前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書の提出日以後、当第3四半期の末日現在までの間において変更及び追加すべき事項が生じています。
以下の内容は、当該有価証券報告書の「事業等のリスク」に当該変更及び追加事項を反映の上で一括して記載したものです。
なお、文中における将来に関する事項は、当第3四半期の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 景気の動向等のマクロ環境に関するリスク
当社グループの業績は、一般的に日本、米国、欧州及び豪州を中心とする各国の景気等の経済情勢、社会情勢及び地政学的状況に影響されます。特に、人材マッチング事業(HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業の人材領域及び人材派遣事業において展開する領域をいう。なお、人材マッチング事業についての詳細は、上記「[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (3) 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題、経営戦略」をご参照ください。)は、経済情勢の不透明感又は悪化に伴う企業の雇用環境の変化の影響を受けます。また、メディア&ソリューション事業の販促領域においても、経済情勢等の変動により、クライアント(企業等)が広告宣伝費を削減すること等に伴って、ユーザー(個人等)の消費が低迷する可能性があります。
近年、米国を中心とする保護主義の台頭とそれによる貿易相手国との関係悪化、英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)等、欧州の経済・政治情勢の不透明感又は悪化、日本において依然として継続するデフレーションや長期的な少子高齢化及び総人口の減少等、当社グループが事業を展開する各国の経済情勢の不確実性が高まっていることに加え、中国経済の減速、北朝鮮及び中東諸国の地政学的リスクの増加等がグローバルの経済情勢等に及ぼす影響も懸念されます。経済情勢等の停滞・悪化により当社グループのサービスに対する需要が低迷する場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(2) 競合に関するリスク
当社グループが事業を展開する市場では、各国の各分野において複数の競合他社が存在する上、参入障壁が必ずしも高くない事業も存在するため、他業種の事業者等を含む新規参入者による市場への新規の参加が比較的容易であり、競争はより激しくなる傾向にあります。これらの市場の中には、テクノロジーの重要性が高く、テクノロジーの進歩が非常に速いものがあるため、当社グループが技術革新に対応できない場合や競合他社が技術革新に成功した場合、業界の動向が一変し、当社グループが大きく市場シェアを失う可能性や当社グループの将来の事業展開が著しく困難となる可能性があります。
これらの市場においては、ブランド・ロイヤリティ、法規制及び大きな資金力や既存の顧客基盤等により競争上の優位性を維持することが必ずしも容易ではありません。当社グループの競合他社の中には、グローバルに事業展開を行う巨大テクノロジー企業を中心に、テクノロジー、ビジネスモデル、資金力、価格競争力、グローバル又は特定の地域における認知度、既存ユーザー層の厚さ、クライアントとの関係、人材の確保、独自のサービス及び営業・マーケティング力それぞれの点において、現在当社グループより優位に立つ事業者も存在します。このような競合環境において当社グループが競争力を維持できない場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
更に、当社グループが、ユーザー及びクライアントのニーズ又は嗜好の変化等に対応できないこと、その提供するサービスの機能向上を図れないこと、当社グループの提供するサービスについて競合他社との十分な差別化を図れないこと、競合他社が当社グループより低い価格で同水準のサービスを提供すること、競合他社がユーザーの嗜好にあったサービスを導入すること及び競合他社間が合併・統合等により競争力を高めること等によっても、当社グループの競争力を維持できなくなる可能性があります。また、クライアントが自らユーザー基盤を確立し、当社グループのサービスを利用しなくなる可能性もあります。
当社グループは、特に日本では、メディア&ソリューション事業の多くの主要事業において既に高い市場シェアを獲得しているため、それらの領域において更なる成長を達成する難易度は高く、クライアントが当社グループに支払う広告宣伝費を維持又は増加できない場合や、当社グループが過去に取引実績がなかったクライアント等に対する新規開拓が進まなかった場合には、当社グループが持続的な成長を達成することは困難となる可能性があります。仮に当社グループが市場シェアを維持又は増加するために価格を下げ、又は新サービスを導入する場合には、当社グループの事業の収益性が低下する可能性があります。
(3) ユーザー・クライアントのニーズの変化に関するリスク
当社グループが競争力や市場シェアを維持するためには、ユーザー及びクライアントのニーズの変化に対応する必要があります。昨今、従来のマスメディアによる情報発信だけでなく、急速に普及したインターネット・SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等により、リアルタイムでの情報発信が行われていることや、技術革新により多様なサービスが比較的少額の投資で短期間にユーザーに普及し得ること、スマートスピーカー等の先端的なデバイスの普及によりユーザー・エクスペリエンスが大きく変わり得ること等により、ユーザーのニーズの移り変わりや、これを受けたクライアントのニーズの変化は非常に激しくなっています。また、HRテクノロジー事業やメディア&ソリューション事業においては、当社グループのオンラインプラットフォームへの広告出稿が売上収益の多くを占めますが、一部のサービスにおいてはクライアントのニーズに即するために出稿期間を短期に設定することも可能であるため、当社グループのサービスを継続的に使用しない可能性や、他のプラットフォーマーへの乗り換えが容易になる可能性があります。
当社グループがこのようなユーザー及びクライアントのニーズの変化を的確に把握できない場合や、ユーザー及びクライアントのニーズに対応する当社グループのサービスの適切なタイミングでの改良又は開発及びサービスの提供ができない場合並びにクライアントのニーズにより合致したサービスが他社により新たに開発された場合、ユーザー及びクライアントそれぞれのニーズと利害のバランスの取れたサービスを提供することができない場合には、ユーザー及びクライアントが当社グループのサービスから離れ、当社グループの市場シェアの縮小や売上収益の減少、又はそれに対応した値下げ等による利益率の低下、かかる利益率の低下に対応するためのビジネスモデルの改良又は開発が成功しないこと等により、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(4) 技術革新によるリスク
テクノロジー業界においては、技術革新のサイクルが極めて速く、競合他社が使用するテクノロジー、ユーザー及びクライアントのニーズに影響することから、当社グループが競争力を維持するためには、将来における技術革新を予測して、新たなテクノロジーへの投資と導入・事業化を継続的に行う必要があります。このような技術革新に関しては、以下のような様々なリスクが伴います。
・ 当社グループが技術革新や業界標準技術のトレンドを正確に予測することができず、結果として当社グループが採用又は開発した新技術等が、そもそも事業化できない、又は使用可能となってもその時点では陳腐化、競争力低下等が生じているリスク
・ 高度な専門性や斬新なアイデアを創出する技術者又はマネジメントを確保又は育成できない、又はかかる技術者の確保又は育成に多額の費用が発生するリスク
・ 技術革新に対応するために必要なシステム・技術インフラを維持又は更新できない、そのために多額の費用が発生する、又は適切なシステム・技術インフラの取捨選択に失敗するリスク
・ 5G等の新たな通信技術や端末や業界標準技術の多様化及び進化に対応した改良が適時に行えない、又は既存のシステム又は設備等の改良や新たな開発等により多額の費用が発生するリスク
・ 新技術を適用した商品又はサービスに、想定していないバグ、欠陥又は不備があるリスク
・ 新技術をいち早く導入した企業や、新技術をより効果的に利用する企業との間で新たな競争が生じるリスク
これらの各要因により、当社グループが追加の費用の支出を余儀なくされ、又は技術革新に対応することが困難となる場合、ユーザー及びクライアントが当社グループのサービスから離れ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(5) 事業戦略に関するリスク
当社グループは、急速に変化するインターネット事業環境等に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取り組むため、SBU(Strategic Business Unit)単位で事業価値の拡大に取り組んでいます。また2019年5月に発表した中期事業戦略において、これら全てのSBU事業で展開する人材マッチング市場において、グローバルリーダーとなることを目指しています(詳細は、上記「[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (3) 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題、経営戦略」をご参照ください。)。当該事業戦略は、広範で地理的にも多様な事業ポートフォリオの構築を通じた持続可能な成長を志向していますが、このためには既存事業の拡大に加え、戦略的な提携や買収の慎重な実施を含む新規事業への参入が必要です。しかし、変化が極めて速く不確実性の高い事業環境において、将来の業績や市場環境の正確な予測及びこれに基づく有効な戦略の策定は極めて困難であるため、当社グループの予測やそれに対応する各種の施策が有効であるとの保証はなく、また、以下に記載するリスク要因を含む様々なリスク要因が存在するため、当該中期事業戦略が当社グループの将来の業績の向上につながらない可能性や、将来において当該中期事業戦略の変更を余儀なくされる可能性があります。
①HRテクノロジー事業においては、買収等の成長投資により事業規模を拡大しつつ、Indeed及びGlassdoorを中心にオンライン広告市場での持続的な成長を企図しています。しかし、オフライン広告市場からオンライン広告市場への需要の転換が想定通りに進まない等、オンライン広告市場が想定通りに成長できない可能性や投資が期待通りの収益を達成しない可能性があります。また、当社グループによる新しいテクノロジーへの対応の遅れ、新たな法規制の導入、競争環境の激化等により、当社グループが事業機会を捉え収益化することができない可能性があります。
②メディア&ソリューション事業においては、既存の広告事業での持続的成長を目指すとともに、中小企業等のクライアントを対象としたSaaSによる業務・経営支援サービスを展開しています。しかし、当社グループが新規のユーザーやクライアントを獲得できない、又は競合他社よりも魅力的・革新的なサービスを提供できないことにより、当社グループが提供する業務・経営支援サービスがユーザーやクライアントに採用されない可能性や、業務・経営支援サービス事業において当社グループが期待する収益化ができない可能性があります。
③人材派遣事業においては、グローバルレベルで事業の収益性の向上を図ります。しかし、特に欧州における雇用環境の悪化や、当社グループが事業展開する主要な法域における法規制の強化等により、収益性が想定通りに向上しない又は悪化する可能性があります。
また、人材マッチング市場においては、市場における当社グループのプレゼンスの拡大を目指して投資を行います。現在、当社グループは、HRテクノロジー事業やメディア&ソリューション事業におけるオンライン求人広告市場での人材マッチング事業を展開していますが、今後は、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場並びに人材派遣市場においても、テクノロジーの活用により業務プロセスを自動化・効率化し、より費用対効果が高くより高い生産性をもたらすマッチングソリューションを提供することを目指しています。しかし、かかるソリューションの開発や導入ができない可能性や、当社グループのソリューションが市場に受け入れられない可能性、かかるソリューションの提供に必要な投資を回収できない可能性があります。
更に、新規事業の展開全般については、当社グループが新規に開始し又は拡大した事業に対するユーザー及びクライアントのニーズが想定を下回り又はその嗜好が変化した場合、新たな国又は事業への参入やそのための人材確保・育成に要する費用が想定よりも増加する場合、当該市場での競争が激化した場合、ユーザーに対する訴求力や取引クライアント数を増加させるための施策が不十分である場合等には、既存事業の拡大や新規事業の開発のための投資に見合った収益を得られない可能性があります。また、当社グループは、人材マッチング市場において、先端的なテクノロジーと大量のデータを用いて業務プロセスの効率性を高めるソリューションを提供していきますが、これにより当社グループが運営している人材紹介や人材派遣等の既存事業と、新規に開始又は拡大する事業が競合関係になる場合、当社グループの既存の事業の収益性が低下する可能性があります。逆に、当社グループが新規に開始し又は拡大した事業が当初期待していた効果をあげることができなかった場合や当該事業の成長余力が低いと判断した場合には、これらの事業の撤退や事業の縮小を行うことにより、費用又は損失が発生し、当社グループの業績又は財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、これらの事業についての撤退や縮小についての判断が遅れた場合には、損失の計上が長期化し、また、撤退等に要する費用や損失が増加する可能性があります。
(6) 買収・投資活動等に伴うリスク
当社グループでは、長期的な利益成長の実現に向け、海外での事業展開、新規ユーザーの獲得、新規サービスの展開、既存サービスの拡充、関連技術の獲得等を目的として、買収や出資、協業・提携を機動的かつ積極的に実行しており、今後も、将来の当社グループの業績や企業価値の向上に貢献すると判断した場合には、これらを実行していきます。
買収や出資における対象会社の選定においては、対象会社の事業計画とそのリスク等を予測して行いますが、これらの予測を誤る場合には、買収した企業が期待された収益やシナジーを生み出さず、当該買収等により生じた投資の回収に想定以上の期間を要する可能性や、投資の回収を図れない可能性があります。特にテクノロジー企業の買収や出資については、対象会社のテクノロジーが初期段階に留まることや技術革新が急速に発生し得ることから、かかる買収・出資においては、上記のリスクはより高まる可能性があります。また、適切な対象企業又は合弁パートナーを見つけることができないこと、受入可能な取引条件を交渉・合意できないこと、買収資金を調達できないこと、必要な同意や許可等を取得できないこと、法令上の問題を解決できないこと等の理由に基づき、買収、合弁事業その他の提携行為を行うこと自体ができない可能性があります。また、革新的なテクノロジーや人材の獲得等を目的に、社歴が浅く経営管理体制が不十分な企業を買収する場合や、利益を計上していない企業を買収する場合、十分なデューディリジェンスが実施できない場合には、想定していなかった又は想定していた金額以上の債務の存在やコンプライアンス上の問題点が買収後に判明する可能性があります。また、当社グループが対象企業の支配権を有しない案件においては、出資先の経営に対して十分なコントロール又はモニタリングができない可能性や、事業開始後に経営方針の相違等から期待した収益が得られない可能性があります。更に、買収や協業・提携の実施には、事業・テクノロジー等の統合や期待したシナジーの実現が困難となる可能性や多額の費用が発生する可能性、協業先・提携先に対して、当社グループの保有するノウハウやマネジメント・人材・取引先が流出する可能性、各国における法規制、労使関係、文化、言語等の違いや政治・経済情勢により買収等の実施又はその後の対象会社の経営が困難となる可能性、買収や投資のために借入が増加する可能性があります。また、将来的に各合弁パートナーとの間で何らかの理由により協業・提携関係に支障をきたすような事態が発生した場合、当該事業の業績に悪影響を与え、又は当該事業の継続が不可能になる可能性があります。当社グループのHRテクノロジー事業においては、革新的なテクノロジーや人材の獲得を目的に、比較的社歴の浅く利益を計上していない企業の買収・出資が増加することが見込まれますが、かかる買収・出資においては、上記の各リスクはより高まる可能性があります。
(7) グローバル展開に伴うリスク
当社グループは、米国、欧州、豪州及びアジア諸国等多くの国と地域で事業を展開しています。当社グループがこれらの多様な国と地域で事業を展開する上では、又は既に事業を展開していた国と地域以外にも新たに事業を展開していく上では、各国・地域の政治情勢、経済情勢、法規制、税制、当局による監督、商慣習及び文化の差異、ユーザー及びクライアントの嗜好、インターネット・モバイル機器の普及状況、労働問題、言語の差異、国際関係の悪化、訴訟の多発、外資規制、人材確保の困難性、海外における当社グループの知名度の相対的な低さ、多様な国・地域における事業のモニタリングの困難性等、事前に想定することの困難な様々な課題に対応する必要があり、これらの課題に適時適切に対応できない場合、各国・地域の事業展開において当社グループが期待する成果を上げられず、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(8) 人材確保・労務環境リスク
当社グループが、競争上の優位性の確保、事業環境の変化への対応又は持続的な成長を可能とするためには、マネジメント・技術・営業等の様々な分野において優秀な人材を確保しかつ育成する必要があります。近年、特にHRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業において、優秀なIT技術者の確保及び育成が重要となってきていますが、かかるIT技術者の確保又は育成ができない場合や優秀な人材を確保するため役職員の報酬・賃金水準が上昇する場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。また、マネジメントや技術者を含む重要な人材が競合他社等に流出した場合や、当社グループが想定するよりも多くの離職が生じ、新たな人材を確保できない場合には、当社グループの競争力や社会的信用が悪化し、業績に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループが人材の多様性等を確保した良好な職場環境を整備できない場合には、優秀な人材の採用や確保に悪影響を及ぼすことやイノベーションを阻害すること等により、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。更に、当社グループの人材派遣事業においては、当社グループが派遣する社員が安全かつ衛生的に働ける職場環境が派遣先において整備されていない場合、派遣社員の人権が侵害され、当社グループの業績やブランド及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。
(9) 個人情報・機密情報の取扱いによるリスク
当社グループは、その事業の運営に際し、ユーザー又はクライアントその他の関係者の個人情報及び機密情報を大量に保有しています。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」(以下、「個人情報保護法」という。)や欧州連合(EU)の「欧州連合一般データ保護規則」等、当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、管轄ごとに異なるものとなる可能性や、近年の個人情報及び機密情報の管理に対する意識の高まりから内容が複雑化しており、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。更に、これらの個人情報等の取扱いに関する法規制には、制定又は施行されてからの期間が短いため当局の解釈及び運用は必ずしも明確でないことがあり、かかる解釈や運用によっては、当社グループの従来の情報の取扱いと整合しない可能性があります。
一方で、当社グループの事業において個人情報や機密情報等を含むデータやそれを管理・運用するテクノロジーの重要性は高まる傾向にあり、当社グループのサービスにおけるデータの運用が意図せず法規制の違反やユーザー又はクライアントの不利益又は不信感を招き、当局から業務停止命令、罰金その他の処分を受ける可能性、ユーザー又はクライアントから訴訟を提起される可能性や当社グループのブランドの価値及び信用が毀損する可能性があります。
また、個人情報等の取扱いに関する法規制が今後より厳格となる場合又は当社グループが法規制の違反若しくは社会的な意識の高まりその他の理由に基づき個人情報や機密情報等の管理・運用に関する当社グループの方針の変更を余儀なくされる場合には、情報の利活用に対する制約が増すことにより、当社グループのサービスの品質が低下し、ユーザー又はクライアントが減少する可能性や、多種かつ大量の個人情報を用いて事業を展開する当社グループの優位性が失われ若しくは経営戦略の見直しを迫られる可能性があります。
更に、第三者によるセキュリティ侵害、ソフトウエアのバグ、ハッキング、従業員の故意又は過失等によって、当社グループが保有するユーザー又はクライアントその他の関係者の個人情報や機密情報の外部流出又は不正使用等が発生した場合、当社グループはユーザーやクライアント等に対する損害賠償責任を負うとともに、当局から業務の停止につながり得る行政処分等を受ける可能性がある等、当社グループの事業、業績及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。
これらに関連し、当社グループのメディア&ソリューション事業(人材領域)に属する子会社の㈱リクルートキャリアが「リクナビDMPフォロー」サービスの提供に関し、「リクナビ」の特定のユーザーについて、内定を含む各選考ステージでの辞退予測に係る分析結果のスコアを算定の上、クライアントに提供したことについて、2019年7月より、当該提供の目的、内容及び形態等についてユーザーに対する説明が不十分ではないかとの指摘を個人情報保護委員会及び東京労働局から受け、多くのユーザーから同意が得られていなかった事実や個人情報保護体制の不備、個人データの第三者提供の同意の取得方法が不適切であった可能性が判明し、これらの当局により、メディア&ソリューション事業のSBU統括会社である㈱リクルート及び㈱リクルートキャリアに対する検査・調査が開始されました。その後、2019年8月26日、個人情報保護委員会から、個人データの認定や法的取扱いの検討体制の不備(個人情報保護法第20条の違反)、個人データの第三者提供の同意を得るための事務手続き等の不備及び当該不備を予防、発見及び修正する管理体制の不全(同条の違反)並びに7,983名のユーザーから個人データの第三者提供の同意が得られていないまま、個人データのクライアントへの提供を行ったこと(同法第23条第1項の違反)が認定され、㈱リクルートキャリアに対し、同年9月30日までに、個人データを取り扱う際に、適正に個人の権利利益を保護するよう、組織体制を見直し、全社的に意識改革を行う等必要な措置を実施・報告すること、及び今後検討する新サービスにおいても、法に則り適正に個人データを取り扱うよう検討、設計及び運用を行うことの勧告を受け、更に、㈱リクルートキャリアのプライバシーポリシーの記載内容は「リクナビDMPフォロー」サービスにおける個人データの第三者提供に係る説明が明確であるとは認め難いとして、今後、個人データの第三者提供に関してユーザーに対して本人が同意に係る判断を行うために必要と考えられる合理的かつ適切な範囲の内容を明確に示すことの指導がなされました(なお、㈱リクルートキャリアは、同年8月4日に「リクナビDMPフォロー」サービスを廃止しました。)。また、同年9月6日、東京労働局長からも、同サービスの運営が「職業安定法」やその指針に違反していたことが認定・指摘され、㈱リクルートキャリアに対し、同社が行う「リクナビ」をはじめとする募集情報等提供事業及び職業紹介事業全てについて、同法・同指針が遵守されていることを確認するとともに、必要な是正及び再発防止策を講ずること等の措置を速やかに実施の上、その状況を同年9月20日までに東京労働局長に報告することの指導がなされました。その後も、㈱リクルートと㈱リクルートキャリアは同年12月4日に個人情報保護委員会より、12月11日に東京労働局長より上記事案に関する追加的な勧告・指導を受けました。
かかる事案の判明、当局の調査・処分等、及びこれらに対する当社グループの対応により、当社グループに対する信用が毀損される場合や、当社グループの提供する全部又は一部のサービスに対するユーザーやクライアントからの需要が減少する場合、また、当社グループが今後上記勧告及び指導に加え、当局から業務の停止につながり得る行政処分等を課される場合、当社グループが上記勧告及び指導等への対応や再発防止策のための追加的な費用等を要する場合、ユーザーから当社グループに対し本件に関連した損害賠償請求訴訟が多数提起される場合、その他、本件に関連し予期せぬ事象や状況が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報システムに関するリスク
当社グループでは、システムトラブルの発生可能性を低減するためのシステムやセキュリティの強化等の対策を行っていますが、その事業の運営において情報ネットワーク及びコンピュータシステムを多岐にわたり使用しているため、災害・事故等による通信ネットワークの障害、ハードウエアやソフトウエアの欠陥や事故によるシステム障害、過失や妨害行為、コンピュータウィルスや第三者による不正アクセス等のサイバーアタックが生じた場合、システムや通信ネットワークが使用できなくなることや、当社グループが保存する当社のユーザー又はクライアントの個人情報及び機密情報が喪失又は流出することにより、当社グループの業績及び事業運営及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループのメディア&ソリューション事業においては、企業や店舗で必要な会計・決済等の機能に関するクライアントの経営・業務効率を改善するサービスとして、「Air BusinessTools」(注) 等のSaaSソリューションを提供していますが、これらのシステム障害等やサービスの中断等が発生した場合には、当社グループがこれによりクライアント又はユーザーに対する損害賠償責任や補償金の支払い等を負担する可能性があることに加え、当社グループが提供するサービスへの信頼喪失を招き、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、システムのメンテナンス等の一部を第三者に委託しているため、システムの不具合等について当社グループ自身で対処できない可能性があります。更に、情報インフラの構築、運用、拡張に係るシステム投資や維持費用が将来大幅に増加する可能性もあります。
(注)「Airシリーズ」から名称変更
(11) 当社グループが提供するアプリケーションの欠陥等によるリスク
当社グループは、様々なサービスをアプリケーション等のソフトウエア及びデバイスを通じてユーザーに提供しています。これらの開発過程において検証やテストを実施し、動作確認には万全を期していますが、サービス提供開始後に、ソフトウエアやデバイスに重大なバグや欠陥が発生し、当社グループのサービスの一部又は全部を正常に提供することができない可能性、ユーザーやクライアントのデータの消滅や書換えその他かかるデータを適切に保護できない可能性、第三者によるデータの不正入手、取引停止等が発生する可能性があります。当社グループの提供する一部のサービスにおいては、オンライン上でのユーザー獲得、オンライン予約管理、POSレジ、決済等のクライアントが事業を運営する上での主要な機能全般をカバーするため、アプリケーションの欠陥等が発生した場合、クライアントに重大な損害が生じる可能性や、当社グループのユーザー又はクライアントの機密情報や個人情報が喪失又は流出する可能性があります。今後当社グループは、メディア&ソリューション事業において、中小企業を含むクライアントの事業運営の効率化と生産性の向上を企図する包括的なソリューションである「Air BusinessTools」等のSaaS事業を拡大する方針であるため、かかるリスクはより高まることが見込まれます。これらの影響により、当社グループに対する訴訟や損害賠償請求が提起され、又は行政処分が課される等、当社グループの事業、業績及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(12) 法規制に関するリスク
当社グループは、自らが事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。個人情報保護、データ保護、電気通信、消費者保護、労働、人権、反贈収賄、税法、独占禁止法等、当社グループに適用される法令等に違反した場合、当社グループの事業運営、業績及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、一定の事業を行う上では各国・地域の許認可等を取得するとともに、当局の監視を受けることがありますが、当社グループがかかる許認可等を失い又は当局から業務停止命令、罰金、その他の処分を受ける場合には、対象事業を営むことができなくなる可能性があります。更に、将来当社グループに適用される法令等の新設又は改正、司法・行政解釈等の変更がある場合、複雑化する法規制への対応の遅れや、それにより当社グループが事業機会を逸する可能性や、当社グループの事業運営や業績、社会的信用に悪影響を与える可能性があります。また、近時、企業と人権問題に関する活発な議論がなされていますが、当社グループが人権に関する法令に関して適切に対応できない場合、当社グループのブランドに悪影響を与える可能性があります。
当社グループの事業に適用される法令等には、主として以下のものがあります。
① HRテクノロジー事業
当社グループのHRテクノロジー事業は、米国の「Communications Decency Act」、「California Consumer Privacy Act」(2020年から施行)、「Telephone Consumer Protection Act」、「Wiretap Act」、「Stored Communications Act」、「Fair Credit Reporting Act」、EUの「欧州連合一般データ保護規則」、日本の「個人情報の保護に関する法律」や「職業安定法」等の適用を受けています。これらの法令が改正された場合や法令に関する行政解釈又は司法解釈が変更された場合、また、かかる変更を受けて実務の運用が変更された場合、HRテクノロジー事業の事業内容に制約が生じ、又は当該法令の改正への対応に時間やリソースを要する結果、当社グループの事業運営や業績に悪影響を与える可能性があります。
また、現在、当社グループのHRテクノロジー事業に適用のある法令以外にも、テクノロジー分野における法令の整備は十分に進んでおらず、欧州や米国においてはテクノロジー分野に関する規制を強化する動きもあり、将来、HRテクノロジー事業に適用される法令が新たに制定され、規制が強化される可能性もあります。例えば、ユーザーの行動履歴情報を収集・分析し、広告に反映することを規制する法規制が新たに制定された場合、HRテクノロジー事業を従来通りに遂行することができなくなり、当社グループのHRテクノロジー事業の事業運営や業績に悪影響を与える可能性があります。
② メディア&ソリューション事業
当社グループのメディア&ソリューション事業においては、ユーザー及びクライアントの情報を取り扱っており、「個人情報の保護に関する法律」等の各国の個人情報保護法制の適用を受けます。
また、販促領域においては、企業や店舗で必要な会計・決済等の機能に関するクライアントの経営・業務効率を改善するサービスとして、「Air BusinessTools」を提供していますが、当該サービスについては、「割賦販売法」の適用を受けています。
人材領域における日本での人材紹介事業は、「職業安定法」に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業です。当該事業についても、一定の要件を満たさない場合には許可の取消し、業務停止命令又は業務改善命令の対象となる可能性があり、また、関係諸法令の改正により、当社グループが受領する手数料に変更が生じる場合があります。また、クライアントの新卒採用活動は、日本経済団体連合会が定める新規雇用に係る指針等の影響を受けるため、当該指針の内容によっては、当社グループの事業運営や業績に悪影響を与える可能性があります。
③ 人材派遣事業
当社グループの人材派遣事業における国内派遣領域については、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づき、労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っています。
また、人材派遣事業の海外派遣領域は、事業展開する各国・地域の規制に従い業務を遂行しています。一例として米国では、派遣事業に関する連邦法の他、州法により規制が行われています。
日本及び海外における人材派遣事業において、当社グループによる法令違反等が発生した場合又は派遣事業者の欠格事由に該当する場合には、許可の取消し、業務停止命令又は業務改善命令等の対象となる可能性があります。
また、日本における労働関連法令の改正により、コンプライアンスに係る多額の費用が発生するとともに、規制違反のリスクが高まる可能性があります。特に、2020年からの「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の改正による「同一労働同一賃金の原則」の施行により、人材派遣事業に係る費用が増加する可能性や人材派遣へのニーズが減少する可能性があります。
(13) 訴訟等によるリスク
当社グループは、その事業活動の遂行過程において、ユーザー、クライアント及び競合他社その他の関係者から、当社グループが提供するサービスの不備、派遣社員も含む労働者の労務管理、個人情報及び機密情報の漏洩若しくは知的財産の侵害又は当社グループのプラットフォームにおけるユーザーの不適切な投稿やクライアントによる違法出品若しくは虚偽誇大広告等に関する訴訟その他の法的手続を提起され、また当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続に関連して多額の費用を支出し、また、事業活動に支障をきたすおそれがあります。かかる法的手続は長期かつ多額となることがあり、また結果の予測が困難となる場合があり、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。
(14) 当社グループのブランド・社会的信用に関するリスク
当社グループの事業活動において、当社グループのブランドは重要な影響力を有していると認識しています。当社グループの提供サービスに不備がある場合、当社グループの情報セキュリティに問題が生じた場合、当社グループのブランドの価値の維持及び強化のための投資が十分でない場合、競合他社がより競争力のあるブランドを確立した場合に加え、当社グループに不利なメディア報道があった場合、更にはインターネットやSNSで根拠の乏しい風説が流布された場合等に、当該内容が真実か否かにかかわらず、当社グループのブランドの価値が毀損される可能性があります。更に、当社グループの従業員による不正行為、当社グループの雇用環境に関する従業員又は派遣社員からのクレーム、当社グループへの訴訟の提起等によっても、当社グループのブランドの価値が毀損されることがあります。更に、当社グループの事業においてテクノロジーやデータの重要性は高まる傾向にあり、当社グループのサービスにおいて使用されるAI等のアルゴリズムや、当社グループ又は他社によるデータの運用が予期せぬ結果を招き、当社グループのブランドの価値が毀損される可能性があります。
また、当社グループ自身による行為だけでなく、当社グループのユーザー及びクライアントによって、特に当社グループの提供するオンラインプラットフォームにおいて、不適切な投稿、求人を装ったフィッシング詐欺等、第三者の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等を侵害する行為及び詐欺その他の法令違反行為が行われた場合、当該行為者だけでなく、当社グループもサービスの提供者として責任を問われ、当社グループに対して損害賠償請求訴訟が提起され、又は当社グループのブランドの価値が著しく毀損される可能性があります。更に、第三者が無断で当社グループのサービスと同一又は類似の名称を使用してサービスを行った場合にも、当社グループのブランドの価値が毀損される可能性があります。このようにして当社グループのブランドの価値が毀損された場合、ユーザーやクライアントによる当社グループのサービスの利用が減少すること等によって、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(15) 外部事業者への依存に関するリスク
当社グループのHRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業における一部のサービスでは、主にインターネット上でのユーザー獲得において、グローバルに事業展開する巨大企業が提供する検索エンジンサービスを活用しており、今後、当該検索エンジン運営者における検索に係るアルゴリズムの変更又は競合他社の動向等によって、検索結果の表示が当社グループにとって有利に働かない状況が生じる可能性があります。このような場合には、当社グループが運営するインターネットサイトにおけるユーザー獲得の効率が低下し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは、当社グループのサービスを提供するためのアプリケーションを、グローバルに事業展開する大手テクノロジー企業やプラットフォーム運営事業者を通じてユーザーに提供しており、更に、当社グループの一部のサービスについては、当社グループの企業クライアントへの営業活動等に関し、外部の販売代理店を利用しており、また、当社グループのオペレーションにおいては、外部事業者の提供するデータセンターやデータサーバー、クレジットカード会社等の決済処理サービスを利用しています。しかし、これらの外部事業者において、サービス提供を中断・中止する場合やネットワークの質が低下する場合、これらの外部事業者との関係が終了又は悪化する場合、これらの外部事業者によるユーザーやクライアントに関するデータの保護が十分でない場合、使用料・手数料の値上げその他当社グループに追加的な費用が発生する場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼし、営業力が減退する等、当社グループの事業の縮小又は中断、ユーザーやクライアントの喪失又は減少、競合他社へのノウハウの流出、新たな競合他社の参入等につながる可能性があります。
更に、当社グループが事業の一部を委託する外部事業者等に対するモニタリングが不十分であることにより、外部事業者における労務問題その他の法令違反等に対して適時適切に対応できなかった場合には、当社グループの社会的信用を毀損し、又はクライアントとの関係を悪化させ業績に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループの提供するオンライン上のサービスについては、インターネットサービスプロバイダーや通信事業者等の外部事業者に依存しています。これらの事業者が、ネットワークインフラやクッキー等の利用を制限する措置を講じる場合や、当社グループの事業が展開されている法域で政府がインターネットへのアクセスを制限する場合には、当社グループのユーザー及びクライアントが減少し、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。
(16) 広告・マーケティング活動に関するリスク
当社グループは、成長戦略の一環として、新規又は既存のサービスの認知度の維持・向上や、ユーザー及びクライアントの拡大を目的として、広告・マーケティング活動を積極的に行っています。特にインターネットユーザーの多くは、検索サイトやスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末等)におけるアプリケーション等を利用して必要な情報を入手しているため、特に当社グループのHRテクノロジー事業やメディア&ソリューション事業においては、各サービスのユーザー獲得効率は、検索エンジンの表示結果やスマートデバイスのアプリケーションの利用状況等に大きく影響されます。人材派遣事業においても、特に労働者が不足している市場では、派遣労働者の登録者数増加のための広告活動の成否が重要です。
また、当社グループにとってより有利な検索結果を表示させるために検索エンジン運営者に手数料を支払うこととなる可能性や、テレビ・オンラインでの広告宣伝費等、当社グループがユーザーやクライアントとの接点を多く確保するために要する費用が将来更に増加する可能性、かかる広告宣伝費の増加が当社グループの事業拡大に有効に機能しない可能性もあります。
(17) 自然災害及び有事に関するリスク
地震、台風及び津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の伝染及びテロ攻撃等が発生した場合、当社グループの事業運営及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。特に、これらの自然災害又は有事等により、当社グループのITシステムに障害等が生じた場合や、データサーバーが機能不全に陥る場合、インターネット関連サービスの提供が困難となり、当社グループのユーザー及びクライアントの満足度が低下し、当社グループの業績、事業運営及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。これらの影響が広範囲にわたる場合には、復旧に相当の時間及び費用を要する可能性があり、また障害が発生した期間やその後において正常なサービスの提供に支障が生じる可能性があります。また、大規模な自然災害等が発生した場合、当社グループのクライアントの事業の中断等並びにユーザーのライフイベント活動及び日常消費活動の萎縮等の二次的影響が生じ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(18) 資産の減損等に関するリスク
当社グループは、買収に伴い発生するのれんや無形資産を含む資産を連結財政状態計算書に計上していますが、事業環境や競合状況の変化、法規制の変更、資産の処分等により期待する成果が得られないと判断される場合には、当該のれんや無形資産等の資産について減損損失を計上する可能性があります。
当社グループが買収した又は今後買収する子会社の中には、スタートアップ等事業の収益化が実現していない段階にあり、成長投資の成果が発現し投資に見合うキャッシュ・フローが生じるまでには一定期間を要するものも含まれるため、当該買収に伴い発生するのれんや無形資産等について、当社の連結損益計算書において減損損失が計上される可能性があります。同様に、当社グループが主として投資目的から非支配株主として保有する関連会社株式についても、当該関連会社の業績によっては、当社の連結損益計算書において減損損失が計上される可能性があります。
また、当社グループは、長期的・持続的に成長するために、業務提携等、事業戦略上取引関係等の維持・強化の必要性があると考えられる上場会社を含む相手企業の株式を政策保有株式として保有しています。当社グループは、原則として保有する全ての株式を公正価値で評価しており、当該株式の公正価値が著しく下落した場合、当社グループの財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(19) 税務に関するリスク
当社グループは、日本をはじめ、事業を展開している各法域において、法人税をはじめとした各種の税制の対象となっています。当社グループの連結ベースでの課税額や実効税率は、これらの法域でその年度に適用される税制、繰延税金資産や負債の評価方法、課税所得の額とその関連法域毎の配分状況等の影響を受けます。また、これらの法域での政治経済状況等により税制関連法令の改正や解釈変更が実施された場合に、課税額や実効税率が上昇し、また各国における税制の相違により当社グループが求められる対応が複雑となり、これに対応するためのコストが増加する等、当社グループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶリスクがあります。また、当社グループは、グローバルに事業を展開しており、適用される各国の移転価格税制等の国際税務リスクについて細心の注意を払っていますが、税務当局との見解の相違により、結果として追加課税が発生する可能性があります。
当社グループが提供するオンラインサービスについては、各国・地域においてデジタル課税等の新たな税制が導入される可能性もあり、かかる新たな税制の内容によっては、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループは、定期・不定期に関連税務当局による税務調査の対象となっており、それらの時期や結果の予測は困難です。
これらの税務上のリスクが発現した場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。
(20) 為替変動リスク
当社グループの海外事業の取引は、主に米ドル、ユーロ及び豪ドル等の外貨建てで行われており、近年は外貨建ての取引が占める割合が増加しています。当社グループの連結財務諸表及び四半期連結財務諸表では、海外子会社の現地通貨建ての資産及び負債を各四半期末日の直物為替レートにより、収益及び費用は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートにより日本円に換算しています。
これらの要因により、当社グループの連結財務諸表及び四半期連結財務諸表は、為替レートの変動による影響にさらされており、為替レートの変動は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループでは為替変動リスクを軽減するため、通貨スワップや為替予約等のデリバティブ契約を締結することがありますが、為替リスクを完全に回避できる保証はなく、為替変動によっては当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
更に、為替変動により当社グループが事業を営む国・地域におけるマクロ経済環境が悪化する場合や、当社グループによる海外事業の買収・提携等に係るコストが増加する場合等には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(21) 資金調達リスク
当社グループの事業資金及び投資資金の一部は、金融機関からの借入や社債の発行等により調達しています。このため、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下や格付けの引き下げ、業績及び事業環境の悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない可能性があります。また、金融機関からの借入や社債等には各種コベナンツが規定されている場合もあり、当社グループの業績、財政状態又は信用力の悪化等の要因でいずれかのコベナンツへの抵触が不可避な場合には、これらの条項に基づき残存する債務の一括返済を求められる可能性や、金利及び手数料率の引上げや新たな担保権の設定を求められる可能性があります。
これらの要因により、当社グループが今後資金調達を望ましい条件で実行できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。
(22) 経営指標、財務方針等に関するリスク
当社グループは、目標とする経営指標の見込みや財務方針等を掲げています。
かかる経営指標の見込みや財務方針等は、経済状況の変化、経営環境、クライアントのニーズの変化、ユーザーの嗜好の変化、他社との競合、技術革新の動向、法規制の変更及び為替変動等に係る多くの前提に基づいて作成されています。また、変化が極めて速く不確実性の高い事業環境において、将来の業績や市場環境の正確な予測及びこれに基づく有効な戦略の策定は極めて困難であるため、当社グループの予測やそれに対応する各種の施策が有効であるとの保証はなく、当社グループがこれらの経営指標の見込みや財務方針等を達成できない可能性があります。
(23) 株価変動に関するリスク
当社の株価は、過去において急激に変動したことがあり、今後も、本「事業等のリスク」に記載の各リスクの発現をはじめとして、当社グループの業績、業績予想、配当等の株主還元策に関連する変化、更には外部メディアによる報道、当社株式の需給関係に相応の影響を与え得る当社株式の売却若しくはその懸念、外部アナリストによる評価の発表や変更、当社グループが属する各業界の環境、経済・金融・政治環境の変化等による株式市場の広範な価格下落、株価指数への当社株式の追加や除外、テクノロジー業界における株価動向や、当社グループ及び競合他社による新サービス・技術革新・買収・提携、資金調達等に関する公表等、当社グループが予想・制御できないものも含んだ様々な要因によって、株価が急激に変動する可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当第3四半期の末日現在において当社グループが判断したものです。
経営成績等の分析
ⅰ 連結経営成績の概況
(当第3四半期及び当第3四半期累計)
(単位:十億円)
(注1)「全社/消去」調整後の数値を記載しているため、各セグメントの金額合計と一致していません。
(注2)調整後EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)±その他の営業収益・費用
(注3)当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」という。)を適用しており、これに伴い経営指標をEBITDA(注4)からIFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。なお、IFRS第16号の適用に当たっては、適用による累計的影響を適用開始日に認識する方法を採用しており、2019年3月期の調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン欄には、従来のEBITDA及びEBITDAマージンの数値を記載しています。
(注4)EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費±その他の営業収益・費用
(注5)調整後EBITDAマージン:調整後EBITDA/売上収益
(注6)調整後EPS:調整後当期利益(注7)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)
(注7)調整後当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注8)(非支配持分帰属分を除く)
±調整項目の一部に係る税金相当額
(注8)調整項目:企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益
(注9)四半期においては、「当期」を「四半期」、「期末」を「四半期末」に読み替えて計算
(注10)当第3四半期累計については、外貨売上収益×(当期採用平均為替レート-前期採用平均為替レート)
(注11)HRテクノロジー事業については、月次の平均為替レートを適用
(注12)当第3四半期については、当第3四半期累計と第2四半期累計の為替影響額の差額
(連結経営成績の概況)
当第3四半期における売上収益は6,085億円(前年同期比3.6%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業が増収となり、特にHRテクノロジー事業の成長が寄与したことによるものです。なお、当第3四半期売上収益に対する為替影響額は155億円のマイナス寄与となり、その影響を控除した売上収益は前年同期比6.3%増となりました。この結果、当第3四半期累計の売上収益は1兆8,097億円(前年同期累計比4.6%増)となり、為替影響額を控除した当第3四半期累計の売上収益は前年同期累計比6.9%増となりました。
当第3四半期における営業利益は696億円(前年同期比6.1%増)となり、当第3四半期累計の営業利益は2,122億円(前年同期累計比10.5%増)となりました。
当第3四半期における税引前四半期利益は718億円(前年同期比0.9%減)となりました。これは主に持分法適用会社である51job, Inc.において同社が発行した転換社債が2020年3月期第1四半期に権利行使されたため、前年同期において持分法による投資損益に計上されていた当該転換社債に係る利益が、当第3四半期に発生しなかったことによるものです。当第3四半期累計の税引前四半期利益は2,297億円(前年同期累計比14.0%増)となりました。
当第3四半期における四半期利益は527億円(前年同期比1.9%減)、当第3四半期累計は1,676億円(前年同期累計比14.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は523億円(前年同期比1.9%減)、当第3四半期累計は1,665億円(前年同期累計比14.0%増)となりました。
当第3四半期における調整後EBITDA(注1)は921億円(前年同期比8.5%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業が増益となったことによるものです。この結果、当第3四半期累計の調整後EBITDAは2,698億円(前年同期累計比12.4%増)となりました。
当第3四半期における調整後EPSは35.69円(前年同期比12.3%増)、当第3四半期累計は103.65円(前年同期累計比14.6%増)、配当算定基準とする当第3四半期利益(注2)は537億円(前年同期比9.0%増)、当第3四半期累計は1,595億円(前年同期累計比15.4%増)となりました。
(注1)当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号を適用し、会計方針を変更しています。IFRS第16号の適用により、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識します。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。結果として、IFRS第16号の適用に伴い、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加し、EBITDAは増加します。そのため当社では、これまでの経営指標との比較可能性を考慮して、2020年3月期第1四半期より経営指標をEBITDAから、IFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。
(注2)親会社の所有者に帰属する四半期利益±非経常的な損益等
(当第3四半期における経営施策)
・自己株式取得の終了
当社は、2019年8月28日開催の取締役会において、当社のキャピタル・アロケーションの方針に則り、今後の投資余力、市場環境及び財務状況の見通し等を勘案し、自己株式取得の実施を決議後、2019年11月29日に取得を終了しました。本自己株式取得の実施に際しては、同日に決議した当社普通株式の売出しに伴う株式需給への影響を勘案するとともに、株主還元の向上を図る目的を実現するものと考えています。2019年11月29日時点の累計取得自己株式数は22,259,600株、累計取得価額は79,999,688,129円でした。
本件の詳細については以下をご参照ください。
:2019年12月2日付「自己株式の取得結果及び取得終了に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」
https://recruit-holdings.co.jp/ir/ir_news/20191202_01.html
ⅱ セグメント業績の概況
① HRテクノロジー事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、「Indeed」及び「Glassdoor」と、それらに関連する事業で構成されています。Indeed及びGlassdoorは共に、求人情報の検索をはじめ、履歴書の開示、企業情報やそのレビュー等、求職活動を支援する一連の機能を提供しています。企業クライアントに対しては、IndeedとGlassdoorはそれぞれ、求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を通して採用活動を支援します。Indeedは、クリック型や成功報酬型課金の求人広告及び、「Indeed」にオンライン登録された多数の履歴書を含む採用候補者の募集と適性を審査する機能等、多岐に亘る採用ソリューションを通して効率的な採用活動を支援します。
当第3四半期における売上収益は1,095億円(前年同期比28.6%増)となり、米ドルベース売上(注1)の前年同期比は、33.5%増となりました。売上収益の増加は主に、米国と日本の堅調な経済環境及び逼迫した労働市場を背景に、有料求人広告利用が増加したことによるものです。また、IndeedとGlassdoorにおいて、採用候補者の適性審査機能や企業ブランディング等の採用ソリューション事業(注2)へ注力したことが寄与しています。当第3四半期累計の売上収益は3,185億円(前年同期累計比34.5%増)となりました。
当第3四半期のセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は191億円(前年同期比45.9%増)となりました。これは主に、売上収益の成長によるものです。当第3四半期のセグメント利益マージンは17.5%となり、前第3四半期の15.4%から増加しました。これは主に、新規の個人ユーザー及び企業クライアントの獲得に向けた営業体制の拡充及びマーケティング活動への投資を継続する一方で、これらの費用の増加率が売上収益の増加スピードより低かったことによるものです。また、売上成長を促進するため、個人ユーザーと企業クライアント双方へのサービス拡充を図るプロダクトの強化等に引き続き重点的に投資を行っており、このような投資のタイミングが四半期のセグメント利益額の増減に影響します。当第3四半期累計セグメント調整後EBITDAは628億円(前年同期累計比70.5%増)、セグメント調整後EBITDAマージンは19.7%となりました。
当第3四半期における、IndeedとGlassdoorの月間ユニークビジター数は、それぞれ約2億5,000万人、約6,000万人(注3)です。当第3四半期末の従業員数はそれぞれ約9,800人、約1,000人です。
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
(注1)当報告セグメントの現地決算数値であり、当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります
(注2)IndeedとGlassdoorが提供する機能は各国によって異なります
(注3)出所:当第3四半期におけるGoogle Analytics serviceに基づく社内データ
(注4)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
② メディア&ソリューション事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、販促領域及び人材領域の2つの事業領域で構成されています。
販促領域は各分野で当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアへの広告を通して企業クライアントの集客を支援しています。代表的なオンラインプラットフォームとして、住宅の売買や賃貸等に関する「SUUMO」、結婚に関する「ゼクシィ」、主に国内旅行に関する「じゃらん」、飲食店情報に関する「HotPepperグルメ」、ヘアサロン等美容サロンに関する「HotPepper Beauty」等があります。更に、「Air BusinessTools」(注)等を中心にSaaS(Software as a Service)事業を展開し、クラウドを活用して主に中小企業クライアントの予約・顧客・販売管理、決済、従業員管理、その他の事業運営等をサポートしています。また、販促領域は各分野で当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアからの情報を通して、個人ユーザーに日常生活におけるより多くの選択肢を提供しています。
近年では、「Air BusinessTools」の展開により、SaaS事業の拡大を進めています。当事業セグメントは、従来より、例えば美容分野において、広告サービスと予約・顧客管理を一体化したSaaS機能「SALON BOARD」を展開すること等により、中小企業等の生産性及び効率性促進のための包括的なツールを提供していますが、今後更に加速させていきます。
人材領域は当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアを通じて、企業クライアントの採用活動及び個人ユーザーの求職活動を支援するサービスを提供しています。具体的には、「リクナビ」、「リクナビNEXT」、「タウンワーク」等、様々な雇用形態に合わせた求人広告サイトや「リクルートエージェント」等の人材紹介事業を中心とした事業を運営しています。
当第3四半期における売上収益は1,848億円(前年同期比3.7%増)となりました。これは主に、販促領域の住宅分野、旅行分野及び美容分野が増収になったことによるものです。人材領域の国内人材募集分野においては、国内の労働市場逼迫が継続しているものの、経営環境が厳しさを増している製造業等の一部業界では採用に慎重な姿勢を見せる企業クライアントもおり、減収となりました。当第3四半期累計の売上収益は5,630億円(前年同期累計比6.7%増)となりました。
当第3四半期におけるセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は505億円(前年同期比3.8%増)となりました。これは販促領域の売上収益増加によるものです。セグメント利益マージンは27.4%となりました。この結果、当第3四半期累計のセグメント利益は1,486億円(前年同期累計比6.1%増)、セグメント利益マージンは26.4%となりました。
(注)「Airシリーズ」から名称変更
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
(注1)前第2四半期及び第1四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の前年同期比は3.8%減、前年同期累計比は2.6%増(注2)
(注2)前年実績から、譲渡した子会社の前年実績の数値を除いて算出
(注3)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
(注4)当第3四半期及び当第3四半期累計における販促及び人材領域に含まれる子会社の一部のセグメント利益はIFRS第16号の適用影響を調整しておらず、当該調整金額は全社/消去に含めていますが、その影響は軽微です。
(注1)キャンセル前予約受付ベース、各連結会計年度期首からの累計数値
(注2)「スタディサプリ」の小学生、中学生及び高校生向け講座並びに「スタディサプリEnglish」の有料会員数の合算値
③ 人材派遣事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、複数の業界にて人材派遣事業やそれに係るサービスを提供しており、国内派遣及び海外派遣の2つの事業領域で構成されています。
国内、海外共にマーケット特性に応じて組織をユニット単位に区分し、権限移譲により、各ユニットがマーケットに最適な戦略を実行することによって、利益の最大化を目指すユニット経営を推進しています。
当第3四半期における売上収益は3,203億円(前年同期比3.3%減)となりました。国内派遣領域においては、人手不足が継続する環境を受けて売上収益が伸長しました。海外派遣領域においては、為替影響が売上収益に対して112億円のマイナス寄与となったことや、主に欧州における不透明な経済環境の影響により減収となりました。為替によるマイナス影響を控除した場合のセグメント売上収益は前年同期比で0.1%増となりました。当第3四半期累計売上収益は9,504億円(前年同期累計比3.6%減)となり、為替によるマイナス影響を控除した場合の売上収益は前年同期累計比0.4%減となりました。
当第3四半期におけるセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は241億円(前年同期比3.9%減)となりました。当第3四半期におけるセグメント利益マージンは7.5%となり、前第3四半期の7.6%から横這いとなりました。国内派遣領域においては、主に増収による増益となり、セグメント利益マージンは9.3%(前第3四半期は9.5%)となりました。海外派遣領域においては、減益となりましたが、セグメント利益マージンは6.0%(前第3四半期は6.1%)と前年同期比で横這いとなりました。これは主に、コスト管理の強化によるものです。
当第3四半期累計セグメント利益は650億円(前第3四半期累計比6.1%減)となり、当第3四半期累計利益マージンは6.8%(前第3四半期累計は7.0%)となりました。欧州を中心とする不透明な経済環境の中、海外派遣領域をはじめ当セグメントでは、引き続きユニット経営の強化による生産性改善を通してセグメント利益マージンの確保に注力します。
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
(注1)為替影響額を控除した際の海外派遣領域の当第3四半期売上収益は前年同期比2.8%減、前年同期累計比は3.2%減
(注2)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
ⅲ 資本の財源及び資金の流動性
(財務方針)
当社グループは、借入による資金調達を有効に活用しつつ、国内格付機関による格付を意識した財務の健全性を維持することを財務方針としています。更に、資本効率の目安として、投資案件については厳格な基準を設けるとともに、ROEで15%の水準を目安に設定しています。株主還元については、安定的かつ継続的な配当を行うことを基本として位置づけ、業績の動向と将来の成長投資に必要となる内部留保の充実や財務基盤の確立を総合的に勘案した利益還元を行うことを基本方針としています。連結配当性向は、親会社の所有者に帰属する当期利益から非経常的な損益等の影響を控除した上で30%程度を目安としています。なお、自己株式の取得については、市場環境及び財務状況の見通し等を踏まえ、実施の是非について検討します。
(資金使途)
運転資金、法人税の支払い、各事業セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得等に資金を充当しています。
(資金調達)
当社グループの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。外部資金調達のうち、原則として短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせ、中長期の運転資金については、金融機関からの借入、社債又はその組み合わせにより調達することとしています。なお、当社は、機動的な資金調達を可能とするため、2,000億円(当第3四半期末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
また、当社グループは、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、当第3四半期末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。
(格付)
当社グループは、格付機関である㈱格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)、ムーディーズ・ジャパン㈱(以下、「ムーディーズ」という。)及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下、「S&P」という。)から長期格付を取得しています。当第3四半期末における格付の状況は、以下のとおりです。
・R&I:AA-
・ムーディーズ:A3
・S&P:A
(キャッシュマネジメント)
当社グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、かつ経済合理性が認められることを前提として、主にキャッシュマネジメントシステムを通じたグループファイナンスにより、当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。
(資金運用)
当社グループの資金運用は、投機目的で行わず、元本が保証され、安全かつ確実で効率の高い金融商品のみで行うこととしています。
(連結財政状態の概況)
(単位:十億円)
① 資産
流動資産は前年度末比150億円(1.9%)減少しました。これは主に、営業債権及びその他の債権が167億円減少したことによるものです。
非流動資産は前年度末比2,556億円(27.2%)増加しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴い使用権資産が2,344億円増加したことによるものです。
② 負債
流動負債は前年度末比74億円(1.5%)減少しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴いリース負債が368億円増加した一方、営業債務及びその他の債務が84億円、未払法人所得税が159億円、その他の流動負債が197億円減少したことによるものです。
非流動負債は前年度末比2,196億円(78.7%)増加しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴いリース負債が2,140億円増加したことによるものです。
③ 資本
資本は前年度末比284億円(2.9%)増加しました。これは主に、自己株式の取得により資本が802億円減少した一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上したこと等により利益剰余金が1,186億円増加したことによるものです。
(連結キャッシュ・フローの概況)
(単位:十億円)
当第3四半期の現金及び現金同等物の残高は、投資活動及び財務活動による支出が営業活動による収入を上回ったため、前年度末比102億円減少し、3,926億円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益2,297億円から、加算項目の主なものとして、減価償却費及び償却費842億円、減算項目の主なものとして、法人所得税の支払額648億円を計上したことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
主に、無形資産の取得による支出375億円を計上したことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
主に、自己株式の取得による支出802億円及び配当金の支払額491億円を計上したことによるものです。
経営方針
ⅰ 会社の経営の基本方針
当社グループには、「私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。」との基本理念と、「Follow Your Heart」というビジョン(目指す世界観)、「まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。」というミッション(果たす役割)、「新しい価値の創造」・「個の尊重」・「社会への貢献」というバリューズ(大切にする価値観)があります。
ⅱ 目標とする経営指標
当社グループは、長期的な利益成長の実現に向け、M&Aをはじめとした成長に向けた各種投資を機動的かつ積極的に実行していきます。その上で、投資と利益成長の適切なバランス及び株式価値の向上を重視しており、主な重要経営指標を調整後EBITDA(注1)及び調整後EPS(注2)として、企業価値の最大化を図っていきます。当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号を適用し、会計方針を変更しています。IFRS第16号の適用により、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識します。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。結果として、IFRS第16号の適用に伴い、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加し、EBITDAは増加します。そのため当社では、これまでの経営指標との比較可能性を考慮して、2020年3月期第1四半期より経営指標をEBITDAから、IFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。
(注1)調整後EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)±その他の営業収益・費用
(注2)調整後EPS(調整後1株当たり当期利益):調整後当期利益(注3)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)
(注3)調整後当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注4)(非支配持分帰属分を除く)±調整項目の一部に係る税金相当額
(注4)調整項目:企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益
ⅲ 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題、経営戦略
当社グループでは、急速に変化するインターネット事業環境等に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取り組むことが重要と捉えています。このために当社グループは、「HRテクノロジー」、「メディア&ソリューション」及び「人材派遣」の3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下、「SBU」という。)単位で事業価値の拡大に取り組んでいます。3つのSBUごとに統括会社を設置する経営体制により、各事業が自律自転する組織体制を構築すると同時に、当社が持株会社としての機能の集中と強化を図り、適切なグループガバナンス体制やモニタリング体制等を整備することで、更なる企業価値の向上を実現します。
当社グループは、ユーザー(個人等)やクライアント(企業等)の不満や不便といった「不」の解消と向き合い、双方に対して最適なマッチングソリューションを提供しています。日々のマッチング業務を通じて蓄積された膨大なデータとテクノロジーを活用することで、マッチングの更なる効率性向上に注力し、ユーザーに対して最適な選択肢を提供し、中小企業を中心とするクライアントに対して更なる業務効率化を支援します。特に、2018年グローバル市場規模を1,500億米ドル以上(注1)と推定する人材マッチング市場において、長期的にテクノロジーを駆使してイノベーションを促進し、革新と創造を進めながら、グローバルリーダーとなることを目指します。オンライン求人広告及び採用ツール市場はグローバルで150億米ドル程度(注2)と推定しており、50億米ドルを超える規模のオフライン求人広告市場(注3)がオンライン求人広告市場に流入を続けながら成長すると考えています。当社グループは、同市場において、Indeed及びGlassdoorを中心とするHRテクノロジー事業を主軸として、オンライン求人広告及び採用ツール市場でのシェアの拡大と、オフライン求人広告市場からオンライン求人広告市場への移行を促進させることで、オンライン求人広告事業の持続的な成長を目指します。また、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場はグローバルで540億米ドル程度(注4)の市場規模であると推定しています。当社グループは、属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルが占有する同市場において、テクノロジーを活用した「Indeed Hire」を導入し、現状の業界水準対比で非常に効率的かつ費用対効果の高い形でサービスを提供することで、同市場での成長を目指します。更に、人材派遣市場は、グローバルで800億米ドル程度(注5)と推定しています。当社グループは、同市場において人材派遣事業を展開し安定的な収益を上げていますが、中長期的には、テクノロジーを活用して人材派遣事業の効率化につながるサービスを提供し、既存の事業の枠組みを超えた事業展開の可能性を模索していきます。
事業別の経営戦略は、以下のとおりです。
HRテクノロジー事業においては、オンライン求人情報専門検索を中心とする人材採用プラットフォーム「Indeed」とオンライン求人広告及び企業情報サイト「Glassdoor」の既存事業である求人広告領域において、グローバルでの更なる拡大を進めます。更に、採用プロセスの効率化に資する様々な新規事業の開発及びM&Aを行い、将来の成長を加速させていきます。
メディア&ソリューション事業においては、当社グループは、全国的に営業部門を有し、企業クライアントとの密接なコミュニケーションにより、特に中小企業等へのサービス提供において強固なポジションを築いており、今後は、既存事業の磨きこみに加え、中小企業等のバックオフィス機能に付加価値のあるSaaS機能を提供する事業機会があると考えています。各事業分野の市場におけるポジションと既存の企業クライアントをベースとし、当事業セグメントが提供するそれぞれのオンラインプラットフォームを「Air BusinessTools」(注)としてより一体化し、既存広告事業とのシナジー効果を高めることで、SaaS事業の成長を加速させたいと考えています。これらの取組みを通じ、当社グループの創業以来の取組みである、中小企業等の生産性向上に貢献していきます。
人材派遣事業においては、国内派遣領域では人手不足が継続する市場環境の下で、安定成長を目指します。海外派遣領域では、引き続き海外子会社に事業運営ノウハウを導入しながら、調整後EBITDAマージンの継続的な改善に取り組みます。
(注)「Airシリーズ」から名称変更
なお、当社ホームページにおいて、2019年8月26日付の「当社孫会社への個人情報保護委員会からの勧告等について」及び2019年9月6日付の「当社孫会社への東京労働局からの指導について」にてお知らせしましたとおり、当社の子会社であり、メディア&ソリューション事業の統括会社である㈱リクルートの子会社㈱リクルートキャリアが提供していた「リクナビDMPフォロー」サービス(2019年8月4日付で廃止)に関して、個人情報保護委員会より勧告と指導を、東京労働局より指導を受けました。その後、㈱リクルートと㈱リクルートキャリアは同年12月4日に個人情報保護委員会より、同年12月11日に東京労働局より上記事案に関する追加的な勧告・指導を受けました。当社グループとして一連の事態を真摯に受け止め、再発防止・ガバナンス強化に全力で取り組みます。
該当事項はありません。