第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(平成29年3月1日~平成30年2月28日)における当社グループを取り巻く環境は、有効求人倍率の高まりにも見られるように、労働需給の逼迫による各企業の新卒採用活動の積極化や、中途採用やパートタイム労働者の正規化に伴う教育研修等の需要の高まりに加え、顧客におけるオフィスの省スペース化の動きに併せて、当社会議室の需要は好調に推移しました。また、好調な企業業績に支えられ、従来よりも高品質な会場を求める顧客が多くなり、当社の最上級グレードである「ガーデンシティPREMIUM」の需要増加や宿泊型の企業研修が活発化したことにより、リゾート研修ホテルである「レクトーレ」シリーズの需要が伸長いたしました。

このような中、当社は平成29年3月27日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場を果たしました。そして、さらなる成長を目指し、イベントプロデュース事業を行う株式会社メジャースの子会社化や、株式会社大塚家具との業務・資本提携を通じて、商業施設をイベントホールとして空間再生・有効活用するなど、新たな取り組みを積極果敢に進めました。

 

※当連結会計年度における主な新規施設

 

期間

開設月

施設名

区分

地域

第1四半期

(平成29年3月~5月)

3月

TKP大阪堺筋本町カンファレンスセンター

ホテル宴会場・貸会議室

大阪

4月

TKP札幌コンベンションホール

ホテル宴会場・貸会議室

北海道

4月

TKPガーデンシティ浜松町

ホテル宴会場・貸会議室

東京

4月

ベイサイドホテル アジュール竹芝

シティホテル

東京

5月

レクトーレ湯河原

リゾート研修ホテル

神奈川

第2四半期

(平成29年6月~8月)

8月

レクトーレ熱海桃山(リニューアル)

リゾート研修ホテル

静岡

8月

レクトーレ箱根強羅(リニューアル)

リゾート研修ホテル

神奈川

第3四半期

(平成29年9月~11月)

9月

ファーストキャビンTKP名古屋駅

コンパクトホテル

愛知

9月

TKPガーデンシティPREMIUM京橋

ホテル宴会場・貸会議室

東京

10月

アパホテル<TKP札幌駅北口>EXCELLENT(増室)

ビジネスホテル

北海道

10月

TKPガーデンシティ広島駅前大橋

ホテル宴会場・貸会議室

広島

11月

レクトーレ熱海小嵐(リニューアル)

リゾート研修ホテル

静岡

第4四半期

(平成29年12月~

平成30年2月)

12月

TKP秋葉原カンファレンスセンター

ホテル宴会場・貸会議室

東京

12月

アパホテル<TKP東京西葛西>

ビジネスホテル

東京

1月

TKPガーデンシティPREMIUM名古屋ルーセントタワー

ホテル宴会場・貸会議室

愛知

1月

TKPガーデンシティ栄駅前

ホテル宴会場・貸会議室

愛知

2月

TKP浜松ホール

ホテル宴会場・貸会議室

静岡

2月

TKP京都四条駅前カンファレンスセンター

ホテル宴会場・貸会議室

京都

 

以上のように大都市圏を中心とした積極的な新規開設により、当連結会計年度末における当社グループが運営する貸会議室総数は1,858室(前期末比6.0%増)へと増加させることができ、企業による旺盛な会議室利用ニーズを積極的に取り込むことができました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高28,689百万円(前期比30.5%増)、営業利益3,449百万円(前期比28.0%増)、経常利益3,200百万円(前期比25.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,071百万円(前期比53.2%増)と前期実績を大幅に上回ることができました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ211百万円増加し、5,706百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、1,995百万円(前期比81.9%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が3,392百万円、非資金項目の調整額908百万円があった一方、法人税等の支払額1,161百万円、売上高増加に伴う売掛金の増加637百万円、事業拡大に伴う前払費用の増加601百万円によるものです。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、8,515百万円(前期は7,705百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出9,498百万円、投資有価証券の取得による支出1,058百万円および敷金及び保証金の差入による支出983百万円があった一方で、有形固定資産の売却による収入3,130百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は、6,735百万円(前期比6.7%増)となりました。主な要因は、長期借入金による収入9,250百万円及び社債の発行による収入983百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出が4,816百万円及び社債の償還による支出805百万円があったことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの事業は空間再生流通事業の単一セグメントであるため、グレード別、サービス別に記載しております。

(1)生産実績

当社グループは生産実績が僅少であるため、記載しておりません。

 

(2)受注状況

当社グループは概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績の記載を省略しております。

 

(3)販売実績

前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績をグレード別、サービス別に示すと、次のとおりであります。

グレード

前連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

当連結会計年度

(自 平成29年3月1日

至 平成30年2月28日)

金額

(百万円)

金額

(百万円)

前年同期比

(%)

ガーデンシティPREMIUM

1,355

2,407

177.7

ガーデンシティ

7,523

8,559

113.8

カンファレンスセンター

8,034

9,566

119.1

ビジネスセンター

1,782

1,898

106.5

スター貸会議室

179

189

105.3

宿泊・研修

1,284

2,355

183.4

その他

1,819

3,712

204.0

合計

21,978

28,689

130.5

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.オプションサービス、料飲サービスは、各貸会議室のグレードに含まれております。

    3.オプションサービス、料飲サービスのうち、貸会議室利用でないものは、その他に含まれております。

    4.宿泊・研修には、貸会議室・宴会場運営サービス、オプションサービス、料飲サービスが含まれております。

 

サービス

前連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

当連結会計年度

(自 平成29年3月1日

至 平成30年2月28日)

金額

(百万円)

金額

(百万円)

前年同期比

(%)

貸会議室・宴会場運営サービス

12,659

14,865

117.4

オプションサービス

2,135

2,672

125.2

料飲サービス

4,657

6,294

135.1

宿泊サービス

1,093

2,632

240.8

その他サービス

1,433

2,224

155.3

合計

21,978

28,689

130.5

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、法人向け貸会議室ビジネスを起点として、遊休不動産・土地を活用して空間を再生し、そこに付加価値を加えた快適な「場」「空間」「時間」を創出する「空間再生流通企業」を目指し、空間の提供を通じて、社会に貢献してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、売上高の拡大に注力する一方、コストの削減を図り、利益体質の向上を図ってまいります。その経営成果の指標としては、「売上高成長率」(20%)及び「連結営業利益率」(14~15%)を掲げ、長期的な目標として活動しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループの主な事業分野である貸会議室事業は、不動産賃料の上昇による顧客のオフィスの省スペース化等もあり貸会議室の需要はまだ伸長するものと期待されます。

この事業環境の中、当社グループは、平成30年度から平成32年度にかけての当社グループの方向性を示す「中期経営計画」を策定しております。経営の基本方針を達成するため、貸会議室・宴会場運営サービスを中核として、高付加価値化、効率化を推進することで企業価値を高め、さらなる成長を目指します。

当社グループは、不稼働資産の有効活用から収益を生み出す革新的なビジネスモデルとして貸会議室・宴会場運営サービスを創出いたしました。顧客の予算・利用規模・利用目的等に対応する5グレードの会議室を、アクセス至便な立地に全国展開しております。この貸会議室サービスから派生するニーズに対応すべく、料飲サービス・オプションサービス・宿泊サービス等を提供し、顧客にとってより付加価値の高い総合サービスの実現と原価低減の両立を目指します。具体的には、[(4) 会社の対処すべき課題]の解決に取り組み、空間にまつわる、あらゆるニーズの取り込みを図ってまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社は、中期経営計画の達成を最重要課題としております。

当社の中核事業は貸会議室・宴会場運営サービスであり、それに付随する料飲・ケータリングやレンタル、イベント運営サポート、宿泊等の周辺サービスを、内製化やアライアンスにより付加価値として提供することで、事業拡大を目指してまいります。

 

当該中期経営計画を達成するために、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 積極的な出退店戦略の実施

中核事業である貸会議室・宴会場運営サービスは順調に伸長しておりますが、まだまだ取り込めていない利用用途が多分にあると考えております。当社は不動産仕入・開発機能の強化を行い、好立地のオフィスビルのほか、商業施設も視野に加えた出店戦略を展開することで、今まで以上に当社会議室・宴会場の顧客利用を促進してまいります。一方、収益性の改善が見込まれない拠点については、総合的な判断のもと、撤退の検討を行い、より需要の見込まれる地域に拠点を開設してまいります。

② 付加価値サービスの内製化・アライアンスによるサービスの拡大

中核事業である貸会議室・宴会場運営サービスには、付随して料飲・ケータリングやレンタル、イベント運営サポート、宿泊等の多くのサービス需要が生まれます。当社はその周辺サービスを内製化、あるいはアライアンスによってワンストップサービスとし、顧客企業へのコンサルティング提案を行うことにより、収益機会の拡大を図ってまいります。

③ システムを駆使した営業・予約の最適化

中核事業である貸会議室・宴会場運営サービスのさらなる拡大のためには、顧客データベースに基づく高付加価値な提案営業と、より手軽で容易な予約システムの整備による予約の効率化が求められています。当社は適切な投資に基づいたシステム構築によって、適時適切なコンサルティング提案を可能とし、企業の年間イベントの受注を促進するほか、予約システムの簡略化により、小規模な会議室に関しては人手をかけずに予約から支払い、実際の利用までを可能としていきます。

④ 人材の確保と育成

中期経営計画達成のためには、益々高い能力や豊富な経験が必要とされるようになり、営業・オペレーション・不動産開発・管理等各部門において、当社グループに最適な人材を確保していく必要があります。当社は中長期的視点に基づき、新卒・通年採用を強化して採用活動を行っていくとともに、有用な人材の確保及び育成を徹底してまいります。

⑤ コンプライアンスの徹底

企業倫理の徹底と法令遵守は企業にとって基礎的なものです。当社はこれらを重視した経営体制を今後も維持し、安定した経営を行ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

1.当社グループの事業について

(1)特定事業・特定地域への依存について

 当社グループの事業の特徴は、不動産オーナーの保有する遊休不動産を貸会議室として有効活用している点にあります。具体的には、貸会議室・宴会場運営サービスは、顧客が企業外部で研修や会議・打ち合わせをする場所を設備とともに一定時間単位で貸し出すサービスであります。

 貸会議室に対するニーズは、ご利用される企業や団体にとって、一定以上の会議室スペースを確保し、用途ごとに内装・設備・備品(マイク・プロジェクター・ディスプレイ等)を設置するといったイニシャルコストや、賃料を支払い、さらには清掃管理や利用受付などのランニングコストを支払うよりは、必要なときに会議室利用料を支払って利用する方が、費用対効果が高いと判断されていることから生じております。

 このような要因により、今後とも企業や団体にとって必要不可欠なインフラとして貸会議室に対するニーズはさらに拡大し続けると当社グループでは考えており、このニーズを的確に捉えるために、付随サービスとしての料飲サービス、オプションサービス、宿泊サービス等も含めた事業展開を行っておりますが、現状では当社グループの売上高は貸会議室・宴会場運営サービスによるものが中心となっております。また、これらの貸会議室に対するニーズは企業の集中する首都圏に依存した営業体制をとっております。

 このため、同地域における市場規模が縮小した場合、あるいは貸会議室の供給増加による料金水準の低下や利幅の縮小などが発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、同地域における大規模な地震や災害等の発生により貸会議室運営に重大な支障をきたした場合も、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合について

 当社グループの属する貸会議室業界は、参入障壁が高いとはいえないため大企業から各種団体や公共施設まで全国に多数の同業者が存在しております。当社グループでは競合他社に比較して、より低価格な利用料金を求める顧客層向け会議室、休日を含め早朝から深夜まで利用可能な会議室の充実、申し込みから予約確定までネット化により短時間にて完結できる仕組みなどを設けることで、競合他社よりも幅の広い顧客層を取り込むとともに、貸会議室に付随する多様なサービスを展開し、優位性を確保しております。

 しかしながら、これらの競合に対応するための各種方策の実施に伴うコストの増加や競争激化に伴う販売単価の低下による利幅の縮小等により、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)貸会議室の物件の確保について

 当社グループの強みは、物件の所有権を取得しない持たざる経営による機動的な出店戦略にあります。このため事業の拡大に向けて、貸会議室を新規契約若しくは既存契約を延長し、さらなる会議室の貸出しを実施する必要があります。当社グループが契約している貸会議室は順調に増加しており、また、新規物件の取得については、不動産オーナーのニーズを的確に把握し、対応すべく契約獲得に向けて、必要な措置を講じております。加えて、既存契約の延長については、不動産オーナーによる再開発計画の進捗等を的確に把握し、延長交渉を行っております。

 しかしながら、貸会議室の新規物件が当社グループの計画どおりに確保できない若しくは既存物件が計画どおりに延長できない場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)不動産オーナーへの敷金及び差入保証金について

 当社グループは、貸会議室の運営にあたり、初期投資を当社グループが負担するケース、あるいは、不動産オーナーが負担するケースがあり、各々の物件により、対応は異なっております。このため必要に応じて、一部の不動産オーナーに対して、当社グループが敷金及び保証金を差し入れるケースがあります。この場合、契約終了に伴って、契約条項に基づき、敷金及び保証金の返還を受けることとなります。当社グループでは、敷金及び保証金を差し入れている不動産オーナーに対して信用調査を定期的に行っております。

 しかしながら、何らかの理由により、不動産オーナーから敷金及び保証金の返還を受けられず、回収できなくなる場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)企業の採用活動動向の影響について

 当社グループ貸会議室の大口利用者の動向を分析したところ、顧客企業における、採用活動や新入社員研修を中心とした利用が、利用目的の比較的多くを占める傾向にあると考えております。当社グループでは、これは、特に大手企業において、業績回復等を要因とした人材採用活動が積極化していることと一定の関連性があるものと考えております。当社グループでは、会議やセミナー会場、一般社員研修会場などの様々な会議室需要を積極的に取り込み、顧客の貸会議室利用の多様化ニーズへの対応強化を図っております。

 しかしながら、今後、景気後退等の理由により企業の採用活動や新入社員研修等が鈍化した場合、貸会議室の利用が減少し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)業績の季節変動について

 「(5)企業の採用活動動向の影響について」に記載したとおり、貸会議室の利用は、顧客企業における採用活動や新入社員研修を中心とした利用が、利用目的の比較的多くを占める傾向にあります。現在の企業の採用活動は当社グループの第1四半期及び第2四半期である3月から6月に集中する傾向にあり、上半期の売上高及び営業利益が下半期実績を上回る傾向にあります。特に、上半期の採用活動については、貸会議室・宴会場運営サービスの需要が高まり、その売上原価の多くが地代家賃であるため、営業利益が相対的に高くなることに対し、下半期は懇親会需要が高いため、料飲サービス(主にケータリング)の売上高が相対的に高まりますが、対応する売上原価は地代家賃のみならず、食材や飲料等の材料費もかかることから、営業利益が相対的に低くなると考えております。

 従って企業の採用活動時期の変更によっては、経営成績の季節的変動の傾向に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)特有の法的規制について

 当社グループの貸会議室においては、建物の安全性の確保を定めた「消防法」の規制を、宿泊施設においては、「消防法」「旅館業法」の規制を、レストラン、ケータリングにおいては、食品の規格、添加物、衛生管理及び営業許可について定めた「食品衛生法」の規制を受けております。また事業を営むうえで各種関連法令等に定める免許・登録等を取得しております。

 当社グループでは、法令遵守を徹底しておりますが、万一これらに抵触することがあった場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新たな規制や、規制の改正があった場合には、当該規制に対する対応により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)食品にかかる衛生管理について

 当社グループは、会議室、宴会場、レストラン、ホテル等において食事や飲料の提供を行っており、食に対する安全確保を当社グループの使命として認識しております。当社グループでは、各店舗における衛生管理に係るマニュアル等の整備や従業員に対する教育指導の徹底に加え、外部の専門業者による各種衛生検査等により食品にかかる衛生管理体制の強化に努めておりますが、万一、当社グループにおいて食中毒事故や何らかの食品衛生上の問題が発生した場合、一定期間の営業停止等の処分を受ける可能性があるほか、企業イメージの低下による顧客離れが起こり得ることから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)個人情報保護について

 当社グループの空間再生流通事業は、法人顧客との取引がメインとなりますが、顧客企業の担当者名等の様々な個人情報に接する機会があります。このため、「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、「顧客情報管理規程」「情報システム管理規程」等の関連規程の適切な整備・運用と従業員への教育により、個人情報の管理には万全を期しております。

 しかしながら、結果として、重要な個人情報が社外に流出すること等により、個人情報の保護が損われた場合に、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)システムトラブルについて

 当社グループは、情報システムの安全性には最善を尽くしておりますが、例えば、災害や事故により、情報システムが支障をきたした場合、顧客へのサービス提供等に支障をきたす可能性があります。更に、システムの欠陥、コンピュータウィルスの侵入、外部からの不正手段によるコンピュータ内へのアクセス等により、顧客へのサービス提供等に支障をきたす可能性があります。

 これらの事態が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)知的財産権に係わるリスクについて

 当社グループは、会社名及び運営するサイトの名称「TKP」、「TKP貸会議室ネット」等について商標登録を行っており、今後サイト上などで新たなサービスの展開を行っていくに際しても関連する名称の商標登録を行っていく所存です。

 一方、他社の著作権や肖像権を侵害しないようサイト上に掲載する画像等については十分な監視・管理を行っており、現在、当社グループは第三者の知的財産権を侵害していないものと認識しております。

 しかしながら、今後も当社グループに対して知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)為替変動によるリスクについて

 当社グループは、事業の海外展開をしており事業活動が為替変動の影響を受けます。また、為替変動は外貨建取引から発生する収益・費用及び資産・負債の円換算額を変動させ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼします。

 また、当社グループの連結財務諸表作成にあっては、海外連結子会社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)海外での事業展開に伴うリスクについて

 当社グループは、海外市場の動向に細心の注意を払い、適切な対応を図るよう努めております。しかしながら、政情不安、通関業法・税制等の法制度の変更、金融・輸出入に関する諸規制の変更、ストライキ、テロ、暴動、人材確保の難航及び社会環境における予測し得ない事態等の発生によって事業計画に遅延が起きた場合、また、適切な対応ができず当社グループの信用及び企業イメージの失墜等により顧客数が減少した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)固定資産の減損リスクについて

 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用しております。当社グループでは、宿泊サービスにおいて自社所有するホテル等の宿泊施設が増加したことにより、有形固定資産が増加傾向にあります。今後資産の利用状況及び資産から得られるキャッシュ・フローの状況等が悪化し、減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.その他

(1)特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である河野貴輝は、当社グループ設立以来代表取締役社長であり、当社グループの経営戦略の構築やその実行に際して、重要な経営方針を決定し、事業推進において重要な役割を果たしてまいりました。当社グループの事業が順調に成長を遂げる中で、特定の人物に依存しない体制を構築すべく、人材の強化を図るとともに、権限委譲を積極的に推し進めておりますが、何らかの理由により当社グループにおける業務遂行が困難になった場合、当社グループの事業推進及び経営成績その他に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)人材獲得と人材育成に関するリスクについて

 当社グループの事業には、お客様を始めとする様々なステークホルダーと良好な関係を構築することができる人材が不可欠であり、事業の継続的発展のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開し、また、目標管理制度に基づいた公平な評価・処遇制度の充実、自律型人材やグローバル人材を育成するための各種教育制度の拡充、貸会議室運営のノウハウの伝承等、社員のモチベーションを向上する仕組みを構築し社員の定着と育成に努力しております。しかしながら、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等、また、海外においても、雇用環境の変化が急速に進んでおり、人材獲得や育成が計画どおりに進まなかった場合、長期的視点から、事業展開、業績及び成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)資金調達の影響について

 当社グループは、一部の不動産オーナーに対して差し入れている敷金及び保証金並びに建物造作等の初期投資に関しては、主にシンジケートローンを中心とした金融機関からの借入により調達しているため、金融機関からの新規の借入ができない場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)有利子負債への依存について

 当社グループは、空間再生流通事業の運営資金を主に金融機関からの借入金及び社債の発行によって調達しております。当社グループは特定の金融機関に依存することなく借入金の調達を行っておりますが、金融情勢や経済情勢等により金利水準や金融環境等に変動があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)財務制限条項等について

 当社グループの有利子負債には財務制限条項等が付加されているものがあり、当社グループがこれに抵触し、当該有利子負債の一括返済を求められた場合、資金繰りが悪化する可能性があります。

 

(6)配当政策について

 当社グループは、現時点では先行投資段階にあり、事業展開のスピードを高め、規模の拡大に必要な資金を確保する観点から、当面は利益配当を実施せず、内部留保に努め、事業拡大に必要な資金を投下していく方針であります。この方針のもと、当社は創業以来利益配当を実施いたしておりません。しかしながら、当社は株主への利益還元については重要な経営課題であると認識しており、経営成績及び財政状態を総合的に勘案し、利益配当を検討していく所存でございます。

 

(7)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社グループでは、役員、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権等に加え、今後付与される新株予約権等について行使が行われた場合には、株式の価値が希薄化する可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、たな卸資産、投資、繰延税金資産等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,226百万円増加し、9,715百万円となりました。主な増加要因は、売上高が増大したことによる売掛金の増加が713百万円あったことによるものです。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ9,164百万円増加し、24,815百万円となりました。主な増加要因は、宿泊施設及び貸会議室の新設等による建設仮勘定の増加2,714百万円、土地の増加1,849百万円、建物及び構築物の増加1,515百万円、敷金及び保証金の増加962百万円及び投資有価証券の増加997百万円であります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,686百万円増加し、7,971百万円となりました。主な増加要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加1,250百万円及び未払法人税等の増加441百万円であります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ3,519百万円増加し、17,904百万円となりました。主な増加要因は、長期借入金の増加3,305百万円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ4,185百万円増加し、8,655百万円となりました。主な増加要因は、平成29年3月における株式上場時の自己株式の処分による資本剰余金の増加2,060百万円、利益剰余金の増加2,071百万円であります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、28,689百万円と前年同期比30.5%増加させることができました。その主な要因は、大都市圏を中心に積極的な会議室の新規開設を行うことができたことや、ビジネスホテル、シティホテルの開業の売上高貢献によるものであります。

 

(営業利益)

売上原価は、17,738百万円と前年同期比29.4%の増加となりました。その主な要因は、貸会議室数の増加に伴う地代家賃(固定賃料)及び支払運営報酬(変動賃料)等の増加によるもので、売上高の増加に伴うものであります。

販売費及び一般管理費は、7,501百万円と前年同期比34.5%の増加となりました。その主な要因は、事業規模拡大による人件費の増加、要員確保のための採用教育費の増加によるものであります。

この結果、当連結会計年度の営業利益は3,449百万円(前年同期比28.0%増)となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は、92百万円(前年同期比48.0%増)となりました。その主な要因は、過年度に事業上の貸付金に関し貸倒引当金を計上しておりましたが、回収努力により回収することができたことからその戻入益を計上したことによるものであります。

営業外費用は、341百万円(前年同期比67%増)となりました。その主な要因は、長期借入金及び社債の支払利息の増加、シンジケートローン組成に伴うアレンジメントフィーの増加によるものであります。

この結果、当連結会計年度の経常利益は3,200百万円(前年同期比25.4%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、487百万円(前期は「-」)となりました。その要因は、保有していた土地の売却益の計上によるものであります。

特別損失は、295百万円(前年同期比53.9%増)となりました。その主な要因は、外神田に所有している土地建物に関し、隣地に取得することができた土地との一体開発を行うこととしたことから、建物の取壊しを決定したことによる固定資産処分損であります。

当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等の負担率は38.9%となっております。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比53.2%増の2,071百万円を計上することができました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、外部要因として、①貸会議室市場の環境、②同業者参入による競争の激化、③物件の流通動向、④企業の採用活動動向、⑤法的規制、⑥海外動向・為替等の影響等が挙げられます。また、内部要因としては、①人材獲得・人材育成状況、②資金調達状況、③システム稼働状況等が挙げられます。

当社グループは、これらの要因を分散及び抑制し、適切に対応していくことで、売上高の拡大に注力する一方、コストの削減を図り、利益体質の向上を図ってまいります。

また、貸会議室・宴会場運営サービスにおいては、形態別の部屋数や顧客単価、稼働率等を重視し、経営成績に重要な影響を与える要因の分析に努めております。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、不稼働資産の有効活用から収益を生み出すビジネスモデルとして貸会議室・宴会場運営サービスを中心とした空間再生流通事業を創出いたしました。貸会議室・宴会場運営サービスにおいては、顧客の予算・利用規模・利用目的等に対応すべく形態別に5グレードの会議室を、アクセス至便な立地に全国展開しております。この貸会議室・宴会場運営サービスから派生するニーズに対応すべく、料飲サービス、オプションサービス、宿泊サービス等の「内製化」をさらに進めることで、顧客にとってより付加価値の高い総合サービスの実現と原価低減の両立を目指します。これらによる会議室・ホテル宴会場運営を通じて蓄積したノウハウを活かし、企業のアウトソーシングニーズの取り込みを図ってまいります。

また、当社グループは、売上高成長率を20%、連結営業利益率を14~15%と掲げ、中期経営計画を推進しております。第13期(平成30年2月期)においては、売上高成長率は30.5%と達成、連結営業利益率については12.0%と約2%の未達ではありますが、当社グループは現在中期経営計画の達成のための投資段階にあり、同計画の最終の連結会計期間までに達成できるよう推進してまいります。