第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループには、「私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。」との基本理念と、「Follow Your Heart」というビジョン(目指す世界観)、「まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。」というミッション(果たす役割)、「新しい価値の創造」・「個の尊重」・「社会への貢献」というバリューズ(大切にする価値観)があります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、長期的な利益成長の実現に向け、M&Aをはじめとした成長に向けた各種投資を機動的かつ積極的に実行していきます。その上で、投資と利益成長の適切なバランス及び株式価値の向上を重視しており、主な重要経営指標を調整後EBITDA(注1)及び調整後EPS(注2)として、企業価値の最大化を図っていきます。

 

当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号を適用し、会計方針を変更しています。IFRS第16号の適用により、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識します。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。結果として、IFRS第16号の適用に伴い、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加し、EBITDAは増加します。そのため当社では、これまでの経営指標との比較可能性を考慮して、2020年3月期より経営指標をEBITDAから、IFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。

 

(注1) 調整後EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)
±その他の営業収益・費用

(注2) 調整後EPS(調整後1株当たり当期利益):調整後当期利益(注3)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)

(注3) 調整後当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注4)(非支配持分帰属分を除く)±調整項目の一部に係る税金相当額

(注4) 調整項目:企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益

 

(3) 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題、経営戦略

当社グループでは、急速に変化するインターネット事業環境等に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取り組むことが重要と捉えています。

このために当社グループは、「HRテクノロジー」、「メディア&ソリューション」及び「人材派遣」の3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下、「SBU」という。)単位で事業価値の拡大に取り組んでいます。3つのSBUごとに統括会社を設置する経営体制により、各事業が自律自転する組織体制を構築すると同時に、当社が持株会社としての機能の集中と強化を図り、適切なグループガバナンス体制やモニタリング体制等を整備することで、更なる企業価値の向上を実現します。

 

当社グループは、ユーザー(個人等)やクライアント(企業等)の不満や不便といった「不」の解消と向き合い、双方に対して最適なマッチングソリューションを提供しています。テクノロジーを活用することで、マッチングの更なる効率性向上に注力し、ユーザーに対して最適な選択肢を提供し、中小企業を中心とするクライアントに対して更なる業務効率化を支援します。

特に、現在のグローバル市場規模を1,500億米ドル程度(注1)と推定する人材マッチング市場において、長期的にテクノロジーを駆使してイノベーションを促進し、革新と創造を進めながら、グローバルリーダーとなることを目指します。人材マッチング市場とは、当社グループが推定する求人広告及び採用ツール市場、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場、人材派遣市場の総称と定義しています。HRテクノロジー事業の主な展開領域であるオンライン求人広告市場はグローバルで150億米ドル程度(注2)と推定しており、50億米ドルを超える規模のオフライン求人広告市場(注3)がオンライン求人広告市場に流入を続けながら成長すると考えています。人材紹介やエグゼクティブサーチ市場はグローバルで500億米ドル程度(注4)の市場規模、人材派遣市場は、グローバルで4,450億米ドル程度(注4)の市場規模があると推定していますが、派遣社員への支払給与等を除いた派遣企業の売上総利益となる金額はその内の810億米ドル程度(注5)と推定しています。

 

(注1) 出典:SIA, www.staffingindustry.com

当社グループが推定する求人広告及び採用ツール市場、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場、人材派遣市場(売上総利益)の合計売上金額

(注2) 当社グループによる推定値。2018年におけるオンライン求人広告、企業ブランディング、採用ツールの合計売上金額

(注3) 当社グループによる推定値

(注4) 出典:SIA, Global Staffing Industry Market Estimates and Forecast: November 2018 Update

当社グループによる推定値。SIAの予想に基づき2018年の業界成長率6%を適用

(注5) 2018年 グローバル人材派遣上場企業 売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均18.3%を適用

 

事業別の経営戦略は、以下のとおりです。
 HRテクノロジー事業においては、オンライン求人情報検索専門サイト「Indeed」とオンライン求人広告及び企業情報サイト「Glassdoor」の既存事業である求人広告領域において、グローバルでの更なる拡大を進めます。更に、採用プロセスの効率化に資する様々な新規事業の開発及びM&Aを行い、将来の成長を加速させていきます。
 メディア&ソリューション事業においては、既存事業の磨き込みに加え、業務・経営支援を通じクライアントの業務負荷を軽減することで、既存及び新規クライアントとの接点を強化することによって更なる成長を目指します。

人材派遣事業においては、国内派遣領域では人手不足が継続する市場環境の下で、安定成長を目指します。海外派遣領域では、引き続き海外子会社に事業運営ノウハウを導入しながら、調整後EBITDAマージンの継続的な改善に取り組みます。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 景気の動向に関するリスク

当社グループの業績は、一般的に国内、米国、欧州及び豪州を中心とする海外の経済情勢に影響されます。景気が停滞する場合、企業が広告宣伝費を削減したり、求人需要が減少したりする他、ユーザーの消費が停滞する傾向があります。これらの要因により当社グループのサービスに対する需要が低迷する場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(2) 国内の人口推移に関するリスク

当社グループの事業の過半は国内において行われていますが、国内では総人口及び若年層が継続的に減少すると見込まれており、日本全体の市場及び当社グループが事業を展開する市場が縮小することが見込まれています。特に、当社グループの事業は若年層を主たるユーザーとしていますが、国内の総人口のなかでも特に若年層が減少することが見込まれることから、当社グループが事業を行う市場は、日本市場全体の縮小よりも早いペースで縮小することが予想されます。当社グループは、海外事業の更なる拡大、国内事業の市場シェア及び収益性の向上並びに高齢層をターゲットとした新規事業の展開によりこれらの影響を緩和する方針ですが、それが功を奏さなかった場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(3) 競合に関するリスク

当社グループが事業を展開する市場では、各分野において多数の競合他社が存在し、かつその数は近年増加する傾向にあります。これらの市場の多くは、ブランド・ロイヤリティ、法規制及び多額の設備投資等により競争上の優位性を維持し又は市場への新規の参加を排除することが難しいという特徴があります。また、国内及び海外における当社グループの競合他社の中には、資金力、価格競争力、特定の地域における認知度、企業等のクライアントとの関係、人材の確保、技術、独自のサービス及び営業・マーケティング力それぞれの点において、当社グループより優位に立つ者も存在します。更に、当社グループが技術革新、クライアント及びユーザーのニーズ又は嗜好の変化等に対応できないこと、競合他社間の合併・統合等により、当社グループの競争力を維持できない場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

当社グループは、HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業及び人材派遣事業のいくつかの領域において、既に高い市場シェアを獲得しているため、それらの領域において更なる成長を達成する難易度は高く、クライアントが当社グループに支払う広告宣伝費を維持又は増加できない場合や、当社グループが過去に取引実績がなかったクライアント等に対する新規開拓が進まなかった場合には、当社グループが持続的な成長を達成することは困難となります。また、競合他社が当社グループより低い価格で同水準のサービスを提供したり、競合他社グループが複数のサービスで利用できるポイント制やユーザーに対するボーナス制度等のユーザーの嗜好にあったサービスを導入した場合、クライアントやユーザーが当社サービスから流出し、当社グループが市場シェアを失う可能性があります。仮に当社グループが市場シェアを維持又は増加するために価格を下げ、又は新サービスを導入する場合には、当社グループの事業の収益性が低下する可能性があります。

 

 

(4) リクルートブランドに関するリスク

当社グループの事業活動において、リクルートブランドは重要な影響力を有しているため、当社グループの評判又は信用が毀損された場合には、クライアント及びユーザーによる当社グループのサービスの利用が減少し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループ自身による行為だけでなく、当社グループのクライアントやユーザーによって、他者の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等を侵害する行為、詐欺その他の法令違反行為が行われた場合、当該行為者だけでなく、当社グループも取引の場を提供する者として責任を問われ、当社グループに対して損害賠償請求訴訟が提起され、又は当社グループのブランドイメージが著しく毀損される可能性があります。更に、第三者が無断で当社グループのサービスと同一又は類似の名称を使用してサービスを行った場合にも、当社グループの評判又は信用が毀損される可能性があります。このようにして当社グループの評判又は信用が毀損された場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5) サービス提供媒体の変化に伴うリスク

近年のIT技術の急速な発達に伴い、当社グループが事業を展開する市場の多くにおいて、フリーペーパーや雑誌等を中心とした従来の紙媒体のサービスから、インターネットを媒体としたオンラインサービスへの移行が進んでいます。インターネットを媒体とするサービスの場合、人的な営業力や物流ネットワーク等に起因する既存の新規参入障壁が低くなり、またユーザーがサービスを切り替えることも比較的容易であるため、当社グループの事業領域への新規参入者が増加しています。また、今後国内外においてSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等を利用したオンラインのコミュニケーションが活発化し、クライアントとユーザーを直接マッチングすることが可能となる等、特にメディア&ソリューション事業及び人材派遣事業において、競争が更に激しくなる可能性があります。更に、「ゼクシィ」や「タウンワーク」のように紙媒体を中心にサービスを展開している事業においては、今後ユーザーの嗜好が、より新規参入障壁の低いインターネット媒体への移行が加速するものと考えており、競争が激化する可能性があります。

このように、サービス提供媒体の変化に伴う新規参入障壁の低下によって競争が激化する場合、当社グループが現在の市場シェアを維持又は増加できない可能性があります。更に当社グループが受領する手数料が減少し、又は当社グループが支払う広告宣伝費が増加する等の場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(6) 技術革新によるリスク

インターネット業界においては、競合他社が使用する技術、業界標準技術並びに技術に対するユーザー及びクライアントのニーズが急速に変化することから、当社グループが、特にHRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業において競争力を維持するためには、急速な技術革新に適時に対応していく必要があります。このような技術革新に関しては、以下のような様々なリスクが伴います。

・当社グループが採用又は開発する新技術等が、想定した効果を発揮しない、又は使用可能となった時点では陳腐化、競争力低下等が生じているリスク

・高度の専門性を有する技術者を確保又は育成できない、又は係る技術者の確保又は育成に多額の費用が発生するリスク

・端末や業界標準技術の多様化及び進化に対応した改良が行えない、又は既存のシステム又は設備等の改良や新たな開発等により多額の費用が発生するリスク

・新技術を適用した商品又はサービスに、想定していないバグ、欠陥又は不備があるリスク

・新技術をいち早く導入した企業や、新技術をより効果的に利用する企業との間で新たな競争が生じるリスク

これらの各要因により、当社グループが技術革新に対応することが困難となる場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

(7) クライアントの需要動向の変化に関するリスク

当社グループが競争力を保つためには、事業環境の変化等に伴うクライアントのニーズの変化に迅速に対応することが重要であり、これに対応できない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。例えば、当社グループはクライアントのニーズの変化に対応するために、一部の事業における課金形態を従来の定額課金から成約課金へと変更していますが、従来の課金形態を変更することにより当社グループの売上収益の減少や収益性の低下の可能性があります。

 

(8) ユーザーの需要動向の変化に関するリスク

当社グループが競争力や市場シェアを維持するためには、ユーザーのニーズの変化に対応する必要があります。当社グループがこのようなユーザーのニーズの変化に迅速に対応できない場合や、当社グループのサービスより利便性が高くユーザーのニーズにより合致したサービスが他社により新たに開発された場合には、ユーザーが当社グループのサービスから離れ、市場シェアの縮小や売上収益の減少等により、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(9) インターネットの検索効果に関するリスク

インターネットユーザーの多くは、検索サイトやスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末等)におけるアプリケーション等を利用して必要な情報を入手しているため、当社グループの各サービスの集客効率は、検索エンジンの表示結果やスマートデバイスのアプリケーションの利用状況等に大きく影響されます。

今後、検索エンジン運営者における検索に係るアルゴリズムの変更又は競合他社による対応等によって、検索結果の表示が当社グループにとって有利に働かない状況が生じる可能性があります。また、スマートデバイスにおいてプリインストールされるアプリケーションについての通信キャリアの選別や、当該アプリケーションの仕様又はその更新及び競業他社の対応等によって、ユーザーがスマートデバイスによって得る情報が当社グループにとって有利に働かない状況が生じる可能性があります。

このような場合には、当社グループが運営するインターネットサイトの集客効率が低下し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループがユーザーとの接点を多く確保するために要する費用が将来増加する可能性もあります。

 

(10) 情報システムに関するリスク

当社グループでは、その事業の運営において情報ネットワーク及びコンピュータシステムを多岐にわたり使用しているため、災害・事故等による通信ネットワークの障害、ハードウエアやソフトウエアの欠陥や事故によるシステム障害、第三者による不正アクセス等が生じた場合、当社グループの業績及び事業運営に悪影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、システムのメンテナンス等の一部を第三者に委託しているため、システムの不具合等について当社グループ自身で対処できない可能性があります。更に、情報インフラの構築、運用、拡張に係る費用が将来大幅に増加する可能性もあります。

 

(11) 個人情報・機密情報の取扱いによるリスク

当社グループは、その事業の運営に際し、クライアント又はユーザーその他の関係者の個人情報及び機密情報を大量に保有しています。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本において「個人情報の保護に関する法律」が適用され、諸外国においては2018年5月に施行の欧州連合一般データ保護規則をはじめ、当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、管轄ごとに異なるものとなる可能性があり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。

当社グループの個人情報及び機密情報の保護対策及び適切な管理施策が完全に機能するとの保証はなく、第三者によるセキュリティ侵害、ハッキング、従業員の故意又は過失等によって、当社グループが保有するクライアント又はユーザーその他の関係者の個人情報や機密情報の外部流出又は不正使用等が発生した場合、当社グループは顧客等に対する損害賠償責任を負うとともに、当局から業務改善命令等を受ける可能性がある等、当社グループの事業、業績及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。

 

 

(12) 事業戦略に関するリスク

当社グループは、特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、競争上の優位性を確保しつつ持続的に成長することを目指し、既存事業の拡大や新規事業の開発を積極的に行っており、今後も係る取り組みを継続する予定です。また、係る事業拡大の手段として企業合併又は買収等を行う可能性もあります。

しかし、当社グループが新規に開始し又は拡大した事業に対するユーザーやクライアントのニーズが想定を下回り又はその嗜好が変化した場合、対象市場への参入やそのための人材確保・育成に要する費用が想定よりも増加する場合、当該市場での競争が激化した場合、ユーザーに対する訴求力や取引クライアント数を増加させるための施策が不十分である場合等には、既存事業の拡大や新規事業の開発のための投資に見合った収益を得られない可能性があります。また、既存事業の拡大や新規事業の開発の手段として企業合併や買収等を行う場合にも、適切な対象企業又は合弁パートナーを見つけることができないこと、受入可能な取引条件を交渉・合意できないこと、十分な資金を調達できないこと、必要な同意や許可等を取得できないこと、法令上の問題を解決できないこと等の理由に基づき、買収、合弁事業その他の提携行為を行うこと自体ができない可能性があります。

 

(13) 経営指標や財務方針等に関するリスク

当社グループは、目標とする経営指標の見込みや財務方針等を掲げています。しかし、当社グループによる各種施策の実施には、本「事業等のリスク」に記載の各リスク等が内在しており、当社グループが上記施策を想定どおりに実行し、目標等を実現できる保証はありません。更に、当社が定める経営指標の見込みや財務方針等は、経済状況の変化、経営環境、クライアントのニーズの変化、ユーザーの嗜好の変化、他社との競合、法規制の変更及び為替変動等に係る多くの前提に基づいて作成されています。従って、当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合等には、経営指標の見込みや財務方針等を達成できない可能性があります。

 

(14) 買収に伴うリスク

当社グループでは、国内外を問わず買収や出資、合弁事業の展開等を検討し、将来の当社グループの業績や企業価値の向上に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあります。

買収や出資を行う際、案件の性質等によっては十分なデューディリジェンスが実施できない場合もあり、買収後に偶発債務等の存在が判明する可能性があります。また、合弁事業の運営においては、出資先の経営に対して十分なコントロール又はモニタリングができない可能性や、事業開始後に経営方針の相違等から期待したシナジー効果が得られない可能性があります。更に、M&Aや業務提携の実施には、事業・技術の統合や人材確保に伴う費用の発生、提携先に対するノウハウや取引先の流出、外国法令等の遵守のための費用が生じるリスクが伴います。また、将来的に各合弁パートナーとの間で何らかの理由により協業・提携関係に支障をきたすような事態が発生した場合、当該事業の業績に悪影響を与え、又は当該事業の継続が不可能になる可能性があります。また、円安が進行する場合、当社グループが成長戦略として注力する海外事業の買収に係るコストが実質的に増加し、係る買収を当社グループにとって有利な条件で実行できない可能性があります。

 

(15) カントリーリスク

当社グループは、米国、欧州、豪州及びアジア諸国等の諸外国においても事業を展開しています。当社グループの海外事業は、各国・地域の政治情勢、経済情勢、法規制、税制、商慣習及び文化の差異、労働問題、言語の差異、日本との関係の悪化、訴訟の多発、外資規制、海外における当社グループの知名度の相対的な低さ、海外事業のモニタリングの困難性等様々な要因により当社グループが期待する事業展開ができず、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

(16) 人材確保・労務リスク

当社グループが、競争上の優位性の確保、事業環境の変化への対応又は持続的な成長を可能とするためには、優秀な人材を確保しかつ育成する必要があります。近年、特にHRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業において、優秀なIT技術者の確保及び育成が重要となってきていますが、係るIT技術者の確保又は育成ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

更に、当社グループは、近年、メディア&ソリューション事業及び人材派遣事業を中心に、人件費をより柔軟にコントロールするために正社員比率を下げていますが、これにより人材の育成及びノウハウの蓄積が困難となり、またクライアントとの関係性が不安定化する可能性があります。

また、競合他社に重要な人材が流出した場合又は当社グループが想定するよりも多くの離職が生じた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与える可能性があります。

 

(17) 法規制に関するリスク

当社グループは、自らが事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。当社グループに適用される法令等に違反した場合、当社グループの事業運営、業績及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、一定の事業を行う上では各国・地域の許認可等を取得するとともに、当局の監視を受けることがありますが、当社グループが係る許認可等を失い又は当局から業務停止命令その他の処分を受ける場合には、対象事業を営むことができなくなる可能性があります。更に、将来当社グループに適用される法令等の新設又は改正、司法・行政解釈等の変更がある場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を与える可能性があります。

当社グループの事業に適用される法令等には、主として以下のものがあります。

 

① メディア&ソリューション事業

当社グループの国内でのメディア&ソリューション事業における新規雇用・中途雇用の人材紹介は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業です。

当該事業についても、一定の要件を満たさない場合には許可の取消し、事業停止命令又は業務改善命令の対象となる可能性があり、また、関係諸法令の改正により、当社グループが受領する手数料に変更が生じる場合があります。

また、メディア&ソリューション事業におけるクライアントの雇用活動は、日本経済団体連合会が定める新規雇用に係る指針等の影響を大きく受けるため、当該指針の方針によっては、当社グループの事業運営や業績に悪影響を与える可能性があります。

 

② 人材派遣事業

当社グループは、国内における人材派遣事業については、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づき、労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っています。

また、海外における人材派遣事業は、事業展開する各国・地域の規制に従い業務を遂行しています。一例として米国では、派遣事業に関する連邦法の他、州法により規制が行われています。

国内及び海外の人材派遣事業において、当社グループによる法令違反等が発生した場合又は派遣事業者の欠格事由に該当する場合には、許可の取消し、業務停止命令又は業務改善命令等の対象となる可能性があります。

また、国内における労働関連法令の改正により、コンプライアンスに係る多額の費用が発生するとともに、規制違反のリスクが高まる可能性があります。

 

(18) 訴訟等によるリスク

当社グループは、HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業及び人材派遣事業を営んでいますが、その事業活動の遂行過程において、当社グループは、クライアント、ユーザー及び競合他社その他の関係者から、当社グループが提供するサービスの不備、派遣社員の労務管理、個人情報及び機密情報の漏洩又は知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続きを提起され、また当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続に関連して多額の費用を支出し、また、事業活動に支障をきたすおそれがあります。係る法的手続は長期かつ多額となることがあり、また結果の予測が困難となる場合があり、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(19) 為替変動リスク

当社グループの海外事業の取引は、主に米ドルやユーロ等の外貨建てで行われています。当社グループの連結財務諸表及び要約四半期連結財務諸表では、海外子会社の現地通貨建ての資産及び負債を決算日の直物為替レートにより、収益及び費用は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートにより換算しています。

これらの要因により、当社グループは、為替レートの変動による影響にさらされており、為替レートの変動は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(20) 資金調達リスク

当社グループの事業資金の一部は、金融機関からの借入や社債の発行等により調達しています。このため、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下、業績の見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない可能性があります。また、金融機関からの借入や社債等には各種コベナンツが規定されている場合もあり、当社グループの経営成績、財政状態又は信用力の悪化等の要因でいずれかのコベナンツへの抵触が不可避な場合には、これらの条項に基づき残存する債務の一括返済を求められる可能性や、金利及び手数料率の引上げや新たな担保権の設定を求められる可能性があります。

これらの要因により、当社グループが今後資金調達を望ましい条件で実行できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(21) 非流動資産の減損等に関するリスク

当社グループは、国内及び海外で実施した買収に伴い発生するのれんを連結財政状態計算書に資産として計上していますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断される場合には、当該のれんについて減損損失を計上する可能性もあります。

なお、当社グループは2018年3月期第1四半期から国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づき開示を行っています。IFRSにおいては、当社が従来採用していた日本基準と異なり、のれんの償却が行われない一方で、減損の判定方法が異なるため、日本基準と比較し、減損損失が早期に計上され、また、一度に計上される金額が多額となる可能性があります。

当社グループが買収した又は今後買収する子会社の中には、スタートアップの段階にあり、成長投資の成果が発現し投資に見合うキャッシュ・フローが生じるまでには一定期間を要するものも含まれるため、当該のれんについて、当社の連結損益計算書において減損損失が計上される可能性があります。

また、当社グループは、事業運営の観点で保有目的があると判断した上場会社を含む取引先の株式を保有しています。当社グループは、原則として保有する全ての株式を公正価値で評価しており、当該株式の公正価値が著しく下落した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(22) 販売代理店に関するリスク

メディア&ソリューション事業の一部のサービスについては、販売力強化及び変動費化を図るため、当社グループのクライアントへの販売等に関し、外部の販売代理店を利用しています。しかし、販売代理店との関係が終了又は悪化する場合には、当社グループの営業力が減退し、クライアントの喪失、競合他社へのノウハウの流出、新たな競合他社の参入等につながる可能性があります。また、販売代理店に対するモニタリングが不十分であることにより、当社グループの評判又は信用を毀損し、又はクライアントとの関係を悪化させ業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

(23) 自然災害及び有事に関するリスク

地震、台風及び津波等の自然災害、火災、停電、戦争、情報セキュリティの欠陥、未知の感染症の伝染、テロ攻撃及び国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業運営及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。特に、これらの自然災害又は有事等により、当社グループのITシステムに障害等が生じた場合、インターネット関連サービスの提供が困難となり、当社グループのユーザー及びクライアントの満足度が低下し、当社グループの業績、事業運営及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な自然災害等が発生した場合、当社グループのクライアントの事業の中断等並びにユーザーのライフイベント活動及び日常消費活動の萎縮等の二次的影響が生じ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営成績等の分析

 ⅰ 連結経営成績の概況

(当第4四半期及び当連結会計年度)

(単位:十億円)

 

前第4四半期

当第4四半期

増減

増減率
(%)

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減

増減率
(%)

連結経営成績

 

 

 

 

 

 

 

 

 

売上収益(注1)

556.4

580.3

23.8

4.3

2,173.3

2,310.7

137.3

6.3

 

 

HRテクノロジー

61.9

90.0

28.1

45.4

218.5

326.9

108.3

49.6

 

 

メディア&
ソリューション

181.2

193.7

12.4

6.9

679.9

721.4

41.4

6.1

 

 

人材派遣

319.9

304.1

△15.7

△4.9

1,298.8

1,290.2

△8.5

△0.7

 

営業利益

25.1

30.9

5.7

23.1

191.7

223.0

31.2

16.3

 

税引前利益

27.3

38.2

10.8

39.8

199.2

239.8

40.5

20.4

 

当期利益

23.1

28.4

5.2

22.7

152.3

175.3

23.0

15.1

 

親会社の所有者に
帰属する当期利益

23.0

28.2

5.1

22.4

151.6

174.2

22.6

14.9

経営指標

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EBITDA(注1、2)

42.7

53.1

10.3

24.2

258.4

293.2

34.8

13.5

 

 

HRテクノロジー

7.3

10.5

3.2

44.1

30.6

47.4

16.8

55.0

 

 

メディア&
ソリューション
(注3)

27.8

32.2

4.4

16.2

156.1

172.4

16.2

10.4

 

 

人材派遣(注3)

9.8

13.6

3.8

39.2

72.7

82.9

10.2

14.1

 

調整後EPS(単位:円)
(注4)

13.26

16.67

3.41

25.7

86.74

107.10

20.36

23.5

期中平均為替レート
(単位:円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米ドル

110.85

110.92

0.07

0.1

 

ユーロ

129.66

128.44

△1.22

△0.9

 

豪ドル

85.77

80.96

△4.81

△5.6

売上収益に対する
為替影響額(注8、9、10)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連結

4.9

△6.7

56.5

△12.4

 

人材派遣:海外

4.9

△7.8

47.6

△12.7

 

(注1)「全社/消去」調整後の数値を記載しているため、各セグメントの金額合計と一致していません。

(注2)EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費±その他の営業収益・費用

(注3)当連結会計年度から連結グループ内取引に関する費用の配賦方針に変更があり、この変更がセグメント利益を押し上げました。

(注4)調整後EPS:調整後当期利益(注5)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)

(注5)調整後当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注6)(非支配持分帰属分を除く)
±調整項目の一部に係る税金相当額

(注6)調整項目:企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益

(注7)四半期においては、「当期」を「四半期」、「期末」を「四半期末」に読み替え

(注8)外貨売上収益×(当期採用平均為替レート-前期採用平均為替レート)

(注9)HRテクノロジー事業については、月次の平均為替レートを適用

(注10)第4四半期については、連結会計年度と第3四半期累計の為替影響額の差額

 

 

(連結経営成績の概況)

当連結会計年度における売上収益は23,107億円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業が増収となり、特にHRテクノロジー事業の売上成長が寄与したことによるものです。なお、売上収益に対する為替影響額は124億円のマイナス寄与となりました。当第4四半期における売上収益は5,803億円(前年同期比4.3%増)となり、売上収益に対する為替影響額は67億円のマイナス寄与となりました。

 

当連結会計年度における営業利益は2,230億円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業及び人材派遣事業が全て増益となったことによるものです。当第4四半期における営業利益は309億円(前年同期比23.1%増)となりました。

 

当連結会計年度における税引前利益は2,398億円(前連結会計年度比20.4%増)となりました。これは主に営業利益の増加及び持分法による投資利益の増加によるものです。当第4四半期における税引前四半期利益は382億円(前年同期比39.8%増)となりました。これは主に営業利益の増加に加えて、持分法による投資利益及び金融収益が増加したことによるものです。

 

当連結会計年度における当期利益は1,753億円(前連結会計年度比15.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,742億円(前連結会計年度比14.9%増)となりました。当第4四半期における四半期利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益はそれぞれ284億円(前年同期比22.7%増)、282億円(前年同期比22.4%増)となりました。

 

当連結会計年度におけるEBITDAは2,932億円(前連結会計年度比13.5%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業及び人材派遣事業が全て増益となったことによるものです。当第4四半期におけるEBITDAは531億円(前年同期比24.2%増)となりました。

 

当連結会計年度における調整後EPSは107.10円(前連結会計年度比23.5%増)、当第4四半期は16.67円(前年同期比25.7%増)となりました。当連結会計年度における配当算定基準とする当期利益(注)は1,623億円(前連結会計年度比23.2%増)、当第4四半期における配当算定基準とする四半期利益(注)は240億円(前年同期比29.3%増)となりました。なお、調整後EPS及び配当算定基準とする当期利益及び四半期利益は、より経常的な収益力を表すことを目的に、第1四半期より調整項目の内容を一部変更しています。従来は、持分法適用会社である51job, Inc.が発行している転換社債に係る損益について、一部のみを非経常項目としていましたが、これまで非経常項目としていなかった項目についても発生の源泉が同一の転換社債であること及び今後重要性が増す見込みであることを考慮し、非経常項目として調整することとしました。前年同期も同様の調整を加味して算出した場合、当連結会計年度及び当第4四半期の調整後EPSの増減率はそれぞれ20.9%増、25.4%増となりました。

 

(注)親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益±非経常的な損益等

 

(主な経営施策)

目標とする経営指標

当社グループでは、2017年3月期から2019年3月期までの3年間における調整後EPSの年平均成長率目標を一桁後半として経営目標に設定し、2019年3月期末における3年間の年平均成長率は15.5%となり目標を達成しました。今後の目標とする経営指標は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」を参照してください。

 

 

 ⅱ セグメント業績の概況

① HRテクノロジー事業
(業績の概況)

当報告セグメントはオンライン求人情報専門検索サイト「Indeed」、オンライン求人広告及び企業情報サイト「Glassdoor」及びこれらに関連する事業で構成されています。

 

当連結会計年度における売上収益は3,269億円(前連結会計年度比49.6%増)となりました。これは主に、好調な経済環境及び雇用市場を背景に、Indeedにおいて新規及び既存クライアント(企業等)の有料求人広告利用が増加したことによるものです。また、第1四半期に子会社化が完了したGlassdoorの業績も売上収益成長に寄与しました。当第4四半期における売上収益は900億円(前年同期比45.4%増)となりました。

 

米ドルベース売上(注1)の前連結会計年度比は、当連結会計年度及び当第4四半期それぞれ、49.0%増、42.6%増となりました。また、当社は当連結会計年度よりIFRS第15号を適用しており、会計方針を変更しています。前連結会計年度に同等の会計方針の変更が適用されたと仮定すると、米ドルベース売上(注2)の前連結会計年度比及び前年同期比は、当連結会計年度及び当第4四半期それぞれ、54.0%増、46.3%増となりました。

 

当連結会計年度のセグメント利益(セグメントEBITDA)は474億円(前連結会計年度比55.0%増)となりました。これは主に売上収益の拡大によるものです。また、売上成長を促進するため、新規のユーザー(個人等)及びクライアントの獲得にむけた営業体制の拡充及びマーケティング活動の展開並びにユーザーとクライアント双方へのサービス拡充を図るプロダクトの強化等に対して機動的に投資を行っています。当第4四半期のセグメント利益は105億円(前年同期比44.1%増)となりました。

 

当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。

(単位:十億円)

 

前第4四半期

当第4四半期

増減

増減率
(%)

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減

増減率
(%)

売上収益

61.9

90.0

28.1

45.4

218.5

326.9

108.3

49.6

セグメント利益
(セグメントEBITDA)

7.3

10.5

3.2

44.1

30.6

47.4

16.8

55.0

参考:米ドルベース売上
(注1)

(単位:百万米ドル)

572

816

243

42.6

1,976

2,944

968

49.0

 

(注1)当報告セグメントの現地決算数値であり、当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります。

(注2)当社は、当連結会計年度よりIFRS第15号を適用しており、会計方針を変更しています。販売代理店を介した一部の売上取引について顧客の識別を見直した結果、販売代理店が顧客であると評価しました。これにより当該代理店との取引価額に基づき対価の算定を行う方法に変更しています。同等の会計方針が前連結会計年度にも適用されたと仮定した場合の米ドルベース売上の前年同期比は以下のとおりです。

 (単位:百万米ドル)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前連結

会計年度

当連結

会計年度

 

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4
四半期

米ドルベース売上
(注1)
 

402

460

490

557

634

739

754

816

1,911

2,944

増減

231

278

263

258

1,033

増減率(%)

57.6

60.6

53.7

46.3

54.0

 

 

 

 

Indeed

Indeedはプラットフォームへの積極的な投資を通じ、ユーザーの求職活動をより良く効率的なものにすることを追求し続けています。Indeedの月間ユニークビジター数は約2億5,000万人(注)となり、引き続き前年同期比で増加しました。採用活動にIndeedを利用する求人企業、人材紹介企業及び人材派遣企業等の数が増加することによって、Indeedのクライアント基盤は拡大を続けています。当連結会計年度末において、Indeedは14ヶ国、29都市にオフィスを展開し、従業員数は約8,900人となりました。

 

Glassdoor

Glassdoorは、ユーザー投稿による企業レビューや給与情報等の独自のデータベースを有し、企業の透明性を高めることによって、ミッションである「To help people find a job and company they love」を追求しています。Glassdoorを利用する求職者は求人企業にとって採用の可能性が高く、入社後も比較的長期間同じ企業に勤務する傾向があります。Glassdoorの月間ユニークビジター数は約6,700万人(注)となり、前年同期比で二桁の成長となりました。また、クライアント基盤の拡大により、企業ブランディング及び求人広告商品の売上が増加しました。当連結会計年度末において、Glassdoorの従業員数は約900人となりました。

 

(注)出所:2019年1月 Google Analytics serviceに基づく社内データ

 

 

② メディア&ソリューション事業

(業績の概況)

当報告セグメントは販促領域及び人材領域の2つの事業領域で構成されています。

 

当連結会計年度における売上収益は7,214億円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。これは主に、販促領域の住宅分野及び美容分野並びに人材領域の国内人材募集分野が増収になったことによるものです。当第4四半期の売上収益は1,937億円(前年同期比6.9%増)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメント利益(セグメントEBITDA)は1,724億円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。これは販促領域及び人材領域が増益となり、特に販促領域の増益が寄与したことによるものです。当第4四半期のセグメント利益は322億円(前年同期比16.2%増)となりました。また、当連結会計年度から新たな経営体制に移行したことに伴い、連結グループ内取引に関する費用、具体的には経営指導料や管理機能に係る業務委託費の配賦方針に変更があり、この変更がセグメント利益を押し上げました。この影響を控除した際の当連結会計年度及び当第4四半期のセグメント利益の前連結会計年度比及び前年同期比は、それぞれ6.3%増及び10.1%増、販促領域11.3%増及び15.1%増、人材領域4.2%増及び6.6%増(注)となりました。

 

(注)影響額は管理会計上の数値を用いて算出

 

当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。

(単位:十億円)

 

前第4四半期

当第4四半期

増減

増減率
(%)

前連結
会計年度

当連結
会計年度

増減

増減率
(%)

売上収益(合計)

181.2

193.7

12.4

6.9

679.9

721.4

41.4

6.1

 

販促領域

96.4

105.2

8.7

9.0

378.5

400.4

21.9

5.8

 

 

住宅分野

24.7

28.1

3.3

13.5

98.1

104.1

6.0

6.1

 

 

結婚分野

13.1

13.0

△0.1

△1.2

55.4

54.9

△0.5

△0.9

 

 

旅行分野

14.2

14.9

0.7

5.1

58.8

61.6

2.7

4.7

 

 

飲食分野

9.7

10.0

0.3

3.4

37.3

38.8

1.4

4.0

 

 

美容分野

16.8

18.7

1.8

11.1

63.8

72.0

8.2

12.9

 

 

その他

17.8

20.3

2.5

14.5

64.8

68.7

3.9

6.0

 

人材領域

83.0

86.6

3.6

4.3

294.4

316.8

22.4

7.6

 

 

国内人材募集分野

76.8

78.2

1.3

1.8

270.6

283.9

13.3

4.9

 

 

その他

6.1

8.3

2.2

36.7

23.7

32.8

9.0

38.3

 

全社/消去(メディア&
ソリューション事業)

1.7

1.9

0.1

9.8

7.0

4.1

△2.8

△41.2

セグメント利益
(セグメントEBITDA)(合計)

27.8

32.2

4.4

16.2

156.1

172.4

16.2

10.4

 

販促領域

15.5

18.8

3.3

21.4

95.2

109.8

14.5

15.3

 

人材領域

16.4

17.9

1.4

9.1

74.5

79.2

4.7

6.3

 

全社/消去(メディア&
ソリューション事業)

△4.1

△4.5

△0.3

△13.6

△16.6

△2.9

 

 

 

 

2018年
3月期

2019年
3月期

 

 

(単位)

1Q末

2Q末

3Q末

4Q末

1Q末

2Q末

3Q末

4Q末

事業データ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「HotPepperグルメ」
ネット予約人数累計(注1)

万人

1,448

2,828

5,275

7,121

1,905

3,718

6,577

8,850

 

「HotPepper Beauty」
ネット予約件数累計(注1)

万件

1,824

3,795

5,758

7,823

2,272

4,719

7,163

9,699

 

「Airレジ」登録アカウント数

29.2

30.5

31.8

33.3

34.9

36.4

38.1

40.2

 

「スタディサプリ」
有料会員数(注2)

万人

40.4

44.4

45.4

47.6

55.9

58.6

59.8

61.4

市場環境指標

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新設住宅着工戸数(注3)

249,916

246,924

244,511

205,045

245,040

246,378

245,907

215,611

 

有効求人倍率(注4、5)

1.49

1.52

1.57

1.59

1.60

1.63

1.63

1.63

 

(注1)キャンセル前予約受付ベース、各連結会計年度期首からの累計数値

(注2)従来は「スタディサプリ」有料会員数のうち、高校生向けサービスのみを開示していましたが、2019年3月期より、「スタディサプリ」の有料会員数の合計を開示しています。なお、有料会員数とは、小学生、中学生及び高校生向け講座並びに「スタディサプリEnglish」の有料会員数の合算値です。これに伴い、同会員数の2018年3月期の数値もあわせて遡及開示しています。

(注3)出所:国土交通省「住宅着工統計」

(注4)出所:厚生労働省

(注5)各四半期の各月末の平均値

 

(各事業分野の概況)

・販促領域

住宅分野:

当分野は住宅の売買、賃貸、リフォームに関する情報誌及び情報オンラインプラットフォーム「SUUMO」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、継続的なオンラインプラットフォームの改修やユーザー集客の推進に加えて、クライアントの業務及び経営を支援するソリューションの提供に注力しました。

当連結会計年度における売上収益は1,041億円(前連結会計年度比6.1%増)となり、当第4四半期の売上収益は281億円(前年同期比13.5%増)となりました。なお、前第3四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の当連結会計年度の売上収益の前連結会計年度比は9.9%増(注)となりました。

 

結婚分野:

当分野は結婚に関する雑誌及び情報オンラインプラットフォーム「ゼクシィ」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、少子化等の影響により国内の婚姻組数は減少傾向にあるなかで、新しいプロモーション施策等を通して結婚式場運営クライアントの高い集客ニーズを取り込むことに注力しました。

この結果、当連結会計年度における売上収益は549億円(前連結会計年度比0.9%減)となり、当第4四半期の売上収益は130億円(前年同期比1.2%減)となりました。

 

旅行分野:

当分野は主に国内旅行に関する情報誌及び検索予約サイト「じゃらん」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、当社グループのサービスを通じた延べ宿泊者数が増加し、宿泊単価が上昇しました。また、クライアントの業務及び経営を支援するソリューションの提供に積極的に取り組みました。

この結果、当連結会計年度における売上収益は616億円(前連結会計年度比4.7%増)となり、当第4四半期の売上収益は149億円(前年同期比5.1%増)となりました。

 

 

飲食分野:

当分野は飲食店の情報等を掲載した検索予約サイト「HotPepperグルメ」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、外食市場の回復傾向が継続し、「HotPepperグルメ」への広告出稿が増加しました。一方で、人手不足等を受けて、飲食店を取り巻く経営環境は引き続き厳しさがみられますが、業務・経営支援サービス「Airシリーズ」や予約・顧客管理システム「レストランボード」の提供に積極的に取り組み、クライアント接点の強化に注力しました。

この結果、当連結会計年度における売上収益は388億円(前連結会計年度比4.0%増)となり、当第4四半期の売上収益は100億円(前年同期比3.4%増)となりました。

 

美容分野:

当分野はヘアサロン等、美容サロンの情報等を掲載した検索予約サイト「HotPepper Beauty」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、引き続き地方圏及び都市圏郊外でのクライアント獲得が順調に進展したことにより取引店舗数が拡大し、「HotPepper Beauty」を通じたネット予約件数が増加しました。また業務・経営支援サービス「Airシリーズ」や予約・顧客管理システム「SALON BOARD」の提供に積極的に取り組み、クライアント接点の強化に注力しました。

この結果、当連結会計年度における売上収益は720億円(前連結会計年度比12.9%増)となり、当第4四半期の売上収益は187億円(前年同期比11.1%増)となりました。

 

その他(販促領域):

当分野は自動車分野、「スタディサプリ」を中心とした学び及び進学等の教育関連分野、海外販促分野並びに「Airシリーズ」の事業等により構成されています。

当連結会計年度における売上収益は687億円(前連結会計年度比6.0%増)となり、当第4四半期の売上収益は203億円(前年同期比14.5%増)となりました。なお、前第3四半期及び第1四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の当連結会計年度における売上収益は前連結会計年度比11.9%増、当第4四半期は前年同期比15.7%増(注)となりました。

 

・人材領域

国内人材募集分野:

当分野は「リクナビ」、「リクナビNEXT」、「タウンワーク」等、様々な雇用形態に合わせた求人広告サイトや「リクルートエージェント」等の人材紹介事業、及びそれらに関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、国内の労働市場の逼迫した情勢が継続するなか、引き続きブランド力強化策の実施やユーザー集客及び営業体制の強化等を行い、売上収益が増加しました。

この結果、当連結会計年度における売上収益は2,839億円(前連結会計年度比4.9%増)となり、当第4四半期の売上収益は782億円(前年同期比1.8%増)となりました。なお、第2四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の当連結会計年度における売上収益は前連結会計年度比6.2%増、当第4四半期は前年同期比3.7%増(注)となりました。

 

その他(人材領域):

当分野は国内における人材育成サービス関連事業や、アジアでの人材紹介事業等により構成されています。第1四半期より、従来は国内人材募集分野に含まれていた一部事業を、当分野に移管したことにより、売上収益が増加しました。 

当連結会計年度における売上収益は328億円(前連結会計年度比38.3%増)となり、当第4四半期の売上収益は83億円(前年同期比36.7%増)となりました。 

 

(注)前年実績から、譲渡した子会社の前年実績の数値を除いて算出

 

 

③ 人材派遣事業
(業績の概況)

当報告セグメントは、国内派遣及び海外派遣の2つの事業領域で構成されています。

 

当連結会計年度における売上収益は12,902億円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。国内派遣領域において、人手不足が継続する環境を受けて売上収益が伸長したものの、海外派遣領域において、主に欧州における不透明な経済環境の影響、為替影響及びIFRS第15号の適用の影響(注)が売上収益に対してマイナスとなったため減収となりました。当第4四半期の売上収益は3,041億円(前年同期比4.9%減)となりました。

 

(注)一部のクライアントからの売上収益の表示を総額から純額に変更

 

当連結会計年度におけるセグメント利益(セグメントEBITDA)は829億円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。これは主に、国内派遣領域が増収に伴う増益となり、海外派遣領域が生産性向上に注力し増益となったことによるものです。特に国内派遣領域において法改正の影響を受け、第3四半期以降、派遣労働者の派遣先企業への直接雇用化が進み、紹介手数料が増加したことが寄与しています。当第4四半期のセグメント利益は136億円(前年同期比39.2%増)となりました。当第4四半期のセグメント利益の増加率が当連結会計年度の増加率を上回ったのは、前第4四半期のセグメント利益が、主に国内派遣領域における派遣スタッフ募集強化のための投資により減少していたことによるものです。また、メディア&ソリューション事業と同様に、当連結会計年度より当報告セグメントの国内派遣領域においても、連結グループ内取引に関する費用の配賦方針を変更しています。この影響を控除した際の当連結会計年度及び当第4四半期のセグメント利益の前連結会計年度比及び前年同期比は、それぞれ10.4%増及び31.2%増、国内派遣領域18.9%増及び101.2%増(注)となりました。

 

(注)影響額は管理会計上の数値を用いて算出

 

当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。

(単位:十億円)

 

前第4四半期

当第4四半期

増減

増減率
(%)

前連結会計
年度

当連結会計
年度

増減

増減率
(%)

売上収益(合計)

319.9

304.1

△15.7

△4.9

1,298.8

1,290.2

△8.5

△0.7

 

国内派遣領域

128.9

133.4

4.5

3.5

509.2

542.5

33.2

6.5

 

海外派遣領域

190.9

170.7

△20.2

△10.6

789.5

747.7

△41.8

△5.3

セグメント利益
(セグメントEBITDA)(合計)

9.8

13.6

3.8

39.2

72.7

82.9

10.2

14.1

 

国内派遣領域

2.7

6.6

3.9

145.7

33.8

43.0

9.2

27.3

 

海外派遣領域

7.1

7.0

△0.0

△1.4

38.9

39.8

0.9

2.5

 

 

(単位:人)

 

2018年
3月期

2019年
3月期

 

 

1Q末

2Q末

3Q末

4Q末

1Q末

2Q末

3Q末

4Q末

市場環境指標

 

 

 

 

 

 

 

 

 

派遣社員実稼働者数(平均)(注)

343,260

343,857

350,734

348,865

354,177

353,062

366,135

359,629

 

(注)出所:一般社団法人 日本人材派遣協会

 

(各領域別の概況)

・国内派遣領域

国内市場においては、引き続き派遣社員実稼働者数が高水準で推移し、企業からの人材派遣の需要は高い状況が続いています。このような環境の下、新規登録スタッフの増員及び新規派遣契約の獲得に注力しました。

この結果、当連結会計年度における売上収益は5,425億円(前連結会計年度比6.5%増)となり、当第4四半期の売上収益は1,334億円(前年同期比3.5%増)となりました。

 

 

・海外派遣領域

当連結会計年度における売上収益は7,477億円(前連結会計年度比5.3%減)となりました。なお、売上収益に対する為替影響額は127億円のマイナス寄与、IFRS第15号適用に伴う影響は163億円のマイナス寄与となり、この影響を控除した売上収益は前連結会計年度比で1.6%の減収となりました。当連結会計年度においても、引き続きユニット経営(注)に基づき収益性を重視した事業運営に取り組み、主に欧州において管理コストの効率化のための投資を行いました。当第4四半期の売上収益は1,707億円(前年同期比10.6%減)となりました。なお、売上収益に対する為替影響額は78億円のマイナス寄与、IFRS第15号適用に伴う影響は45億円のマイナス寄与となり、この影響を控除した売上収益は前年同期比で4.2%の減収となりました。

(注)マーケット特性に応じて組織をユニット単位に区分し、権限移譲により、各ユニットがマーケットに最適な戦略を実行し、利益の最大化を目指す仕組みのこと。

 

 

 ⅲ 資本の財源及び資金の流動性

(財務方針)

当社グループは、借入による資金調達を有効に活用しつつ、国内格付機関による格付を意識した財務の健全性を維持することを財務方針としています。更に、資本効率の目安として、投資案件については厳格な基準を設けるとともに、ROEで15%の水準を目安に設定しています。株主還元については、安定的かつ継続的な配当を行うことを基本として位置づけ、業績の動向と将来の成長投資に必要となる内部留保の充実や財務基盤の確立を総合的に勘案した利益還元を行うことを基本方針としています。連結配当性向は、親会社の所有者に帰属する当期利益から非経常的な損益等の影響を控除した上で30%程度を目安としています。なお、自己株式の取得については、市場環境及び財務状況の見通し等を踏まえ、実施の是非について検討します。

 

(資金使途)

運転資金、法人税の支払い、各事業セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い等に資金を充当しています。なお、2018年6月21日にHRテクノロジー事業において、1,430億円を対価として米国未上場企業Glassdoor, Inc.の発行済全株式を取得しています。

また、当連結会計年度の各事業セグメントにおける設備投資の概要については、「第3 設備の状況 1.設備投資等の概要」をご参照ください。

 

(資金調達)

当社グループの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。外部資金調達のうち、原則として短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせ、中長期の運転資金については、金融機関からの借入、社債又はその組み合わせにより調達することとしています。なお、当社は、機動的な資金調達を可能とするため、2,000億円(当連結会計年度末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
 また、当社グループは、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、当連結会計年度末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。

 

(有利子負債)
当連結会計年度末の社債及び借入金の帳簿価額・期日別残高は以下のとおりであり、期日別残高は利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しています。

 (単位:百万円)

 

帳簿価額

期日別残高

1年内

1年超5年内

5年超

社債

49,899

71

50,230

-

借入金

112,183

26,494

89,321

964

合計

162,082

26,565

139,551

964

 

 

(格付)

 当社グループは、格付機関である㈱格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)、ムーディーズ・ジャパン㈱(以下、「ムーディーズ」という。)及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下、「S&P」という。)から長期格付を取得しています。当連結会計年度末における格付の状況は、以下のとおりです。
 ・R&I:AA-
 ・ムーディーズ:A3
 ・S&P:A-

 

 

(キャッシュマネジメント)

当社グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、かつ経済合理性が認められることを前提として、主にキャッシュマネジメントシステムを通じたグループファイナンスにより、当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。

 

(資金運用)

当社グループの資金運用は、投機目的で行わず、元本が保証され、安全かつ確実で効率の高い金融商品のみで行うこととしています。

 

(連結財政状態の概況)

(単位:十億円)

 

前連結会計年度
(2018年3月31日)

当連結会計年度
(2019年3月31日)

増減

増減率
(%)

資産合計

1,574.0

1,748.9

174.9

11.1

 

流動資産合計

770.9

809.0

38.0

4.9

 

非流動資産合計

803.0

939.9

136.9

17.0

 

 

 

 

 

 

負債合計

733.3

776.7

43.3

5.9

 

流動負債合計

447.7

497.5

49.8

11.1

 

非流動負債合計

285.6

279.1

△6.4

△2.3

 

 

 

 

 

 

資本合計

840.6

972.2

131.5

15.7

 

親会社の所有者に帰属する持分合計

835.6

965.7

130.1

15.6

 

非支配持分

5.0

6.4

1.4

28.1

 

 

 

 

 

 

 

 

① 資産

流動資産は前連結会計年度末比380億円4.9%)増加しました。これは主に、営業債権及びその他の債権が171億円増加したことによるものです。

非流動資産は前連結会計年度末比1,369億円17.0%)増加しました。これは主に、子会社の新規取得等によりのれんが977億円増加したことによるものです。

 

② 負債

流動負債は前連結会計年度末比498億円11.1%)増加しました。これは主に、その他の流動負債が292億円増加したことによるものです。

非流動負債は前連結会計年度末比64億円2.3%)減少しました。これは主に、その他の非流動負債が96億円増加した一方、社債及び借入金が217億円減少したことによるものです。

 

③ 資本

資本は前連結会計年度末比1,315億円15.7%)増加しました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したこと等により、利益剰余金が1,311億円増加したことによるものです。

 

 

(連結キャッシュ・フローの概況)

 

 

 

 

 

 

(単位:十億円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

194.1

276.9

82.8

投資活動によるキャッシュ・フロー

△65.9

△204.6

△138.6

財務活動によるキャッシュ・フロー

△83.1

△68.5

14.6

現金及び現金同等物に係る換算差額

△10.3

9.2

19.6

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

34.6

13.0

△21.5

現金及び現金同等物の期首残高

355.1

389.8

34.6

現金及び現金同等物の期末残高

389.8

402.9

13.0

 

 

当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、営業活動による収入が投資活動及び財務活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末比130億円増加し、4,029億円となりました。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

税引前利益2,398億円から、加算項目の主なものとして減価償却費及び償却費711億円、減算項目の主なものとして法人所得税の支払額323億円を計上したことによるものです。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

主に、子会社の取得による支出1,268億円を計上したことによるものです。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

主に、配当金の支払額426億円を計上したことによるものです。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績及び受注実績

当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、省略しています。

 

② 販売実績
(1) 経営成績等の分析に記載のとおりです。

 

(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 

(のれんの償却)

日本基準の下ではのれんをその効果が発現すると合理的に見積もられる期間にわたり規則的に償却していましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当連結会計年度において販売費及び一般管理費が447億円減少しています。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。