文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) グループの理念体系
グループ理念体系(Mission・Vision・Values・Brand Message)の共有により、グループ各社が、それぞれの地域や国で、生命保険の提供を中心に人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献いたします。また、グループ戦略の共有により、各社がベクトルをあわせてグループ価値の最大化と持続的な成長を目指します。
2022年に創業120周年を迎えた当社グループは、将来にわたって、すべての人々が世代を超えて安心に満ち、豊かで健康な人生を送れるwell-being(幸せ)に貢献し続けられる存在でありたいと考えております。そのため、事業領域を4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)へと拡げることで、従来に増してお客さまに寄り添ってまいります。また、私たちが追求するすべての人々の幸せは、社会のサステナビリティがあってこそ実現するものであります。今般、社会の持続可能性の実現を事業運営の根幹と位置付け、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。

こうした考えの下、当社グループが安心、豊かさ、健康といった体験価値の総体としてのwell-being(幸せ)をお届けすることをグループが一丸となって目指すため、2022年3月期より、グループビジョンを“Protect and improve the well-being of all”(すべての人々の幸せを守り、高める。)へと改めました。

Mission:私たちの存在意義
「一生涯のパートナー」
“By your side,for life”
当社グループは、1902年、日本での創業以来、お客さま本位(お客さま第一)を経営の基本理念に据え、生命保険の提供を中心に、地域社会への貢献に努めてまいりました。
これからも、お客さまとお客さまの大切な人々の“一生涯のパートナー”として、グループ各社が、それぞれの地域で、人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献してまいります。
Vision:私たちの目指す姿
「すべての人々の幸せを守り、高める」
“Protect and improve the well-being of all”
当社グループは安心、豊かさ、健康といった体験価値の総体としてのwell-being(幸せ)をお届けすることをグループが一丸となって目指してまいります。
Values:私たちの大切にする価値観
「グループ企業行動原則(DSR憲章)」
“Dai-ichi's Social Responsibility Charter (DSR Charter)”
当社グループは、お客さま、社会、株主・投資家の皆さま、従業員からの期待に応え続けるための企業行動原則として「DSR憲章」を定め、持続可能な社会づくりに貢献いたします。
「DSR」とは、「第一生命グループの社会的責任(Dai-ichi’s Social Responsibility=DSR)」を表し、PDCAサイクルを全社で回すことを通じた経営品質の絶えざる向上によって各ステークホルダーに向けた社会的責任を果たすと同時に、当社グループの企業価値を高めていく独自の枠組みであります。
Brand Message:理念体系を支える私たちの想い
「いちばん、人を考える」
“People First”
いちばん、お客さまから支持される保険グループになるために、以下の4つの視点から誰よりも「人」を考える会社を目指してまいります。
いちばん、品質の高い会社
いちばん、生産性の高い会社
いちばん、従業員の活気あふれる会社
いちばん、成長する期待の高い会社
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループは2010年の株式会社化以降、複数の国内生命保険子会社設立によるマルチブランド・マルチチャネルの確立や、積極的な海外展開に取り組んでまいりました。2023年3月期には、ニュージーランドや国内ペット保険事業等、新たな地域や事業へのウィング拡大にも取り組み、事業ポートフォリオの深化と探索を進めました。
足元では、地政学リスクの高まりや世界規模での金融・経済環境の大きな変動等、世界はますます予測困難なほどに複雑化し、急激で不連続な変化が起こる時代となっております。このように変化が激しく、先を見通すことが難しい時代の中では、過去の経験や常識にとらわれずに変革へ挑戦しなければ、持続的に成長し続けることはできません。
私たちは、環境変化に対する感度を高め、未来志向の視点から自らの意識と行動を変え、変革の実現に挑戦してまいります。そして、すべてのステークホルダーの皆さまの期待を超える価値をお届けすることを目指してまいります。
①経営環境
2023年3月期の世界経済は、エネルギーや食糧の供給懸念等によって多くの国で物価上昇が進行し、それに伴う各国中央銀行の金融引締め等を背景に、2022年3月期対比で成長率は鈍化しました。日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限や水際対策について緩和が進められる中で個人消費が回復した一方、円安進行に伴う物価高や海外経済の減速に伴う輸出の伸び悩みがみられ、景気回復ペースは緩やかなものにとどまりました。
金融環境については、米国をはじめ多くの国・地域で金融引締めに舵が切られたことで、景気への先行き懸念から世界の株式市場は低調に推移しました。2023年3月には、米国の金融機関破綻に端を発する金融不安の発生から、金融市場が大きく調整する局面がありました。為替市場は、国内外の金融政策の差異が広がる中、一時1ドル=150円台まで円安が進む等、大きく変動しました。国内では、2022年末に日本銀行が長期金利の変動許容幅の上限を0.25%から0.50%へ引き上げたことで、長期金利の上昇がみられました。
国内外で生命保険事業を中心に事業を展開する当社グループは、コロナ禍における確実な保険金及び給付金のお支払い等を通じて、保険事業者としての役割を果たしてまいりました。また、経営環境が大きく変化する中、中期経営計画「Re-connect 2023」における4つの重要施策(国内事業、海外事業、財務・資本、サステナビリティ・経営基盤)を着実に進展させました。

②優先的に対処すべき課題
新型コロナウイルス感染拡大を契機としたお客さまの価値観の変化やデジタル化の加速に加え、2023年3月期は世界的な物価高に端を発した各国中央銀行による金融引締めが進み、長く低金利環境が続いた日本においてもようやく金利上昇の兆しが見えてまいりました。2023年3月には、米国発の金融不安が生じる等、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しております。このような環境変化の中、当社グループでは中期経営計画「Re-connect 2023」の最終年度を迎えております。中期経営計画で掲げた4つの体験価値の提供に向けた取組みは着実に進展し、デジタルを活用した新たなお客さま接点の基盤も作り上げることができました。一方で、CXデザイン戦略の中心である生涯設計デザイナーチャネルの改革はまだ道半ばであります。保険業を狭義にとらえず、4つの領域(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)で価値を提供する保険サービス業へと進化するべく、新たな経営体制の下で、取組みを加速していきたいと考えております。
国内事業では、第一生命保険株式会社(以下、「第一生命」という。)において、質と生産性を重視する「深化」を目指し、過去に例のないビジネスモデル変革に取り組んでおります。特にコンサルティングの担い手である生涯設計デザイナーの採用・育成制度改革を通じて、お客さまから選ばれ続けるチャネルへと進化すべく取組みを推進いたしました。しかし、コロナ禍からの回復途上であったことも重なり、営業業績は依然としてコロナ禍前の水準を大きく下回っております。2024年3月期は、中期経営計画仕上げの年として新契約価値等の営業業績の反転に向けた取組みを加速させるとともに、引き続き金銭に係る不正行為撲滅に向けた経営品質刷新に取り組んでまいります。同時に、資産形成・承継事業の中核を担う第一フロンティア生命株式会社(以下、「第一フロンティア生命」という。)ではお客さまからお預かりする資産の拡大を目指し、ネオファースト生命株式会社(以下、「ネオファースト生命」という。)では第三分野において競争力の高い商品を提供する等、グループの力を結集してお客さまの多様なニーズにお応えしてまいります。
また、持続的な成長を実現するために、新たな領域への事業ウィングの拡大や新たな組織能力・ノウハウの獲得に向けた「探索」を進めてまいりました。国内におけるアイペットホールディングス株式会社(以下、「アイペット社」という。)の買収は、大手生保による新たな取組みとして注目を集めました。海外においては、ニュージーランドのPartners Group Holdings Limited(以下、「パートナーズ・ライフ社」という。)を買収した他、英国YuLife Holdings Ltd.(以下、「YuLife社」という。)への出資を実現いたしました。伝統的な生命保険事業が中心であった当社グループに加わった、これらの新たな組織能力によるシナジーの創出を追求し、当社グループの更なる成長につながる取組みを進めてまいります。
財務・資本政策では、資本効率の改善に向けてグループ内の各事業会社が持つ余剰資本をホールディングスに集約し、成長領域への投資や株主への還元を行う「資本循環経営」を推進しました。グループの各事業の着実な利益成長による子会社等からのキャッシュ・フロー収入の持続的な増加と、資本効率の改善及び資本コストの低減を通じて、資本コストを安定的に上回る資本効率を実現することで、当社の企業価値の向上を目指してまいります。
グループ経営管理態勢の面では、グローバルな保険グループを目指す中で経営チームの多様性を高めるべく、執行におけるコーポレート機能の強化に向けたCXO制度の拡充や外部からのプロフェッショナル人財の登用等の取組みを推進いたしました。事業運営の大前提である持続可能な社会の実現に向けては、“Chief Sustainability Officer”を新たに設置する等、推進体制を強化しており、脱炭素目標実現に向けた計画をより具体化していく等、当社のマテリアリティ(重要課題)に対応した各種取組みを事業戦略とともに進めてまいります。
当社グループは、「一生涯のパートナー」としてお客さまとともに歩みながら創業来の「変革の精神」で業界をリードする多様な取組みに挑戦してまいりました。現在の中期経営計画では中核事業である保険業の「深化」と、デジタルアクセスをはじめとする新たな組織能力の獲得への「探索」に取り組んでまいりましたが、課題も多く残存しております。現中期経営計画の仕上げの年としてこれらの課題解決に道筋をつけ、次期中期経営計画、そしてその先に目指す未来においては、保険業の枠組みにとらわれず4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)をよりシームレスに提供することを通じて、お客さまが望む未来を実現するためのサービスを幅広くご提供できる存在でありたいと考えております。「一生涯のパートナー」としてお客さまにwell-beingをお届けするため、そして企業価値の向上へとつなげるため、第一生命グループは変わり続け、目指したい未来へ向かって変革を加速させてまいります。
(3) 中期経営計画『Re-connect 2023』の進捗
「「Re-connect 2023」グループ重要経営指標(KPI)の状況」については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態、経営成績」をご参照ください。
各事業における主な取組みは次のとおりであります。
①国内事業
国内事業では、お客さまに選ばれ続ける保険グループとなることを目指し、顕在化する社会課題の解決とデジタル化の潮流を捉えた商品・サービスの改革に取り組んでおります。従来の保険の枠にとどまらない4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)をお届けし、お客さまの一生涯の日常に寄り添いながら、体験価値(CX※1)を最大化するCXデザイン戦略を通じて、すべての人々の“well-being(幸せ)”に貢献する取組みを推進いたしました。それぞれの体験価値を日常的に体験いただけるよう、デジタルの利点とリアルの強みを融合した当社グループ版OMO※2の実現を目指し、デジタル接点の拡充とリアルチャネルのコンサルティング向上に注力しております。
※1 Customer Experienceの略語。お客さまが商品・サービスを通じて体験する価値を意味しております。
※2 Online Merges with Offlineの略語であります。
<4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)>
「保障」
第一生命では社会保障制度と連動したライフプランコンサルティング「新・生涯設計プラン」を2022年7月より新たに導入し、あわせて商品ラインアップも刷新いたしました。これまで以上にお客さま一人ひとりに寄り添ったコンサルティングを実施することで社会保障制度の補完的役割を果たしていくとともに、多様化するお客さまニーズにきめ細やかに応えてまいります。ネオファースト生命では、健診結果改善をサポートするアプリ「Neoコーチ」の提供や、新たにがん保険「ネオdeがんちりょう」を発売する等、お客さまの「ココロとカラダの充実(wellness)」を応援する取組みを進めました。また、第一スマート少額短期保険株式会社では、商品ブランド「デジホ」を通じ、すべてのお手続きがスマホ等で完結するデジタル完結型保険の商品ラインアップ拡充に取り組みました。
「資産形成・承継」
人生100年時代の到来に伴う「老後の生活資金への不安」や「次世代への資産承継」といった社会課題の解決に向けて、当社グループでは自助努力による老後の資産形成や資産寿命の延伸について、一人ひとりのニーズに沿った最適なソリューションを提供することを目指しております。第一生命では、2022年10月からiDeCo向けの新プラン「第一生命のiDeCoミライデコ」の取扱いを開始いたしました。また、デジタル機能を活用し、資産寿命の延伸に向けたアドバイスや情報を一人ひとりにお届けすることで、より身近な日常から資産形成・承継を考えていただくきっかけとなるべく、デジタルプラットフォームサービス「資産形成プラス」を開始いたしました。同サービスにおいては、住信SBIネット銀行株式会社及び楽天銀行株式会社が提供するBaaS(Banking as a Service)を活用したネットバンクサービスも提供する等、デジタル面でのサービスを強化しております。第一フロンティア生命では、貯蓄商品としての機能に加え、認知症・介護への保障機能も有する「プレミアプレゼント3」を新たに発売する等、幅広い資産形成・承継ニーズにお応えする新商品の投入を機動的に行いました。また2022年8月には、当社グループ傘下に新たな資産運用会社、バーテックス・インベストメント・ソリューションズ株式会社を設立いたしました。同社を通じて、最先端の運用技術を駆使した運用機能・ソリューション等を提供してまいります。
「健康・医療」
「平均寿命と健康寿命のギャップ拡大」といった社会課題の解決に向けて、当社グループでは、将来の医療費適正化や効率的な保健事業運営をワンパッケージで支援する健康保険組合向けサービスHealstep®(ヘルステップ)を提供しております。Healstep®を導入いただいている健康保険組合は着実に増加しており、新たに事業主向けにもトライアル版の提供を開始しております。今後も健康保険組合や事業主のニーズに寄り添ったサポートの提供に取り組んでまいります。
「つながり・絆」
2023年3月期には、業務提携によって、生涯設計デザイナーチャネルを通じたペット保険の販売や人財交流等を通じて信頼関係を築いてきたアイペット社を買収いたしました。国内における希少な高成長を誇る保障性市場であるペット保険へと事業ウィングを拡げるとともに、核家族化の進展等の中で生活に喜びを与え、QOLの向上に資する存在となっているペットを通じて、従来の生命保険の事業領域を超えたお客さまの幸せへの貢献へつながる新たな取組みとなりました。
②海外事業
海外事業では、地理的・成長段階別に分散の効いた事業ポートフォリオ運営を推進する中で、既進出国からの利益貢献の拡大を目指しながら、未進出地域への展開を通じた生命保険事業の深化と新たな事業領域創出に向けた探索に取り組みました。海外事業の2023年3月期の修正利益※1は、米国政策金利の上昇や金融機関の破綻等による不安定な金融経済情勢を受けて対前年度比で減益となったものの、グループ全体の約3割を占めており、海外事業は引き続き当社グループの持続的な成長の牽引役を担っております。
新規海外展開では、将来のグループのリスクプロファイルの改善や利益成長への貢献につながる買収等を実施いたしました。2022年8月には、ニュージーランドにおいて、創業約10年で同国業界第2位に成長した生命保険会社グループであるパートナーズ・ライフ社の買収を行いました。同社は、クラウドベースの機動的なシステム開発・運用と卓越したデジタル能力を強みとして、シンプルかつ先進的な保障性商品を提供しております。また、同年7月には、英国において、2016年の設立来急成長を遂げているオンライン団体保険代理店であるYuLife社に出資を行いました。同社は、自社開発・提供しているアプリを通じて、団体保険の加入者一人ひとりが楽しみながら健康増進活動に取り組み、well-beingの向上を図ることに貢献しております。
米Protective Life Corporation(以下、「プロテクティブ」という。)では、同国の中古車市場におけるパイオニアである損害保険会社のAUL Corp.の買収が完了し、事業規模拡大・収益安定化に向けて一歩前進いたしました。金利上昇等を背景に経営者向け貯蓄性保険の販売が拡大し、基礎的な収益力は増加した一方で、急激な経済環境変化を受けて営業外損益が悪化し、修正利益は大幅に減少いたしました。
豪TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltd(以下、「TAL」という。)では、大手銀行グループWestpacグループの豪生命保険子会社であるWestpac Life Insurance Services Limited(現TAL Life Insurance Services Limited、以下「TLIS」という。)の買収が完了し、デジタルチャネルを通じて当該銀行の顧客基盤へのアクセスが可能となり、保障性市場における事業基盤が一層強化されました。2023年3月期は、当該買収による利益貢献が開始したことで、基礎的な収益力の改善が進んだ他、前期の豪金利変動に伴う減益要因が解消し、修正利益は大幅な増益となりました。
新興国市場では、Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limited(以下、「第一生命ベトナム」という。)において、好調な保険販売と、販売品質の更なる向上に向けた取組みによる継続保険料の増加を受けて保険料等収入が拡大し、修正利益も堅調に推移いたしました。その他に進出している各国においても、各国の事業ステージに応じた成長戦略の遂行と、情勢を踏まえた適切な業務運営を行いました。
※1 修正利益とは、キャッシュベースの実質的な利益を示す当社独自の指標であります。グループ修正利益は、グループ各社の修正利益を合計したものであり、株主還元の原資となる指標であります。持株会社である当社は、各社から受け取る配当金等に基づき株主還元を行います。
③財務・資本政策
<資本循環経営の実践>
当社グループは、財務健全性を維持しつつ、持続的な企業価値向上と株主還元の更なる充実を目指して、ERM※1(Enterprise Risk Management)の枠組みに基づく資本政策運営を行っております。中期経営計画では、高い資本効率や成長性が見込まれる事業への資本投下を通じてグループの資本効率・キャッシュ創出力を高めるとともに、株主還元を充実させる「資本循環経営」※2を推進しております。2023年3月期実績に基づくキャッシュ・フローについては、グループ会社からの配当性向の引上げや第一生命からの特別配当等により創出したキャッシュを戦略投資や株主還元に活用し、成長に向けた戦略的投資と株主還元の充実が両立する資本配賦を実現しています。2023年3月期グループ修正利益が減益となる一方、グループ会社からの配当等は、グループ修正利益を大幅に超過する約2,600億円を確保する見通しであります。
※1 ERMとは、事業におけるリスクの種類や特性を踏まえ、利益・資本・リスクの状況に応じた経営計画・資本政策を策定し、事業活動を推進することを指しております。
※2 「資本循環経営」とは、事業運営を通じて稼得した資本や、リスク削減によって解放された資本を財源として、財務健全性を確保しつつ、より高資本効率・高成長事業へと資本を再配賦することで資本・キャッシュ創出の好循環を生み出し、企業価値向上を目指す考え方であります。
<リスクプロファイルの変革に向けた市場関連リスク削減の取組み>
当社グループでは、資本コストの低減とリスク・リターンの向上を通じた資本効率の改善を目指しております。中長期的に目指す姿として、市場関連リスクに偏った現在のリスクプロファイルを、保険リスク中心のリスクプロファイルにシフトすることを企図しており、中期経営計画では第一生命における金利・株式リスク量の削減目標をグループ重要経営指標に設定し、取組みを推進しております。
2023年3月期の第一生命における市場関連リスク削減の取組みは、中期経営計画2年目を終えて引き続き計画を上回り順調に推移しております。金利リスク削減に向けて、超長期債券の継続的な購入や銘柄の入替えによるデュレーションの長期化等の取組みを着実に進めました。また、保有する国内株式の売却等を通じ、株式リスク削減の取組みも合わせて進めております。これらの取組みにより、市場関連リスクは中期経営計画開始時点の約68%から、2023年3月期末には現中計終了時点の目標であった65%程度を下回る、約61%まで減少いたしました。今後も資本効率の更なる改善に向けて、歩みを止めることなくリスクプロファイルの変革に取り組んでまいります。
④サステナビリティ・経営基盤
<持続的社会の実現に向けて>
社会環境は常に変化しており、当社グループは気候変動等の社会課題の解決への貢献とともに、将来世代を含むすべての人々のwell-beingへの貢献を追求し、事業運営に取り組んでいきたいと考えております。これらの活動を推進するために、14個のマテリアリティ(重要課題)を設定し、2023年3月期は、脱炭素社会実現に向けた取組みやダイバーシティ&インクルージョン、人権デュー・ディリジェンス、国内の自治体と協働での地域振興活動等を推進いたしました。また、企業としての社会的責任を果たすべく、役員報酬評価指標に、CO2排出量削減の進捗を含むサステナビリティ指標を導入いたしました。
2023年3月期に当社は、サステナビリティに関する取組みが優れたアジア・太平洋地域企業として、S&P社の“Dow Jones Sustainability Asia Pacific Index”の構成銘柄に選定された他、CDP(国際環境NGO)による気候変動に関する調査で最高評価の「Aリスト」企業に選定されました。また、環境省の第4回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」において、第一生命が投資家部門の最優秀賞である金賞(環境大臣賞)を受賞する等、高い外部評価を受けました。
<気候変動への対応>
事業会社としての取組み
当社グループでは、スコープ1※1及びスコープ2※1のCO2排出量に関して、グループ全体で2026年3月期までに50%削減(2020年3月期比)、2041年3月期までにネットゼロを達成する中長期目標を設定しており、第一生命がRE100※2へ加盟する等、排出量削減に向け取り組んでおります。加えて、第一生命ではスコープ3※1のCO2排出量を2031年3月期までに30%削減(2020年3月期比)、2051年3月期までにネットゼロとする目標を設定しており、コンタクトセンターの受電・書類発送業務の見直しやインターネット手続きの推進等の取組みを通じて、CX向上とともにOA用紙使用量の削減を図っております。
また、気候変動関連リスク・影響度の分析・把握に努めており、2023年3月期には気候変動が生命保険事業に与える影響の分析を進め、試算結果を開示いたしました。具体的には、第一生命の死亡保険金・入院給付金のお支払い実績等を基に、最高気温と死亡・入院発生の関連を推定し、国内生命保険会社3社※3の気候変動による将来の死亡保険金・入院給付金増加額を試算いたしました。結果として影響は限定的であったものの、今後の新たなリスク発現等にも留意しつつ、引き続き気候変動関連リスク・影響度の更なる把握に向け、取り組んでまいります。
※1 スコープ1:当社自らの直接排出、スコープ2:他社から供給された電気等の使用に伴う間接排出、スコープ3:スコープ1・2以外の間接排出です。第一生命のスコープ3は、カテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ3(スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動)、カテゴリ4(輸送、配送(上流))、カテゴリ5(事業から出る廃棄物)、カテゴリ6(出張)、カテゴリ7(雇用者の通勤)、カテゴリ12(販売した製品の廃棄)を対象として集計しております。
※2 事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアティブであります。
※3 第一生命、 第一フロンティア生命、ネオファースト生命の3社であります。
機関投資家としての取組み
第一生命では、幅広い資産を中長期に保有する「ユニバーサルオーナー」として、責任投資を資産運用の柱として位置付け、運用収益の獲得と気候変動等の社会課題解決の両立を目指しております。同社では、2021年3月期にネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス※1へ加盟し、資産運用ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を、2025年までに25%削減(2020年比)、2050年までにネットゼロとする目標※2を掲げ、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでおります。2023年3月期は、責任投資に関する2025年3月期末までの目標をまとめた「責任投資の中期取組方針」※3や、トランジション・ファイナンスに関する基本姿勢等をまとめた「トランジション・ファイナンスに関する取組方針」※4を策定いたしました。これらの方針の下、投融資先のうち排出量上位約50社へのエンゲージメント強化や気候変動問題の解決に資する投融資の積極化等、目標達成に向けた取組みを着実に進捗させました。また、GFANZ※5のプリンシパルズ・グループ・メンバーを務め、脱炭素社会の実現に向けて50ヶ国・550超の加盟金融機関をリードする役割を担いました。
※1 2050年までに投融資ポートフォリオのネットゼロ移行を目指す機関投資家団体であります。
※2 上場株式、社債、不動産に対する削減目標であります。
※3 方針の内容については右記リンク先をご覧ください。 https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/investment/pdf/ri-report_005.pdf
※4 方針の内容については右記リンク先をご覧ください。 https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/investment/pdf/ri-report_008.pdf
※5 Glasgow Financial Alliance for Net Zeroの略称で、ネットゼロへの移行を目的に設立されたアセットオーナー、銀行、保険、運用会社等のイニシアティブの連合体です。加盟機関数は2022年10月時点の数値であります。
<人財・ダイバーシティ&インクルージョン・人権尊重>
当社グループが更なる成長を成し遂げ、グローバルな保険グループへと進化するには、多様な人財の活躍が必要不可欠であります。グループ各社の独自性を理解・尊重すると同時に、性別、年齢、経歴、国籍等に関係なく、価値創造に貢献できる人財の育成、環境づくりを目指しております。国内においては、同質化を打破し、非「男性・新卒採用・日本人」の比率(ダイバーシティ比率)を高めていく中で、特に女性活躍推進においては、経営の意思決定に常時女性が参画している状態を目指し、2024年4月時点で組織長※1の女性比率※2を30%(2023年4月時点において18.5%)とする目標に向けて取組みを推進しております。加えて、企業価値向上を支える多様な人財を育成するため、2027年3月期を目途に3,300名程度の人財の戦略的シフトに取り組んでおります。特にビジネスモデル変革の原動力となる人財育成を強化し、グループ内外を問わず収益力強化につながる領域や新規事業への人員配置を進めてまいります。また、お客さま第一の実現に向けて組織と社員の結び付きをより高めるため、2021年から全役員と社員との対話の機会の場としてタウンホールミーティングを継続して実施している他、組織と社員の結び付きをエンゲージメント調査にて定期的に測定しております。こうした取組みを通して「誇りとやりがいをもって、仲間とともに生き生きわくわく活躍できる組織」と「社員のwell-beingを互いに尊重し高める」状態を目指し、組織改革につなげてまいります。
当社グループでは、グループ企業行動原則(DSR憲章)及び第一生命グループ人権方針において基本的な人権の尊重を表明しております。本グループ人権方針に基づき、CSA等のフレームワークを用いた人権リスクの特定と影響の評価、是正・救済策等の着実な実行を通じて、グループ各社における人権デュー・ディリジェンスの取組みを進めております。
※1 ライン部長、ラインマネジャー級の職位です。
※2 当社及び国内生命保険3社(第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命)合計です。
(4) 中期経営計画『Re-connect 2023』(2022年3月期 ~ 2024年3月期)
当社グループは、全てのステークホルダーの皆さまと「再度、より良い形でつながり直す」という想いを込めて、中期経営計画『Re-connect 2023』を策定いたしました。全役員・従業員が価値観を共有し、共鳴しあいながら変革を遂げるために改めて結束を強めてまいります。

<第一生命グループの重要課題>
第一生命グループは、全ての人々のwell-being実現に貢献していくにあたり、重点的に取り組むべき社会課題を以下のとおり選定いたしました。具体的には、ステークホルダーからの期待及び当社の事業活動に照らした重要度、さらにはグループ理念との関係性(ビジョンとの親和性等)から取り組むべき社会課題の優先度・重要度を評価し、中期経営計画「Re-connect 2023」の事業戦略に反映しております。
具体的には以下の3つのステップにて重要課題を選定しております。
<ステップ1>
・具体性を高めて取り組むべき社会課題の優先度・重要度を検討するために、SDGsの17の目標・169のターゲットを目的によってグルーピングし、50の社会課題を抽出
<ステップ2>
・50の社会課題を対象に、国際機関・ガイドライン策定団体、NGO、投資家にESG情報を提供する評価機関、業界団体をはじめとするステークホルダーからの期待を踏まえて、優先度付けを実施
・国内外の保険会社が取り組んでいる社会課題を踏まえて、重要度付けを実施
<ステップ3>
・保険会社にとっての重要課題を抽出し、「グループ理念」「QOL向上への貢献」との関連度を加味し、個々の重要課題の位置付け・表現を整理
・外部有識者との対話を経て、重要課題を選定
重要課題毎に具体的な社会課題を定め、中長期目標を設定した上で、当社グループの貢献度の測定にも取り組んでまいります。課題解決を通じて、当社グループにおける非保険分野を含めた、お客さま数の拡大を目指してまいります。
当社の重要課題のうち、“well-being”を構成する4つの体験価値と、それを支えるCX向上のそれぞれについて、中長期的に目指す方向性については以下のとおりであります。

一方で私たちが追求する全ての人々の幸せは、持続的社会(サステナビリティ)があってこそ実現するものであります。今般、持続的社会の実現を事業運営の根幹と位置づけ、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。

中計『Re-connect 2023』においては、ビジョン“Protect and improve the well-being of all”で表現した私たちの目指す姿からバックキャスティングする形で、お客さまをはじめとする全てのステークホルダーとの「つながり」の在り方を見直し、この3年間で4つの重要施策「国内事業」「海外事業」「財務・資本」「サステナビリティ・経営基盤」を展開してまいります。
<中期経営計画「Re-connect 2023」における4つの重要施策>
① 国内事業:保険ビジネスモデルの抜本的転換「事業ポートフォリオにおける深化と探索の同時追求」
国内事業では、市場シェアの拡大に加え事業効率向上を通じて事業の「深化」を図ると同時に、新たな組織能力の獲得、即ち「探索」に向けて、健康・医療領域の新規サービス提供、デジタル技術の獲得を目的とした外部との協業、資産形成・承継領域の機能強化につながる事業投資等を通じて、グループの持続的成長を目指してまいります。
マルチブランド・マルチチャネル戦略を基盤としつつ、お客さまの継続した体験、すなわちCXに軸足を置き、対面チャネルに加えてデジタルも活用した総合的なビジネス・サービスプロセスを構築する「CXデザイン戦略」に取り組んでまいります。「CXデザイン戦略」とは、全てのお客さま接点でお客さまの期待を超える体験・感動をお届けすることで、会社の成長につなげていくものであります。デジタル接点を含めたお客さま接点の拡大や、リアルチャネルのコンサルティング力向上、データアナリティクスなどを通じた 「お客さま理解」の深化に取り組むことで、一人ひとりに最適で品質の高いCXを提供できる仕組みづくりを行ってまいります。オフラインであるリアルチャネルの強みを活かしながら、オンラインと融合することでお客さま接点を一つにつなげ、最適な商品・サービス・情報を、最適なタイミング・最適なチャネルで提供する当社版OMO(Online Merges with Offline)を実現し、お客さまにとって「ほしいものがほしいときに自然なかたち」でお客さまの期待を超える体験・感動をお届けすることを目指してまいります。

② 海外事業:環境変化に柔軟に対応し、成長を牽引する海外事業ポートフォリオの構築
海外事業においては、市場ステージに応じたポートフォリオ戦略を引き続き推進してまいります。
安定成長と早期利益貢献が期待できる米国及び豪州と、中長期の利益貢献が見込まれるアジア新興国での成長に加え、将来の更なる環境変化に備えた革新的なビジネスモデルの取込みを戦略の3つの柱とし、これらにバランスよく取り組むことで、持続的な利益成長と資本コストを上回る資本効率を同時追求してまいります。
特に各国の資本規制や引き続き継続する低金利環境に対応した新ビジネスの探索(イノベーション)を進めてまいります。キャピタルライトなビジネスの取り込みや地域・事業分散を通じて、より厳しさを増す外部環境の変化への耐性を持った持続的成長基盤の構築を目指してまいります。
また、これまでも、社長、海外各社のCEO、関連役員により構成されるGLC(グローバル・リーダーズ・コミッティー)において、グローバルな知見を活用しつつ、グループ共通の課題解決に向けた協働取組みを行ってまいりましたが、海外事業の更なる拡大が見込まれる中、より一層グループ最適な視点から経営戦略を策定し、求心力を発揮することが不可欠であります。
このために、海外グループ会社の中間持株会社に海外事業戦略を議論する討議体を設置し、その運営を担える国内外のグローバル人財の活用を通じて、よりグローバルな経営スタイルへの転換を加速させてまいります。

③ 財務・資本:グループ事業を支える強靭な財務体質への変革と資本循環経営
財務・資本では、市場関連リスクの削減による健全性の向上や資本コストの低減に加え、ERMに基づく規律ある成長投資や機動的かつ柔軟な株主還元の実践等を通じ、中長期的に資本コストを上回る資本効率を目指してまいります。
資本コストについては、経営環境が変化する中で、これまでの当社想定8%から10%へと自己認識を改めました。高い資本コストの一因としては、金融市場変動の影響を受けやすい財務体質が挙げられ、当社グループが有する統合リスク量(2021年3月末時点)の構成は、市場関連リスクが68%を占めております。そこで市場関連リスクの削減について、従来以上に削減量・スピードを高め、中期経営計画期間の3年間で2021年3月期時点の約20%を削減することといたしました。2021年3月期の取組みを含めると、当初の4年計画の約1.5倍に相当する削減計画となります。ただし、これはあくまで通過点であり、金利リスクについては流動性も踏まえつつ、中期経営計画期間以降においても更なるリスク削減を図ってまいります。
資本効率については、改定後の資本コストを安定的に上回る水準を目指します。グループ各社に対しては、事業リスク特性に応じたベータや所在国による市場リスクプレミアムを勘案した資本コストを個別に設定の上で事業成果を評価し、資本の配賦・回収等の意思決定を行ってまいります。
このような考えのもと、中期経営計画の重要経営指標(KPI)において、資本効率指標として従来のROEVに加えて新たに修正ROEを加えるとともに、市場関連リスク削減に関する具体的な削減金額ならびに資本充足率についても目標設定を行いました。

④ サステナビリティ・経営基盤:サステナビリティ向上への使命・責任を果たし、人と社会と地球の幸せな未来を創る
当社グループは、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。地域・社会のサステナビリティに関する取組みは、国内グループ中心に“世の中の範”となるための目標を設定しております。将来的には、独自の商品・サービスなどを通じた社会的インパクトの創出も挑戦してまいります。
例えば、気候変動対応については、カーボンニュートラルの実現に向けて、2024年3月期までに第一生命が事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達する方針を決定いたしました。加えて、責任ある機関投資家としてESG投資をグループ会社へも展開することを目指します。第一生命では、2050年までに運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指します。
また、2022年3月期より、社長を委員長とする 「グループサステナビリティ推進委員会」を新設し、グループ横断的に非財務分野に係る方針・戦略の立案や、各社における取組遂行状況のモニタリング等を開始いたしました。多様化するお客さまの価値観・ニーズを先んじて捉え、お客さまの期待を超える体験・感動をお届けするためには、私たちも多様性に富んだ人財・組織である必要があると考えており、ダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。
男女共同参画社会の実現に向けた取組みはもとより、中途社員・外国人・専門人財など、様々なバックグラウンドを持つ人財が自分らしく働き、個や組織の能力と生産性を高めながら、仲間とつながり、アイデアの共有や相乗効果を生みやすい環境を整備してまいります。具体的には女性管理職比率の新たな目標として、2021年4月時点で13%を占めるライン部長・ラインマネジャー級の管理職における女性比率を2024年4月までに30%とすることを目指してまいります。
より良い未来を創造し、世代を超えて人々のwell-being(幸せ)に貢献するためにも、気候変動対策をはじめとする様々な社会課題に一層積極的に取り組むとともに、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、多様な働き方の支援、機動的な人財シフト等を通じて、ビジネスモデル変革の原動力となる人財・組織を強化してまいります。

文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において、当社及び当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
<サステナビリティ共通>
当社グループが追求する将来世代を含むすべての人々のwell-being(幸せ)は、持続的社会があってこそ実現するものと考えております。当社グループでは、その持続的社会の実現を事業運営の大前提と位置付け、気候変動への対応のほか、あらゆる人々の人権や多様性の尊重といった重要なサステナビリティ課題の解決に向けて取り組んでおります。
(1) ガバナンス
当社グループでは、持続的社会の実現に向けた取組みを力強く推し進めるために、「グループサステナビリティ推進委員会」を中心としたサステナビリティ推進体制を構築しております。また、2022年7月より、当社役員報酬の業績連動型株式報酬の一部に、CO2排出量削減進捗に関する指標を含むサステナビリティ指標を導入しております。
サステナビリティ推進体制(2023年4月時点)

グループサステナビリティ推進委員会では、グループ方針・戦略や対外コミットメントを含む効果的な情報発信の検討、グループ各社における取組遂行状況のモニタリングなどについて、グループ横断的かつ超長期的な視点で議論しております。委員会にて議論された内容は経営会議・取締役会に報告・提言を行っております。
さらに、2023年4月からは、“Chief Sustainability Officer”を新設し、脱炭素社会への貢献に向けた推進体制を強化しております。
2023年3月期の主な議論
当社グループでは、外部環境やSDGsなどのグローバルなイニシアティブを踏まえ、事業を通じた社会課題の解決と地域・社会の持続性確保に向けて重点的に取り組むべき14の重要課題を選定しております。これらの領域について、当社グループの事業に及ぼす中長期のリスク・機会を把握し、中期経営計画「Re-connect 2023」の事業戦略に反映しております。
なかでも地域・社会の持続性確保に関する取組みについて、地球、ひと、社会の3つの観点で100年後の持続的社会の実現に向けた目標を設定し、取組みを進めております。
当社グループでは、経営に重要な影響を及ぼす可能性のある予見可能なリスクを「重要なリスク」として特定し、そのリスクを踏まえた事業計画の策定を推進することで、予兆段階から適切に対処するリスク管理を実施しております。グループの重要なリスクの特定にあたっては、グループ会社における重要なリスクの洗出し結果をもとに、各リスクの影響度・発生可能性を4段階で評価し、ヒートマップを用いて、重要度の高いリスクを「重要なリスク」としてリスク管理統括ユニットにて特定し、毎年度見直す運営としております。サステナビリティに関連するリスクとして気候変動に関するリスクや人権侵害に関するリスクなどを「重要なリスク」として特定して、リスク管理を強化しております。
持続的社会の実現に向けた中長期の目標を定め、グループを挙げた取組みを着実に進めております。気候変動や人的資本に関する取組みについては定量的な目標を定めてその進捗を管理しております。具体的な目標については<気候変動に関する取組み>の「(2) 戦略」「(3) 指標及び目標」や、<人的資本・多様性に関する取組み>の「(2) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績」をご参照ください。
<気候変動に関する取組み>
当社グループが追求する「将来にわたるすべての人々の幸せ」の大前提となる、100年後を見据えた持続的社会の実現に向けて、気候変動への対応は重要な課題の一つであります。当社グループは事業会社として、そして機関投資家として、ネットゼロを実現するための目標を掲げ、気候変動への取組みを継続的に強化してまいります。また、世界の金融機関の脱炭素取組みを推進する連合体であるGFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)においてプリンシパルズ・グループの一員を第一生命が務めるなど、世界の脱炭素化を実現していくため、リーダーシップの発揮に努めております。
なお、具体的な取組みの詳細については、2022年8月発行の統合報告書2022や、2023年8月発行予定の統合報告書2023をご参照ください。
(1) ガバナンス/リスク管理
2016年のパリ協定発効により、環境問題、とりわけ気候変動への対応は国際社会全体で取り組む課題であるとの認識が高まっており、当社グループにおいても、気候変動への対応はお客さまの生命や健康、企業活動、社会の持続可能性などに大きな影響を与えうる重要な経営課題と認識し、2020年3月期以降、気候変動に関するリスクを「重要なリスク」の一つとして選定し、リスク管理を強化しております。具体的には、リスク管理担当の役員が委員長を務める「グループERM委員会」のなかで、物理的リスク・移行リスクの評価・対応方法について議論を行い、必要に応じて、経営会議・取締役会にも報告しております。グループガバナンス態勢の強化の一つとして、「グループサステナビリティ推進委員会」では、気候変動への対応をはじめとするサステナビリティに関わる方針・戦略の立案や取組遂行状況のモニタリングなどを実施しております。
気候変動対応に関するガバナンス/リスク管理体制(2023年4月時点)

(2) 戦略
①気候変動関連のリスク・機会、当社グループ事業への影響
当社グループとして、気候変動によって中長期的にもたらされる影響を、複数のシナリオを用いて分析した結果に基づき、事業会社・機関投資家としてのコントロール策・事業としてのレジリエンス(強靭性)を高める取組みを推進しております。
②シナリオ分析
当社グループでは気候変動が生命保険事業に与える影響として、保険金・給付金支払いに関するリスク把握の取組みを進めております。
2021年3月期より、気温と第一生命の保険金・給付金の関係を、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー社と共同で分析してまいりました。
これまでに第一生命の死亡保険金支払実績をもとに、夏季の気温上昇による健康被害の増大に着目した分析を実施し、全国の最高気温と死亡発生の関係性を推定しました。そこに将来の気候シナリオを仮定したうえで保険金支払増加額の試算を行い、2022年8月発行の統合報告書2022で結果を開示いたしました。
また、気候シナリオをSSP5-8.5※へアップデートするとともに、グループ内の国内生命保険会社3社(第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命)における死亡保険金支払増加額・収支への影響も分析いたしました。加えて、夏季の気温上昇による入院への影響分析を実施しております。
※ IPCC第6次報告書では、将来の社会経済の発展の傾向を仮定した共有社会経済経路(SSP)シナリオと放射強制力を組合せたシナリオが使用されております。これらはSSPx-yと表記され、xは5種のSSP、yはRCPシナリオと同様に2100年頃のおおよその放射強制力を表しております。SSP5-8.5は化石燃料依存型の発展のもとで気候政策を導入しない高位参照シナリオであります。(「IPCCの概要や報告書で使用される表現などについて」(環境省、2021年8月9日公表)に記載されている説明文書の一部を抜粋のうえ、当社で加工)
③気候変動リスク・インパクトの認識のさらなる高度化に向けた分析
当社グループでは、気候変動問題の解決に向けて気候変動リスク・インパクトの認識の高度化を進めております。保険監督者国際機構(IAIS)が2021年9月に公表した『気候変動が保険会社の投資に及ぼす定量的影響に関する報告書』の中で、保険セクター全体における気候変動により想定される投資損失は、保有資本により概ね吸収可能と評価されておりますが、当社グループにおいても、同報告書の分析を参考に資本充足率(経済価値ベース)に与える影響を試算し、保有資本で吸収可能な水準であることを確認しております。加えて、MSCI社の気候バリューアットリスク(CVaR:Climate Value-at-Risk)という手法で、財務影響を移行リスク、物理的リスクに分けて分析し、結果を統合報告書2022で公表しております。
(3) 指標及び目標
①事業会社としての取組み
当社グループでは、スコープ1及びスコープ2のCO2排出量について、パリ協定での目標を見据え、2026年3月期までに50%削減(2020年3月期比)、2041年3月期までにネットゼロという目標を設定しております。加えて、グループ中核会社の第一生命では、全社員が一体となった取組みを推進するため、「事業や社員の行動変容につながる視点で重視すべき項目」を対象にスコープ3のCO2排出量を、2031年3月期までに30%削減(2020年3月期比)、2051年3月期までにネットゼロという目標を設定しております。
なお当社グループの2022年3月期のスコープ1及びスコープ2のCO2排出量は98,900t、第一生命の2022年3月期のスコープ3のCO2排出量は46,600tとなります。2023年3月期のCO2排出量は2023年8月発行予定の
②機関投資家としての取組み
第一生命では、気候変動問題の解決を責任投資における最重要課題と位置付け、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでおります。2021年2月には国内で初めて、NZAOA(Net-Zero Asset Owner Alliance)に加盟し、2050年までに運用ポートフォリオのネットゼロを実現することにコミットいたしました。また、NZAOAプロトコル(目標設定ガイドライン)に従い、上場株式・社債・不動産ポートフォリオにおける温室効果ガス(GHG)排出量を2025年までに25%削減(2020年比)する目標を設定しております。なお、第一生命の2021年の上場株式・社債・不動産ポートフォリオにおけるGHG排出量は約493万(tCO2e)となります。2022年の温室効果ガス排出量は2023年8月発行予定の
また、脱炭素社会の実現に向けた機関投資家としての取組みは当社グループ各社にも広がっており、2022年5月には、第一フロンティア生命が、運用ポートフォリオのGHG排出量削減にかかる2025年目標を設定いたしました。
第一生命は、国内株式、外国株式、国内社債、外国社債のポートフォリオに関して、投融資先企業の気候関連リスク・機会を評価するために、TCFD提言が開示を推奨している総炭素排出量と加重平均カーボンインテンシティ(WACI:Weighted Average Carbon Intensity)の分析を行っております(2023年3月期の結果は2023年8月発行予定の
これに加えて、第一生命では、気候変動を含む社会課題の解決に向けた投融資を拡大しています。同投融資の累計は、2022年3月期末時点で約1.3兆円に到達しておりますが、さらなる社会へのポジティブ・インパクト創出に向けて、2025年3月期末までに同投融資を2兆円以上に拡大してまいります。なかでも、同社の責任投資における最重要テーマである気候変動問題への対応強化として、気候変動問題の解決に資する投融資を2025年3月期末までに1兆円以上に拡大してまいります。なお、2023年3月期末の実績は2023年8月発行予定の
<人的資本・多様性に関する取組み>
(1) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
①人財育成方針
当社グループは、お客さま本位の姿勢と革新的なサービス提供をもとにグローバルな保険グループへの進化を目指しております。多様なお客さまニーズにお応えするため、4つの領域(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)で価値を提供するサービス業への進化を目指しており、そのためには、多様な人財の活躍が必要不可欠と考えております。また、成長著しいアジア市場や競争の激しい先進国市場への対応など、グローバル市場での更なる成長を成し遂げるため、グループ各社の独自性を理解・尊重すると同時に、性別、年齢、経歴、国籍等に関係なく、価値創造に貢献できる人財の育成、環境づくりを目指しております。
多様化するお客さまニーズへの対応
お客さまニーズが多様化する時代において、保険領域を超えたお客さま体験価値(=CX)の創出に向け、ビジネスモデル変革を推進する人財育成を推進いたします。
グローバル人財育成
グローバルビジネスの拡大に向け、海外グループ各社の経営課題への対応や、成長戦略の遂行並びにガバナンス体制強化を目的としたグローバル人財育成を推進いたします。
ダイバーシティ&インクルージョン
経営層やリーダー層の多様性を組織の変革を生む力に変えていくためにダイバーシティ&インクルージョン推進の重要取組みの一つとして、女性の活躍推進に力を入れております。
②社内環境整備方針
一生涯のパートナー ~By your side, for life~をミッションとして、人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献するため、多様な人財が成長し、グループの価値創造に積極的に貢献できる環境づくりを進めております。従業員が自身のキャリアを自律的に考え、自ら将来に向けたキャリアを構築するためのサポートを提供するとともに、多様な人財が活躍する職場環境・風土づくりを実現いたします。また、社員のwell-being実現に向けて、全社員が働きがいを持ち、イキイキと働くことができる風土づくりに向けた取組みを推進いたします。
社員が自身のキャリアを自律的に考え、自らキャリアを切り拓くための制度を推進しており、当社グループ内に留まらずグループ外企業の職務を含め、保険の枠組みを超えた多様なフィールドで活躍できる環境を拡充しております。
社員自身が働く場所と時間を自由に選択し、より柔軟な働き方ができる職場環境を目指して、テレワークやフレックスタイム制度の活用・コアタイムの撤廃など、組織・個人の付加価値向上や生産性向上につながる取組みを推進しております。
当社グループは、社員、お客さま、地域・社会の健康増進に寄与する「健康経営®」を推進しております。「健康経営®」の担い手である社員一人ひとりが健康でイキイキ働くことができるよう、「疾病予防」「重症化予防」「メンタルヘルス対策」の3つを柱とした各種健康増進施策ならびに両立支援策に取り組んでおります。
(2) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
(注) 1 実績は2023年4月、目標は2027年4月であります。
2 実績は2023年3月期末、目標は2024年4月であります。
3 実績は2023年4月、目標は2024年4月であります。
4 実績は2023年3月期であります。
文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において、当社及び当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社は、当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性のある予見可能なリスクを「重要なリスク」として特定しております。当社グループの重要なリスクについては以下のとおりであります。
<重要なリスクと選定プロセス>


重要なリスクの特定にあたっては、グループ会社における重要なリスクの洗い出し結果をもとに、各リスクの影響度※1・発生可能性を4段階で評価し、ヒートマップを用いて、重要度の高いリスクをグループベースの重要なリスクとして特定し、毎年度見直す運営としております。また、現時点では重要なリスクではないものの、新たに現れてくることが想定されるリスクとして「エマージングリスク※2」の洗い出しも毎年度実施しております。
これらのリスクを踏まえた事業計画を策定することで、リスク認識を踏まえたPDCAサイクルを推進し、予兆段階から適切にリスクの管理を実施しております。
※1 影響度は経済的損失額、レピュテーション(売上・経営責任・株価への影響)等の要素を考慮
※2 環境変化等により、新たに現れてくることが想定されるリスク
当社は、これら「重要なリスク」の管理状況を定期的に経営会議、取締役会に報告しており、その状況を認識した上でリスクの発生の回避に向けた対応を推進するとともに、リスクが顕在化した場合には迅速かつ適切な対応に努めております。
なお、当社グループのリスク管理体制については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備状況」に記載のとおりであります。
以下に「重要なリスク」並びに投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるその他のリスクを列挙しております。
(1) 市場・信用・流動性に関するリスク
1) 国内外の金融市場・経済情勢の悪化に関するリスク
当社グループの業績は、国内外の経済状況や金融市場に大きく影響されるものであります。過去1年の日本経済を取り巻く環境として、ロシアのウクライナ侵攻等による地政学リスクの高まりやインフレ率の高止まりに伴う各国金融引き締めの加速により、米国金利を中心に海外金利が大きく上昇しました。また、2023年3月期末には欧米金融機関に端を発する金融不安が拡大し、世界的な経済や金融市場の先行きには、依然として不透明感があります。世界的に経済や金融市場における先行き不透明感が強まった場合、金融資本市場は不安定さを増し、金融市場のパフォーマンスの悪化につながる可能性があります。深刻な金融不安が生じた場合には、主要な経済圏に多大な影響を及ぼす可能性もあります。
当社グループは、ストレス・テスト等によるリスク耐性の確認を定期的に実施しており、健全性が懸念される場合には速やかにリスク削減のアクションプランを講ずる等の態勢を構築しておりますが、こうしたリスクが現実となった場合、当社グループの保険商品への需要が低下する可能性や、個人保険の解約・失効率が上昇するおそれがある他、低金利や株価下落により資産運用収支の悪化等、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、中期経営計画「Re-connect 2023」において、財務健全性の確保に向けて、経済価値ベースの資本充足率(以下、ESRという。)のターゲット水準を170~200%としておりますが、2023年3月末のESRは226%と200%を上回る水準を確保しております。
第一生命では、金利・株式等の市場関連リスクの削減に継続的に取り組んでおり、2023年3月期においても、国内における低金利環境の長期化を見越し、超長期債券の購入によるデュレーションの長期化等により金利リスクの削減を進めました。また、保有株式の計画的な売却を継続することで金融市場変動の影響を受けにくい財務体質に向けた取組みを強化しており、2021年3月末に掲げた追加的な金利・株式リスクの削減目標(2024年3月期末までに2021年3月期末対比で20%相当削減)に対し、順調に進捗しております。
<市場関連リスク削減(2023年3月末)>

2) 株式投資に関するリスク
国内株式市場を含むグローバル金融市場は、世界的な経済・金融情勢により大きく変動いたします。経済危機及び主要経済大国における景気回復見通しの不透明感等に起因して株価が急落する場合、有価証券評価損・売却損の増加及び有価証券含み益・売却益の減少を通じて当社グループの資産運用収支、純資産及びソルベンシー・マージン比率やESR等の健全性指標等を著しく悪化させ、当社グループの財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、その他有価証券評価差額金は、当社グループの純資産と支払余力及びソルベンシー・マージン比率に影響を及ぼします。
株式市場の著しい低迷及び経済状況の悪化による保有株式の価値減少に係るリスクに備えるため、第一生命においては将来的な株価下落によるリスク顕在化に備え、株式の売却やデリバティブの活用を通じたリスク・コントロールを実施しておりますが、今後、国内外の経済状況及び株式市場が大きく悪化した場合には、当社グループに重大な損失をもたらし、当社グループの財務内容に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
3) 金利変動に関するリスク
当社グループでは、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理するため、長期的な資産・負債間のバランスを考慮しながら安定的な収益の確保を図ることを目的として、資産・負債総合管理(Asset Liability Management。以下、「ALM」という。)を行っておりますが、金利の乱高下といった大幅な市場環境の変動等が起きた場合には、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、中長期金利が長期にわたり著しく低水準で推移した場合には、収益性の確保が困難になり、販売中止を余儀なくされる貯蓄性商品が今後も発生する可能性があります。
特に、第一生命ではALMの考え方に基づき保有債券のデュレーション(残存期間)を長期化させる努力をしておりますが、契約者に対して負う債務のデュレーションは未だ運用資産よりも長期であることから、このような負債と資産のデュレーションのアンマッチ(不一致)による金利変動リスクを有しております。金利の低下局面では、より低い金利水準を求めて期限前償還又は繰上返済される債券や貸付及び満期を迎えて償還される資産を再投資した際の運用利回りは従来より低くなるため、平均運用利回りは低下いたします。既契約の保険料が原則として変わらない一方、このような低い金利水準により資産運用ポートフォリオの利回りが低下することで、当初想定していた運用収益が確保できない、あるいは逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均利回りが既契約の保険料率の設定に用いた予定利率を下回る状態)となる可能性があり、当社グループの収益性及び長期的な事業運営能力に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
逆に、金利が上昇する局面では、資産運用利回りが上昇することにより資産運用ポートフォリオの収益力を向上させることができる一方で、保険契約者がより高収益の資産運用手段を求めることにより保険契約の解約が増える可能性があります。更に、金利上昇時は債券等の価格が下落し、含み損益の悪化により純資産にマイナスの影響を及ぼします。当社グループは金利上昇リスクに対応し、会計上、一定のデュレーションマッチングを条件に簿価評価が可能な責任準備金対応債券を積極的に活用することにより、かかる影響を緩和しておりますが、金利が短期間で大幅に上昇した場合は当社グループの財務内容及び収益性に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、第一フロンティア生命においては、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理するためALMを行っており、金利変動によるESRへの影響は限定的に留まる見込みですが、金利変動に伴う資産と負債の会計上の評価額の計上方法の違い等により、当社グループの純資産と支払余力及びソルベンシー・マージン比率に影響を及ぼす可能性があります。これについては、再保険を活用することで、上記影響を緩和する等の対策を行っております。
4) 資産運用ポートフォリオに係るその他のリスク
安定的な資産運用収益の獲得は当社グループの事業運営にとって重要であるため、当社グループの資産運用ポートフォリオは、国内外の公社債及び株式以外にも、貸付金、不動産並びにオルタナティブ投資等幅広い資産区分に分散投資することでリスク抑制的な運営を行っておりますが、以下に掲げる様々なリスクを回避できない可能性があります。
a 為替リスク
当社グループの保有する有価証券には外貨建てのものも含まれております。外貨建ての有価証券とは、主に外国債券(外国の国債・政府機関債・社債等)、外国株式及び証券化商品でありますが、特別勘定において保有するもの及び外貨建商品に係る責任準備金に実質的に対応させて保有するものを除いて、外国為替相場の変動による時価の変動が当社グループの業績に実質的に影響を及ぼします。当社グループは、保有する外国債券の一定割合について外国為替相場の変動をヘッジしておりますが、著しい為替差損等が生じた場合、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
b 信用リスク
当社グループが保有する債券の発行体の信用力が信用格付けの引下げ等により低下し、債券の市場価格が下落する可能性及び保有する債券の発行体が元利金不払い等債務不履行に陥る可能性があります。その結果、有価証券評価損が発生したり、有価証券売却損益・含み損益が悪化することで、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが市場リスクをヘッジするために用いている金利スワップ、為替予約、株価指数先物等のデリバティブ取引についても、カウンターパーティー・リスク(デリバティブ取引等の相手方の信用リスク)を有しており、カウンターパーティーに債務不履行が生じた場合には、有価証券評価損及びその他損失の発生や、有価証券売却益及びその他利益の減少につながる可能性があり、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは貸付先の財務内容や信用力が悪化するリスクにさらされており、当該リスクは当社グループの貸付金ポートフォリオの信用コストを上昇させる可能性があります。即ち、当社グループは貸付先に関する評価・見積りに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、国内外の経済状況の悪化や業種固有の問題等により債務不履行や信用力の低下が発生した場合には、実際に発生する損失が引当金を超過し又は引当金の増額が必要となり、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内のメガバンクに対して相当量のエクスポージャー(与信等の残高)を有しておりますが、それは主に劣後債であります。一般的に、これら劣後性証券の価値はシニア債券の価値に比べて、発行体である銀行の信用情報の変化に、より大きく影響を受ける傾向があります。そのため、国内の銀行の信用状況や財務内容が悪化した場合には、有価証券評価損、引当金の増額及びその他損失の発生又は有価証券売却益及びその他利益の減少につながる可能性があり、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
c 不動産投資に関するリスク
当社グループは、営業・投資を目的とする不動産を保有しております。景気低迷により、不動産価格や賃貸料の下落及び空室率の上昇等が生じた場合には、当社グループの不動産関連収益は減少し、結果として、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5) 資産流動性に関するリスク
当社グループが提供する多くの商品は、契約者が積立金の一部を引き出すこと及び契約を解約し解約返戻金を受け取ることを認めております。
当社グループは、今後予想される積立金の引出しや解約の請求、保険金・給付金等の支払い及び金融機関等とのデリバティブ契約に関する担保の差入れ要請に対応するために十分な流動性を提供し維持できるよう、負債の管理と資産運用ポートフォリオの構築をしており、また、流動性を高めるために当座借越契約を締結しております。一方で、不動産、貸付金及び私募債等の一部の資産は一般的に流動性に乏しいものであります。当社グループが、例えば、不測の引出しや解約、感染症の大流行等の大規模災害により、急遽、多額の現金の支払いを求められる場合、当社グループの流動資産及び当座借越が無くなり、その他の資産も不利な条件で処分することを強いられる可能性があります。更に、金融市場における混乱は、当社グループが有利な条件で資産を処分できない又は全く処分できないといった、流動性における危機をもたらす可能性があります。当社グループが不利な条件での資産の処分を強いられる又は資産を処分できない場合には、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 保険引受に関するリスク
1) 保険商品の料率設定及び責任準備金の積立ての前提が変動するリスク
当社グループの収益は、当社商品の料率設定及び責任準備金額の決定に用いる計算基礎率が保険金・給付金等の支払い実績とどの程度一致するか等に大きく影響されます。計算基礎率には、将来の死亡率(予定死亡率)、資産運用収益率(予定利率)、事業費率(予定事業費率)を含みます。計算基礎率よりも実際の死亡率が高かった場合、資産運用収益が低かった場合、事業費がかかり過ぎた場合には、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、標準生命表や標準利率の改定は計算基礎率の設定に影響し、結果として会社の財務内容及び業績にも影響を及ぼし得ます。近年、当社グループが販売に力を入れている「第三分野」の保険商品(医療保険、がん保険、介護保険等)の料率設定の計算基礎率は、伝統的な死亡リスクを保障する生命保険商品の計算基礎率に比べて限定的な経験に基づくことが多く、相対的に高い不確実性を内包しております。
当社グループは、保有契約の責任準備金について定期的に計算を行い、責任準備金の変動分を費用又は収益として計上しております。保険金・給付金等の支払い実績が当初の計算基礎率より多額となる等により責任準備金の積立不足が顕在化した場合、又は環境の変化によって当社グループの責任準備金の計算基礎率を変更せざるを得ない場合においては、当社グループは責任準備金の積増しを行うことが必要となる可能性があります。このような積増しが多額である場合には、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが販売している円貨建及び外貨建定額商品等の中には、市場価格調整(MVA)を設定するものがあり、国内外の市場金利の低下局面においては責任準備金の積増し、上昇局面においては責任準備金の取崩しが必要となることから、会計上の一時的な変動要因となる可能性があります。更に、当社グループで販売している変額年金保険の中には、最低給付の保証を特徴とするものがあります。この保証型商品については、責任準備金に不足があれば積増しを行う必要があり、結果として費用が増加する可能性があります。当社グループは、ダイナミックヘッジ(価格変動リスクをヘッジする手法の一つ)の活用や再保険契約の締結等によって最低給付保証に係るリスクのヘッジに努めておりますが、こうした取組みが成功するとは限らず、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2)医療技術の進展に関するリスク
近年、人口構成や疾病構造の変化により、医療はその対象を疾患治療そのものだけでなく疾患罹患予測や予防へと大きくシフトさせています。また、医療者だけでなくバイオテクノロジー、製薬、ヘルスケアなどさまざまな健康関連事業者が医療分野に参入し、疾病と健康の境界があいまいになってきております。これらの変化は疾患の早期診断や早期治療を可能にしましたが、更なる技術開発が進んだ場合、将来の疾患リスクが把握できることにより、リスクの高いお客さまが積極的に高額の保険に加入する逆選択加入のリスクが増加し、また従来であれば発見されなかった疾病が発見されることや、疾患基準の拡大等により、保険金等の支払いが大幅に増加する可能性があります。
当社グループでは、新たに開発する保険商品、保有契約の保障内容を踏まえ、これらのリスクに備えて、医療技術全般に関し、その動向を調査し、数年後を見据えた技術の精度や普及度を評価することで、生命保険の引受け、支払いに与える影響等を分析しております。
また、医療技術の進展に伴い、保険会社にとってはリスクを細分化した保険引受が可能になりますが、個人のヘルスデータの利活用の権限やその範囲は一般に定められたものはなく、お客さまの期待を超えて保険引受に活用した場合には、当社グループの信用が著しく失墜し、損失を被る可能性があります。
3)再保険取引に関するリスク
当社グループは、責任準備金の積立てにかかるリスクの軽減や金利リスク削減等のため、再保険契約を活用しております。しかし、再保険取引は、将来適切な条件で締結できない又は再保険の締結自体ができないリスクがあるとともに、カウンターパーティー・リスクにさらされており、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) オペレーショナル・テクノロジー・サイバーに関するリスク
1) サイバー攻撃・システム障害に関するリスク
当社グループでは、グローバルに展開するグループ経営を安定的に支え、世界各国のお客さまへの持続的な価値提供を実現するために、「グループITガバナンス基本方針」を制定し、COBIT5(※3)を採用したグループITガバナンスの態勢整備を推進しております。
また、ITガバナンスの推進をベースに、国内外のグループ保険事業会社のIT責任者を交えた定期的なカンファレンス開催による継続的な情報共有、及び各社の課題意識に沿ったグループ会社間の協働取組を推進することで、グループシナジーを創出して、グローバル経営に貢献するIT活用を目指しています。
しかしながら、当社グループの事業運営は、外部の業務委託先によるものを含め、情報システムに大きく依存しております。当社グループは、これらのシステムに依拠して、保険契約の管理、資産運用、統計データ及び当社グループのお客さまの個人情報の記録・保存並びにその他の事業を運営しております。当社グループが事業運営や商品ラインアップを拡大するにつれて、情報システムへの多額の追加投資が必要となる可能性があります。その結果として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、事故、火事、自然災害、停電、アクセス集中、人為的ミス、妨害行為、従業員の不正、ソフトウェアやハードウェアのバグや異常、ハッキングや不正メールによるウィルス感染等のサイバー攻撃又は設備、ソフトウェア、ネットワークの障害等の要因により、当社グループの情報システムが機能しなくなる可能性があります。このような障害は、当社グループがお客さまに提供するサービス、保険金・給付金等の支払いや保険料の集金、資産運用業務等を中断させる可能性があります。例えば、2022年6月に、第一生命においてオンラインシステム障害が発生し、復旧までの間、保険金・給付金の支払い処理等に影響を及ぼしました。このような事案を含め、サイバー攻撃・システム障害に関するリスクが顕在化した場合には、当社グループのレピュテーションの低下、お客さまの不満やお客さまからの信頼の低下等のその他の深刻な事態をもたらす可能性があり、また、既契約の解約の増加、新契約販売の減少、行政処分につながるおそれもあります。その結果として、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※3 COBIT5:米国の情報システムコントロール協会・ITガバナンス協会の提唱するITガバナンスの成熟度を測るフレームワーク
2) 情報漏洩に関するリスク
当社グループは、外部の業務委託先によって提供されるものを含め、オンラインサービスや集中データ処理を広く利用しており、機密情報・個人情報を厳格に管理することは当社グループの事業において重要であります。しかし、当社グループ、外部の業務委託先及び当社の戦略的提携先の情報システム等からの不正アクセスによる情報漏洩や、社外活動時の紛失等による情報漏洩が全くないとは限りません。当社グループ及びその従業員が個人情報を紛失した場合若しくは漏洩した場合又は第三者が当社グループ、提携先又は外部の業務委託先のネットワークに侵入して当社グループの個人情報を不正利用した場合には、当社グループが損害賠償を請求され、その結果として、当社グループのレピュテーションを大きく低下させ、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
3) 急激な外部環境変化による事務態勢の逼迫に関するリスク
当社グループでは、お客さまからの解約や保険金・給付金等の請求に迅速に対応するため、各社での事務態勢構築に努めております。第一生命では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、保険金・給付金等の請求が急増したため、保険金等支払部門の人員強化等の対応を図っておりますが、今後同様の感染症の拡大(パンデミック)が発生した場合は、事務態勢が逼迫する可能性があります。上記のような急激な外部環境の変化に対して既存の事務態勢では対応できない場合には、お客さまに不利益を及ぼすだけでなく、当社グループのレピュテーションが低下し、その結果として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法令違反・コンダクト・企業文化に関するリスク
1) ステークホルダーの不正により損害を被るリスク
当社グループは、従業員や販売代理店、外部の業務委託先及びお客さまといったステークホルダーによる詐欺その他の不正による潜在的な損失にさらされております。当社グループが擁する営業職及び販売代理店は、お客さまとの対話を通じて、お客さまの個人情報(家計情報を含みます。)を熟知しており、一部の業務委託先もお客さまの個人情報を了知しているため、当該個人情報を用いて不正が行われる可能性があります。不正としては、違法な販売手法、詐欺、なりすましその他個人情報の不適切な利用等があり得ます。
保険契約の詐欺的な使用や、保険契約時のなりすまし等、お客さまも詐欺的な行為をすることがあります。また、反社会的勢力であることを秘して当社グループと取引を行う者もいます。当社グループは、このような詐欺的行為を防ぎ、見破るための対策をとっておりますが、当社グループの取組みがこれらの詐欺、違法行為又は反社会的勢力との取引を排除できない可能性があります。
従業員、代理店、取引先及びお客さまがこれらの不正を行った場合、当社グループのレピュテーションが大幅に低下し、当社グループは重大な法的な責任を問われるとともに、行政処分につながるおそれがあります。それらの結果として、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
第一生命では、2021年3月期、2022年3月期及び2023年3月期において、元従業員による金銭の不正取得事案が複数明らかとなりました。
これを受け、第一生命では、個人保険・個人年金保険のお客さまを網羅的に対象として、金銭の不正取得等の被害を受けていないかどうかの確認を実施するとともに、第一生命の商品の取扱いにおいて、同社の従業員がお客さまから直接金銭を授受することを禁止する事務手続の構築等を含めて、金銭に係る不正行為の撲滅に向けた体制の整備・充実を早期に実施する等の対応を進めております。
第一生命では、こうした事案の発生を受け、徹底した意識改革に集中的に取り組み、これに応じた営業方針の見直しを進めておりますが、今後、伏在調査等を通じ他の不正事案が判明する等の場合には、第一生命並びに当社グループの社会的信用が更に毀損されることになり、業務運営に影響を及ぼす可能性があるほか、追加的な営業方針の見直し等が必要となる場合が考えられ、その場合、当社グループの事業運営、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) 人権侵害に関するリスク
当社グループは、事業活動が人権に対して影響を及ぼす可能性があることを認識しております。サプライチェーンを含む当社グループの事業において人権侵害に該当する事案が生じた場合には、不買運動やSNSでの炎上などのレピュテーションリスク、訴訟や行政罰などの法務リスク、ストライキや人財流出などのリスク、株価下落などの財務リスク等につながる可能性があります。また当社グループの進出国に重大な人権侵害問題が発覚した場合には、進出国からの撤退を余儀なくされるおそれもあります。それらの結果として、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、全従業員が大切にする価値観として第一生命グループ企業行動原則(DSR憲章)を定め、その中の項目として「人権尊重」に取り組むことを宣言し、「第一生命グループ人権方針」を定めていますが、これに加えて、第一生命では「第一生命の行動規範」に人権にかかわる内容を記載し、事業を進めていくうえで、いかなる人権の侵害も容認しない旨を規定しております。
また、「グループ人権方針」に基づいて、人権デュー・ディリジェンスの取組みを推進しており、①方針の策定とコミットメント、②人権リスクの特定と影響の評価、③是正と救済策の実施、④情報開示とモニタリング、を定期的に実施することにより、人権侵害の未然防止と救済に取組んでおります。
(5) パンデミック・大規模災害等に関するリスク
1) 大規模災害等に関するリスク
当社グループは、東京等の人口密集地域又は広範囲な地域を襲う地震・津波・テロ・紛争・戦乱等の大規模災害を原因として大量の死者が出た場合に、保険給付に関する予測不可能な債務を負うリスクにさらされております。当社グループは、業界慣行や会計基準に従って危険準備金を維持しておりますが、こうした準備金が実際の保険給付債務をカバーするのに適切な水準にあるとは限らず、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、物理的な被害その他のこうした大規模災害の影響により、当社グループの業務運営に重大な支障を来す可能性があります。
更に、当社グループが主に事業を展開する日本国内の業務及び情報システム等は、外部の業務委託先及び取引先と同様に首都圏に集中しているため、首都圏に被害を及ぼす地震等の災害によって当社グループの事業運営が著しい混乱に陥る可能性があります。地震等の災害が発生した場合には、当社グループ、外部の業務委託先及び取引先が直ちに業務を再開できるとは限らず、その結果として当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは首都圏における大規模災害の発生に備えて、データセンターについて首都圏外に移管するなど、当該リスクにおける影響を緩和する対策を進めております。
2) パンデミックに関するリスク
新型コロナウイルスや、鳥インフルエンザ・新型インフルエンザのような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、保険給付に関する予測不可能な債務を負うリスクにさらされております。当社グループは、業界慣行や会計基準に従って危険準備金を維持・積み増ししている他、ストレス・テスト等によるリスク耐性確認を定期的に実施しておりますが、感染の世界的な拡大や金融市場の混乱といったストレス・シナリオの想定を大幅に超える事態が発生した場合等においては、こうした準備金が実際の保険給付債務をカバーするのに適切な水準にあるとは限らず、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3) 気候変動に関するリスク
2016年のパリ協定発効により、環境問題とりわけ気候変動への対応は国際社会全体で取り組む課題であるとの認識が高まっております。グローバルに生命保険事業及びアセットマネジメント事業を展開する当社グループにとっても、気候変動はお客さまの生命や健康、企業活動、社会の持続可能性等に大きな影響を与えうる重要な経営課題と認識しております。
こうした認識の下、当社グループは、気候変動が及ぼすリスクと機会の評価によって経営のレジリエンス(強靭性)を強化するとともに、その状況の開示によるステークホルダーとの健全な対話を通じた企業価値の向上を図るために、2018年9月にTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言への賛同を表明いたしました。また、2021年3月期は、第一生命で、本邦初となる「ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス (※4)」への加盟を通じて、2050年までの運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量実質ゼロを表明し、「RE100(Renewable Energy 100%)(※5)」については2024年3月期までの達成に加え、このうち投資用不動産については2022年3月期中の100%再生可能エネルギー化を目指す方針を決定し、2022年3月期に達成しております。
その一方で、気候変動の物理的リスクと移行リスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク)は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。物理的リスクとしては、温暖化に伴う熱中症や感染症の増加による保険金・給付金支払額の増加、台風等による水害発生の増加に伴う保険金・給付金支払額の増加等が想定されます。また、移行リスクとしては、炭素税導入、市場・社会環境変化による資産の毀損、新技術開発、消費者行動の変化への対応等の環境変化への対応が不十分な企業への投融資価値の低下等が想定されます。
※4 パリ協定での目標(気温上昇を1.5℃未満に抑える)達成を目的に、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアティブ
※5 事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする協働イニシアティブ
(6) その他のリスク
1) 法規制に関するリスク
a 当局の監督権限に関するリスク
当社及び当社グループの国内保険会社は、保険業法及び関連業規制の下、金融庁による包括的な規制等の広範な監督下にあります。また、当社グループの海外生命保険会社は、それぞれが事業を行う国や州等の法令や規制等の影響を受けます。
例えば、日本の保険業法は、保険会社が行える事業の種類ごとに規制を設けるとともに、保険会社に一定の準備金や最低限のソルベンシー・マージン比率を維持させることとしております。保険業法は、内閣総理大臣に対して、免許取消しや業務停止、報告徴求、会計記録等に関する厳格な立入り検査の実施等、保険業に係る広範な監督権限を与えております。また、保険業法その他の法令等のうち特に重要なものに違反した場合等には、内閣総理大臣は保険会社の免許を取り消すことができます。また、保険会社の財産の状況が著しく悪化し、保険業を継続することが保険契約者等の保護の見地から適当でないと認められる場合にも、内閣総理大臣は保険会社の免許を取り消すことができます。
このように、仮に、監督当局によって当社グループの生命保険会社の免許が取り消されることになれば、その会社は事業活動を継続できなくなり、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
b ソルベンシー・マージン比率等の規制に関するリスク
現在、当社及び当社グループの国内保険会社は、保険業法及び関連業規制に基づき、自己資本の充実度合いを計る基準であるソルベンシー・マージン比率を200%超に維持するよう要求されております。また、当社グループの海外生命保険会社についても、各国の規制等により財務健全性を一定水準に保つことが求められております。
例えば、国内生命保険会社がソルベンシー・マージン比率やその他の財務健全性指標を適切なレベルに維持できない場合には、内閣総理大臣はその生命保険会社に対して早期是正措置を命じることができます。具体的には、生命保険会社のソルベンシー・マージン比率が200%を下回った場合に、その状況に応じて内閣総理大臣の是正措置命令が発動されることで、保険会社に対して早期に経営改善への取組みを促す制度であり、ソルベンシー・マージン比率の水準等に応じて、措置内容が定められております。また、実質純資産額(※6)がマイナス又はマイナスと見込まれる場合にも、内閣総理大臣から業務の全部又は一部の停止を命じられる可能性があります。このような早期是正措置により、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※6 実質純資産額とは、貸借対照表の資産を基礎として計算した額(有価証券・不動産等について一定の時価評価を行ったもの)から負債の部に計上されるべき金額を基礎として計算した額(負債の額から価格変動準備金・危険準備金の額を差し引いた額)を控除した金額をいい、内閣総理大臣による早期是正措置において、実質的な債務超過の判定基準として用いられる額であります。
c 国際的な規制に関するリスク
保険監督者国際機構(以下、「IAIS」という。)は、国際的に活動する保険会社グループ(以下、「IAIG」という。) を対象とした共通の監督の枠組みであるコムフレームを開発しており、2019年11月に採択されております。当社は、IAISが定めるIAIGの定量基準を満たしており、金融庁よりIAIGに選定されております。特に、コムフレームの一部である、経済価値に基づく新たな国際資本基準であるICSについては、現在の規制とは大きく異なることが予想され、金融庁によってICSに準拠した規制が導入された場合又はICSに関連し、その他の基準改正がなされた場合には、これらの改正によって生じる制約が、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2022年10月にFATF(※7)はミャンマーを「行動要請対象の高リスク国・地域(いわゆるブラック・リスト)」に指定し、日本を含むFATF加盟国等に対し、強化された顧客管理の適用を要請しております。各金融機関における確認手続きの厳格化に伴い、ミャンマー関連を中心に金融取引の実行が遅延する等のリスクが考えられることから、引き続き動向を注視してまいります。
※7 Financial Action Task Force(金融活動作業部会)の略。1989年のアルシュ・サミット経済宣言を受けて設立された、マネーロンダリング等対策の国際基準策定・履行を担う多国間の枠組み。国際基準の遵守が不十分な国・地域を特定し、改善状況をモニターするため、「行動要請対象の高リスク国・地域」等を公表している。
2) 法改正に伴うリスク
日本及び当社グループが事業を営む海外各国において、法規制の改正及びその執行に関する政府方針の変更、当社グループ及び保険各社に対する規制措置並びに当社グループが取扱う商品ラインナップの拡大等に関連する規制動向は、当社グループの保険商品の販売に影響を及ぼし、コンプライアンス・リスクを高めるとともに、コンプライアンスの強化・改善のための追加支出や競争の激化をもたらし、当社グループの事業、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業には、多数の営業職及び販売代理店が関与しており、将来において規制の改正がなされた場合、適時にこれに適合した態勢をとることができるとは限りません。
また、日本の現行の所得税法は、当社グループが提供する大部分の保険商品の払込保険料の全部又は一部について所得控除を認めております。同様に、法人又は中小企業の契約者は、一定の条件の下で、定期保険や年金商品のような特定の保険商品につき、保険料の全部又は一部を経費として損金算入することが認められております。こうした当社グループの保険商品の保険料に対する税務上の取扱いに影響を及ぼす税制改正は、当社グループの新契約販売数、ひいては業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3) 保険販売が個人向け生命保険商品に集中しているリスク
当社グループの国内生命保険会社の保険料収入においては、個人向け生命保険契約によるものの占有率が高く、個人向け生命保険商品の販売においては、以下に掲げるものを含む様々な要因が影響を及ぼしております。
・国内の雇用水準及び家計所得水準
・貯蓄の代替商品及び投資商品の相対的な魅力
・保険会社の財務健全性、信頼性及びレピュテーションに対する一般的な認識
・出生率の動向及び高齢化といった日本の人口構成に影響を及ぼす長期的な人口動態
・販売チャネルや商品に対するお客さまのニーズ
このような要因の変化等は、当社グループの個人向け生命保険商品における新契約販売の減少又は既契約の解約・失効の増加をもたらし、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内保険事業では個人向け生命保険商品の販売チャネルの多様化・複線化を進めているものの、現時点では、大部分を営業職チャネルや銀行等の金融機関に依存しております。今後、新たなチャネルが規制や環境の変化等により、既存のチャネルに取って代わる程の規模に成長した場合や、営業職の採用環境が熾烈化し、想定の採用数を確保できずに営業職在籍数が大幅に減少する場合等には、当社グループは現在の競争力・収益性と市場シェアの維持という点において課題に直面し、結果として、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
4) 銀行等のチャネルでの販売に関するリスク
当社グループは、銀行や証券会社といった販売チャネル向けの年金商品等の開発・販売を専門とする第一フロンティア生命を子会社として設立し、2007年10月より販売を開始しております。変額年金保険等において、国内景気の停滞、資産運用パフォーマンスの不振による需要の減少及び金融機関間の競争激化等の厳しい事業環境により、同社の販売が低迷する可能性があります。また、第一フロンティア生命は、最低給付保証(変額年金商品の中にはかかる保証が付されているものがあります。)に係るリスクへのエクスポージャー(リスク量)を管理するため、特定の金融機関代理店を通じて販売する変額年金商品の販売抑制を実施する場合があります。
当社グループは、販売代理店数を増やし、また、円建定額保険、外貨建定額保険等、商品ラインアップの多様化を図っておりますが、このような事業環境において当社グループが競争力を確保し、又は販売を拡大して目標となる収益性を達成できるとは限りません。更に、販売代理店である銀行・証券会社等の金融機関と当社の営業職との間の競争が将来激化する可能性があります。これらの結果、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5) 新市場等における取組みが成功しないリスク
近年、お客さまニーズが多様化する中、銀行窓口において、貯蓄性保険に加えて保障性保険の販売が拡大し、また銀行・来店型保険ショップ等において、商品を自ら比較検討したいというご意向を持つお客さまが増加しております。
そこで、当社グループはネオファースト生命を通じて、こうしたお客さまに対し、銀行窓口、来店型保険ショップ等のチャネルを通じて、医療保険等の第三分野を中心に、商品性がわかりやすく、手続きが簡便な、新しい商品とサービスを提供しております。
当社グループは、競争環境に合わせた戦略立案・商品提供を行っておりますが、競争戦略が想定どおりに実現できなかったり、競合他社から類似商品が販売されたりすることで、販売件数が想定に満たない場合が考えられます。また、代理店に対する保険会社間の手数料競争が激化することで、手数料率が高水準となり事業費が増加する場合が考えられます。それらの結果、新市場における取組みが収益性を確保するまでに、想定以上の期間が必要となる可能性があります。
6) 日本の人口動態に関するリスク
日本の合計特殊出生率は、1975年頃から長期に低下傾向にありました。2005年以降反転上昇したものの、近年は減少傾向が続いており、足元の水準は日本の人口置換水準からは遠い状況にあります。当社はこうした人口動態を踏まえた商品の開発や営業戦略の策定を行っておりますが、今後、更に人口が減少し、生命保険に対する需要が減少することになれば、当社グループの生命保険事業の規模が縮小し、財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
7)競争状況に関するリスク
当社グループの国内生命保険会社は、日本の生命保険市場において、国内生命保険会社、外資系生命保険会社、保険子会社を保有している又は大手保険会社と業務提携している国内の大手金融機関との激しい競争に直面しております。特に、規制緩和、死亡保障性の保険商品に対する需要の低下及び外資系生命保険会社との競争の激化等により、日本の生命保険市場における競争環境は熾烈化しております。競合他社の中には、卓越した金融資産や財務力格付け、高いブランド認知度、大規模な営業・販売ネットワーク、競争力のある料率設定、巨大な顧客基盤、高額な契約者配当、広範囲に亘る商品・サービス等において、当社グループより優位に立っている企業もあります。加えて、近年は、商品開発やお客さまサービスへのビッグデータ等の活用が積極化されており、当社グループのICT活用が他社に劣後した場合には、新契約の獲得・既契約サポートが思うように進まず、将来利益を逸失するリスクがあります。
また、株式会社かんぽ生命保険は、巨大な顧客基盤や全国的な郵便局のネットワークの活用、日本郵政株式会社を通じた間接的な一部政府出資の存在等から、日本の保険市場における競争優位性を保持しております。当該競争優位性を保持したまま、株式会社かんぽ生命保険の業務範囲の拡大(保険金額の上限見直しや販売できる保険契約の種類拡大等)が進められた場合、当社グループの国内生命保険会社の競争力が相対的に低下する可能性があります。なお、2016年3月29日、当社は株式会社かんぽ生命保険との間で業務提携に係る基本合意に至りました。この基本合意は、両社の強みを相互補完・融合することで事業基盤を強化し、持続的な企業価値の向上を実現すること等を目的としております。加えて、当社グループは、全国共済農業協同組合連合会、全国労働者共済生活協同組合連合会、日本生活協同組合連合会のような、競合する保険商品を提供している各種協同組合との競争にも直面しております。
また、各種の規制撤廃策は日本の生命保険業界における競争の激化をもたらしました。例えば、1998年から2007年の間に制定された数多くの規制緩和のための法改正によって、証券会社や銀行で保険商品が販売できるようになりました。当社グループは規制緩和により激化した競争環境について、更に激しさを増していくと考えております。更に、来店型保険ショップやインターネット等を主要な販売チャネルとして活用する保険会社の新規参入によって、価格競争が激化する可能性もあります。その他、日本の金融業界における新たな再編が生命保険商品の販売における競争環境に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはそれぞれの海外市場において現地保険会社との競争に直面しております。
当社グループが競争力を維持できない場合には、このような競争圧力等により当社グループの新契約販売が減少するとともに既契約の解約が増加し、当社グループの事業及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
8)訴訟リスク
当社グループのうち保険事業を営む会社は、恒常的に、保険事業に関連した訴訟を抱えております。現在及び将来の訴訟の結果について予想することはできませんが、その結果によっては、当社グループに多額の損害賠償責任が発生する可能性があります。当社グループでは、「グループコンプライアンス規程」の制定、グループコンプライアンス委員会の設置及び同委員会におけるグループ会社のコンプライアンス推進状況のモニタリング等を通じて可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための体制を整備しております。多大な法的責任が課された場合や訴訟への対応に多大なコストがかかった場合、当社グループのレピュテーションが低下し、また当社グループの事業、財務内容、業績及びキャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
9) 風評リスク
当社グループは、不適切な事象の発覚等に端を発して、社名が報道・公表された場合に、当社グループの信用が著しく失墜し、損失を被る可能性があります。
当社グループは、プレスリリース及び適時情報開示等により信頼の維持・向上を図り、リスク顕在化の未然防止に努めておりますが、メディアにより事実とは異なる情報が流布された場合にも、保険契約者や市場関係者等が当社グループについて報道された情報に基づき理解・認識する可能性があり、それにより当社グループのレピュテーションが低下し、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
10) M&Aが想定どおりのメリットをもたらさないリスク
当社グループは、株式会社化以来、M&Aを成長戦略の一環と位置づけており、今後もその機会を追求してまいります。しかし、将来のM&Aについては、そもそも適切な買収対象があるとは限らず、また、適切な買収対象があった場合にも、当社にとって受入れ可能な条件で合意に達することができない可能性があり、この他、買収資金を調達できない可能性、必要な許認可が取得できない可能性、法令その他の理由による制約が存在する可能性があり、買収を実行できる保証はありません。また、買収実行後に買収対象企業の価値が低迷した場合には、減損処理が必要となる可能性もあります。当社グループは、近年、適切な買収対象の選定、M&Aの実行及び被買収事業の当社グループへの統合等につき経験を積み重ねておりますが、将来的なM&Aの成功は、以下のような様々な要因に左右されます。
・買収した事業の運営・商品・サービス・人財を当社の既存の事業運営・企業文化と統合させる能力
・当社グループの既存のリスク管理、内部統制及び報告に係る体制・手続きを被買収企業・事業に展開する能力
・被買収事業の商品・サービスが、当社の既存事業分野を補完する度合い
・被買収事業の商品・サービスに対する継続的な需要
・目標とする費用対効果を実現する能力
また、当社連結子会社であるプロテクティブが行う保険ブロック買収事業(他の保険会社から保険契約を買取り、必要に応じて契約内容を変更し、義務を履行する業務)が、想定どおりの収益性を確保できない可能性があります。
これらの結果、M&Aが想定どおりのメリットをもたらさなかった場合、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
11) 海外事業の拡大に関連するリスク
近年、当社グループは、日本以外の収益基盤を確保するために、海外において保険事業を積極的に展開しております。特に、海外保険事業では、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド及び米国における保険会社の買収、インド、タイ及びインドネシアにおける保険会社への出資、カンボジア、ミャンマーにおける保険会社の設立等を行っております。また、展開地域の拡大に伴い、北米及びアジアパシフィック地域に、地域統括会社を設立し、経営管理・支援体制の強化を図っております。当社グループは、進出各国における保険事業のバリューアップに努めておりますが、生命保険商品の普及率が当社の予想水準、あるいは成熟市場の水準まで向上するとは限らず、その結果、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、海外への展開においては、以下を含む様々なリスクにさらされております。
・政情や治安の不安
・外国為替相場の変動
・不利益な税制の導入・改正
・法令や規制の予期せぬ変更
・お客さまニーズ、市場環境及び現地の規制に関する理解不足
・人財の採用・雇用及び国際的事業管理の難しさ
・新たな多国籍企業との競争
海外事業の拡大に取り組む中で、上記のような事業展開に関連する様々なリスクが顕在化し、想定した事業展開を行うことができない可能性があり、ミャンマーにおいては、2021年2月からの同国国内情勢に鑑み、営業活動を一時停止し、段階的に再開する等の対応を行いました。また、海外企業への投資に関連して減損が生じる可能性や、当社グループの目標を達成できない市場から撤退する可能性があります。これらの結果、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
12) 従業員の雇用等に関するリスク
当社グループの主たる保険会社である第一生命の事業は優秀な営業職を雇用・教育・維持できるかということに大いに左右されますが、優秀な営業職を確保するための競争が激化しております。営業職による保険販売は同社保険料収入の大部分を占めており、その中でも生産性の高い営業職による保険販売は、個人向けの保険商品の販売において非常に高い割合を占めております。営業職の平均的な離職率は同社の営業職以外の従業員に比べて著しく高く、生産性の高い営業職を維持し又は採用し続けるための努力が実を結ぶとは限りません。また、当社グループの資産運用部門や保険数理部門の従業員も高度な専門性を求められるため、優秀な人財を確保、教育・維持するためには特別な努力が必要となります。当社グループが優秀な従業員を確保、教育・維持できない場合や、これらの事由により想定している販売計画を大幅に下回る場合には、当社グループの事業展開及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)「重要なリスク」以外の主なリスク
1)当社グループの格付けの引下げ等に伴うリスク
当社グループの財務健全性が実際に悪化した又は悪化したと判断された場合、保険契約の解約・払戻しの増加、新契約販売の減少、費用の増加、当社グループの資産運用・資金調達・資本増強策に関連するその他の問題という形で、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの悪影響は、保険業界全体における格付けの引下げの可能性、否定的なメディア報道や風評、業績悪化のみならず、実際の当社グループ会社の格付けの引下げやソルベンシー・マージン比率等の健全性指標の大幅な悪化によって生じる可能性があります。また、特に他の生命保険会社と比較して、当社グループの健全性指標が大幅に悪化した場合には、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの財務健全性が実際に悪化した又は悪化したと判断された場合に加え、当社グループが資金調達を行おうとする資本市場・信用市場が悪化した場合等にも、当社グループにとって有利な条件で資本増強ができない又は資本増強そのものができないおそれがあり、結果として、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2)提携先との関係及び提携先の業績に係るリスク
当社グループは、販売チャネル及び商品ラインアップの拡大のために、損害保険ジャパン株式会社、アフラック生命保険株式会社、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社りそなホールディングス及び株式会社かんぽ生命保険といった生命保険業界内外の企業と業務提携を行っております。これらの提携関係は、第三分野商品や年金商品等の販売の拡大や、事業基盤の強化を通して、持続的な企業価値の向上を実現すること等を目的としております。また、当社の関連会社で、国内最大級の年金資産運用会社であるアセットマネジメントOne株式会社は、株式会社みずほフィナンシャルグループと当社が出資している合弁会社であります。これらの戦略的提携先が、財務面等事業上の問題に直面した場合、業界再編等によって戦略的志向を変更した場合又は当社が魅力的な提携相手でなくなったと判断した場合には、当社グループとの業務提携を望まなくなる又は当該提携が解消される可能性があります。当社グループが業務提携を継続できない場合には、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3) リスク管理に係るリスク
当社グループのリスク管理の方針・手続きは、保険引受リスク、資産運用リスク、流動性リスク、事務リスク、システムリスクを含む幅広いリスクへの対応を想定したものとなっております。当社グループのリスク・エクスポージャーの管理手法の多くは、過去の市場動向や歴史的データによる統計値に基づいております。これらの手法は将来の損失を予測できるとは限らず、将来の損失は過去実績によって示される予想損失を大幅に上回る可能性もあります。その他のリスク管理手法は、ある程度、市場やお客さま等に関する一般的に入手可能な情報に対する当社の評価に依拠しておりますが、それらの情報は常に正確、完全、最新であるとは限らず、また適切に評価されているとは限りません。更に、当社グループのリスク管理手続きにおいては、多数のグループ会社等の情報源から収集した情報を統合する過程で誤りが生じる可能性もあります。一般的に、これらのリスク管理方針・手続きにおける誤りや有効性の欠如は、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、事務リスクの管理においては、膨大な取引や事象を適切に記録し検証するための方針・手続きが必要となりますが、当社の方針・手続き自体が必ずしも有効であるとは限りません。従業員、提携先又は外部委託先による事務手続き上の過失は、当社グループのレピュテーション上又は財務上の損害をもたらす可能性があるとともに、行政処分につながるおそれもあり、これらの結果として、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
4) 退職給付費用の増加に関するリスク
当社グループは、年金資産の時価の増減、年金資産における収益率の低下又は退職給付債務見込額の計算基礎率及び資産運用利回りの変化により、当社グループの退職給付制度に関する追加費用を計上する可能性があります。また、当社グループには、将来、当社グループの退職給付制度の変更に伴う未認識の過去勤務費用の負担が生じる可能性があります。その結果として、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5) 契約者配当の配当準備金に係るリスク
当社の連結損益計算書上の契約者配当準備金は費用として扱われ、これにより会計年度における純利益が減少いたします。契約者配当準備金は、第一生命に係るものでありますが、同社は契約者配当準備金の決定について裁量を有しており、契約者配当準備金の積立額の水準については、同社商品の競争力、業績、ソルベンシー・マージン比率等の様々な要素を考慮して判断する必要があります。その結果として、同社が現行水準を超える契約者配当準備金の積立てを行い、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
6) のれんの減損に係るリスク
当社グループは、他の企業又は事業を取得した場合、その取得に要した費用(取得原価)が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合には、その超過額をのれんとして認識しており、連結貸借対照表上、のれん又は有価証券に計上しております。
当社グループは、毎期のれんの減損テストを実施しており、のれんを含む資産グループから得られるキャッシュ・フロー等が継続してマイナスの場合、のれんを含む資産グループの回収可能額が著しく低下した場合、のれんを含む資産グループの経営環境が著しく悪化した場合等には、のれんの減損損失を認識する可能性があります。
7) 責任準備金の計算に係る会計基準の変更に関するリスク
責任準備金の積み増しを求める基準変更が行われた場合には、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、国際会計基準審議会は、保険負債の現在価値評価を含む、保険契約に係る新会計基準を公表しております。保険負債の現在価値評価が導入された場合、当社グループは、その時々の金利水準等の計算要素を考慮した保険負債の現在価値に基づいて責任準備金を計算していく必要があります。保険負債の現在価値評価の導入を見越して、当社グループは、現行基準において必要とされる金額を超える責任準備金の積立てを行っておりますが、想定している以上の積立てが必要になった場合には、その結果、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
8) 繰延税金資産の減額に係るリスク
当社グループは、日本の会計基準に従い、将来の税負担額の軽減効果を有すると見込まれる額を繰延税金資産として、一部の繰延税金負債と相殺した上で連結貸借対照表に計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する前提を含む様々な前提に基づいているため、実際の結果がこれらの前提と大きく異なる可能性もあります。また、将来的な会計基準の変更により、当社グループが計上できる繰延税金資産の金額に制限が設けられる場合や、将来の課税所得の見通しに基づき当社グループが繰延税金資産の一部を回収できないとの結論に至った場合には、繰延税金資産が減額される可能性があります。それらの結果、当社グループの財務内容及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後法人税率が変更され、法定実効税率が引き下げられる場合には、中長期的には当社グループの業績の向上及びエンベディッド・バリューの増加が見込まれる一方で、法定実効税率の引き下げ前の税率を前提として計上を行った繰延税金資産の取崩しが行われることにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
9)持株会社体制に係るリスク
当社は持株会社であり、利益の大部分は、当社が保有する国内外の子会社や関連会社が当社に支払う配当によるものとなっております。一定の状況下では、保険業法及び会社法上の規制や、諸外国の規制により、子会社等が当社に支払うことができる配当の金額が制限される場合があります。また、子会社や関連会社が充分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合等には、当社は配当を支払えなくなるおそれがあります。
10) 生命保険契約者保護機構の負担金及び国内の他の生命保険会社の破綻に係るリスク
当社グループの国内生命保険会社は、国内の他の生命保険会社とともに、破綻した生命保険会社の契約者を保護する生命保険契約者保護機構(以下、「保護機構」という。)への負担金支払い義務を負っております。保護機構は、破綻した生命保険会社の保険契約を引き継ぐ生命保険会社に対する資金の提供等、特殊な役割を担っております。国内の他の生命保険会社と比較して、当社グループの国内生命保険会社の保険料収入及び責任準備金が増加する場合、当社グループの国内生命保険会社へ割り当てられる負担金が増加する可能性があります。また、将来的に、国内の他の生命保険会社が破綻した場合や、保護機構への負担金の支払いに関する法的要件が変更される場合には、当社グループの国内生命保険会社は保護機構に対して追加的な負担を求められる可能性があります。それらの結果、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、日本の他の生命保険会社の破綻は、日本の生命保険業界の評価にも悪影響を及ぼし、お客さまの生命保険会社に対する信頼を全般的に損ない、これにより、当社グループの国内生命保険会社の新契約販売が減少又は既契約の失効・解約が増加し、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度(2022年4月1日から開始し、2023年3月31日に終了した連結会計年度をいいます。以下同じ。) における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 財政状態、経営成績
①「Re-connect 2023」グループ重要経営指標(KPI)の状況
2023年3月期の中期経営計画で掲げるグループ重要経営指標は、海外金利上昇や金融不安等の影響で減益となったこと等を背景に、資本効率や健全性指標が停滞した一方で、リスク削減等の取組みは着実に進捗しました。
資本効率を示すグループ修正ROE※1は、第一生命における為替ヘッジ付外貨建債券の残高削減に伴う売却損や米プロテクティブで海外金利の上昇や米銀等破綻に起因する損失等を主因として、グループ修正利益が減益となったこと等から、5.0%となりました。グループROEV※2は、金利上昇に伴い含み益が減少したこと等が影響し、3.9%となりました。
リスクプロファイル変革に向けた市場関連リスク削減は、第一生命において中計期間合計で約5,300億円の削減を実施し、着実に進捗しました。その結果、財務健全性を示す資本充足率(ESR)は、目標水準を上回る226%となりました。
市場評価を示す相対TSR※3※4※5は、期初より上位で推移したものの、2023年に入ってからの金融不安や景況感の悪化を背景に下落し、競合10社との比較で第4位となりました。

※1 グループ修正ROEは、「修正利益÷{純資産-のれん・確定利付資産含み損益(税後)・市場価格調整(MVA)関連損益累計(税後)等}」にて算出いたします。
※2 ROEVとは、Return on Embedded Valueの略語で、EVの増加額を生命保険会計の特殊性を考慮した利益と見做し、企業価値の成長性を測定する指標であります。
※3 TSRとは、Total Shareholder Return(株主総利回り)の略語で、キャピタルゲインとインカムゲインを合わせた株主にとっての総合投資利回りを指します。
※4 相対TSRは、以下の合計10社との比較です。(HDとは、ホールディングスの略語です。)
国内保険会社5社:かんぽ生命保険、T&DHD、東京海上HD、MS&ADインシュアランスグループHD及びSOMPOHD
グローバルで生命保険事業を展開し、日米市場等で当社グループと競合関係にある会社5社:Aflac、AXA、Manulife、MetLife及びPrudential(米国)
※5 2023年4月1日時点当社集計値であります。
②連結業績における概況
営業活動の成果である新契約年換算保険料は、第一生命が低位にとどまった一方で、第一フロンティア生命が海外金利の上昇を追い風に大きく販売を伸ばし、前期比で大幅な増収となりました。海外保険事業では、第一生命ベトナムにおいて銀行チャネルでの販売が拡大する等、前年度に引き続き順調に推移いたしました。その結果、グループ保有契約年換算保険料は、前期末比で増加いたしました。
当社グループの実質的な利益指標であるグループ修正利益は減益となりました。第一生命における為替ヘッジ付外貨建債券のヘッジコスト上昇や新型コロナウイルス関連の給付金支払い増加に加え、米プロテクティブにおいて海外金利の上昇による評価性の損失が発生したこと等が主因となり、期初想定した修正利益の見通しを引き下げました。親会社株主に帰属する当期純利益は、グループ修正利益の減益に加え、前期の第一フロンティア生命における海外金利の上昇に伴う市場価格調整(MVA)※1に係る責任準備金の戻入れ等の一時的な増益要因の反動減があり、減益となりました。
経済価値ベースの企業価値を示すグループEEVは、国内金利の上昇に伴い保有契約価値が増加したことを主な要因として増加いたしました。グループ新契約価値は、海外金利の上昇を背景に第一フロンティア生命商品の販売が好調であった一方、第一生命商品の販売量が低迷したこと等を受けて、前期比で減少いたしました。
※1 市場価格調整(MVA: Market Value Adjustment)とは、解約返戻金等の受取りの際に、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額に反映される仕組みのことであります。
※2 期末の数値を記載しております。

(1) 基礎利益は税前を記載しており、第一生命における法人税等の変動はキャピタル・臨時損益等に含めております。
基礎利益の詳細については、「(参考1)当社グループの固有指標の分析」をご参照ください。
当連結会計年度の業績は以下のとおりであります。
① 経常収益
経常収益は9兆5,194億円(前期比16.0%増)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入が6兆6,354億円(同25.4%増)、資産運用収益が2兆2,808億円(同10.6%減)、その他経常収益が6,031億円(同64.5%増)となっております。
a 保険料等収入
保険料等収入は、前連結会計年度(2021年4月1日から開始し、2022年3月31日に終了した連結会計年度をいいます。以下、前連結会計年度及び前期につき同じ。) に比べ1兆3,435億円増加し、6兆6,354億円(前期比25.4%増)となりました。保険料等収入の増加は、第一フロンティア生命において、海外金利上昇等に伴い外貨建て保険の販売が好調に推移したことによる保険料等収入の増加等が主な要因であります。
b 資産運用収益
資産運用収益は、前連結会計年度に比べ2,702億円減少し、2兆2,808億円(前期比10.6%減)となりました。
c その他経常収益
その他経常収益は、前連結会計年度に比べ2,365億円増加し、6,031億円(前期比64.5%増)となりました。
② 経常費用
経常費用は9兆1,085億円(前期比19.6%増)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が6兆4,439億円(同10.0%増)、責任準備金等繰入額が985億円(同68.9%減)、資産運用費用が1兆1,462億円(同200.8%増)、事業費が8,313億円(同10.5%増)、その他経常費用が5,883億円(同88.0%増)となっております。
a 保険金等支払金
保険金等支払金は、第一生命において、前期の出再実施に伴う再保険料の反動減があった一方で、第一フロンティア生命における解約返戻金の増加を主な要因として、前連結会計年度に比べ5,882億円増加し、6兆4,439億円(前期比10.0%増)となりました。
b 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、プロテクティブにおいて、経済環境の変動に伴い特別勘定にかかる責任準備金の取崩しが生じたこと等を主な要因として、前連結会計年度に比べ2,182億円減少し、985億円(前期比68.9%減)となりました。
c 資産運用費用
資産運用費用は、プロテクティブにおいて、海外金利の上昇による評価性の損失が発生したことや、第一生命において海外金利の上昇に起因する有価証券売却損が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ7,651億円増加し、1兆1,462億円(前期比200.8%増)となりました。
d 事業費
事業費は、前連結会計年度に比べ791億円増加し、8,313億円(前期比10.5%増)となりました。
e その他経常費用
その他経常費用は、前連結会計年度に比べ2,754億円増加し、5,883億円(前期比88.0%増)となりました。
③ 経常利益
経常利益は、前連結会計年度に比べ1,799億円減少し、4,109億円(前期比30.5%減)となりました。
④ 特別利益・特別損失
特別利益は45億円(前期比57.4%減)、特別損失は398億円(同0.0%増)となりました。
a 特別利益
特別利益は前連結会計年度に比べ61億円減少し、45億円(前期比57.4%減)となりました。
b 特別損失
特別損失は前連結会計年度に比べ0億円増加し、398億円(前期比0.0%増)となりました。
⑤ 契約者配当準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額は前連結会計年度に比べ75億円増加し、950億円(前期比8.6%増)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益に特別利益、特別損失、契約者配当準備金繰入額、法人税等合計を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、第一生命において、前期と比べて新型コロナウイルス関連の給付金支払いが増加したことや、プロテクティブにおいて、海外金利の上昇による評価性の損失が発生したこと等により、前連結会計年度に比べ2,170億円減少し、1,923億円(前期比53.0%減)となりました。
⑦ 資産の部
資産の部合計は外国債券を中心とした有価証券の残高減少を主な要因として、前連結会計年度末に比べ4兆3,022億円減少し、61兆5,788億円(前期比6.5%減)となりました。
⑧ 負債の部
負債の部合計は第一生命における売現先勘定の減少を主な要因として、前連結会計年度末に比べ2兆7,668億円減少し、58兆7,057億円(前期比4.5%減)となりました。
⑨ 純資産の部
純資産の部合計は前連結会計年度末に比べ1兆5,353億円減少し、2兆8,731億円(前期比34.8%減)となりました。これはその他有価証券評価差額金の減少が主な要因であります。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
① 国内保険事業
国内保険事業における経常収益は、第一フロンティア生命において、海外金利上昇等に伴い外貨建て保険の販売が好調に推移したことによる保険料等収入の増加等を主な要因として前連結会計年度に比べて1兆4,959億円増加し、8兆3,410億円(前期比21.9%増)となりました。セグメント利益は、第一生命において、前期と比べて新型コロナウイルス関連の給付金支払いや有価証券売却損が増加したことや、前期の出再実施に伴う再保険料の剥落による保険金等支払金の反動減を主な要因として、前連結会計年度に比べて1,497億円減少し、3,441億円(同30.3%減)となりました。
② 海外保険事業
海外保険事業における経常収益は、プロテクティブにおける責任準備金戻入額の増加やTALにおけるWestpac Life Insurance Services Limited (現TAL Life Insurance Services Limited)の買収完了による保険料等収入の増加を主な要因として、前連結会計年度に比べて3,839億円増加し、2兆6,268億円(前期比17.1%増)となりました。セグメント利益は、プロテクティブにおいて、海外金利の上昇による評価性の損失が発生したこと等により、前連結会計年度に比べて661億円減少し、281億円(同70.1%減)となりました。
③ その他事業
その他事業においては、当社グループ会社からの配当収入が増加したこと等により、経常収益は前連結会計年度に比べて780億円増加し、2,943億円(前期比36.1%増)となりました。セグメント利益は、前連結会計年度に比べて714億円増加し、2,689億円(同36.1%増)となりました。
なお、セグメントにおける主たる子会社の業績は以下のとおりであります。
<国内保険事業(第一生命保険株式会社)>
① 経営成績
当事業年度(2022年4月1日から開始し、2023年3月31日に終了した事業年度をいいます。以下同じ。) の経常収益は、保険料等収入2兆2,968億円(前事業年度(2021年4月1日から開始し、2022年3月31日に終了した事業年度をいいます。以下同じ。) 比0.9%増)、資産運用収益1兆3,792億円(同10.6%増)、その他経常収益4,636億円(同50.0%減)を合計した結果、4兆1,398億円(同7.0%減)となりました。有価証券売却益の増加により資産運用収益が増加したものの、前期に責任準備金の戻入れによりその他経常収益が大幅に増加したことの反動減を主な要因として経常収益は減少しました。
一方、経常費用は、保険金等支払金2兆4,513億円(同18.7%減)、責任準備金等繰入額229億円(同48.9%減)、資産運用費用6,693億円(同85.1%増)、事業費3,954億円(同3.6%減)、その他経常費用2,472億円(同3.4%増)を合計した結果、3兆7,863億円(同7.0%減)となりました。前期と比べて新型コロナウイルス関連の給付金支払いや有価証券売却損が増加した一方で、前期に出再に伴う多額の再保険料の支払いがあったことからの反動減を主な要因として、経常費用は減少しました。
これらの結果、経常利益は3,535億円(同6.7%減)となりました。また、当期純利益は1,656億円(同17.1%減)となりました。
生命保険本業における期間収益を示す指標の一つである基礎利益は、前期と比べて新型コロナウイルス関連の給付金支払いが増加したことによる保険関係損益の悪化及び為替に係るヘッジコストの増加による順ざやの減少等により、前事業年度に比べ1,504億円減少し、2,571億円(同36.9%減)となりました。
② 財政状態
当事業年度末の資産合計は、34兆2,643億円(前事業年度末比11.4%減)となりました。主な資産構成は、有価証券が27兆9,758億円(同14.6%減)、貸付金が2兆7,154億円(同5.7%増)、有形固定資産が1兆2,038億円(同6.7%増)であります。
負債合計は、32兆1,643億円(同10.5%減)となりました。負債の大部分を占める保険契約準備金は29兆8,770億円(同0.8%減)となりました。
純資産合計は、2兆1,000億円(同23.8%減)となりました。純資産合計のうち、その他有価証券評価差額金は、1兆5,235億円(同28.5%減)となりました。
なお、保険金等の支払余力を示すソルベンシー・マージン比率は、865.4%となりました。第一生命保険株式会社の非連結子会社等を含めた連結ソルベンシー・マージン比率は、882.8%となりました。
③ 契約業績
個人保険・個人年金保険を合わせた新契約高は、前事業年度に比べて1兆1,940億円増加し、1兆2,172億円となりました(前事業年度は232億円)。個人保険・個人年金保険を合わせた保有契約高は、前事業年度末に比べて4兆7,481億円減少し、83兆7,278億円(前事業年度末比5.4%減)となりました。
個人保険・個人年金保険を合わせた新契約年換算保険料は、前事業年度に比べて283億円減少し、462億円(前事業年度比38.0%減)となりました。なお、保有契約年換算保険料は、前事業年度末に比べて550億円減少し、1兆9,977億円(前事業年度末比2.7%減)となりました。
医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料は、前事業年度に比べて187億円減少し、295億円(前事業年度比38.7%減)となりました。第三分野の保有契約年換算保険料は、前事業年度末に比べて69億円減少し、7,019億円(前事業年度末比1.0%減)となりました。
団体保険の保有契約高は、前事業年度末に比べて7,017億円減少し、49兆3,418億円(同1.4%減)となりました。団体年金保険の保有契約高は前事業年度末に比べて1,030億円減少し、6兆669億円(同1.7%減)となりました。
a 保有契約高明細表 (単位:億円)
(注)1 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額の合計であります。
2 団体年金保険の金額は、責任準備金額であります。
b 新契約高明細表 (単位:億円)
(注)1 個人保険及び個人年金保険は、転換による純増加を含みます。
2 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
3 団体年金保険の金額は、第1回収入保険料であります。
c 保有契約年換算保険料明細表 (単位:億円)
(注)1 年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障害を事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
d 新契約年換算保険料明細表 (単位:億円)
(注) 転換による純増加を含みます。
e 保険料等収入明細表 (単位:億円)
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、コミュニティ保険、受再保険の合計であります。
f 保険金等支払金明細表
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (単位:億円)
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、コミュニティ保険、受再保険の合計であります。
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:億円)
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、コミュニティ保険、受再保険の合計であります。
<国内保険事業(第一フロンティア生命保険株式会社)>
① 経営成績
当事業年度の経常収益は、保険料等収入2兆6,126億円(前事業年度比73.8%増)、資産運用収益5,075億円(同28.7%減)、その他経常収益8,790億円(前事業年度は0億円)を合計した結果、3兆9,992億円(同80.6%増)となりました。保険料等収入の増加は、海外金利上昇に伴い外貨建て保険の販売が好調に推移したことによる保険料等収入の増加が、その他経常収益の増加は、Dai-ichi Life Reinsurance Bermuda Ltd.への既契約出再に伴い多額の責任準備金戻入れが発生したことが主な要因であります。
一方、経常費用は、保険金等支払金3兆6,795億円(同117.0%増)、責任準備金等繰入額48億円(同98.4%減)、資産運用費用1,937億円(同793.2%増)、事業費889億円(同71.4%増)、その他経常費用180億円(同49.9%増)を合計した結果、3兆9,852億円(同90.5%増)となりました。保険金等支払金の増加は、出再による再保険料の増加が主な要因であります。
この結果、経常利益は139億円(同88.6%減)となりました。また、当期純利益は64億円(同95.3%減)となりました。
生命保険本業における期間収益を示す指標の一つである基礎利益は、海外金利上昇等に伴い外貨建て保険の販売が好調に推移したことによる外貨標準責任準備金の積増し負担の増加等を主な要因として、前事業年度に比べ671億円減少し、△232億円(前事業年度は439億円)となりました。
② 財政状態
当事業年度末の資産合計は、8兆6,383億円(前事業年度末比13.1%減)となりました。主な資産構成は、有価証券6兆7,143億円(同8.2%減)、現金及び預貯金等7,585億円(同27.9%減)であります。
負債合計は、8兆4,418億円(同12.7%減)となりました。負債の大部分を占める保険契約準備金は7兆6,503億円(同10.2%減)となりました。
純資産合計は、1,965億円(同26.1%減)となりました。
なお、保険金等の支払余力を示すソルベンシー・マージン比率は、前事業年度末に比べ76.3ポイント低下し、440.5%となりました。
③ 契約業績
個人保険・個人年金保険を合わせた新契約高は、前事業年度に比べて1兆4,620億円増加し、2兆5,215億円(前事業年度比138.0%増)となりました。個人保険・個人年金保険を合わせた保有契約高は、前事業年度末に比べて7,774億円増加し、10兆6,119億円(前事業年度末比7.9%増)となりました。
個人保険・個人年金保険を合わせた新契約年換算保険料は、前事業年度に比べて1,028億円増加し、2,207億円(前事業年度比87.2%増)となりました。なお、保有契約年換算保険料は、前事業年度末に比べて660億円増加し、9,644億円(前事業年度末比7.4%増)となりました。
a 保有契約高明細表 (単位:億円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額の合計であります。
b 新契約高明細表 (単位:億円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
c 保有契約年換算保険料明細表 (単位:億円)
d 新契約年換算保険料明細表 (単位:億円)
(注)1 年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障害を事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
e 保険料等収入明細表 (単位:億円)
f 保険金等支払金明細表
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (単位:億円)
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:億円)
<海外保険事業(Protective Life Corporation)>
以下では、プロテクティブ社の業績を現地通貨であります米ドル建で表示しております。日本円に換算する際の為替レートは、前事業年度(2021年1月1日から開始し、2021年12月31日に終了した事業年度をいいます。プロテクティブ社において以下同じ。)及び前事業年度末については1米ドル=115.02円、当事業年度(2022年1月1日から開始し、2022年12月31日に終了した事業年度をいいます。プロテクティブ社において以下同じ。)及び当事業年度末については、1米ドル=132.70円であります。
① 経営成績
当事業年度の業績は、責任準備金戻入額の増加等により増収となったものの、海外金利の上昇による評価性の損失が発生したこと等により減益となりました。
経常収益は、保険料等収入6,100百万米ドル(前事業年度比3.5%減)、資産運用収益3,813百万米ドル(同28.4%減)、その他経常収益3,017百万米ドル(同72.1%増)を合計した結果、12,931百万米ドル(同3.5%減)となりました。
一方、経常費用は、保険金等支払金6,180百万米ドル(同0.4%増)、資産運用費用3,114百万米ドル(前事業年度は108百万米ドル)、事業費1,177百万米ドル(同5.4%増)、その他経常費用2,268百万米ドル(同528.1%増)を合計した結果、12,740百万米ドル(同0.6%減)となりました。
これらの結果、経常利益は190百万米ドル(同67.1%減)となりました。また、当期純利益は138百万米ドル(同50.0%減)となりました。
② 財政状態
当事業年度末の資産合計は、113,151百万米ドル(前事業年度末比14.2%減)となりました。主な資産構成は、有価証券が72,834百万米ドル(同19.6%減)、貸付金が13,286百万米ドル(同6.3%増)、無形固定資産が4,066百万米ドル(同30.3%増)であります。
負債合計は、110,930百万米ドル(同8.8%減)となりました。負債の大部分を占める保険契約準備金は、103,105百万米ドル(同6.7%減)となりました。
純資産合計は、2,220百万米ドル(同78.5%減)となりました。
<海外保険事業(TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltd)>
以下では、TALの業績を現地通貨であります豪ドル建で表示しております。日本円に換算する際の為替レートは、前事業年度及び前事業年度末については1豪ドル=92.00円、当事業年度及び当事業年度末については1豪ドル=89.69円であります。
① 経営成績
当事業年度の業績は、Westpac Life Insurance Services Limited (現TAL Life Insurance Services Limited)の買収完了による保険料等収入の増加を主な要因として増収増益となりました。
経常収益は、保険料等収入7,399百万豪ドル(前事業年度比19.0%増)、資産運用収益196百万豪ドル(前事業年度は1百万豪ドル)、その他経常収益736百万豪ドル(同297.8%増)を合計した結果、8,331百万豪ドル(同30.1%増)となりました。
経常費用は、保険金等支払金5,413百万豪ドル(同10.4%増)、責任準備金等繰入額909百万豪ドル(前事業年度は-百万豪ドル)、資産運用費用52百万豪ドル(同66.5%減)、事業費1,173百万豪ドル(同19.3%増)、その他経常費用216百万豪ドル(同8.2%増)を合計した結果、7,764百万豪ドル(同24.4%増)となりました。
これらの結果、経常利益は567百万豪ドル(同247.8%増)となりました。また、当期純利益は409百万豪ドル(同224.5%増)となりました。
② 財政状態
当事業年度末の資産合計は、17,931百万豪ドル(前事業年度末比27.7%増)となりました。主な資産構成は、有価証券が9,720百万豪ドル(同37.3%増)、無形固定資産が1,011百万豪ドル(同2.7%減)、現預金が738百万豪ドル(同18.4%減)であります。
負債合計は、13,474百万豪ドル(同25.8%増)となりました。負債の大部分を占める保険契約準備金は、10,769百万豪ドル(同29.4%増)となりました。
純資産合計は、4,457百万豪ドル(同33.7%増)となりました。
(2) 資本政策
① 資本政策の基本的な考え方
当社グループでは、財務健全性を確保しつつ、持続的な企業価値向上と株主還元の充実を目指し、ERMの枠組みに基づく資本政策運営を行っております。
グループの事業を取り巻くリスクを適切にコントロールすると同時に、グループ各社の成長ステージに応じた持株会社への還元や内部留保を行い、必要に応じて外部調達も活用してグループの成長に向けた投資と資本基盤の強化へバランスの取れた資本配賦を実践することで、財務健全性の確保と資本効率の向上を通じたグループ利益の持続的な成長を推進しております。
2021-23年度の中期経営計画「Re-connect 2023」では、それまでのERMサイクル(利益・資本・リスク)を進化させ、量から質へと経営の価値観をシフトさせ、資本循環経営の実践を通じて持続的な成長を目指しております。資本循環経営とは、各事業会社の余剰資本等を財源として、より高い資本効率や成長性が見込まれる事業への資本投下や、株主還元の充実等を通じてグループ資本効率を高めるとともに、資本・キャッシュ創出力を高める好循環経営を意味しています。
具体的には、各事業会社から当社への配当金額については、経済価値ベースの財務健全性や各国の健全性規制・会計制約等、複数の視点や制約からストックとなるフリーキャッシュを割り出し、これに基づき決定する運営を行っております。また、資本の配賦・回収等は、個々の事業リスク特性等に応じた資本コストを設定した上で事業成果を評価し意思決定を行います。こうして創出されたフリーキャッシュ・フローを、これまで以上に全体最適なバランスで健全性確保、成長投資、株主還元に振り向けてまいります。また、量から質へと経営の価値観をシフトさせる中で、資本効率については資本コストを安定凌駕することを目指し、修正ROE及びROEVを中長期的に引き上げる一方で、市場関連リスク削減等により資本コストを引き下げる取組みを行っております。
具体的には、会計利益ベースの資本効率指標であるグループ修正ROEは、現中期経営計画の最終年度である2024年3月期末に8%程度、中長期的には9%程度を目指しております。経済価値ベースの資本効率指標であるグループROEVは、中長期的に平均8%程度の成長率を目指しております。想定資本コストは現在10%程度の自己認識のところ、市場関連リスク削減等を通じ中期的に8%程度への低減を目指しております。
成長投資については、健全性のターゲット水準に応じて、内部留保等を活用し、既存事業の競争力強化や、事業ポートフォリオの拡大・分散につながる投資を行ってまいります。
株主還元については、利益に応じた毎期の安定配当として、過去3年平均のグループ修正利益に対する配当性向30%以上を実現することに加え、総還元性向の目安を中期平均50%とし、機動的・柔軟な追加還元を戦略的に検討・実施してまいります。
上記、資本循環経営の土台となる財務健全性を安定的に確保するため、現在の国内保険会社に対する健全性基準であるソルベンシー規制に加え、国際的な資本規制動向も踏まえ、従来から資産・負債の時価評価を行う経済価値ベースの健全性指標である資本充足率(ESR)を導入しており、170%~200%をターゲット水準と位置付け、水準に応じた資本政策を柔軟に検討してまいります。財務健全性の強化に向けては市場関連リスクの削減に加え、財務格付に留意しつつ必要に応じて外部調達を活用することで、財務健全性の維持・向上を図ってまいります。
<資本循環経営イメージ>

② 資本政策の当連結会計年度における状況
当連結会計年度の1株当たり株主配当額は、前連結会計年度より3円増配の86円といたしました。また、自己株式取得額は、現中期経営計画における株主還元方針に則り、上限1,200億円といたしました。グループ資本の充実や流動性確保に向けては、第一生命保険株式会社において2022年10月に永久劣後特約付借入の借換え(640億円)を実施しております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に保険料等収入が増加したことにより、前期と比べて3,296億円支出減の1,324億円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に短期資金運用による支出が増加したことにより、前期と比べて6,528億円収入減の3,104億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入れによる収入が減少したことにより、前期と比べて1,447億円支出増の3,254億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首から994億円減少し、2兆5,172億円(前連結会計年度末は2兆6,167億円)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業である生命保険事業において、他の業態と異なり物品の生産や受注を行わない業務の特性により、本項における記載に該当する情報がないため記載しておりません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。なお、これらの見積りに対する新型コロナウイルス感染症による影響として、2023年3月期の連結財務諸表に与える影響は軽微であり、本書提出日時点では2024年3月期の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目を識別しておりません。
① 金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しておりますが、一部の有価証券及びデリバティブ取引については将来キャッシュ・フローの現在価値等に基づく合理的な見積りによっております。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積り額は変動する可能性があります。なお、金融商品の時価の算定方法に係る基準は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)の注記に記載のとおりであります。
② 有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。
将来、株式市場の悪化等、金融市場の状況によっては多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。なお、有価証券の減損処理に係る基準は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(有価証券関係)の注記に記載のとおりであります。
③ 固定資産の減損処理
固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しております。
回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込み額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、将来、固定資産の使用方法を変更した場合又は不動産取引相場や賃料相場が変動した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。なお、固定資産の減損処理に係る基準は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結損益計算書関係)の注記に記載のとおりであります。
④ のれん及びその償却方法
連結貸借対照表の資産の部には「のれん」が計上されております。当該「のれん」は、他の企業又は事業を取得した場合、その取得に要した費用(取得原価)が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合に計上されるものであります。また、当該「のれん」の算定において用いられる取得に要した費用並びに受け入れた資産及び引き受けた負債の算定には一定の前提条件を置いており、見積りの要素を含んでおります。
この「のれん」は、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって均等償却しております。
なお、のれんの評価方法は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)の注記に記載のとおりであります。
⑤ 保有契約価値及びその償却方法
連結貸借対照表のその他の無形固定資産には「保有契約価値」が含まれております。
「保有契約価値」とは、買収等で獲得したその買収時点で有効な保険契約及び投資契約に関して、そのキャッシュ・フローから得られる将来利益を現在価値として計算し、無形固定資産として計上するものであります。この「保有契約価値」の算定には見積りの要素を含んでおりますが、前提条件については毎期回復可能性テストを実施し、資産計上額の妥当性を判定した上で資産計上しております。
「保有契約価値」は、その効果が及ぶと見積もられる期間にわたり、効果の発現する態様にしたがって償却しております。
なお、保有契約価値の評価方法は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)の注記に記載のとおりであります。
⑥ 繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の通算グループ全体の課税所得は事業計画に基づく将来予測に直近の業績見通しを反映し、合理的に見積っております。
また、期末における将来減算一時差異の解消見込年度のスケジューリングに際して、個別に解消年度のスケジューリングをすることが実務上困難なものは、過去の税務上の損金の算入実績により合理的に見積もっております。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の通算グループ全体の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社グループを取り巻く環境に大きな変更があった場合等、その見積り額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑦ 貸倒引当金の計上基準
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積り額を計上しております。
将来、債務者の財務状況が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。なお、貸倒引当金の計上基準は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑧ 支払備金の積立方法
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、期末時点において支払いが行われていない、又は支払事由の報告を受けていないが支払事由が既に発生したと認められる保険金等について、支払備金として積み立てております。将来、新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が変動する可能性があります。なお、既発生未報告支払備金(IBNR備金)の計算方法は、後記「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑨ 責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
責任準備金は各国の規制や会計基準に基づき、契約時等に定めた計算方法や計算前提等に基づく将来の予定キャッシュ・フローの見積りに基づき算出した額を積み立てております。
なお、当該見積りと直近の実績が大きく乖離すること等により、将来の債務の履行に支障を来すおそれがあると認められる場合には、追加して責任準備金を積み立てる必要があることから、責任準備金に積み立て不足が生じていないかを検証するために、責任準備金の十分性を確認するテストを実施しております。
なお、責任準備金の積立方法は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑩ 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、年金資産の期待運用収益率や将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)の注記に記載のとおりであります。
(参考1)当社グループの固有指標の分析
1 主要な固有指標
(1) 基礎利益
① 基礎利益
基礎利益とは生命保険本業における期間収益を示す指標の一つであります。当社グループの基礎利益は、当社、国内保険会社(第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社、ネオファースト生命保険株式会社、アイペットホールディングス株式会社)の基礎利益、海外保険会社(プロテクティブ、TAL、Partners Group Holdings Limited、Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limited、Dai-ichi Life Insurance (Cambodia) PLC.、Dai-ichi Life Insurance Myanmar Ltd.)の各国で生命保険本業における期間収益を示すために一般的に用いられる利益、関連会社の持分利益(税引前換算)等を合算し、グループの内部取引の一部を相殺すること等により算出しております。
アイペットホールディングス株式会社を除く国内保険会社の場合、基礎利益は、保険契約者から受領した保険料等の保険料等収入、資産運用収益及び責任準備金戻入額等その他経常収益等で構成される基礎収益から、保険金等支払金、責任準備金等繰入額、資産運用費用、事業費及びその他経常費用等から構成される基礎費用を控除したものであります。アイペットホールディングス株式会社の場合、基礎利益は、税引前当期純利益から非支配株主に属する当期純利益(税引前換算)を控除したものであります。また、基礎利益に有価証券売却損益等の「キャピタル損益」と危険準備金繰入額等の「臨時損益」を加味したものが経常利益となります。
海外保険会社の場合、基礎利益として、プロテクティブの税引前営業利益、TAL、Partners Group Holdings Limitedの基礎的な利益(税引前換算)、Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limited、Dai-ichi Life Insurance (Cambodia) PLC.、及びDai-ichi Life Insurance Myanmar Ltd.の税引前利益を用いております。
② 順ざや額/逆ざや額
国内生命保険会社は、保険料を計算するにあたって、資産運用を通じて得られる収益を予め見込んで、その分保険料を割り引いて計算しております。この割引率を「予定利率」といい、市中金利水準等を勘案して設定しております。そのため、保険会社は、毎年割り引いた分に相当する金額(予定利息)等の負債コストを運用収益等で確保する必要があります。
予定利息を実際の運用収益等でまかなえている状態を「順ざや」といい、まかなえていない状態を「逆ざや」といいます。
当社グループの順ざや額/逆ざや額は、国内生命保険会社(第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社、ネオファースト生命保険株式会社)の合算値であります。
③ 基礎利益の算定方法の改正
2023年3月期より、経済的な実態の反映および保険会社間の取扱いに一貫性を持たせる観点から、基礎利益の算定方法が改正されております。主な改正項目は以下のとおりであります。
なお、2022年3月期についても、基礎利益の算定方法の改正後の基準を反映した実績を記載しております。
(2) 責任準備金
国内生命保険会社の責任準備金は、生命保険会社が将来の保険金等の支払いを確実に行うために、保険料や運用収益等を財源として保険業法により積立てが義務付けられている準備金のことで、生命保険会社の負債の最も大きな部分を占めております。
国内生命保険会社については、保険業法に基づき責任準備金を積み立てており、「保険料積立金」、「未経過保険料」及び「危険準備金」で構成されております。
なお、責任準備金は事業年度末において要積立額を計算し、前事業年度末残高との差額を損益計算書に計上いたします。即ち、事業年度末の要積立額が前事業年度末残高を上回る場合にはその差額を責任準備金繰入額として経常費用の科目に計上し、事業年度末の要積立額が前事業年度末残高を下回る場合にはその差額を責任準備金戻入額として経常収益の科目に計上いたします(四半期会計期間末においても同様に計上いたします。)。
責任準備金の積立水準は、積立方式と計算基礎率によって決まります。保険業法において責任準備金の積立方式及び計算基礎率について定められております。
海外生命保険会社については、各国の法令や規制等に基づき積み立てております。
(3) ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率とは、通常の予測を超えて発生するリスクに備えて「支払余力」がどの程度カバーされているかを示す行政監督上の指標の一つであります。具体的には、保険会社が抱える保険金等のお支払いに係るリスクや資産運用に係るリスク等、多様なリスクが通常の予測を超えて発生した場合、資本等の内部留保と有価証券含み益等の合計(ソルベンシー・マージン総額)で、これらのリスク(リスクの合計額)をどの程度カバーできているかを指数化したものであります。同比率の算出は、ソルベンシー・マージン総額をリスクの合計額で割り算して求め、同比率が200%以上であれば、健全性について一つの基準を満たしていることを示しております。
(4) 実質純資産額
実質純資産額とは、貸借対照表の資産を基礎として計算した額(有価証券・不動産等について一定の時価評価を行ったもの)から負債の部に計上されるべき金額を基礎として計算した額(負債の額から価格変動準備金・危険準備金等の額を差し引いた額)を控除した金額を言い、保険会社の健全性の状況を示す行政監督上の指標の一つであります。金融庁による早期是正措置において、実質的な債務超過の判定基準として用いられる額であります。
2 当社グループの固有指標の分析
(1) 基礎利益
① 基礎利益
当社グループの基礎利益は、前事業年度比で1,859億円減少し、3,642億円(前期比33.8%減)となりました。これは、主に第一生命保険株式会社における危険差益の悪化等に伴う保険関係損益の減少によります。
② 順ざや額/逆ざや額
当社グループの順ざや額は、第一生命保険株式会社において一般勘定資産運用損益が減少したこと等により、前事業年度に比べ455億円減少し、1,192億円(前期比27.6%減)となりました。
(2) 連結ソルベンシー・マージン比率
当社グループの連結ソルベンシー・マージン比率は、704.1%と前期比198.5ポイント減となりました。詳細については、以下のとおりであります。
*1 社外流出予定額及びその他の包括利益累計額等を除いております。
*2 標準的方式を用いて算出しております。
(注) 上記は、保険業法施行規則第210条の11の3、第210条の11の4及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
3 第一生命保険株式会社の固有指標の分析
(1) 基礎利益
① 基礎利益
生命保険本業における期間収益を示す指標の一つである基礎利益は、前事業年度に比べ1,504億円減少し、2,571億円(前事業年度比49.4%減)となりました。これは、主に危険差益の悪化等に伴う保険関係損益の減少によるものであります。詳細については、後記「(参考3)第一生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報 3. 経常利益等の明細(基礎利益)」をご参照下さい。
② 順ざや額/逆ざや額
順ざや額は、一般勘定資産運用損益が減少したこと等により、820億円(前事業年度は1,307億円)となりました。
(注)1 正値の場合は順ざや額
2 なお、2022年3月期についても、基礎利益の算定方法の改正後の基準を反映した実績を記載しております。
(2) 責任準備金
第一生命保険株式会社は、保険業法等で定められた基準に基づき、標準責任準備金対象契約については、平成8年大蔵省告示第48号に定める方式により責任準備金(標準責任準備金)を積み立て、それ以外の契約については「平準純保険料式」により責任準備金を積み立てており、法令上最も健全な積立方式を採用しております。
<個人保険及び個人年金保険の責任準備金の積立方式・積立率>
2008年3月期より、健全性の更なる向上のために、高予定利率の終身保険のうち払込満了後契約等に対して、追加責任準備金の積立てを行っており、2022年3月期は722億円、2023年3月期は687億円の新規繰り入れを実施しております。
(3) ソルベンシー・マージン比率
保険金等の支払余力を示すソルベンシー・マージン比率は、865.4%となりました。また、第一生命保険株式会社の連結ソルベンシー・マージン比率は882.8%となりました。詳細については、後記「(参考3)第一生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報 5. ソルベンシー・マージン比率」をご参照下さい。
(4) 実質純資産額
実質純資産額は、前事業年度末に比べ1兆7,472億円減少し、6兆6,083億円(前事業年度末比20.9%減)となりました。
4 第一フロンティア生命保険株式会社の固有指標の分析
(1) 基礎利益
生命保険本業における期間収益を示す指標の一つである基礎利益は、円安影響による保険関係損益の悪化を主な要因として、前事業年度に比べ671億円減少し、△232億円となりました。詳細については、後記「(参考4)第一フロンティア生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報 3. 経常利益等の明細(基礎利益)」をご参照下さい。
(2) 責任準備金
第一フロンティア生命保険株式会社においては、保険業法等で定められている基準に基づき、最も健全な積立方式である標準責任準備金を積み立てておりますが、一時払個人年金保険の運用目標値到達後の解約増加及び既契約の出再等により、責任準備金は前事業年度末に比べ8,783億円減少し、7兆6,208億円(前事業年度末比10.3%減)となりました。
(3) ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率は、440.5%(前事業年度末比76.3ポイント減)となりました。詳細については、後記「(参考4)第一フロンティア生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報 6. ソルベンシー・マージン比率」をご参照下さい。
(4) 実質純資産額
実質純資産額は、前事業年度末に比べ3,214億円減少し、2,287億円(前事業年度末比58.4%減)となりました。
(参考2)当社グループ及び第一生命保険株式会社のEV
1 EVについて
EVは、「貸借対照表上の純資産の部の金額に必要な修正を加えた修正純資産」と、「保有契約から生じる将来の税引後利益の現在価値である保有契約価値」を合計したものであり、株主に帰属する企業価値を表す指標の一つであります。
現行の生命保険会社の法定会計では、新契約を獲得してから会計上の利益を計上するまでに時間がかかるため、新契約が好調な場合には新契約獲得に係る費用により収益が圧迫される等、必ずしも会社の経営実態を表さないことがあります。一方、EVでは、将来の利益貢献が新契約獲得時に認識されるため、法定会計による財務情報を補強することができると考えられております。
EVには複数の計算手法がありますが、当社グループが開示しているEVはヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(European Embedded Value:以下、「EEV」という。)と呼ばれるものであります。
EEVについては、EVの計算手法、開示内容について一貫性及び透明性を高めることを目的に、2004年5月に、欧州の大手保険会社のCFO(最高財務責任者)から構成されるCFOフォーラムにより、EEV原則及びそれに関するガイダンスが制定されております。また、2005年10月には、EEVの感応度と開示に関する追加のガイダンスが制定されております。なお、2016年5月にEEV原則の改訂が行われ、開示の範囲・内容が適切であることや、計算手法及びその前提、重要な判断並びに重要な計算前提に関する感応度が十分に示される限りにおいて、柔軟な開示を許容するものとなりました。
EEVの算出にあたり、当社グループでは主に市場整合的手法に基づく評価を行っております。具体的には、第一生命、ネオファースト生命、TAL及びプロテクティブの変額年金事業については市場整合的手法を、第一フロンティア生命については市場調整評価手法を、プロテクティブの変額年金以外の事業についてはトップダウン手法を、また、第一生命ベトナム及びパートナーズ・ライフについては、伝統的手法に基づき計算したEV(以下、「TEV」という。)を用いております。
市場整合的手法とは、資産・負債のキャッシュ・フローを市場で取引されている金融商品と整合的に評価しようとするものであり、欧州を中心に多くの会社で採用されております。市場調整評価手法とは、市場整合的手法による評価をベースとして、会社の実際の保有資産のスプレッドを反映した割引率を用いて評価しようとするものであり、ICSにおける議論を参考にしております。また、トップダウン手法とは、会社、商品、事業あるいは地域等のリスク特性に応じた割引率を用いて評価しようとするものであります。いずれの手法も、EEV原則で認められているものであります。
今回、当社グループが計算したEVは、市場整合的な手法を取り入れつつ、EEV原則へ準拠したものとしております。
2 EEV計算結果
(1) グループEEV
① グループEEV
2023年3月末におけるグループEEVは以下のとおりであります。国内金利上昇を主な要因として、グループEEVは2022年3月末より増加いたしました。
(注) 1 対象事業(covered business)のEEVは、第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、プロテクティブ、TALのEEV及び第一生命ベトナム、パートナーズ・ライフ のTEVのうち第一生命ホールディングス(第一生命インターナショナルホールディングス合同会社による間接保有含む、以下同様)の出資比率に基づく持分の合計から、第一生命が保有するTALの優先株式の評価額を控除することにより算出しております。なお、第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、プロテクティブ、TAL及び第一生命ベトナムに対する第一生命ホールディングスの出資比率は2022年3月末及び2023年3月末時点で100.0%であります(ただし、TALについては第一生命を通じた優先株式の間接保有を含み、その評価額は2022年3月末時点で208億円、2023年3月末時点で207億円であります)。
2 パートナーズ・ライフの完全子会社化は2022年11月30日に完了いたしました。2022年3月末のグループEEVには、パートナーズ・ライフのTEVは含まれません。パートナーズ・ライフに対する第一生命ホールディングスの出資比率は2023年3月末で100.0%であります。
3 2022年3月末時点において、第一フロンティア生命のEEVには、Dai-ichi Life Reinsurance Bermuda Ltd.(以下、「Dai-ichi Re」という。)のEEVを含みます。2023年3月末時点において、Dai-ichi ReのEEVのうち、保有契約価値は元受保険会社である第一フロンティア生命及びネオファースト生命に含めて計算しており、修正純資産は第一フロンティア生命に含めて計算しております。
4 対象事業以外の純資産等に係る調整には、第一生命ホールディングスの単体貸借対照表の純資産の部、第一生命ホールディングスが保有する第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、プロテクティブ、TAL、第一生命ベトナム及びパートナーズ・ライフの株式または出資金の簿価の控除及び第一生命ホールディングスが保有する資産・負債を時価評価する調整等が含まれます。なお、第一生命ホールディングスが保有する上記子会社の株式の簿価は以下のとおりであります。
生命保険事業を行う子会社の株式又は出資金の簿価
5 2022年3月末及び2023年3月末のグループEEVには、第一生命グループの連結財務諸表におけるプロテクティブ及び第一生命ベトナムの決算基準日である2021年12月末及び2022年12月末のプロテクティブのEEV及び第一生命ベトナムのTEVを含めております。2022年3月期及び2023年3月期の第一生命グループの新契約価値には、2021年1月1日から2021年12月31日及び2022年1月1日から2022年12月31日までのプロテクティブ及び第一生命ベトナムの新契約価値を含めております。
(参考)
修正純資産に計上されている含み損益は法定会計上の利益として将来実現する見込みであり、保有契約価値と含み損益の合計額は、保険契約の保有により生じる将来利益を表すと考えられます。
この考えに基づき、グループEEVの総額を「純資産等と負債中の内部留保の合計」と、保険契約の保有により生じる将来利益として「保有契約価値と確定利付資産の含み損益等の合計」及び「確定利付資産以外の含み損益等」に組み替えて表示すると、以下のとおりとなります。
(注) 1 グループEEVの修正純資産に対象事業以外の純資産等に係る調整を反映し、含み損益等を除いた額を計上しており、実現利益の累積額に相当いたします。
2 保有契約価値に、第一生命の確定利付資産並びに第一フロンティア生命及びネオファースト生命の資産の含み損益等を加算・調整した額を計上しております。本項目は、未実現利益のうち、主に金利の影響を受ける部分であり、金利水準等の変化に応じた保有契約価値及び確定利付資産の含み損益等の変動額は、互いに相殺関係にあります。
3 第一生命が保有する確定利付資産以外の資産(株式、外貨建債券(ヘッジ外債を除く)、不動産等)の含み損益等の額を計上しております。
② 修正純資産
修正純資産は、株主に帰属すると考えられる純資産で、資産時価が法定責任準備金(危険準備金を除く)及びその他負債(価格変動準備金等を除く)を超過する額であります。
具体的には、貸借対照表の純資産の部の金額に負債中の内部留保、一般貸倒引当金、時価評価されていない資産・負債の含み損益、退職給付の未積立債務及びこれらに係る税効果等を調整したものであり、内訳は以下のとおりであります。国内金利上昇により、修正純資産は2022年3月末より減少いたしました。
(注) 1 評価・換算差額等合計を除いた額を計上しております。また、第一フロンティア生命において修正共同保険式再保険等に係る調整を行っており、当該調整額を含めて表示しております。
2 価格変動準備金、危険準備金、配当準備金中の未割当額及びプロテクティブの価格変動準備金に相当する額の合計額を計上しております。
3 土地については、時価と再評価前帳簿価額の差額を計上しております。
4 劣後債務等の含み損益を計上しております。
5 未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異を計上しております。
6 2022年3月末及び2023年3月末の第一生命のEEVには、第一生命の保有するTALの優先株式の評価額が含まれます。対象事業(covered business)のEEVを計算する際には、第一生命のEEVに含まれるTALの優先株式の評価額を控除する必要があります。
7 プロテクティブに計上されている繰延税金資産及び法定会計上の非認容資産等につき、調整を行うものであります。
8 TAL及びパートナーズ・ライフに計上されている無形固定資産(のれん及び保有契約価値)等につき、調整を行うものであります。
9 表中の金額(「純資産の部合計」から「上記項目に係る税効果」まで)は、対象事業(covered business)の各社の金額の単純合計としております。
③ 保有契約価値
保有契約価値は、将来利益現価からオプションと保証の時間価値、必要資本維持のための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用を控除した金額であり、その内訳は以下のとおりであります。市場整合的手法による確実性等価将来利益現価の算出にあたり、資産運用に係るキャッシュ・フローは全ての資産の運用利回りがリスク・フリー・レートに等しいものとして計算しております。2023年3月末の保有契約価値は、国内金利上昇により、2022年3月末と比べて増加いたしました。
(注) 1 第一フロンティア生命における修正共同保険式再保険等に係る調整を行っております。
2 市場整合的手法による確実性等価将来利益現価並びに市場調整評価手法、トップダウン手法及び伝統的手法による将来利益現価を含んでおります。
3 市場整合的手法及び市場調整評価手法によるフリクショナル・コスト並びにトップダウン手法及び伝統的手法による資本コストを含んでおります。
④ 対象事業以外の純資産等に係る調整
当社及びその子会社・関連会社(対象事業(covered business)とした生命保険事業を行う子会社を除きます。)については、当社の純資産の部の金額に、必要な調整を行った上で、「対象事業以外の純資産等に係る調整」としてグループEEVに含めております。
(注) 1 第一生命ホールディングスの保有する子会社・関連会社の株式又は出資金及び調達負債等について、時価評価を行った上で含み損益を計上しております。
2 第一生命ホールディングスが保有する第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、プロテクティブ、TAL及び第一生命ベトナム及びパートナーズ・ライフの株式または出資金の簿価の合計が含まれております。
3 プロテクティブ及びDai-ichi Reの報告期間終了後、米銀破綻等を踏まえ、確認された損失額を連結財務諸表上の修正後発事象として計上しております。
⑤ 新契約価値
新契約価値は、当期に獲得した新契約(保障見直し契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値(契約獲得に係る費用を控除した後の金額)を表したものであります。
(注) 1 市場整合的手法による確実性等価将来利益現価並びに市場調整評価手法、トップダウン手法及び伝統的手法による将来利益現価を含んでおります。
2 市場整合的手法及び市場調整評価手法によるフリクショナル・コスト並びにトップダウン手法及び伝統的手法による資本コストを含んでおります。
3 2022年3月期及び2023年3月期の第一生命グループの新契約価値には、2021年1月1日から2021年12月31日及び2022年1月1日から2022年12月31日までのプロテクティブ及び第一生命ベトナムの新契約価値を含めております。
4 パートナーズ・ライフの完全子会社化は2022年11月30日に完了いたしました。2022年3月期の第一生命グループの新契約価値には、パートナーズ・ライフの新契約価値は含まれません。2023年3月期の第一生命グループの新契約価値には、2023年1月1日から2023年3月31日までのパートナーズ・ライフの新契約価値を含めております。
なお、新契約マージン(新契約価値の収入保険料現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(注)1 将来の収入保険料(プロテクティブについては法定会計ベース)を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レート又は割引率で割り引いております。
2 当社グループ内の再保険取引に関する連結調整を行っております。
(2) 第一生命のEEV
(注) 1 2022年3月末及び2023年3月末の第一生命のEEVには、第一生命の保有するTALの優先株式の評価額が含まれております。
2 評価・換算差額等合計を除いた額を計上しております。
3 価格変動準備金、危険準備金及び配当準備金中の未割当額の合計額を計上しております。
4 土地については、時価と再評価前帳簿価額の差額を計上しております。
5 劣後債務等の含み損益を計上しております。
6 未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異を計上しております。
なお、新契約マージンは以下のとおりであります。
(注) 将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レートで割り引いております。
3 EEVの変動要因
(1) グループEEVの変動要因
(注) パートナーズ・ライフのTEVの変動額については、2022年12月末から2023年3月末の当該変動額のうち為替変動に伴う調整、新契約価値を除いた変動額を前提条件(経済前提)と実績の差異に含めております。
① 2022年3月末EEVの調整
2022年3月末EEVの調整は、以下の項目の合計であります。
a 2023年3月期において第一生命ホールディングスは株主配当金を支払っており、対象事業以外の純資産等に係る調整がその分減少いたします。
b 2023年3月期において第一生命ホールディングスは自己株式を取得しており、対象事業以外の純資産等に係る調整がその分減少いたします。
c 2023年3月期において生命保険事業を行う子会社は第一生命ホールディングスに株主配当金を支払っておりますが、グループ内の取引であるため、グループEEVへの影響はありません。
d 2023年3月期上半期において第一生命ホールディングスはTAL及びDai-ichi Reに増資を行っておりますが、グループ内の取引であるため、グループEEVへの影響はありません。
e 2022年8月1日にTALが買収したTLISにおいて、EV計算を開始したことに伴う調整を行っております。
f 2022年11月30日にパートナーズ・ライフを完全子会社化したことに伴う調整を行っております。2022年12月末のパートナーズ・ライフのTEVをグループEEVに反映するために、パートナーズ・ライフの2022年12月末TEVと取得対価との差額を計上しております。
g プロテクティブ、TALのEEV及び第一生命ベトナム、パートナーズ・ライフのTEVを円換算していることから、為替変動による調整を行っております。
② 当期新契約価値
新契約価値は、2023年3月期に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額を反映しております。
③ プロテクティブによる買収に伴うEEVの変動
プロテクティブは、伝統的な生命保険事業、個人年金事業に加え、生命保険や年金の保険契約ブロックの買収事業にも取り組んでおります。
当該項目には、プロテクティブによる個人保険・年金既契約ブロック等の買収に伴うEEVの増加額を計上しております。
④ 期待収益(市場整合的手法)
第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、TAL及びプロテクティブの変額年金事業(変額年金事業の必要資本を含む)の期待収益を本項目に含めております。期待収益(市場整合的手法)は、以下の2項目の合計であります。
a リスク・フリー・レート分
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク・フリー・レートで割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。なお、これには、オプションと保証の時間価値、必要資本維持のための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用のうち2023年3月期分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産からリスク・フリー・レート分に相当する収益が発生いたします。なお、第一フロンティア生命では、リスク・フリー・レートに代えて、会社の保有資産のスプレッドを反映した割引率を用いております。
また、第一フロンティア生命では、変額個人年金保険に係る最低保証リスクの軽減を目的として、デリバティブ取引を利用しておりますが、本項目は、時間の経過により当該取引から期待される損益を含んでおります。
b 超過収益分
EEVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待いたします。
なお、本項目は、第一フロンティア生命の変額個人年金保険に係る最低保証リスクの軽減を目的とするデリバティブ取引につき、リスク・フリー・レートを超過する利回りにより当該取引から期待される損益を含んでおります。また、プロテクティブの変額年金事業に係るヘッジを目的とするデリバティブ取引から期待される損益を含んでおります。
⑤ 期待収益(トップダウン手法・伝統的手法)
プロテクティブの変額年金事業以外(フリー・サープラス及び変額年金事業以外の必要資本を含む)及び第一生命ベトナムの期待収益を本項目に含めております。
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク割引率で割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。なお、これには、資本コストのうち、2023年3月期分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産から期待される運用利回りに基づく収益が発生いたします。
⑥ 保有契約価値からの移管
2023年3月期に実現が期待されていた利益(法定会計上の予定利益)が、保有契約価値から修正純資産に移管されます。これには、2022年3月末の保有契約から期待される2023年3月期の利益と、2023年3月期に獲得した新契約からの、契約獲得に係る費用を含めた2023年3月期の損益が含まれております。これらは保有契約価値から修正純資産への振替えであり、EEVの金額には影響いたしません。
⑦ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
2022年3月末の保有契約価値の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、2023年3月期の実績との差額であります。
⑧ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、2023年3月期以降の収支が変化することによる影響であります。
⑨ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、2022年3月末EEVの計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、2023年3月期の実績及び2023年3月期以降の見積りの変更を含んでおります。なお、本項目には、プロテクティブ、第一生命ベトナムのリスク割引率を変更した影響(割引率の設定における資本と調達負債の加重の変更によるものを含む。)を含んでおります。
⑩ 対象事業以外の事業活動及び経済変動に伴う増減
本項目には、第一生命ホールディングスの子会社・関連会社(生命保険事業を行う子会社を除く)の獲得利益及び第一生命ホールディングスの保有する資産・負債の含み損益額の変動を含んでおります。また、連結財務諸表上の修正後発事象を含んでおります。
⑪ その他の要因に基づく差異
上記の項目以外にEEVを変動させた要因による影響であります。なお、この項目にはモデルの変更の影響を含んでおります。
⑫ 2023年3月末EEVの調整
2023年3月期下半期において第一生命ホールディングスは第一生命ベトナムに増資を行っておりますが、グループ内の取引であるため、EEVの金額には影響しません。
(2) 第一生命のEEVの変動要因
(注) 2023年3月期において株主配当金を支払っており、修正純資産がその分減少いたします。
4 感応度(センシティビティ)
(1) グループEEVの感応度
前提条件を変更した場合のEEVの感応度は以下のとおりであります(増減額を記載しております。)。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
なお、いずれの感応度においても、保険会社の経営行動の前提は基本シナリオと同様としております。
(注) パートナーズ・ライフのTEVの感応度は、グループEEVの感応度に含めておりません。
(2) 第一生命のEEVの感応度
5 注意事項
第一生命グループのEV計算においては、当社グループの事業に関し、業界の実績、経営・経済環境あるいはその他の要素に関する多くの前提条件が求められ、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属しております。
使用した前提条件は、EV報告の目的に照らし適切であると当社グループが考えるものでありますが、将来の経営環境は、EV計算に用いられた前提条件と大きく異なることもあり得ます。そのため、本EV開示は、EV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではありません。
6 その他の特記事項
当社では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、グループEEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
(参考3)第一生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報
参考として、第一生命保険株式会社の単体情報のうち、一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報を以下のとおり記載しております。
1. 主要業績
(1) 保有契約高及び新契約高
① 保有契約高
(注) 1 個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。
2 団体年金保険については、責任準備金の金額であります。
3 2018年4月以降の複数の保険契約を組み合わせて加入している商品について、それぞれの保険契約を1件として記載しております。
② 新契約高
(注) 1 件数は、新契約に転換後契約を加えた数値であります。
2 新契約・転換による純増加の個人年金保険の金額は年金支払開始時における年金原資であります。
3 新契約の団体年金保険の金額は第1回収入保険料であります。
4 2018年4月以降の複数の保険契約を組み合わせて加入している商品について、それぞれの保険契約を1件として記載しております。
(2) 年換算保険料
① 保有契約
② 新契約
(注) 1 「年換算保険料」とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 「医療保障・生前給付保障等」には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障害を事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
3 「新契約」には転換純増分も含んでおります。
(参考) 個人保険・個人年金保険の解約・失効年換算保険料
(注) 1 失効後復活契約を失効と相殺せずに算出しております。
2 主契約が継続している「減額」を除いております。
2. 一般勘定資産の運用状況
(1) 資産の構成
(注) 「不動産」については土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
(2) 資産運用収益
(3) 資産運用費用
(4) 資産運用に係わる諸効率
(注) 1 「運用利回り」は、分母を帳簿価額ベースの「日々平均残高」、分子を「経常損益中の資産運用収益 - 資産運用費用」として算出しております。
2 「海外投融資」には、円貨建資産を含んでおります。
③ 売買目的有価証券の評価損益
④ 有価証券の時価情報(売買目的有価証券以外の有価証券のうち時価のあるもの)
(注)1 本表には、金融商品取引法上の有価証券として取り扱うことが適当と認められるもの等を含んでおります。
2 市場価格のない株式等および組合等は本表から除いております。
・市場価格のない株式等および組合等の帳簿価額は以下のとおりであります。
(注) 1 本表には、金融商品取引法上の有価証券として取り扱うことが適当と認められるもの等を含んでおります。
2 市場価格のない株式等及び組合等のうち、外国証券の為替を評価した差損益は以下のとおりであります。
(前事業年度末:321億円、当事業年度末:562億円)
⑤ 金銭の信託の時価情報
(注) 1 本表記載の時価相当額の算定は、金銭の信託の受託者が合理的に算定した価格によっております。
2 差損益には金銭の信託内で設定しているデリバティブ取引に係る差損益も含んでおります。
・満期保有目的、責任準備金対応、その他の金銭の信託については、前事業年度末、当事業年度末ともに残高はありません。
3. 経常利益等の明細(基礎利益)
(注) 1 当事業年度の開示から、為替に係るヘッジコスト、投資信託の解約損益及び有価証券償還損益のうち為替変動部分に関して、経常利益の内訳の開示方法を変更しております。前事業年度の数字についても、変更後の取扱いに基づき再計算した値を開示しており、この結果、変更前と比べて、前事業年度の基礎利益は887億円減少し、キャピタル損益が887億円増加しております。
2 その他臨時収益には、保険業法施行規則第71条第1項に規定する再保険を付した部分に相当する個人保険・個人年金の責任準備金の金額(前事業年度:4,945億円)及び払込満了後終身保険出再に係る再保険料の調整額(過年度出再分)(当事業年度:49億円)を記載しております。
3 その他臨時費用には、保険業法施行規則第71条第1項に規定する再保険を付したことによる個人保険・個人年金の再保険料(前事業年度:6,032億円)、投資損失引当金繰入額(前事業年度:2億円、当事業年度:4億円)、保険業法施行規則第69条第5項の規定により責任準備金を追加して積み立てた金額(前事業年度:725億円、当事業年度:690億円)を記載しております。
(参考)
その他基礎収益等の内訳
(注) 1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始又は再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権であります。
2 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権であります。(注1に掲げる債権を除く。)
3 三月以上延滞債権とは、元本又は利息の支払が約定支払日の翌日から三月以上遅延している貸付金であります。(注1及び2に掲げる債権を除く。)
4 貸付条件緩和債権とは、債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行なった貸付金であります。(注1から3に掲げる債権を除く。)
5 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、注1から4までに掲げる債権以外のものに区分される債権であります。
5. ソルベンシー・マージン比率
*1 社外流出予定額及び評価・換算差額等を除いております。
*2 標準的方式を用いて算出しております。
(注) 上記は、保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
(参考)連結ソルベンシー・マージン比率
*1 社外流出予定額及びその他の包括利益累計額等を除いております。
*2 標準的方式を用いて算出しております。
(注) 上記は、保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
6. 特別勘定の状況
(1) 特別勘定資産残高の状況
(2) 個人変額保険(特別勘定)の状況
① 保有契約高
(注) 保有契約高には定期保険特約部分を含んでおります。
② 年度末個人変額保険特別勘定資産の内訳
③ 個人変額保険特別勘定の運用収支状況
④ 個人変額保険特別勘定に関する有価証券等の時価情報
・売買目的有価証券の評価損益
・金銭の信託の時価情報
前事業年度末、当事業年度末ともに残高がないため、記載しておりません。
(3) 個人変額年金保険(特別勘定)の状況
① 保有契約高
(注) 保有契約高には年金支払開始後契約を含んでおります。
② 年度末個人変額年金保険特別勘定資産の内訳
③ 個人変額年金保険特別勘定の運用収支状況
④ 個人変額年金保険特別勘定に関する有価証券等の時価情報
・売買目的有価証券の評価損益
・金銭の信託の時価情報
前事業年度末、当事業年度末ともに残高がないため、記載しておりません。
7. 有価証券明細表(一般勘定)
8. 貸付金残存期間別残高(一般勘定)
9. 海外投融資明細表(一般勘定)
① 外貨建資産
② 円貨額が確定した外貨建資産
③ 円貨建資産
④ 合計
(注) 「円貨額が確定した外貨建資産」は、為替予約等が付されていることにより決済時の円貨額が確定し、当該円貨額を資産の貸借対照表価額としているものであります。
(参考4)第一フロンティア生命保険株式会社の一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報
参考として、第一フロンティア生命保険株式会社の単体情報のうち、一般社団法人生命保険協会の定める決算発表様式に準ずる情報を以下のとおり記載しております。
1. 主要業績
(1) 保有契約高及び新契約高
① 保有契約高
(注) 個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。
② 新契約高
(注) 新契約の個人年金保険の金額は年金支払開始時における年金原資であります。
(2) 年換算保険料
① 保有契約
② 新契約
(注)1 「年換算保険料」とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たり
の保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 「医療保障・生前給付保障等」には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定
疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障害を事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を
事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
2. 一般勘定資産の運用状況
(1) 資産の構成
(注)不動産については建物の金額を計上しております。
(2) 資産運用関係収益
(3) 資産運用関係費用
(4) 資産運用に係わる諸効率
① 資産別運用利回り
(注) 1 利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2 海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
② 売買目的有価証券の評価損益
(注) 本表には、金銭の信託等の売買目的有価証券を含んでおります。
③ 有価証券の時価情報(売買目的有価証券以外の有価証券のうち時価のあるもの)
(注) 本表には、金融商品取引法上の有価証券として取り扱うことが適当と認められるもの等を含んでおります。
・市場価格のない株式等および組合等の帳簿価額
該当事項はありません。
④ 金銭の信託の時価情報
(注) 1 本表記載の時価相当額の算定は、金銭の信託の受託者が合理的に算出した価格によっております。
2 差損益には当期の損益に含まれた評価損益を記載しております。
3. 経常利益等の明細(基礎利益)
(注) 当事業年度の開示から、為替に係るヘッジコスト及び投資信託の解約損益に関して、経常利益の内訳の開示方法を変更しております。前事業年度の数字についても、変更後の取扱いに基づき再計算した値を開示しており、この結果、変更前と比べて、前事業年度の基礎利益は 0億円減少し、キャピタル損益が0億円増加しております。
(参考)
その他基礎収益等の内訳
4. 保険業法に基づく債権の状況
(注) 1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始又は再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権であります。
2 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権であります(注1に掲げる債権を除く。)。
3 三月以上延滞債権とは、元本又は利息の支払が約定支払日の翌日から三月以上遅延している貸付金であります。(注1及び2に掲げる債権を除く。)。
4 貸付条件緩和債権とは、債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸付金であります。(注1から3に掲げる債権を除く。)
5 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、注1から4までに掲げる債権以外のものに区分される債権であります。
5. リスク管理債権の状況
該当事項はありません。
6. ソルベンシー・マージン比率
(注) 1 上記は、保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
2 資本金等は、社外流出予定額及び評価・換算差額等を除いています。
3 最低保証リスク相当額は、標準的方式を用いて算出しております。
7. 特別勘定の状況
(1) 特別勘定資産残高の状況
(2) 個人変額保険(特別勘定)の状況
① 保有契約高
(注) 個人変額保険の保有契約高には、一般勘定で運用されるものを含んでおります。
② 年度末個人変額保険特別勘定資産の内訳
③ 個人変額保険特別勘定の運用収支状況
(3) 個人変額年金保険(特別勘定)の状況
① 保有契約高
(注) 1 個人変額年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。
2 個人変額年金保険の保有契約高には、一般勘定で運用されるものを含んでおります。
② 年度末個人変額年金保険特別勘定資産の内訳
③ 個人変額年金保険特別勘定の運用収支状況
I.Partners Group Holdings Limited の完全子会社化について
当社は、2022年8月12日、傘下の中間持株会社である第一生命インターナショナルホールディングス合同会社(以下、「中間持株会社」)を通じ、ニュージーランドの生命保険グループの持株会社であるパートナーズ・ライフ社を買収すること(以下、「本件買収」)について、パートナーズ・ライフ社の株主と合意し、株式売買契約を締結いたしました。
1.本件買収の背景
当社は中期経営計画「Re-connect 2023」(以下、「現中計」)において、グループ戦略として「資本循環経営」を掲げ、資本コストを上回る資本効率の中期的な実現に向けて取り組んでおります。
資本コストの低減に向けては、市場リスクの削減をはじめとするリスクプロファイルの変革を通じ、当社株価の市場感応度を下げることを取組みの軸に据え、他方、資本効率の向上に向けては、既存事業の効率向上や新規事業展開によるビジネスの「深化」を図るとともに、デジタル技術等の新たな組織能力獲得に向けた「探索」にも取り組む“両利きの経営”を推進しております。
海外事業戦略においても、地理的・成長段階別に分散の効いた事業ポートフォリオ運営を推進する中で、パートナーズ・ライフ社のビジネスモデルの特徴である高資本効率、保険リスク中心、優れたテクノロジーといった点は、当社グループの戦略に合致し、その持続的成長基盤を更に強固なものにするものと考えております。
2.パートナーズ・ライフ社の概要
パートナーズ・ライフ社 (本社:ニュージーランド、オークランド) は2010年に設立され、シンプルな保障性商品の提供と同社独自のデジタルプラットフォームを活用したIFA1支援に特徴を持つ、ニュージーランドで第2位(保有年換算保険料2ベース)の新興生命保険グループであります。
創業5年で単年度黒字化を達成し、創業10年目にはニュージーランド生保市場業界第2位となるなど、急成長を遂げています。当社にとって本件買収は、保険リスクの更なる取込みによる「リスクプロファイル変革」、保障事業の「深化」、そしてデジタル等の組織能力獲得に繋がり得る「探索」の取組みの一環として、現中計の方針に沿った取組みであると考えております。
パートナーズ・ライフ社並びに傘下の生命保険会社であるPartners Life Limited(以下、「PLL」)の強みとして、①保障性商品中心の提供による収益性の確保や業界初の新商品を数多く開発・販売してきた商品開発力、②IFAネットワークから信頼の厚い高水準なIFA支援の展開、並びに業界初となる顧客満足度と連動したIFAのコミッション制度の導入等、真にお客さま・チャネルパートナーの視点に立った事業運営、③商品・システムの徹底したレガシーレス運営と保険販売デジタルプラットフォームの独自開発・運営の両立、④これらの戦略立案・実行を支える経験豊富かつ多様な経営陣等が挙げられます。経営陣は、2つの生保会社創業経験があるCEOのNaomi Ballantyne氏や会長のJim Minto氏3を筆頭に、Fintech創業者等も含め多様なバックグランドの陣容となっており、同社の革新的な成長を牽引しております。
また、PLLは2020年末に、Bank of New Zealand (以下、「BNZ銀行」) 傘下のBNZ Life (以下、「BNZライフ社」)買収を発表しております。これは、BNZ銀行との専属紹介契約(期間10年)を通じて同行顧客基盤の獲得も企図したものであり、IFAチャネルを同社事業の軸に据えつつも、チャネルの多様化、事業規模の拡大・安定化も進めております。
1 IFA(Independent Financial Advisor)とは、特定の保険会社からは独立した立場で保険等の提案・販売を行う代理人を意味します。
2 2023年3月末時点の実績ベースであります。2022年9月30日に統合を完了したBNZライフ社の業績を含んでおります。
3 Jim Minto氏は当社子会社である豪TALの元CEOであります。
3.本件買収の戦略的意義及び効果
(1)先進国市場の安定成長享受と地理的分散等を通じた海外事業ポートフォリオ強化
本件買収は、先進国市場においては、2015年の米国プロテクティブ社買収以来となる3か国目、当社海外事業全体としては9か国目の進出となります。
ニュージーランドは、先進国市場でありながら保険深度4が1%未満と相対的に低く、かつ収益性の高い保障性商品及び個人保険向け保険商品が大宗を占める市場であること、また、積極的な移民政策と日本を上回る一人当たりGDPをベースに、小規模ながらも安定成長が期待できること等から、当社事業の地理的分散を図りながら海外事業利益の補完・安定化への貢献を期待できる市場であると考えております。
(2)急成長を実現してきた特徴あるビジネスモデルによる持続的な利益成長と同社ノウハウの利活用
パートナーズ・ライフ社・PLLは、収益性の高い1年更新型の保障性商品を中心に取り扱っていることから、持続的な収益性の確保や機動的な価格設定が可能となっており、安定的かつ良好なリスク・リターンが見込める事業を展開しております。当社グループ戦略にとっては、リスクテイク全体における保険リスクが占める割合の拡大によるリスクプロファイルの改善や利益成長への貢献が見込まれます。
また、同社の急成長の原動力の一つとなっている徹底したレガシーレス運営やデジタル面での組織能力、キャピタルライト戦略、真にお客さま・チャネルパートナーに寄り添った事業運営といった要素は、経営の視点を含め非常に参考になるものと考えており、そのノウハウの当社グループ内での展開・活用等について具体的に調査・検討を進めてまいります。
(3)当社グループ傘下での更なる成長の実現や将来的なシナジー効果の追求
当社グループの下でパートナーズ・ライフ社が今後も持続的な成長を実現すべく、これまでの取組みの一層の強化に加え、当社グループ内のノウハウや事業基盤の活用を含む様々な取組可能性を検討してまいります。
BNZライフ社買収完了後の既契約者へのアクセスやグループ内での効率的な資本・財務的諸施策の検討、更には保険市場・文化に共通点を有する豪州における当社子会社であるTALとのノウハウ共有や協業についても、今後具体的に研究・検討を進めてまいります。
4 保険深度とは、生保収入保険料の対GDP比率を意味します。日本は約6%に達します。
4.本件買収のスキーム
本件買収は、当社から中間持株会社に対して増資を行い、当該中間持株会社を通じてパートナーズ・ライフ社の全株式を取得いたしました。
5.異動する子会社(パートナーズ・ライフ社)の概要
(表示単位未満四捨五入)
6. 株式取得の相手先の概要5
(表示単位未満四捨五入)
5 その他の株式取得の相手先として、持分比率21.01%のPartners Life Group Nominee Limitedがあります(5.異動する子会社(パートナーズ・ライフ社)の概要を参照)。Partners Life Group Nominee Limitedは、パートナーズ・ライフ社の実質的株主のために同社の株式を法的に保有する名義人であり、何らかの事業を営む事業体でなく、当社と資本関係、人的関係、取引関係はなく、関連当事者にも該当いたしません。また、その他株式取得の相手先のいずれについても、当社と資本関係、人的関係、取引関係はなく、関連当事者にも該当いたしません。
7. 取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
6 記載の株式数は2023年3月末時点のパートナーズ・ライフ社の発行済株式数の総数であります。
7 2023年4月末時点の金額であります。
8 PMI費用を含むアドバイザリー費用が2023年4月以降も発生しているため、概算額を記載しております。
8. 日程
II.アイペットホールディングス株式会社に対する公開買付けによる子会社化
当社は、2022年11月7日開催の取締役会において、アイペットホールディングス株式会社(以下、「対象者」という。)の株券等を金融商品取引法に基づく公開買付け(以下、「本公開買付け」という。)によって取得することを決議し、本公開買付けを2022年11月8日から2023年1月10日の期間で実施したことにより、2023年1月17日(本公開買付けの決済の開始日)付で対象者は当社の連結子会社となりました。なお、当社は、株式売渡請求により、2023年3月3日付で対象者に対する議決権比率を100%といたしました。
買付け等の概要及び結果は以下の通りであります。
(1) 本公開買付けの概要
① 買付け等に係る株券等の種類
a 普通株式
b 新株予約権
② 買付け等の期間
2022年11月8日から2023年1月10日まで(40営業日)
③ 買付け等の価格
a 普通株式1株につき、金3,550円
b 新株予約権1個につき、金6,460円
④ 決済開始日
2023年1月17日
(2) 本公開買付けの結果
① 公開買付けの成否
本公開買付けにおいては、本公開買付けに応募された株券等(以下、「応募株券等」という。)の数の合計が買付予定数の下限(7,326,900株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わない旨の条件を付しましたが、応募株券等の数の合計(10,906,101株)が買付予定数の下限(7,326,900株)以上となりましたので、公開買付開始公告及び公開買付届出書(その後提出された公開買付条件等の変更の公告及び公開買付届出書の訂正届出書により訂正された事項を含む。)に記載のとおり、応募株券等の全部の買付け等を行いました。
② 買付け等を行った株券等の数
普通株式10,906,101株
③ 買付け等を行った後における株券等所有割合
99.23%
④ 買付価格総額
38,716百万円9
9 なお、株式売渡請求による株式取得の対価やアドバイザリー費用を含めた金額は以下のとおりであります。
公開買付けによる取得価額 38,716百万円
株式売渡請求による取得価額 298百万円
株式の取得価額の合計 39,015百万円
本買収に係るアドバイザリー費用等 751百万円
株式の取得価額および諸費用の合計 39,766百万円
該当事項はありません。