第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 当社グループは、当第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」を適用しております。IFRS第16号の適用による影響については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度を初年度とする第3次中期経営計画(2019年5月30日公表予定)において、「営業利益」から「減損損失」及び「その他の収益・費用」を除いた経常的な収益力を示す指標として「事業利益」を採用する予定です。

(単位:百万円)

 

前第1四半期

連結累計期間

当第1四半期

連結累計期間

増減額

増減率

売上収益

294,650

313,956

19,305

6.6%

研究開発費投資前事業利益

76,824

84,407

7,582

9.9%

事業利益

34,610

33,364

△1,246

△3.6%

営業利益

34,769

31,203

△3,565

△10.3%

税引前四半期利益

31,109

31,233

124

0.4%

四半期利益

23,525

20,709

△2,816

△12.0%

親会社の所有者に帰属する四半期利益

22,726

19,152

△3,573

△15.7%

 

研究開発費

42,213

51,042

8,829

20.9%

減損損失

419

66

△352

△84.1%

 

 当第1四半期連結累計期間における売上収益は、グローバル及び国内の新製品群の売上収益の増加が貢献し313,956百万円(前年同四半期比6.6%増)となり、これに伴い研究開発費投資前事業利益は84,407百万円(同9.9%増)となりました。しかし、ブレクスピプラゾールやAVP-786等に係る開発費が増えたことから研究開発費は51,042百万円(同20.9%増)となり、その結果、事業利益は33,364百万円(同3.6%減)となりました。

 営業利益につきましては31,203百万円(同10.3%減)、四半期利益は20,709百万円(同12.0%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は19,152百万円(同15.7%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

医療関連
事業

ニュートラシューティカルズ
関連事業

消費者
関連事業

その他
の事業

調整額

連結

売上収益

209,411

72,938

7,048

33,143

△8,585

313,956

事業利益

32,776

6,568

1,639

1,935

△9,555

33,364

 

(参考-前年同一期間)

(単位:百万円)

 

医療関連
事業

ニュートラシューティカルズ
関連事業

消費者
関連事業

その他
の事業

調整額

連結

売上収益

189,476

73,266

7,305

33,802

△9,200

294,650

事業利益

30,639

8,110

2,739

2,456

△9,335

34,610

 

(医療関連事業)

 当第1四半期連結累計期間は、グローバル及び国内の新製品群の売上収益の増加が貢献し、売上収益は209,411百万円(前年同四半期比10.5%増)、事業利益は32,776百万円(同7.0%増)と、増収増益を達成しました。

 

<主要製品の状況>

 当社がグローバル3製品と位置付ける持続性抗精神病薬「Abilify Maintena/エビリファイ持続性水懸筋注用」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ」「ジンアーク」の売上収益の合計は、前年同四半期比39.7%増の72,661百万円となりました。

 

持続性抗精神病薬「Abilify Maintena/エビリファイ持続性水懸筋注用」

 グローバルでの統合失調症治療薬としての有効性の訴求と製剤の利便性に対する認知向上に加え、2017年に米国において効能追加となった双極性障害治療薬としての処方拡大が貢献し、売上収益は前年同四半期比16.8%増の23,031百万円となりました。

 

抗精神病薬「レキサルティ」

 米国における大うつ病補助療法及び統合失調症治療薬の新たな治療選択肢として有効性と安全性に対する高い評価を受けています。日本でも統合失調症治療薬として2018年4月に発売し、順調に処方を伸ばしています。これらの結果、売上収益は前年同四半期比31.2%増の19,105百万円となりました。

 

V2-受容体拮抗剤「サムスカ」

 日本において、各種ガイドラインにおける高い推奨が肝性浮腫・心性浮腫治療薬としての処方拡大に貢献しました。腎臓の難病である常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療薬としても、疾患啓発への注力および、診療ガイドラインに基づいた適正使用の推進が服用患者数の増加と高い継続率に繋がっています。水利尿薬としてのサムスカは海外でも伸長し、全体の売上収益は前年同四半期比22.1%増の19,641百万円となりました。

 

V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」

 ADPKDの治療薬として、2018年5月に発売(製品名:JYNARQUE)した米国におけるリスク評価・リスク緩和戦略(REMS :Risk Evaluation and Mitigation Strategy)の順調な運用開始と、疾患に対する啓発活動による処方拡大が貢献しています。欧州の販売国においても治療患者数が増加した結果、売上収益は前年同四半期比554.6%増の10,883百万円と大幅な増収となりました。

 

抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」

 米国では、切除不能進行・再発の結腸・直腸がん治療薬としての販促活動の強化等が貢献し、増収となりました。また、2019年2月に切除不能進行・再発胃がん治療薬としての効能追加承認を取得しました。欧州では、上市国の拡大に伴い現地での処方は伸長しているものの、導出先のセルヴィエ社に対する製品出荷時期の期ずれの影響を受け、減収となりました。これらの結果、全体の売上収益は前年同四半期比3.3%増の8,289百万円となりました。

 

●その他

 アレルギー性疾患治療剤「ビラノア」(売上収益4,264百万円、前年同四半期比211.1%増は、花粉症治療に対する新たな選択肢として専門医や患者さんより高い評価を受け、売上収益が大幅に増加しました。また、抗てんかん剤「イーケプラ」(売上収益9,965百万円、前年同四半期比16.3%増)、抗悪性腫瘍剤「アブラキサン」(売上収益6,464百万円、前年同四半期比21.5%増)の増収等も、当第1四半期連結累計期間の増収増益に貢献しました。

 

(ニュートラシューティカルズ関連事業)

水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」の海外における販売数量の伸長や、エクオール含有食品「エクエル」の新規顧客拡大に伴う売上収益の大幅な増加、北米でプラントベース(植物由来)食品を開発・製造販売するデイヤフーズ社の増収が貢献しました。一方で、天候要因に伴う一部地域の物流制限や小売店の在庫調整等による米国におけるサプリメント事業の減収や、欧州で栄養・健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社の競合参入増加に伴う減収等が影響し、全体の当第1四半期連結累計期間における売上収益は72,938百万円(前年同四半期比0.4%減)、事業利益は6,568百万円(同19.0%減)となりました。

 

●ポカリスエット

 日本においては、スポーツドリンク市場全体が縮小する中*1、製品の有用性に対する消費者の理解の浸透により、販売数量は前年同四半期並に推移しました。アジアを中心に20以上の国と地域で展開する海外事業においては、水分補給に対する啓発など、各地域の特性やニーズに基づいたプロモーション活動により製品理解が進み、インドネシアを中心に販売数量が伸長しました。

 

*1:インテージSRI 2019/1-3 ▲3.7% 無断転載禁止

 

(消費者関連事業)

ミネラルウォーターは、主力製品「クリスタルガイザー」の若者を中心としたユーザー層拡大に向けた積極的なコミュニケーション・マーケティング活動により、パーソナルサイズとしては最大サイズの700mlボトルや通販チャネルを中心に販売数量が伸長しました。一方で、前年にリニューアル発売した「ベリーマッチ」の初期出荷の反動等によるビタミン炭酸飲料「マッチ」の販売数量の減少や、持分法投資利益の減少等が影響し、当第1四半期連結累計期間における売上収益は7,048百万円(前年同四半期比3.5%減)、事業利益は1,639百万円(同40.1%減)となりました。

 

(その他の事業)

機能化学品分野では、発泡剤などの出荷数量の減少があったものの、前年同四半期比並みに推移しました。ファインケミカル分野では、抗生物質原薬の受注に関する期ずれ等が影響し、前年同四半期比で減収となりました。

運輸・倉庫分野では、グループ製品の取扱数量増加と、外部顧客との共同物流『共通プラットフォーム戦略』による新規顧客の拡大により、前年同四半期比で増収となりました。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間のその他の事業の売上収益は33,143百万円(前年同四半期比1.9%減)、事業利益は1,935百万円(同21.2%減)となりました。

 

※その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。

https://www.otsuka.com/jp/ir/library/earnings.php

 

② 財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2018年12月31日)

当第1四半期連結会計期間

(2019年3月31日)

増減額

流動資産

933,102

1,008,721

75,618

非流動資産

1,543,532

1,607,712

64,180

資産合計

2,476,634

2,616,433

139,799

流動負債

427,502

443,735

16,233

非流動負債

316,865

437,704

120,838

負債合計

744,368

881,440

137,072

資本合計

1,732,266

1,734,993

2,727

 

a. 資産

 当第1四半期連結会計期間末における総資産は2,616,433百万円(前連結会計年度末は2,476,634百万円)となり、139,799百万円増加しました。その内訳は、流動資産が75,618百万円の増加、非流動資産が64,180百万円の増加であります。

(流動資産)

 当第1四半期連結会計期間末における流動資産は1,008,721百万円(前連結会計年度末は933,102百万円)となり、75,618百万円増加しました。その主たる内訳は、売上債権及びその他の債権が11,021百万円減少したものの、現金及び現金同等物が51,619百万円、棚卸資産が8,235百万円、その他の金融資産が22,300百万円増加したこと等によるものであります。

(非流動資産)

 当第1四半期連結会計期間末における非流動資産は1,607,712百万円(前連結会計年度末は1,543,532百万円)となり、64,180百万円増加しました。その主たる内訳は、IFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」)の適用による影響等により有形固定資産が59,802百万円増加したこと及びその他の金融資産が9,222百万円増加したこと等によるものであります。

b. 負債

(流動負債)

 当第1四半期連結会計期間末における流動負債は443,735百万円(前連結会計年度末は427,502百万円)となり、16,233百万円増加しました。その主たる内訳は、仕入債務及びその他の債務が11,725百万円減少したものの、IFRS第16号の適用による影響等によりリース負債が12,050百万円増加したこと及びその他の流動負債が16,838百万円増加したこと等によるものであります。

(非流動負債)

 当第1四半期連結会計期間末における非流動負債は437,704百万円(前連結会計年度末は316,865百万円)となり、120,838百万円増加しました。その主たる内訳は、社債の発行等により社債及び借入金が76,874百万円増加したこと及びIFRS第16号の適用による影響等によりリース負債が47,611百万円増加したこと等によるものであります。

c. 資本

 当第1四半期連結会計期間末における資本は1,734,993百万円(前連結会計年度末は1,732,266百万円)となり、2,727百万円増加しました。その主たる内訳は、配当金の支払27,092百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益19,152百万円の計上等により利益剰余金が7,980百万円減少したものの、株式相場及び為替相場の変動等の影響によりその他の資本の構成要素が10,545百万円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は336,642百万円となり、前連結会計年度末より51,619百万円増加しました。これは、営業活動により獲得したキャッシュ・フロー44,016百万円及び財務活動により獲得したキャッシュ・フロー46,599百万円の合計額が、投資活動により使用したキャッシュ・フロー△39,042百万円を上回ったためです。

 

当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、44,016百万円となりました。当第1四半期連結累計期間の主な内容は、税引前四半期利益31,233百万円、減価償却費及び償却費18,399百万円、売上債権及びその他の債権の増減額14,366百万円、棚卸資産の増減額△6,765百万円、仕入債務の増減額△12,648百万円、法人所得税等の支払額△6,371百万円となっております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用したキャッシュ・フローは、△39,042百万円となりました。当第1四半期連結累計期間の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△12,399百万円、投資の売却及び償還による収入5,064百万円、投資の取得による支出△28,261百万円となっております。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得したキャッシュ・フローは、46,599百万円となりました。当第1四半期連結累計期間の主な内容は、社債の発行による収入80,000百万円、長期借入金の返済による支出△3,461百万円、リース負債の返済による支出△4,014百万円、配当金の支払額△27,410百万円となっております。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における研究開発費は51,042百万円です。

主な研究開発分野及び新製品の開発のセグメント別の状況は次のとおりです。

 

(医療関連事業)

当社グループは、精神・神経領域、がん・がんサポーティブ領域を重点領域とし、循環器・腎領域等においても未充足疾患に焦点を当てた研究開発を進めています。

医療関連事業における研究開発費は、48,607百万円です。

 

当第1四半期連結累計期間の医療関連事業における研究開発の主な進捗状況は以下のとおりです。

 

領域

「製品名」

(一般名)

または開発コード

状況

精神・神経領域

重水素化デキストロメトルファン・キニジン

AVP-786

<米国>

統合失調症陰性症状を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験を2019年3月に開始しました。

(センタナファジン)

EB-1020

<米国>

・注意欠陥・多動性障害を対象としたフェーズⅢ試験を2019年2月に開始しました。

(ナルメフェン)

Lu AA36143

「セリンクロ」

<日本>

アルコール依存症患者における飲酒量を低減する治療薬として2019年1月に承認を取得しました。

Lu AF20513

 

<欧州>

開発戦略上、当社における開発を中止しました。

がん・がんサポーティブケア領域

「ロンサーフ」

トリフルリジン・

チピラシル

TAS-102

<米国>

胃がんの追加効能について、2019年2月に承認を取得しました。

ASTX727

<日本>

骨髄異形成症候群を対象としたフェーズⅠ試験を2019年3月に開始しました。

TAS0313

<日本>

尿路上皮がんを対象としたフェーズⅡ試験を2019年1月に開始しました。

canerpaturev

TBI-1401

<日本>

悪性黒色腫の効能で、2019年3月にタカラバイオ社が承認申請しました。

ホスネツピタント

Pro-NETU

 

<日本>

抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐を対象としたフェーズⅢ試験を2019年2月に開始しました。

循環器・腎領域

OPC-61815

<日本>

心性浮腫を対象としたフェーズⅢ試験を2019年1月に開始しました。

その他領域

WT1 mRNA測定キットⅡ「オーツカ」

ODK-1003-CN

<中国>

骨髄異形成症候群/体外診断薬の診断薬として2019年3月に承認を取得しました。

 

 (ニュートラシューティカルズ関連事業)

当事業においては、医療関連事業で培ったノウハウを活かし、日々の健康の維持・増進をサポートする機能性食品・飲料を中心に世界に通用する製品の研究開発に取り組んでいます。まるごと大豆の栄養を手軽においしく摂取できる大豆バーSOYJOY(ソイジョイ)ブランドから春の季節限定アイテムとして「SOYJOY クリスピー サクラ」を2019年2月より発売しました。また、同年3月には、ミドルエイジ男性向けトータルスキンケアブランド「ウル・オス」から、保湿成分AMP*1とシミ対策*2のための美白有効成分トラネキサム酸を配合した「ウル・オス 薬用スキンブリージーローション」(医薬部外品)を発売しました。

 

*1:保湿成分AMP:アデノシン一リン酸

*2:シミ対策:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ

 

ニュートラシューティカルズ関連事業における研究開発費は、1,291百万円です。

 

 (消費者関連事業)

当事業においては、生活に身近な食品や飲料の分野でオリジナルかつユニークな製品の研究開発に取り組んでいます。

消費者関連事業における研究開発費は、146百万円です。

 

 (その他の事業)

当事業においては、機能化学品やファインケミカルの分野で研究開発に取り組んでいます。

その他の事業における研究開発費は、997百万円です。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間における、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。