文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(経営方針)
多くの従業員が働きがいを持てば、その企業は安定的に高い顧客満足度と業績成果を生み出せます。その結果、従業員の更なる成長に向けた教育や福利厚生の充実等に投資が回り、より一層の働きがい(従業員満足)に繋がる好循環サイクル、SPCが形成されます。
当社グループは、顧客企業において、このSPC経営を実現することで、従業員と消費者、消費者と企業、企業と従業員を最適に結び付けるサービス提供を通じ、「精神的に豊かな社会の創造」に貢献することをミッションとしております。
その実践のために「社員第一主義」、「顧客中心主義」、「社会的に価値ある事業を行う」という3つの経営指針を設けており、これらの指針に基づき顧客企業に対して調査からコンサルまでの各種サービスを提供してまいります。
(経営環境)
当社グループの顧客であるサービス業を取り巻く経営環境は、家計消費の低迷や新型コロナウィルス感染症の感染拡大等により依然として厳しいため、当社グループにおいても事業拡大に向けては、相応の努力を要する状態がしばらくの間続くものと思われます。
しかしながら、同時に、当社グループに期待される使命や役割は、より一層大きなものとなるため、当社グループが掲げる経営理念「精神的に豊かな社会の創造」の実現を目指し、価格競争から付加価値競争への脱却をはじめとした顧客企業の経営課題解決に繋がる効果的な支援を行ってまいる所存であります。
(経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、企業価値と株主価値の向上を目指し、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を、「営業利益率」、「親会社の所有者に帰属する当期利益」及び「親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)」としております。
当連結会計年度を含む直近5年間の各指標は以下のとおりとなり、当連結会計年度においては、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響は続いているものの、黒字転換を果たした前連結会計年度と比較し、売上収益で14.4%増、親会社の所有者に帰属する当期利益で6.4%増と、業況の着実な回復が進んでおります。
なお、現在開示しております中期経営計画の終了年度である2024年2月期の各指標の目標値は、それぞれ「営業利益率25%超」、「親会社の所有者に帰属する当期利益800,000千円」及び「ROE20%」でありますが、新型コロナウィルス感染症拡大の長期化による影響を加味して修正を実施し、業績予想を公表しております。
また、直近においては中期経営計画方針である生産性の高い事業構造への転換など業績改善に向けた様々な取り組みを進めるとともに、新型コロナウィルス感染症の収束が見通せる状況になり次第、改めて中期経営計画を発表する予定であります。
(注) 1.2020年2月期は、決算期変更の経過期間にあたるため、11カ月の変則決算となっております。
2.2021年2月期の営業利益率及びROEについては、親会社の所有者に帰属する当期損失であるため記載しておりません。
(対処すべき課題)
当社グループは、様々な業種への拡大と浸透、従来よりも難度の高い調査への対応力強化によって、基幹サービスである一般消費者(モニター)による顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ(以下、「MSR」という。)」の着実な成長を目指しております。
また、新型コロナウィルス感染症の感染拡大によって労働環境に大きな変化が生じておりますが、テレワーク(在宅勤務)の推進により従業員のモチベーション管理に気を揉む顧客企業や業種により人手不足問題を依然抱え続ける顧客企業も数多く存在します。そのような顧客企業の問題解決に資するべく、今後も引き続き従業員満足度調査「tenpoket チームアンケート」を中心としたSaaSサービス群(以下、「tenpoket」という。注1)を第2のサービスの柱として成長させてまいります。
それらの取り組みにより、顧客企業におけるサービスプロフィットチェーン(以下、「SPC」という。)経営の実現を支援するとともに、当社グループが掲げる経営理念「精神的に豊かな社会の創造」の実現に向け、更なる経営の安定化を進めるべく、以下の5項目について重点的に取り組んでまいります。
(注1)tenpoketに含まれる主なSaaSサービスは、tenpoket チームアンケート、tenpoket トーク、MSナビ、SVナビです。
当社グループは、今後もミステリーショッピングリサーチ事業を成長のエンジンとして拡大していくことを志向しており、その支えとなっているものが、主にSPC経営の実現に向け、MSR及びtenpoketをその仕組みの中心に据えた経営システムのインフラ構築と定着化に関するコンサルティング・研修(以下、「コンサル」という。)であると捉えております。しかしながら、経営システムのインフラ構築と定着化をトータルコーディネートできる人材の育成には相応の時間がかかるため、MSR及びtenpoketの商品力強化と成長に合わせたコンサルニーズの増加に対応できる人材を確保・育成することが課題と認識しております。
また、MSRの成長に合わせてレポート生産管理を行う人材、サービス提供の礎である自社開発システムを支える人材、調査データの高度な統計解析を担う人材並びに業界全体の課題から新たなビジネスチャンスを生み出す人材の確保・育成も課題となるであろうことが想定されます。
そのため、今後は以上のような人材の確保・育成が成長のボトルネックとならないよう、顧客ニーズの動向を注視しながら、それに見合った人材確保と適正配置、並びに早期の成長を期待できるOJT機会の充実に努めてまいります。
顧客ニーズの多様化を背景として、覆面調査市場で展開される各社サービスの価格・機能別の棲み分けが進んでいるため、競合他社の動向を注視しながら、当社の提供する各種サービスを、各顧客企業にとって不可欠な存在にしていくことが課題と認識しております。
そのため、tenpoketが顧客企業の業務により密接に連携するよう、その中に含まれる各種ソフトウェアの改良を進めてまいります。
また、tenpoketの充実にも努め、より高頻度に多数の顧客の声を収集する「カスタマーリサーチ」のリニューアルや、インターネット上の口コミ情報も分析対象に含めることで、顧客企業のCS向上及び売上向上につなげる仕組みの強化を図ってまいります。加えて、tenpoketの導入支援を行うコンサルにも力を入れ、各種ソフトウェアの利用促進や定着に帰するノウハウの構築に努めてまいります。
当社グループは、日本全国に56万人のモニターを保有し、幅広いエリアや属性をカバーしておりますが、一方で顧客ニーズも徐々に多様化しており、それらを満たす将来的なモニターの量の十分性には課題があると考えております。例えば、モニターの少ないエリアに出店しているナショナルチェーン等の調査や、モニター自身が会員として数カ月間に亘るサービスを体験した上でレポートを記入するといった調査など、以前にはない難度の調査が求められるケースもございます。
そのため、今後は効果的な広告宣伝等の実施により当社グループの認知度・信用力向上を図り、登録モニター数の拡充に注力することで、今後もより多様化の進むであろう顧客ニーズを満たすモニター基盤の形成に努めてまいります。
当社グループでは、標準的に1レポート当たり7問程度のフリーアンサー設問を設けており、1問当たり200~300字程度のコメントが記載されるため、全体で1,400~2,100字程度の「お客様の生の声」が届けられますが、自店のサービス向上を念頭に、顧客企業の店舗スタッフが自発的な改善アクションを検討・実行するには、何より正しい評価とその評価理由が明確に伝わるレポートが求められています。今後もより一層有効にレポートを活用いただく上で、レポート品質の向上並びにその担保が引き続いての課題と認識しております。
そのため、今後も、レポート評価結果に関するモニターへのフィードバック内容の充実、モニター向けレポート作成方法やレポートチェッカー向けレポートメンテナンス方法のeラーニングコンテンツ化など、レポート品質の向上並びにその担保に資する仕組みの充実に努めてまいります。
ここ数年、アジアを中心に海外展開を図る顧客企業からMSRを現地にて実施したいとのニーズが増え、日系企業の進出が著しいタイと台湾にて、各国に進出している日系企業や現地企業からのオーダーに基づき、MSRやHERBプログラムのサービスを提供しておりますが、両国での事業展開においては、継続的にMSRを実施できる顧客基盤の拡大と収益のストック化を図っていくことが当面の課題と認識しております。
そのため、発掘ルートの多様化による新規案件の増注や人的資源の投下などに取り組んでおります。2021年2月期において設立以来初の通期黒字を達成することができた台湾では、新型コロナウィルス感染症の影響から早期に回復し、2023年2月期も再び黒字で着地することができました。
また、MSR業界のグローバルネットワークであるMSPAに参画することで、海外事業の拡大と合わせ、海外企業からの日本国内における調査の受注拡大にも努めてまいります。
当社グループの業績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業等のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努力する方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社グループのミステリーショッピングリサーチ事業を成長させていくに当たり、求められる調査地域に求められる属性のモニターを擁するためには、日本国内の各都道府県及びサービスを展開しているタイ及び台湾におけるモニターを需要とマッチした適正人数まで増加させていく必要性が生じます。そのため、効果的な広告宣伝等の実施により、適切にモニター数の拡充を図りつつ多様化する顧客ニーズへの対応に努めてまいりますが、需要の急激な増加、求められる調査地域やモニター属性の偏り等により、顧客ニーズに適合したモニターが十分に確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
同業他社との競合が激化傾向にある業種では値引き要請を受けることもあります。そのため、競合他社との差別化を図るべく、継続的なサービスのラインナップ拡大と付加価値向上に努めておりますが、そのような業種の顧客企業に対する業績依存度が高くなると、粗利益率低下リスクが生じる可能性があります。
当社グループでは、MSR、ならびにSaaSとして提供される商品群「tenpoket」において、自社開発による各種システムを活用しております。
今後もサービスの拡充、品質の向上及び業務の効率化等を図るため、システム開発及び改善、保守に関わる投資を積極的に行ってまいります。しかしながら、これらに想定外の遅れやトラブル等が発生した場合、関連コストが増大するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、MSRを運用するにあたりモニターに係る大量の個人情報を保有しております。また、コンサルやMSナビを提供する過程で必要となる顧客企業の機密情報等も多く保有しております。
そのため、情報管理に関する定期的な社員教育、全社的な情報管理体制の強化、システム開発及び運用におけるセキュリティ要件の厳格化、システムに対するアクセスの監視強化、ならびに第三者による定期的なシステムセキュリティ診断の実施などに取り組んでおりますが、これらの情報に対するコンピュータウィルスやハッカー攻撃、外部からの不正アクセスや、社内管理体制の瑕疵、当社グループ従業員の故意又は過失等による情報漏えいが発生した場合、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下、対応費用の発生、当社に対する損害賠償請求、当社グループのサービスに対する報酬の減額等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、個人情報や機密情報の保護に関する国内外の法令等が改正される場合には、これに対応するためのシステムの改修や業務方法の変更に係る費用等の発生により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。
当社グループは、MSRならびにSaaSとして提供される商品群「tenpoket」において、調査の実施、レポートの生産、調査結果の納品や分析、改善活動を促すeラーニングコンテンツやビジネスチャットの提供等のために情報システムやインターネット等を利用しております。
そのため、自然災害、火災や停電等の事故、プログラムやハードの不具合、コンピュータウィルスやハッカー攻撃、外部からの不正アクセス等により、システム障害が発生した場合、当社グループの業務やサービス提供の停止、重要なデータの喪失、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下、対応費用の発生、当社グループのサービスに対する報酬の減額等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、コンサルティング、生産管理、システム開発並びに統計解析業務に携わる人材の確保・育成が不可欠となっておりますが、そのような人材の確保・育成ができない場合又はそのような人材が社外に流出した場合には、当社グループの業務運営や経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのサービスにおいて、顧客企業に対して提供する情報又は分析の真実性、合理性及び正確性は非常に重要であります。
従って、当社グループが分析のために収集した情報に誤りが含まれていたこと等に起因して顧客企業に対して不正確な情報を提供する場合や、不正確な情報を提供していると誤認される場合には、当社グループの受注案件数の減少、ブランドイメージや社会的信用の低下、当社グループに対する損害賠償請求、当社グループのサービスに対する報酬の減額等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの基幹事業であるミステリーショッピングリサーチ事業においては、モニターとの間で契約書面は存在せず、全てウェブ上でのモニター会員登録を通じて業務委託契約に準ずる契約が締結されており、弁護士等の法律の専門家と相談の上、社内管理体制を構築することで法令遵守に努めております。しかしながら、今後の法改正又は新たな法令制定が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、モニターの個人情報を有し、日常業務にて個人情報に接するため、その取扱いについては個人情報保護法並びに日本工業規格「JIS Q 15001 個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」を踏まえ、十分な管理体制を構築し、一般財団法人日本情報経済社会推進協会よりプライバシーマークを取得しております。
個人情報の保護に関する基本方針を作成し、当社グループが運営するモニター専用サイトに掲載しているほか、情報に触れる従業員に対して、個人情報保護規程及び関連マニュアルに基づき、その取扱いについて教育・研修を実施しておりますが、仮にモニター情報が外部に流失した場合には、漏えいに対する損害賠償請求がなされる、当社グループの信用が毀損しモニター確保が難しくなる等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業は、その業容上、顧客企業の教育研修に対する投資動向に一定の影響を受けます。
そのため、当社グループは市場動向を把握し、サービスのラインナップ拡大や付加価値向上ならびに顧客企業の多様化を図り、可能な限りその影響の抑制に努めてまいりますが、経済情勢の変化及び景気低迷により、顧客企業の投資意欲が減少した場合には、新規顧客開拓の低迷や既存顧客からの受注減少、中途解約の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
MSRのサービス提供を行う際に、顧客企業との間で利用期間を設定し契約を締結しておりますが、MSRの利用規約上、3カ月前の申し入れにより、顧客企業の意思に従って中途解約がなされる又は利用期間が後ろ倒しされる場合があります。当社グループとしては、できる限り顧客企業にMSRの利用契約を継続又は契約時の利用期間どおりに実施いただけるよう、充実したカスタマーサポートの提供、顧客ニーズを反映したサービスやシステムの改善、並びに営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握に取り組んでおります。しかしながら、万が一中途解約又は利用期間の後ろ倒しが急激に増加した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業分野における他社の知的財産権の保有や登録等の状況を把握することは困難であり、当社グループが意図せず第三者の特許権等を侵害する可能性や、今後当社グループの事業分野において第三者の特許権等が新たに成立し、当社グループを当事者とする知的財産権の帰属等に関する紛争が生じたり、当社グループが知的財産権の侵害等に関する損害賠償や使用差止等の請求を受けたりする可能性があります。
また、当社グループが第三者と提携や合併等を行うことにより、当該第三者が締結している契約に基づく知的財産権に係る制約を受けたり、第三者に対する新たな対価支払いを強いられたりする可能性もあります。
これらの結果、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外市場の動向に細心の注意を払い、適切な対応を図るよう努めておりますが、政情不安、通関業法・税制等の法制度の変更、金融・輸出入に関する諸規制の変更、ストライキ、テロ、暴動、人材確保の難航及び社会環境における予測し得ない事態等の発生によって、事業計画に遅延が起きた場合、また、適切な対応ができず当社グループの信用及び企業イメージの失墜等により顧客企業が減少した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、非流動資産にのれんを計上しており、総資産に占める割合が高くなっております。当社グループはIFRSに基づき連結財務諸表を作成しているため、毎期の定期的な償却は発生しませんが、のれんの対象となる事業の収益力が低下し、減損損失を計上するに至った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 13.のれん及びその他の無形資産」をご参照ください。
当社グループは、ミステリーショッピングリサーチ事業の単一事業であるため、継続的にサービスのラインナップ拡大や付加価値向上ならびに顧客企業の多様化などに取り組むことで可能な限り強固な事業構造作りに努めております。しかしながら、顧客企業の業況悪化による教育研修投資の抑制など、当該市場環境が極端に冷え込んだ場合、その影響を大きく受け、他の事業分野で挽回するといった対応が取れず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、地震等の自然災害や火災等の人為災害に対するBCP(事業継続計画)を策定し、その体制を整備、活動を継続しておりますが、大規模な地震・風水害・津波・大雪・新型インフルエンザ等の感染症の大流行等の自然災害や、火災・暴動・テロ・国際紛争・戦争等の人災が発生した場合、当社グループの本社の建物や設備等が被災し、従業員の出勤や業務遂行に支障が生じ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、これらの災害等により、当社グループの業務に必要なシステムやインターネット等のネットワーク環境の使用ができなくなる場合や、調査のためのモニターの確保ができなくなる場合は、当社グループの業務遂行等が極めて困難となる結果、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、災害等によって当社グループの顧客企業に被害等が生じる場合や、経済状況等の低迷が発生する場合にも、当社グループの受注案件数の減少等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、従業員133名(2023年2月28日現在)と組織が小さく、内部管理体制も当該規模に応じたものになっております。事業の拡大に合わせ、今後も引き続き積極的に人員の増強、内部管理体制のより一層の充実を図る方針でありますが、人材の獲得及び管理体制の強化が順調に進まなかった場合には、事業等のリスクに対して適切かつ十分な組織的対応ができず、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、その事業の過程で、各種契約違反や労働問題、情報漏洩等に関する問題等に関し、顧客企業、取引先、従業員、競合他社等により提起される訴訟その他法的手続の当事者となるリスクを有しております。当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となり、当社グループに対する敗訴判決が言い渡される、又は当社グループにとって不利な内容の和解がなされる場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態、評判及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、財務報告の信頼性に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題の一つとして位置付け、グループを挙げて管理体制等の点検・改善等に継続的に取り組んでおりますが、内部統制報告制度の運用開始後、当社グループの財務報告に重要な不備が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制を整備及び運用できる保証はありません。
さらに、内部統制に本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制が有効に機能しない場合や、財務報告に係る内部統制に重要な不備が発生する場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、役員及び従業員に対する長期的なインセンティブとしてストック・オプション制度を導入しております。
今後もストック・オプション制度の活用を予定しており、現在付与している新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は116,700株であり、発行済株式総数4,514,100株の2.6%に相当します。新株予約権の詳細は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご参照ください。
当社は、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施していく方針でありますが、業績が予想に届かず利益剰余金が不足する場合や重要な事業投資を優先するなどの影響でキャッシュ・フローが悪化する場合等は、配当を実施しない、あるいは予定していた配当を減ずる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、行動制限の解除によって新型コロナウィルス感染症の影響は和らいできたものの、エネルギー・輸入原材料価格の高騰によるコストプッシュ型インフレが企業収益や家計の実質所得を圧迫、依然として2019年10月の消費増税以前の実質GDPを回復できない状況にあり、当社の主要顧客である外食・小売など内需型サービス産業にとって、厳しい環境が続いております。
このような環境下、基幹サービスである顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ(以下、「MSR」という。)をはじめとしたミステリーショッピングリサーチ事業の国内における売上収益は、前期と比較し、13.8%増となりました。主な内訳として、MSRは国内の調査数で23.5%増、国内の売上収益で10.5%増、コンサルティング・研修(以下、「コンサル」という。)は、国内の売上収益で24.8%増となっております。以上の結果、前期と比較し、売上収益で14.4%増、営業利益で2.8%増となりました。
また、2022年4月7日に開示しました通期業績予想(注)に対して、売上収益は99.9%、営業利益は87.3%、親会社の所有者に帰属する当期利益は91.5%で着地しております。
外食・小売など大手のMSRやオンライン研修も含めたコンサルが再開されたことに加え、各種補助金を活用したコンサルが増加したことで売上収益はほぼ予想通りの着地となりました。しかしながら、稼働回復に伴い雇用調整助成金減によりその他の営業損益が大幅に減少、MSRの1調査あたり単価・粗利が想定を下回ったほか、事後申請型の補助金において想定外の制度変更があり、コンサル実施後の報酬額の減少が当第4四半期に発生したことなどから営業利益では予想との乖離が生じております。
受注高においては、当第4四半期で前年同四半期比8.4%増となり、当第2四半期を除いて堅調に推移した結果、前期比5.6%増となりました。
生産面では、調査数の着実な増加に伴い、稼働の平準化による生産コストの逓減を図りつつ、安定的且つ効率的な生産体制の再構築を進めております。
管理面では、前期と比較し、原価が12.6%増、販売費及び一般管理費が14.2%増となりました。原価では、調査数増、売上収益増に伴うモニター謝礼、追加のサーバー増強などIT投資の促進に伴う賃借料などが主に増加しました。また、販管費は、業績回復による昇給に伴う人件費、広告宣伝費、会議費及び接待交際費、旅費交通費、採用費などが主に増加しました。
なお、当社グループはミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注) 2022年4月7日開示の「2022年2月期決算短信〔IFRS〕(連結)」をご参照ください。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ167,590千円減少し、3,733,679千円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ264,442千円減少し、770,397千円となりました。
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べ96,852千円増加し、2,963,282千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益2,213,080千円(前期比14.4%増)、営業利益325,610千円(同2.8%増)、税引前利益324,019千円(同3.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益219,666千円(同6.4%増)となりました。
なお、当社グループはミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて406,239千円減少し、666,153千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は、6,424千円(前期比510,291千円減)となりました。これは、税引前利益324,019千円、減価償却費及び償却費の計上81,643千円、営業債権及びその他の債権の増加額148,416千円、営業債務及びその他の債務の減少額145,173千円、法人所得税の支払額60,561千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、71,753千円(前期比24,049千円増)となりました。これは、無形資産の取得による支出70,193千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による支出は、342,153千円(前期比73,489千円増)となりました。これは長期借入金の返済による支出166,656千円、自己株式の取得による支出67,013千円、配当金の支払額69,412千円等によるものであります。
当社グループでは、販売実績のほとんどが生産実績であることから、記載を省略しております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントで示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループの事業は、ミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントであります。
2.IFRSに基づく金額を記載しており、千円未満は四捨五入して記載しております。
3.受注残高には、翌連結会計年度に売上収益となる見込みの金額を記載しております。
4.子会社においては、受注から納品までの期間が短いため、上記金額に含めておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントで示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.当社グループの事業は、ミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントであります。
2.IFRSに基づく金額を記載しており、千円未満は四捨五入して記載しております。
3.主要な販売先については、いずれも100分の10未満であるため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規則によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び 注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
(資産合計)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ167,590千円減少し、3,733,679千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ221,680千円減少し、1,219,688千円となりました。これは現金及び現金同等物が406,239千円減少、営業債権及びその他の債権が149,631千円増加したこと等によるものであります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べ54,090千円増加し、2,513,992千円となりました。これは使用権資産が27,780千円、その他の無形資産が25,896千円増加したこと等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ264,442千円減少し、770,397千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ222,568千円減少し、727,269千円となりました。これは営業債務及びその他の債務が142,439千円、流動負債の借入金が97,184千円減少したこと等によるものであります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べ41,874千円減少し、43,128千円となりました。これは非流動負債の借入金が69,472千円減少したこと等によるものであります。
(資本合計)
当連結会計年度末における資本は、前連結会計年度末に比べ96,852千円増加し、2,963,282千円となりました。これは自己株式の取得67,013千円、当期利益の計上219,339千円等によるものであります。
(売上収益)
MSRは前期と比較し、国内の調査数で23.5%増、国内の売上収益で10.5%増、コンサルは前期と比較し、国内の売上収益で同24.8%増となりました。外食・小売など大手のMSRやオンライン研修も含めたコンサルが再開されたことに加え、各種補助金を活用したコンサルが増加したことで売上収益はほぼ予想通りの着地となりました。
この結果、当連結会計年度の売上収益は2,213,080千円(前期比14.4%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価については、1,328,340千円(前期比12.6%増)となりました。調査数増、売上収益増に伴うモニター謝礼、追加のサーバー増強などIT投資の促進に伴う賃借料などが主に増加しました。
この結果、売上総利益は884,740千円(前期比17.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損益)
販売費及び一般管理費については、639,798千円(前期比14.2%増)となりました。業績回復による昇給に伴う人件費、広告宣伝費、会議費及び接待交際費、旅費交通費、採用費などが主に増加しました。
その他の収益は80,739千円、その他の費用は72千円発生しており、この結果、営業利益は325,610千円(前期比2.8%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
金融収益は19千円、金融費用は1,610千円発生しており、法人所得税費用104,680千円等を差し引いた結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は219,666千円(前期比6.4%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループはキャッシュ・フローを重視した財務戦略を進めており、設備投資資金についても投資効率性などを分析した上で、原則として営業活動から得た収入を充当していく方針であります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
(注) 親会社所有者帰属持分比率:(親会社の所有者に帰属する持分)÷(総資産)
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:(有利子負債)÷(キャッシュ・フロー)
インタレスト・カバレッジ・レシオ:(キャッシュ・フロー)÷(利払い)
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、モニターに対する謝礼原価やレポートチェックの外注委託費、労務費といった売上原価、人件費や旅費交通費、当社が提供する各種システムのデータサーバ費用等の販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は、什器備品や社内利用ソフトウェアの購入費用の他、当社がSaaSとして提供する商品群「tenpoket」のシステム開発費用であります。株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
上記運転資金及び投資資金につきましては、内部資金及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
当社グループは、中期の運転資金を確保する目的で、当社は2020年7月30日付けで株式会社三井住友銀行より500,000千円の借入を行っており、当連結会計年度末における借入金の残高は69,472千円であります。
また、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するとともに、財務基盤の一段の強化を図ることを目的として、主要取引金融機関との間で50,000千円の当座貸越契約を締結しております。この契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高はなく、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高666,153千円と合わせて、資金について十分な手元流動性を確保しているものと認識しております。
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制、同業他社等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向及び業界動向に注視しつつ、コンサル、生産管理、システム開発、統計解析業務に携わる人材並びに経営管理業務に携わる人材を確保・育成し、事業体制の強化はもとより管理体制の整備を進め、社会及び顧客のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。