当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「ライフデザイン事業」、「AI&クラウド事業」、「IoT&デバイス事業」の3つの事業を展開しております。知育・教育、健康、フィンテック、キャラクター利用、働き方等の分野におけるデジタルテクノロジーを活用したサービスとソリューションを提供していく「ライフデザイン事業」、AIチャットボット“OfficeBot”やクラウドアドレス帳サービス“SMARTアドレス帳”などのSaaSサービスやAWS等を活用したTechソリューションを提供していく「AI&クラウド事業」、通信デバイスの開発・製造やデバイスを使うためのプラットフォーム・アプリケーションの開発を通じて、モノとインターネットを融合した価値を提供していく「IoT&デバイス事業」の3つの事業において、TechnologyとCreativeの融合によりmiracle(驚き)を与えるサービス、プロダクト、ソリューションを提供することを通じて、豊かで新しい未来を創造していくことを標榜してまいります。
当社グループは、中長期的な事業規模拡大と利益の増大、および効率的な株主資本の運用による継続的な企業価値向上を目指しております。このような観点から、当社グループの重視する経営指標は、調整後EBITDA(営業利益と減価償却費(のれんに係る償却費などを含む)及び為替差損益の合計額)、経常利益、純利益、及び自己資本利益率(ROE)と考えており、これらの目標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。
当社を取り巻く事業環境は、DX化の進展に伴うICT市場の拡大が予想される一方、政治情勢や金融市場、為替相場の変動等の不確実性に加えて、地球温暖化による災害の多発、ChatGPT等に代表される生成AIの進化による画期的な技術革新や慢性的なIT人材不足等もあり、先行き不透明な状況が続くものと思われます。このような環境下、当社グループは、「ライフデザイン事業」、「AI&クラウド事業」、「IoT&デバイス事業」という3つの事業分野を保有しているという多様性を活かし、それぞれが補完し合い、かつシナジーを生み出すポートフォリオ経営を推進することで、現代の不確実性に満ちた時代においても継続的に企業価値を向上させてまいります。また、DX化の進展による市場ニーズの拡大を確実に捉えるため、各事業において、ハードウェア、ソフトウェア、コンテンツという競争優位性を活かしたソリューションの展開を着実に進める一方、自社プロダクト&サービスへの投資を積極的に推進することで、さらなる成長を実現してまいります。
当社グループが属する情報通信市場は、近年では生成AIの進化など、画期的な技術革新が起きており、DX化がさらに加速して進展していくことが予想されます。こうした市場のなかで、当社グループが魅力的なプロダクト、サービスやソリューションを提供し、継続的な競争優位性を維持していくためには、グループ各社及び各事業セグメントが有する技術力やノウハウ、顧客基盤を有機的に結合するとともに、業務提携やM&A等の外部施策の展開、新規事業開拓への積極的なチャレンジ等が極めて重要であると認識しております。これらに対処するため、持株会社テクミラホールディングス株式会社による資本政策の充実、新規事業やパートナー開発の推進、事業セグメント間の柔軟な連携やシナジーの発揮、また生成AI活用ノウハウの共有等を推進し、さらなる競争力強化と事業拡大に取り組んでまいります。
当社グループの中長期的な企業価値向上のためには、自社の強みを活かしたプロダクト&サービス事業の一層の拡大が不可欠です。現在、当社グループでは、ゲームソフトやキッズアプリなどのキャラクターコンテンツを活用したコンシューマサービス事業、AIチャットボットやクラウドアドレス帳サービスといったAI&クラウド分野のSaaSサービス、さらにヘルスケアやプリペイド決済等のBtoBサービスを展開、また、IoT&デバイス分野ではaiwaブランドによる自社製品事業にも注力し、タブレットPCやデジタルカメラなど新たな製品領域の拡大も進めています。一方で、これらの自社プロダクト&サービス事業においては、新サービスの開発遅延に伴うコスト増、継続的な製品強化やマーケティングのための先行投資による採算改善の遅れ等の課題が発生しております。今後は、これらの課題を踏まえ、サービス開発体制の強化やコスト管理の徹底、事業ポートフォリオの見直し、市場調査や顧客ニーズの把握による製品開発力の強化等を通じて、自社プロダクト&サービス事業の収益性向上と持続的な成長を実現し、安定的な収益基盤の構築を目指してまいります。
ソフトウェア開発の領域においては、近年、様々なSaaSサービスの登場やノーコード、ローコード化の進行、企業自身によるアジャイル開発志向の増加によるアウトソーシング需要の変化などの構造的な変革が進んでいます。さらに昨今では、生成AI技術の進展がこの領域に大きな影響を与えており、これまで当社の主軸であったスクラッチ型のソフトウェア開発という市場が大きく変わりつつあります。こういった変化を見越して当社グループでは、ソリューションの事業について次の3つの方向を指向していく方針です。一つは、自社サービスの展開により、ノウハウの蓄積されたヘルスケア、決済、教育などのX-Techサービス分野でのソリューションへの重点シフトです。二つ目は、これまでAIチャットボットやクラウドアドレス帳などSaaS事業を展開してきた強みを活かした、これと関連する「AI&クラウド」分野のソリューションへの注力です。三つ目は、IoT&デバイス事業を展開している優位性を活かして、デバイスと同期したプラットフォームやIoTのアプリケーション開発を展開していくという分野です。当社グループは、コンテンツ、ソフトウェア、ハードウェアという3分野にわたる技術やノウハウをクロスさせ、事業セグメント間の連携によるシナジー効果を発揮していくことで、当社ならではのトータルソリューションを提供し、収益力の強化に取り組んでまいります。
④ 柔軟かつ優位性のあるIoT&デバイス事業の推進
IoT&デバイス事業の領域においては、世界的な潮流を踏まえた技術開発や、コスト競争力の優位性確保、また昨今の地政学的リスクや各国の関税政策、為替変動等の影響に対するリスクヘッジが不可欠であると考えております。そのためには、企画、設計段階からのグローバルな開発、製造体制の構築を推進し、その柔軟性も確保していく必要があります。当社グループのJENESIS㈱では、設計開発、製造子会社の創世訊聯科技(深圳)有限公司を有しておりますが、ベトナムへの製造委託、インドにおける共同開発等、多国間での生産開発分業体制を施行しており、今後も環境変動や経済政策の変化に柔軟に対応できるレジリエントなサプライチェーンモデルへの移行を進めて行く方針です。また、コモディティ製品や大量生産が求められる製品については、コスト競争力や生産効率を最大化するため外部委託を活用し、DXや産業用途などの高付加価値案件や、セキュリティ性の高いIoT製品については、自社深圳工場で設計・製造を行うことで、品質や独自性、技術的優位性を確保する方針です。しかし、こうしたハイブリッドな体制を維持・発展させていくためには、外部委託先に対する品質・工程管理や複数拠点にまたがる生産管理体制が不可欠です。IoT&デバイス事業全体として柔軟性と優位性を維持するため、外部委託と自社開発のバランスを適切に保ち、各市場や製品特性に応じた最適な開発・生産体制を構築・運営してまいります。
ソリューションビジネスにおける熾烈な競争環境で競争優位性を維持しつつ、自社プロダクト&サービス事業の成長拡大を図るためには、グローバルな視点にたった経営体制の構築が不可欠であると考えております。当社グループは、ソフトウェア開発ではベトナムのハノイにNEOS VIETNAM INTERNATIONALCO.,LTDを有しており、既に深圳とハノイで連携したIoTソリューションの提供に取り組んでいますが、ベトナムでの生産やインドでの共同開発など更なるグローバル化推進の中で地域間を連携した新たな取り組みも検討してまいります。また、ゲームソフトなどのコンシューマサービス事業におきましても、既に韓国、台湾、香港、中国、東南アジアを中心としたアジア地域では、各国のディストリビュータと提携したマーケティングやパッケージ流通を積極的に展開しています。今後も、アジア地域での事業拡大と、市場の大きい欧米地域での事業展開に向けて、各国地域毎のニーズの把握や事業パートナーの発掘、マーケティング体制の充実、法規制、文化・商習慣の違いの把握等に加え、海外コミュニケーション能力の高い人材の育成や獲得を推進してまいります。
当社グループの成長に伴い、長期にわたるソフトウェア開発受託プロジェクトや、大規模なハードウェア製造受託プロジェクト、また大型のゲームソフト開発などが増えていく傾向にあります。これらの大型プロジェクトについては、より高度なプロジェクト管理が要求されるため、マネジメント力をさらに強化していくことが必須と捉えております。具体的には、(1)受注時、企画時における見積り精度の向上、(2)きめ細かな開発、製造要員計画の立案、(3)品質管理体制の拡充、(4)仕様決定プロセスにおける顧客確認、外注先確認の徹底、(5)顧客、外注先との緊密なコミュニケーション、(6)グループ会社間、部門間を跨いだプロジェクト管理体制の構築などが重要と考えており、具体的には、社内ルールとしての「プロジェクトマネジメントガイドライン」や「行動原則」を整備しており、これらのグループ全体への定着活動を推進してまいります。
各事業の競争力強化を推進していくにあたっては、それぞれの事業に必要な人材を確保、育成していくことが重要であると考えております。当社は、昨年12月、HRtech事業、人材採用事業を行う㈱Retoolを子会社化し、有能な人材の確保に向けた取り組みを強化いたしました。同社を最大限活用することに加え、更に多面的な採用活動を進めてまいります。また、職場環境の整備、モチベーション向上のための表彰制度の実施、教育、育成制度の充実などに対しても、積極的かつ継続的に取り組んでまいります。
当社グループの事業領域の拡大、業容の多角化に伴い、業務に関連した個人情報や、顧客の機密情報を取り扱うケースが増えております。そのため、当社グループのソリューション事業におきましては、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC27001:2013/JISQ27001:2014」に基づくISMS認証を取得しております。また、設計、開発、製造、運用、保守の各段階におけるセキュリティ標準遵守の徹底や、グループ全体にわたるセキュリティ教育、啓蒙のさらなる推進、ソフトウェア、デバイス、社内ネットワークのモニタリング体制の拡充などを進めておりますが、情報セキュリティの確保は、企業の社会的責任であることをグループ各社が改めて再認識し、継続的にその取り組みを強化してまいります。
当社グループは、IoT&デバイス事業、AI&クラウド事業を通じたデジタル社会の産業基盤構築への貢献、ライフデザイン事業を通じた健康増進への取り組みや、知育アプリ、教育コンテンツプロデュースを始めとするEdTechサービスの提供等、あらゆる事業活動を通じて、サステナブルな社会の実現に向けた課題解決に貢献してまいります。また、当社グループが、持続的に企業価値を成長させていくためには、ESGの課題に対して、より積極的、能動的に対応していく必要があると考えています。環境問題に関する取り組みとしては、電子契約の導入、ペーパーレス会議等による、コピー用紙使用量の削減に取り組むほか、リモートワーク制度、フリーアドレスの導入等によるオフィス面積縮小等に伴う電力使用量削減などを推進しております。また、深圳における製造体制では、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO 14001」認証を取得し、環境負荷の削減や、資源の効率的な活用に注力しています。引き続き、こうした環境配慮型の事業推進体制を構築してまいります。社会に関する取り組みとしては、引き続き、社会問題解決に寄与するソリューション、サービス、製品開発を推進するほか、かねてから注力しておりますワークライフバランス、ダイバーシティ、健康経営等への取り組みをより一層推進してまいります。ガバナンスに関する取り組みとしては、持続的成長を可能とする企業体質の確立に向けて、海外の拠点、子会社を含むグループ全体のコーポレートガバナンスの強化、並びに内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。グループ経営体制としては、権限移譲によりグループ各社の経営自由度を高める一方、グループ経営に関わる重要事項については、テクミラホールディングス株式会社の取締役会承認とするなど、より高度な体制を構築しているほか、指名報酬委員会、独立社外取締役会の設置、コーポレートガバナンス基本方針の制定、開示等を行っており、引き続き体制強化への取り組みを推進してまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティに関する基本的な考え方>
当社グループは、「TechnologyとCreativeで未来を創る」という経営理念のもと、高い専門性を有するIT企業グループとして、コンテンツからソフトウェア、ハードウェアまで網羅した幅広い事業を展開しています。当社グループは、そうした幅広い事業展開をする中で、様々なステークホルダーの価値創造に資する経営を行うとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けたコーポレート・ガバナンス体制の構築に継続的に取り組むため、「コーポレート・ガバナンス基本方針」を定めております。
「コーポレート・ガバナンス基本方針」には、当社グループのガバナンス体制等の方針に関する項目のほか、「サステナビリティに関する方針」についても定めており、その内容は以下の通りです。
① 社会のDX化ニーズを支援すること、また、新たなX-Techサービスを自ら生み出すことで、持続可能な社会の実現に向けた課題解決に貢献する
② 事業活動を行うに当たり以下のことに配慮する
・気候変動などの地球環境問題
・人権の尊重
・お客様の安心と安全
・従業員の健康、労働環境や公正・適切な処遇
・女性の活躍促進を含む多様性の確保
・取引先との公正・適正な取引
③ ビジネスパートナー等様々なステークホルダーとの間での良好な関係を築き、適切な協力関係の構築に努める
当社グループを取り巻く経営環境は常に変化しております。このような急激に変化し続ける事業環境に即応し、持続的・安定的な成長を実現するために、当社グループは、当社がグループ全体の経営方針や目標を定めつつ、グループ各社の業務執行を監督する持株会社体制を採用しております。グループ各社のサステナビリティに関する重要事項は、当社取締役会に付議、報告される体制となっており、また、当社取締役はグループ各社の取締役を兼務しているため、グループ各社の取締役会においても、「サステナビリティに関する方針」に基づいたサステナビリティに関する決議、報告が徹底されております。
今後更なる事業拡大を進めるにあたって、継続的に優秀な人材を確保し、育成していくことが大変重要だと考えております。まず、人材採用にあたっては、将来の事業成長を支える人材の確保や、事業成長に必要な専門性の高い人材確保に努めております。また、従業員の主体性を重んじるマネジメントを遂行するとともに、年齢・国籍・性別等を区別せずに従業員を評価する制度や、当社グループへの入社後も専門性を高めるための各種研修制度を用意し、従業員の成長を促しております。
従業員が能力を十分に発揮できるよう、時差出勤やリモートワークを導入するとともに、コミュニティスペースを設置するなど快適なオフィス空間を提供しております。また、国内主要子会社においては、社長直轄で組織された「健康経営プロジェクトチーム」が中心となり、安全衛生委員会・産業医・健保組合と連携して、社員の健康維持・増進を支援する施策を推進し、経済産業省による「健康経営優良法人 2025」の認定を取得しております。今後も、引き続き従業員が存分に力を発揮できる環境を整えてまいります。
当社グループでは、サステナビリティを含むリスク管理を経営の重要な課題として捉えています。このため、経営上、起こりうる種々のリスクに対応するため、「リスク管理規程」、「コンプライアンス規程」、「倫理規程」、各種情報セキュリティに関する規程等を遵守する体制を構築するとともに、リスク管理体制を推進する部門である経営企画部が、リスクに関する調査、代表取締役社長および取締役会への報告等を行っております。また、取締役会の下にリスク・コンプライアンス委員会を設置し、サステナビリティ関連に関するリスクを含むリスク管理を行っており、必要に応じて取締役会に報告する体制を構築しております。
当社グループでは、グローバルな競争が激化する中、多様なDX化ニーズに的確に対応し、競争優位性の維持や付加価値の創造を継続的に行っていくため、人材の多様性が不可欠と考えています。
当社グループは、本報告書提出日現在において、人材育成方針や社内環境整備方針に関する具体的な指標及び目標を定めておりませんが、年齢や性別、国籍、経歴等では区別せず、平等に機会を得ることができる社内環境を整備する方針であるため、外国人や女性の管理職登用を推進しております。この結果、管理職に占める外国人の比率は15%、女性の比率は業界平均を大きく上回る22%に達しております。当社グループは、この高い水準を更に引き上げていくことを目標としており、多様な人材が活躍できる社内環境の整備を今後も推進してまいります。
以下において、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針ですが、本株式に関する投資判断は、以下の事項および本項記載以外の諸事情を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、以下の記載事項は当社グループの事業または本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんのでご注意ください。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループが属する情報通信市場においては、日進月歩の技術革新や新しいビジネスモデルの出現、グローバル化の進展等、日々変革の流れのなかにあり、市場環境は常に変化しております。当社グループでは、こういった市場動向を捉え常に最適解を模索しながら経営を行っておりますが、当社グループの属する市場は、現状、法令や規制による参入障壁が低く、また、技術革新が急速であることから、競合他社の参入の可能性や技術の均衡化によるさらなる競争激化の可能性があります。当社グループは、常に新しい技術の開発、習得に万全の体制を敷いておりますが、意表をつく技術の進歩、また、新たなプラットフォームの出現、予想を超える優れた企画・制作・開発力を持つ新規企業の参入、グローバル化の進展に伴う海外ベンダーとの競争激化などにより、当社グループの競争力や優位性を保つことが困難になった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する市場においては、常に技術やサービスの新陳代謝が起こることを前提として企業運営をしていくことが重要となります。特に現在は、ChatGPT等に代表される生成AIの画期的な技術革新など、ドラスティックな変化が進行している最中にあります。当社グループにおいても、これに対応して新しい技術開発やサービス開発、あるいは新規事業の参入に積極的に取り組んでおりますが、市場の状況変化や競争の熾烈化、開発の遅延、協業パートナーの状況等により、事業計画の変更や事業を中止する場合があり、これらが発生した場合、多大な費用の計上や投資額の減損処理をせざるを得ないことが想定され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する市場において、技術革新や世の中の動きに対応してスピーディーに事業展開を進めていくためには事業提携が欠かせません。事業提携にあたっては、提携先の経営状況を把握し、より緊密かつ有用な提携関係を保つことを目的として政策出資を行ったり、M&Aを実施する場合があります。この場合、当該企業の経営状況の悪化や株式価値の下落等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
大手取引先とは、今後も安定的に取引を継続することが可能であると考えておりますが、すべての取引先と永続的な取引が確約されているわけではなく、将来において取引が減少または中断することになれば、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
事業運営にあたり、専門スキルをもった人材を十分に確保、育成していくことが大きな課題であります。当社グループでは、従前から優秀な人材の確保や人材の流出防止に向けて、モチベーション向上やインセンティブ等の施策を打ち、より魅力的な会社となるべく注力しております。また、昨年12月にはHRTech事業、人材採用事業を行う㈱Retoolを子会社化し、有能な人材の確保に向けた取り組みの強化を図っていますが、市場や環境の変化により必要な人材の確保ができない場合や、必要な人材の流出が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
IoT&デバイス事業においては、外部の供給業者から多くの製品、部材を調達しております。多国間に亘る生産開発分業体制においては、外部委託先に対する徹底した工程管理や、ある程度の部材の確保等リスクヘッジはしておりますが、供給業者の経営状況や生産状況の悪化等により製品、部材の調達に支障をきたした場合、販売が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、部材の価格が需給の逼迫や市況の変動等によって急激に高騰し、それが長期化した場合は利益を減少させる可能性があります。
IoT&デバイス事業の運営にあたっては、デバイス固有の製造管理業務が発生するため、それらに対する体制の構築を行い、厳密な品質管理に努めるとともに、製造物責任法に基づく損害賠償請求に対しては、一定額の損害賠償保険に加入する等リスク回避策を講じております。しかし、予期せぬ事態等により、大規模な製品回収、補償額を超える損害賠償の発生、訴訟の提起等が生じた場合、当社グループのイメージ、ブランド、評判の低下、顧客流失、保険金を上回る費用の発生等を惹起し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、コンピュータウイルスや外部からの不正アクセスに対し、専門の情報セキュリティ部門を中心に対策を講じています。また業務に関連して個人情報を保有することがありますが、保有する個人情報についてはデータを有するサーバーへのアクセス制限を設けるなどの管理を実施し、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC27001:2013/JISQ27001:2014」に基づくISMS認証の取得や、一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマークの認定を受けるなど、情報管理体制の整備強化に努めております。また、個人情報の漏洩により発生する諸費用や損害賠償請求については、情報取扱事業者保険に加入する等リスク回避策を講じております。しかし、運用に不備が発生するリスクや外部からの不正アクセス、ハッキングによる情報の漏洩に関するリスクは完全には排除できないことから、個人情報が流出するような事態が発生した場合、当社グループのイメージ、ブランド、評判の低下、顧客流失、保険金を上回る費用の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが仮に新製品の開発に成功し、特許申請を行ったとしても、それが知的財産権として保護される保証はありません。また、独自の技術ノウハウが知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない可能性があります。そのため、他社が当社グループの知的財産権を使用した場合も効果的に防止できない可能性があります。他社の知的財産権侵害を排除すべく法務部門を設置し、顧問弁護士との連携等、対策を講じておりますが、当社グループが今後使用する技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。また、当社グループが使用許諾の権利を受けている版権やソフトウェアの権利保有元とは良好な信頼関係を維持していますが、契約期間終了後に契約が更新されない可能性があります。これらの事象が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが遂行している事業は、インターネット網を介したコンピュータネットワークに依存しているため、システム障害等に対しても24時間監視体制を実施しております。また、電源やネットワークの二重化など、ディザスタリカバリ(災害復旧)の対策を講じておりますが、自然災害や事故などの不測の事態により、電力供給量等の低下など、社会インフラの使用制限等が想定以上に実施された場合、当社グループのコンピュータシステムの機能低下や故障等を招くことで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社グループ役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。また、資金調達を目的として第三者に対し新株、新株予約権等を発行することがあります。これらが実施された場合、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化し、本株式の価格に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの成長に伴い、長期にわたるソフトウェア開発受託プロジェクトや大規模なハードウェア製造受託プロジェクト、また大型のゲームソフトやアプリ開発などが増える傾向にあります。これらの大型プロジェクトについては、より高度なプロジェクト管理が要求されるため、プロジェクトマネジメント力の強化に取り組んでおりますが、さまざまな影響から計画通りに進まない場合、コストの増大、プロジェクトの中断による不採算化や、納期の遅延やプログラムの瑕疵によって生ずる、顧客の損害に対する補償などが発生する可能性があります。また、コンシューマ向けのソフトやアプリ事業については、多額の開発費や広告宣伝費が必要とされる一方で、開発期間に時間を要するケースが多いことから、計画を立てた時点と販売を開始した時点で、市場での競争状況やユーザーの嗜好性が大きく変化し、当初計画とは異なる販売実績となる可能性があります。その場合、過剰な在庫や、保有するソフトウェア資産が陳腐化することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
海外事業の展開に際して、相手国の取引に関する法令・税制、経済・為替の変動、政治・軍事問題、宗教・民族問題等に関するリスクが存在し、それに対して当社グループではグローバルな開発、製造体制の構築とその柔軟性の確保に向けた取り組みを推進しておりますが、これらに関した問題が想定を上回る規模や速さで発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、輸入等を中心とした外貨建取引については、売価への為替変動の転嫁や為替予約等を通じてリスクの最小化に努めておりますが、為替相場に大幅な変動が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(自2024年3月1日至2025年2月28日)における日本経済は、2024年暦年の名目GDP成長率が前年比3.0%増となり、初めて年間600兆円を超えましたが、物価上昇の影響などから個人消費が弱く、実質GDPについては前年比ほぼ横ばいとなりました。今後については、企業収益や雇用環境の改善が続く中で所得の向上が見込まれることや、引き続き旺盛なインバウンド需要が予想される一方、米国の関税政策による世界景気への影響、地政学リスク、物価上昇、為替市場の不安定化などが懸念され、当面、不透明な状況が続くことが予想されます。
経済環境が不透明な中においても、DX化やIoT化は今後も進んでいくものと予想されます。企業サイドにおいては、新たな成長機会の獲得や競争力強化などに向けたDX化を推進しており、自治体や政府においても公共サービスの向上に向けたDX推進意欲は引き続き旺盛であり、政府の地方創生2.0や大阪関西万博等の公共投資の影響も相俟ってデジタル化の波は継続していくものと見られます。また、AIに関しては、多くの企業が様々な業務分野で活用を始めており、本格的な市場の拡がりが予想される一方、技術進化のスピードが速く、AI関連事業を展開するためには不断の研究開発が必要とされる状況にあります。
こうした状況の中、当社グループでは、受託系事業中心の事業構造から、自社事業拡大による収益性向上へと軸足をシフトする中期経営計画を推進しております。具体的には、①「ゲームソフト、ソフトウェア開発、IoTデバイスの各セグメント主要3事業で利益を確保」し、②「それを成長ポテンシャルが見込める自社プロダクト&サービス事業へ先行投資し成長させる」ことで、中期的な収益性の向上を実現していくことを目指しています。
本年度において、まず①の「主要3事業で利益を確保する」、という目標については、極めて順調に進捗し、3事業いずれもが期首の計画値を上回る売上高をあげることが出来ました。ライフデザインセグメントにおけるゲーム事業については、昨年度末に発売したNINTENDO Switch新作ソフト「クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』」の海外展開が成功、前作を上回る販売本数を達成し、現在もリピート販売が好調に推移しています。ソフトウェア開発については、通信キャリア系のDX案件、研修アシスタントAIやセールスアバターのようなAI開発案件等付加価値の高いソリューション案件が成約し、AI&クラウドセグメントのソリューション事業は昨年度に続き高水準の利益を確保することが出来ました。また、IoT&デバイスセグメントにおけるODM事業についてはコロナ期から大きな回復を示し、期首計画を大幅に上回る売上高を達成、生産効率の改善や増収効果によるコスト低減もあり、期首計画を大きく上回るセグメント利益を計上しました。
②の「成長ポテンシャルが見込める自社プロダクト&サービス事業への先行投資と成長」というテーマについては、収益性向上を目指した戦略そのものは進捗しましたが、製品開発が遅延しコストを要したり、採算改善が予定通りにいかなかった事業もあり、全体としては期首に計画した利益を確保するには至らない結果となりました。
ライフデザインセグメントにおいては、ゲーム等のコンシューマ&コンテンツ事業以外に「Healthtech」、「Fintech」のDXサービス事業を推進しています。「Healthtech」については、今期からM&Aにより事業拡張を行ったウェルネス事業は、上期は赤字状態からスタートしましたが、下期は利益を計上し年間セグメント利益でも黒字決算となりました。また、医療従事者向けを中心に展開しているメディカルケア事業については、開発が遅延しコストが予定以上に掛かるなど、当初計画から下方修正となりました。「Fintech」については、小売店及び飲食店向けサービスに加え、地域プロジェクトへの応用展開等により拡大基調で推移しました。
AI&クラウドセグメントにおいては、AIチャットボットとクラウドアドレス帳の2つのサービスを主軸にしたSaaS事業を展開していますが、両サービスとも好調に推移し、今下期の黒字化を実現しました。AIチャットボットは、生成AIの技術進化が目まぐるしく起こっており、競合製品も犇めいている状況ですが、品質や性能の強化やマーケティング強化が功を奏し、事業拡大を継続しています。クラウドアドレス帳も製品強化を推進しており、販売面でもKDDI(株)との協業により順調に推移しました。
IoT&デバイスセグメントにおいては、自社製品事業としてaiwa製品の展開を行って2年超が経過しました。数少ない国内メーカーとして、タブレットPCを中心に量販店をはじめとするコンシューマチャネルと代理店を通じた法人チャネルにおいて事業拡大を継続しています。また、新製品の投入にも積極的に取り組んでおり、今期においてもデジタルカメラなどの新領域の製品投入を行いました。
以上の展開の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、過去最高となる11,165,530千円(前期比27.8%増)となりました。営業利益については、今期よりM&Aによるのれん償却が加わったものの、全セグメントが増益となったことに加え、為替差損益に計上する差益が縮小し、営業利益で計上する利益額が前期に比べ相対的に増加したことで、91,385千円(前期は営業損失122,979千円)の黒字計上となり、大幅増収により本業の儲けを示す調整後EBITDA(営業利益と減価償却費(のれんに係る償却費を含む))も874百万円と前期比で3倍超となりました。経常利益については有価証券売却益が当期は殆ど無かったこと等により、102,576千円(前期比22.6%減)と前年から減益となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、資本業務提携によって保有した株式の評価損や、ライフデザイン事業における不採算事業の見直しに伴う減損損失の計上等により、140,530千円の純損失(前期は親会社株主に帰属する当期純利益73,927千円)となりました。
セグメント別の事業動向については以下の通りです。
<ライフデザイン事業>
当連結会計年度におけるライフデザイン事業の売上高は3,149,534千円(前期比46.8%増)、セグメント利益77,305千円(前期はセグメント損失11,964千円)となりました。
コンシューマ&コンテンツ事業においては、昨年度末に国内発売したNintendo Switch新作ソフトの海外展開が成功、国内外あわせて販売本数が30万本を突破するヒット作品となり、シリーズ化を確立する実績をあげることができました。第1四半期に発売したアジア完全ローカライズ版は、発売直後のみならず第2四半期以降も好調なリピート生産・出荷が続いており、また、第3四半期からは欧米版やPCプラットフォーム「STEAM」版の世界向け発売や前作と併せたシリーズキャンペーンの展開などが成果を上げました。
M&Aで事業拡張したウェルネス事業では、“RenoBody”“カロママプラス”の健康経営法人向けの販売に加えて、スーパー/コンビニでのコンシューマ向け提供や大阪関西万博における大阪府や経産省での採択など、“カロママプラス”をベースとした多分野でのサービス拡張を展開しました。また、メディカルケアサービス“KarteConnect”は、これまでの保健所向けに加え、病院向けの展開を拡大、本格的な事業拡大に取り組んでいます。Fintechについては、小売・飲食店向けを中心としたウォレットアプリ提供サービスに加えて、このべ―スとなっている技術である“Walletpro”を活かした神戸市におけるスマートシティ・プロジェクトなどへの拡張展開も開始しています。
<AI&クラウド事業>
当連結会計年度におけるAI&クラウド事業の売上高は2,713,573千円(前期比14.7%増)、セグメント利益は
187,208千円(前期比27.8%増)となりました。
AIチャットボットでは、インフラ環境をMicrosoft Azureに完全移行し、Retrieval Augmented Generation(RAG)性能の大幅向上や、画像認識を活用した「オブジェクト読取機能」の実装などの製品強化に努めました。併せて販売体制の拡充、ネット広告や展示会出展などのマーケティング活動も積極的に展開した結果、売上高は四半期を通して継続的に拡大しました。
ソリューション事業では、通信キャリアや保険会社などのDX化案件や、IoTサービス向けアプリプラットフォームの開発など高付加価値分野の案件が好調に推移しました。また、汎用的なAIチャットボットでは対応の難しい個々の顧客のニーズに応じたAI需要に応えるため、AIサービス構築フレームワーク“AIdeaSuite”を開発し、本格的にAIソリューション事業を開始しました。これにより、直近で増加している生成AIを利用したPoC(Proof ofConcept:概念実証) 案件に対しても、素早く低コストでの対応が可能となっております。当期においても「人材育成・研修システム」に向け研修アシスタントAIの開発や「AIセールス」向けセールスアバター開発などで、AIソリューションの提供を実現しました。
<IoT&デバイス事業>
当連結会計年度におけるIoT&デバイス事業の売上高は5,503,533千円(前期比26.6%増)、セグメント利益は
226,628千円(前期比1,104.7%増)、為替差益を含めた実質セグメント利益は245,182千円(前期比82.1%増)となりました。
ODM事業については、AI通訳機や見守りサービス、モビリティ向けBluetoothインカムマイクなどコロナ期以降のIoTサービスへの社会的な需要拡大を背景に売上高が拡大、増収に伴う利益増に加えて、生産効率の向上やコスト低減により、実質セグメント利益も大きく増加しました。また、昨年9月には中国深圳工場の環境マネジメントシステム国際規格「ISO14001」認証を取得するなどの事業基盤の整備も進めました。
自社製品aiwa事業については、主として個人向けとなるAndroidタブレットPCが家電量販店を中心としたチャネルにおいて恒常的に取り扱われ、法人向け中心のWindowsタブレットPCに関しては、代理店を通じた教育系やサイネージ用途などの販売が拡大し、立ち上げから2年超が経過する中で両市場でのブランド浸透が進みました。また、当期においてはヘルスケア対応の集音器、アクションカメラ、システムコンポ・ラジカセなどのオーディオ製品、デジタルカメラなど製品領域の拡大も行いました。
なお、本事業を担う連結子会社JENESIS㈱は、安定的事業運営に資するため、本年2月にパートナー企業6社と資本提携を行い、経営基盤の強化を図っております。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを変更しており、前年同期比較については、変更後のセグメント区分に基づき作成した数値で比較しております。
また、セグメント別の事業動向に記載の各セグメントの売上高については、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加えた金額を記載しております。詳細は、連結財務諸表「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,957,158千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,369,618千円(前期は60,689千円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が78,120千円となったことに加え、棚卸資産の増加433,814千円などの減少要因があったものの、売上債権及び契約資産の減少639,328千円、減価償却費616,135千円、のれん償却費121,387千円などの増加要因が減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,184,157千円(前期は1,258,299千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出510,004千円、出資金の払込による支出250,000千円、投資有価証券の取得による支出117,350千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、79,697千円(前期は807,105千円の収入)となりました。これは長期借入金による収入500,000千円などが主な要因であります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は売上原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 3.当連結会計年度における株式会社サイン・ハウスの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
4.前連結会計年度におけるポケトーク株式会社の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当連結会計年度末の総資産は10,572,886千円となり、前連結会計年度末と比べて462,755千円増加いたしました。この増加の主な要因は、のれんが165,407千円、出資金が241,263千円、繰延税金資産が58,720千円、差入保証金が37,877千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債については、4,448,665千円となり、前連結会計年度末と比べ、681,633千円増加しておりますが、この増加の主たる要因は、金融機関からの借入金によるものであります。
当連結会計年度末の純資産については、6,124,221千円となり、前連結会計年度末と比べて218,878千円減少いたしました。この減少の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失140,530千円を計上したこと等によるものであります。
当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
「3 事業等のリスク」に記載をしましたとおり、当社グループを取り巻く様々なリスク要因が当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。
このため、当社グループは、様々なリスクに対し可能な限りの対策を講じることで、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与えるリスク要因を低減させ、リスク要因に対して適切に対応していく所存であります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、IoT、ICTデバイスの製造やソフトウェア開発に係る人件費のほか、原材料を含む部材調達費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、主に設備投資、業務提携先への出資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や業務提携先への出資、M&A等の資金は、自己資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの長期借入や新株予約権等の発行を行うなど、資金調達の多様化を図っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は2,957,158千円であり、有利子負債の残高は2,753,639千円となっております。
当社グループは、中長期的な事業規模拡大と利益の増大、および効率的な株主資本の運用による継続的な企業価値向上を目指しております。このような観点から、当社グループの重視する経営指標は、調整後EBITDA(営業利益と減価償却費(のれんに係る償却費などを含む)及び為替差損益の合計額)、経常利益、純利益、及び自己資本利益率(ROE)と考えており、これらの目標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。
経営上の重要な契約
(子会社株式の取得)
当社は、2024年12月26日開催の取締役会において、株式会社Retoolの株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、2024年12月27日付で株式を取得しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、新規サービス提供のための開発に継続して取り組んでおります。なお、当連結会計年度におきましては、IoT&デバイス事業において