当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型感染症」といいます。)の影響が軽減し、前年同期との比較においては需要、業績ともに回復が見られた一方、都市間高速バス路線等の一部の主力事業に関しては新型感染症の拡大以前の状況には至っておりません。
このような環境のもと、経営体質強化に向けた施策を継続し、業績への影響の低減を図り、当第1四半期連結累計期間においては215,034千円の経常利益、194,548千円の親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したものの、純資産額は前期末に比べ43,725千円減少し9,746,183千円となりました。
この結果、当連結会計年度の一部の借入契約について財務制限条項に抵触するおそれがあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループはこのような状況を解消すべく、環境変化に耐性のある経営体質への変換を図るとともに、別枠で金融機関より当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当面の間、資金繰りに重要な懸念は無く、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。しかしながら、対応策が予定どおりに進捗しない場合、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における日本経済は、新型感染症の影響が軽減されつつある中、外食・宿泊・レジャーなどのサービス消費における需要の回復が顕著に見られました。また、生産や輸出は全体的に堅調な推移を見せています。ただし、運輸事業や観光事業における人手不足の影響が深刻化しており、これに加えて物価の上昇、コストの増加、及び金利上昇の懸念が経済の先行きにおけるリスク要因として浮上しています。
このような環境下において、当社グループは、『アルピコグループ中期経営計画(Change & Challenge 2023)』に取り組んでおり、「大胆な構造改革による生産性向上」「新たな事業価値の創造と実践」「企業文化の変革」を3つの基本方針としております。主要事業別では、流通事業においては、「店舗、本部業務の効率化」「店舗外販売チャネルの拡大」等に、運輸事業においては、「車両、人員配置の適正化」、「タクシー配車アプリの導入」等に、観光事業においては、「ホテル内業務の集約・統合」「新たな観光・旅行資源の開発」等に取り組んでおります。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、連結営業収益23,816,850千円(前年同期比7.0%増)、連結営業利益272,674千円(前年同四半期は245,808千円の営業損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. 流通事業
流通事業は、食品スーパー「デリシア」50店舗(内フランチャイズ1店舗)及び業務スーパー「ユーパレット」9店舗の合計59店舗の展開に加え、移動販売「とくし丸」を31台運行、ネットスーパーを16拠点で展開しマルチチャネル化による顧客・マーケットの拡大、深耕を進めております。当第1四半期においては商品値上げによる一品単価の上昇が寄与する形で前年同期比増収となりました。
損益面でも、増収により電気料金等の値上げや原材料価格の上昇等を吸収し、前年同期比増益となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、営業収益18,207,031千円(前年同期比3.2%増)、営業利益475,379千円(前年同期比18.0%増)となりました。
b. 運輸事業
バス事業は、都市間高速バス路線に関しては新型感染症の拡大以前の状況には至っておりません。一方、インバウンド需要を取り込む中で観光系の路線を中心に回復基調が継続し、前年同期比増収となりました。
タクシー事業は、主力の市街地乗用利用に回復の動きが継続したことから前年同期比増収となりました。ただし、乗務員不足が業績回復を下押ししました。
鉄道事業は、観光需要の回復が寄与し前年同期比増収となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、営業収益2,624,478千円(前年同期比22.6%増)、営業損失116,777千円(前年同四半期は461,833千円の営業損失)となりました。
c. 観光事業
ホテル・旅館事業は、松本市内5施設、諏訪市内1施設の全6施設において宿泊を中心に回復基調が顕著となり、前年同期比増収となりました。ただしこの間、人手不足が回復のボトルネックとなりました。
サービスエリア事業は、前年の「善光寺御開帳」関連の立寄り効果が剥落したこと等により前年同期比減収となりました。
旅行事業は、修学旅行等教育関連需要の取り込みや全国旅行支援の効果も加わり、前年同期比増収となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、営業収益2,650,983千円(前年同期比25.3%増)、営業利益64,706千円(前年同四半期は104,195千円の営業損失)となりました。
d. 不動産事業
別荘分譲地管理事業は建築サービス売上が伸びず、また、テナント賃貸事業は新型感染症のワクチン接種会場利用が縮小し、前年同期比減収となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、営業収益304,245千円(前年同期比9.3%減)、営業利益4,794千円(前年同期比90.6%減)となりました。
e. その他のサービス事業
保険代理店事業は堅調に推移し、前年同期比増収となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、営業収益96,549千円(前年同期比3.9%増)、営業利益19,706千円(前年同期比30.3%減)となりました。
②財政状態
(資産合計)
当第1四半期連結会計期間末における資産総額は54,668,249千円となり、前連結会計年度末に比較して360,789千円増加いたしました。これは、主に有形固定資産の取得による増加であります。
(負債合計)
当第1四半期連結会計期間末における負債総額は44,922,065千円となり、前連結会計年度末に比較して404,515千円増加いたしました。これは、主に賞与引当金の増加によるものであります。
(純資産合計)
当第1四半期連結会計期間末における純資産総額は9,746,183千円となり、前連結会計年度末に比較して43,725千円減少いたしました。これは、主に配当金の支払いに伴う利益剰余金の減少によるものであります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。