第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社は、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”の企業理念のもと、「流汗悟道(Commitment)」、「実証(Actualization)」、「創造性(Creativity)」という経営の真髄に基づき、ユニークかつ多様な事業と世の中の真のニーズ・インサイト、サイエンスやテクノロジーを有機的に結合させることから生まれる新しいコンセプトや、多様な事業との重なりや派生、ニッチな領域の開拓により新たな価値を創造してきました。

 引き続き、日々の健康の維持・増進、疾病の診断から治療までを担うトータルヘルスケア企業として、顕在化しているが満たされないニーズと消費者が気付いていないニーズに対し、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業の独創的な製品を提供することにより、「世界の人々の健康に貢献する、なくてはならない企業」を目指してまいります。

 

(1) 第3次中期経営計画の位置づけと主な施策

 第3次中期経営計画は、「独自のトータルヘルスケア企業として世界に躍進~成長の5年間~」と位置づけ、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業をコア事業として、新たな価値創造と既存事業価値の最大化に取り組みます。また資本コストを意識した経営を実践し、持続的な成長を目指します。

<業績目標>年平均成長率10%以上の事業利益成長

• 医療関連事業・ニュートラシューティカルズ関連事業の主力製品・ブランドの着実な成長により実現(オーガニックな成長)

• 積極的な研究開発投資を行い、次期中期経営計画以降の収益を牽引する新薬開発の継続

  (注)事業利益=売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費+持分法による投資損益-研究開発費

 

<事業戦略>既存事業価値の最大化と新たな価値創造

① 主力製品・ブランドへの戦略的な取り組みにより成長を加速

・医療グローバル4製品(「エビリファイ メンテナ」「レキサルティ」「サムスカ/ジンアーク」「ロンサーフ」)、ニュートラシューティカルズ主要3ブランド(「ポカリスエット」「ネイチャーメイド」、ニュートリション エ サンテ社ブランド)、ニュートラシューティカルズ育成3ブランド(デイヤフーズ社ブランド、「エクエル」「ボディメンテ」)を成長ドライバーと位置付け、戦略的な取り組みを強化

② 次世代の事業・製品への取り組み

・医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業における持続的成長を牽引する新製品群の上市と育成

医療関連事業:“大塚だからできる”新領域での挑戦、未充足な医療ニーズの解決と独創的かつ多様な研究基盤からのイノベーション創出

ニュートラシューティカルズ関連事業:環境変化を見据えた新しいコンセプトの創出、新カテゴリー・新エリア展開への挑戦による、高利益率体制の継続

 

<財務方針> 資本コストを意識した経営の実践

・成長投資と株主還元の両立

・将来への成長投資と株主還元資金の確保

・規律ある経営実践に向け、加速するグローバル展開を支えるための経営基盤の整備

 

(2) 第3次中期経営計画の進捗

 第3次中期経営計画の4年目である2022年度の進捗は、以下のとおりです。

<業績目標の進捗>

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・2022年度の売上収益は、1,737,998百万円(前期比16.0%増)と増収、為替影響を除いても伸長しました。すべての事業において増収しましたが、主な要因は、医療関連事業において、持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」のグローバル4製品、臨床栄養や抗悪性腫瘍剤「INQOVI」の伸長が業績を牽引したことによるものです。さらに、ニュートラシューティカルズ関連事業において、「ポカリスエット」の日本の売上が回復し、海外の売上が大幅に伸長したことに加え、健康の自己管理意識の向上とともに「ネイチャーメイド」が伸長しました。また、その他の事業の機能化学品及びファインケミカル分野が好調に推移しました。

 

・研究開発費投資前事業利益は、450,147百万円(同15.6%増)となりました。主な要因は、グローバル4製品の増収による売上総利益の増加、販売費及び一般管理費を適正にコントロールしたことによるものです。

 

・研究開発費は、研究開発が順調に進捗したことにより、前期比で増加しました。主な要因は、注意欠陥・多動性障害等を対象として開発中のセンタナファジン、IgA腎症を対象として開発中のsibeprenlimab/VIS649の順調な進捗、新しい治療の可能性への挑戦として新規作用機序を有する抗精神病薬に係る住友ファーマ株式会社とサノビオン社との共同開発及び販売に関するライセンス契約締結に基づく開発費が増加したことや為替影響によるものです。

 

・事業利益は、想定以上の売上成長と販売費及び一般管理費を適正にコントロールした結果、174,917百万円(同11.3%増)となりました。2023年度も第3次中期経営計画の業績目標である「年平均成長率10%以上の事業利益成長」を目指してまいります。

 

<事業戦略の進捗>

・既存事業の売上収益は順調に伸長し、製品価値最大化に向けた医療グローバル4製品を中心とした承認申請やエリア拡大、ニュートラシューティカルズ主要3ブランドを中心としたエリア拡大等は、以下の通り順調に進捗しました。新たな価値創造に向けた研究開発もコア領域を中心に進捗し、第4次中期経営計画以降を見据えた積極的な投資を進めました。

●医療関連事業において、成長ドライバーのグローバル4製品は前期比で大幅に伸長しました。アンメット・ニーズの解決に貢献する後期開発パイプラインの中で、コントロール不良高血圧を対象に開発中の超音波腎デナベーションシステムの臨床試験において、主要評価項目を達成し、米国FDAにより承認申請を受理されました。新製品育成についても着実に進捗しております。

・「エビリファイ メンテナ」に続く新たな製剤であるアリピプラゾール2カ月持続性注射剤について、2022年6月、欧州で統合失調症の効能で承認申請、2022年9月、米国で統合失調症と双極性Ⅰ型障害の効能で承認申請しました。

・「レキサルティ」は、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション(行動障害)を対象としたフェーズⅢ試験において、主要評価項目を達成しました。また、心的外傷後ストレス障害を対象としたフェーズⅢ試験は順調に進捗しています。

・「サムスカ/ジンアーク」は、経口水利尿薬としての医療現場における価値が向上し、さらに世界初の常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療薬として日本・米国・欧州で患者さんに貢献しています。

・「ロンサーフ」は、米国において経口抗がん剤の利便性が処方数増加につながっています。ベバシズマブ併用療法で切除不能な進行・再発大腸がんを対象としたフェーズⅢ試験において、主要評価項目を達成しました。

●ニュートラシューティカルズ関連事業において、売上収益は順調に成長しながらも事業利益率12%以上を維持し、前期に続き、売上収益、事業利益ともに過去最高となりました。引き続き、高成長市場においてブランドを確立することにより、さらなる事業規模の拡大と収益性の向上を目指します。

・「ポカリスエット」は、生活者の健康管理意識の高まりとともに水分・電解質補給の重要性が浸透しています。また、新エリアへの展開を進めています。

・「ネイチャーメイド」は、健康意識の高まりによる需要が拡大する中、2022年6月に米国薬剤師が推奨するNo.1サプリメントに25年連続で選出されました。また、消費者の生活スタイルに合わせた新たなアプローチに取り組んでいます。

* 2022 U.S. News & World Report - Pharmacy Times Survey

・ニュートリション エ サンテ社ブランドは、欧州において流通改革に取り組んでいます。

・ROEについて、第3次中期経営期間では、2021年度6.0%以上、2023年度8.0%以上を計画しており、2022年度は6.3%とほぼ想定通りに推移しました。2023年度もさらなる向上を目指してまいります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 2022年度は、未だ終息しない新型コロナウイルス感染症の影響と地政学的リスクの高まりにより、社会情勢は一層不透明さを増し、当社グループの事業活動においても一定の影響を受けました。

 コロナ禍で自粛されていた社会活動が再開されたことに伴い、新たな事業環境に対応するマーケティング活動や営業活動等を積極的に進めてまいりました。一方で、従業員の安全確保と事業活動継続に取り組み、安定して製品を供給できる体制を維持してまいりました。

 昨年来のウクライナ・ロシア情勢について深く憂慮しており、早期かつ平和的な解決に向かうことを願っております。当社グループは、両国において事業拠点を有しておりませんが、一部医薬品等を提携先を通じて販売しております。“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”の企業理念のもと、医薬品を必要としている患者さんのため、当該情勢を慎重に注視しながら、医薬品の供給を維持できるよう最善を尽くしたいと考えております。一部のサプライチェーンの混乱や治験への影響等があったものの、全体への影響は限定的でありました。今後、当該情勢が長期化、深刻化した場合、さらなる原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱や為替の影響等が想定されるため、事業及び業績への影響を注視してまいります。

 一方、根本的なヘルスケア業界を取り巻く事業環境は、高齢化、高額医薬品の発売、感染症対策等による医療費の増加傾向が続き、日米欧諸国において治療に対する医療コストへの関心が高まっております。限られた財源の中で、医療指針が医療コストと治療効果のバランスの中で捉えられ、薬価制度の改革やジェネリック医薬品の浸透が進む一方、AI、機械学習や遺伝子治療等の新テクノロジーが台頭してきています。このような中、病気に対する日々の予防を含む健康への意識が一段と高まりを見せております。

 当社グループは、企業理念のもと、「流汗悟道」「実証」「創造性」という経営の真髄に基づき、ユニークかつ多様な事業と、世の中の真のニーズ・インサイト、サイエンスやテクノロジーを有機的に結合させることから生まれる新しいコンセプトや、多様な事業との重なりや派生、ニッチな領域の開拓により新たな価値を創造してきました。日々の健康の維持・増進、疾病の診断から治療までを担うトータルヘルスケア企業として、顕在化しているが満たされないニーズと消費者が気づいていないニーズに対し、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業の独創的な製品を提供することにより、「世界の人々の健康に貢献する、なくてはならない企業」を目指してまいります。

 

 医療関連事業は、“大塚だからできる”新領域での挑戦、未充足な医療ニーズの解決と独創的かつ多様な研究基盤からのイノベーション創出により、課題解決に向けた様々な取り組みを進めています。治療満足度の低い疾患が多く残されている精神・神経、がん、循環器・腎領域を中心に、多様な事業のシナジーを活かした独自のアプローチにより、革新的な新薬の創出を目指します。また、医療の最適化に向けた体系的なソリューションについて挑戦しています。さらに、アライアンスやオープンイノベーション、ベンチャーキャピタルとの協業等による創薬基盤の強化、創薬モダリティの多様化に取り組み、持続的な進化と成長を目指してまいります。

 

 ニュートラシューティカルズ関連事業は、健康への意識が高まる中、医療関連事業で培われたサイエンス・ノウハウを活かしながら、顕在化されていないニーズや社会課題に対して新しいコンセプトのソリューションを提案し、世界の人々の健康維持・増進による健康寿命の延伸に貢献することを目指します。グローバルにおける環境変化を見据え、最新のサイエンスやテクノロジーと独自のビジネスモデルを組み合わせて、新たな価値の創造、新カテゴリー・新エリア展開への挑戦を進めます。健康を取り巻く様々な社会課題に対して、課題の顕在化から啓発活動を継続的に実施し、各ブランドからそのソリューションをこれからも提案し続けます。さらに外部機関との連携を強化し、これらの活動を推進してまいります。

 

 財務方針としては、資本コストを意識した経営の実践に向けて、両事業とも既存事業最大化に向けた投資および次期中期経営計画以降を見据えた新規領域への積極的な投資をするとともに、シェアードサービスの拡大、IT基盤の強化、グループ内金融の推進、プロキュアメントの最適化をはかり、規律ある経営実践に向けた取り組みを進めています。

 

 また、当社グループは、企業理念のもと、事業を通じた社会課題の解決に取り組み、自らの持続的な成長と健康でサステナブルな社会の実現を目指します。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループ事業の運営及び展開等については、様々なリスク要因があります。当社グループは、それらの想定されるリスク要因に対し、事前に低減・移転・回避・保有を判断し、事実上可能な範囲での施策を検討実施しておりますが、すべてのリスク要因を排除又は低減することは不可能又は著しく困難であり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 以下、当社グループのリスクマネジメント体制、及び当社グループが重要なリスクであると判断する項目を記載いたしますが、当社グループの事業等に係るリスクをすべて網羅するものではありません。また、将来に関する事項については、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断又は予想する主要なものであり、事業等に係るリスクはこれらに限るものではありません。

 

1. 当社グループのリスクマネジメント体制

<リスクマネジメント体制の全体像>

 当社グループは、当社及び主要事業会社における全社リスク管理の一層の充実に取り組むため、リスクを全社的視点で認識・評価し、経営資源を重要なリスクに対する統制へ優先的に配分すること等を目的として、2020年7月からエンタープライズリスクマネジメント(以下、ERMといいます。)を導入しております。

 ERMの取り組みの中では、企業理念の実現、事業戦略の目標達成に大きな影響を与えうる不確実性を「リスク」と定義し、全社リスク管理のフレームワーク及びリスク評価の仕組みを構築した上、主要事業会社におけるリスク評価を通して当社グループにおける重要なリスクを識別・評価し、リスクの低減・移転・回避・保有を判断、管理方針の策定、その実行及びモニタリングを継続的に行うことで、効果的かつ効率的に当社グループのリスクをマネジメントしております。

 当社では、代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しています。当社の取締役会にて重要なリスクの審議や報告を行うことに加え、同委員会が、重要なリスクに対する管理方針の立案、主要事業会社への必要な指示や支援、管理方針の実施状況のモニタリング等、ERM活動の全般を統括しています。これらの取り組みは当社の取締役会へ報告され、取締役会が必要に応じて指示を行うことで、ERMの実効性を監督しています。

 

<リスク管理活動の内容>

 重要なリスクの特定にあたっては、まず当社及び主要事業会社において、マネジメントインタビューによる経営上のリスク認識の共有(トップダウンアプローチ)と、現場従業員によるリスクとそのコントロール状況のアセスメント(ボトムアップアプローチ)を行い、当社グループに存在するリスクを識別しております。この中で、各社において主要なリスクと判断されたものについては、各社でリスク管理方針及びリスク管理のアクションプランを策定、定期的にリスク状況やアクションプランの進捗状況を把握し、見直しを行っております。当社では各社の主要なリスクの集約・見える化を実施し、当社グループに存在するリスクとコントロール状況を俯瞰的に把握しています。そのうえで、グループ全体に共通するリスクについて精査し、当社グループとしての重要なリスクの取りまとめを行っております。その結果に基づき、全社的な観点からリスク管理委員会において、経済的損失や事業継続性等に繋がりうる当社グループとして影響が大きなリスクを、優先度の高い重要なリスクとして選定しています。

 重要なリスクについては、当社及び主要事業会社にてリスク内容やリスクの許容範囲を踏まえた各種対策を立案・実行しています。当社は主要事業会社に対して必要な指示や支援を行い、主要事業会社は当社に対して適宜報告や相談を行う等、相互に連携しながらERMを推進・運用しています。

 また、当社及び主要事業会社は定期的にリスクのモニタリングを実施し、リスクの顕在化を可能な限り防止するとともに、リスクが許容範囲内に収まっているかの適切な管理に努めております。

 

(当社グループのリスク管理体制)

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2. 認識している重要なリスク

 「1. 当社グループのリスクマネジメント体制」に記載の通り、当社グループでは、当社及び主要事業会社において、全社的にリスクのアセスメントを実施した結果、以下の重要なリスクを認識しており、リスク低減等のための取り組みを実施しています。

 

(1) コア事業領域における重要なリスク

① 医療関連事業における重要なリスク

医療費抑制策に関するリスク

<リスクの概要>

 日本において、政府は増え続ける医療費に歯止めをかけるため、医療費を適正化する方針を示しており、定期的な薬価引き下げをはじめ、ジェネリック医薬品の使用が促進されております。

 また、当社グループの重要市場である米国においても、先発医薬品(ブランド品)の価格引き下げ方針のほか、低価格のジェネリック医薬品やバイオシミラー(バイオ後続品)の使用促進も進んでおり、今後の医療費政策の動向が当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループは、革新的な新薬を適正価格で提供し、医療を取り巻く環境整備等にも配慮する一方で、新薬のもつ価値の立証に努めております。

 また、規制を遵守する体制を整備すると共に、日本における薬価の中間年改定を含めた薬価制度改革の他、海外を含めた行政動向を継続的に注視しており、適時に対応策を検討しております。

 一方で、医療費の高騰等に伴う人々の病気の予防・健康に対する意識の高まりに対し、トータルヘルスケア企業である当社グループの特徴を活かして貢献し、「世界の人々の健康に貢献する、なくてはならない企業」を目指しております。

 

 

新薬開発の不確実性に関するリスク

<リスクの概要>

 医療用医薬品・医療機器等の開発には多額の研究開発投資を必要とし、厳格な審査に基づく承認取得等のプロセスは長期にわたります。臨床試験で想定した有効性と安全性が確認できないこと等による開発の遅延・中止により、独占販売期間の短縮、競合品の先行、あるいは当該開発品の上市断念等により研究開発費に見合う売上収益が計上できず、中長期的な事業計画に影響を与える可能性があります。また、投資した設備等の稼働率が想定を下回ることによる利益率の低下や資産の減損損失の計上等により、当社グループ業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、精神・神経領域、がん・がんサポーティブケア領域を重点領域とし、循環器・腎領域等においても未充足疾患に焦点を当てた研究開発に注力し、当該領域におけるパイプラインの充実化を進め、重点領域等における開発の成功確度を高めることに努めております。また、試験のモニタリングを実施し、課題が認められた場合は関連部門と連携した対応策を実施しております。加えて、開発計画通りにプロジェクトが進まない場合も想定した影響分析や、開発品の導入による開発品目の拡充等によりリスクを低減しております。

 また、当社グループでは、医薬品開発に関する主要な計画について各社の取締役会で意思決定を行っております。さらに、諮問機関であるグローバル戦略会議等で開発に関する予算順位付け等を行い、適宜研究開発方針を見直し、適切にポートフォリオを管理しております。

 

副作用等に関するリスク

<リスクの概要>

 医薬品・医療機器等の製品では、安全性プロファイルに影響する予期せぬ重大な副作用が生じることがあります。そのような場合、添付文書の改訂、販売中止、回収等の対応が必要になり、売上収益や開発計画への影響が発生する可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、前述のポートフォリオ管理に加え、安全管理に係るグローバルな組織体制を構築し、全世界で業務実施手順を定め、従業員への教育を行うことで安全性情報の収集に努めております。製品を販売しているすべての国・地域において、グループ各社又は提携会社等により収集された安全性情報は、各社のグローバルデータベースで管理しております。安全性情報は社内で医師による評価を行い、各国・地域の規制に応じ適切に当局に報告するとともに、安全対策を実施する体制を整備しております。

 

品質に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループの製品に関して、原材料調達先、自社工場・製造委託先の製造プロセスにおける不備により、最終製品の品質に問題が生じた場合や関連法令が遵守されない場合には、回収、販売停止等が生じ、製品供給の不安定化によって、患者さんへ適切な医療が提供できなくなる可能性があります。

 さらに、社会的信頼の喪失等により、当社グループのブランド価値や信用が低下し業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、高品質な製品を供給するため、各国の規制に準拠した製造及び品質管理を徹底し、品質保証体制の強化に常に取り組んでおります。製造委託先や原材料の取引先に対して、定期的な品質保証体制の確認・評価等を実施し、当社グループと同様の製品品質を確保しております。

 

② ニュートラシューティカルズ関連事業における重要なリスク

新カテゴリー・新エリア展開に関するリスク

<リスクの概要>

 ニュートラシューティカルズ関連事業では、環境変化を見据えた新しいコンセプトの創出、新カテゴリー・新エリア展開への挑戦、グローバル展開の加速により、継続的に事業利益率10%以上を確保する高利益率体制の継続に取り組んでいます。これらを推進するにあたり、顧客の潜在ニーズを取り入れた製品を市場に適応させられない場合、また新エリアでの法的規制、経済情勢、政情不安や事業環境の不確実性等のリスクが顕在化した場合には、売上収益や事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、各市場におけるブランド価値の維持・向上のため、マクロ及びミクロ市場環境に注視し、製品や地域特性を踏まえて、必要に応じて長期的な視点による戦略の最適化等を実施することで、リスクの低減に努めております。また、関連部門において、グローバルブランド・カテゴリー創出のための情報収集・分析及び戦略策定や、既存グローバルブランドの強化策等を実施しており、関連事業の効果的なグローバル展開に繋げています。

 

 

食の安全性・品質に関するリスク(消費者関連事業も共通)

<リスクの概要>

 近年、国内外の食品業界においては、有害物質の混入等の様々な問題が発生しており、当社グループの品質管理体制の範囲を超えた事態が生じた場合は、当社グループの業績、財政状態並びに社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、「食の安全」をお客様に提供するため、自社製造品のみならず委託製造品を含む国内外すべての製品の品質管理や安全性保証等に関して万全を期すよう努めております。具体的な取り組みとしては、法令や行政・業界基準(医薬品医療機器等法、食品衛生法等)に準拠するとともに、「ISO9001」(品質)、「ISO22000」(食品安全)、「FSSC22000」(食品安全)の認証取得を進めております。また、グローバルネットワークを活かし、ガイドラインの制定、品質活動をモニタリングするための指標を設け、当社グループ内での監査を通じて継続的な品質向上に取り組んでおります。さらに、グローバルでは各国・地域で制度や規程が異なるなかで、各工場で国際規格の取得を推進するとともに、定期的に各工場の内部監査を実施しております。以上のような取り組みから、当社グループでは食の安全性に関するリスクを低減しております。

 

(2) 各事業領域共通の重要なリスク

人材確保・育成、企業文化・企業理念の浸透に関するリスク

<リスクの概要>

 企業文化や企業理念が十分に浸透せず、グループ戦略を踏まえた事業運営が可能な人材が確保できない場合、長期的に当社グループの競争力や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外展開やM&A・アライアンス、デジタルトランスフォーメーション(DX)といった重要かつ高度な戦略推進のために必要十分な人材を確保することができない場合、競争力・収益力が想定されたように成長せず、また、不祥事の発生やその後の適切な対応がとれないことで、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各事業会社及び関連部門において従業員同士のコミュニケーションに不足が発生した場合、業務遂行に影響を与える可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、次世代を担う経営人材を早期に発掘し育成するために、「大塚グローバルアカデミー」を設置することでグループ戦略を踏まえた事業運営が可能な人材を確保しております。また、長期的な事業成長の原動力となる革新的な製品やアイディアを生み出すためには、国籍、人種、年齢、性別、障がい、性的指向等の垣根を越えた多様な人材の活躍が必要と考え「大塚グループ・グローバル行動規準」において、ダイバーシティの推進を宣言し、それらを支える制度や仕組みを整備していくことで、持続的な成長を支える人材を確保しております。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響下においても、生産性を維持・向上できるよう、在宅勤務体制においても従業員同士の円滑なコミュニケーションを図るための態勢を整備し柔軟性の高い働き方を推奨しております。

 

環境問題に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループでは、2050年までに事業活動のすべての環境負荷をゼロにするという2050年環境ビジョン「ネットゼロ」を掲げ、環境に関するマテリアリティ(重要項目)を「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「ウォーターニュートラル」と特定してグループ協働で環境への取り組みを進めています。特に地球温暖化に伴う気候変動については、生物資源や水資源に多大な影響を及ぼす等、世界規模での環境問題が顕在化しており、グローバルに事業を展開していくうえで重大なリスクとして認識しています。脱炭素化の移行を適切に遂行できない、もしくは目標を大幅に達成できない場合、カーボンプライシングをはじめとした規制強化等によるコストへの対応、環境問題の顕在化や社会的評価の低下等により、当社グループの業績あるいは持続的成長に重大な影響を与える可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、企業理念のもと事業を通じて社会課題の解決に取り組み、自らの持続的な成長と健康でサステナブルな社会の実現を目指しています。環境問題に関しては、「大塚ホールディングス環境委員会」のもと「大塚グループ環境方針」や「環境活動指針」を制定し、「大塚グループ・グローバル環境会議」を設置して、地球環境に関するグローバルな社会課題の解決に貢献するための取り組みを推進しております。また、当社及び主要事業会社において、より効率的で実効性の高い活動を推進するため、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の統合認証取得を開始し、対象拠点の拡大に向け取り組んでいます。

カーボンニュートラルについては、2028年目標として2017年比CO2排出量50%削減を掲げ、事業活動におけるすべての環境負荷をゼロにするという2050年環境ビジョン「ネットゼロ」の達成に向けグループ一丸となって推進することにより、持続可能な社会の実現を目指しています。

 

 当社グループは2021年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明し、フレームワークに基づきシナリオ分析を行い、2022年度発行の統合報告書から情報開示を開始しました。今後も開示の拡充を進めてまいります。

 また、当社グループでは、マテリアリティ(重要項目)として特定した「社会(健康、人材、品質)」「環境(カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ウォーターニュートラル)」「ガバナンス」に関する社会課題を踏まえた目標を設定し、各事業会社における事業活動を通した課題解決を目指すとともに、グループの活動の共有の場として、当社取締役を委員長とした「大塚グループサステナビリティ推進委員会」を設けております。

 

サプライチェーンの透明性に関するリスク

<リスクの概要>

 自社、製造委託先、原材料の供給元、物流会社、販売会社等を含むサプライチェーンにおいて、人権、労働、環境、腐敗防止、その他サステナビリティ全般に関する不適切な事態が発生した場合には、事業遂行体制の見直しを迫られるとともに、当社グループのブランド価値や信用が失墜し、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 「大塚グループ・グローバル行動規準」では大塚グループで業務に携わるすべての人々に高い倫理観を持って行動することを求めています。原材料及び資材の調達に際しては、グループ横断の「大塚グループ調達方針」を制定しプロセスに則ったデューデリジェンスや審議によるサプライヤー選定を行うことを求めています。サステナブル調達を推進するとともに、サプライヤーに向けた「大塚グループサステナブル調達ガイドライン」を策定し、内容に賛同いただけるサプライヤーからは同意書を取得しています。「大塚グループ調達方針」では、品質・コスト・納期・環境への取り組み等を総合的に評価し、公平・公正で透明性を持ったサプライヤーの選定や、関連するすべての法令・ルールを遵守し、高い倫理観をもって社会通念に基づき行動すること等を定めています。サプライヤー選定においては、プロセスに則ったデューデリジェンスや審議に加え、その後のモニタリング等を実施しております。

 

 

グループ統治、管理に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループにおいて、適切な経営資源配分、グループ戦略立案や見直し及びグループ会社の監視・監督等といった持株会社統治、さらに国内外の事業展開を進める中で主要事業会社を通じたグループ会社管理による効果が十分発揮されなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な経済状況の変化により、資金調達が計画どおりに実施できない、もしくは資金調達コストが上昇する場合は、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、グループ各社からの事業の報告とその分析を基にして、グループ全体として適切な戦略判断と経営資源の配分を行っております。当社グループでは、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業をコア事業としており、特に、医療関連事業では「精神・神経領域の製品・パイプラインの強化」、「日本を中心とした製品・パイプラインの強化」及び「新規技術」に対して、ニュートラシューティカルズ関連事業では「ニュービジネスの強化」及び「未進出の成長市場への積極的な展開」に対して、経営資源の重点配分に取り組んでおります。

 また、国内外の市場環境変化を捉え、適切に対応するために、様々なリスクの顕在化の可能性を検討したうえで、その検討結果を速やかに経営層に報告しております。具体的には、顕在化していないニーズや社会課題に対して新しいコンセプトのソリューションを提案し、ユニークかつ多様な事業をベースとする独創的な製品の創出に注力しております。加えて、当社グループらしい多様な製品を保有することにより、事業全体のリスク分散を図り、個人消費動向の変動に関する環境変化に対応しております。

 当社グループは、「大塚グループ・グローバル行動規準」や関連するグローバルポリシーを制定し、それらに基づく世界共通の教育研修を徹底することで、グループ会社全体を統制する仕組みを作っております。また、「取締役会規程」及び「関係会社管理規程」に規定された事項に基づき、国内外のグループ各社から定期的に情報収集・情報交換を実施し、重要な事項については当社の承認を得ることを求めることで、グループの連携体制を確立しております。加えて、国内外のグループ各社に対して定期的に当社からの内部監査を実施し、モニタリング体制を構築するとともに当社グループとして内部通報制度を整備しております。

 当社グループは、金融機関等との良好な関係の維持を図るとともに、資金調達手段の多様化に積極的に取り組み、必要に応じて、社債発行等の手段を通じて調達を行っております。また、市場が不安定な混乱状況に陥り、これらの手段により十分な資金調達ができなくなった場合に備え、複数の金融機関との間でのコミットメントラインも保持しております。加えて、最新の情報に基づいた資金計画の見直しを適時に行っております。

 

コーポレートブランド管理に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループのコーポレートブランド育成・管理が適切に実行されていない場合、コーポレートブランドが毀損され、企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。当社グループの広告等における不適切な表現等がSNS等を通じて拡散した場合や、当社グループの事業活動やイメージについて批判的な評価や誤った情報が拡散した場合等、様々な要素によって当社グループのブランド価値や信用が低下し、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループのコーポレートブランドを適切に育成・管理するために、コーポレートブランドのグループ各企業における使用ルールを整備し、コーポレートブランドの管理とその価値の維持・向上に向けた取り組みを推進しております。当社グループのコーポレートシンボルは、「CI管理委員会」(注)を中心に、グループ統一ルールのもと適切な管理を行っております。また、広告及びSNS等での不適切表現防止等を社内教育に取り込んでいるほか、コーポレートブランドに影響を及ぼす事象についてグループ各社から情報を収集する体制を整備しております。当社グループのレピュテーションに影響を及ぼす問題が発生した場合の適切なメディア対応に備え、「大塚グループPRガイドライン」において、メディアとの適切なコミュニケーションについてのプロセスや職責をあらかじめ明確化しております。また、グループ各社のマネジメント層を対象として、リスク発生時における外部との適切なコミュニケーションについての演習を実施しております。

(注) CIはコーポレート・アイデンティティを表します。

 

 

各種業務提携及び買収に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループとしての重要な成長戦略に資する各種業務提携及び買収について、提携・買収の実施以後の事業環境等の変化により、提携・買収時に計画されていたグループシナジーを得られないことによる提携解消や損失計上の可能性があります。その場合、提携・買収により見込まれていた利益が実現できず、提携の解消やのれん・無形資産の減損損失を計上すること等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループは、業務提携及び買収を適切に実施し、その後の持続的な成長を目指すため、対象企業や資産に対する詳細なデューデリジェンスと価値評価、取締役会での十分な審議、提携又は買収後の事業運営のモニタリング等を実施しております。また、外部の専門家を適宜起用するとともに、案件執行能力を備えた社内の人材育成にも努めております。

 

デジタライゼーションに関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループとしてのデジタライゼーションに対する取り組み方針や、その支援施策が適切になされない場合、当社グループの各事業会社においてDXの遅れが発生し、競争の優位性の確保やシェアの拡大ができなくなり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、グループの総合力を活かしながらグループ各社及び各事業部門を中心として、スピード感を持った最新テクノロジーの導入を目指しております。具体的な取り組みとして、研究部門・生産部門から患者さん向けのスマートフォンアプリケーションまで、様々な場面で実証実験や実務適用を行っております。また、ITリテラシー向上を目的としたAI・機械学習やIoT等の最新テクノロジーに関する従業員向けセミナー等の開催及びグループ内の好事例の共有により、グループ全体のIT知識・スキルの底上げを推進しております。

 

自然災害・パンデミックに関するリスク

<リスクの概要>

 大規模な自然災害やパンデミックが発生した場合、当社グループの工場・研究所・事業所等施設の稼働停止、当社グループの人的資産の喪失、医療関連事業の臨床試験中断による新製品開発の遅延、患者さんへ適切な医療が提供できないことによる製品売上の減少、消費低迷によるニュートラシューティカルズ関連事業の製品売上減少等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、大規模地震等の災害発生時にも最大限事業活動を継続し、製品の安定供給が図れるよう、事業継続計画(BCP)を策定しております。具体的には、自然災害の発生に備えて、従業員及び家族の安否確認、グループ各社の拠点間の通信手段、災害対応備蓄品等を備え、定期的な訓練等を実施しております。事業継続マネジメント(BCM)の観点では、グループ各社が協働してグループ全体で事業継続に取り組む体制を構築し、適正な原材料・製品在庫量の確保、代替生産体制及び物流体制等に関する対策の強化に努めており、その一環としてグループ会社合同の演習を毎年実施しております。

 また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対しては、リスク管理委員会が主体となって対応方針を策定し、グループ各社と共有しております。毎日の検温・手洗い・マスク着用等基本的な感染防止策の徹底のほか、在宅勤務体制の推進、Web会議のためのシステムの整備・強化、生産拠点における来訪者の制限、サーモグラフィカメラによる発熱者チェック等、できうる限りの対策に取り組んでおります。

 自然災害やパンデミックによるコア事業をはじめとする各事業に関する国内外の動向に適切に対応するために、様々なリスクの顕在化の可能性を検討したうえで、その検討結果を速やかに経営層に報告し対策を講じております。

 

 

安定供給に関するリスク

<リスクの概要>

 新型コロナウイルス感染拡大による世界経済の停滞や地政学的なリスクの高まり等に起因して、当社グループのサプライチェーンが不安定になるリスクが高まる中、グループとしての影響調査や戦略の立案・実行が遅れた場合、事業の継続に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループは、公平・公正で透明性を持った調達と調達先との良好な関係構築を通じて安定調達・供給の実現に努めております。特に、主要原材料については事前に想定されるリスクを明確化し、複数社購買等による調達先の分散化、代替原料の確保、適正在庫の確保及び生産拠点の複数化等を実施しております。これらのリスク対策活動を通じて、グループ全体で事業継続に取り組む体制を構築しております。

 

原材料価格の高騰等に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループの製品に使用する主要な原材料の価格は、天候、自然災害、市場価格、経済情勢、燃料費、為替等によって変動します。当該価格がこれらの原因等により高騰した場合には、当該製品の原価が上昇し、あるいは原材料が調達できなくなり、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは原材料価格の高騰等によるリスクを低減させるために、原則として原材料の複数社購買 、上流原料や素材を含む原材料の市場動向等の情報収集、代替原料の確保、適正在庫の確保及び生産性向上による原価低減等の様々な対応策を実施しております。また、このような対策を実施したうえで、原材料価格の上昇については販売価格に転嫁することにより対応する可能性もあります。

 

特許権の侵害に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループでは、当社グループが保有し又は当社グループが他社からライセンスを受けている知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社グループの製造又は販売する製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該製品を回収し、又はその製造もしくは販売を中止することを求められる他、多額の損害賠償を請求される可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、特許権を含む知的財産権を適切に管理する体制を整え、また、継続的なモニタリングを実施することで、第三者からの知的財産権の侵害のリスクに常に注意を払っております。また、専門家、データベース及び調査機関等を利用した調査・情報収集等を行うことで、第三者の知的財産権に対する侵害のリスクに常に注意を払っております。加えて、実際に知的財産係争が発生した場合には、社内外の関係者と協力し、事業への影響を最小限にとどめるよう対応しております。

 

 

 

訴訟に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループは、その事業運営に関し、製造物責任、労務問題、特許権の侵害、契約の不履行、環境汚染等に関して第三者から訴訟を提起される可能性があり、当社グループに不利益な内容の判決、決定又は和解がなされた場合、当社グループの業績及び財政状態並びに事業戦略及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、訴訟情報の前兆を把握するため当社グループ内での報告体制を構築するとともに、当社法務部がグループ各社と情報を交換し、適切な対応をとっております。また、適宜、顧問弁護士等と協議を行い、訴訟リスクの低減に努めております。

 

 

ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループでは、情報管理について、システム障害や事故及び外部からのサイバー攻撃、従業員や業務委託先等第三者の過失等による行為を含む様々な原因により、システムの停止による事業活動の中断、情報の改ざん、悪用又は漏洩等が発生する可能性があります。その場合、当社グループの業績、財政状態並びに社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、情報管理及びセキュリティについての基本的な考え方を示した「大塚グループ・グローバル情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ各社に向けて情報管理及び情報セキュリティの重要性に関して認識を統一させるとともに、役員・従業員へ教育研修等を通じて重要性の周知徹底を図っております。また、各種サイバー攻撃等への対策として、「特定」、「防御」、「検知」、「対応」、「復旧」のためのセキュリティインフラの強化及びプロセスの整備をグループ全体で図るとともに、国内外のグループ各社のセキュリティリスクのアセスメントにより管理状況を可視化、改善することで、継続的なセキュリティの強化に努めています。一方で、社内のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)により、情報セキュリティインシデント等に対応できる体制を構築しております。

 加えて、情報管理及び情報セキュリティに関する具体的な施策の検討や最新情報の共有等を目的とした「グループ情報セキュリティ委員会」を組織するとともに、グループ各社のセキュリティ担当者のスキル向上を目的としたサイバー人材育成研修を実施し、グループ全体の包括的なセキュリティレベルの底上げを推進しています。

 

海外展開に関するリスク

<リスクの概要>

 当社グループは、日本以外にも米国、欧州及びアジアを中心に、研究開発、製造及び販売活動を行っております。グローバルな事業活動を行うにあたり、各国の法的規制の変更・強化、経済情勢の変化、政情不安や事業環境の不確実性等のリスクが顕在化した場合には、事業活動の停滞や事業展開の遅延・中止等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、地政学的な要因に関する突発的な不測の事態が発生した場合、従業員・家族等の安全確保や雇用の確保に影響を与えることも想定され、その場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

<対応>

 当社グループでは、現地経営環境及び経営状況、地政学的リスクに係る影響を把握し、必要に応じて長期的な視点による経営戦略の見直し等を実施するとともに、関係部門が適宜連携して対応することで、海外展開におけるリスク低減に取り組んでおります。

 さらには、危機管理対策マニュアルの作成、演習等を通じた緊急事態発生時の訓練の実施、定期的なリスク情報の収集・共有等、当社グループ全体で危機管理体制の向上に取り組んでおります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当社グループは、経常的な収益力を示す指標として事業利益を採用しております。

 事業利益とは、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費並びに研究開発費を控除した額に持分法による投資損益を加減算した額であります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2021年12月期)

当連結会計年度

(2022年12月期)

増減額

増減率

売上収益

1,498,276

1,737,998

239,722

16.0%

研究開発費投資前事業利益

389,427

450,147

60,720

15.6%

事業利益

157,127

174,917

17,789

11.3%

営業利益

154,497

150,323

△4,174

△2.7%

税引前当期利益

163,638

172,954

9,315

5.7%

当期利益

129,209

137,419

8,210

6.4%

親会社の所有者に帰属する
当期利益

125,463

134,019

8,555

6.8%

 

 

 

 

 

研究開発費

232,299

275,230

42,931

18.5%

減損損失

6,479

41,521

35,041

540.8%

 

 これまで当社グループは、「トータルヘルスケア企業」として、健康の維持・増進、病気の診断から治療までを担う事業を展開してまいりました。新型コロナウイルス感染拡大や地政学的リスク等の影響により社会環境が変化する中、不確実性の高い世界がもたらす社会課題を先取りし、環境変化で生まれた新しい技術やニーズを取り入れながら、健康意識の高まりを成長機会と捉え、今こそ「トータルヘルスケア企業」の真価を発揮し、引き続き、持続的成長の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

 

 当連結会計年度の売上収益は、1,737,998百万円(前期比16.0%増)と増収、為替影響を除いても伸長しました。すべての事業において増収しましたが、主な要因は、医療関連事業において、持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」のグローバル4製品、臨床栄養や抗悪性腫瘍剤「INQOVI」の伸長が業績を牽引したこと、ニュートラシューティカルズ関連事業において、「ポカリスエット」の日本の回復及び海外の大幅な伸長、また健康の自己管理意識の向上とともに、「ネイチャーメイド」が伸長し、さらに、その他の事業の機能化学品及びファインケミカル分野が好調に推移したことです。

 研究開発費投資前事業利益は、450,147百万円(同15.6%増)となりました。主な要因は、主にグローバル4製品の増収による売上総利益が増加したことと販売費及び一般管理費を適正にコントロールしたことです。

 研究開発費は、275,230百万円(同18.5%増)となりました。主な増加要因は、注意欠陥・多動性障害等を対象として開発中のセンタナファジン、IgA腎症を対象として開発中のsibeprenlimab/VIS649の順調な進捗、新しい治療の可能性への挑戦として新規作用機序を有する抗精神病薬に係る住友ファーマ株式会社とサノビオン社との共同開発及び販売に関するライセンス契約締結に基づく開発費が増加したことや為替の影響があったことです。

 想定以上の売上成長と販売費及び一般管理費を適正にコントロールした結果、事業利益は174,917百万円(同11.3%増)となりました。

 なお、営業利益は、150,323百万円(同2.7%減)となりました。主な要因は、当社の持分法適用会社であったCullinan Pearl Corp.(以下「カリナンパール社」)の完全子会社化に伴う既存の保有株式部分の評価益等をその他の収益に計上しましたが、バダデュスタットに係る無形資産等の減損損失として当連結会計年度で合計41,521百万円を計上した影響です。

 当期利益は137,419百万円(同6.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は134,019百万円(同6.8%増)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

医療関連
事業

ニュートラシューティカルズ
関連事業

消費者
関連事業

その他
の事業

調整額

連結

売上収益

1,137,857

437,047

35,880

169,227

△42,014

1,737,998

事業利益

151,875

54,195

7,135

9,047

△47,337

174,917

 

(参考-前連結会計年度)

(単位:百万円)

 

医療関連
事業

ニュートラシューティカルズ
関連事業

消費者
関連事業

その他
の事業

調整額

連結

売上収益

977,508

376,650

31,918

149,987

△37,788

1,498,276

事業利益

139,942

46,551

5,324

10,774

△45,465

157,127

 

(医療関連事業)

 当連結会計年度における売上収益は1,137,857百万円(前期比16.4%増)、事業利益は151,875百万円(同8.5%増)となりました。

 

<主要製品の状況>

●グローバル4製品

 当社グループがグローバル4製品と位置付ける持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」の売上収益の合計は、619,187百万円(前期比26.4%増)となりました。

 

・持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」

 米国では、服薬アドヒアランスに課題がある双極性障害や統合失調症患者に対する製品の有用性の訴求や、対面による情報提供活動の増加等により処方数が伸長し、為替影響もあり大幅増収となりました。日本では、2020年9月に双極Ⅰ型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制の効能が追加となり、売上収益は堅調に推移しています。欧州でも、主要市場を中心に増収となりました。これらの結果、売上収益は165,353百万円(前期比26.9%増)となりました。

 

・抗精神病薬「レキサルティ」

 大うつ病補助療法及び統合失調症治療薬として販売する米国では、広告の活用や対面による情報提供活動の増加等により処方数が伸長し、為替影響もあり大幅増収となりました。日本では、2021年11月にOD錠が発売され、利便性の向上とともに情報提供活動を強化し、売上収益は堅調に推移しています。これらの結果、売上収益は169,135百万円(前期比39.7%増)となりました。

 

・V2-受容体拮抗剤「サムスカ」

 心不全・肝硬変における体液貯留や常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)等の治療薬として販売する日本では、心不全・肝硬変における体液貯留の効能において後発医薬品への切り替えによる影響を受け減収となりました。また、低ナトリウム血症治療薬として販売する米国、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症の治療薬として販売する欧州では、独占販売期間満了に伴い後発医薬品が発売されています。これらの結果、売上収益は87,788百万円(前期比4.6%減)となりました。

・V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」

 米国では、ADPKD治療薬として、継続的な疾患啓発や臨床データの情報提供活動等により処方数が伸長し、為替影響もあり大幅増収となりました。これらの結果、売上収益は139,409百万円(前期比38.9%増)となりました。

 

・抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」

 米国では、新型コロナウイルス感染拡大以降、経口抗がん剤の使用が推奨されており*1,2、為替影響もあり増収となりました。日本と欧州においても処方数は堅調に推移しています。これらの結果、売上収益は57,500百万円(前期比24.8%増)となりました。

*1 Pelin Cinar et al., Safety at the Time of the COVID-19 Pandemic: How to Keep our Oncology Patients and Healthcare Workers Safe. J Natl Compr Canc Netw, 2020 Apr 15;1-6.

*2 ASCO. COVID-19 Patient Care Information, Cancer Treatment and Supportive Care.

https://www.asco.org/covid-resources/patient-care-info/cancer-treatment-supportive-care, Accessed 20 January 2023

 

(ニュートラシューティカルズ関連事業)

 当連結会計年度における売上収益は437,047百万円(前期比16.0%増)、事業利益は54,195百万円(同16.4%増)となりました。

 

<主要製品の状況>

 当社グループが主要3ブランドと位置付ける「ポカリスエット」、「ネイチャーメイド」、ニュートリションエ サンテ社ブランドの売上収益の合計は、272,642百万円(前期比17.9%増)となりました。育成3ブランドと位置付けるデイヤフーズ社ブランド、「エクエル」、「ボディメンテ」の売上収益の合計は、28,514百万円(同5.3%増)となりました。

 

●主要3ブランド

 水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」は、日本において生活者の健康管理意識の高まりとともに水分・電解質補給の重要性が浸透し、家庭内をはじめとする日常生活での利用促進に加え、屋外イベントの再開に伴う飲用シーンの増加により、売上収益が増加しています。海外においては、各地の文化や状況に応じた水分・電解質補給の啓発と市場開発により、大幅増収となりました。

 ファーマバイト社のサプリメント「ネイチャーメイド」は、生活者の体調管理意識の高まりと、ブランドや品質に対する高い信頼性を背景に、為替影響も受け増収となりました。

 欧州を中心に健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社ブランドは、フードサービス*3や新しい生活様式に適応したEコマースの拡大を進めています。欧州における急速なインフレの進行に伴う高付加価値有機食品市場等の成長停滞*4や、サプライチェーンの混乱等の影響により、現地通貨ベースで減収となりましたが、為替の影響により日本円ベースでは増収となりました。

*3 公共機関や学校等における給食サービス

*4 IRI France Grocery Retailers - Organic food category Retail Sales, 2022 Jan-Dec

 

●育成3ブランド

 プラントベース(植物由来)食品であるデイヤフーズ社ブランドは、北米の乳代替チーズ市場の競合環境激化等の影響により売上収益は現地通貨ベースで減収となりましたが、為替の影響により日本円ベースでは増収となりました。引き続き、独自技術を活かした製品ラインアップの拡充及び流通拡大に取り組んでいます。

 女性の健康と美をサポートするエクオール含有食品「エクエル」は、幅広い情報提供活動により製品の認知が進み、引き続き売上収益は順調に増加しています。

 植物由来の乳酸菌B240*5を含有する「ボディメンテ」は、減収となりましたが、製品価値の普及活動を強化し、製品認知と利用拡大に取り組んでいます。

*5 Lactiplantibacillus pentosus ONRICb0240:東京農業大学が単離、大塚製薬㈱が有効性を確認した乳酸菌

 

(消費者関連事業)

 当連結会計年度における売上収益は35,880百万円(前期比12.4%増)、事業利益は持分法投資利益の増加等により7,135百万円(同34.0%増)となりました。

 ウォーター類は、主力製品「クリスタルガイザー」において、通販・自販機チャネルでの販売数量減少等によりブランド全体の販売数量は減少しましたが、パーソナルサイズとしては最大サイズである700mlペットボトルの販売の好調により、売上収益は増収となりました。ビタミン炭酸飲料「マッチ」は、人々の健康意識が高まる中、既存品に加え、新製品「マッチ ビタミンアップル」と「マッチゼリー パインミックス」の発売等により、ブランド全体の販売数量は増加しました。

 

(その他の事業)

 当連結会計年度のその他の事業の売上収益は169,227百万円(前期比12.8%増)となりましたが、原材料費や輸送費の高騰等、および持分法投資利益の減少等により、事業利益は9,047百万円(同16.0%減)となりました。

 機能化学品分野は、販売価格の適正化及び市況好調により、増収となりました。ファインケミカル分野は、抗生剤中間体の販売増加等に加え、為替の影響もあり大幅増収となりました。

 運輸・倉庫分野は、『共通プラットフォーム戦略』による新規の外部顧客の獲得及び取扱数量の増加により、増収となりました。

 

※ その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。

https://www.otsuka.com/jp/ir/library/materials.html

 

<ウクライナ・ロシア情勢による事業及び業績への影響>

 当社グループは、昨今のウクライナ・ロシア(以下「両国」)情勢について深く憂慮しており、早期かつ平和的な解決に向かうことを願っております。

 さて、当連結会計年度における事業及び業績への影響については、一部のサプライチェーンの混乱や治験への影響等があったものの、全体への影響は限定的であります。

 

(事業拠点)

 当社グループは、両国において事業拠点を有しておりません。

(販売)

 両国において抗結核治療薬「デルティバ」等を、提携先を通じて販売していますが、事業及び業績への影響は限定的です。当社グループは、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”の企業理念のもと、医薬品を必要としている患者さんへお届けできるよう、当該情勢を慎重に注視しながら、「デルティバ」等の供給を維持できるよう最善を尽くしたいと考えております。

(サプライチェーン)

 国際輸送を含むサプライチェーンが一部混乱しているものの、代替原料への変更や輸送ルートの変更等の対応をしており、事業及び業績への影響は限定的です。

(研究開発)

 一部の治験で影響があり、両国における治験実施施設の立上げや患者登録を中止しております。進行中の治験遅延が最小限になるよう、他エリアへの振替等で対応しております。適切なフォローアップができるよう最善を尽くしたいと考えております。

 

 今後、当該情勢による影響が長期化、深刻化した場合、さらなる原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱や為替の影響等を想定し、事業及び業績への影響を注視してまいります。

 

② 財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年12月31日)

増減額

流動資産

1,049,389

1,192,030

142,641

非流動資産

1,771,526

1,910,685

139,159

資産合計

2,820,915

3,102,716

281,800

流動負債

467,910

539,193

71,282

非流動負債

307,815

300,975

△6,840

負債合計

775,725

840,168

64,442

資本合計

2,045,189

2,262,547

217,358

 

a. 資産

 当連結会計年度末における総資産は3,102,716百万円(前連結会計年度末は2,820,915百万円)となり、281,800百万円増加しました。その内訳は、流動資産が142,641百万円の増加、非流動資産が139,159百万円の増加であります。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1,192,030百万円(前連結会計年度末は1,049,389百万円)となり、142,641百万円増加しました。その主たる内訳は、未収法人所得税が5,588百万円、その他の金融資産が2,593百万円減少したものの、現金及び現金同等物が60,949百万円、売上債権及びその他の債権が43,235百万円、棚卸資産が43,156百万円増加したこと等によるものであります。

(非流動資産)

 当連結会計年度末における非流動資産は1,910,685百万円(前連結会計年度末は1,771,526百万円)となり、139,159百万円増加しました。その主たる内訳は、有形固定資産が23,584百万円、のれんが39,706百万円、無形資産が57,124百万円、持分法で会計処理されている投資が13,953百万円、繰延税金資産が21,524百万円増加したこと等によるものであります。これらの増加は、主に医療関連事業における投資と為替相場の変動による影響によるものであります。

b. 負債

 当連結会計年度末における負債合計は840,168百万円(前連結会計年度末は775,725百万円)となり、64,442百万円増加しました。その内訳は、流動負債が71,282百万円の増加、非流動負債が6,840百万円の減少であります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は539,193百万円(前連結会計年度末は467,910百万円)となり、71,282百万円増加しました。その主たる内訳は、社債及び借入金が6,436百万円、引当金が8,778百万円減少したものの、仕入債務及びその他の債務が28,252百万円、未払法人所得税が17,849百万円、その他の流動負債が37,589百万円増加したこと等によるものであります。

(非流動負債)

 当連結会計年度末における非流動負債は300,975百万円(前連結会計年度末は307,815百万円)となり、6,840百万円減少しました。その主たる内訳は、その他の金融負債が5,700百万円、その他の非流動負債が3,034百万円増加したものの、社債及び借入金が8,979百万円、リース負債が3,496百万円、契約負債が7,034百万円減少したこと等によるものであります。

c. 資本

 当連結会計年度末における資本は2,262,547百万円(前連結会計年度末は2,045,189百万円)となり、217,358百万円増加しました。その主たる内訳は、親会社の所有者に帰属する当期利益134,019百万円の計上、配当金の支払54,251百万円等により利益剰余金が71,022百万円、主として円安の影響によりその他の資本の構成要素が142,822百万円増加したこと等によるものであります。

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は471,634百万円となり、前連結会計年度末より60,949百万円増加しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、211,848百万円となりました。一方で、将来の持続的成長に向けて、主に医療関連事業において投資等を行ったことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは△81,575百万円となりました。財務活動につきましては、借入金及びリース負債を返済し、配当金の支払額が△55,561百万円となったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは△95,474百万円となりました。

 これらの結果、営業活動によるキャッシュ・イン・フローは、投資活動及び財務活動を合わせたキャッシュ・アウト・フローを上回り、また、円安の影響により現金及び現金同等物に係る換算差額が26,151百万円となったため、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より増加し、471,634百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、211,848百万円(対前期比17,016百万円減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、税引前当期利益172,954百万円、減価償却費及び償却費93,761百万円、減損損失及びその戻入益41,521百万円、金融収益△28,693百万円、棚卸資産の増減額△21,700百万円、売上債権及びその他の債権の増減額△22,481百万円、法人所得税等の支払額△35,250百万円となっております。当連結会計年度における対前期比△17,016百万円のキャッシュ・フロー減少の主な要因は、税引前当期利益が対前期比9,315百万円、非資金項目である減損損失及びその戻入益が対前期比35,041百万円増加したこと等の影響によりキャッシュ・フローの増加となったものの、棚卸資産の増減額が減少から増加に転じ対前期比△28,205百万円、売上債権及びその他の債権の増減額が対前期比△35,804百万円のキャッシュ・フローの減少となったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△81,575百万円(対前期比13,713百万円支出減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△60,949百万円、カリナンパール社のTAS6417の取得を含む無形資産の取得による支出△46,838百万円、投資の売却及び償還による収入43,526百万円、投資の取得による支出△19,971百万円等であります。当連結会計年度における対前期比13,713百万円のキャッシュ・フロー増加(支出減)の主な要因は、定期預金の増減額が対期比△32,507百万円となったことにより支出増となったものの、投資の売却及び償還による収入が21,280百万円増加したこと、無形資産の取得による支出が13,860百万円減少したこと、子会社の売却による収入を8,323百万円計上したこと等により収入増となった結果であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、△95,474百万円(対前期比369百万円支出減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、長期借入金の返済による支出△25,671百万円、リース負債の返済による支出△19,729百万円、配当金の支払額△55,561百万円であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

医療関連事業

155,991

110.2%

ニュートラシューティカルズ関連事業

206,412

128.9%

消費者関連事業

20,840

119.1%

その他の事業

75,863

120.7%

合計

459,107

120.2%

(注)1.ニュートラシューティカルズとは、栄養「Nutrition」+薬「Pharmaceuticals」の造語であり、科学的根拠をもとに開発された医薬部外品や機能性食品及び栄養補助食品等を取り扱うセグメントです。

2.金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

 連結子会社は主として受注見込みによる生産方式をとっております。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

医療関連事業

1,137,857

116.4%

ニュートラシューティカルズ関連事業

437,014

116.0%

消費者関連事業

35,854

112.4%

その他の事業

127,271

113.4%

合計

1,737,998

116.0%

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載されているとおりであります。

 新型コロナウイルス感染拡大により、当連結会計年度における当社グループの事業活動も一定の影響を受けましたが、翌連結会計年度以降の業績に対する影響は限定的であるとの仮定に基づき、重要な会計上の見積りを行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の流行等の状況の変化は、翌連結会計年度以降において、資産、負債、収益及び費用の報告額に重要な影響を及ぼすリスクとなる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

 経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

 当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

 当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は471,634百万円であり、社債及び借入金の合計額120,216百万円を上回っています。

 

 当社グループにおける経常的な資金需要としましては、主に事業の拡大に伴う運転資金需要、生産設備の増強・更新に伴う設備投資資金及び研究開発資金がありますが、基本的に営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。一方、事業の買収等に伴う非経常的な資金需要につきましては、必要に応じて外部から調達しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) アライアンス契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約年

大塚製薬㈱

H.ルンドベックA/S

デンマーク

共同開発・商業化

(注)1

2011年

大鵬薬品工業㈱

及び

アステックスセラピューティクス Ltd.

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.

(米国及びカナダ以外ではMSD)

米国

戦略的提携

(注)2

2019年

大塚製薬㈱

住友ファーマ㈱(注)3

サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク

日本

米国

共同開発・販売(注)4

2021年

(注)1.大塚製薬㈱は、H.ルンドベックA/Sと中枢神経領域におけるグローバル・アライアンス契約を2011年11月に締結しております。本契約は、「Abilify Maintena」(アリピプラゾール持続性注射剤(月1回製剤))、「REXULTI(レキサルティ)」(一般名:ブレクスピプラゾール)、Lu AE58054(一般名:idalopirdine)及びH.ルンドベックA/Sが研究開発を進めている中枢神経疾患を対象にした最大2つの新規化合物をあわせた最大5つの化合物についての共同開発・商業化に関する契約であります。

2.大鵬薬品工業㈱及びアステックスセラピューティクス Ltd.は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A(米国及びカナダ以外はMSD)とKRASがん遺伝子を含む複数の薬剤ターゲットに対して開発中の低分子阻害剤に特化したグローバルでの研究提携とライセンスに関する独占的契約を2019年12月に締結しております。

3.住友ファーマ㈱は2022年4月1日付で大日本住友製薬㈱より商号変更しております。

4.大塚製薬㈱は、住友ファーマ㈱及びその米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)と、住友ファーマ㈱とサノビオン社が精神神経領域で開発中の4つの新薬候補化合物について、全世界を対象とした共同開発及び販売に関するライセンス契約を2021年9月に締結しております。販売については、米国、カナダ、日本、アジア(中国、台湾、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア)においては住友ファーマグループが売上を計上し、国・地域ごとに住友ファーマグループと大塚製薬㈱が原則共同プロモーションを行います。欧州を含む41の国・地域では大塚製薬㈱が売上を計上します。また、本契約下で実施されるすべての臨床試験、各国・地域における承認申請や販売に関する費用及び利益については、サノビオン社と大塚製薬㈱で折半します。

 

(2) 技術導出

契約会社名

契約品目

相手方の名称

国名

契約内容

契約年

大鵬薬品工業㈱

抗悪性腫瘍剤

セルヴィエ社

(LES LABORATOIRES SERVIER)

フランス

契約一時金等(注)

一定料率のロイヤリティ

2015年

(注)大鵬薬品工業㈱とセルヴィエ社は、大鵬薬品工業㈱が創製し、現在グローバルで開発中の抗悪性腫瘍剤TAS-102(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩、日本での製品名:「ロンサーフ®配合錠T15・T20」)について、欧州・その他地域(北米・アジア以外)における開発・販売権に関するライセンス契約を2015年6月に締結しております。

 

 

(3) 販売契約

契約会社名

契約品目

相手方の名称

国名

販売地域

契約年

大塚製薬㈱

酸関連疾患治療薬

武田薬品工業㈱

日本

日本

2014年

(注)大塚製薬㈱は、武田薬品工業㈱が創製した酸関連疾患治療薬「タケキャブ®錠」(一般名:ボノプラザンフマル酸塩)について日本国内での販売に関する共同プロモーション契約を2014年3月に締結しております。本契約に関して、大塚製薬㈱は、武田薬品工業㈱に対して契約一時金と製造販売承認時マイルストーンを支払い、「タケキャブ®錠」の売上に応じた一定の対価を武田薬品工業㈱から受領することになっております。

 

(4) 合弁関係

契約会社名

合弁会社

相手方の名称

国名

設立の目的

契約年

大塚製薬㈱

中国大塚製薬有限公司

中国医薬工業公司

中国

注射薬の製造・販売

1980年

  〃

韓国大塚製薬㈱

Jeil Pharmaceutical Co., Ltd.

韓国

循環・呼吸器官用薬の製造・販売

1982年

  〃

東亜大塚㈱

Dong-A Socio Holdings Co., Ltd.他

韓国

飲料品・健康食品・栄養製品の製造・販売

1987年

  〃

PTアメルタインダ大塚

P.T.マスヤ

インドネシア

飲料製品の製造、販売及び輸出入

1999年

クリスタルガイザーウォーターカンパニー

CGロクサーヌ LLC

Cameron Investment Group,Inc.

米国

飲料製品の製造、販売及び輸出

1990年

大塚製薬㈱

イーエヌ大塚製薬㈱

雪印メグミルク㈱

日本

経腸栄養剤の製造・販売

2002年

大塚化学㈱

エムジーシー大塚ケミカル㈱

三菱瓦斯化学㈱

日本

水加ヒドラジンの製造・販売

2004年

大塚製薬㈱

アルマ S.A.

ROX INVEST

フランス

飲料製品の製造、販売及び輸出

2008年

 

(5) カリナンパール社の完全子会社化及び重要な資産(TAS6417)の取得

 当社の連結子会社である大鵬薬品工業株式会社は、2022年5月12日(日本時間)に、Cullinan Oncology,Inc.が保有するカリナンパール社(当社の持分法適用会社、既存資本持分20%)の全株式を取得し、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤TAS6417(仕掛研究開発 48,370百万円)を取得しました。詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記「13.のれん及び無形資産」に記載のとおりです。

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度における研究開発費は、275,230百万円です。

 主な研究開発分野及び新製品の開発のセグメント別の状況は、次のとおりです。

 

(医療関連事業)

 当社グループは、精神・神経領域、がん・がんサポーティブケア領域を重点領域とし、循環器・腎領域等においても未充足疾患に焦点を当てた研究開発を進めています。

 医療関連事業における研究開発費は、260,610百万円です。

 

 当連結会計年度の医療関連事業における研究開発の主な進捗状況は、以下のとおりです。

 

領域

「製品名」

(一般名)

又は開発コード

 

状況*1

精神・神経領域

「レキサルティ」

(ブレクスピプラゾール)

OPC-34712/OPC-34712 FUM

<米国>

・開発戦略上の理由で、境界性パーソナリティ障害を対象とした開発を中止しました。

<日本>

・統合失調症を対象とした経口剤(週1回投与)のフェーズⅢ 試験を2022年8月に開始しました。

<中国>

・統合失調症の効能で2022年11月に承認申請しました。

 

(アリピプラゾール2カ月持続性注射剤)

<欧州>

・統合失調症の効能で2022年6月に承認申請しました。

<米国>

・統合失調症と双極Ⅰ型障害の効能で2022年9月に承認申請しました。

 

(重水素化デキストロメトルファン・キニジン)

AVP-786

<米国>

・開発戦略上の理由で、間欠性爆発性障害及び外傷性脳損傷を対象とした開発を中止しました。

 

(センタナファジン)

EB-1020

<米国>

・大うつ病を対象としたフェーズⅡ試験を2022年9月に開始しました。

・開発戦略上の理由で、禁煙及び過食性障害を対象とした開発を中止しました。

 

(ulotaront)

SEP-363856

<米国>

・大うつ病補助療法を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験を開始しました。

<日本・米国>

・全般性不安障害を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験を開始しました。

 

OPC-64005

<日本>

・開発戦略上の理由で、大うつ病を対象とした開発を中止しました。

がん・がんサポーティブケア領域

「INQOVI」

(decitabine・cedazuridine) ASTX727

<欧州>

・急性骨髄性白血病の効能で2022年8月に承認申請しました。

 

TAS-114

<日本・米国・欧州>

・開発戦略上の理由で、非小細胞肺がんを対象とした開発を中止しました。

 

「ジェセリ」

(ピミテスピブ)

TAS-116

<日本>

・消化管間質腫瘍の効能で2022年6月に承認を取得しました。

 

「LYTGOBI」

(フチバチニブ)

TAS-120

<日本>

・胆道がんの効能で2022年7月に承認申請しました。

<米国>

・肝内胆管がんの効能で2022年9月に承認を取得しました。

<欧州>

・胆管がんの効能で承認申請しました。

 

(zipalertinib)

TAS6417*2

<米国・欧州>

・非小細胞肺がんを対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を実施中です。

 

(zimberelimab +pamufetinib)

AB122+TAS-115

<日本>

・固形がんを対象としたフェーズⅠ試験*3を2022年9月に開始しました。

 

(zimberelimab +ピミテスピブ)

AB122+TAS-116

<日本>

・固形がんを対象としたフェーズⅠ試験*4を2022年2月に開始しました。

 

「アロカリス」

(ホスネツピタント)

Pro-NETU

<日本>

・抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐の効能で2022年3月に承認を取得しました。

 

(mipetresgene autoleucel)

TBI-1301

<日本>

・事業上の戦略の見直しによりプロジェクトをタカラバイオ社に返還しました。

循環器・腎領域

「サムタス」

(トルバプタンリン酸エステルナトリウム)

OPC-61815

<日本>

・心不全における体液貯留の効能で2022年3月に承認を取得しました。

 

(バダデュスタット)

AKB-6548

<米国・欧州>

・2022年5月13日付で、アケビア・セラピューティクス・インクとのグローバルライセンス契約(米国対象:2016年12月、欧州その他地域対象:2017年4月にそれぞれ締結)を終了することを決定しました。

 

(sibeprenlimab)

VIS649

<日本・米国・欧州>

・IgA腎症を対象としたフェーズⅢ試験を2022年4月に開始しました。

 

「Lupkynis」

(voclosporin)

<欧州>

・活動性ループス腎炎の効能で2022年9月に承認を取得しました。

その他領域

TAS5315

<日本>

・慢性特発性蕁麻疹を対象としたフェーズⅡ試験を2022年6月に開始しました。

 

(quabodepistat)

OPC-167832

<米国>

・結核を対象としたフェーズⅡ試験を2022年4月に開始しました。

*1 米国・欧州における承認申請は、当局へ承認申請、あるいは当局による申請受理を意味します。それ以外の国・地域では当局に承認申請を提出したことを意味します

*2 2022年5月、カリナンパール社買収に関する契約を締結

*3 zimberelimab国内フェーズⅠ試験中のpamufetinib併用コホート

*4 zimberelimab国内フェーズⅠ試験中のピミテスピブ併用コホート

 

 

(ニュートラシューティカルズ関連事業)

 当事業においては、医療関連事業で培ったノウハウを活かし、人々の健康の維持・増進のための科学的根拠をもった独創的な製品の研究開発に取り組んでいます。

 女性の健康分野において、症状を自覚している女性が約7割とされる*1月経前症候群(PMS)に対し、「γ-トコフェロール、γ-トコトリエノール、エクオールおよびカルシウムの4つの成分を含む食品」(γ-トコ複合食品)の摂取が症状軽減に有用であることを示唆する研究論文が、2022年7月30日発刊の「日本女性医学学会雑誌」に掲載されました*2

 また、大塚グループの環境方針のもと、グループ全体で循環型社会の実現に向け、様々なアプローチやチャレンジを続ける中、「ポカリスエット リターナブル瓶 250ml」を循環型ショッピングプラットフォーム「Loop」を利用し、一部店舗で同年7月より販売開始しました。さらに、体調維持をサポートする独自の乳酸菌を含有した「乳酸菌B240 タブレット」の販売を同年7月より自社通信販売サイトにて開始しました。より手軽に継続して乳酸菌B240を摂取いただけるように飲みやすい小粒の錠剤状とし、健康な毎日を過ごしたい方をサポートする取り組みを進めています。

 「肌の健康」を考える健粧品(コスメディクス)*3分野では、「インナーシグナル」、「UL・OS(ウル・オス)」に続く3つ目のスキンケアブランドとして「サクラエ(sakuraé)」が誕生しました。日本初*4の“ダブル美白”*5*6効能を有する薬用美容液「サクラエ ダブルアクションセラム」を自社通信販売サイトにて同年11月に新発売しました。

 ニュートラシューティカルズ関連事業における研究開発費は、8,690百万円です。

*1 出典: 2021年6~7月 大塚製薬調べ 30〜44歳日本人女性1,000人を対象に行った調査

*2 日本女性医学学会雑誌 29(4) 578-587, 2022「γ-トコフェロール,γ-トコトリエノール,エクオールおよびカルシウム含有食品の黄体期における不定愁訴軽減効果:無作為化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験」

*3 健粧品(コスメディクス):cosmetics(化粧品)+medicine(医薬品)

*4 メラニンの生成と蓄積をダブルでおさえ、しみ・そばかすを防ぐ日本で初めての製品

*5 アスコルビン酸2-グルコシド:メラニンの「生成」をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ

*6 AMP(アデノシン一リン酸二ナトリウム OT):メラニンの「蓄積」をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ

 

(消費者関連事業)

 当事業においては、生活に身近な食品や飲料の分野でオリジナルかつユニークな製品の研究開発に取り組んでいます。社会変化に伴う健康・環境・人口・高齢化問題など様々な課題の解決に向け「レトルト事業」「飲料事業」「プラントベース事業」を中核とし、「食」と「健康」をテーマに革新的な製品を創出、提案しています。

 消費者関連事業における研究開発費は、644百万円です。

 

(その他の事業)

 当事業においては、機能化学品やファインケミカルの分野で研究開発に取り組んでいます。有機、無機の合成技術を主体とし、独自の技術を核とした新製品の研究開発や次世代分野の研究開発を行っています。

 その他の事業における研究開発費は、5,283百万円です。