854億円(前事業年度(2019年4月1日から開始し、2020年3月31日に終了した事業年度をいいます。以下同じ。)比2.8%減)、資産運用収益1兆3,571億円(同26.3%増)、その他経常収益1,691億円(同34.0%減)を合計した結果、3兆8,117億円(同3.6%増)となりました。保険料等収入の減少は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い上半期は営業活動を自粛したことが主な要因であります。
一方、経常費用は、保険金等支払金2兆3,646億円(同1.4%減)、責任準備金等繰入額288億円(同250.4%増)、資産運用費用4,081億円(同31.9%増)、事業費4,037億円(同1.3%増)、その他経常費用2,324億円(同15.9%減)を合計した結果、3兆4,379億円(同1.4%増)となりました。資産運用費用の増加は、金融派生商品損益の悪化等が主な要因であります。
これらの結果、経常利益は3,737億円(同28.6%増)となりました。また、当期純利益は1,960億円(同52.4%増)となりました。
生命保険本業における期間収益を示す指標の一つである基礎利益は、利息及び配当金等収入の増加により順ざやが増加したこと等により、前事業年度に比べ584億円増加し、4,805億円(同13.8%増)となりました。
② 財政状態
当事業年度末の資産合計は、38兆9,243億円(前事業年度末比6.7%増)となりました。主な資産構成は、有価証券が33兆4,670億円(同10.5%増)、貸付金が2兆5,760億円(同1.3%増)、有形固定資産が1兆861億円(同1.0%減)であります。
負債合計は、35兆7,341億円(同5.3%増)となりました。負債の大部分を占める保険契約準備金は30兆8,444億円(同0.1%増)となりました。
純資産合計は、3兆1,902億円(同25.1%増)となりました。純資産合計のうち、その他有価証券評価差額金は、2兆5,366億円(同32.4%増)となりました。
なお、保険金等の支払余力を示すソルベンシー・マージン比率は、937.2%となりました。第一生命保険株式会社の非連結子会社等を含めた連結ソルベンシー・マージン比率は、947.7%となりました。
③ 契約業績
個人保険・個人年金保険を合わせた新契約高は、前事業年度に比べて9,040億円減少し、3,783億円となりました(前事業年度比70.5%減)。個人保険・個人年金保険を合わせた保有契約高は、前事業年度末に比べて6兆1,329億円減少し、94兆6,769億円(前事業年度末比6.1%減)となりました。
個人保険・個人年金保険を合わせた新契約年換算保険料は、前事業年度に比べて280億円減少し、616億円(前事業年度比31.3%減)となりました。なお、保有契約年換算保険料は、前事業年度末に比べて335億円減少し、2兆769億円(前事業年度末比1.6%減)となりました。
医療保障・生存給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料は、前事業年度に比べて180億円減少し、367億円(前事業年度比33.0%減)となりました。第三分野の保有契約年換算保険料は、前事業年度末に比べて21億円増加し、6,968億円(前事業年度末比0.3%増)となりました。
団体保険の保有契約高は、前事業年度末に比べて1兆7,894億円増加し、50兆8,425億円(同3.6%増)となりました。団体年金保険の保有契約高は前事業年度末に比べて1,644億円増加し、6兆4,469億円(同2.6%増)となりました。
a 保有契約高明細表 (単位:億円)
(注)1 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額の合計であります。
2 団体年金保険の金額は、責任準備金額であります。
b 新契約高明細表 (単位:億円)
(注)1 個人保険及び個人年金保険は、転換による純増加を含みます。
2 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
3 団体年金保険の金額は、第1回収入保険料であります。
c 保有契約年換算保険料明細表 (単位:億円)
(注)1 年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障害を事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
d 新契約年換算保険料明細表 (単位:億円)
(注) 転換による純増加を含みます。
e 保険料等収入明細表 (単位:億円)
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計であります。
f 保険金等支払金明細表
前事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:億円)
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計であります。
当事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (単位:億円)
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計であります。
<国内生命保険事業(第一フロンティア生命保険株式会社)>
① 経営成績
当事業年度の経常収益は、保険料等収入1兆1,675億円(前事業年度比13.9%減)、資産運用収益1兆495億円(同323.8%増)等を合計した結果、2兆2,171億円(同7.4%増)となりました。保険料等収入の減少は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い緊急事態宣言が発出されたことにより金融機関窓口が閉鎖されたことの影響で外貨建商品の販売が減少したこと等が要因であります。
一方、経常費用は、保険金等支払金1兆6,142億円(同0.9%増)、責任準備金等繰入額4,334億円(前年同期は3億円の繰入れ)、資産運用費用19億円(同99.6%減)、事業費439億円(同28.5%減)、その他経常費用87億円(同16.9%減)を合計した結果、2兆1,023億円(同2.6%減)となりました。
この結果、経常利益は1,147億円(前事業年度は944億円の経常損失)となりました。また、当期純利益は863億円(前事業年度は1,000億円の純損失)となりました。
生命保険本業における期間収益を示す指標の一つである基礎利益は、順ざやの増加を主な要因として、前事業年度に比べ179億円増加し、585億円(同44.2%増)となりました。
② 財政状態
当事業年度末の資産合計は、9兆6,989億円(前事業年度末比8.4%増)となりました。主な資産構成は、有価証券7兆5,143億円(同1.2%増)であります。資産の増加は、急速な円安進行によりターゲット到達を迎えた契約が多く発生し保有する債券を売却したことにより現金及び預貯金が増加したこと等が主な要因であります。
負債合計は、9兆4,167億円(同8.3%増)となりました。負債の大部分を占める保険契約準備金は8兆2,133億円(同5.6%増)となりました。
純資産合計は、2,821億円(同11.5%増)となりました。
なお、保険金等の支払余力を示すソルベンシー・マージン比率は、前事業年度末に比べ86.0ポイント上昇し、569.0%となりました。
③ 契約業績
個人保険・個人年金保険を合わせた新契約高は、前事業年度に比べて4,747億円減少し、7,372億円となりました(前事業年度比39.2%減)。個人保険・個人年金保険を合わせた保有契約高は、前事業年度末に比べて7,279億円増加し、9兆3,205億円(前事業年度末比8.5%増)となりました。
個人保険・個人年金保険を合わせた新契約年換算保険料は、前事業年度に比べて422億円減少し、775億円(前事業年度比35.3%減)となりました。なお、保有契約年換算保険料は、前事業年度末に比べて531億円増加し、8,610億円(前事業年度末比6.6%増)となりました。
a 保有契約高明細表 (単位:億円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額の合計であります。
b 新契約高明細表 (単位:億円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
c 保有契約年換算保険料明細表 (単位:億円)
d 新契約年換算保険料明細表 (単位:億円)
(注)1 年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障害を事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
e 保険料等収入明細表 (単位:億円)
f 保険金等支払金明細表
前事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:億円)
当事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (単位:億円)
<海外保険事業(Protective Life Corporation)>
以下では、プロテクティブ社の業績を現地通貨であります米ドル建で表示しております。日本円に換算する際の為替レートは、前事業年度及び前事業年度末については1米ドル=109.56円、当事業年度及び当事業年度末については、1米ドル=103.50円であります。
① 経営成績
当事業年度の業績は、前年同期と比較して金融市場変動に伴い運用収益が減少したこと等により減収となりました。また、金融市場変動に伴う債券評価損や商業モーゲージローンに対する貸倒引当金繰入の増加等により減益となりました。
経常収益は、保険料等収入5,902百万米ドル(前事業年度比2.4%増)、資産運用収益4,284百万米ドル(同21.1%減)、その他経常収益1,920百万米ドル(同23.7%増)を合計した結果、12,107百万米ドル(同5.0%減)となりました。
一方、経常費用は、保険金等支払金5,855百万米ドル(同7.3%増)、責任準備金等繰入額3,871百万米ドル(同19.5%減)、資産運用費用627百万米ドル(同9.9%減)、事業費1,025百万米ドル(同3.0%増)、その他経常費用266百万米ドル(同26.5%増)を合計した結果、11,645百万米ドル(同4.3%減)となりました。
これらの結果、経常利益は461百万米ドル(同20.0%減)となりました。また、当期純利益は362百万米ドル(同21.9%減)となりました。
② 財政状態
当事業年度末の資産合計は、126,908百万米ドル(前事業年度末比4.8%増)となりました。主な資産構成は、有価証券が87,534百万米ドル(同3.0%増)、貸付金が11,825百万米ドル(同6.9%増)、無形固定資産が3,167百万米ドル(同8.2%減)であります。
負債合計は、115,552百万米ドル(同3.3%増)となりました。負債の大部分を占める保険契約準備金は、105,121百万米ドル(同3.9%増)となりました。
純資産合計は、11,355百万米ドル(同22.9%増)となりました。
<海外保険事業(TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltd)>
以下では、TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltdの業績を現地通貨であります豪ドル建で表示しております。日本円に換算する際の為替レートは、前事業年度及び前事業年度末については1豪ドル=66.09円、当事業年度及び当事業年度末については1豪ドル=84.36円であります。
① 経営成績
当事業年度の業績は、保険料等収入の増加等を主な要因として増収となりました。当期純利益は保険料等収入の増加に加えて、金利変動の影響もあり増益となりました。
経常収益は、保険料等収入5,670百万豪ドル(前事業年度比8.4%増)、資産運用収益191百万豪ドル(同23.5%増)、その他経常収益404百万豪ドル(同4.4%減)を合計した結果、6,267百万豪ドル(同7.9%増)となりました。
経常費用は、新型コロナウイルスによる影響で所得補償保険に関する支払いが増加したことを主な要因として、保険金等支払金4,816百万豪ドル(同31.2%増)、責任準備金等繰入額104百万豪ドル(同85.8%減)、資産運用費用30百万豪ドル(同48.1%減)、事業費879百万豪ドル(同9.3%減)、その他経常費用182百万豪ドル(同8.5%増)を合計した結果、6,013百万豪ドル(同7.4%増)となりました。
これらの結果、経常利益は253百万豪ドル(同22.6%増)となりました。また、当期純利益は171百万豪ドル(同10.7%増)となりました。
② 財政状態
当事業年度末の資産合計は、13,269百万豪ドル(前事業年度末比9.2%増)となりました。主な資産構成は、現預金が1,000百万豪ドル(同17.2%増)、有価証券が6,902百万豪ドル(同0.6%増)、無形固定資産が1,066百万豪ドル(同2.5%減)であります。
負債合計は、9,992百万豪ドル(同10.4%増)となりました。負債の大部分を占める保険契約準備金は、7,919百万豪ドル(同6.9%増)となりました。
純資産合計は、3,276百万豪ドル(同5.5%増)となりました。
(2) 資本政策
① 資本政策の基本的な考え方
当社グループでは、財務健全性を確保しつつ、持続的な企業価値向上と株主還元の充実を目指し、ERM(Enterprise Risk Management)の枠組みに基づく資本政策運営を行っております。
グループの事業を取り巻くリスクを適切にコントロールすると同時に、グループ各社の成長ステージに応じた持株会社への還元や内部留保を行い、必要に応じて外部調達も活用してグループの成長に向けた投資と資本基盤の強化へバランスの取れた資本配賦を実践することで、財務健全性の確保と資本効率の向上を通じたグループ利益の成長を推進しております。
基本的な思想は、2018-20年度の中期経営計画「CONNECT 2020」から変更ありませんが、2021-23年度の中期経営計画「Re-connect 2023」では、これまでのERMサイクル(利益・資本・リスク)を進化させ、量から質へと経営の価値観をシフトさせ、資本循環経営の実践を通じた持続的な企業成長を目指してまいります。資本循環経営とは、各事業会社の余剰資本等を財源として、より高い資本効率や成長性が見込まれる事業への資本投下や、株主還元の充実等を通じてグループ資本効率を高めるとともに、資本・キャッシュ創出力を高める好循環経営を意味しております。
具体的には、これまで各事業会社から当社への配当金額は各社のフロー利益に基づき決定しておりましたが、今後は、経済価値ベースの財務健全性や各国の健全性規制・会計制約等複数の視点や制約からストックとなるフリーキャッシュを割り出し、これに基づき配当金額を決定する運営へ移行いたします。加えて、各事業会社の投資効果の評価についても、全事業の資本コストを一律としていた従来運営を改め、個々事業のリスク特性等に応じた資本コストを設定した上で事業成果を評価し、資本の配賦・回収等の意思決定を行います。こうして創出されたフリーキャッシュフローを、これまで以上に全体最適なバランスで健全性確保、成長投資、株主還元に振り向けてまいります。
また、量から質へと経営の価値観をシフトさせる中で、資本効率については資本コストを安定凌駕することを目指し、修正ROE及びROEVを中長期的に引き上げる一方で、市場リスク削減等により資本コストを引き下げる取組みを行います。
具体的には、会計利益ベースの資本効率指標であるグループ修正ROEは、現中期経営計画が終了する2024年3月期末に8%程度、中長期的には9%程度を目指しております。経済価値ベースの資本効率指標であるグループROEVは、中長期的に平均8%程度の成長率を目指しております。想定資本コストは現在10%程度の自己認識のところ、市場リスク削減等を通じ中期的に8%程度への低減を目指しております。
成長投資については、健全性のターゲット水準に応じて、内部留保等を活用し、既存事業の競争力強化や、事業ポートフォリオの拡大・分散につながる投資を行ってまいります。
株主還元については、利益に応じた安定配当(2022年3月期より)としての過去3年平均のグループ修正利益に対する配当性向30%以上に加え、機動的・柔軟な追加還元(2021年3月期より)を戦略的に実施し、総還元性向の目安を中期平均50%とすることで、機動的な株主還元を実施してまいります。
上記、資本循環経営の土台となる財務健全性を、安定的に確保するため、現在の国内保険会社に対する健全性基準であるソルベンシー規制に加え、国際的な資本規制動向も踏まえ、従来から資産・負債の時価評価を行う経済価値ベースの健全性指標である資本充足率(ESR)を導入しており、170%~200%をターゲット水準と位置付け、水準に応じた資本政策を柔軟に検討してまいります。財務健全性の強化に向けては市場リスクの削減に加え、財務格付に留意しつつ必要に応じて外部調達を活用することで、財務健全性の維持・向上を図ってまいります。
<資本循環経営イメージ>

② 資本政策の当連結会計年度における状況
当連結会計年度の1株当たり株主配当額は、当初予想通り前連結会計年度と同額の62円といたしました。また、自己株式取得額は、当連結会計年度にかかる部分に加えて、2022年3月期から始まりました新中期経営計画「Re-connect 2023」における株主還元方針を前倒しして適用する分と併せて、約2,000億円といたしました。グループ資本の拡充に向けては、当社において、2021年3月に公募永久劣後特約付社債の起債(800億円)を、第一生命保険株式会社において2020年10月に永久劣後特約付借入の増額借換え(1,810億円)を実施しております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に保険料等収入が減少したこと及び保険金等支払金が増加したことにより、前期と比べて6,699億円支出増の799億円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有価証券の売却・償還による収入が増加したことにより、前期と比べて1兆4,477億円収入増の5,513億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期資金調達による収入が減少したことにより、前期と比べて7,192億円収入減の655億円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首から5,653億円増加し、2兆2,629億円(前連結会計年度末は1兆6,975億円)となりました。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業である生命保険事業において、他の業態と異なり物品の生産や受注を行わない業務の特性により、本項における記載に該当する情報がないため記載しておりません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。なお、これらの見積りに対する新型コロナウイルス感染症による影響として、2021年3月期の連結財務諸表に与える影響は軽微であり、本書提出日時点では2022年3月期の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目を識別しておりません。
① 金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しておりますが、市場価格がない場合には将来キャッシュ・フローの現在価値等に基づく合理的な見積りによっております。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積り額は変動する可能性があります。
② 有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。
将来、株式市場の悪化等、金融市場の状況によっては多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。なお、有価証券の減損処理に係る基準は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(有価証券関係)の注記に記載のとおりであります。
③ 固定資産の減損処理
固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しております。
回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込み額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、将来、固定資産の使用方法を変更した場合又は不動産取引相場や賃料相場が変動した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。なお、固定資産の減損処理に係る基準は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結損益計算書関係)の注記に記載のとおりであります。
④ のれん及びその償却方法
連結貸借対照表の資産の部には「のれん」が計上されております。当該「のれん」は、他の企業又は事業を取得した場合、その取得に要した費用(取得原価)が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合に計上されるものであります。また、当該「のれん」の算定において用いられる取得に要した費用並びに受け入れた資産及び引き受けた費用の算定には一定の前提条件を置いており、見積りの要素を含んでおります。
この「のれん」は、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって均等償却しております。
なお、のれんの評価方法は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)の注記に記載のとおりであります。
⑤ 保有契約価値及びその償却方法
連結貸借対照表のその他の無形固定資産には「保有契約価値」が含まれております。
「保有契約価値」とは、在外連結子会社が行う買収等で獲得したその買収時点で有効な保険契約及び投資契約に関して、そのキャッシュ・フローから得られる将来利益を現在価値として計算し、無形固定資産として計上するものであります。この「保有契約価値」の算定には見積りの要素を含んでおりますが、前提条件については毎期回復可能性テストを実施し、資産計上額の妥当性を判定した上で資産計上しております。
「保有契約価値」は、その効果が及ぶと見積もられる期間にわたり、効果の発現する態様にしたがって償却しております。
なお、保有契約価値の評価方法は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)の注記に記載のとおりであります。
⑥ 繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得は中期経営計画に基づく将来予測に直近の業績見通しを反映し、合理的に見積っております。
また、期末における将来減算一時差異の解消見込年度のスケジューリングに際して、個別に解消年度のスケジューリングをすることが実務上困難なものは、過去の税務上の損金の算入実績により合理的に見積もっております。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社グループを取り巻く環境に大きな変更があった場合等、その見積り額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑦ 貸倒引当金の計上基準
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積り額を計上しております。
将来、債務者の財務状況が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。なお、貸倒引当金の計上基準は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑧ 支払備金の積立方法
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、期末時点において支払いが行われていない、又は支払事由の報告を受けていないが支払事由が既に発生したと認められる保険金等について、支払備金として積み立てております。将来、新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が変動する可能性があります。
⑨ 責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
責任準備金は各国の規制や会計基準に基づき、契約時等に定めた計算方法や計算前提等に基づく将来の予定キャッシュ・フローの見積りに基づき算出した額を積み立てております。
なお、当該見積りと直近の実績が大きく乖離すること等により、将来の債務の履行に支障を来すおそれがあると認められる場合には、追加して責任準備金を積み立てる必要があることから、責任準備金に積み立て不足が生じていないかを検証するために、責任準備金の十分性を確認するテストを実施しております。
なお、責任準備金の積立方法は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑩ 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、年金資産の期待運用収益率や将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)の注記に記載のとおりであります。
(参考1)当社グループの固有指標の分析
1 主要な固有指標
(1) 基礎利益
① 基礎利益
基礎利益とは生命保険本業における期間収益を示す指標の一つであります。当社グループの基礎利益は、当社、国内生命保険会社(第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社、ネオファースト生命保険株式会社)の基礎利益、海外生命保険会社(Protective Life Corporation、TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltd、Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limited、Dai-ichi Life Insurance (Cambodia) PLC.、Dai-ichi Life Insurance Myanmar Ltd.)の各国で生命保険本業における期間収益を示すために一般的に用いられる利益、関連会社の持分利益(税引前換算)等を合算し、グループの内部取引の一部を相殺すること等により算出しております。
国内生命保険会社の場合、基礎利益は、保険契約者から受領した保険料等の保険料等収入、資産運用収益及び責任準備金戻入額等その他経常収益等で構成される基礎収益から、保険金等支払金、責任準備金等繰入額、資産運用費用、事業費及びその他経常費用等から構成される基礎費用を控除したものであります。また、基礎利益に有価証券売却損益等の「キャピタル損益」と危険準備金繰入額等の「臨時損益」を加味したものが経常利益となります。
海外生命保険会社の場合、基礎利益として、Protective Life Corporationの税引前営業利益、TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltdの基礎的な利益(税引前換算)、Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limited、Dai-ichi Life Insurance (Cambodia) PLC.、及びDai-ichi Life Insurance Myanmar Ltd.の税引前利益を用いております。
② 順ざや額/逆ざや額
国内生命保険会社は、保険料を計算するにあたって、資産運用を通じて得られる収益を予め見込んで、その分保険料を割り引いて計算しております。この割引率を「予定利率」といい、市中金利水準等を勘案して設定しております。そのため、保険会社は、毎年割り引いた分に相当する金額(予定利息)等の負債コストを運用収益等で確保する必要があります。
予定利息を実際の運用収益等でまかなえている状態を「順ざや」といい、まかなえていない状態を「逆ざや」といいます。
当社グループの順ざや額/逆ざや額は、国内生命保険会社(第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社、ネオファースト生命保険株式会社)の合算値であります。
(2) 責任準備金
責任準備金は、生命保険会社が将来の保険金等の支払いを確実に行うために、保険料や運用収益等を財源として保険業法により積立てが義務付けられている準備金のことで、生命保険会社の負債の最も大きな部分を占めております。
国内生命保険会社については、保険業法に基づき責任準備金を積み立てており、「保険料積立金」、「未経過保険料」及び「危険準備金」で構成されております。
なお、責任準備金は事業年度末において要積立額を計算し、前事業年度末残高との差額を損益計算書に計上いたします。即ち、事業年度末の要積立額が前事業年度末残高を上回る場合にはその差額を責任準備金繰入額として経常費用の科目に計上し、事業年度末の要積立額が前事業年度末残高を下回る場合にはその差額を責任準備金戻入額として経常収益の科目に計上いたします(四半期会計期間末においても同様に計上いたします。)。
責任準備金の積立水準は、積立方式と計算基礎率によって決まります。保険業法において責任準備金の積立方式及び計算基礎率について定められております。
海外生命保険会社については、各国の法令や規制等に基づき積み立てております。
(3) ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率とは、通常の予測を超えて発生するリスクに備えて「支払余力」がどの程度カバーされているかを示す行政監督上の指標の一つであります。具体的には、生命保険会社が抱える保険金等のお支払いに係るリスクや資産運用に係るリスク等、多様なリスクが通常の予測を超えて発生した場合、資本等の内部留保と有価証券含み益等の合計(ソルベンシー・マージン総額)で、これらのリスク(リスクの合計額)をどの程度カバーできているかを指数化したものであります。同比率の算出は、ソルベンシー・マージン総額をリスクの合計額で割り算して求め、同比率が200%以上であれば、健全性について一つの基準を満たしていることを示しております。
(4) 実質純資産額
実質純資産額とは、貸借対照表の資産を基礎として計算した額(有価証券・不動産等について一定の時価評価を行ったもの)から負債の部に計上されるべき金額を基礎として計算した額(負債の額から価格変動準備金・危険準備金等の額を差し引いた額)を控除した金額を言い、保険会社の健全性の状況を示す行政監督上の指標の一つであります。金融庁による早期是正措置において、実質的な債務超過の判定基準として用いられる額であります。
2 当社グループの固有指標の分析
(1) 基礎利益
① 基礎利益
当社グループの基礎利益は、前事業年度比で768億円増加し、6,232億円(前期比14.1%増)となりました。これは、主に第一生命保険株式会社における運用環境の良化等に伴う順ざやの増加によります。
② 順ざや額/逆ざや額
当社グループの順ざや額は、第一生命保険株式会社において利息及び配当金等収入が増加したこと等により、前事業年度に比べ859億円増加し、2,135億円(前期比67.4%増)となりました。
(2) 連結ソルベンシー・マージン比率
当社グループの連結ソルベンシー・マージン比率は、958.5%と前期比74.4ポイント増となりました。詳細については、以下のとおりであります。
*1 社外流出予定額及びその他の包括利益累計額等を除いております。
*2 標準的方式を用いて算出しております。
(注) 上記は、保険業法施行規則第210条の11の3、第210条の11の4及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
3 第一生命保険株式会社の固有指標の分析
(1) 基礎利益
① 基礎利益
生命保険本業における期間収益を示す指標の一つである基礎利益は、前事業年度に比べ584億円増加し、4,805億円(前事業年度比13.8%増)となりました。これは、主に運用環境の良化等による順ざやの増加によるものであります。詳細については、後記「(参考3)第一生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報 3. 経常利益等の明細(基礎利益)」をご参照下さい。
② 順ざや額/逆ざや額
順ざや額は、利息及び配当金等収入が増加したこと等により、1,800億円(前事業年度は1,095億円)となりました。
(注)正値の場合は順ざや額
(2) 責任準備金
第一生命保険株式会社は、保険業法等で定められた基準に基づき、標準責任準備金対象契約については、平成8年大蔵省告示第48号に定める方式により責任準備金(標準責任準備金)を積み立て、それ以外の契約については「平準純保険料式」により責任準備金を積み立てており、法令上最も健全な積立方式を採用しております。
<個人保険及び個人年金保険の責任準備金の積立方式・積立率>
2008年3月期より、健全性の更なる向上のために、高予定利率の終身保険のうち払込満了後契約等に対して、追加責任準備金の積立てを行っており、2020年3月期は792億円、2021年3月期は782億円の新規繰り入れを実施しております。
(3) ソルベンシー・マージン比率
保険金等の支払余力を示すソルベンシー・マージン比率は、937.2%となりました。また、第一生命保険株式会社の連結ソルベンシー・マージン比率は947.7%となりました。詳細については、後記「(参考3)第一生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報 5. ソルベンシー・マージン比率」をご参照下さい。
(4) 実質純資産額
実質純資産額は、前事業年度末に比べ3,039億円増加し、9兆6,470億円(前事業年度末比3.3%増)となりました。
4 第一フロンティア生命保険株式会社の固有指標の分析
(1) 基礎利益
生命保険本業における期間収益を示す指標の一つである基礎利益は、主に運用環境の良化等による順ざやの増加により、前事業年度に比べ179億円増加し、585億円となりました。なお第一フロンティア生命保険株式会社における基礎利益算出にあたっては、2021年3月期より過年度分も含めて基準変更を行い、外貨建保険商品対応のための通貨スワップ及び金利スワップ取引に係る受取・支払利息の額及び再保険取引に係る金銭の信託等にて留保する資産より生じる影響額についてはキャピタル損益より組み替えて表示しております。詳細については、後記「(参考4)第一フロンティア生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報 3. 経常利益等の明細(基礎利益)」をご参照下さい。
(2) 責任準備金
第一フロンティア生命保険株式会社においては、保険業法等で定められている基準に基づき、最も健全な積立方式である標準責任準備金を積み立てておりますが、変額個人年金保険の運用期間満了等により、責任準備金は前事業年度末に比べ4,295億円増加し、8兆1,894億円(前事業年度末比5.5%増)となりました。
(3) ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率は、569.0%(前事業年度末比86.0ポイント増)となりました。詳細については、後記「(参考4)第一フロンティア生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報 6. ソルベンシー・マージン比率」をご参照下さい。
(4) 実質純資産額
実質純資産額は、前事業年度末に比べ941億円増加し、7,977億円(前事業年度末比13.3%増)となりました。
(参考2)当社グループ及び第一生命保険株式会社のEV
1 EVについて
EVは、「貸借対照表上の純資産の部の金額に必要な修正を加えた修正純資産」と、「保有契約から生じる将来の税引後利益の現在価値である保有契約価値」を合計したものであり、株主に帰属する企業価値を表す指標の一つであります。
現行の生命保険会社の法定会計では、新契約を獲得してから会計上の利益を計上するまでに時間がかかるため、新契約が好調な場合には新契約獲得に係る費用により収益が圧迫される等、必ずしも会社の経営実態を表さないことがあります。一方、EVでは、将来の利益貢献が新契約獲得時に認識されるため、法定会計による財務情報を補強することができると考えられております。
EVには複数の計算手法がありますが、当社グループが開示しているEVはヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(European Embedded Value:以下、「EEV」という。)と呼ばれるものであります。
EEVについては、EVの計算手法、開示内容について一貫性及び透明性を高めることを目的に、2004年5月に、欧州の大手保険会社のCFO(最高財務責任者)から構成されるCFOフォーラムにより、EEV原則及びそれに関するガイダンスが制定されております。また、2005年10月には、EEVの感応度と開示に関する追加のガイダンスが制定されております。なお、2016年5月にEEV原則の改訂が行われ、開示の範囲・内容が適切であることや、計算手法及びその前提、重要な判断並びに重要な計算前提に関する感応度が十分に示される限りにおいて、柔軟な開示を許容するものとなりました。
EEVの算出にあたり、当社グループでは主に市場整合的手法に基づく評価を行っております。具体的には、第一生命保険株式会社(以下、「第一生命」という。)、ネオファースト生命保険株式会社(以下、「ネオファースト生命」という。)、TAL Dai-ichi Life Australia Pty Limited(以下、「TAL」という。)及びProtective Life Corporation(以下、「プロテクティブ」という。)の変額年金事業については市場整合的手法を、第一フロンティア生命保険株式会社(以下、「第一フロンティア生命」という。)については市場調整評価手法を、また、プロテクティブの変額年金以外の事業についてはトップダウン手法を、それぞれ用いております。
市場整合的手法とは、資産・負債のキャッシュ・フローを市場で取引されている金融商品と整合的に評価しようとするものであり、欧州を中心に多くの会社で採用されております。市場調整評価手法とは、市場整合的手法による評価をベースとして、会社の実際の保有資産のスプレッドを反映した割引率を用いて評価しようとするものであり、ICSにおける議論を参考にしています。また、トップダウン手法とは、会社、商品、事業あるいは地域等のリスク特性に応じた割引率を用いて評価しようとするものであります。いずれの手法も、EEV原則で認められているものであります。
Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limited(以下、「第一生命ベトナム」という。)については、伝統的手法に基づき計算したEV(以下、「TEV」という。)で評価しております。
今回、当社グループが計算したEVは、市場整合的な手法を取り入れつつ、EEV原則へ準拠したものとしております。
2 EEV計算結果
(1) グループEEV
① グループEEV
2021年3月末におけるグループEEVは以下のとおりです。国内株式含み益の増加を主な要因として、グループEEVは2020年3月末より増加しました。
(注) 1 対象事業(covered business)のEEVは、第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、プロテクティブ、TALのEEVおよび第一生命ベトナムのTEVのうち第一生命ホールディングスの出資比率に基づく持分の合計から、第一生命が保有するTALの優先株式の評価額を控除することにより算出しています。なお、第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、プロテクティブ、TALおよび第一生命ベトナムに対する第一生命ホールディングスの出資比率は2020年3月末および2021年3月末時点で100.0%です(但し、TALについては第一生命を通じた優先株式の間接保有を含み、その評価額は2020年3月末時点で181億円、2021年3月末時点で212億円です)。
なお、第一フロンティア生命のEEVには、Dai-ichi Life Reinsurance Bermuda Ltd.(以下「Dai-ichi Re」)のEEVを含みます。
2 対象事業以外の純資産等に係る調整には、第一生命ホールディングスの単体貸借対照表の純資産の部、第一生命ホールディングスが保有する第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、プロテクティブ、TALおよび第一生命ベトナムの株式または出資金の簿価の控除および第一生命ホールディングスが保有する資産・負債を時価評価する調整等が含まれます。なお、第一生命ホールディングスが保有する上記子会社の株式の簿価は以下のとおりです。
当社が保有する生命保険事業を行う子会社の株式又は出資金の簿価
3 2020年3月末および2021年3月末のグループEEVには、第一生命グループの連結財務諸表におけるプロテクティブおよび第一生命ベトナムの決算基準日である2019年12月末および2020年12月末のプロテクティブのEEVおよび第一生命ベトナムのTEVを含めています。2019年度および2020年度の第一生命グループの新契約価値には、2019年1月1日から2019年12月31日および2020年1月1日から2020年12月31日までのプロテクティブおよび第一生命ベトナムの新契約価値を含めています。
(参考)
修正純資産に計上されている含み損益は法定会計上の利益として将来実現する見込みであり、保有契約価値と含み損益の合計額は、保険契約の保有により生じる将来利益を表すと考えられます。
この考えに基づき、グループEEVの総額を「純資産等と負債中の内部留保の合計」と、保険契約の保有により生じる将来利益として「保有契約価値と確定利付資産の含み損益等の合計」及び「確定利付資産以外の含み損益等」に組み替えて表示すると、以下のとおりとなります。
(注) 1 グループEEVの修正純資産に対象事業以外の純資産等に係る調整を反映し、含み損益等を除いた額を計上しており、実現利益の累積額に相当いたします。
2 保有契約価値に、第一生命の確定利付資産並びに第一フロンティア生命及びネオファースト生命の資産の含み損益等を加算・調整した額を計上しております。本項目は、未実現利益のうち、主に金利の影響を受ける部分であり、金利水準等の変化に応じた保有契約価値及び確定利付資産の含み損益等の変動額は、互いに相殺関係にあります。
3 第一生命が保有する確定利付資産以外の資産(株式、外貨建債券(ヘッジ外債を除きます。)、不動産等)の含み損益等の額を計上しております。
(変更前)
② 修正純資産
修正純資産は、株主に帰属すると考えられる純資産で、資産時価が法定責任準備金(危険準備金を除きます)およびその他負債(価格変動準備金等を除きます)を超過する額です。
具体的には、貸借対照表の純資産の部の金額に負債中の内部留保、一般貸倒引当金、時価評価されていない資産・負債の含み損益、退職給付の未積立債務およびこれらに係る税効果等を調整したものであり、内訳は以下のとおりです。国内株式含み益の増加により、修正純資産は2020年3月末より増加しました。
(注) 1 評価・換算差額等合計を除いた額を計上しております。また、第一フロンティア生命において修正共同保険式再保険等に係る調整を行っており、当該調整額を含めて表示しております。
2 価格変動準備金、危険準備金、配当準備金中の未割当額及びプロテクティブの価格変動準備金に相当する額の合計額を計上しております。
3 国内上場株式については、会計上は期末前1ヶ月の時価の平均により評価していますが、EEVの計算では期末日時点の時価により評価しております。これによる含み損益の差異(期末時価-月中平均)(税引後)は、2020年3月末時点で407億円、2021年3月末時点で100億円であります。
4 土地については、時価と再評価前帳簿価額の差額を計上しております。
5 劣後債務等の含み損益を計上しております。
6 未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異を計上しております。
7 2020年3月末および2021年3月末の第一生命のEEVには、第一生命の保有するTALの優先株式の評価額が含まれます。対象事業(covered business)のEEVを計算する際には、第一生命のEEVに含まれるTALの優先株式の評価額を控除する必要があります。
8 プロテクティブに計上されている繰延税金資産及び法定会計上の非認容資産等について、調整を行うものであります。
9 TALに計上されている無形固定資産(のれん及び保有契約価値)等について、調整を行うものであります。
10 表中の金額(「純資産の部合計」から「上記項目に係る税効果」まで)は、対象事業(covered business)の各社の金額の単純合計としております。
③ 保有契約価値
保有契約価値は、将来利益現価からオプションと保証の時間価値、必要資本維持のための費用およびヘッジ不能リスクに係る費用を控除した金額であり、その内訳は以下のとおりであります。市場整合的手法による確実性等価将来利益現価の算出にあたり、資産運用に係るキャッシュフローは全ての資産の運用利回りがリスク・フリー・レートに等しいものとして計算しております。2021年3月末の保有契約価値は、日本円金利の上昇等により、2020年3月末と比べて増加しました。
(注) 1 第一フロンティア生命における修正共同保険式再保険等に係る調整を行っております。
2 市場整合的手法による確実性等価将来利益現価並びに市場調整評価手法、トップダウン手法及び伝統的手法による将来利益現価を含んでおります。
3 市場整合的手法及び市場調整評価手法によるフリクショナル・コスト並びにトップダウン手法及び伝統的手法による資本コストを含んでおります。
(変更前)
④ 対象事業以外の純資産等に係る調整
当社及びその子会社・関連会社(対象事業(covered business)とした生命保険事業を行う子会社を除きます。)については、当社の純資産の部の金額に、必要な調整を行った上で、「対象事業以外の純資産等に係る調整」としてグループEEVに含めております。
(注) 1 当社の保有する子会社・関連会社の株式及び調達負債等について、時価評価を行った上で含み損益を計上しております。
2 当社が保有する第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、プロテクティブ、TAL及び第一生命ベトナムの株式又は出資金の簿価の合計が含まれます。
⑤ 新契約価値
新契約価値は、当年度に獲得した新契約(転換契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値(契約獲得に係る費用を控除した後の金額)を表したものです。
主に新型コロナウイルス感染症(COVID-19(注)5)拡大防止に伴う営業活動自粛の影響により、当社グループの新契約価値は2020年3月期より減少しました。
(注) 1 市場整合的手法による確実性等価将来利益現価並びに市場調整評価手法、トップダウン手法及び伝統的手法による将来利益現価を含んでおります。
2 市場整合的手法及び市場調整評価手法によるフリクショナル・コスト並びにトップダウン手法及び伝統的手法による資本コストを含んでおります。
3 2020年3月期及び2021年3月期の当社グループの新契約価値には、2019年1月1日から2019年12月31日及び2020年1月1日から2020年12月31日までのプロテクティブ及び第一生命ベトナムの新契約価値を含めております。
4 第一生命は、新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、2021年3月期の一部期間において営業活動を自粛いたしました。これに伴い営業員への給与保障を実施し、また、販売体制は従来通りの規模を維持しております。2021年3月期の第一生命の新契約価値には、当該給与保障に係る金額及び営業活動自粛の期間に発生した費用を反映しておりません。
5 2020年2月11日に世界保健機関(WHO)によってCOVID-19と命名された新型コロナウイルス感染症をいいます。
なお、新契約マージン(新契約価値の収入保険料現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(注)1 将来の収入保険料(プロテクティブについては法定会計ベース)を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レート又は割引率で割り引いております。
2 当社グループ内の再保険取引に関する連結調整を行っております。
(変更前)
(2) 第一生命のEEV
(注) 1 2020年3月末及び2021年3月末の第一生命のEEVには、第一生命の保有するTALの優先株式の評価額が含まれております。
2 評価・換算差額等合計を除いた額を計上しております。
3 価格変動準備金、危険準備金及び配当準備金中の未割当額の合計額を計上しております。
4 国内上場株式については、会計上は期間末前1ヶ月の時価の平均により評価しておりますが、EEVの計算では期末日時点の時価により評価しております。これによる含み損益の差異(期末時価-月中平均)(税引後)は2020年3月末時点で407億円、2021年3月末時点で100億円であります。
5 土地については、時価と再評価前帳簿価額の差額を計上しております。
6 劣後債務等の含み損益を計上しております。
7 未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異を計上しております。
なお、新契約マージンは以下のとおりであります。
(注) 将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レートで割り引いております。
(変更前)
3 EEVの変動要因
(1) グループEEVの変動要因
(注) 1 第一生命ベトナムのTEVの変動額については、2019年12月末から2020年12月末の当該変動額のうち為 替変動に伴う調整、新契約価値を除いた変動額を前提条件(経済前提)と実績の差異に含めております。
2 基準変更前の手法を用いて①~⑪の変動値を計算し、⑫にて基準変更の影響を考慮しております。
① 2020年3月末EEVの調整
2020年3月末EEVの調整は、以下の5項目の合計であります。
a 2021年3月期において当社は株主配当金を支払っており、対象事業以外の純資産等に係る調整がその分減少いたします。
b 2021年3月期において当社は自己株式を取得しており、対象事業以外の純資産等に係る調整がその分減少いたします。
c 2021年3月期において生命保険事業を行う子会社は当社に株主配当金を支払っておりますが、グループ内の取引であるため、グループEEVへの影響はありません。
d 2021年3月期上半期において当社はネオファースト生命に増資を行っておりますが、グループ内の取引であるため、グループEEVへの影響はありません。
e プロテクティブ、TALのEEV及び第一生命ベトナムのTEVを円換算していることから、為替変動による調整を行っております。
② 当期新契約価値
新契約価値は、2021年3月期に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額を反映しております。
③ プロテクティブによる買収に伴うEEVの変動
プロテクティブは、伝統的な生命保険事業、個人年金事業に加え、生命保険や年金の保険契約ブロックの買収事業にも取り組んでおります。
当該項目には、プロテクティブによる個人保険・年金既契約ブロック等の買収に伴うEEVの増加額を計上しております。
2021年3月期は本項目の対象となる買収はありません。
④ 期待収益(市場整合的手法)
第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、TAL、プロテクティブの変額年金事業(変額年金事業の必要資本を含む)の期待収益を本項目に含めております。期待収益(市場整合的手法)は、以下の2項目の合計であります。
a リスク・フリー・レート分
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク・フリー・レートで割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。なお、これには、オプションと保証の時間価値、必要資本維持のための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用のうち2021年3月期分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産からリスク・フリー・レート分に相当する収益が発生いたします。
また、第一フロンティア生命では、変額個人年金保険に係る最低保証リスクの軽減を目的として、デリバティブ取引を利用しておりますが、本項目は、時間の経過により当該取引から期待される損益を含んでおります。
b 超過収益分
EEVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。
なお、本項目は、第一フロンティア生命の変額個人年金保険に係る最低保証リスクの軽減を目的とするデリバティブ取引につき、リスク・フリー・レートを超過する利回りにより当該取引から期待される損益を含んでおります。また、プロテクティブの変額年金事業に係るヘッジを目的とするデリバティブ取引から期待される損益を含んでおります。
⑤ 期待収益(トップダウン手法)
プロテクティブの変額年金事業以外(フリー・サープラス及び変額年金事業以外の必要資本を含みます。)の期待収益を本項目に含めております。
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク割引率で割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。なお、これには、資本コストのうち、2021年3月期分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産から期待される運用利回りに基づく収益が発生いたします。
⑥ 保有契約価値からの移管
2021年3月期に実現が期待されていた利益(法定会計上の予定利益)が、保有契約価値から修正純資産に移管されます。これには、2020年3月末の保有契約から期待される2021年3月期の利益と、2021年3月期に獲得した新契約からの、契約獲得に係る費用を含めた2021年3月期の損益が含まれます。これらは保有契約価値から修正純資産への振替えであり、EEVの金額には影響いたしません。
⑦ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
2020年3月末の保有契約価値の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、2021年3月期の実績との差額であります。
⑧ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、2021年3月期以降の収支が変化することによる影響であります。
⑨ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、2020年3月末EEVの計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、2021年3月期の実績及び2021年3月期以降の見積りの変更を含んでおります。なお、本項目には、プロテクティブの割引率を変更した影響(割引率の設定における資本と調達負債の加重の変更によるものを含みます。)を含んでおります。
⑩ 対象事業以外の事業活動及び経済変動に伴う増減
本項目には、当社の子会社・関連会社(生命保険事業を行う子会社を除きます。)の獲得利益及び当社の保有する資産・負債の含み損益額の変動を含んでおります。
⑪ その他の要因に基づく差異
上記の項目以外にEEVを変動させた要因による影響であります。なお、この項目にはモデルの変更の影響も含んでおります。
なお、第一生命は新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、2021年3月期の一部期間において営業活動を自粛いたしました。これに伴い営業員への給与保障を実施し、また、販売体制は従来通りの規模を維持しております。新契約価値の計算において、当該給与保障に係る金額及び営業活動自粛の期間に発生した費用は、新契約費ではなく臨時コストとして取り扱うこととしております。本項目には当該臨時コストを含めております。
また、本項目には2021年3月期に実施した個人保険及び団体年金における料率改定の影響を含めております。
⑫ 2021年3月末EEVの調整
2021年3月末のグループEEV及び2021年3月期の新契約価値の計算に際して、日本円金利の超長期ゾーンの補外手法の変更及び第一フロンティア生命のEEVの計算手法の変更を実施しており、手法変更によるEEVの変動を本項目に含めております。
また、第一フロンティア生命のEEVにおいて、Dai-ichi ReのEEVを含めたことによる影響を本項目に含めております。
(2) 第一生命のEEVの変動要因
(注) 1 2020年3月期において株主配当金を支払っており、修正純資産がその分減少いたします。
2 基準変更前の手法を用いて変動値を計算し、最終項にて基準変更の影響を考慮しております。
4 感応度(センシティビティ)
(1) グループEEVの感応度
前提条件を変更した場合のEEVの感応度は以下のとおりであります(増減額を記載しております。)。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
なお、いずれの感応度においても、保険会社の経営行動の前提は基本シナリオと同様としております。
(注) 第一生命ベトナムのTEVの感応度は、グループEEVの感応度に含めておりません。
(2) 第一生命のEEVの感応度
5 注意事項
当社グループのEV計算においては、当社グループの事業に関し、業界の実績、経営・経済環境あるいはその他の要素に関する多くの前提条件が求められ、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属しております。
使用しました前提条件は、EV報告の目的に照らし適切であると当社グループが考えるものでありますが、将来の経営環境は、EV計算に用いられた前提条件と大きく異なることもあり得ます。そのため、本EV開示は、EV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではありません。
6 その他の特記事項
当社では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、グループEEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
(参考3)第一生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報
参考として、第一生命保険株式会社の単体情報のうち、一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報を以下のとおり記載しております。
1. 主要業績
(1) 保有契約高及び新契約高
① 保有契約高
(注) 1 個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。
2 団体年金保険については、責任準備金の金額であります。
② 新契約高
(注) 1 件数は、新契約に転換後契約を加えた数値であります。
2 新契約・転換による純増加の個人年金保険の金額は年金支払開始時における年金原資であります。
3 新契約の団体年金保険の金額は第1回収入保険料であります。
(2) 年換算保険料
① 保有契約
② 新契約
(注) 1 「年換算保険料」とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 「医療保障・生前給付保障等」には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障害を事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
3 「新契約」には転換純増分も含んでおります。
(参考) 個人保険・個人年金保険の解約・失効年換算保険料
(注) 1 失効後復活契約を失効と相殺せずに算出しております。
2 主契約が継続している「減額」を除いております。
2. 一般勘定資産の運用状況
(1) 資産の構成
(注) 「不動産」については土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
(2) 資産運用収益
(3) 資産運用費用
(4) 資産運用に係わる諸効率
(注) 1 「運用利回り」は、分母を帳簿価額ベースの「日々平均残高」、分子を「経常損益中の資産運用収益 - 資産運用費用」として算出しております。
2 「海外投融資」には、円貨建資産を含んでおります。
③ 売買目的有価証券の評価損益
④ 有価証券の時価情報(売買目的有価証券以外の有価証券のうち時価のあるもの)
(注) 本表には、金融商品取引法上の有価証券として取り扱うことが適当と認められるもの等を含んでおります。
・時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券の帳簿価額は以下のとおりであります。
(注) 1 本表には、金融商品取引法上の有価証券として取り扱うことが適当と認められるもの等を含んでおります。
2 時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券のうち、外国証券の為替を評価した差損益は以下のとおりであります。
(前事業年度末:△64億円、当事業年度末:△18億円)
⑤ 金銭の信託の時価情報
(注) 1 本表記載の時価相当額の算定は、金銭の信託の受託者が合理的に算定した価格によっております。
2 差損益には金銭の信託内で設定しているデリバティブ取引に係る差損益も含んでおります。
3. 経常利益等の明細(基礎利益)
(注) 1 その他臨時収益には、保険業法施行規則第71条第1項に規定する再保険を付した部分に相当する個人保険・個人年金の責任準備金の金額(前事業年度:1,994億円、当事業年度:2,976億円)を記載しております。
(注) 2 その他臨時費用には、保険業法施行規則第71条第1項に規定する再保険を付したことによる個人保険・個人年金の再保険料(前事業年度:2,702億円、当事業年度:3,770億円)、投資損失引当金繰入額(前事業年度:5億円、当事業年度:2億円)及び保険業法施行規則第69条第5項の規定により責任準備金を追加して積み立てた金額(前事業年度:795億円、当事業年度:959億円)の合計額を記載しております。
(参考)
その他基礎収益等の内訳
(注) 1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始又は再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権であります。
2 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権であります。
3 要管理債権とは、3ヶ月以上延滞貸付金及び条件緩和貸付金であります。なお、3ヶ月以上延滞貸付金とは、元本又は利息の支払が、約定支払日の翌日から3ヶ月以上遅延している貸付金(注1及び2に掲げる債権を除く。)、条件緩和貸付金とは、債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸付金(注1及び2に掲げる債権並びに3ヶ月以上延滞貸付金を除く。)であります。
4 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、注1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権であります。
5. ソルベンシー・マージン比率
*1 社外流出予定額及び評価・換算差額等を除いております。
*2 標準的方式を用いて算出しております。
(注) 上記は、保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
(参考)連結ソルベンシー・マージン比率
*1 社外流出予定額及びその他の包括利益累計額等を除いております。
*2 標準的方式を用いて算出しております。
(注) 上記は、保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
6. 特別勘定の状況
(1) 特別勘定資産残高の状況
(2) 個人変額保険(特別勘定)の状況
① 保有契約高
(注) 保有契約高には定期保険特約部分を含んでおります。
② 年度末個人変額保険特別勘定資産の内訳
③ 個人変額保険特別勘定の運用収支状況
④ 個人変額保険特別勘定に関する有価証券等の時価情報
・売買目的有価証券の評価損益
・金銭の信託の時価情報
前事業年度末、当事業年度末ともに残高がないため、記載しておりません。
(3) 個人変額年金保険(特別勘定)の状況
① 保有契約高
(注) 保有契約高には年金支払開始後契約を含んでおります。
② 年度末個人変額年金保険特別勘定資産の内訳
③ 個人変額年金保険特別勘定の運用収支状況
④ 個人変額年金保険特別勘定に関する有価証券等の時価情報
・売買目的有価証券の評価損益
・金銭の信託の時価情報
前事業年度末、当事業年度末ともに残高がないため、記載しておりません。
7. 有価証券明細表(一般勘定)
8. 貸付金残存期間別残高(一般勘定)
9. 海外投融資明細表(一般勘定)
① 外貨建資産
② 円貨額が確定した外貨建資産
③ 円貨建資産
④ 合計
(注) 「円貨額が確定した外貨建資産」は、為替予約等が付されていることにより決済時の円貨額が確定し、当該円貨額を資産の貸借対照表価額としているものであります。
(参考4)第一フロンティア生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報
参考として、第一フロンティア生命保険株式会社の単体情報のうち、一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報を以下のとおり記載しております。
1. 主要業績
(1) 保有契約高及び新契約高
① 保有契約高
(注) 個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。
② 新契約高
(注) 新契約の個人年金保険の金額は年金支払開始時における年金原資であります。
(2) 年換算保険料
① 保有契約
② 新契約
(注) 1 「年換算保険料」とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 「医療保障・生前給付保障等」には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障害を事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
2. 一般勘定資産の運用状況
(1) 資産の構成
(注) 不動産については建物の金額を計上しております。
(2) 資産運用関係収益
(3) 資産運用関係費用
(4) 資産運用に係わる諸効率
① 資産別運用利回り
(注) 1 利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2 海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
② 売買目的有価証券の評価損益
(注) 本表には、金銭の信託等の売買目的有価証券を含んでおります。
③ 有価証券の時価情報(売買目的有価証券以外の有価証券のうち時価のあるもの)
(注) 本表には、金融商品取引法上の有価証券として取り扱うことが適当と認められるもの等を含んでおります。
・時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券の帳簿価額
該当事項はありません。
④ 金銭の信託の時価情報
(注) 1 本表記載の時価相当額の算定は、金銭の信託の受託者が合理的に算出した価格によっております。
2 差損益には当期の損益に含まれた評価損益を記載しております。
3. 経常利益等の明細(基礎利益)
(注) 1 基礎利益には、次の金額が含まれております。
2 その他キャピタル収益には、次の金額が含まれております。
3 その他キャピタル費用には、次の金額が含まれております。
4 変額個人年金保険に係る最低保証リスクの軽減を目的としてデリバティブ取引(金銭の信託、外国証券(投資信託)による運用を含む)を行っております。なお、金銭の信託運用損益、売買目的有価証券運用損益には当該取引によるものが含まれております。
5 その他臨時収益には、次の金額が含まれております。
6 その他臨時費用には、次の金額が含まれております。
4. 債務者区分による債権の状況
(注) 1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始又は再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権であります。
2 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権であります。
3 要管理債権とは、3ヶ月以上延滞貸付金及び条件緩和貸付金であります。なお、3ヶ月以上延滞貸付金とは、元本又は利息の支払が、約定支払日の翌日から3ヶ月以上遅延している貸付金(注1及び2に掲げる債権を除く。)、条件緩和貸付金とは、債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸付金(注1及び2に掲げる債権並びに3ヶ月以上延滞貸付金を除く。)であります。
4 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、注1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権であります。
5. リスク管理債権の状況
該当事項はありません。
6. ソルベンシー・マージン比率
(注) 1 上記は、保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
2 最低保証リスク相当額は、標準的方式を用いて算出しております。
7. 特別勘定の状況
(1) 特別勘定資産残高の状況
(2) 個人変額保険(特別勘定)の状況
① 保有契約高
(注) 個人変額保険の保有契約高には、一般勘定で運用されるものを含んでおります。
② 年度末個人変額保険特別勘定資産の内訳
③ 個人変額保険特別勘定の運用収支状況
(3) 個人変額年金保険(特別勘定)の状況
① 保有契約高
(注) 1 個人変額年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。
2 個人変額年金保険の保有契約高には、一般勘定で運用されるものを含んでおります。
② 年度末個人変額年金保険特別勘定資産の内訳
③ 個人変額年金保険特別勘定の運用収支状況
当社は、2021年2月1日開催の取締役会決議に基づき、Janus Henderson Group plc(以下、「ジャナス・ヘンダーソン社」という。)と締結済みの出資提携契約につきまして、解消することを決定いたしました。また同決定に従いまして、2021年2月4日(米国時間)に米国での売出しの方法により当社が保有するジャナス・ヘンダーソン社普通株式の全てを売却いたしました。
(1) 株式売却の理由
当社は、2012年のJanus Capital Group Inc.(現ジャナス・ヘンダーソン社)との出資・業務提携以降、資本関係を通じたグループ利益への貢献とともに、運用委託や人財派遣等を通じて、当社グループ各社の資産運用競争力の向上やアセットマネジメント事業に関するノウハウの獲得を進め、当社の「資産運用・アセットマネジメント事業」の成長加速を実現してまいりました。
今回、ジャナス・ヘンダーソン社への出資による一定の成果を実現した中で、2022年3月期よりスタートする当社の新たなグループ中期経営計画における事業戦略等を見据えたグループ全体の資本配賦について見直しを行った結果、ジャナス・ヘンダーソン社とも協議の上、資本関係を解消するとの合意に至りました。
(2) 売却の時期
2021年2月4日(米国時間)
(3) 当該子会社等の名称、事業内容及び会社との取引内容
① 名称
Janus Henderson Group plc
② 事業内容
資産運用事業
③ 当社との取引内容
当社との間で資産運用・アセットマネジメント事業に関する業務提携契約を締結しております。
(4) 売却した株式の数、売却総額、売却損益及び売却後の持分比率
① 売却株式数
30,668,922株
② 売却総額
940億円
③ 売却損益
第4四半期連結会計期間において、関係会社株式売却益349億円を計上いたしました。
④ 売却後の持分比率
-%
該当事項はありません。