第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(自平成27年3月1日 至平成28年2月29日)における日本経済は、企業業績や雇用環境の改善などに
より緩やかな回復基調をたどりましたが、個人消費は足踏み状態にあり、10月~12月の実質GDPは年率換算で1.1%減
となっています。また、中国経済の減速、原油価格低迷の長期化、米国金利政策の変化等グローバル経済のリスク要
因の顕在化により為替や株価も大きく変動しており、国内景気の先行きについても不透明感が出てきている状況にあ
ります。
 スマートフォンの世帯普及率が67.4%に達し(内閣府:3月の消費動向調査)、デバイスとしてコモディティ化す
るなか、コンシューマーサービス市場においては、無料+アイテム課金型サービスや月額固定使い放題型サービス
等、資本投下が先行する形のサービス形態が定着しつつあり、通信キャリアを含め大規模なユーザーベースを抱える
サービス事業者の寡占化が進む傾向にあります。一方、企業におけるスマートフォンやタブレット端末の活用は、社
内業務から顧客に対するマーケティングやコミュニケーションに至るまで、さまざまなニーズが顕在化しつつあり、
法人企業のスマートフォンサービス関連需要は、拡大傾向にあります。これらの動向に加えIoT(Internet of Things)や自動運転、フィンテック(Finance Technology)等に代表される新たなイノベーションの波が現実化しつ
つあり、フィーチャーフォンからスマートフォンへの変化という携帯電話市場の枠を越えて、ICT(Information and
Communication Technology)の世界全体が、大きく変わっていこうとしています。
 このように急速に変容する市場環境のなか、当社グループでは、ソリューション事業においては、通信キャリア向
け端末開発の落ち込みを補うべく、一般法人やサービスプロバイダーの顧客領域での展開を拡大しており、着実にそ
の成果を拡げつつあります。プロダクト&サービス事業においては、法人向けチャットサービス『SMART Message』
の新規投入を含めたB2Bサービスへの取り組み強化と、ゲームや教育等、ターゲットが明確で付加価値の高いコンテ
ンツサービスの拡大により、新たなプロダクト&サービス事業の確立に努めています。また、新事業分野への迅速な
展開のため、IoT時代の到来を見据えたスマートデバイスの企画・開発・製造の株式会社ジェネシスホールディング
スの関連会社化、FinTechの発展を睨んだハウス電子マネー大手、株式会社バリューデザインへの出資・提携など、
資本提携もからめた新たなパートナー戦略を推進しています。
 これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は5,563,997千円(前期比4.3%増)、営業利益は
76,654千円(前期は413,961千円の営業損失)、経常利益は82,153千円(前期は376,740千円の経常損失)、純利益は
28,916千円(前期は982,144千円の純損失)となりました。

以下、事業別の動向について述べます。

 

<ソリューション事業>
 当連結会計年度におけるソリューション事業の売上高は、3,758,011千円(前期比6.5%増)となりました。
 ソリューション事業においては、通信キャリア向け端末開発の落ち込みを補うべく、これまで通信キャリア向けに
積み上げてきたアプリ開発の実績やWeb、コンテンツ制作からクラウド関連技術まで幅広くカバーする技術力を活か
し、大手の一般法人やサービスプロバイダー向けにソリューション事業の拡大を推進しました。今期における一般法
人向けの実績例としては、ANA(全日本空輸株式会社)の国際線予約システムや東京海上日動火災保険株式会社が提
供する『モバイルエージェント』のリニューアル案件等が挙げられます。また、製薬大手企業に対しても、メディカ
ル領域でのコンテンツ実績を背景に、アプリ開発からWebサービスまでさまざまなソリューションを提供しました。
サービスプロパイダー向けにおいては、音楽や映像、ヘルスケアなどを展開する事業者のネット展開において、シス
テム開発やWeb運用まで幅広く支援しております。


<プロダクト&サービス事業>
 当連結会計年度におけるプロダクト&サービス事業の売上高は、1,805,985千円(前期比0.1%増)となりました。
 プロダクト&サービス事業においては、キャリア端末向けソフトウェアライセンスや従来型のきせかえコンテンツ
サービス等、既存の事業が大きく減少しており、それらを補うべく、B2Bサービスの展開強化や教育、ゲームジャン
ルの立ち上げに注力しております。B2Bサービスにおいては、クラウド同期型サービス『SMARTアドレス帳』の展開強
化に加え、法人向けチャットサービス『SMART Message』を新規に開発し、主に大企業をターゲットに拡販展開に取
り組んでいます。ゲームジャンルにおいては、オンラインゲーム『モンスター娘のいる日常オンライン』をDMMゲー
ムズと共同開発し、12月より配信を開始しました。また、教育ジャンルにおいては、NTTドコモが運営する知育サー
ビス『dキッズ』向けに、年令層と学科を広くカバーするラインアップ充実に取り組んでおり、2016年2月には、新た
にゲーム感覚で地理が学べるパズル型の地図コンテンツ『ちずモン』の提供を開始しました。さらに、関連会社化し
た株式会社ジェネシスホールディングスとのデバイス事業への取り組みとして、今期は、Microsoft社の最新OSであ
るWindows® 10 Mobileを採用したWindows Phoneの商品化を行っております。

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,532,332千円となりました。各キャ
ッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、146,092千円(前期は206,215千円の支出)となりました。これは主に、立替金
等の増加に伴う支出があったものの、非資金支出費用の減価償却費291,081千円や仕入債務の増加105,253千円など
があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は525,679千円(前期は771,404千円の支出)となりました。これは主に、ソフトウ
ェア等の無形固定資産や投資有価証券の取得等による支出によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、143,360千円(前期は670,155千円の収入)となりました。これは主に、長期借
入金による資金調達によるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、情報サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

前年同期比(%)

情報サービス事業(千円)

3,917,057

100.5

合計(千円)

3,917,057

100.5

(注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当社グループは、情報サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注状況は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

情報サービス事業(千円)

5,500,950

104.8

487,949

88.6

合計(千円)

5,500,950

104.8

487,949

88.6

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当社グループは、情報サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

前年同期比(%)

情報サービス事業(千円)

5,563,997

104.3

合計(千円)

5,563,997

104.3

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお金額には消費税等は含まれておりません。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年3月1日

至 平成27年2月28日)

当連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社NTTドコモ

1,320,993

24.8

1,355,132

24.4

エイベックス通信放送株式会社

611,328

11.5

675,048

12.1

 

3【対処すべき課題】

①スマートデバイス時代の新しいプロダクト&サービス事業の創出

 情報通信市場においては、スマートフォンの普及が進み、単にフィーチャーフォンからの移行に留まらず、タブレ
ット端末等を含めてTV、クルマ、生活家電等、新しい形でスマートフォンの技術を用いた「スマートデバイス」とも
呼ぶべき機器が使用される場面が増えております。また、クラウド化、グローバル化により、使用端末や使用場所を
問わない、シームレスなユビキタス環境がいよいよ実現に向かいつつあります。
 当社グループでは、既存サービスのスマートフォンへの展開はもちろんのこと、「スマートデバイス」時代にふさ
わしい新たなプロダクト&サービス事業の創出が極めて重要な課題であると考えており、海外での展開、提携も含
め、今まで以上に積極的な事業投資を行い、企画・開発に取り組んでまいります。

 

②バランスのとれたソリューション事業の展開

 当社グループは、キャリア、一般法人、サービスプロバイダーに対してバランスの取れたソリューションサービス
を展開しておりますが、今後もこれらをバランスよく保持することによって、ソリューション事業の安定的な事業基
盤を維持、拡大していくことが重要な課題であると認識しております。

 

③グローバル化の推進

 「スマート革命」時代においては、端末やOS、プラットフォームの世界共通化により、日本市場や世界市場の境界
がなくなる方向にあり、日本国内だけではなく、常に世界に目を向け、グローバルな視点にたった事業の展開が必須
となります。そういった環境のなかで、常に優位にたてるプロダクト&サービスを生み出せるグローバルな企画力、
技術力、マーケティング力等の維持、育成・蓄積が課題と考えております。開発についてもすべてを日本で行う必要
はなく、ボーダレスな環境のもと、必要に応じてコスト等を加味しながら、最適な場所で作り最適なマーケットで展
開していくことを基本に、オフショア開発を推進していくことが課題と捉えております。

 

④プロジェクトマネジメントの強化

 当社グループの成長に伴い、長期にわたるプロジェクトや大量の工数を要する大型プロジェクトの受注が増える傾
向にあります。これらの大型プロジェクトについては、より高度なプロジェクト管理が要求されるため、当社グルー
プにおいてもマネジメント力をさらに強化していくことが課題と捉えております。

 

⑤有能な人材の確保および育成

 当社グループが経営目標として掲げる「情報通信技術とコンテンツの融合による新しい価値の創出」を実現するた
めには、技術に関する知見やサービス企画スキルなどの高度な専門スキルを持ちつつ、幅広い視野に基づいてプロジ
ェクトをマネジメント・プロデュースできる有能な人材の確保と育成が課題となります。これまで同様、引き続き潜
在能力の高い人材の獲得に向けて各種採用活動を進めるとともに、今後はより一層社内の育成環境の強化に取り組ん
でまいります。

 

⑥コーポレートガバナンスの強化と内部管理体制の強化

 当社グループが継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、コーポレートガバナンスと内部管理
体制のさらなる強化が対処すべき重要な課題の一つと認識しております。業容の拡大に合わせ、常に見直すことも重
要であると考えており、さらなるコーポレートガバナンスおよび内部統制の強化に取り組んでまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 以下において、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針ですが、本株式に関する投資判断は、以下の事項および本項記載以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 また、以下の記載は当社グループの事業または本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご注意ください。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

①業界の動向について

  当社が属する情報通信業界においては、これまでも技術革新や新しいビジネスモデルの出現が頻繁に起き、これに
よって、業界全体が大きく変化してきました。昨今においても、スマートフォンの出現とともに、フィーチャーフォ
ンからの急速な代替、これに伴う携帯コンテンツサービスの衰退、課金方法等のビジネスモデルの変化、通信キャリ
アの業態変化の進行等が進んでおります。当社グループでは、こういった業界動向を予測しながら、新規顧客の開拓
や新サービスの立ち上げへの着手等を行い、環境変化への対応を常に模索しながら経営を行っております。しかしな
がら、ビジネスモデル、取引先、ユーザーの使い方、市場動向等の環境が想定と大きく違った動きをした場合は、当
社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合について

 当社グループの属する業界は、現状、法令や規制による参入障壁が低く、また、技術革新が日進月歩であることか
ら、競合他社の参入の可能性や技術の均衡化によるさらなる競争激化の可能性があります。
当社グループは、常に新しい技術の開発、習得に万全の体制を敷いておりますが、意表をつく技術の進歩、また、
新たなビューワープラットフォームなどの急速なシェアの拡大、エンドユーザー向けサービス分野における採算を度
外視した過度な広告宣伝競争の台頭、コンテンツ制作やWebソリューション分野において、予想を超える優れた企
画・制作・開発力を持つ新規会社の参入、世界レベルでのOS共通化などによる海外ベンダーとの競争激化などによ
り、当社グループの競争力や優位性を保つことが困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性
があります。

 

③研究開発、先行投資について

 当社グループの提供するサービス及び開発するソフトウェア等において、研究開発に多大な費用を要する場合や先
行して開発投資やサーバーなどの設備投資を行う場合があり、事業化に至らない場合や事業開始後に販売不振、会員
数の伸び悩みなど、実績が当初の計画から大きく変動する場合は、多大な費用の計上や投資額の減損処理をせざるを
得ないことが想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④携帯電話事業者との取引への集中度が高いことについて

 当社グループは、事業の特性により、携帯電話事業者との取引高が相対的に高い水準にあります。携帯電話事業者
とは今後も安定的に取引を継続することが可能であると考えています。しかし、すべての取引先と永続的な取引が確
約されているわけではなく、将来において、取引が減少または中断することになれば、当社グループの業績に影響を
及ぼす可能性があります。

 

⑤技術進歩による技術・サービスのライフサイクルへの影響について

 当社グループの事業領域である携帯電話、インターネット関連業界においては、日進月歩で技術革新が著しく、常
に新たな技術・サービスが誕生しています。当社グループも常に最新の技術動向に着目し、技術力で他社に遅れを取
ることのないように努めております。しかしながら、当社グループが想定する以上の技術革新や新サービスが展開さ
れ、当社グループの技術やサービスが陳腐化する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥人材リスクについて

 事業拡大にあたり、専門スキルをもった人材を十分に確保することが大きな課題となっています。優秀な人材の確
保や人材の流出を防ぐため、より魅力的な会社となるべく注力をしていますが、市場や環境の変化により、当社グル
ープに必要な人材の確保ができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報通信業
界は労働の流動性が高く、当社においても仕事におけるモチベーションの向上やインセンティブ等、優秀な人材が流
出しない施策を打っておりますが、当社グループに必要な人材の流出が生じた場合、当社グループの業績に影響を及
ぼす可能性があります。

 

 

⑦外注委託先の確保について

 当社グループは、グループ内の人員不足の補完及び開発費用削減などを目的に受託開発業務等については、外注委
託を行っており、優秀な外注委託先を安定的に確保することが重要であると考えています。しかし、優秀な外注委託
先が安定的に確保できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧製造物責任について

 当社グループは、ハードウェア事業の運営にあたっては、ハードウェア固有の製造管理業務が発生するため、それ
らに対する体制の構築を行い、厳密な品質管理に努めております。しかしながら、予期せぬ事情等により、大規模な
製品回収、損害賠償の発生、訴訟の提起等が生じた場合、当社グループのイメージ、ブランド、評判の低下、顧客流
失、保険金を上回る費用の発生等を惹起し、当社グループの事業、業績、および財務状態に影響を与える可能性があ
ります。

 

⑨情報セキュリティ及び個人情報保護に関するリスクについて

 当社グループは、情報セキュリティについて、コンピュータウイルスや外部からの不正アクセスに対し、社内の情
報システム部門を中心に対策を講じています。また業務に関連して個人情報を保有することがありますが、保有する
個人情報については、データを有するサーバーへのアクセス制限を設けるなどの管理を実施し、個人情報に関する取
り扱いについては然るべき対策を施すとともに、一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマークの認
定を受けるなど、情報管理体制の整備強化に努めております。しかし、運用に不備が発生するリスクや、外部からの
不正アクセスやハッキングによる情報の漏洩に関するリスクは完全には排除できないことから、個人情報が流出する
ような事態が発生した場合、賠償等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩知的財産権に関するリスクについて

 当社グループは、ソフトウェア技術やコンテンツノウハウをベースとしたサービス、ソリューションの開発・提供
を行っておりますが、仮に新製品の開発に成功し、特許申請を行ったとしても、それが知的財産権として保護される
保証はありません。また、当社グループの独自の技術ノウハウが知的財産権による完全な保護が不可能、または限定
的にしか保護されない可能性があります。そのため、他社が当社グループの知的財産権を使用した場合も効果的に防
止できない可能性があります。さらに、当社グループは他社の知的財産権侵害を排除すべく法務部門を設置し、顧問
弁護士との連携等、対策を講じておりますが、当社グループの今後使用する技術は、将来的に他社の知的財産権を侵
害しているとされる可能性があります。これらの事象が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが使用許諾の権利を受けている版権やソフトウェアの権利保有元とは良好な信頼関係を
維持していますが、契約期間は短いもので1年であり、契約期間終了後に契約が更新されない可能性があります。ま
た、権利保有元自身が同様の事業展開を行なう可能性も否定できません。このような場合、当社グループの業績に影
響を及ぼす可能性があります。

 

⑪システム障害について

 当社グループが遂行している事業は、インターネット網を介したコンピューターネットワークに依存しているた
め、システム障害等に対しても24時間監視体制を実施しております。また、電源やネットワークの二重化など、ディ
ザスタリカバリ(災害復旧)の対策を講じておりますが、自然災害や事故などの不測の事態により、電力供給量等の
低下など、社会インフラの使用制限等が想定以上に実施された場合、当社グループのコンピューターシステムの機能
低下や故障等を招くことで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫納品までの期間が長い取引による影響について

 当社グループの売上高には、受注から納品までのサイクルが長いものも含まれます。その中には比較的金額の大き
な取引も含まれますので、開発の過程において、仕様変更その他の事情により納入のタイミングが変更になった場
合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬新株予約権による希薄化効果について

 当社は平成19年2月14日、平成19年10月2日の臨時株主総会、平成23年5月26日、平成24年5月29日および平成26
年5月28日の定時株主総会において会社法第236条、第238条および第239条の規定に基づき、新株予約権の割当に関
し決議しております。現在付与されている新株予約権の行使が行われた場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化
し、当社株式の価格形成に影響を与える可能性があります。

 

⑭主要株主に関するリスクについて

 株式会社NTTドコモは、当社の第2位株主(平成28年2月末時点発行済株式総数に対する所有割合11.93%)であり
ます。同社に対し、今後も安定株主としての役割並びに将来の関係強化を期待しておりますが、今後、同社との良好
な関係が維持できなければ当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑮不採算プロジェクト発生のリスクについて

 当社グループの成長に伴い、長期にわたるプロジェクトや大量の工数を要する大型プロジェクトの受注が増える傾
向にあります。これらの大型プロジェクトについては、より高度なプロジェクト管理が要求されるため、当社グルー
プにおいても、プロジェクトマネジメント力の強化に取り組んでおりますが、さまざまな影響から計画通りに進まな
い場合、コストの増大によるプロジェクトの不採算化や、納期の遅延やプログラムの瑕疵によって生ずる顧客におけ
る損害の保障などが発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑯海外事業におけるリスクについて

 海外事業の展開に際して、相手国の取引に関する法令・規制、経済・為替の変動、政治・軍事問題、宗教・民族問
題等に関するリスクが存在し、これらに関した問題が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼ
す可能性があります。

 

 ⑰為替変動リスクについて

 当社グループは、輸入等を中心とした外貨建取引については、売価への為替変動の転嫁や為替予約等を通じてリス
クの最小化に努めておりますが、為替相場に大幅な変動が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響
を与える可能性があります。

 

⑱新規ゲーム等の開発・販売について

 当社グループでは、本年度よりネットワークゲーム市場に本格的に参入し、サービス提供を開始しておりますが、
ゲーム市場は、市場規模が大きくユーザーに受け入れられれば大きな収益が得られる可能性がある反面、競争が激し
く新規タイトルの投入が頻繁にあり、またユーザーの嗜好の変化も起きやすいため、先行きが非常に予想しにくい事
業であります。従い、新規に投入したゲームがユーザーに受け入れられず、予定通りサービスを継続できずに中止す
る場合や、市場の状況の変化により、開発の途上で開発及び市場投入を中止する場合があり、そのような場合には当
社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 (1)経営上の重要な契約

契約の相手方

(契約日)

契約の名称

契約内容

契約期間

株式会社セルシス

(平成19年8月1日)

コンテンツ配信サービスに関する契約書

コンテンツ配信サーバーシステム「Comic DC」を利用したコンテンツ配信サービスを共同で行うための契約

平成19年8月1日以降、両当事者が解約に合意又は解除事由にかからない限り有効

 

株式会社NTTドコモ

(平成24年7月27日)

ソフトウェアライセンス契約書

株式会社NTTドコモ向けスマートフォン端末に搭載されるHTMLメールエンジンソフトウェアの使用許諾契約

平成24年7月27日から

平成25年7月26日まで

(期間満了の1ヶ月前までに書面による申出が無ければ1年ごと自動更新)

 

Adobe Systems Incorporated

(平成25年3月1日)

AMENDED AND RESTAED LICENSE AND SUPPORT AGREEMENT FOR SCALING PARTNERS

端末メーカー向けにAdobe®AIR®(Adobe Integrated Runtime)やAdobe Flash®の使用許諾及びエンジニアリングサービスを提供するためのパートナー契約

平成25年3月1日から

平成27年11月30日まで

(以後、協議の上更新)

KDDI株式会社

(平成25年6月21日)

業務提携契約

コンシューマ向けアドレス帳サービス「SMARTアドレス帳」に関する業務提携契約

平成25年7月1日から

平成28年9月30日まで

(期間満了の3ヶ月前までに書面による申出が無ければ半年ごと自動更新)

ソフトバンク株式会社

(平成26年4月1日)

電子コミックビューワ使用許諾契約書

電子ブックビューワー「BookSurfing®」の使用許諾及びサポート業務委託契約

平成26年4月1日から

平成27年3月31日まで

(期間満了の3ヶ月前までに書面による申出が無ければ1年ごと自動更新)

株式会社ジェネシス

ホールディングス

(平成27年5月27日)

業務提携契約書

株式会社ジェネシスホールディングスとのスマートデバイス関連分野にて業務提携するための契約

平成27年5月27日から

平成29年5月26日まで

(期間満了の3ヶ月前までに書面による申出が無ければ1年ごと自動更新)

 

株式会社バリュー

デザイン

(平成27年6月25日)

包括的業務提携契約書

株式会社バリューデザインとのハウス電子マネー・電子決裁分野にて業務提携するための契約

平成27年6月25日から

平成29年6月24日まで

(期間満了の3ヶ月前までに書面による申出が無ければ1年ごと自動更新)

 

 

6【研究開発活動】

 新規サービス提供のための開発費等で16,038千円の研究開発費を計上しております。なお、情報サービス事業の単一セグメントであることから、研究開発費の総額のみ記載しております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

① 資産の部

 当連結会計年度末における流動資産の残高は3,077,580千円となり、前連結会計年度末に比べ98,472千円増加しておりますが、これは主に、現金及び預金が237,552千円減少したものの、受取手形及び売掛金が87,367千円、関係会社短期貸付金が20,000千円、立替金が167,449千円増加したことによるものであります。

 固定資産の残高は1,307,943千円となり、前連結会計年度末に比べ184,267千円増加しておりますが、これは主に、投資有価証券が138,177千円、関係会社株式が30,290千円増加したことによるものです。

 以上の結果、当連結会計年度末における総資産は4,385,523千円となりました。

② 負債の部

 当連結会計年度末における負債合計は1,664,916千円となり、前連結会計年度末に比べ246,084千円増加しておりますが、これは主に、賞与引当金が41,756千円減少したものの、買掛金が105,254千円、長期借入金が150,000千円増加したことによるものです。

③ 純資産の部

 当連結会計年度末における純資産合計は2,720,607千円となり、前連結会計年度末に比べ36,655千円増加しておりますが、これは主に、利益剰余金が16,127千円、その他有価証券評価差額金が13,777千円増加したことによるものです。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績は、売上高は5,563,997千円(前期比4.3%増)、営業利益は76,654千円(前期は413,961千円の営業損失)、経常利益は82,153千円(前期は376,740千円の経常損失)、当期純利益は28,916千円(前期は982,144千円の当期純損失)となり、大幅な増収増益となりました。

 なお、事業全体の包括的な分析及び事業別の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要  (1)業績」をご参照下さい。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ237,552千円減少し、1,532,332千円となりました。これは、投資活動によるキャッシュ・フロー(525,679千円の支出)が、営業活動によるキャッシュ・フロー(146,092千円の収入)及び財務活動によるキャッシュ・フロー(143,360千円の収入)を上回ったことによるものであります。

 なお、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フローの状況とこれらの主な要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、顧客ニーズに対応したソリューションの提供を行う「ソリューション事業」と、ソフトウェア・システム・コンテンツ等をライセンス、ASPサービス、コンシューマー・サービスなどのさまざまな形で展開する「プロダクト&サービス事業」の、二つのビジネスを推進しております。
 「ソリューション事業」では、①携帯キャリア、端末メーカー、有力サービス事業者等に、画像クラウドサービスなどの情報通信サービスや音楽・映像・電子書籍等の配信プラットフォームの開発、運営を支援する「スマートプラットフォーム事業」と、②製薬会社、クリニック、健康食品メーカーなど、メディカル・ヘルスケア分野の顧客を中心とした一般法人対象の「コーポレートソリューション事業」を当社グループの基盤事業として、さらなる拡大を目指しております。
 「プロダクト&サービス事業」では、アニメーションメールエンジン、UI・UXエンジン、P2Pコミュニケーションアプリ、ロック画面制御アプリ、スマートスティックなどの端末・アプリ関連ソフトウェア技術を核とした「デバイス系」と、電子ブックサービス、キャラクターサービス、ヘルスケアサービスなど、サーバー関連技術を核とした「クラウド系」の二つの分野でのプロダクトやサービスを、ライセンス・法人向けASP販売・コンシューマー向け販売・広告などのさまざまなビジネスモデルで提供してまいります。
 当社グループは、これら二つの事業を基幹に、両事業のシナジー展開を経営戦略として、「プロダクト&サービス事業」でのアセットを活用した他社とは明確に差別化された「ソリューション事業」の安定的な展開と、「ソリューション事業」で培われたノウハウや販売ルートを活かした「プロダクト&サービス事業」への取り組み拡大を積極的に進めてまいります。
 さらに、各事業におけるスマートフォンプラットフォームへの経営資源の集中投下を完遂するとともに、当社のデバイスおよびクラウド関連技術力にいっそう磨きをかけ、情報通信サービスマーケットにおける技術提供事業に加え、音楽・映像・出版等のメディア分野やメディカル・ヘルスケア分野などのリアル産業マーケットでの事業基盤を持つことを強みに、スマート革命時代に相応しい新しい事業の創出、展開を速やかに行ってまいります。

 

(注)1.「UI」はユーザーインターフェイスの略称であります。

(注)2.「UX」はユーザーエクスペリエンスの略称であります。

(注)3.「P2P(ピアツーピア)」とは、ネットワーク上で対等な関係にある端末間を相互に直接接続し、データを送受信する通信方式、また、そのような方針を用いて通信するソフトウェアやシステムの総称であります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは、「情報通信技術とコンテンツの融合による新しい価値の創出」を経営目標として、クラウドおよびデバイスソフトウェア技術と、コンテンツサービスへの昇華力、独自のビジネスデザイン力・プロデュース力を源泉として、独自性の高いソリューション及びプロダクト&サービスの提供を指向しております。スマートフォンをコアデバイスとしながら、さまざまなスマートデバイスがシームレスにつながり、魅力的なコンテンツや便利なサービスが時と場所を選ばず利用できる「スマート革命」時代を牽引し、より便利で、楽しく、健やかで、豊かな生活の実現に寄与してまいります。