第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等)

当社グループは、当第3四半期連結累計期間において584,538千円の経常利益を計上しましたが、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型感染症」といいます。)の常態化により、本格的な業績回復には至らず、一部の借入契約については依然として財務制限条項に抵触する可能性があり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社グループはこのような状況を解消すべく、環境の変化に耐性のある経営体質への改善を図るとともに、金融機関とは別枠で当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当面の間、資金繰りに対する重大な懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

なお、経営体質の改善が予定どおりに進捗しない場合には、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における日本経済は、新型感染症の再拡大が見られた反面、10月からは全国旅行支援が始まり、宿泊・レジャー・外食等のサービス消費には需要回復が見られました。一方、生産・輸出は堅調な設備投資が内需を下支えしたものの、世界的な景気減速が外需の下押し要因となりました。今後、世界的な景気後退懸念が高まる一方、インフレの進行と金利上昇観測は継続していることから、依然として先行きについては不透明な状況が続いております。

 このような環境下において、当社グループは、『アルピコグループ新中期経営計画(Change & Challenge 2023)』に取り組んでおり、「大胆な構造改革による生産性向上」「新たな事業価値の創造と実践」「企業文化の変革」を3つの基本方針としております。主要事業別では、流通事業においては、「店舗、本部業務の効率化」「店舗外販売チャネルの拡大」等に、運輸事業においては、「車両、人員配置の適正化」等に、観光事業においては、「ホテル内業務の集約・統合」「新たな観光・旅行資源の開発」等に取り組んでおります。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、連結営業収益は70,229,177千円(前年同期比4.9%増)、連結営業利益は544,992千円(前年同期は791,287千円の営業損失)となりました。

 当第3四半期連結累計期間のセグメント別の概況は次のとおりであります。

 

a. 流通事業

 流通事業は、食品スーパー「デリシア」50店舗(内フランチャイズ1店舗)及び業務スーパー「ユーパレット」8店舗の合計58店舗の展開に加え、移動販売「とくし丸」を29台運行、ネットスーパーを15拠点で展開しマルチチャネル化による顧客・マーケットの拡大、深耕を進めております。当第3四半期では、商品値上げによるお客様の消費マインドの低下、また、業務スーパーの店舗数減少の影響もあり、前年同期比減収となりました。

 損益面では、原材料、仕入価格の高騰による粗利益率の悪化、電気料金の高騰等が利益の押下げ要因となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益は53,962,363千円(前年同期比1.1%減)、営業利益は1,173,084千円(前年同期比30.1%減)となりました。

 

b. 運輸事業

 バス事業は、新型感染症の再拡大により主力の都市間高速路線の回復に足踏みが見られた一方、全国旅行支援や入国制限の緩和により観光利用は一定程度回復した他、イベント輸送や貸切バス利用も回復し、バス事業全体で前年同期比増収となりました。

 タクシー事業は、新型感染症の動向に敏感に左右される中、主力の市街地乗用利用には回復の動きが見られた他、燃料価格補助金等の受給もあり、前年同期比増収となりました。

 鉄道事業は、昨年8月の豪雨による田川橋りょう被災の復旧工事の完了により、全線にて運行が再開(2022年6月)され、通勤通学等による定期利用客や観光利用に回復が見られ、前年同期比増収となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益は7,708,488千円(前年同期比22.9%増)、営業損失は424,389千円(前年同期は1,381,289千円の営業損失)となりました。

 

c. 観光事業

 ホテル・旅館事業は、松本市内5施設、諏訪市内1施設の全6施設において宿泊を中心に回復が見られ、前年同期比増収となる一方、宴会利用においては本格的な需要回復には至っておりません。この間、回復に伴い人手不足が顕著化し稼働率向上に向けてのボトルネックとなりました。

 サービスエリア事業は、秋の観光シーズンや年末の連休期間中に行動制限が実施されなかったことにより、一定の収益を確保し前年同期比増収となりました。

 旅行事業は、新型感染症の動向に大きく左右され本格回復には至らず、感染症拡大前(2019年度実績)との比較において、売上は5割程度に留まる一方、修学旅行等教育関連を中心に一定の収益を確保した他、全国旅行支援等の効果も加わり前年同期比では増収となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益は7,505,573千円(前年同期比48.2%増)、営業利益は133,812千円(前年同期は792,320千円の営業損失)となりました。

 

d. 不動産事業

 別荘分譲地管理事業は、茅野市の「蓼科高原別荘地」及び原村の「八ヶ岳中央高原四季の森」分譲地の区画販売が堅調に推移しました。また、テナント賃貸事業は、新型感染症のワクチン接種会場として空きフロアの利用が継続する等、前年同期比増収となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益は1,000,353千円(前年同期比2.3%増)、営業利益は101,162千円(前年同期比25.8%減)となりました。

 

e. その他のサービス事業

 保険事業は、既存顧客への保険契約の増加、また火災保険料の値上がりを見越した契約切替えの駆込み需要の取込み等により前年同期比増収となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益は267,090千円(前年同期比15.6%増)、営業利益は63,940千円(前年同期比74.0%増)となりました。

 

②財政状態

(資産合計)

 当第3四半期連結会計期間末における資産総額は59,072,219千円となり、前連結会計年度末に比較して4,806,518千円増加しました。これは、主に当第3四半期連結会計期間末が休日であったことに伴う現金及び預金の増加等によるものであります。

(負債合計)

 当第3四半期連結会計期間末における負債総額は49,012,045千円となり、前連結会計年度末に比較して4,579,297千円増加しました。これは、主に当第3四半期連結会計期間末が休日であったことに伴う支払手形及び買掛金の増加等によるものであります。

(純資産合計)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産総額は10,060,173千円となり、前連結会計年度末に比較して227,221千円増加しました。これは、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上及び配当金の支払い等によるものであります。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。