文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであり、達成を保証するものではありません。
当社グループは、2030年に目指す姿・目標として「2030ビジョン」を2021年に策定しました。『木とともに未来を拓く総合バイオマス企業として持続的な成長を遂げる』を目指す姿として“成長事業への経営資源のシフト”“CO₂削減、環境課題等の社会情勢激変への対応”を基本方針としています。グラフィック用紙の需要減少に適切に対応しながら、経営資源を成長事業・新規事業にシフトし、同時に様々な社会的要請にも耐えうる、筋肉質の体質に変えていきます。
今後も当社グループは、持てる経営資源をフルに活用し、厳しさを増す国際競争を勝ち抜くとともに、グループの成長を実現し、株主価値の持続的拡大を追求していきます。
当社グループは、「2030ビジョン」の前半にあたる2021年4月から2026年3月までの5年間を「中期経営計画2025」の期間とし、『事業構造転換の加速』を基本戦略に、“成長事業への経営資源シフト”“新規事業の戦力化加速”“基盤事業の競争力強化”の3つを重点課題に取り組んでいきます。
<中期経営計画2025 - 目標>
・売上高 1兆1,000億円 (2025年度)
・営業利益 400億円以上(早期に)
・EBITDA 1,000億円 (安定的に)
・D/Eレシオ 1.5倍台 (2025年度)
・ROE 5.0%以上 (2025年度)
① 中期経営計画2025(2021年度~2025年度)の達成に向けて
足もとの世界経済を見渡すと、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した不安定な国際情勢が長期化の様相を見せており、サプライチェーンの混乱による急激な物価上昇が進行するなど、世界レベルでの景気後退が懸念されています。国内に目を転じても、予測を超える原燃料価格の高騰や日米の金融政策の違いによる急激な円安が進行しており、当社グループを取り巻く経営環境は非常に厳しい状況にあります。
このような経営環境の変化に対しては、収益改善対策の実行が急務であり、2022年度の重点課題として「石炭使用量削減の加速」、「洋紙事業の構造改革」、「Opalの収益改善」に取り組みます。まずは、燃料転換や省エネの推進に加え、休転集約などによる生産計画の最適化によって、石炭使用量の削減を加速させます。同時に、生産品目の絞り込みなどによる生産効率の最大化や各種製品の更なる価格修正によって、洋紙事業の収益構造改革を進めます。また、Opalにおいては追加の価格修正や原価改善の実施に加え、パッケージ一貫体制の強化によって収益拡大を実現します。
上記の重点課題に加え、成長事業の拡大や新規事業の早期戦力化、温室効果ガスの削減といった重要な経営課題への対応も加速させ、中期経営計画2025の目標の達成に向けて取り組んでいきます。
② 事業構造転換の加速
(イ)パッケージ
紙パック事業では、ストローレス学乳容器「School POP®」の環境性能と教育効果が高い評価を受け、170を超える区市町村に採用が拡がりました。また、「軽量口栓の装着」、「操作性向上」、「全自動洗浄」など、様々なニーズに対応可能な新型充填機(四国化工機株式会社と共同開発)の販売は、当初計画以上に拡大しています。2021年6月にはElopak社の一部株式を取得し、それ以降幅広く協議を重ね、2022年に入って包括的協業に関する覚書やオセアニア地域におけるライセンス契約を締結しました。今後も同社との連携をさらに深め、国内外での新たなビジネスチャンスを追求していきます。
海外事業は、Opalが、新型コロナウイルス感染症や物流混乱の影響を大きく受けましたが、旧オーストラリアンペーパー社とオローラ社から買収した板紙・パッケージ事業のシナジー効果は、ほぼ計画通りに発現しました。また、伸長が見込まれる豪州段ボール需要を取り込み、加えて原紙から製品までの一貫体制を更に強化するため、豪州ビクトリア州において新たな段ボール工場を建設する計画です。今後は、オセアニア地域での需要に対応した生産体制を構築し、収益拡大を図ります。
北米の日本ダイナウェーブパッケージング社では、ドライパルプマシンなどの設備投資が効果を発揮し、パルプ価格の高騰という追い風によって利益拡大につながりました。欧州の十條サーマル社をはじめとする他の海外拠点においても、環境配慮型の様々なパッケージ製品を市場投入するとともに当社グループ各社との連携強化も進め、事業の拡大を加速させます。
(ロ)家庭紙・ヘルスケア
日本製紙クレシアでは、「長持ちロール」の省スペース化や持ち運びの便利さなどがお客様に支持され、包装フィルムや芯のゴミ減少、輸送効率向上によるCO₂削減にも寄与し、業界全体の長尺化の流れに先鞭をつけました。
また、富士工場に続き石巻工場でも洋紙設備の既存インフラを有効活用した新設備の稼働による事業の拡大を計画しています。価格修正やグループ内での融通パルプ使用拡大による収益向上も進めます。
(ハ)ケミカル・新素材
ケミカル事業では、機能性コーティング樹脂や高機能性セルロースの設備を2021年に増強し、今後の拡販に向けた供給体制が整いました。引き続き、需要動向を見据えたタイムリーな投資の継続と研究開発リソースの拡充により、お客様のニーズに的確に応える体制を確立します。
江津工場のCNF「セレンピア®」が多くのお客様に採用され、量産機のフル稼働化に目途が付いてきました。また、養牛用の高消化性セルロース「元気森森®」や抗菌・抗ウイルス性能を付与した製品など、セルロースを起点とした新たな製品開発を幅広く進め、社会課題の解決にも寄与する製品を提供していきます。
これらの製品を早期に事業化するために、既存事業の人材再配置を含めた開発・製造・販売体制の強化に加えて、共同開発企業との外部連携や行政・大学等の研究機関を交えた枠組み作りも積極的に進めます。
(ニ)エネルギー・木材
2023年1月に、勇払エネルギーセンター合同会社が国内最大級のバイオマス専焼発電設備(75MW)を稼働する予定です。カーボンニュートラル社会の構築に向けた再生可能エネルギーの利用拡大を進めるとともに、当社グループの持つ国産材集荷網や海外のバイオマス燃料調達機能をフル活用した燃料供給ビジネスの拡大も図ります。
(ホ)紙・板紙
新聞・印刷・情報用紙などのグラフィック用紙は需要の回復が見込めないことから、引き続き需要減少を先取りした生産体制再編成に取り組みます。併行して、岩国工場のケミカル事業や富士工場の家庭紙事業のように工場の多様化を進める中で、当社の得意とする木質資源の活用をベースとした新たなセルロース事業の立上げを推進します。
一方で、板紙や包装材料に紙器原紙なども加えた広義のパッケージ系品種の需要は比較的堅調です。紙の持つリサイクル性や生分解性という特長を生かして新たなニーズを発掘し、「紙でできることは紙で。」をテーマに様々な用途への展開を図り、環境に優しく豊かな暮らしに貢献する製品を創り出していきます。
③サステナビリティ経営の推進
当社グループは、社会や環境の持続可能性と企業の成長をともに追求するサステナビリティ経営を推進しています。
(イ)温室効果ガス削減
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、2030ビジョンでは「温室効果ガス排出量(2013年度比)45%削減」を掲げています。さらに、環境意識の高まりなど社会情勢の変化を踏まえ、温室効果ガス削減目標の達成前倒しや削減量の上乗せを検討します。引き続きバイオマス燃料などの活用を推進するとともに、脱石炭を軸としたエネルギー構成の見直しも進め、石炭使用量の大幅削減を目指します。また、NEDOによるCO₂分離回収技術に関する調査事業を受託するなど、脱炭素社会の実現に貢献しています。
(ロ)グリーン戦略
森林価値の最大化と木質資源を利用した製品の拡大によって、循環型社会構築と事業基盤強化の両立を目指します。育種・増殖技術の活用による森林の生産性向上やエリートツリーの普及については、自社林だけでなく他社の森林の生産性向上にも寄与することを目指しており、2022年3月には丸紅株式会社とインドネシア植林事業における戦略的パートナー契約を締結しました。また、生物多様性の保全や水資源の確保などによる公益的機能の発揮、国内社有林の活用を通じた林業の活性化にも取り組みます。
さらに、今後のカーボンクレジット市場創設に向け、森林のCO₂吸収源としての価値創出についても、行政や森林保有企業などと連携を強化していきます。
(ハ)製品リサイクル
これまで再資源化が困難であった紙コップや紙パックなどの未利用古紙を活用するため、2022年9月に富士工場に再資源化設備を導入する予定です。本設備を紙容器リサイクル事業の拠点として、リサイクルチェーンの構築を進めていきます。
また、広島県大竹市や熊本県八代市と連携した古紙リサイクルの輪を拡げ、長期にわたる安定的な資源調達を目指すとともに、総合的なリサイクルシステムを構築していきます。
(ニ)人材リソースの最大活用
当社グループでは人材リソースの最大活用に取り組んでいます。国内の人口減少や少子高齢化をはじめとした人材を取り巻く環境変化に対応し、働き甲斐や働きやすさ、女性活躍を含めたダイバーシティの推進、シニア世代も活躍できる安全な職場づくりなど、エンゲージメントの強化を進めると同時に、事業構造転換の加速に必要な人材の再配置を円滑に進めるため、組織や管理体制を見直していきます。
中期経営計画2025の目標達成には、成長事業での収益拡大とセルロースを活用した新規事業の早期戦力化が不可欠です。投資については、事業構造転換の加速に必要な投資を厳選し、財務規律も十分に考慮して進めていきます。
また、資金のみならず当社グループの人材・資産を含むリソースを成長分野へ積極的に振り向けることで、グループ全体の事業価値最大化を追求し、ステークホルダーへの多様な価値提供を実現することによって、永続的に社会から必要とされる企業として持続可能な社会の構築に貢献していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。ただし、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外も存在し、それらのリスクが影響を与える可能性があります。また文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(リスク管理体制)
当社は、取締役会の監督のもと、代表取締役社長を責任者とするリスクマネジメント委員会を設置しています。当社グループの経営におけるリスク発生防止と実際にリスクが発生した場合の影響を最小限にとどめることを目的として、リスクマネジメント規程と危機対策規程を定め、平常時と緊急時の両面で対応することとしており、リスクマネジメント委員会では、当社グループのリスクを定期的に洗い出し、評価、防止対策及び発生時の対策を検討・審議し、取締役会に報告します。
<リスクマネジメント体制>

(1) 経営戦略に関する重要なリスク
① 事業構造転換・新規事業創出遅延に関するリスク
当社グループの事業の1つである洋紙事業はIoTやDX、また新型コロナウイルスによるパンデミックの影響を受けて市場縮小の傾向が続いており、生活関連事業等の成長事業への経営資源のシフト、新規事業・新製品の早期戦力化を進めています。これらが予定通り進捗しないことにより、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。主な取り組みとしては、容器包装を中心としたプラスチック代替となる紙製品の開発、CNFをはじめとする木質バイオマスの利用拡大、成長事業への投資や人材の再配置、海外事業の拡大等になりますが、これらを計画通り進め、収益の向上に努めていきます。
特に海外事業については、グループとして成長していくため、これまで以上に海外展開の速度を速めています。当社グループは、北米・南米・北欧・東南アジア・豪州等で、紙・パルプの製造販売、植林等の海外事業展開を行っており、既存事業とのシナジー効果発現を目指しています。なお、海外における事業展開には、現地政府による法規制の変更、労働争議の発生、政情不安に伴う経済活動への影響等のリスクが内在しています。このため外部法律事務所と情報を共有し適切に対応することでリスクの未然防止に努めています。
② 気候変動に関するリスク
当社グループは、製造工程で多くのCO₂を排出しており、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにする目標に向けて、カーボンプライシングや排出権取引がより本格的に導入されることになった場合、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。政府動向や世界情勢を見ながら、事業へのインパクトを分析し、再生可能エネルギーへの燃料転換といったエネルギー構成の見直しや省エネルギー対策を進めてGHG排出量を削減していきます。また当社グループの基盤として国内外で保有する森林資源があり、これら森林の生産性を向上させる等の森林価値の最大化も積極的に行います。
③ 製品需要及び市況の変動リスク
当社グループは、紙・板紙事業をはじめ、生活関連事業、エネルギー事業、木材・建材・土木建設関連事業等を行っています。これらの製品等は経済情勢等に基づく需要の変動リスク及び市況動向等に基づく製品売価の変動リスクを負っており、その変動により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
特に、コロナ禍における生活様式の変化により、市場の縮小傾向が大きい洋紙事業については、生産体制の再構築を行い、市場に見合った生産量にする取組みを行うとともに、需要増が見込まれる生活関連事業への投資等を実施しています。
④ 原燃料調達や海外輸送に関するリスク
当社グループは、主としてチップ、古紙、重油、石炭、薬品などの原燃料を購入して製品を製造・販売する事業を行っています。そのため国際市況及び国内市況による原燃料価格の変動リスクを負っており、その変動により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。また新型コロナウイルス感染症拡大を発端とした世界的なコンテナ輸送能力不足や港湾労働者・トラックドライバー不足、さらには環境問題対応によるクリーンエネルギーの使用や原燃料価格上昇の価格転嫁のため、海上運賃の高騰や納期遅延が発生しており、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。原燃料の中にはリスクヘッジのため予約購入のスキームを設定し運用する等対策をしているものもあります。また、安定調達のため船会社との良好な関係を構築するとともに、必要に応じて、他社との共同輸送、共同調達の検討や長期契約や複数社・複数地域からの購買等を進めており、適正な在庫管理や融通を行っています。
(2) 事業環境及び事業活動に関するリスク
① 生産設備に関するリスク
当社グループは、主として需要と現有設備を勘案した見込生産を行っていますが、設備トラブルや火災により生産設備の稼働率が低下した場合などに製品供給力が低下するリスクを負っており、その変動により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。生産設備について定期的な点検を行い、脆弱箇所を計画的に更新する老朽化対策工事等を行っています。
② 自然災害及び感染症等のリスク
当社グループの生産及び販売拠点周辺で地震や大規模な自然災害が発生して生産・販売等の事業活動に影響を及ぼした場合、生産停止による機会損失、設備復旧のための費用、製品・商品・原燃料への損害などにより、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。当社グループでは、危機対策規程により緊急時には危機対策本部を立ち上げ、従業員や家族の安否確認、自社や顧客の被災状況の把握、顧客企業への供給継続のための対応を図ります。また緊急事態への対応のためBCM(事業継続マネジメント)を整備し、主要品種の生産拠点の複数化や、災害を想定した訓練等を行っています。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、消費者行動の変化、従業員感染による製造ラインの停止リスクや風評被害、原燃料調達への影響等、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。当社グループは、新型コロナウイルス感染症対策事務局を設置し、グループの状況把握とともに、社員の感染防止と事業継続の観点から当社グループのガイドラインを作成し、各部門で対策を講じています。また必要に応じて対策本部の立ち上げを行う体制を準備しています。
③ 環境法令関連のリスク
当社グループは、各種事業において環境関連の法規制の適用を受けており、これらの規制の変更・改正によって、生産活動が制限されたり、追加の費用が発生することにより、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
④ 人材確保及び労務関連リスク
当社グループは、人材戦略を事業活動における重要課題の一つとして捉えており、今後の事業展開には適切な人材の確保・育成が必要と認識しており、適切な人材を十分に確保できなかった場合、当社グループの事業遂行に制約を受けることにより、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、労務関連の各種コンプライアンス違反(雇用問題、ハラスメント、人権侵害等)が発生した場合、訴訟や当社グループの社会的信頼喪失により、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
多様な人材の積極的な採用や育成、働き方の柔軟性・多様性を前提とした職場環境の整備等を通じて最適かつ効率的な人材の確保に努めており、従業員エンゲージメント向上施策として、2022年度より育児等のライフイベントと仕事との両立支援を中心とした社内制度の見直しを実施しました。
また当社グループは、全事業所で安全最優先での操業に努めていますが、労働災害の発生は、労働者の健康や人命が失われる重大なリスクであり、災害内容によっては企業としての管理責任を問われ、設備停止の可能性もあります。労働災害を防ぐため独自の労働安全衛生マネジメントシステムを運用し、事業所毎に具体的、継続的かつ自主的な活動を安全衛生計画として組み込み、労働災害の防止と労働者の健康増進、快適な職場環境など安全衛生水準の向上に努めています。
⑤ 製造物責任に基づくリスク
当社グループは、製品について製造物責任に基づく損害賠償を請求される対象であり、現在のところ重大な損害賠償請求を受けていませんが、将来的には直面する可能性があります。製造物責任にかかる保険(生産物賠償責任保険)を付保していますが、当社グループが負う可能性がある損害賠償責任を補償するには十分でない場合があります。当社グループではグループ製品安全委員会を設置し、グループ各社の製品安全リスクの監督、支援を行うとともに、主要製造会社はそれぞれに製品安全委員会を設置し、製品安全活動を推進しています。
⑥ 訴訟等のリスク
当社グループは、業務の遂行にあたり法令遵守などコンプライアンス経営に努めていますが、国内外の事業活動の遂行にあたり、刑事・民事・租税・独占禁止法・製造物責任法・知的財産権・環境問題・労務問題等に関連した訴訟等のリスクを負っており、その結果、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。特に環境意識の高まりにより、森林資源の利用については地域住民への配慮や生物多様性の調査等を行っています。またコンプライアンスの遵守はグループ行動憲章にも掲げており、従業員に対し周知・研修活動を通じてコンプライアンス意識の喚起を行っています。
⑦ 情報システムに関するリスク
当社グループは、情報システムに関するセキュリティを徹底・強化し、また急速に普及した在宅勤務環境においても十分な情報セキュリティ対策を講じていますが、今後、コンピュータへの不正アクセスによる情報流出や犯罪行為による情報漏えい、業務遂行妨害等問題が発生した場合には、損害賠償請求や当社グループの社会的信頼喪失、業務停止等により、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。情報セキュリティに関しては時流に合わせた防衛システムの導入や従業員教育を行い、個人情報については「個人情報取扱規則」を定め、全役員、全従業員及び関係取引先への周知をはかるなど、管理体制を強化しています。
⑧ 為替レートの変動リスク
当社グループは、輸出入取引等について為替変動リスクを負っています。輸出入の収支は、チップ、重油、石炭、薬品などの原燃料の輸入が、製品等の輸出を上回っており、主として米ドルに対して円安が生じた場合には経営成績にマイナスの影響を及ぼします。なお当社グループは、為替変動による経営成績への影響を軽減することを目的として、為替予約等を利用したリスクヘッジを実施しています。
⑨ M&Aや業務提携に関するリスク
当社グループは、新たな事業機会の創出により持続的成長を実現するため、M&Aや業務提携等を行うことがあります。これらの実施にあたっては、事前に事業戦略や相乗効果を十分吟味のうえ実施を決定し、実施後は、最大の効果が得られるよう経営努力をしています。しかし、事業環境等の変化により、当初期待した成果をあげられない場合には、経営成績や財政状態等に影響を与える可能性があります。
(3) 財務・会計リスク
① 株価の変動リスク
当社グループは、取引先や関連会社等を中心に市場性のある株式を保有しており、株価の変動により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。このため保有株式の定期的な株価のモニタリングを行うことにより、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性を察知しています。
② 金利の変動リスク
当社グループは、有利子負債などについて金利の変動リスクを負っており、その変動により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。当社では、長期借入金の固定金利借入の比率を一定水準以上に保っています。また、返済年限の分散化、調達の多様化に加えて金利スワップなどの金融商品を利用すること等により、金利変動リスクへの対応を行っています。
③ 信用リスク
当社グループは、与信管理規程に従い取引先の財務情報等を継続的に評価し、与信限度を設定するなど信用リスクに備えていますが、経営の悪化や破綻等により債権回収に支障をきたすなどの事象が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損リスク
当社グループは、生産設備や土地をはじめとする固定資産を保有しています。事業環境等の変化により当該資産から得られる将来キャッシュ・フローが著しく減少した場合、減損損失が発生し、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
⑤ 退職給付債務に関するリスク
当社グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率等の数理計算上の前提に基づいて算出していますが、数理計算上の前提を変更する必要が生じた場合や株式市場の低迷等により年金資産が毀損した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
⑥ 繰延税金資産の取崩しリスク
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を見積った上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しています。しかし、事業環境等の変化による課税所得の減少や税制改正等により回収可能性を見直した結果、繰延税金資産の取崩しが発生し、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
当期におけるわが国の経済は、持ち直しの動きが続いており、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が緩和されつつあります。先行きにつきましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期がいまだ見通せないことに加え、ウクライナ情勢を受けた原燃料価格の高騰や円安の急激な進行など、なお不透明な状況が続いています。
このような状況の中、当社グループは、2030年に目指す姿とその達成に向けた経営課題を明らかにしたガイドラインである「2030ビジョン」を策定しました。『木とともに未来を拓く総合バイオマス企業として持続的な成長を遂げる』を目指す姿として「成長事業への経営資源のシフト」、「CO₂削減、環境課題等の社会情勢激変への対応」を基本方針としています。また、その実現に向けた前半の5年間(2021~2025年度)に実行する計画として「中期経営計画2025」を策定しました。『事業構造転換の加速』を基本戦略に掲げ、「成長事業への経営資源シフト」、「新規事業の戦力化加速」、「基盤事業の競争力強化」の3つを重点課題に取り組んでいきます。
当期におきましては、特にグラフィック用紙の需要減少への対応として、釧路工場の紙・パルプ事業からの撤退を計画通り完了しました。また、新たに2022年5月末をもって石巻工場N6抄紙機を停機することを決定しました。
連結業績につきましては、売上高は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞に伴い前第1四半期において主に印刷用紙の需要が大幅に落ち込んだ反動や、2020年4月末の豪州・ニュージーランドでの板紙パッケージ事業の譲受けなどにより、前期に比べ増収となりました。一方、営業利益は、前期において豪州・ニュージーランドでの板紙パッケージ事業の譲受けに係る印紙税など一過性の取得関連費用6,053百万円の計上はあったものの、新型コロナウイルス感染症により停滞していた世界経済の回復や当期末のウクライナ情勢の緊迫化に伴う世界的な原燃料価格の高騰などにより、前期に比べ減益となりました。結果は以下のとおりです。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 会計方針の変更」に記載のとおり、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しています。このため、前期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いています。
各セグメントの経営成績は、以下のとおりです。
(紙・板紙事業)
新聞用紙は、発行部数の減少に加え、2021年2月及び2022年3月に発生した福島県沖を震源とする地震の影響で岩沼工場の抄紙機の一部が操業を停止したことにより、国内販売数量は前期を下回りました。印刷用紙は、前第1四半期に需要が大きく落ち込んだ反動により、国内販売数量は前期を上回りました。
板紙は、工業製品向けなどの需要の回復に加え、加工食品や通販・宅配向けなどが堅調に推移したことにより、国内販売数量は前期を上回りました。
(生活関連事業)
家庭紙は、2020年10月に特種東海製紙株式会社の100%子会社である株式会社トライフと営業統合を行ったことにより、売上高は前期を上回りました。
液体用紙容器は、給食牛乳向け容器の需要が回復したものの、家庭用牛乳向け容器が前期に需要が増加した反動に加えて、天候不順などによりジュース向け容器も伸び悩み、販売数量は前期を下回りました。
溶解パルプ(DP)は、市況の回復に伴い、販売数量は前期を上回りました。
海外事業は、2020年4月末の豪州・ニュージーランドでの板紙パッケージ事業の譲受けにより、売上高は前期を大きく上回りました。
(エネルギー事業)
エネルギー事業は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)における激変緩和措置が終了したことなどにより、売上高は前期を下回りました。
(木材・建材・土木建設関連事業)
木材・建材は、世界規模での木材の供給不足と価格高騰に加えて、新設住宅着工戸数が増加に転じたことなどにより、売上高は前期を上回りました。
(その他)
(2) 財政状態
総資産は、前連結会計年度末の1,547,326百万円から91,959百万円増加し、1,639,286百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が67,111百万円、棚卸資産が17,105百万円、投資その他の資産が16,245百万円増加した一方、有形固定資産が7,023百万円減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末の1,122,605百万円から78,076百万円増加し、1,200,682百万円となりました。この主な要因は、手元資金の流動性を確保するため、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行等を行ったことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末の424,721百万円から13,882百万円増加し、438,604百万円となりました。この主な要因は、為替換算調整勘定が14,894百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、136,216百万円となり、前連結会計年度末に比べ66,517百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、前連結会計年度に比べ11,819百万円減少し、72,378百万円となりました。この主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,797百万円、減価償却費66,549百万円、運転資金の増減(売上債権、棚卸資産及び仕入債務の増減合計額)による収入9,821百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ121,698百万円増加し、61,247百万円となりました。この主な内訳は、固定資産の取得による支出59,683百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得た資金は、前連結会計年度に比べ59,381百万円減少し、54,314百万円となりました。この主な内訳は、有利子負債の増加による収入と配当金の支払による支出です。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料や燃料購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。また設備投資資金の主なものは、新規事業への投融資及び設備投資、既存事業の収益向上や操業安定化等を目的としたものです。
今後も引き続き成長分野や新規事業へ積極的に投資を行っていく予定であり、その必要資金については、自己資金と外部調達との適切なバランスを検討しながら調達していきます。
なお、長期借入金、社債等の長期の資金調達については、事業計画に基づく資金需要や既存借入の返済時期、金利動向等を考慮し、調達規模や調達手段を適宜判断し、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)により当社グループ内での余剰資金の有効活用を図り、有利子負債の圧縮や金利負担の軽減に努めています。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。
(6) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)木材・建材・土木建設関連事業、その他は、生産高が僅少であるため、記載を省略しています。
② 受注実績
当社グループは主として需要と現有設備を勘案した見込生産のため、記載を省略しています。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しています。
該当事項はありません。
当社グループでは、「総合バイオマス企業」への事業構造転換、基盤事業の競争力強化のため、新規事業の早期創出とパッケージ事業、家庭紙・ヘルスケア事業、ケミカル・新素材事業やエネルギー・木材事業等の成長分野の拡大、洋紙・板紙の収益力向上に貢献する研究開発のスピードアップを図りながら進めています。今後、グループ内の研究資源を最大限に活用し、社内外との連携を密にしてオープンイノベーション等を推進して研究開発を進めていきます。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、
国内市場の成熟化と海外市場の成長、深刻化する地球環境問題等の様々な課題に対峙するため、基盤技術研究所、富士革新素材研究所及びパッケージング研究所が中心となり、以下のような取り組みを行っています。当事業に係る研究開発費は
事業活動の基幹となる原材料確保のため、自社植林木の生産性向上を目指し、技術開発を積極的に進めています。特にブラジルにおいては、ユーカリの育種と植林地の管理技術向上により、単位面積当たりの収穫量は年々増加しています。さらなる生産性向上を目指し、DNAマーカー選抜を始めとする最新技術の導入も推進しています。また、こうした当社の独自技術を活用し、他社と戦略的パートナーシップ契約を締結し、インドネシアの植林事業会社の植林木の生産性向上に取組むこととしました。一方、国内においては、CO₂吸収能力が高く成長に優れ、花粉量が少ない等の特徴を持つエリートツリーの苗木生産事業を全国で展開しています。
洋紙及び板紙の競争力強化のため、新製品開発や需要家のニーズに応えた品質改善を継続します。また、製造工程の操業性改善をより効率的に行うために、生産現場とより密接に連携を図りながら品質向上とコストダウンの技術開発を迅速に進めています。
収益改善に資する技術開発として、安価材料の利用技術の開発、自製填料の高度利用技術の開発等の独自技術開発も推進しています。
「総合バイオマス企業」としての新規事業創出については、木材をベースとした新素材、パッケージ等のプラスチック代替新規紙材料の開発やセルロースナノファイバー、バイオリファイナリー等に関する研究開発に取り組んでいます。
新素材としては、無機物の特徴・特性を備えた機能性材料ミネラルハイブリッドファイバー(ミネルパ®)を2018年10月に設置した実証生産設備(富士)による事業化に向けた本格的なサンプル供給を行い、さらなる用途開発を推進し、商品化を進めています。2020年度に「消臭抗菌」の機能を持つミネルパが採用となりましたが、2021年度は「消臭抗菌」、「難燃」、「X線遮蔽」等の各機能を持つミネルパの採用拡大を目指して、サンプルワークを加速しています。
木材を原料とする養牛向けの高消化性セルロース(元気森森®、にんじん森森®)については、民間の牧場で乳牛の乳量増加効果、繁殖成績の向上に加え、和牛の繁殖用母牛でも健康増進効果が確認され始めました。2021年度は、パルプを牧草と同様に「ロールベール形態(ロールケーキ姿)」へ加工する装置を岩沼工場に設置し、牧場側で扱いやすい形態でのサンプル提供体制を整え、有償サンプルワークの展開を進めています。
パッケージ等のプラスチック代替新規紙材料については、当社の塗工技術を活用し、紙にバリア性を付与した紙製バリア素材「シールドプラス®」、プラスチックフィルムを貼合することなく “紙だけでパッケージができる”ヒートシール紙「ラミナ®」の開発を推進しています。「シールドプラス®」は2020年度に耐屈曲性を向上したリニューアル品を上市、これに伴いスタンドパウチなど新たな形態での採用も増えています。さらにシールドプラスと、生分解性樹脂を組み合わせた包装材についても採用が決定しています。「ラミナ®」についても2020年の販売開始以降、脱プラスチックを可能とする素材としてバリア性を必要としない食品、化粧品、日用雑貨等の二次包装材として採用が進んでいます。当社グループの拠点があるフィンランドにおいても開発を行い、2021年9月より3グレートの販売を開始し、環境対応が求められる包装市場における新たな環境配慮型包装材として、国内外への提案を進めています。また、防水性、防湿性、防油性を有し、かつリサイクルが可能な多機能段ボール原紙「防水ライナ」を開発しました。「防水ライナ」を用いて製造した段ボールケースは防水性等を活かし、箱の形状を工夫することで、発泡スチロールと同様に氷詰めした水産・青果物の輸送を可能にしました。現在、各段ボールメーカー、代理店と協力し、魚箱用途をはじめとしたユーザーへの展開を図るとともに、ユーザーでの加工効率向上に向けた生産体制拡充を進めています。
プラスチック使用量削減については、耐熱性・粉砕性・疎水性に優れた木質バイオマス材料を樹脂に高配合したトレファイドバイオコンポジットを開発しました。トレファイドバイオコンポジットはプラスチック使用量を5割以上削減できるとともに、温室効果ガス削減にも寄与します。建材や食品容器等の様々な分野への利用が期待できます。また、セルロースパウダーと樹脂を複合化したセルロースバイオコンポジットも開発しました。当社が培ってきたセルロースパウダー技術を活用し、従来の製品よりも強度や成形性に優れています。
セルロースナノファイバー(セレンピア®)については、2017年度に設置した量産設備(石巻、江津)及び実証生産設備(富士)の稼働により、用途に応じたCNF製造技術と本格的な供給体制を確立し、CNFの市場創出を推進しています。化粧品や食品用途分野で採用が大幅に増えています。2021年度は他社とのコラボレーションによる「セレンピア®」配合のエシカルスキンケアブランド「BIOFEAT.」を立ち上げました。また、金属イオンを担持させた変性セルロースを用いて抗ウイルス性を有した不織布や印刷用紙等の製品開発を行っています。2021年度は銅イオンをプラスした変性セルロースを使用した機能性シート(抗ウイルス・抗菌・消臭・抗アレルゲン)を用いた医療用マスク 「Cu-TOP(シー・ユー・トップ)サージカルマスク」が販売開始となりました。
熱可塑性樹脂中にCNFを強化剤として均一分散・配合するCNF強化樹脂(セレンピアプラス®)は、実証生産設備(富士)によるサンプルワークを進め、自動車部品や住設機器の部材用への採用を目指し、研究開発を実施中です。「セレンピアプラス®」は、2021年度に富士市CNFブランド認定を取得しました。
NEDOプロジェクトへの参画も積極的に展開し、CNF配合タイヤの開発とCNF強化樹脂開発の案件で助成事業に採択され、研究開発のさらなる加速を目指します。また、2021年度には環境省補助金事業「革新的な省CO₂実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速事業」申請が採択され、3Dプリンターを導入して成型樹脂材料の開発を進めています。
バイオリファイナリーについては、引き続きセルロース、リグニン等の木材成分の高度利用技術の開発を推進しており、共同開発を進めている「クラフトリグニンのアスファルト利用に関する研究」がNEDO戦略的省エネルギー革新プロジェクトに採択されています。
(2) 生活関連事業
液体用紙容器については当社が、各種化成品については当社及び株式会社フローリックが中心となって研究開発を行っています。当事業に係る研究開発費は
液体用紙容器の分野については2020年末に採用されたストローレス対応学校給食用紙パック「School POP®」の全国展開を推進しています。さらに、固形物入り飲料が充填可能な新アセプティック充填システム「NSATOM®(えぬえすアトム)」の最終検証を終え、拡販に向けデモンストレーション運転が可能となりました。非飲料分野向けの差し替え式紙容器「SPOPS®」及び消毒剤用特別仕様「SPOPS® Hygiene」に対応する高速充填機(UP-MX20)を開発し、委託充填メーカーに設置済で、ブランドオーナーへの拡販を推進しています。引き続き環境と衛生性、ユニバーサルデザインに配慮した製品及びシステム(充填機等)の開発を推進していきます。
化成品の分野につきましては、自動車プラスチック部材用プライマー、インキ添加剤等の機能性コーティング樹脂及び合成系水溶性高分子、飼料用酵母等の機能性化成品の新製品開発を行い、製品化しました。機能性フィルムではスマートフォン、タブレット端末等の中小型ディスプレー用途や車載ディスプレー用途のハードコートフィルムを開発し、製品化しました。さらに、クリーン精密塗工及びハードコート技術を応用した新製品開発に取り組みました。
エネルギー事業に係る技術開発として、木質バイオマスを半炭化(トレファクション)して得られる新規固形燃料について事業化を検討しています。また、紙の製造工程で発生する廃棄物を使用した燃料の利用も検討しています。さらに、当事業のCO₂削減も検討しています。当事業に係る研究開発費は
該当事項はありません。
金額が僅少であるため、記載を省略しています。