文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
(経営方針)
当社が支援する医療機関は、社会の重要なインフラとして不可欠な役割を担っています。しかしながら、現状の経営環境は極めて厳しく、さまざまな課題に直面しています。人手不足や高齢化、後継者問題、建築コストの上昇などが経営の大きな負担となっており、加えて、2025年以降のコロナ緊急融資の返済開始により、さらに経営状況が悪化するリスクが高まっています。これにより、医療機関が安定的に運営を続けることが一段と困難になる見込みです。こうした厳しい状況の中で、当社が提供する医療経営総合支援事業に対するニーズは一層高まっています。医療機関だけでなく、それを金融面から支える金融機関などからの問い合わせも増加しており、当社への期待と信頼の高まりを強く感じております。私たちは、医療機関という社会基盤を支える責任を自覚しつつ、社会保障費の公平な負担と適正な配分という大きな社会課題にも積極的に取り組んでいます。
当社グループでは、医療分野における課題解決に向けた明確なビジョンとミッションを掲げて事業を推進しています。私たちは、医療評価基準を従来の安全性・コスト・効果といった医療従事者の視点だけでなく、患者にとっての価値基準を重視するValue Based Healthcare(VBHC)の考え方に基づき、「患者価値を最大化」することを最優先事項としています。この取り組みを通じて、医療に関わるすべての関係者(ステークホルダー)の利害衝突を解消し、相互連携を促進することで、全体最適による効率化を実現することを目指しています。私たちは、この取り組みを「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」というミッションに掲げています。また、ヘルスケア分野に関わる関係者および機関が互いに協力し合い、健全で持続可能な好循環を生み出すことを「ヘルスケアの産業化」と表現しています。このビジョンのもと、私たちは医療費や社会保障費の適正な配分の実現に向けて、企業経営を通じて貢献してまいります。
(経営戦略)
医療経営総合支援事業セグメントでは、当社グループの支援を必要とする全国の医療機関(主として病院)向けに徹底した伴走型・現場重視の総合支援サービスを提供し、当中間連結会計期間末時点では24病院を支援しております。今後も支援先医療機関(以下、提携医療法人)数の拡大を実現すべく、全国の地方銀行を中心としたネットワークを構築し、各ルートからの1st Call先としての継続的な認知度向上に取り組んでおります。また、提携医療法人への総合支援に留まらず、当社グループが長年の経営支援を通じて培ってきたケイパビリティとネットワークを活用し、提携医療法人に対する提供サービスを各種コンサルティングサービス(例:経営分析、人事制度構築支援、コンストラクションマネジメント等)として提携外の医療法人への提供も行っております。提携外の医療法人の外部コンサルティングニーズを受け入れ、医療機関経営層との接点を強化することは、提携医療法人数の拡大にも寄与してくるとも考えております。
更に、提携医療法人の総合支援サービスおよび外部医療法人へのコンサルティングサービスをプラットフォームとして、医療機関運営の業務効率化や生産性向上のためのDX化支援を展開し、支援先の医療法人が本来持ち合わせているポテンシャルを引き出すことで地域医療社会を構成する人々のQOL向上の実現を目指しております。DX化支援においては、当社が開発・提供する「ユカリアタッチ」のほか、当社アライアンス先の企業のサービスを提案・導入する活動も行うことで顧客の課題解決に取り組んでおります。多くの医療現場と接点を持つ当社とのアライアンスを希望する外部企業は多く、当社グループとしては自社サービスに加え、今後も外部企業とのアライアンスを積極的に行い、提供サービスのラインナップ拡充と収益機会の拡充を目指す方針です。
こうした顧客ターゲットに合わせて複層的にサービス提供し、課題解決範囲を拡大していく上記方針を図示すると以下の通りです。
図 顧客ターゲットと提供ソリューション

シニア関連事業セグメントでは、入居者の事情に合わせた住まいを提供する高齢者向け介護施設「クラーチ」の運営と入居相談・施設紹介サービスを中心とした、施設紹介から介護・生活支援に至るまで、入居者及びそのご家族が抱える不安や悩みをワンストップで解決するシニアライフトータルサポートを展開しております。今後益々高齢化が進み、こうしたサービスの需要はさらに高まっていくことが想定される中、施設運営事業者と周辺サービス事業者、双方の目線から超高齢社会におけるニーズをいち早く察知し、サービス品質の向上・サービスラインナップの拡充へと活かすことで、社会課題の解決に寄与してまいります。なお、入居相談・施設紹介サービスは、当社グループ運営施設を含む全国9,000施設以上の介護施設と提携しており、当社グループの介護施設で対応することが困難な場合にも皆さまのニーズに対応できる体制を構築しております。今後は引き続き、入居相談・施設紹介サービスを中心とし、入居相談員の増強や未出店エリアへの展開、サービスラインナップの拡充を進めてまいります。
高度管理医療機器事業セグメントでは、当社子会社である株式会社シンシアにおいて、高度管理医療機器であるコンタクトレンズの製造・販売を中心とした事業展開を行っております。コンタクトレンズの製造・販売においては原材料高騰や継続する円安環境など先行き不透明な経済情勢はありつつも、主力商品であるシリコーンハイドロゲルレンズ「シンシアSシリーズ」を中心に、消費者ニーズに応えた製品を展開してまいります。加えて、2023年からは新たにコンサルティングサービスを開始しております。自由診療クリニック運営・薬事・小売店向けシステムといった新領域に対し、高度管理医療機器であるコンタクトレンズの「製品開発・製品設計・承認取得・輸出入実務・マーケティング」までを手掛けてきたノウハウを活かし、コンサルティングサービスを拡大させていくことで、当セグメント全体の事業成長を加速させてまいります。
その他事業セグメントでは提携医療法人および提携外医療法人の匿名加工された電子カルテデータを独自のアルゴリズムで解析した100万件以上の治療経過データで構築されるデータレイクを活用し、データサイエンティストによる治療経過データ解析から導かれる情報を基にしたMR(Medical Representatives)教育研修ソフトの提供のほか、製薬企業向け営業活動における総合支援(戦略立案から実行まで)を展開しております。医療経営総合支援事業において提携医療法人およびコンサルティングサービス提供先の医療法人との接点を増加させ、医療法人のデータ活用ニーズを引き出す機会も増えていくことでデータレイクの価値が向上し、クライアントである製薬企業等への提供価値も高まり、当社の将来における成長ドライバーとなるものと思料しております。
また、当社グループはこれまでに「㈱クラーチ(旧:㈱チャーミング・エイジ研究所)」や「㈱メディカル・アドバイザーズ(旧:ユナイテッド・ヘルスケア㈱)」、「㈱あいらいふ(旧:㈱ザップ)」など、M&Aを通じてヘルスケアバリューチェーンにおける事業領域の拡大と事業成長を実現してまいりました。M&Aは経営資源の獲得や事業の成長・領域の拡大を早期に実現可能であることから、成長戦略の1つとして位置付けており、今後も既存事業規模の更なる拡大と持続的な成長の柱となりうる新規事業領域への参入、有能な人材の確保等を目的として、M&Aや事業提携を推進する方針です。M&A実施においては、関連事業運営部門、ファイナンス部門、総務企画部門等の経験豊富なチームを編成してナレッジを集結し、円滑かつ効果的なM&Aの実現を進めてまいります。さらに統合プロセスであるPMI(Post Merger Integration)についても、過去のM&A等の実績から蓄積されたノウハウを活用することで、早期にグループ会社間のシナジーを創出し、グループ全体の事業成長を加速させてまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業規模と収益性を測るため、売上高、当期純利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題の改善に取り組んでおります。提携医療法人の経営の健全化に向けた総合支援を推進するうえで、あるいは介護施設の運営において、財務戦略は重要な比重を占めます。また、提携医療法人の経営の健全化において、当社と提携医療法人との不動産売買がソリューションの一つであることから、不動産売却にかかる収益を含めた収益力を測ることができる当期純利益を重要な指標としております。したがって、企業規模を示す売上高と総合的な収益力を示す当期純利益を重要な指標とし、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を推進しております。
なお、上記の通り当社の収益力を示す指標は売上高および当期純利益と認識しておりますが、正常収益力を示すEBITDAや、医療経営総合支援事業の進捗を示す提携医療法人(病院)数、シニア関連事業の進捗を示す入居斡旋件数、入居率等についてもモニタリング対象の指標としております。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍の収束に伴い経済活動の正常化が進み、全体としては内需主導で緩やかに回復する見通しで、好調な企業収益を起点に、物価の伸びを上回る賃上げや将来を見据えた設備投資等の前向きな支出が広がり、経済の好循環が実現すると見込まれています。
その一方で、医療・介護業界においては資源価格や為替の変動による物価上昇、慢性的な人手不足問題とそれに伴う人件費の高騰などが業界へ与える影響は大きく、加えて2024年からは医師を中心とした医療従事者の働き方改革が求められるなど、医療・介護業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。
(医療経営総合支援事業)
こうした経済環境の中、当社グループが支援する医療関連業界における医療機関の経営実態は、厳しい状況が続いており、本業の収益を示す医業利益ベースでは72.8%の医療機関が赤字経営であり、経常利益ベースでもコロナ禍における国等からの補助金を除くと60.1%の医療機関が赤字経営を強いられている現状にあります(※1)。 超高齢社会に対応するため、国の方針により医療機関の機能転換(急性期から回復期医療への転換)が求められており、診療報酬や薬価の改定、ここ数年に及ぶ新型コロナウイルス感染症の影響、医療従事者の維持・確保が困難な状況が継続している等により、医療機関は今後もますます厳しい環境下に置かれるものと考えております。高齢化の波は、医療関係者においても例外ではなく、後継者問題に悩む医療機関も増加しており、事業継続が危ぶまれる施設も多く存在しているものと考えております(※2)。さらに、近年の建築コストの上昇により、老朽化した医療施設の改修・建替え等の難易度も高まっております(※3)。
医療関連業界のこうした環境下において、当社グループが提供する医療機関への総合支援ニーズは、より一層高まっており、医療機関の経営上の課題解決・生産性向上による経営資源の最適化を推進しております。また、その一方で、医療従事者不足という足元の課題も解決する必要があり、採用支援ニーズも高まりを見せております。当社グループは、こういった医療機関からのニーズに対応し、経営を安定化することによって、患者及びご家族が安心して過ごすことのできる環境を整え、地域社会を構成する人々のQOL向上に資するべく、徹底した伴走型による各種サービスを提供しております。また、医療従事者の不足の解消・業務負荷の軽減といった課題を解決すべく、医療安全に配慮した業務効率や生産性の向上に資するDX化支援を推進しておりますが、特に提携医療法人から提供を受けた定量データ及び医療現場の定性データに基づく、外部展開可能な電子カルテデータベースを医療ビッグデータビジネスとして拡大していくことは、当社グループの成長ドライバーとして重要な課題と認識しております。
※1 一般社団法人日本病院会・公益社団法人日本病院協会・一般社団法人日本医療法人協会「2023 年度 病院経営定期調査 概要版-最終報告(集計結果)-」よりP7 医業損益への影響(全病院)を参照
※2 厚生労働省「令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」、日本医師会総合政策研究機構「医業承継の現状と課題」
※3 厚生労働省「病院の耐震改修状況調査」
(シニア関連事業)
介護業界におきましては、団塊の世代がすべて75歳以上となり、日本人の5人に1人が後期高齢者となる2025年を目前に控え、今後も益々高齢者が増加することに比例して、介護サービスに対する需要も拡大が見込まれます。一方で、異業種からの新規参入が増加しており、事業環境については、より競争激化の傾向にあります。さらに、介護従事者の雇用状況につきましては、厚生労働省発表の一般職業紹介状況(令和6年6月分)によると、 2024年6月の有効求人倍率(全国計・常用(パート含))は3.71倍と全職種平均の有効求人倍率(季節調整値)1.06倍を大きく上回っており、介護職員等の人材の確保が重要な課題となっております。
そのような状況下において、当社グループは、単にお客さまの要望に応えるだけでなく、より質の高いサービスの提供を心がけ、感動とサプライズを提供する介護施設の運営に注力し、ご入居者及びご家族のQOL向上に資する経営を推進しております。また、介護職員の処遇改善を行うとともに、施設の配置を見直し、業務効率を向上させるとともに働きがいのある職場環境の整備に取り組み、人材の確保及び定着に注力しております。
さらに、当社グループは自社保有不動産による介護施設の運営を行っておりますが、広く要介護者の相談を受け、入居相談者の要望に沿った最適な施設の紹介を行うことができるように、他社が運営する介護施設を紹介するサービスも行っております。介護を必要とするご入居者のみならず、そのご家族の悩みやご希望に沿った施設を紹介できるよう広く多くの介護施設と提携しながら、当社グループの介護施設で対応することが困難な場合にも対応できる体制を構築しております。
なお、入居相談・紹介サービスについては、第三者としての立場を維持し、成功報酬型によって、その公平性を担保しております。このように当社グループは、入居者相談から施設紹介、要介護者の受入・介護・生活支援までをワンストップでサービス提供することが可能であり、入居者とwin-winの関係を構築しながら機会損失を軽減するとともに、当社グループにおける事業シナジーを実現しております。今後益々高齢化が進むなかで、要介護者の数は増加する一方であり、こうしたサービスの需要は高まっていくことが想定される中、当社グループは入居相談・施設紹介サービスをますます強化して事業を展開しており、入居相談員の増強やエリア展開を進める等、順調にその領域を拡大しております。
(高度管理医療機器事業)
当社の子会社である株式会社シンシアにおいて、高度管理医療機器であるコンタクトレンズの製造・販売を行っておりますが、コンタクトレンズ業界におきましては、1日使い捨てタイプコンタクトレンズへのニーズのシフトが継続していることや近視人口の急激な増加・若年化が進んでいること、また、カラーコンタクトレンズ市場の拡大等もあり、コンタクトレンズ市場全体は緩やかながら成長基調にあります。
また、インターネットやスマートフォンによる通信環境の整備・高度化を背景に、利便性を求める最終消費者の方々のニーズが掘り起こされ、インターネット通販によるコンタクトレンズ購入割合が高まるという流通環境の変化が起きており、今後も流通環境は変化していくものと予測されます。
(その他事業)
当該事業では100万件以上の治療経過データを有するデータレイク/データウェアハウスを構築し、データ及びそれらから得られる示唆をサービスとして製薬会社へ提供しております。製薬業界のトレンドとして、各社毎にスペシャリティ領域を定め、開発リソースの選択と集中が進む中では、従来までの製薬企業および所属MRに対するマスマーケティングではなく、その分野で実績のある専門医に向けた効果的なアプローチや患者の個別ニーズを把握した上でのセグメントマーケティングが重要となります。
この点において、当サービスが強みとする医師所見や患者行動、看護記録等定性情報を含む治療実態を把握可能なテキストデータは活きるものと考え、営業活動を継続していく方針です。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記(1)に記載の経営戦略を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。
① 人材の確保、育成及び管理
当社グループが事業規模を持続的に拡大するためには、必要な人材を確保・育成する必要があります。提携医療法人への総合支援サービスを担うコンサルタント従業員、データ解析専門社員、介護施設運営にあたる介護従事者等の確保を進め、かつ専門性を高めて当社グループが提供するサービスの質の向上を図ることが重要と考えております。
採用面については、リファーラル制度を設置するとともに、新卒採用におけるプロジェクトチームを組成して各種施策を実施しています。リテンション率の向上については、当社グループのビジョン・ミッションを前提として研修や評価・表彰制度を設置しており、社員間交流を活性化する取り組み等を含め、各種制度により従業員満足度の向上に努めております。
② 従業員の専門性向上
当社グループが提供する提携医療法人への総合支援サービスにおいては、医療経営に関する専門的な知見を必要としており、質の高い徹底した伴走型経営支援を行い、提携医療法人の経営改善及び安定運営を実現しています。質の高い支援を実現するためには、当社従業員の専門性向上が必要不可欠であり、優秀な人材を数多く確保することが必要です。当社は、これまで培ってきた経営支援ノウハウをマニュアル化し、当社基準での標準モデルの設定を行い、専門性を高める取り組みを行っております。また、各支援先にて従業員が得たナレッジやノウハウを定期的に共有するカンファレンスを開催しており、全体レベルを向上する取り組みも推進しております。また、介護施設の運営においては、顧客に提供するサービスの質を最重要視しており、看護師、介護従事者等の専門性向上に注力しております。また、入社時研修やOJTに注力するとともに、資格取得者には手当制度を設置する等の取り組みを行っております。
③ M&A
当社グループは、ヘルスケア関連業界においてM&Aや資本提携等の手法を用いて企業価値を高めていくことを成長戦略の1つとして位置付けております。そのためには、潜在的なシナジーを有する対象会社のオリジネーション及びエクゼキューション、並びに適切な資金調達を行うことが必要です。当社グループは、ヘルスケア業界において幅広い人脈や豊富な知見を有する経営陣、M&A及びファイナンスに関して豊富な経験を有する役職員、各種関連領域の知見を有する豊富な人材・有資格者を擁しており、これらに対応してまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社グループが事業を継続し、ミッションを実現するためには、コンプライアンスを重視した経営を行う必要があると認識しています。情報管理体制をはじめとした内部管理体制の強化を継続して推進していくこと及び事業規模拡大に対応した十分な内部管理体制の整備が必要であると認識しております。当社は内部管理部門について効率的な内部管理体制を整備するとともに、事業の拡大に備えた管理部門の強化やコンプライアンスやリスク管理等の徹底を図るべく、内部統制の体制構築と運用を行っています。
⑤ 財務健全性の確保
当社グループは提携医療法人の総合支援サービスの提供や介護施設の運営において必要となる資金調達を金融機関等から行っており、有利子負債比率が高くなる傾向にあります。そのため、財務安全性を測る株主資本比率を重要な指標としてモニタリングしております。また、キャッシュフロー創出力を鑑みた返済能力を測るEBITDA有利子負債倍率についてもモニタリング対象の指標としております。また、外部調達の金利水準が変動した場合や計画どおりの資金調達ができなかった場合に当社グループの事業、経営成績、財務状態またはキャッシュフローへ影響を与えることに鑑み、金利動向の定期的な把握を通じた金利変動リスクの定量化を行うことで、財務健全性の確保に努めています。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社が目指す社会像
当社グループは、医療行為における評価基準を、従来のように安全性・コスト・効果といった医療従事者目線での評価だけではなく、患者にとっての価値基準を重視するというValue Based Healthcare(VBHC)の考え方に基づき、「患者価値を最大化」する観点から、医療に関わる全ての関係者(ステークホルダー)の利害衝突を解消し、連携を促進することで、全体最適による効率化を実現することを目指しています。この想いを「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」という言葉で表現し、当社グループのミッションに掲げております。このミッションに基づき、医療に関わる関係者及び諸機関が良循環で機能し、全体最適な状態を作り出すべく、医療費・社会保障費の適正配分の実現に向け、「ヘルスケアの産業化」というビジョンを念頭に企業経営を推進しております。
当社グループがミッションとして実現しようとしている「医療・介護のあるべき姿」とは、①医療機関や介護施設の経営安定化、②医療・介護の現場従事者の生産性を向上・最適化、③実際にサービスを受ける患者や要介護者及びそのご家族のQOLを向上することの3点を「よし」とする「三方よし」の状態を指します。未病・予防~医療~介護・終末期にわたるライフステージを幅広くカバーした「三方よし」を実現し、正の循環サイクルを生み出していくことが、医療機関や介護施設が地域社会のプラットフォームとして永続的な価値を持つことへと繋がってまいります。当社グループは、こうした地域社会への貢献・ヘルスケアベネフィットの向上に寄与することで、地域社会のエコシステムとしてサスティナブルに機能する仕組みづくりに取り組んでまいります。
また、各事業活動によりもたらされるアウトカムやロジックツリーはインパクト投資の評価手法を用いたIMM(Impact Measurement and Management)と呼ばれるインパクト測定・マネジメントを用い、社会的インパクトを客観的かつ定量的に可視化させ、インパクトレポートとして作成・公開していくことで、当社の取り組み定性・定量の両側面から社会に対して発信してまいります。
(2) サステナビリティ基本方針
当社グループは多種多様なバックグラウンドを有した人材が在籍しているからこそ、医療・介護領域のバリューチェーン上で広範に事業を展開することが出来ております。その為、持続的に企業成長を実現しつつ、目指す社会像を実現するには、引き続き多様な人材確保が重要課題であると認識しております。
(3) ガバナンス体制及びリスク管理
当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会に対するガバナンス体制を構築しております。ガバナンス体制図については、「
サステナビリティ関連のリスク及び機会については、四半期ごとに開催するコンプライアンス・リスク管理委員会で識別・評価・管理のうえ、取締役会への報告を行っております。
(4) 戦略(人的資本について)
当社グループにおける、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下の通りです。
・行動指針の設定と浸透の徹底
当社グループではビジョン・ミッションの実現の為、行動指針として「1.他者を尊重しよう」「2.夢を構想化しよう」「3.成果は情熱で決まる」の3点を設定しております。これらの行動指針を当社グループへ浸透させるべく、採用基準・入社研修・人事評価といった入社前から入社後の評価に至るまでの各プロセスに行動指針の実践度合を各従業員個人へ意識させる為の仕組みづくりを行っております。また、半期に一度、全社員を対象にしたモチベーションサーベイを実施し、個人だけではなく、組織全体への浸透がどの程度進んでいるかを把握し、改善へと活かしております。
・人材の育成方針
当社グループでは、半年ごとの全体研修の実施およびモチベーションサーベイによるモニタリング、四半期毎のビジネスレビューカンファレンスを実施し、当社が置かれている現状や取り組みの状況、今後注力していく方向について共有・協議することで、管理職を中心とした従業員の育成を行っております。また、従業員の主体性を大切にし、一人ひとりの成長につながる人材育成に取り組み、自律的なキャリア形成を上長が支援し、成長の機会を作るほか、経営会議は議題に応じて従業員が参加する形式とすることで自らの業務に対する当事者意識の醸成を図っております。さらに、自律的なキャリア構築を支援する教育制度を実施するとともに、業務に必要な知識習得に向けた自己研鑽の補助、資格取得の奨励制度等、継続的な人材育成に取り組んでおります。
また、自律的なキャリア構築の支援および継続的に人材育成を行う為、人事評価における目標設定時に成果評価・行動評価以外に、自律的なキャリア構築支援のため、社員自らが自身のキャリアを考えるフォーマット(自身の入社動機、将来の目標、5~10年後の目標、2~3年後の目標等を入力するフォーマット)を導入しており、それらを活用した上司との面談を仕組化・制度化しております。
・多様性の確保
当社グループでは、Diversity(ダイバーシティ:多様性)、 Equity(エクイティ:公平性)、Inclusion(インクルージョン:包括性)の重要性を理解することにより、性別、年齢、国籍、人種、民族、宗教、障がいの有無、性的指向・性自認、性表現、文化、価値観、働き方等の違い等、社員それぞれが持つ多様な個性を尊重し、多様性を前提とした公平な機会の提供を追求、組織として個性を活かすことで、より高い社会的価値を創出する組織、企業になるためにグループをあげてDEIを推進しています。2023年6月よりグループ社員により構成されるDEIタスクフォースを設置し、「トップコミットメント」の下、「制度・ルール整備」「文化・カルチャー醸成」の両輪で施策を検討・実施しています。また、DEI推進のため、外部評価として「PRIDE指標(※1)」「D&I検定(※2)」を導入し、2023年度は「PRIDE指標」はシルバー認定(3段階中、2番目)、「D&I検定」は現在公開されているD&I検定3級を株式会社ユカリア全社員が取得しております(2023年12月時点)。
・社内環境・制度の整備
当社グループでは、個人の目指す目標や価値観の変化に伴い、従業員自らが他部門への異動を申し出ることが可能な制度を設置しており、当社と個人の価値観や向上させたいスキルとのミスマッチを解消し、モチベーションの維持・向上に資する取り組みを行っております。さらに、当社グループにおいては、コミュニケーションを事業活性化の重要な要素として位置づけており、社員間の交流を促進するべく、社員同士がお互いに承認し合う・感謝を送り合うピアボーナス制度といった各種福利厚生制度の充実を図っております。
・健康及び安全衛生の確保
当社グループでは、社内にリフレッシュスペースを設置し、休憩時間や勤務時間外におけるコミュニケーションの場を設置しております。また、健康の維持・増進のためにフィットネスエリアを設けており、従業員が自由に利用できる環境を整備しております。これにより、従業員の心身の健康増進と社内コミュニケーションの活性化を図り、活き活きとした職場環境づくりに努めております。
また、取締役医師を筆頭とした、医師で構成されるメディカルアシスタンス室と人事戦略部が連携し、従業員の健康維持・増進のための活動を行っているとともに、外部産業医や健康保険組合、さらにはユカリア提携医療法人に対して情報共有・連携をとる活動も実施しております。
(5) 指標及び目標
当社グループでは、(4)戦略(人的資本について)において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に基づき、期初に策定した採用計画の進捗状況および離職状況、半期ごとに実施するモチベーションサーベイの結果、人事評価時における行動指針体現度の評価等を通じて、人的資本に関する施策の効果測定を行っております。
本書提出日現在においては、具体的な指標および当該指標を用いた目標の設定は行っておりませんが、今後指標を定めて取り組んでいく予定であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループにおけるリスク管理体制に関し、後掲の「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」において、取締役会、監査等委員会、経営会議、内部監査室、コンプライアンス・リスク管理委員会、指名委員会、報酬委員会の構成と活動状況について詳述しております。
(1) 当社グループを取り巻く経営環境について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループが事業活動をする医療介護業界につきましては、足元の高齢者人口の増加、社会保障費の増大、長期的には日本国内の人口減少による市場の縮小や構造変化等が生じることが予測され、また、これらに伴う医療・介護保険制度の改正等も随時行われるものと認識しています。
このような状況の中、当社グループのミッションである「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」の遂行を目指し、医療・介護を取り巻く環境改善のため新たなサービスを創出していく所存です。しかしながら、想定を超える経営環境の変化が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループが事業活動を行うには、「貸金業法」、「医薬品医療機器等法」、「介護保険法」、「職業安定法」、「建設業法」、「建築士法」、「宅地建物取引業法」、「古物営業法」及び関連する各種法令による規制を受けております。当社においては、資金業登録、医薬品販売業、高度管理医療機器等販売業、毒物劇薬一般販売業、有料職業紹介事業の許可、一級建築士事務所登録、古物商許可、子会社の㈱シンシアにおいては、医療機器製造販売業、高度管理医療機器等販売業の許可及び医療機器製造業の登録、子会社の㈱クラーチにおいては、介護保険法に定める居宅サービスのうち「特定施設入居者生活介護」「訪問介護」「居宅支援事業」等必要な指定、子会社の㈱あいらいふにおいては宅地建物取引業の許可、子会社の㈱DICにおいては高度管理医療機器等販売業等の許可、子会社の㈱ストラクトにおいては建設業許可及び一級建築士事務所登録、子会社の㈱キャピタルメディカ・ベンチャーズにおいては適格機関投資家等特例業務の届出をしており、それぞれ監督官庁より許認可等を受けております。現時点において、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、当該免許及び許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合、もしくは、これらの法律等の改廃又は新たな法的規制が今後制定された場合等には当社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点の許認可等の取得状況は以下のとおりです。
(当社)
(株式会社シンシア)
(株式会社クラーチ)
※各施設毎の記載は、多数になるため集約して記載しております。
(株式会社あいらいふ)
(株式会社DIC)
(株式会社ストラクト)
(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
(3) 自然災害・事故等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、不測の事態に備え事業継続計画(BCP)の策定等を行っており、非常用物品の備蓄、各種研修、訓練等を行っていますが、大規模な地震、台風、津波、洪水、大雨等の災害又は感染症の拡大等により、病院及び介護施設や当社グループの従業員及び顧客が損害を被った場合、あるいは、当社の事業所の運営やサービス提供に制約が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 有利子負債への依存について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、提携医療法人の財務改善のために行う病院不動産の取得及び金融事業の営業貸付金等の転貸資金、M&A等に係る資金の一部について、金融機関からの借入金によって調達しております。当社グループの連結有利子負債(リース債務を除く。)残高は、2023年12月末現在21,525百万円であり、総資産に占める有利子負債依存度の比率は42.3%となっております。
従って、現在の金利水準が変動した場合には、当社グループの事業、経営成績、財政状態又はキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システム障害について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループでは事業活動を通じて顧客に関する経営情報等の機密情報を受け取り、また一部事業では多数の顧客あるいはその家族の個人情報(既往症、病歴、治療状況などの要配慮個人情報を含みます。)を取り扱っています。当社グループの情報管理については、個人情報保護方針の策定や、ISMS認証の取得(子会社の㈱シンシア及び一部の非連結子会社、持分法非適用関連会社を除く)、社員教育の実施等の社内体制の強化など、情報漏洩防止の厳重な対策を講じ、細心の注意を払っています。しかしながら、通信設備等の予期せぬトラブル等によりシステムが停止した場合や、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等が不測の事情により発生した場合、また漏洩した情報が不正使用される等の機密情報の流出に伴う重大なトラブルが発生した場合、社会的信用の低下につながり、当社グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 固定資産の減損会計について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、病院及び介護施設など事業の用に供する固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、このような固定資産において、時価の下落や将来のキャッシュ・フローによっては減損処理が必要となる場合があり、当社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の確保に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの競争力を維持するためには、事業遂行に必要な優秀かつ多様な人材を採用し、維持し続ける必要があります。人材獲得競争は激化しており、コロナ禍を経て労働市場が変化したことによる退職率の高まりも見られ、人材の採用、育成、リテンションの重要性が増しています。
当社グループではダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンや人権尊重に関する取り組みの推進等、一人ひとりがベストな状態でパフォーマンスを発揮できる健やかな組織文化の醸成を目指していますが、当社が高い能力を有する人材を採用し、維持することができなかった場合、今後のサービス・製品の提供や持続的な成長に影響を及ぼす可能性があります。
日本の労働人口は今後も減少することが見込まれており、医療・介護業界での慢性的な人材不足等により、採用が予定どおり進まない場合や、適切な研修等を実施することにより育成することができない場合、既存社員の社外流出等が多く発生した場合には、顧客に対するサービスの提供が困難となり、サービスの質の低下につながるおそれがあります。また、当社グループは、主として労働集約型の事業を行っていることから、そのような状況に対応するため人材の確保に想定以上の支出が必要となるなど、賃金水準が急激に高騰した場合には、人件費の負担増が発生することにより、当社グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①人材の確保」記載のように対応に取り組んでいます。
(8) 貸倒リスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは提携医療法人に対して運転資金を融資しております。担保不動産の市場での価値を十分に考慮し、診療報酬債権の譲渡担保等と合わせて融資額を決定しております。しかしながら、今後不動産市場の悪化により著しく地価が下落し、担保不動産の価値が目減りすることで担保不足の貸付債権が発生する可能性があります。また、提携医療法人の返済能力の低下により返済が困難になった場合には貸倒れが発生し、当社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該債権に関しては、経営状況のモニタリング等を行い、リスク管理を実施しております。
(9) 感染症について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループが運営する介護施設では、換気・手洗い・手指消毒の励行等をはじめ、日常的に感染対策に取り組んでおります。しかしながら、昨今、世界中で感染拡大が続く新型コロナウイルスは感染力が強く、利用者や職員間でクラスターが発生する可能性があります。クラスターが発生した事業所では、クラスターが収束するまでの一定期間、売上が減少する可能性があります。当社では、現在までにクラスターの発生による利用者の新規入居一時停止や職員の出勤停止によるサービス提供の縮小を要因とする売上の減少がありましたが、陽性者の迅速な検出や隔離徹底により早期収束に努めたことでその影響は軽微であります。
インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行し、当該地域の事業所の稼働が長期にわたり困難になった場合には、事業活動に支障が生じ、当社の経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 内部管理体制リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループでは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。その認識のもと、内部管理体制の一層の充実を図るべく、内部通報制度の運用や内部監査の実施、情報セキュリティ体制の構築等により、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおりますが、急速な事業拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 信用・評判について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
シニア関連事業においては利用者、そのご家族及び関係者の方々からの信頼の下、サービスを提供しております。施設での不適切な運営や不正請求、職員の不祥事等により、当社及び当社が提供するサービスについて信用を失った場合、または評価が低下した場合は、当社の経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対して当社は、経営理念、ミッション及び行動指針を定め、役職員に周知徹底しているほか、利用者の方が気持ちよく施設を利用できるよう様々な研修プログラムを役職員に対し提供し、高品質なサービス提供を通じて、利用者等からの信頼の獲得に日々励んでおります。
(12) 訴訟等の可能性について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、サービスの提供にあたって法令遵守の徹底及び顧客や取引先とのトラブル回避に努めており、現時点において経営成績又は財政状態に影響を及ぼす訴訟が提起されている事実はありませんが、今後予期せぬ事象の発生により、訴訟その他の請求が発生した場合、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社の経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクについては、現時点で顕在化のリスク及び影響を予測することはできませんが、研修等を通じて役職員のコンプライアンス意識を高めるほか、顧客及び取引先等と日頃から良好な関係の構築に努めることが、当該リスク顕在化の抑制につながると考えております。
(13) 長期間の賃貸借契約について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループが運営する介護施設のうち10施設(うち1施設は2024年4月開設)は、長期間の賃貸借契約に基づいており、一定期間は事業撤退に対して制約が課せられます。これに反した場合は中途解約による違約金等の支払いが生じる可能性があります。2023年12月期における、当該9施設の売上高は、連結売上高の約22%を占めております。
また、契約期間満了後において契約更新が難しい場合がありますが、その場合は計画的に新たな移転先を決める事としており、当該リスクが顕在化する可能性の低減に努めております。
(14) 為替変動の影響について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは海外企業から商品を調達し、仕入額の大部分を米国ドル建てで決済しており、米国ドルの円に対する為替相場の変動により当社グループの輸入取引価額が変動し、経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは為替相場の変動リスクをできるだけ軽減するために、実需の範囲内でデリバティブ取引によるリスクヘッジを行う方針としておりますが、これによって全てのリスクを回避できるとは限らず、急激かつ大幅な為替相場の変動等があった場合には、当社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 経営陣の確保及び育成リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社代表取締役及び各取締役は、担当業務分野において、重要な役割を果たしております。特に代表取締役の2名については、代表取締役会長である古川淳は、当社の創業者であり、医療機関への経営支援に関する豊富な経験と知識を有し、創業以来、事業を牽引し成長させてまいりました。また、代表取締役社長である三沢英生は当社グループ全体の経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において特に重要な役割を果たしております。
このため当社グループでは、取締役会等における役員及び幹部社員との情報共有や権限委譲を進める等経営組織の強化を図り、創業者及び一部の取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めることで、次世代の経営者育成に向け幹部候補者の育成を進めるとともに、各種経験を積ませるなどの方策を実施することで、日頃より後継者の育成に努めております。しかしながら、後継者の育成前にこれら代表取締役2名をはじめとする取締役が業務執行できなくなった場合、並びに今後において重要な役割を担う人材を確保できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び経営体制に影響を及ぼす可能性があります。
(16) コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループでは、コンプライアンスの遵守を重要課題と位置づけ、事業に関わる各種関連法令及び諸規程を遵守し、企業人、社会人として良識のある行動をするよう従業員の意識向上を図っています。しかしながら、万が一、コンプライアンス遵守に抵触する事象が発生した場合には、法令による処罰や提訴、社会的信用力の低下につながり、当社グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17) 知的財産権について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループでは当社グループの持つ知的財産権を侵害されないよう細心の注意を払っていますが、他社からの侵害を把握しきれない、もしくは適切な対応ができない場合には、当社グループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが各種サービスを展開するにあたっては、他社の持つ特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っていますが、万が一、他社の知的財産権を侵害した場合には、多額の損害賠償責任を負い、当社グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18) M&Aについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、同業もしくは異業種の他社に対するM&A(子会社化や事業譲受等)や提携等を実施することにより、当社グループの事業を補完もしくは強化すること、又は新規事業の展開が可能であると考えています。その実施にあたっては、対象企業や対象事業について各種デューディリジェンスを行う等、慎重な検討の上で意思決定をし、可能な限りリスクの低減に努めています。しかしながら、M&A等の実施後に当社グループが事前に認識し得なかった問題が明らかになった場合や、取得した企業等や事業の経営及び統合が計画どおりに進まない場合、許認可を要する事業を事業譲渡等により譲り受け、譲受後に許認可を得られない場合、又は期待していたシナジー効果を生まずに戦略目的が達成できない場合には、当社グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19) 調達資金の使途について(発生可能性:低、発生時期:直近1年~3年、影響度:小)
新規上場時に実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、支援先病院の不動産取得、優秀な人材確保を計画しております。 しかしながら、急速に変化する経営環境に対応するため、現時点における計画以外の使途に充当される可能性があります。また、計画に沿って使用されたとしても想定どおりの投資効果を得られない可能性もあります。
(20) 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響 度:小)
当社グループは、株主に対する利益還元を最重要課題の一つとして位置づけており、業績、経営基盤の強化及び将来の成長性等を総合的に勘案して、安定的・継続的な利益配当を実施することを基本的な方針としております。今後は、将来の事業拡大に必要不可欠な人材及びシステム等設備投資、M&A等の成長投資を優先しながら、財務状況と経営成績のバランスを考慮し、弾力的な配当の実施を行っていく方針であります。現時点においては、配当の可能性及びその時期については未定であります。
(21) 当社株式の流動性について(発生可能性: 低、発生時期:直近1年~3年、影響度:小)
当社は、株式会社東京証券取引所グロース市場への上場に際しては、本公募及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率について、新規上場時において約30%にとどまる見込みです。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主からの売出し協力、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加など、これらを組み合わせて、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(22) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権の行使時には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
(23) 提携医療法人について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは提携医療法人に対する経営支援、金融支援、コンストラクション・マネジメント支援、人事制度構築支援など様々な契約を締結しております。提携医療法人との関係が悪化した場合や提携医療法人の経営方針の転換が生じた場合には、契約が解除されるまたは更新されない可能性があり、また、想定外の大幅な診療報酬改定が行われた場合や、医療事故等が発生し、損害賠償及び風評被害の影響等により提携医療法人の経営状態が悪化した場合、契約金額を引き下げる又は投下資本を回収できない可能性があります。そのような事象が重なるようなことがあれば、当社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループが提携している医療法人は医療法により非営利性が要求されております。当社グループでは、弁護士等の専門家と連携し、提携医療法人へ提供するサービスや締結する契約等が医療法人の非営利性を害するものでは無いように留意しながら事業を進めており、医療法に抵触する事実は無いと認識しております。しかしながら、今後医療法や行政通達の改正等が行われ、提供するサービスが提携医療法人の非営利性を害する事項とされた場合、当社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(24) 競合について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの事業においては、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激しくなっています。現在は、当社グループが競争優位性を確保している事業であっても、新規参入者を含めた競合他社との競争に晒されており、将来において当社グループが競争優位性を確保できなくなる可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、競合他社に対抗し得る専門性の強化と付加価値サービスの創造・展開に取り組んでいます。
(25) 製造物責任について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループのコンタクトレンズは、眼に直接触れるという製品上の特性を持つため、眼に障害を生じさせる可能性があります。当社グループは厳しい品質管理基準の下で、販売を行う各国の要請する様々な安全基準に準拠した上で、海外協力工場において製造を行っておりますが、将来にわたり製品に不備があった場合は製造物責任を負い、当該不備が原因で訴訟等の事態に発展した場合、損害賠償金の支払や社会的信頼の損失等、当社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を被ることは不可避であると認識しております。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
経営環境及び当社グループの取り組みにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりですが、医療機関への総合支援サービスにおいては、地域社会及び近隣医療機関との関係性を優先的に考慮し、一部、提携医療法人との契約の解消、不動産の譲渡を行っております。他方、新たに支援を要する医療機関とのパートナー契約を締結する等、医療機関へ経営支援サービスの強化を通じて、社会課題の解決と改善に努めております。また、データ提供ビジネスにつきましては、医療現場から得られる膨大な治療経過(テキスト)データの解析と示唆を製薬企業へ提供するとともに、医療全般の在り方に大きな影響を与える可能性のあるものと位置づけ、販路拡大に向けた営業活動を強化しております。高齢者向け介護施設の運営サービスにおいては、コロナ禍において施設におけるクラスターの発生や面会制限等から数年高齢者施設の利活用が低迷する傾向にありましたが、経済活動の平常化とともに入居率も順調に高まってまいりました。同時に入居相談・施設紹介サービスにおきましても、そのニーズの高まりから相談件数及び紹介件数は、増加傾向にあります。
このようにヘルスケア関連事業に全社を挙げて努めた結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりでございます。
a.財政状態
第19期連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より8,274,059千円増加し、50,904,988千円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,654,711千円増加し、17,450,753千円となりました。この増加は主に、新たに締結した医療機関との提携の結果、リース投資資産が1,825,530千円増加したことや現預金が559,400千円増加したこと、医療DX化支援ツール増産のための原材料及び貯蔵品が288,048千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ4,619,347千円増加し、33,454,235千円となりました。この増加は主に、新規に提携した医療機関の不動産を取得したことにより、有形固定資産の土地が4,824,285千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,915,960千円増加し、39,140,100千円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,902,157千円増加し、8,468,486千円となりました。この増加は主に、運転資金として調達した短期借入金が926,000千円増加したこと、未払法人税等が331,628千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ5,013,802千円増加し、30,671,614千円となりました。この増加は主に、新規に提携した医療機関の不動産を取得するために調達した長期借入金が5,279,355千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末から1,358,099千円増加し、11,764,888千円となりました。この増加は主に、利益剰余金の増加1,051,303千円によるものであります。
第20期中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(資産)
当中間連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末より4,695,514千円増加し、55,600,503千円となりました。
(流動資産)
当中間連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,337,925千円増加し、19,788,679千円となりました。これは、主として自己株式の処分による現預金の増加1,360,759千円や提携医療法人に対する営業貸付金(流動資産その他)が1,117,098千円増加したことによります。
(固定資産)
当中間連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,357,589千円増加し、35,811,824千円となりました。これは、主にシニア関連事業における運営施設の増加に伴いリース資産(純額)が1,773,499千円増加したことや提携医療法人への支援の一環として取得した土地が318,257千円増加したことによります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末と比べ2,252,995千円増加し、41,393,096千円となりました。
(流動負債)
当中間連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,182,408千円増加し、11,650,894千円となりました。これは、主に長期借入金からの振替により1年内返済予定の長期借入金が2,239,475千円増加したことや運転資金として調達した短期借入金が930,833千円増加したことによります。
(固定負債)
当中間連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ929,413千円減少し、29,742,201千円となりました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金への振替により長期借入金が2,993,204千円減少した一方でシニア関連事業における運営施設の増加に伴いリース債務が1,751,132千円増加したことによります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比べ2,442,519千円増加し、14,207,407千円となりました。これは、主として利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益の計上により1,104,707千円増加したことや自己株式の処分により資本剰余金が822,493千円増加したことによります。
第20期第3四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ5,788,642千円増加し、56,693,630千円となりました。
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,185,586千円増加し、20,636,339千円となりました。これは、主に自己株式の処分による現預金の増加1,514,398千円や提携医療法人に対する営業貸付金(流動資産その他)が1,526,618千円増加したことによります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,603,055千円増加し、36,057,290千円となりました。これは、主にリース資産が1,708,790千円増加したことや土地が760,966千円増加したことによります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末に比べ3,075,931千円増加し、42,216,031千円となりました。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ4,016,290千円増加し、12,484,776千円となりました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金が2,111,920千円増加したことや短期借入金が1,372,708千円増加したことによります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ940,359千円減少し、29,731,255千円となりました。これは、主に長期借入金が3,026,816千円減少した一方でリース債務が1,696,081千円増加したことによります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,712,710千円増加し、14,477,599千円となりました。これは、主に利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により1,594,589千円増加したことや自己株式の処分により資本剰余金が822,631千円増加したことによります。
b.経営成績
当社グループは「医療経営総合支援事業」、「シニア関連事業」及び「高度管理医療機器事業」の3つを報告セグメントとしております。
セグメントごとのKPI(重要業績評価指標)の推移及び経営成績は次のとおりでございます。
KPI推移
2024年12月期第3四半期末時点において、医療経営総合支援事業セグメントでは、新たに医療法人と提携したことにより、その法人が運営する病院が提携病院数に加わり、提携病院数が1件増加しました。
シニア関連事業セグメントにおいては、2024年4月に都内の介護付き有料老人ホームを事業承継し、「クラーチ・ファミリア西新宿」として新たに運営を開始しました。なお、新規開設したこのホームを除いた既存ホームの入居率は、2024年12月期第3四半期末時点で92.7%となっており、回復傾向にあります。入居相談・施設紹介サービスも入居斡旋件数は順調に増加しております。
高度管理医療機器事業セグメントは主力商品であるシンシアSシリーズの処方施設取扱店件数が継続して増加しております。
第19期連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(医療経営総合支援事業)
当セグメントにおきましては、新たな医療機関との提携に加え、提携医療法人に対する新型コロナウイルス対応に関するコンサルティング収益のほか、当社提携外の医療機関向けの営業活動を強化したことにより、提携外医療機関からの経営分析・建て替え対応などの各種コンサルティング依頼が順調に積み上がり、売上高は前連結会計年度に比べ873,163千円増加し、5,404,197千円となりました。
また、地域社会及び近隣医療機関との連携関係を優先的に考慮した結果として一部提携医療法人との契約を終了したことに伴う債権回収益等が発生したこともあり、セグメント利益は前連結会計年度に比べ761,572千円増加し2,010,525千円となりました。
(シニア関連事業)
当セグメントにおきましては、入居相談・施設紹介サービスと高齢者向け介護施設の運営サービスで構成されております。
入居相談・紹介サービスでは、入居相談員の補強により入居相談件数が増加し成功報酬の獲得につながり業績へ貢献しております。また、介護施設の運営サービスではコロナ禍で落ち込んだ施設入居率の回復に努め、入居率が回復傾向にあり、売上高は前連結会計年度に比べ173,336千円増加し6,653,231千円となりました。
入居相談・紹介サービスにおいての入居相談員の補強にかかるコストが発生しておりますが、介護施設の運営サービスにおいてオペレーション改善によりコストを適正化し、セグメント利益は前連結会計年度に比べ110,234千円増加し625,598千円となりました。
(高度管理医療機器事業)
当セグメントにおきましては、主軸のコンタクトレンズ事業の拡大する市場需要を着実に捉え、クリアレンズの主力商品を中心に好調な販売を継続。加えて、2022年12月より事業開始したコンサルティングサービスの業績貢献により、売上高は前連結会計年度に比べ375,813千円増加し5,961,475千円になりました。
また、原材料の高騰や継続する円安環境下等においてコスト面で利益を圧迫する傾向がありつつも、シリコーンハイドロゲル素材など高付加価値商品の売上が伸長したことにより、セグメント利益は前連結会計年度に比べ226,496千円増加し377,016千円となりました。
(その他)
当セグメントにおきましては、医療現場から得られる治療経過(テキスト)データの解析と示唆をサービスとして製薬企業へ提供するデータ提供ビジネスを行っており、前連結会計年度に比べ16,609千円増加し売上高36,020千円となりました。
上記データ提供ビジネスは2022年開始の新規事業であり、顧客数拡大に向けた提供可能なデータ追加にかかる費用が発生したことにより、セグメント損失は前連結会計年度に比べ25,117千円減少し215,418千円となりました。
以上の結果、当社グループ全体における当連結会計年度の売上高は18,054,924千円(前連結会計年度に比べ1,438,923千円増加)、営業利益は1,899,560千円(前連結会計年度に比べ1,034,019千円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,051,303千円(前連結会計年度に比べ70,949千円増加)となりました。
第20期中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(医療経営総合支援事業)
当セグメントにおきましては、新規提携医療法人の増加や提携医療法人の事業成長に伴う追加支援を実施したほか、提携外医療機関からの各種コンサルティング依頼が順調に増加しました。
以上の結果、売上高は3,002,124千円、セグメント利益は1,221,890千円となりました。
(シニア関連事業)
当セグメントにおきましては、入居相談・施設紹介サービスと高齢者向け介護施設の運営サービスともに売上高は堅調に推移しております。入居相談・施設紹介サービスでは入居相談員の新規採用および新規拠点開設による対応エリア拡大を進めており、紹介売上は前年度実績を上回る形で進捗しております。また、介護施設の運営サービスでは2024年4月に株式会社はれコーポレーションが運営する介護付き有料老人ホーム「アスデンシア西新宿」を事業承継、「クラーチ・ファミリア西新宿」へとリブランディングし、運営を開始しました。
以上の結果、売上高は3,302,617千円、セグメント利益は304,327千円となりました。
(高度管理医療機器事業)
当セグメントにおきましては、クリアレンズの販売が伸長し主軸のコンタクトレンズ事業が堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は3,089,676千円、セグメント利益は182,410千円となりました。
(その他)
当セグメントにおきましては、治療経過データ解析及び製薬企業向け営業活動支援サービスにて、積極的な営業活動を実施いたしました。
以上の結果、売上高は21,150千円、セグメント損失は87,103千円となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は9,415,568千円、営業利益は1,061,516千円、親会社株主に帰属する中間純利益は1,104,707千円となりました。
第20期第3四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)
(医療経営総合支援事業)
当セグメントにおきましては、新規提携医療法人の増加や提携医療法人の事業成長に伴う追加支援を実施したほか、提携外医療法人からの各種コンサルティング依頼が順調に増加しました。
以上の結果、売上高は4,695,276千円、セグメント利益は2,045,082千円となりました。
(シニア関連事業)
当セグメントにおきましては、介護施設の入居相談・紹介サービスと介護施設運営サービスともに売上高は堅調に推移しております。入居相談・紹介サービスでは入居相談員の新規採用および新規拠点開設による対応エリア拡大を進めており、紹介売上は前年度実績を上回る形で進捗しております。また、介護施設運営サービスでは2024年4月に株式会社はれコーポレーションが運営する介護付き有料老人ホーム「アスデンシア西新宿」を事業承継、「クラーチ・ファミリア西新宿」へとリブランディングし、運営を開始しました。
以上の結果、売上高は5,082,311千円、セグメント利益は470,187千円となりました。
(高度管理医療機器事業)
当セグメントにおきましては、クリアレンズの販売が伸長し主軸のコンタクトレンズ事業が堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は4,845,566千円、セグメント利益は382,060千円となりました。
(その他)
当セグメントにおきましては、治療経過データ解析及び製薬企業向け営業活動支援サービスにて、積極的な営業活動を実施いたしました。
以上の結果、売上高は37,575千円、セグメント損失は127,031千円となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は売上高14,660,729千円、営業利益1,944,093千円、経常利益2,473,535千円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,594,589千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
第19期連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ555,200千円増加し、6,698,468千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、208,751千円の支出(前連結会計年度は2,659,873千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,749,814千円(前年同期に比べ451,392千円増加)、非資金科目である減価償却費839,496千円(前年同期に比べ217,778千円減少)を計上したことにより資金が増加した一方で、減少要因としてリース投資資産の増加1,825,530千円(前年同期に比べ1,798,285千円増加)が発生したことによるものです。
なお、上記のリース投資資産は新規に提携した医療機関より取得した不動産の内、所有権移転外ファイナンス・リース取引にかかる資産を該当科目に計上しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、5,582,670千円の支出(前連結会計年度は1,411,637千円の収入)となりました。これは主に新規に提携した医療機関への支援に伴う有形固定資産の取得による支出5,038,364千円(前年同期に比べ4,114,343千円の支出増加)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、6,341,251千円の収入(前連結会計年度は5,019,064千円の支出)となりました。これは主に新規に提携した医療機関の不動産を取得するために調達した長期借入による収入7,123,300千円(前年同期に比べ6,262,300千円の収入増加)によるものです。
第20期中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,357,759千円増加し、8,056,227千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動により増加した資金は418,919千円となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益1,708,087千円により資金が増加した一方で、提携医療法人の支援に伴う営業貸付金の増加1,228,471千円による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動により減少した資金は325,808千円となりました。これは、主に、提携医療法人支援に伴う不動産の取得及びオフィス増床による有形固定資産の取得による支出477,310千円や子会社株式の取得による支出367,010千円の一方で、貸付金の回収による収入492,230千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動により増加した資金は1,237,061千円となりました。これは、主に、自己株式の売却による収入1,139,867千円や短期借入金が930,833千円増加した一方で、長期借入金の返済による支出821,429千円によるものであります。
当社グループは製品の生産を行っていないため、該当事項はありません。
第19期連結会計年度、第20期中間連結会計期間及び第20期第3四半期連結累計期間における仕入実績は次のとおりであります。
当社グループは、実績に応じて売上が計上される契約がほとんどであり、受注時に受注金額を確定することが 困難な状況であるため、記載を省略しています。
第19期連結会計年度、第20期中間連結会計期間及び第20期第3四半期連結累計期間における販売実績は次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%を超える相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
第19期連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(売上高)
当連結会計年度における売上高は18,054,924千円(前年同期比8.7%増)となりました。
これは医療経営総合支援事業において、新たな医療法人との提携に加え既存提携医療法人や当社提携外医療法人に対するコンサルティング収益が積み上ったことにより5,404,197千円となったこと、およびシニア関連事業において高齢者向け介護施設運営サービスにおける施設入居率の向上、入居相談・施設紹介サービスにおける相談員増強に起因し相談・成約数が増加したことにより6,653,231千円となったこと、ならびに高度管理医療機器事業において新規事業であるコンサルティングサービスの業績貢献などにより5,961,475千円になったことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は10,948,751千円(前年同期比1.3%増)となりました。
これは主に高度管理医療機器事業における販売数増加に伴う仕入の増加によるものであります。この結果、当連結会計年度における売上総利益は7,106,173千円(前年同期比22.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は5,206,613千円(前年同期比5.3%増)となりました。
これは主に事業拡大における人件費の増加や管理体制強化に伴うシステム導入によるものであります。この結果、当連結会計年度における営業利益は1,899,560千円(前年同期比119.5%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は195,359千円(前年同期比19.2%減)となりました。これは主に高度管理医療機器事業における為替差益の減少によるものであります。当連結会計年度における営業外費用は241,784千円(前年同期比25.2%減)となりました。これは主に高度管理医療機器事業におけるデリバティブ評価損の減少によるものであります。
この結果、当連結会計年度における経常利益は1,853,134千円(前年同期比136.3%増)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は60,369千円(前年同期比89.5%減)となりました。これは主に㈱東北薬理研の株式売却によるものであります。
当連結会計年度における特別損失は163,689千円(前年同期比169.9%増)となりました。これはユカリアタッチ端末の製品保証にかかる引当金繰入、およびシニア関連事業における検索サイト「探しっくす」の減損によるものであります。
当連結会計年度における法人税等調整額を含む法人税等合計は592,381千円(前年同期比101.2%増)となりました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,051,303千円(前年同期比7.2%増)となりました。
第20期中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(売上高)
当中間連結会計期間における売上高は9,415,568千円となりました。
これは医療経営総合支援事業において、新規提携医療法人の増加や提携医療法人の事業成長に伴う追加支援の実施、提携外医療法人に対するコンサルティング収益が積み上ったことにより3,002,124千円となったこと、シニア関連事業において入居相談・施設紹介サービスにおける相談員増強や対応エリア拡大による相談・成約数増加及び高齢者向け介護施設運営サービスにおける施設数増加により3,302,617千円となったこと、ならびに高度管理医療機器事業において、主軸のコンタクトレンズ事業が堅調に推移した結果、3,089,676千円となったことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当中間連結会計期間における売上原価は5,279,731千円となりました。
この結果、当中間連結会計期間における売上総利益は4,135,836千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当中間連結会計期間における販売費及び一般管理費は3,074,320千円となりました。これは主に事業拡大における人件費の増加によるものであります。
この結果、当中間連結会計期間における営業利益は1,061,516千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当中間連結会計期間における営業外収益は708,616千円となりました。これは主に貸付金の回収による貸倒引当金戻入額によるものであります。当中間連結会計期間における営業外費用は130,728千円となりました。これは主に支払利息の計上によるものであります。
この結果、当中間連結会計期間における経常利益は1,639,404千円となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する中間純利益)
当中間連結会計期間における特別利益は68,892千円となりました。これは主に㈱YAOKIの株式売却によるものであります。
当中間連結会計期間における特別損失は209千円となりました。これは固定資産除却損によるものであります。
当中間連結会計期間における法人税等調整額を含む法人税等合計は561,860千円となりました。
この結果、当中間連結会計期間における親会社株主に帰属する中間純利益は1,104,707千円となりました。
第20期第3四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)
(売上高)
当第3四半期連結累計期間における売上高は14,660,729千円となりました。
これは医療経営総合支援事業において、新規提携医療法人の増加や提携医療法人の事業成長に伴う追加支援の実施、提携外医療法人に対するコンサルティング収益が積み上ったことにより4,695,276千円となったこと、シニア関連事業において入居相談・施設紹介サービスにおける相談員増強や対応エリア拡大による相談・成約数増加及び高齢者向け介護施設運営サービスにおける施設数増加により5,082,311千円となったこと、ならびに高度管理医療機器事業において、主軸のコンタクトレンズ事業が堅調に推移した結果、4,845,566千円となったことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期連結累計期間における売上原価は8,015,299千円となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上総利益は6,645,429千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は4,701,336千円となりました。これは主に事業拡大における人件費の増加によるものであります。
この結果、当第3四半期連結累計期間における営業利益は1,944,093千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当第3四半期連結累計期間における営業外収益は765,369千円となりました。これは主に貸付金の回収による貸倒引当金戻入額によるものであります。当第3四半期連結累計期間における営業外費用は235,927千円となりました。これは主に支払利息の計上によるものであります。
この結果、当第3四半期連結累計期間における経常利益は2,473,535千円となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する四半期純利益)
当第3四半期連結累計期間における特別利益は95,429千円となりました。これは主に㈱YAOKIの株式売却によるものであります。
当第3四半期連結累計期間における特別損失は209千円となりました。これは固定資産除却損によるものであります。
当第3四半期連結累計期間における法人税等調整額を含む法人税等合計は893,075千円となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益は1,594,589千円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要は、事業活動にかかる人件費、提携医療法人への支援資金・不動産セール&リースバック資金、新規事業への資金投入等によるものです。当社グループの円滑な事業活動に必要な資金を確保するため、必要な資金は主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローと外部金融機関からの借入により調達しております。手許資金については、実需に見合った最低限の現預金を保有する方針としており、過去及び将来の資金繰りを勘案し、最適な保有残高を志向しています。外部借入については、安全性・安定性・柔軟性を担保する観点から基本的な調達の枠組みを決定しています。具体的には、不測の事態発生時における、当社の支払余力を確保すべく、適正な固定長期適合比率を維持するとともに、安全性の補完のためにコミットメントライン契約を締結しています。また短期資金と長期資金のバランスを踏まえた有利子負債残高の設計により自由度を確保しており、当該枠組みの範囲内で、最適な資金調達の実現を志向しています。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」「第5 経理の状況」に記載のとおりです。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(不動産賃貸借契約)
(資金の借入に関する契約)
当社は、提携医療法人の経営支援のため、病院不動産の設備資金として、金銭消費貸借契約(タームローン)を締結しております。
1.契約の相手
三井住友銀行、みずほ銀行、横浜銀行、関西みらい銀行、商工組合中央金庫
2.借入金額
6,400百万円
3.借入実行日
2023年5月1日
4.返済期限
2038年4月30日
5.主な借入人の義務
・財務制限条項の遵守
①2023年12月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における単体の貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、2022年12月期末日における単体の貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額、又は直近の事業年度末日における単体の貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。
② 2023年12月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における単体の損益計算書に記載される当期損益を2期連続して損失としないこと。
当社グループは、主に医療現場の生産性向上への寄与を目的とするDX化支援ツールの自社開発及び患者視点を取り入れた医療・ケアの実現に向けた治療経過データ解析を研究開発として取り組んでおります。いずれも専門チームを組成し取り組んでおり、DX化支援ツールについては研究開発の成果が導入先増加につながっております。また、治療経過データの解析から得られる示唆を活用し、新たな価値を提供する研究の支援や、製薬企業への有益な情報提供を行っており一定の評価を得ております。
第19期連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
医療総合支援事業においては、主にDX化支援ツールとしてソフトウエア開発を含む医療従事者向けベッドサイド端末の新製品「ユカリアタッチウィズ」の開発に着手いたしました。この開発活動の結果、当事業における研究開発費は
その他事業においては、主に製薬会社向け治療経過データ解析に関する開発活動を進めてまいりました。この開発活動の結果、当事業における研究開発費は
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は
第20期中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
医療総合支援事業においては、主にDX化支援ツールとしてソフトウエア開発を含む医療従事者向けベッドサイド端末の新製品「ユカリアタッチウィズ」の開発を進めてまいりました。この開発活動の結果、当事業における研究開発費は
その他事業においては、主に製薬会社向け治療経過データ解析に関する開発活動を進めてまいりました。この開発活動の結果、当事業における研究開発費は
以上の結果、当中間連結会計期間における研究開発費の総額は
第20期第3四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年9月30日)
医療総合支援事業においては、主にDX化支援ツールとしてソフトウエア開発を含む医療従事者向けベッドサイド端末の新製品「ユカリアタッチウィズ」の開発を進め、プロトタイプ開発が完了致しました。この開発活動の結果、当事業における研究開発費は123,075千円となりました。
その他事業においては、主に製薬会社向け治療経過データ解析に関する開発活動を進めてまいりました。この開発活動の結果、当事業における研究開発費は13,690千円となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は136,765千円となりました。