独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2025年6月18日
第一生命ホールディングス株式会社
取締役会 御中
指定有限責任社員 業務執行社員
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公認会計士
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神 塚 勲
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指定有限責任社員 業務執行社員
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公認会計士
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藤 原 初 美
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指定有限責任社員 業務執行社員
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公認会計士
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春 日 雄 太
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<連結財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている第一生命ホールディングス株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、第一生命ホールディングス株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
株式会社ベネフィット・ワンの子会社化における企業結合に係る時価評価及び会計処理の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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第一生命ホールディングス株式会社は、2024年5月23日付で株式会社ベネフィット・ワン(以下「ベネフィット・ワン社」という。)の株式を取得し、同社を連結子会社としている。 当該企業結合取引にあたり、ベネフィット・ワン社株式の取得価額は、同社の事業計画を基礎として算定された株式価値を踏まえ、交渉の上決定されており、株式価値の算定には外部の専門家を利用している。 企業結合に際しては、識別可能な資産及び負債の企業結合日時点の時価を基礎として当該資産及び負債に対して取得価額の配分を行い、取得価額が識別可能な資産及び負債に配分された純額を上回る場合、その超過額をのれんとして認識することとなる。第一生命ホールディングス株式会社は、取得価額の配分にあたり、外部専門家の評価結果を利用し、受け入れた識別可能資産及び引き受けた識別可能負債の認識及び測定を実施している。 ベネフィット・ワン社株式の取得価額は292,056百万円であり、取得価額の配分の結果、顧客関連資産107,290百万円を識別し、のれん200,592百万円を連結財務諸表に計上している。また、のれんの償却期間は、事業計画に基づく投資の回収期間等を考慮して10年と決定している。なお、当該企業結合取引の詳細については、注記事項「(企業結合等関係)」に記載されている。 企業結合取引は経常的に生じる取引ではなく、取得価額の妥当性及び取得価額の配分には複雑な検討や専門的な知識が必要となる。また、株式価値及び顧客関連資産の時価の算定に当たって使用される主要な仮定(売上高成長率、割引率等)には、外部環境の変化等による不確実性を伴い、経営者の重要な判断が含まれる。 以上から、当監査法人は、ベネフィット・ワン社の子会社化における企業結合に係る時価評価及び会計処理の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。
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当監査法人は、ベネフィット・ワン社との企業結合取引の検討に当たり、主に以下の手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 ベネフィット・ワン社との企業結合取引に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、取得対価が適切に決定されていることを確かめる統制、並びに企業結合の会計処理の妥当性を確かめる統制に焦点を当てて実施した。 (2) 企業結合に係る時価評価及び会計処理の妥当性 当監査法人は、当該企業結合取引に係る時価評価及び会計処理の妥当性に関して、主に以下の実証手続を実施した。 ・ 契約書等の関連資料及び経営会議資料の閲覧、並びに、担当者への質問による取引の内容及び目的の理解 ・ 株式価値の算定の基礎となった事業計画における主要な仮定である売上高成長率について、過去実績に基づく趨勢分析、独自にストレスをかけたシナリオ分析及び利用可能な外部のデータとの比較 ・ 当監査法人のネットワークファームの専門家を関与させ、株式価値の評価手法及び算定に用いた割引率の適切性の検討 ・ のれんの償却期間について、株式価値算定の根拠とした事業計画や外部データに基づく、のれんの効果が及ぶ期間の合理性及び適切性の検討 ・ 当監査法人のネットワークファームの専門家を関与させ、顧客関連資産の時価の算定に経営者が採用した時価評価モデル及び将来利益の現在価値の見積りに適用された主要な仮定(割引率、顧客減少率)の適切性の評価 ・ 顧客関連資産の時価の算定に用いた事業計画について、上記事業計画との整合性の検討
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のれんの減損損失の計上の要否に関する判断の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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第一生命ホールディングス株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において計上されているのれん328,427百万円には、注記事項「(重要な会計上の見積り)1 のれんの評価」 に記載されているとおり、同社によるベネフィット・ワン社の買収に関連して計上されたのれん185,548百万円、Protective Life Corporation(以下「PLC社」という。)の買収並びにPLC社が行う買収事業に関連して計上されたのれん91,154百万円、TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltd(以下「TAL社」という。)の買収に関連して計上されたのれん21,858百万円、Partners Group Holdings Limited(以下「PNZ社」という。)の買収に関連して計上されたのれん16,635百万円及びアイペット損害保険株式会社(以下「アイペット社」という。)の買収に関連して計上されたのれん13,231百万円が含まれている。 注記事項「(重要な会計上の見積り)1 のれんの評価」に記載されているとおり、PLC社及びTAL社の買収等に関連して計上されたのれんは、各連結子会社の連結財務諸表に計上されており、各連結子会社の所在国の会計基準に準拠して各連結子会社でのれんの減損損失の計上の要否に関する判断が行われる。その後、各連結子会社での判断結果を踏まえ、第一生命ホールディングス株式会社では、日本の会計基準に基づき減損損失の計上の要否の判定が行われる。また、ベネフィット・ワン社、PNZ社及びアイペット社の買収に関連して計上されたのれんは、第一生命ホールディングス株式会社の連結財務諸表に計上されており、第一生命ホールディングス株式会社が日本の会計基準に基づき減損損失の計上の要否の判定を行っている。仮に、買収等が想定どおりのメリットをもたらさず著しい企業価値の減価がある場合には、減損損失が計上される可能性がある。 (1) 各連結子会社が実施する、のれんの減損損失の計上の要否に関する判断
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当監査法人は、主に以下の手続を実施した。 (1) 各連結子会社が実施する、のれんの減損損失の計上の要否に関する判断 当監査法人は、各連結子会社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め、主として以下の監査手続を実施した。 ① PLC社の買収及びPLC社が行う買収事業に関連して計上されたのれん 減損損失の計上の要否を判定するプロセスに関してPLC社が構築した関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、のれんの減損損失の計上の要否に関する判定資料の作成及び判定結果に関する承認の統制に焦点を当てた。 また、のれんの減損損失の計上が必要かどうかに関するPLC社の判断の妥当性に関して、主に以下の実証手続を実施した。 ・経営者及び複数の会社担当者に対する質問 ・関連する内部資料の閲覧 ・判断に用いられた財務実績情報の信頼性の評価 ② TAL社の買収に関連して計上されたのれん 定量的減損テストに関してTAL社が構築した関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、減損テストの判定資料の作成及び判定結果に関する承認の統制に焦点を当てた。 また、定量的減損テストに用いられる回収可能価額の評価の検討に関して、主に以下の実証手続を実施した。 ・使用される評価モデルの目的適合性の評価及び前年度からの変更の妥当性の確認 ・連結子会社の監査人の保険数理の専門家を利用した、計算に利用される保険数理計算上の仮定(割引率、保険事故発生率、継続率)の適切性の評価
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のれんの減損損失の計上の要否に関する判断の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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① PLC社の買収及びPLC社が行う買収事業に関連して計上されたのれん PLC社は、定期的に、のれんの減損損失の計上の要否を判断している。 まず、のれんを含む報告単位の公正価値が帳簿価額を下回っている可能性が50%超であるかどうかについて定性的要因を評価する(減損の兆候の有無の判定)。なお、米国会計基準において全部又は一部の報告単位について、減損の兆候の有無の判定を省略し、後述の定量的減損テストに進むことが認められている。減損の兆候の有無は、PLC社及び各報告単位を取り巻く経済環境及び市場環境の悪化の有無、将来の利益又はキャッシュ・フローにマイナスの影響を及ぼす要因の有無、全般的な業績の悪化の有無、PLC社及び各報告単位に固有のその他の事象を考慮して総合的に検討される。特に、減損の兆候の有無を判定する際に基礎となるPLC社及び各報告単位の業績は景気動向等の影響を受けやすく、その業績予想には経営者の重要な判断を伴う。 次に、減損の兆候の有無の判定において、のれんに減損の兆候が認められると結論付けられた場合、又は減損の兆候の有無の判定を省略することを選択した場合に、のれんを含む報告単位の帳簿価額と公正価値との比較(定量的減損テスト)を行う。公正価値の算出に当たって使用される主要な仮定(事業収支予測、割引率等)には見積りの不確実性があるほか、公正価値の算出には保険数理及び企業評価に関する高度な専門性が必要となる。 ② TAL社の買収に関連して計上されたのれん TAL社は、定期的に、のれんを配分した資金生成単位の帳簿価額と回収可能価額との比較(定量的減損テスト)を行うことで、のれんの減損損失の計上の要否を判断している。回収可能価額は、エンベディッド・バリュー等に基づき算出される。エンベディッド・バリューの算出に当たって使用される保険数理計算上の仮定(割引率、保険事故発生率、継続率等)には見積りの不確実性があるほか、保険数理計算には保険数理に関する高度な専門性が必要となる。
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(2) 第一生命ホールディングス株式会社が実施する、のれんの減損損失の計上の要否の判定 当監査法人は、のれんの減損損失の計上の要否を判定するプロセスに関して第一生命ホールディングス株式会社が構築した関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、のれんの減損損失の計上の要否に関する判定資料の作成及び判定結果に関する承認の統制に焦点を当てた。 また、当監査法人は、のれんの減損損失の計上が必要かどうかに関する第一生命ホールディングス株式会社の判断の妥当性に関して、主に以下の実証手続を実施した。 ・経営者及び複数の会社担当者に対する質問 ・関連する内部資料の閲覧及び資料間の金額の照合 ・判断に用いられた財務実績情報の信頼性の評価
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のれんの減損損失の計上の要否に関する判断の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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(2) 第一生命ホールディングス株式会社が実施する、のれんの減損損失の計上の要否の判定 第一生命ホールディングス株式会社による減損の兆候の有無の判定は、のれんを含む資産グループから得られるキャッシュ・フロー等が継続してマイナスとなっていないかどうか、のれんを含む資産グループの回収可能額が著しく低下していないかどうか、のれんを含む資産グループの経営環境が著しく悪化していないかどうかを定期的に検討するが、これには経営者の重要な判断を伴う。 のれんに減損の兆候が認められる場合には、当該のれんを含む資産グループから生じるキャッシュ・フローを見積り、その総額と連結財務諸表における帳簿価額を比較することにより、減損損失を計上するか否かを判定する。その結果、減損損失の計上が必要と判定された場合、各連結子会社または第一生命ホールディングス株式会社が算定した回収可能価額まで帳簿価額が減額され、当該減少額は減損損失として計上される。第一生命ホールディングス株式会社における回収可能価額の算出に当たって使用される主要な仮定(事業収支予測、割引率、保険数理計算上の仮定等)には見積りの不確実性があるほか、保険数理計算には保険数理に関する高度な専門性が必要となる。 以上から、当監査法人は、のれんの減損損失の計上の要否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。
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買収等に関して計上されている無形固定資産の償却又は損失の計上に関する判断の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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第一生命ホールディングス株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において計上されているその他の無形固定資産640,106百万円には、注記事項「(重要な会計上の見積り)2 無形固定資産の評価」に記載されているとおり、同社によるPLC社の買収並びにPLC社が行う買収事業に関する保有契約価値相当額314,319百万円、同社によるベネフィット・ワン社の買収に関する顧客関連資産103,937百万円、同社の中間持株会社である第一生命インターナショナルホールディングス合同会社を通じたPNZ社の買収に関する保有契約価値相当額30,501百万円及び同社によるアイペット社の買収に関する保有契約価値相当額19,138百万円が含まれている。 注記事項「(重要な会計上の見積り)2 無形固定資産の評価」に記載されているとおり、買収及び買収事業により計上された保有契約価値は、保険数理計算に基づき、買収及び買収事業で獲得したその買収時点で有効な保険契約及び投資契約のキャッシュ・フローから得られる将来利益の現在価値として算定され、PLC社の買収及び買収事業により計上された保有契約価値は同社の連結財務諸表、PNZ社及びアイペット社の買収に際して計上した保有契約価値は第一生命ホールディングス株式会社の連結財務諸表にそれぞれ計上されている。また、ベネフィット・ワン社の買収に関連して計上された顧客関連資産は、ベネフィット・ワン社が買収時点における既存顧客との継続的な取引関係により生み出すことが期待されているキャッシュ・フローから得られる将来利益の現在価値として算定され、第一生命ホールディングス株式会社の連結財務諸表に計上されている。 注記事項「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法」 に記載されているとおり、保有契約価値及び顧客関連資産は各会計期間末における保有契約がもたらす将来利益やその契約期間等を基礎として、その効果が及ぶと見積られる期間にわたり、効果の発現する態様に従って償却される。計算に使用した仮定が当初想定より乖離する場合、償却額の増減又は保有契約価値及び顧客関連資産の減価相当額の損失計上の可能性がある。 (1) PLC社が実施する、保有契約価値の償却又は損失の計上に関する判断 PLC社の保有契約価値は、米国会計基準に準拠して、以下のようにPLC社で評価が行われる。 ① 保険数理計算上の仮定の更新を通じて検討される保有契約価値の償却
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当監査法人は、主に以下の手続を実施した。 (1) PLC社が実施する、保有契約価値の償却又は損失の計上に関する判断 当監査法人は、連結子会社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め、主として以下の監査手続を実施した。 ① 保険数理計算上の仮定の更新を通じて検討される保有契約価値の償却 PLC社の投資性保険商品等から生じる保有契約価値に関して、PLC社が構築した関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、保有契約価値の償却額を認識及び測定をする統制に焦点を当てた。 また、保有契約価値の償却の正確性及び合理性に関して、連結子会社の監査人の保険数理の専門家を関与させ、主に以下の実証手続を実施した。 ・使用される償却モデルの目的適合性の評価 ・更新された保険数理計算上の仮定(金利、死亡率、継続率)の適切性の評価 ② 責任準備金の積立ての十分性に関する判断と一体で検討される保有契約価値の減価相当額の損失計上 PLC社の伝統的保険商品等から生じる保有契約価値に関して、PLC社による責任準備金の積立ての十分性に関する判断の検討とあわせて、保有契約価値の減価が発生しているかどうかを検討した。 具体的には、PLC社が構築した関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、保有契約価値の減価の有無を判定する統制に焦点を当てた。 また、保有契約価値の損失計上の要否に関する判断の妥当性に関して、連結子会社の監査人の保険数理の専門家を関与させ、主に以下の実証手続を実施した。 ・将来キャッシュ・フローの見積りに適用された保険数理計算上の仮定(将来の投資利回り、死亡率、継続率)の適切性の評価
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買収等に関して計上されている無形固定資産の償却又は損失の計上に関する判断の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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PLC社の投資性保険商品等から生じる保有契約価値は、将来の見積総利益及びその契約期間等を基礎として償却される。PLC社は、定期的に、保険数理計算上の仮定(金利、死亡率、継続率等)を見直し、必要に応じて更新することにより、保有契約価値の償却額を増減させる。特に、継続率の変動により見積総利益等の変動が見込まれる場合には、仮定の更新を通じて償却額が増減する可能性がある。保険数理計算上の仮定には見積りの不確実性があるほか、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。 ② 責任準備金の積立ての十分性に関する判断と一体で検討される保有契約価値の減価相当額の損失計上 PLC社の伝統的保険商品等から生じる保有契約価値について、保険数理計算上の仮定(将来の投資利回り、死亡率、継続率等)に比して実績が悪化した場合、追加の責任準備金の計上に先立ち、保有契約価値の減価相当額が損失計上される可能性がある。このため、PLC社は、定期的に、責任準備金の積立ての十分性に関する判断と一体で保有契約価値の減価の有無を検討している。監査上の主要な検討事項「責任準備金の妥当性」に記載のとおり、責任準備金の積立ての十分性を確認するテストでは、将来キャッシュ・フローの見積りに重要な判断が必要となるとともに、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。 (2) 第一生命ホールディングス株式会社が実施する、保有契約価値及び顧客関連資産の減損損失の計上に関する判断 第一生命ホールディングス株式会社は、PNZ社及びアイペット社の買収に際して計上した保有契約価値、並びにベネフィット・ワン社の買収に際して計上した顧客関連資産について、定期的に、のれんの減損損失の計上に関する判断と一体で検討を行っている。監査上の主要な検討事項「のれんの減損損失の計上の要否に関する判断の妥当性」に記載のとおり、のれんの評価における減損の兆候の有無の判定には、経営者の重要な判断を伴う。 以上から、当監査法人は、買収等に関して計上されている無形固定資産の償却又は損失の計上に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。
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・PLC社が実施した責任準備金の積立ての十分性を確認するテストが、関連する会計基準に従って行われているかどうかの評価 (2) 第一生命ホールディングス株式会社が実施する、保有契約価値及び顧客関連資産の減損損失の計上に関する判断 PNZ社及びアイペット社の買収に際して計上した保有契約価値、並びにベネフィット・ワン社の買収に際して計上した顧客関連資産に対して、当監査法人は、第一生命ホールディングス株式会社におけるのれんの減損損失の計上の要否に関する判断の妥当性の検討とあわせて、保有契約価値及び顧客関連資産の減損の兆候が発生していないかどうかを検討した。 具体的には、当監査法人は、監査上の主要な検討事項「のれんの減損損失の計上の要否に関する判断の妥当性」の監査上の対応(2)に記載している手続を実施した。
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責任準備金の評価の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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第一生命ホールディングス株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において責任準備金57,701,859百万円が計上されており、負債及び純資産の部合計の約83%を占める。このうち、第一生命保険株式会社及び第一フロンティア生命保険株式会社における個人保険区分及び個人年金保険区分の責任準備金、PLC社における伝統的保険商品等の責任準備金、並びにTAL社における保険契約負債(責任準備金)が金額的に重要である。 保険会社の負債の大部分を占める責任準備金は、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、保険契約を引き受ける保険会社が所在する国の規制や会計基準の定めに基づく具体的な方法や計算前提等を踏まえ、保険数理計算に基づいて算出した額が積み立てられている。注記事項「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(10)その他連結財務諸表作成のための重要な事項②責任準備金の積立方法」に記載されているとおり、連結される国内の生命保険会社の責任準備金は、保険業法第116条の規定に基づく準備金として一定の方式により計算された金額が計上され、連結される海外の生命保険会社の責任準備金は、米国会計基準、国際財務報告基準等、各国の会計基準に基づき算出した額が計上される。加えて、各国で責任準備金の積立ての十分性を確認するテストを実施することが求められている。 (1) 第一生命保険株式会社及び第一フロンティア生命保険株式会社における責任準備金 これら2社の責任準備金は、金融庁から認可を受けた算出方法書に基づき積み立てられる。具体的には、算出方法書の計算前提(将来の死亡率(予定死亡率)、資産運用収益率(予定利率)、事業費率(予定事業費率)等)に基づく将来の予定キャッシュ・フローの見積りを基礎として責任準備金が算出される。当該見積りが直近の実績と大きく乖離することにより、将来の債務の履行に支障を来すおそれがあると認められる場合には、保険業法施行規則第69条第5項に基づき、責任準備金を追加して積み立てる必要がある。第一生命保険株式会社の責任準備金には、同規則に従い、一部の終身保険契約を対象に追加して積み立てた責任準備金が含まれている。
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当監査法人は、主に以下の手続を実施した。 (1) 第一生命保険株式会社及び第一フロンティア生命保険株式会社における責任準備金 当監査法人は、各連結子会社が構築した個人保険区分及び個人年金保険区分の責任準備金に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、契約マスターファイルの必要なデータが漏れなく責任準備金の計算に反映されていることを確かめる統制及び承認された保険数理計算上の仮定が正しく責任準備金の計算に使用されていることを確かめる統制に焦点を当てた。 当監査法人は、各連結子会社の責任準備金の積立ての十分性に関して、主に以下の実証手続を実施した。 ・個人保険区分及び個人年金保険区分の責任準備金について、再帰式を利用した、責任準備金残高の増減と、責任準備金の増減要素(保険料等収入、保険金等支払金、事業費、利源分析結果等)との全体的な整合性の分析 ・第一生命保険株式会社で追加して積み立てた責任準備金について、関連するシステムから出力した証憑と帳簿との残高の照合及び当事業年度の責任準備金繰入額と積立計画との比較 また、当監査法人は、各連結子会社が実施した責任準備金の積立ての十分性を確認するテスト(将来収支分析及び第三分野保険のストレステスト)に関する各連結子会社の判断の妥当性に関して、当監査法人における保険数理の専門家を関与させ、主に以下の実証手続を実施した。 ・責任準備金の積立ての十分性を確認するテストが、関連する法令、「生命保険会社の保険計理人の実務基準」(公益社団法人 日本アクチュアリー会)及び社内規程に基づいて行われていることの確認及び前事業年度の計算結果との比較 ・保険計理人の意見書及び附属報告書の内容及び結果の吟味(責任準備金を追加して積み立てる必要があるか否かに関する検討を含む)並びに保険計理人に対する質問 ・保険計理人の意見書及び附属報告書における将来収支分析で利用している金利シナリオについて、当監査法人が独自に入手した金利情報との整合性の検討
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責任準備金の評価の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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責任準備金の積立ての十分性に関する検討は、金額的重要性の観点から重要である。また、責任準備金の積立ての十分性を確認するテスト(将来収支分析及び第三分野保険のストレステスト)の内容及び結果は、保険計理人の意見書及び附属報告書に記載されるが、当該テストにおいては、将来キャッシュ・フローの見積りに重要な判断が必要となるとともに、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。 (2) PLC社における責任準備金 PLC社の伝統的保険商品等の責任準備金は、米国会計基準に基づき、保険数理計算上の仮定(将来の投資利回り、死亡率、継続率等)に基づく将来の予定キャッシュ・フローの見積りを基礎として算出される。当該見積りが直近の実績と大きく乖離することにより、将来の債務の履行に支障を来すおそれがあると認められる場合には、仮定の見直しを行い、追加で責任準備金を計上する必要がある。なお、監査上の主要な検討事項「買収等に関して計上されている無形固定資産の償却又は損失の計上に関する判断の妥当性」に記載のとおり、追加の責任準備金の計上に先立ち、保有契約価値の減価相当額が損失計上される可能性がある。このため、PLC社は保有契約価値の償却又は損失の計上に関する判断と一体で検討を行っている。 責任準備金の積立ての十分性に関する検討は、金額的重要性の観点から重要である。また、責任準備金の積立ての十分性を確認するテストでは、将来キャッシュ・フローの見積りに重要な判断が必要となるとともに、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。 (3) TAL社における責任準備金 TAL社の責任準備金は、国際財務報告基準に基づき、当連結会計年度末時点における保険数理計算上の仮定(金利、死亡率、継続率、経費率等)に基づく将来の予定キャッシュ・フローの見積り額に貨幣の時間価値、保険契約から生じるキャッシュ・フローの金融リスクと不確実性の影響を反映して算出した額及び、保険契約から生じると見込まれる利益のうち当連結会計年度末時点において未稼得の部分の額を足し合わせた額を積み立てている。ここで、将来の予定キャッシュ・フローを見積もる際に用いる保険数理上の仮定は、直近の実績及び保険契約グループ内の保険契約者の特性を反映させる必要があり、将来キャッシュ・フローの見積りに重要な判断が必要となるとともに、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。
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(2) PLC社における責任準備金 当監査法人は、連結子会社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め、監査上の主要な検討事項「買収等に関して計上されている無形固定資産の償却又は損失の計上に関する判断の妥当性」の監査上の対応(1)に記載している手続を実施した。 (3) TAL社における責任準備金 当監査法人は、連結子会社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め、主として以下の監査手続を実施した。 責任準備金の算定に関するプロセスに関してTAL社が構築した関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、計算に使用する保険数理計算上の仮定の決定に係る統制及び承認された保険数理計算上の仮定が正しく責任準備金の計算に使用されていることを確かめる統制に焦点を当てた。 また、責任準備金の評価の妥当性の検討に関して、連結子会社の監査人の保険数理の専門家を関与させ、主に以下の実証手続を実施した。 ・計算に利用される評価モデルの目的適合性の評価及び前年度からの変更の妥当性の確認 ・計算に利用される保険数理計算上の仮定(割引率、保険事故発生率、継続率、経費率)の適切性の評価
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責任準備金の評価の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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以上から、当監査法人は、責任準備金の評価の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。
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繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
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監査上の対応
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第一生命ホールディングス株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、回収可能性があると判断された繰延税金資産については、繰延税金負債と相殺された上で繰延税金資産170,990百万円及び繰延税金負債97,710百万円が計上されている。注記事項「(税効果会計関係)」に記載されているとおり、回収可能性があると判断された繰延税金資産の金額は1,094,832百万円である。このうち、注記事項「(税効果会計関係)」に記載されているとおり、グループ通算制度を適用する第一生命ホールディングス株式会社及び一部の国内連結子会社(以下、「通算グループ」)において計上された繰延税金資産726,912百万円が金額的に重要であり、その主な発生原因は、保険契約準備金、価格変動準備金、退職給付引当金である。 通算グループの法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産の回収可能性は、主に通算グループ全体の収益力に基づく将来課税所得の見積額を基礎として判断され、通算グループ全体の「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号)で示されている、会社分類の妥当性、将来の課税所得の十分性、将来減算一時差異の将来解消見込年度のスケジューリングに用いられる仮定に依存し、これらは経営者の重要な判断と見積りの要素を伴う。 以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。
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当監査法人は、通算グループにおける繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 第一生命ホールディングス株式会社及び第一生命保険株式会社が構築した関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、繰延税金資産の回収可能性に関連する計算資料の作成及び計算結果に関する承認の統制に焦点を当てた。 (2) 繰延税金資産の回収可能性に関する第一生命ホールディングス株式会社の判断の妥当性 当監査法人は主に以下の実証手続を実施した。手続の実施に当たって留意した事項には、金利をはじめとするマーケット環境の変動が、通算グループ全体の会社分類の判断、将来の課税所得の見積り及びスケジューリングに与える影響の検討が含まれる。 ・「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく通算グループ全体の会社分類の妥当性、特に、近い将来に経営環境に著しい変化が見込まれるかどうかに関する検討 ・繰延税金資産の回収可能性に関する判断に利用される将来の通算グループ全体の課税所得の見積りの前提となった事業計画が取締役会で承認を得られていることの確認 ・事業計画の作成の基礎となる主要な仮定について、関連する内部資料の閲覧、利用可能な外部データとの比較並びに経営者及び会社担当者に対する質問による適切性の評価 ・前事業年度に見積った当事業年度の通算グループ全体の課税所得について、見積りと実績との比較による将来の課税所得の見積りの合理性及び実現可能性の評価 ・将来減算一時差異の将来解消見込年度のスケジューリングに用いられた主要な仮定について、関連する内部資料の閲覧、資料間の金額の照合並びに経営者及び会社担当者に対する質問による適切性の評価
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その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、第一生命ホールディングス株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、第一生命ホールディングス株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報>
当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】に記載されている。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。
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