当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「ライフデザイン事業」、「AI&クラウド事業」、「IoT&デバイス事業」の3つの事業を展開しております。知育・教育、健康、フィンテック、キャラクター利用等の分野におけるデジタルテクノロジーを活用したサービスとソリューションを提供していく「ライフデザイン事業」、AIチャットボット“OfficeBot”やクラウドアドレス帳サービス“SMARTアドレス帳”などのSaaSサービスやAWS等を活用したTechソリューションを提供していく「AI&クラウド事業」、通信デバイスの開発・製造やデバイスを使うためのプラットフォーム・アプリケーションの開発を通じて、モノとインターネットを融合した価値を提供していく「IoT&デバイス事業」の3つの事業において、TechnologyとCreativeの融合によりmiracle(驚き)を与えるサービス、プロダクト、ソリューションを提供することを通じて、豊かで新しい未来を創造していくことを標榜してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、中長期的な事業規模拡大と利益の増大、および効率的な株主資本の運用による継続的な企業価値向上を目指しております。このような観点から、当社グループの重視する経営指標は、調整後EBITDA(営業利益と減価償却費(のれんに係る償却費を含む)及び為替差損益の合計額)、経常利益、純利益、及び自己資本利益率(ROE)と考えており、これらの目標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社を取り巻く事業環境は、DX化の進展に伴うICT市場の拡大が予想される一方、政治情勢や金融市場、為替相場の変動等の不確実性に加えて、地球温暖化による災害の多発、ChatGPTに代表される業界内の技術革新や慢性的なIT人材不足等もあり、先行き不透明な状況が続くものと思われます。このような環境下、当社グループは、「ライフデザイン事業」、「AI&クラウド事業」、「IoT&デバイス事業」という3つの事業分野を保有しているという多様性を活かし、それぞれが補完し合い、かつシナジーを生み出すポートフォリオ経営を推進することで、現代の不確実性に満ちた時代においても継続的に企業価値を向上させてまいります。また、DX化の進展による市場ニーズの拡大を確実に捉えるため、各事業において、ハードウェア、ソフトウェア、コンテンツという競争優位性を活かしたソリューションの展開を着実に進める一方、自社プロダクト、自社サービスへの投資を積極的に推進することで、さらなる成長を実現してまいります。
「ライフデザイン事業」では、次の3つのビジネスモデルで事業を展開していきます。
①「コンシューマ&コンテンツ事業」において、創業当初より培ってきた豊富なキャラクターコンテンツや知育・教育に関する知見と企画・開発力を駆使したゲームや知育アプリ、教育コンテンツ等の開発を推進し、特にゲーム事業についてはグローバル展開、複数のプラットフォーム展開を進めることで、事業の拡大、安定収益源の確保に努めてまいります。
②「ウェルネス事業」においては、健康経営への取り組み企業増加を背景に、AI健康アプリ“カロママプラス”、Renobodyウォーキングイベント等のBtoBサービスを拡大するとともに、ウェルネス領域におけるソリューションを提供してまいります。
③その他事業においては、主として流通や飲食業等の店舗展開企業に対して、CRMやマーケティング機能を備えたプリペイド型キャッシュレス決済アプリを提供する事業や、酒販業界や医療・介護業界などの特定業界にフォーカスした業務の自動化や効率化等を可能とするDX化プラットフォームを提供する事業を推進してまいります。
「AI&クラウド事業」では、次の2つのビジネスモデルで事業を展開していきます。
①「SaaSサービス」において、ChatGPT等生成AIを活用したAIチャットボット“OfficeBot”への投資を継続することで中長期的な成長を目指すと同時に、クラウドアドレス帳サービス“SMARTアドレス帳”の拡大にも注力してまいります。
②「ソリューション事業」においては、生成AI活用ニーズに対応したAIソリューションのフレームワーク「AIdeaSuite」の展開を拡大し、付加価値の高いAIソリューションを展開するとともに、DX推進を図る企業向けに各種トータルビジネスソリューションを展開してまいります。
「IoT&デバイス事業」では、次の2つのビジネスモデルで事業を展開していきます。
①「ODM事業」においては、IoT需要のさらなる拡大を捉え、小型IoT機器、モビリティデバイス、ICT用途カスタムタブレット等、従来製品の成長を図るとともに、より幅広い高付加価値デバイスの開発も積極的に推進し、ノウハウの蓄積と事業の拡大に注力してまいります。また、ソフトウェアとのトータルソリューションを推進し、収益性の改善を図ってまいります。
②「自社製品事業」に関しては、aiwa製品のラインアップ拡充と販売体制強化、ブランド認知の向上に注力し、ODMと並ぶ事業の柱となるよう経営資源を投入してまいります。
(4)会社の優先的に対処すべき課題
①グループ経営の強化
当社グループが属する情報通信市場は、急速な勢いで変化しており、近年ではLLM(大規模言語モデル)の進化などに代表される技術革新によるDXの進展は、世界規模で進んでいくことが予想されます。こうした市場のなかで、当社グループが魅力的なプロダクト、サービスやソリューションを提供し、継続的な競争優位性を維持していくためには、グループ各社及び各事業セグメントが有する技術力やノウハウ、顧客基盤を有機的に結合するとともに、業務提携やM&A等の外部施策の展開、新規事業開拓への積極的なチャレンジ等が極めて重要であると認識しております。これらに対処するため、持株会社テクミラホールディングス株式会社による資本政策の充実、新規事業やパートナー開発の推進、また、事業セグメント間の柔軟な連携やシナジーの発揮を推進し、さらなる競争力強化と事業拡大に取り組んでまいります。
②競争力の高いソリューション事業の推進
ソフトウェア開発の領域においては、近年、様々なSaaSサービスの登場やノーコード、ローコード化の進行、企業自身によるアジャイル開発指向の増加によるアウトソーシング需要の変化などの構造変化が起きつつあり、これまで当社の主軸であったスクラッチ型のソフトウェア開発という市場が大きく変わっていく可能性があります。こういった変化を見越して当社グループでは、ソリューションの事業について次の3つの方向を指向していく方針です。一つは、自社サービスの展開により、ノウハウの蓄積された、ヘルスケア、教育、決済などのサービスソリューションへの重点シフトです。二つ目は、これまでTechソリューションとして展開してきた強みがある、AIチャットボットやクラウドアドレス帳等の「AI&クラウド」分野への注力です。三つ目は、これまでも行ってきたIoT&デバイス事業を展開している優位性を活かして、デバイスと同期したプラットフォームやアプリケーション開発を展開していくという分野です。当社グループは、コンテンツ、ソフトウェア、ハードウェアという3分野にわたる技術やノウハウをクロスさせ、事業セグメント間の連携によるシナジー効果を発揮していくことで、当社ならではのトータルソリューションを提供し、収益力の強化に取り組んでまいります。
③自社プロダクト、サービス事業の拡大
当社グループの企業価値を中長期的に向上させていくためには、競争力の高いソリューション事業を確立して行く一方で、当社自身が当社の強みを活かした自社プロダクト、サービス事業を拡大していくことが不可欠であると考えております。キャラクターコンテンツにおける強みを活かしたゲームソフトやキッズアプリなどのコンシューマサービス事業、AIチャットボットやクラウドアドレス帳サービスなどのAI&クラウド分野のSaaSサービスや、ヘルスケア、プリペイド決済などのBtoBサービスに加え、近年では、IoT&デバイス分野においても、自社製品事業としてaiwaブランドの事業にも取り組んでおり、自社事業によって安定的な収益の獲得を推進し、中長期的な利益の拡大を図ってまいります。
④グローバル化の推進
ソリューションビジネスにおける熾烈な競争環境で競争優位性を維持し、自社プロダクト、自社サービスの成長拡大を図るためには、グローバルな視点にたった経営体制の構築が不可欠であると考えております。世界的な潮流を踏まえた技術開発や、コスト競争力の優位性を確保していくためには、ソフトウェア、ハードウェアともに、企画、設計段階からのグローバルな開発、製造体制の構築を推進していく必要があります。当社グループは、ソフトウェア開発ではNEOS VIETNAM INTERNATIONAL CO.,LTD、ハードウェア設計開発、製造では創世訊聯科技(深圳)有限公司、金型製作・プラスチック射出成型では創紀精工(東莞)有限公司を有しておりますが、アジア拠点間の連携によるIoTソリューション開発という新たな取り組みや、各拠点地域における受注活動、製品販売などの取り組みも検討してまいります。また、ゲームソフトなどのコンシューマサービス事業におきましては、開発投資リスクを軽減し、収益を拡大するためには、マーケット規模の大きい海外市場でのグローバルな販売が不可欠であります。そのためには、各国地域毎のニーズの把握や海外事業パートナーの発掘、マーケティング体制の充実に加え、海外コミュニケーション能力の高い人材の育成や獲得などが重要であり、これらを推進してまいります。
⑤プロジェクトマネジメントの強化
当社グループの成長に伴い、長期にわたるソフトウェア開発受託プロジェクトや、大規模なハードウェア製造受託プロジェクト、また大型のゲームソフト開発などが増えていく傾向にあります。これらの大型プロジェクトについては、より高度なプロジェクト管理が要求されるため、マネジメント力をさらに強化していくことが必須と捉えております。具体的には、(1)受注時、企画時における見積り精度の向上、(2)きめ細かな開発、製造要員計画の立案、(3) 品質管理体制の拡充、(4)仕様決定プロセスにおける顧客確認、外注先確認の徹底、(5)顧客、外注先との緊密なコミュニケーション、(6)グループ会社間、部門間を跨いだプロジェクト管理体制の構築などが重要と考えており、具体的には、社内ルールとしての「プロジェクトマネジメントガイドライン」や「行動原則」を整備しており、これらのグループ全体への定着活動を推進してまいります。
⑥有能な人材の確保及び育成
各事業の競争力強化を推進していくにあたっては、それぞれの事業に必要な人材を確保、育成していくことが重要であると考えております。有能な人材の確保に向けて多面的な採用活動を進めるとともに、職場環境の整備、モチベーション向上のための表彰制度の実施、教育、育成制度の充実などに対し、積極的かつ継続的に取り組んでまいります。
⑦セキュリティ体制の強化
当社グループの事業領域の拡大、業容の多角化に伴い、業務に関連した個人情報や、顧客の機密情報を取り扱うケースが増えております。そのため、当社グループのソリューション事業におきましては、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC 27001:2013 / JIS Q 27001:2014」に基づくISMS認証を取得しました。また、設計、開発、製造、運用、保守の各段階におけるセキュリティ標準遵守の徹底や、グループ全体にわたるセキュリティ教育、啓蒙のさらなる推進、ソフトウェア、デバイス、社内ネットワークのモニタリング体制の拡充などを進めておりますが、情報セキュリティの確保は、企業の社会的責任であることをグループ各社が改めて再認識し、継続的にその取り組みを強化してまいります。
⑧ESG経営への取り組み
当社グループは、IoT&デバイス事業、AI&クラウド事業を通じたデジタル社会の産業基盤構築への貢献、ライフデザイン事業を通じた健康増進への取り組みや、知育アプリ、教育コンテンツプロデュースを始めとするEdTechサービスの提供等、あらゆる事業活動を通じて、サステナブルな社会の実現に向けた課題解決に貢献してまいります。また、当社グループが、持続的に企業価値を成長させていくためには、ESGの課題に対して、より積極的、能動的に対応していく必要があると考えています。
環境問題に関する取り組みとしては、電子契約の導入、ペーパーレス会議等による、コピー用紙使用量の削減に取り組むほか、リモートワーク制度、フリーアドレスの導入等によるオフィス面積縮小等に伴う電力使用量削減などを推進しております。また、深圳における製造体制では、IECQ QC080000有害物質プロセスマネジメントの認証を取得し、使用者にも環境にも、安心、安全な製品を提供しております。引き続き、こうした環境配慮型の事業推進体制を構築してまいります。 社会に関する取り組みとしては、引き続き、社会問題解決に寄与するソリューション、サービス、製品開発を推進するほか、かねてから注力しておりますワークライフバランス、ダイバーシティ、健康経営等への取り組みをより一層推進してまいります。
ガバナンスに関する取り組みとしては、持続的成長を可能とする企業体質の確立に向けて、海外の拠点、子会社を含むグループ全体のコーポレートガバナンスの強化、並びに内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。グループ経営体制としては、権限移譲によりグループ各社の経営自由度を高める一方、グループ経営に関わる重要事項については、テクミラホールディングス株式会社の取締役会承認とするなど、より高度な体制を構築しているほか、指名報酬委員会、独立社外取締役会の設置、 コーポレートガバナンス基本方針の制定、開示等を行っており、引き続き体制強化への取り組みを推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティに関する基本的な考え方>
当社グループは、「TechnologyとCreativeで未来を創る」という経営理念のもと、高い専門性を有するIT企業グループとして、コンテンツからソフトウェア、ハードウェアまで網羅した幅広い事業を展開しています。当社グループは、そうした幅広い事業展開をする中で、様々なステークホルダーの価値創造に資する経営を行うとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けたコーポレート・ガバナンス体制の構築に継続的に取り組むため、「コーポレート・ガバナンス基本方針」を定めております。
「コーポレート・ガバナンス基本方針」には、当社グループのガバナンス体制等の方針に関する項目のほか、「サステナビリティに関する方針」についても定めており、その内容は以下の通りです。
①社会のDX化ニーズを支援すること、また、新たなX-Techサービス を自ら生み出すことで、持続可能な社会の実現に向けた課題解決に貢献する
②事業活動を行うに当たり以下のことに配慮する
・気候変動などの地球環境問題
・人権の尊重
・お客様の安心と安全
・従業員の健康、労働環境や公正・適切な処遇
・女性の活躍促進を含む多様性の確保
・取引先との公正・適正な取引
③ビジネスパートナー等様々なステークホルダーとの間での良好な関係を築き、適切な協力関係の構築に努める
(1)ガバナンス
当社グループを取り巻く経営環境は常に変化しております。このような急激に変化し続ける事業環境に即応し、持続的・安定的な成長を実現するために、当社グループは、当社がグループ全体の経営方針や目標を定めつつ、グループ各社の業務執行を監督する持株会社体制を採用しております。グループ各社のサステナビリティに関する重要事項は、当社取締役会に付議、報告される体制となっており、また、当社取締役はグループ各社の取締役を兼務しているため、グループ各社の取締役会においても、「サステナビリティに関する方針」に基づいたサステナビリティに関する決議、報告が徹底されております。
(2)戦略
a.人材育成に関する方針
今後更なる事業拡大を進めるにあたって、継続的に優秀な人材を確保し、育成していくことが大変重要だと考えております。まず、人材採用にあたっては、将来の事業成長を支える人材の確保や、事業成長に必要な専門性の高い人材確保に努めております。また、従業員の主体性を重んじるマネジメントを遂行するとともに、年齢・国籍・性別等を区別せずに従業員を評価する制度や、当社グループへの入社後も専門性を高めるための各種研修制度を用意し、従業員の成長を促しております。
b.社内環境整備に関する方針
従業員が能力を十分に発揮できるよう、時差出勤やリモートワークを導入するとともに、コミュニティスペースを設置するなど快適なオフィス空間を提供しております。また、国内主要子会社においては、社長直轄で組織された「健康経営プロジェクトチーム」が中心となり、安全衛生委員会・産業医・健保組合と連携して、社員の健康維持・増進を支援する施策を推進し、経済産業省による「健康経営優良法人 2024」の認定を取得しております。今後も、引き続き従業員が存分に力を発揮できる環境を整えてまいります。
(3)リスク管理
当社グループでは、サステナビリティを含むリスク管理を経営の重要な課題として捉えています。このため、経営上、起こりうる種々のリスクに対応するため、「リスク管理規程」、「コンプライアンス規程」、「倫理規程」、各種情報セキュリティに関する規程等を遵守する体制を構築するとともに、リスク管理体制を推進する部門である経営企画部が、リスクに関する調査、代表取締役社長および取締役会への報告等を行っております。また、取締役会の下にリスク・コンプライアンス委員会を設置し、サステナビリティ関連に関するリスクを含むリスク管理を行っており、必要に応じて取締役会に報告する体制を構築しております。
(4)指標及び目標
当社グループでは、グローバルな競争が激化する中、多様なDX化ニーズに的確に対応し、競争優位性の維持や付加価値の創造を継続的に行っていくため、人材の多様性が不可欠と考えています。
以下において、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針ですが、本株式に関する投資判断は、以下の事項および本項記載以外の諸事情を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、以下の記載事項は当社グループの事業または本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんのでご注意ください。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
①市場動向について
当社グループが属する情報通信市場においては、日進月歩の技術革新や新しいビジネスモデルの出現、グローバル化の進展等、日々変革の流れのなかにあり、市場環境は常に変化しております。当社グループでは、こういった市場動向を捉え常に最適解を模索しながら経営を行っておりますが、当社グループの属する市場は、現状、法令や規制による参入障壁が低く、また、技術革新が急速であることから、競合他社の参入の可能性や技術の均衡化によるさらなる競争激化の可能性があります。当社グループは、常に新しい技術の開発、習得に万全の体制を敷いておりますが、意表をつく技術の進歩、また、新たなプラットフォームの出現、予想を超える優れた企画・制作・開発力を持つ新規企業の参入、グローバル化の進展に伴う海外ベンダーとの競争激化などにより、当社グループの競争力や優位性を保つことが困難になった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
②新規事業開発について
当社グループが属する市場においては、常に技術やサービスの新陳代謝が起こることを前提として企業運営をしていくことが重要となります。特に現在は、スマートフォンやSNSメディアの浸透、AI、IoT等の技術的な進化など、ユーザーレベルでも技術レベルでもドラスティックな変化が進行している最中にあります。当社グループにおいても、これに対応して新しい技術開発やサービス開発、あるいは新規事業の参入に積極的に取り組んでおりますが、市場の状況変化や競争の熾烈化、協業パートナーの状況等により、事業計画の変更や事業を中止する場合があり、これらが発生した場合、多大な費用の計上や投資額の減損処理をせざるを得ないことが想定され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③事業提携先への出資について
当社グループが属する市場において、技術革新や世の中の動きに対応してスピーディーに事業展開を進めていくためには事業提携が欠かせません。事業提携にあたっては、提携先の経営状況を把握し、より緊密かつ有用な提携関係を保つことを目的として政策出資を行ったり、M&Aを実施する場合があります。この場合、当該企業の経営状況の悪化や株式価値の下落等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④大手取引先について
大手取引先とは、今後も安定的に取引を継続することが可能であると考えておりますが、すべての取引先と永続的な取引が確約されているわけではなく、将来において取引が減少または中断することになれば、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤人材リスクについて
事業運営にあたり、専門スキルをもった人材を十分に確保することが大きな課題であり、優秀な人材の確保や人材の流出を防ぐため、より魅力的な会社となるべく注力をしていますが、市場や環境の変化により必要な人材の確保ができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報通信業界は労働の流動性が高く、当社グループにおいても仕事におけるモチベーションの向上やインセンティブ等、優秀な人材が流出しない施策を打っておりますが、必要な人材の流出が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥部材調達について
デバイス事業においては、外部の供給業者から多くの部材を調達しております。ある程度の部材を確保する等リスクヘッジはしておりますが、こうした部材の価格が需給の逼迫や市況の変動等によって急激に高騰し、それが長期化した場合は利益を減少させる可能性があります。また、外部の供給業者の経営状況や生産状況の悪化等により部材の調達に支障をきたした場合、製品の製造や販売が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦製品の欠陥等、製造物責任について
デバイス事業の運営にあたっては、デバイス固有の製造管理業務が発生するため、それらに対する体制の構築を行い、厳密な品質管理に努めるとともに、製造物責任法に基づく損害賠償請求に対しては、一定額の損害賠償保険に加入する等リスク回避策を講じております。しかし、予期せぬ事態等により、大規模な製品回収、補償額を超える損害賠償の発生、訴訟の提起等が生じた場合、当社グループのイメージ、ブランド、評判の低下、顧客流失、保険金を上回る費用の発生等を惹起し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧情報セキュリティ及び個人情報保護に関するリスクについて
当社グループでは、コンピュータウイルスや外部からの不正アクセスに対し、専門の情報セキュリティ部門を中心に対策を講じています。また業務に関連して個人情報を保有することがありますが、保有する個人情報についてはデータを有するサーバーへのアクセス制限を設けるなどの管理を実施し、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC27001:2013/JISQ27001:2014」に基づくISMS認証の取得や、一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマークの認定を受けるなど、情報管理体制の整備強化に努めております。また、個人情報の漏洩により発生する諸費用や損害賠償請求については、個人情報取扱事業者保険に加入する等リスク回避策を講じております。しかし、運用に不備が発生するリスクや外部からの不正アクセス、ハッキングによる情報の漏洩に関するリスクは完全には排除できないことから、個人情報が流出するような事態が発生した場合、当社グループのイメージ、ブランド、評判の低下、顧客流失、保険金を上回る費用の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨知的財産権に関するリスクについて
当社グループが仮に新製品の開発に成功し、特許申請を行ったとしても、それが知的財産権として保護される保証はありません。また、独自の技術ノウハウが知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない可能性があります。そのため、他社が当社グループの知的財産権を使用した場合も効果的に防止できない可能性があります。他社の知的財産権侵害を排除すべく法務部門を設置し、顧問弁護士との連携等、対策を講じておりますが、当社グループが今後使用する技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。また、当社グループが使用許諾の権利を受けている版権やソフトウェアの権利保有元とは良好な信頼関係を維持していますが、契約期間終了後に契約が更新されない可能性があります。これらの事象が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩システム障害について
当社グループが遂行している事業は、インターネット網を介したコンピュータネットワークに依存しているため、システム障害等に対しても24時間監視体制を実施しております。また、電源やネットワークの二重化など、ディザスタリカバリ(災害復旧)の対策を講じておりますが、自然災害や事故などの不測の事態により、電力供給量等の低下など、社会インフラの使用制限等が想定以上に実施された場合、当社グループのコンピュータシステムの機能低下や故障等を招くことで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪新株予約権による希薄化効果について
当社は、当社グループ役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。また、資金調達を目的として第三者に対し新株、新株予約権等を発行することがあります。これらが実施された場合、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化し、本株式の価格に影響を及ぼす可能性があります。
⑫不採算プロジェクト発生のリスクについて
当社グループの成長に伴い、長期にわたるソフトウェア開発受託プロジェクトや大規模なハードウェア製造受託プロジェクト、また大型のゲームソフトやアプリ開発などが増える傾向にあります。これらの大型プロジェクトについては、より高度なプロジェクト管理が要求されるため、プロジェクトマネジメント力の強化に取り組んでおりますが、さまざまな影響から計画通りに進まない場合、コストの増大、プロジェクトの中断による不採算化や、納期の遅延やプログラムの瑕疵によって生ずる、顧客の損害に対する補償などが発生する可能性があります。また、コンシューマ向けのソフトやアプリ事業については、多額の開発費や広告宣伝費が必要とされる一方で、開発期間に時間を要するケースが多いことから、計画を立てた時点と販売を開始した時点で、市場での競争状況やユーザーの嗜好性が大きく変化し、当初計画とは異なる販売実績となる可能性があります。その場合、過剰な在庫や、保有するソフトウェア資産が陳腐化することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬海外地域における事業リスクについて
海外事業の展開に際して、相手国の取引に関する法令・規制、経済・為替の変動、政治・軍事問題、宗教・民族問題等に関するリスクが存在し、これらに関した問題が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、輸入等を中心とした外貨建取引については、売価への為替変動の転嫁や為替予約等を通じてリスクの最小化に努めておりますが、為替相場に大幅な変動が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(自2023年3月1日至2024年2月29日)における日本経済は、5月に新型コロナ感染症が第5類へ移行したことによる個人消費のリバウンド需要や、入国制限の大幅な緩和による訪日外国人数の回復に伴うインバウンド需要拡大など、アフターコロナ下での経済活動の正常化が進みました。個人消費については、原材料費の高騰や為替等の影響により多くの分野で商品・サービス価格が上昇し、秋口からやや弱含みとなりましたが、インバウンド需要が引き続き拡大したことや、内需企業でコスト上昇分の価格転嫁が進んだこと、輸出企業についても円安が追い風となったことなど企業業績全般が拡大し、2023年暦年の実質GDPは前年比1.9%増と3年連続のプラス成長となり、景気は緩やかながらも回復基調で推移いたしました。
景況感の回復に伴い、企業の設備投資意欲は回復してきております。中でも、既存システムの刷新やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進への投資意欲が高まっており、特にDXについては、新型コロナ禍における一過性・限定的なDX投資から、業務効率の向上や改善、省人化などへ向けた普遍的・積極的なDX化への投資が引き続き力強いものとなっております。また、産業分野だけではなく、デジタル化による新しい生活様式へ向けて、教育、健康、医療、決済、行政、エンターテインメント等のあらゆる領域で構造変化の流れが継続しており、今後も、IoT(インターネット・オブ・シングス)市場の成長や生成AIの普及・利用などと相まって、DXおよびICT市場は引き続き成長していくことが予想されます。
こうした状況の中、当社グループにおいては、昨年10月に当連結会計年度を1年目とする中期経営計画を発表いたしました。従来の受託系事業中心から収益性の高い自社事業へと軸足を移すことを目指すものであり、ライフデザイン事業ではゲームソフト、キッズアプリなどのコンシューマ事業やヘルスケア、FinTech等のBtoBサービス、AI&クラウド事業ではAIチャットボットなどのSaaS関連や生成AIを活用したAIソリューション、コネクテッド事業ではaiwa事業など自社製品事業の拡大により収益性の向上を図り、中長期的な成長と収益性向上を目指すものです。当連結会計年度においては、酒販業界におけるキャッシュレス決済等のDXサービスを提供する「スマはっちゅう㈱)」の運営開始、医療介護向けプラットフォーム「KarteConnect」の導入やAI健康アプリ等で健康管理サービスを展開している「㈱リンクアンドコミュニケーション」の連結子会社化、AIチャットボット事業の拡大や自社製品aiwa事業の本格立上げなど、中期経営計画で策定した各セグメントの重点戦略は順調に進みました。
一方で足許の業績としては、コネクテッド事業はコロナ禍明けによるODM事業の復調やaiwa事業の成長による増収、AI&クラウド事業はSaaS事業の採算改善による増益で推移したものの、昨年度利益構成として最大であったライフデザイン事業が、大きく減益となりました。ライフデザイン事業においては、2021年度国内、2022年度海外において大きく販売を伸ばしたゲームソフトの需要一巡に加え、新作ゲームソフトの発売時期を年度末に見直したこと、ソリューション系事業において不採算プロジェクトが発生したこと、これに加えて㈱リンクアンドコミュニケーションの子会社化に伴いネオス㈱のヘルスケア事業の2024年1月、2月が連結除外となったことなどが減益の大きな要因です。以上により営業利益は損失計上となりましたが、コネクテッド事業における為替予約オペレーションによる為替差益、ホールディングカンパニーにおける有価証券売却益や投資組合運用益により、経常利益、純利益は夫々利益を計上する結果となりました。
これらにより、当連結会計年度における当社グループの売上高は8,736,684千円(前期比0.9%増)、営業損失は122,979千円(前期は営業利益180,578千円)、経常利益は132,661千円(前期比65.7%減)、純利益は73,927千円(前期比71.9%減)となりました。
セグメント別の事業動向については以下の通りです。
<ライフデザイン事業>
当連結会計年度におけるライフデザイン事業の売上高は2,672,528千円(前期比20.3%減)、セグメント利益は5,125千円(前期比98.9%減)となりました。
ライフデザイン事業については、コンシューマ事業において、前期はゲームソフトの海外版が通期で収益貢献したのに対し、当期は、これらの需要が一巡したことに加え、新作ゲームソフトNintendo Switch「クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』」の発売を年度末時期に見直したこと、ソリューション系の事業において自社事業のBtoBサービスにリソースをシフトしたことによる売上減少や不採算プロジェクト案件が発生したこと、また、㈱リンクアンドコミュニケーションの子会社化に伴いネオス㈱のヘルスケア事業の2024年1月、2月が連結除外となったことなどから、大きく減収減益となりました。
今期においては特にBtoBサービス分野の強化に努め、従来から展開している健康支援サービス「RenoBody」やハウス電子マネー決済サービス「ValueWallet」の更なる拡大、新たなサービスとして、キャッシュレス決済を含む酒販向けDXサービス「スマはっちゅう」の導入や医療介護向けプラットフォーム「KarteConnect」の提供開始、さらに、AI健康アプリ「カロママプラス」事業を営む㈱リンクアンドコミュニケーションの連結子会社化によるヘルスケア事業基盤の強化などに取り組みました。また、年度末に国内で発売した新作ゲームソフトについては、本年5月2日にアジア地域での完全ローカライズ版の発売を計画しており、今期においてはアジア各国における予約活動を開始したほか、世界展開に向けての準備を進めております。
<AI&クラウド事業>
当連結会計年度におけるAI&クラウド事業の売上高は1,828,233千円(前期比4.6%増)、セグメント利益は129,412千円(前期比114.6%増)となりました。
AI&クラウド事業については、自社製のAIチャットボットにOpenAI社のChatGPTを取り込んだ“OfficeBot powered by ChatGPT API”を他社に先駆けて製品化したことが奏功し、SaaS事業の売上高は大きく拡大いたしました。AIチャットボットへの問い合わせ数、顧客獲得数は順調に増えており、月次ベースでは採算面も大きく改善しつつあります。一方、ソリューション事業については、LLM(ラージ・ランゲージ・モデル)の知見や技術を活かしたソリューションなど当社として特徴のある分野に注力するためのリソースシフトを行い、一般受託開発の案件の絞り込みを行ったため売上高は減少しましたが、一方で、オフショア活用を含めた開発コストの改善が進み、これらの結果、セグメント業績は増収増益という結果となりました。なお、ソリューション分野におけるAI取り組み強化に向けては、本年2月に法人・自治体向けのセキュアな GPTモデルの活用環境の構築からカスタマイズまで対応したフレームワーク「AIdea Suite(アイデアスウィート)」の提供を開始しております。
<コネクテッド事業>
当連結会計年度におけるコネクテッド事業の売上高は4,346,549千円(前期比16.9%増)、セグメント利益は18,812千円(前期はセグメント損失52,824千円)、為替差益を含めた実質セグメント利益は134,658千円(前期比9.7%減)となりました。
自社製品事業であるaiwa製品については、当年度が実質的に本格展開の初年度となりましたが、新製品投入によるラインアップ拡充に加え、マーケティング展開の強化に努め、オーディオで親しまれてきたaiwaブランドのデジタル製品という新しい顔についての顧客認知向上に力を入れてきました。製品についての評価も頂き、タブレットPCの各種販売ランキングでは複数機種が上位に定常的に入り、市場シェア拡大が進むなど、法人向け・個人向けの両市場でプレゼンスは高まりつつあります。
ODM事業についても、アフターコロナを背景にIoT関連の受注・売上高は拡大いたしましたが、利益面については、円安元高の為替変動が影響しました。顧客に提供する際に為替予約対策を行い日本円での提供価格については、為替変動を受けない対策を取っていますが、全ての部品に対して為替の影響から逃れることは出来ないこと、元高環境における顧客との価格、数量折衝において数量を確保するために原価率が上がることを許容せざる得ない局面があること等の要因があり、aiwa製品導入のためのマーケティング展開という費用増加面とあわせ、増収ながらも実質セグメント利益は減少することとなりました。なお、2023年3月に拡張移転した中国の新工場は順調に稼働し、ODM、aiwa製品の両事業の生産活動に貢献しております。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前年同期比較については、変更後のセグメント区分に基づき作成した数値で比較しております。
また、セグメント別の事業動向に記載の各セグメントの売上高については、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加えた金額を記載しております。詳細は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,662,384千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、60,689千円(前期は699,812千円の支出)となりました。これは主に前渡金の増加242,300千円、投資有価証券売却益114,142千円などの減少要因があったものの、減価償却費263,566千円、棚卸資産の減少242,374千円などの増加要因が減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,258,299千円(前期は601,303千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出610,306千円、出資金の払込による支出450,000千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、807,105千円(前期は783,710千円の支出)となりました。これは長期借入金による収入1,249,016千円などが主な要因であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
ライフデザイン事業(千円) |
1,551,343 |
153.2 |
|
AI&クラウド事業(千円) |
849,801 |
51.4 |
|
コネクテッド事業(千円) |
3,464,014 |
119.4 |
|
合計(千円) |
5,865,159 |
105.4 |
(注)金額は売上原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
ライフデザイン事業 |
2,810,931 |
130.3 |
231,334 |
308.4 |
|
AI&クラウド事業 |
1,689,596 |
63.6 |
174,057 |
68.5 |
|
コネクテッド事業 |
3,246,452 |
76.1 |
799,606 |
42.9 |
|
合計 |
7,746,980 |
85.3 |
1,204,997 |
54.9 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
ライフデザイン事業(千円) |
2,654,610 |
79.5 |
|
AI&クラウド事業(千円) |
1,769,639 |
108.3 |
|
コネクテッド事業(千円) |
4,312,435 |
117.0 |
|
合計(千円) |
8,736,684 |
100.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社ビットキー |
1,008,309 |
11.6 |
- |
- |
|
株式会社サイン・ハウス |
- |
- |
916,894 |
10.5 |
(注)3.当連結会計年度における株式会社ビットキーの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
4.前連結会計年度における株式会社サイン・ハウスの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は10,110,131千円となり、前連結会計年度末と比べて2,088,240千円増加いたしました。この増加の主な要因は、のれんが1,210,980千円、出資金が474,638千円、ソフトウェアが456,579千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債については、3,767,031千円となり、前連結会計年度末と比べ、1,339,106千円増加しておりますが、この増加の主たる要因は、金融機関からの借入金によるものであります。
当連結会計年度末の純資産については、6,343,099千円となり、前連結会計年度末と比べて749,133千円増加いたしました。この増加の主な要因は、株式会社リンクアンドコミュニケーションの株式取得等に伴い資本剰余金が増加したことなどによるものであります。
③経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載をしましたとおり、当社グループを取り巻く様々なリスク要因が当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。
このため、当社グループは、様々なリスクに対し可能な限りの対策を講じることで、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与えるリスク要因を低減させ、リスク要因に対して適切に対応していく所存であります。
⑤キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、IoT、ICTデバイスの製造やソフトウェア開発に係る人件費のほか、原材料を含む部材調達費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、主に設備投資、業務提携先への出資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や業務提携先への出資、M&A等の資金は、自己資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの長期借入や新株予約権等の発行を行うなど、資金調達の多様化を図っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は2,662,384千円であり、有利子負債の残高は2,403,917千円となっております。
⑦経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な事業規模拡大と利益の増大、および効率的な株主資本の運用による継続的な企業価値向上を目指しております。このような観点から、当社グループの重視する経営指標は、経常利益、純利益、及び自己資本利益率(ROE)と考えており、これらの目標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。
経営上の重要な契約
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契約の相手方 (契約日) |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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株式会社セルシス (2007年8月1日) |
コンテンツ配信サービスに関する契約 |
コンテンツ配信サーバーシステム「Comic DC」を利用したコンテンツ配信サービスを共同で行うための契約 |
2007年8月1日以降、両当事者が解約に合意又は解除事由にかからない限り有効 |
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KDDI株式会社 (2013年6月21日) |
業務提携契約 |
法人向けアドレス帳サービスに関する業務提携契約 |
2013年7月1日から 2016年9月30日まで (期間満了の3ヶ月前までに書面による申出が無ければ半年ごと自動更新) |
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株式会社バリューデザイン (2016年12月1日) |
共同事業契約 |
スマートデバイス向けハウスプリペイトサービスを共同で行うための契約 |
2016年12月1日から 2019年11月30日まで (期間満了の3ヶ月前までに書面による申出が無ければ1年ごと自動更新) |
(FinTech事業に係る吸収分割契約)
当社は、2023年3月14日開催の取締役会において、2023年6月1日を効力発生日として、当社のFinTech事業(キャッシュレス決済サービス関連事業)を、当社の連結子会社であるネオス株式会社に吸収分割により承継させることを定めた吸収分割契約書の締結を決議し、同日付で吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(ヘルスケア事業に係る吸収分割契約)
当社は、2023年10月30日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるネオス株式会社のヘルスケア事業を、株式会社リンクアンドコミュニケーションに吸収分割により承継させることを定めた吸収分割契約書を締結することを決議し、同日付で吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社は、新規サービス提供のための開発に継続して取り組んでおります。なお、当連結会計年度におきましては、コネクテッド事業において