第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間(自2024年3月1日至2024年8月31日)における日本経済は、2024年4~6月の実質GDP成長率が前期比0.7%増、年率換算で2.9%増となり順調に推移いたしました。雇用・所得環境が改善する中で自動車、衣服、外食等が寄与した民間最終消費支出が5四半期ぶりに増加したほか、企業収益の改善を背景に民間設備投資も増加に転じるなど内需の好調が牽引しており、物価上昇の影響や金融市場の急激な変動、海外景気の動向など注視すべきリスク要因はあるものの、今後についても持続的な景気回復が期待されております。

企業サイドにおいては、業務効率の向上やビジネスモデルの変革を通じ、新たな成長・競争力強化など企業価値向上を目指すDX化への取り組みの継続が予想されることに加え、近年では人材不足に対処する省人化や環境問題への対応など、社会的課題の解決に向けたDX化も進んでおります。また、消費者サイドにおいてもコロナ禍以降は新しい生活様式へ向けたDX化の受容が進み、AIやIoTの技術革新の進展とも相俟って、企業、自治体、政府等による教育、健康、医療、決済、行政、エンターテインメント等、あらゆる領域でのDX化が今後も継続していくものと予想されます。

こうした状況の中、当社グループにおいては、昨年10月に中期経営計画を発表し、従来の受託系事業中心の事業構造から、自社事業拡大による収益性向上へと軸足を移す事業構造へのシフトを推進しております。当年度においては「新たな事業構造へのシフト」と「増収増益」という両軸を実現すべく取り組んでいます。当中間連結会計期間においては、ゲームソフト、IoTデバイス、DXソリューション等の現行主力事業において利益を確保しつつ、自社事業への先行投資継続による売上拡大を積極的に実施いたしました。具体的には、ライフデザイン事業において、2024年1月から自社ヘルスケア事業の吸収分割により子会社化した“㈱Wellmira”の事業基盤強化や、医療・介護業界向け“KarteConnect”、酒販業界向け“スマはっちゅう”など特定業種向けのDXサービス事業を本格化させたほか、AI&クラウド事業においては“OfficeBot”“AIdeaSuite”等のAI事業への取り組み拡大、IoT&デバイス事業においては自社製品“aiwa”事業の強化に向けたブランディング強化等を実施いたしました。この結果、全セグメントが前年同期比で増収増益となる好実績を実現しております。

以上により、当中間連結会計期間における当社グループの売上高は5,554,704千円(前年同期比34.4%増)、営業利益は11,713千円(前年同期は営業損失34,709千円)、経常利益は65,219千円(前年同期比20.1%増)となりました。また、資本業務提携に伴い保有している上場株式について、株価下落による有価証券評価損を計上したこと等により78,942千円の特別損失が発生したことから、親会社株主に帰属する中間純損失は66,821千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益34,403千円)となりました。

なお、新たな経営指標として設定した調整後EBITDA(営業利益と減価償却費(のれんに係る償却費含む)及び為替差損益の合計額)については約515百万円となり、年間計画1,000百万円に対して、約51.5%の進捗となっています。

 

セグメント別の事業動向については以下の通りです。

 

<ライフデザイン事業>

当中間連結会計期間におけるライフデザイン事業の売上高は1,835,073千円(前年同期比97.9%増)、セグメント利益25,949千円(前年同期比17.6%増)となりました。

ライフデザイン事業については、本年5月2日に、韓国、台湾、香港にて販売を開始したNintendo Switch新作ソフト「クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』」アジア完全ローカライズ版が前作同様に大変好評を博し、発売後の第2四半期においてもリピート生産・出荷が継続しました。当第2四半期において、効率的な宣伝販促運用を施行したこともあり、当中間連結会計期間においては、大幅増収の主要因となるとともに利益面でも大きく貢献いたしました。

第1四半期から連結しております㈱Wellmiraにおいては、新サービスの導入を活発化しており、㈱WizWe、東芝グループとの連携による生活改善の習慣化支援サービス「カラダのミライサポーター」や、法人向けに管理栄養士が健康課題の相談をオンラインでサポートする「食Desk」などの提供を開始しています。また、医療・介護向けDX「KarteConnect」では保健所への提供に続いて病院、介護業界向けの展開を進めており、プリペイド決済サービス「ValueWallet」については、スーパー、ホームセンター向け中心に導入拡大に取り組んでいます。

 

<AI&クラウド事業>

当中間連結会計期間におけるAI&クラウド事業の売上高は1,363,433千円(前年同期比23.0%増)、セグメント利益は109,656千円(前年同期比594.4%増)となりました。

AIチャットボットについては、昨年5月に業界の中で逸早く自社製AIにOpenAI社のChatGPTを取り込んだ製品をリリースし、日本におけるGPT活用のトップを走って来ました。当期においても、品質と競争優位性の向上に向け、インフラ環境をMicrosoft Azureに完全移行、Retrieval Augmented Generation(RAG)性能を大幅に向上させ、増収を継続しています。ソリューション事業においても、企業毎のカスタマイズニーズに応じたベースとなる生成AIのフレームワーク「AIdeaSuite」の展開を進めており、「OfficeBot」と「AIdeaSuite」をクロスセルすることで、顧客の多様なAIニーズに対応しながらAI事業を拡大しています。また、ソリューション事業については、AI分野はもとより、自社のプロダクトに関連した分野や、DX、IoTなど、高付加価値分野へのシフトに努めており、当中間連結会計期間においては前年同期に比べ飛躍的にセグメント利益が伸長しました。

 

<IoT&デバイス事業>

当中間連結会計期間におけるIoT&デバイス事業の売上高は2,442,934千円(前年同期比14.0%増)、セグメント利益は80,042千円(前年同期比12.7%増)、為替差益を含めた実質セグメント利益は132,789千円(前年同期比67.6%増)となりました。

IoT&デバイス事業については、ODM事業、aiwa事業ともに好調に推移し、前年同期比で増収増益となりました。増収に伴う増産効果と生産効率の向上により、収益性が改善した結果、利益が大幅に増加しました。

ODM事業については、IoTデバイス受注が増加し売上高は順調に拡大いたしました。コロナ禍の終焉とともに個人の移動が活発になり、旅行需要の拡大や子供の位置情報を取得するなどのIoTデバイス市場が活況となり、関連製品の生産が拡大しました。自社製品aiwaについては、主力であるAndroidタブレットPCが引き続き好調なのと、WindowsタブレットPCに関しても教育系やサイネージ用途など、B2B販路での販売も拡大するなど、法人向け・個人向けの両市場で堅調に推移しました。また、製品領域の拡大も継続しており、アクションカメラやパーソナルスピーカー、レコードプレーヤ・コンポなどのオーディオ製品の発売も開始しており、aiwaブランドの浸透を図っております。

 

なお、当中間連結会計期間において報告セグメントを変更しており、前年同期比較については、変更後のセグメント区分に基づき作成した数値で比較しております。

また、セグメント別の事業動向に記載の各セグメントの売上高については、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加えた金額を記載しております。詳細は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産

当中間連結会計期間末における流動資産は6,226,609千円となり、前連結会計年度末に比べ127,477千円増加いたしました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が845,656千円減少したものの、現金及び預金が1,033,872千円増加したことなどによるものです。固定資産は3,962,171千円となり、前連結会計年度末に比べ48,828千円減少いたしました。これは主に有形固定資産が16,673千円、投資その他の資産が153,188千円増加したものの、無形固定資産が218,690千円減少したことなどによるものです。この結果、総資産は10,188,780千円(前連結会計年度末は10,110,131千円)となり、前連結会計年度末に比べ78,649千円増加いたしました。

 

 

② 負債

当中間連結会計期間末における負債合計は3,874,777千円(前連結会計年度末は3,767,031千円)となり、前連結会計年度末に比べ107,745千円増加いたしました。これは主に買掛金が137,064千円、借入金が総じて267,373千円減少したものの、契約負債が590,092千円増加したことなどによるものです。

 

③ 純資産

当中間連結会計期間末における純資産合計は6,314,003千円(前連結会計年度末は6,343,099千円)となり、前連結会計年度末に比べ29,096千円減少いたしました。これは主に為替換算調整勘定が91,659千円増加したものの、利益剰余金が125,882千円減少したことなどによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間において、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,033,872千円増加し、当中間連結会計期間末の資金は3,696,256千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は1,684,815千円(前年同期は193,128千円の収入)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の減少876,253千円、契約負債の増加567,164千円などの増加要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は359,988千円(前年同期は847,237千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出208,136千円、投資有価証券の取得による支出67,350千円などの減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は326,740千円(前年同期は196,081千円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入500,000千円などの増加要因があったものの、長期借入金の返済による支出767,373千円、配当金の支払額58,699千円などの減少要因によるものであります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当社は、新規サービス提供のための開発に継続して取り組んでおります。なお、当中間連結会計期間におきましては、IoT&デバイス事業において49,228千円の研究開発費を計上しております。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。