第5【経理の状況】

1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について

(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。

(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。

 また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。

 

2.監査証明について

 当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年1月1日から2024年12月31日まで)の連結財務諸表及び当事業年度(2024年1月1日から2024年12月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。

 

3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について

 当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりであります。

(1)会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、社内研修の定期的な実施や日本公認会計士協会が出版する専門誌の定期購読、公益財団法人財務会計基準機構及び監査法人等が主催するセミナーに参加する等を行っております。

(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。

 

1【連結財務諸表等】

(1)【連結財務諸表】

①【連結財政状態計算書】

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

前連結会計年度

(2023年12月31日)

 

当連結会計年度

(2024年12月31日)

資産

 

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び現金同等物

6,32

513,341

 

426,173

売上債権及びその他の債権

7,32

474,086

 

515,289

棚卸資産

8

249,581

 

298,292

未収法人所得税

 

19,611

 

3,531

その他の金融資産

9,32

16,062

 

31,905

その他の流動資産

10

54,113

 

91,780

流動資産合計

 

1,326,797

 

1,366,972

非流動資産

 

 

 

 

有形固定資産

11,19

553,358

 

628,544

のれん

12

379,048

 

449,464

無形資産

12

490,971

 

544,247

持分法で会計処理されている投資

14

278,562

 

314,780

その他の金融資産

9,32

197,887

 

206,272

繰延税金資産

15

118,825

 

205,700

その他の非流動資産

10,22

15,792

 

23,267

非流動資産合計

 

2,034,446

 

2,372,278

資産合計

 

3,361,244

 

3,739,251

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

前連結会計年度

(2023年12月31日)

 

当連結会計年度

(2024年12月31日)

負債及び資本

 

 

 

 

負債

 

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

仕入債務及びその他の債務

16,32

206,369

 

219,996

社債及び借入金

17,32

69,425

 

7,350

リース負債

19

18,847

 

21,146

その他の金融負債

18,32

 

4,387

未払法人所得税

 

54,939

 

29,250

引当金

21

919

 

1,242

契約負債

24

14,322

 

13,952

その他の流動負債

20

302,410

 

335,338

流動負債合計

 

667,233

 

632,664

 

 

 

 

 

非流動負債

 

 

 

 

社債及び借入金

17,32

69,200

 

87,275

リース負債

19

56,715

 

73,612

その他の金融負債

18,32

16,774

 

53,127

未払法人所得税

 

 

1,584

退職給付に係る負債

22

16,557

 

12,564

引当金

21

2,252

 

3,766

契約負債

24

44,869

 

35,361

繰延税金負債

15

27,170

 

28,801

その他の非流動負債

20

24,152

 

32,327

非流動負債合計

 

257,692

 

328,421

負債合計

 

924,926

 

961,085

 

 

 

 

 

資本

 

 

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

 

 

 

資本金

23

81,690

 

81,690

資本剰余金

23

506,230

 

478,486

自己株式

23

44,669

 

67,398

利益剰余金

23

1,621,218

 

1,904,404

その他の資本の構成要素

23

229,214

 

336,397

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

2,393,683

 

2,733,580

非支配持分

 

42,634

 

44,584

資本合計

 

2,436,317

 

2,778,165

負債及び資本合計

 

3,361,244

 

3,739,251

 

②【連結損益計算書】

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

 

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

 至 2024年12月31日)

売上収益

5,24

2,018,568

 

2,329,861

売上原価

25

611,219

 

660,432

売上総利益

 

1,407,348

 

1,669,428

 

 

 

 

 

販売費及び一般管理費

21,25

807,355

 

958,345

持分法による投資利益

14

20,365

 

33,614

研究開発費

25

307,804

 

314,233

減損損失

13

172,419

 

126,040

その他の収益

26

5,729

 

23,031

その他の費用

27

6,250

 

3,889

営業利益

 

139,612

 

323,564

 

 

 

 

 

金融収益

28

9,566

 

21,081

金融費用

28

6,523

 

8,791

税引前当期利益

 

142,655

 

335,854

法人所得税費用

15

17,155

 

11,417

当期利益

 

125,499

 

347,271

 

 

 

 

 

当期利益の帰属

 

 

 

 

親会社の所有者

121,616

 

343,120

非支配持分

 

3,883

 

4,151

当期利益

 

125,499

 

347,271

 

 

 

 

 

1株当たり当期利益

 

 

 

 

基本的1株当たり当期利益(円)

30

224.10

 

633.76

希薄化後1株当たり当期利益(円)

30

 

 

③【連結包括利益計算書】

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

 

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

 至 2024年12月31日)

当期利益

 

125,499

 

347,271

 

 

 

 

 

その他の包括利益

 

 

 

 

純損益に振り替えられることのない項目

 

 

 

 

確定給付制度の再測定

29

1,344

 

4,312

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

29

5,373

 

7,424

持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分

14,29

360

 

506

(小計)

 

7,078

 

2,606

 

 

 

 

 

純損益に振り替えられる可能性のある項目

 

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

29

72,652

 

98,269

キャッシュ・フロー・ヘッジ

29

22

 

55

持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分

14,29

22,511

 

17,283

(小計)

 

95,186

 

115,497

その他の包括利益合計

 

102,264

 

112,891

当期包括利益

 

227,764

 

460,163

 

 

 

 

 

当期包括利益の帰属

 

 

 

 

親会社の所有者

 

222,855

 

455,504

非支配持分

 

4,909

 

4,658

当期包括利益

 

227,764

 

460,163

 

④【連結持分変動計算書】

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

親会社の所有者に帰属する持分

 

資本金

資本剰余金

自己株式

利益剰余金

その他の資本の構成要素

 

確定給付制度の再測定

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

2023年1月1日残高

 

81,690

506,579

44,858

1,553,069

41,249

当期利益

 

121,616

その他の包括利益

 

1,468

5,435

当期包括利益

 

121,616

1,468

5,435

自己株式の取得

 

1

配当金

23

54,265

株式報酬取引

 

199

190

支配の喪失を伴わない子会社に対する所有者持分の変動

 

149

その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替

 

798

1,468

669

所有者との取引額等合計

 

349

188

53,467

1,468

669

2023年12月31日残高

 

81,690

506,230

44,669

1,621,218

47,355

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注記

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

その他の資本の構成要素

合計

 

在外営業活動体の換算差額

キャッシュ・フロー・ヘッジ

合計

2023年1月1日残高

 

87,503

20

128,773

2,225,255

37,114

2,262,369

当期利益

 

121,616

3,883

125,499

その他の包括利益

 

94,312

22

101,239

101,239

1,025

102,264

当期包括利益

 

94,312

22

101,239

222,855

4,909

227,764

自己株式の取得

 

1

1

配当金

23

54,265

1,432

55,698

株式報酬取引

 

9

9

支配の喪失を伴わない子会社に対する所有者持分の変動

 

149

2,043

1,893

その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替

 

798

所有者との取引額等合計

 

798

54,426

610

53,816

2023年12月31日残高

 

181,815

43

229,214

2,393,683

42,634

2,436,317

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

親会社の所有者に帰属する持分

 

資本金

資本剰余金

自己株式

利益剰余金

その他の資本の構成要素

 

確定給付制度の再測定

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

2024年1月1日残高

 

81,690

506,230

44,669

1,621,218

47,355

当期利益

 

343,120

その他の包括利益

 

4,515

7,345

当期包括利益

 

343,120

4,515

7,345

自己株式の取得

23

50,016

自己株式の消却

23

26,224

26,224

配当金

23

65,135

株式報酬取引

 

123

1,062

支配の喪失を伴わない子会社に対する所有者持分の変動

 

1,395

その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替

 

5,201

4,515

686

所有者との取引額等合計

 

27,743

22,729

59,934

4,515

686

2024年12月31日残高

 

81,690

478,486

67,398

1,904,404

39,323

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注記

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

その他の資本の構成要素

合計

 

在外営業活動体の換算差額

キャッシュ・フロー・ヘッジ

合計

2024年1月1日残高

 

181,815

43

229,214

2,393,683

42,634

2,436,317

当期利益

 

343,120

4,151

347,271

その他の包括利益

 

115,270

55

112,384

112,384

506

112,891

当期包括利益

 

115,270

55

112,384

455,504

4,658

460,163

自己株式の取得

23

50,016

50,016

自己株式の消却

23

配当金

23

65,135

1,627

66,763

株式報酬取引

 

939

939

支配の喪失を伴わない子会社に対する所有者持分の変動

 

1,395

1,079

2,474

その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替

 

5,201

所有者との取引額等合計

 

5,201

115,607

2,707

118,315

2024年12月31日残高

 

297,086

11

336,397

2,733,580

44,584

2,778,165

 

⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

 

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

 至 2024年12月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

 

税引前当期利益

 

142,655

 

335,854

減価償却費及び償却費

 

97,777

 

107,979

減損損失及びその戻入益

5

172,419

 

126,040

持分法による投資損益(△は利益)

 

20,365

 

33,614

金融収益

 

9,566

 

21,081

金融費用

 

6,523

 

8,791

棚卸資産の増減額(△は増加)

 

16,560

 

38,578

売上債権及びその他の債権の増減額(△は増加)

 

31,802

 

9,510

仕入債務及びその他の債務の増減額(△は減少)

 

13,012

 

14,635

その他

 

23,257

 

14,382

(小計)

 

351,325

 

446,863

利息及び配当金の受取額

 

16,102

 

25,449

利息の支払額

 

3,212

 

6,456

法人所得税等の支払額

 

80,982

 

111,217

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

283,232

 

354,638

 

 

 

 

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

 

有形固定資産の売却による収入

 

547

 

689

有形固定資産の取得による支出

 

90,736

 

95,558

無形資産の取得による支出

 

23,937

 

33,804

投資の売却及び償還による収入

 

20,962

 

71,947

投資の取得による支出

 

28,098

 

79,018

子会社の取得による支出

36

71,043

 

115,558

定期預金の増減額(△は増加)

 

2,741

 

15,395

その他

 

974

 

905

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

190,538

 

265,793

 

 

 

 

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

 

自己株式の取得による支出

 

1

 

50,016

短期借入金の増減額(△は減少)

37

27,954

 

41,069

長期借入れによる収入

37

12

 

150

長期借入金の返済による支出

37

11,935

 

6,224

社債の発行による収入

37

 

20,000

社債の償還による支出

37

 

20,000

リース負債の返済による支出

37

20,545

 

22,969

配当金の支払額

 

55,653

 

66,763

非支配持分からの払込による収入

 

2,021

 

非支配持分からの子会社持分取得による支出

 

2,113

 

2,474

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

60,260

 

189,367

 

 

 

 

 

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

 

32,432

 

100,522

現金及び現金同等物の期首残高

 

471,634

 

513,341

現金及び現金同等物に係る換算差額

 

9,274

 

13,354

現金及び現金同等物の期末残高

 

513,341

 

426,173

 

【連結財務諸表注記】
1.報告企業

 大塚ホールディングス株式会社(以下「当社」)は日本に所在する株式会社であります。その登記されている本社及び主要な事業所の住所は当社のホームページ(URL https://www.otsuka.com/jp/)で開示しております。当社の2024年12月31日を期末日とする連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下「当社グループ」)、並びに当社の関連会社に対する持分により構成されております。

 当社グループの事業内容及び主要な活動は、注記「5.事業セグメント」に記載しております。

 

2.作成の基礎

(1) IFRSに準拠している旨

 当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成されております。

 この連結財務諸表は、2025年3月25日に代表取締役社長兼CEO井上眞及び取締役CFO牧野祐子によって承認されております。

 

(2) 測定の基礎

 連結財務諸表は、公正価値で測定されている金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。

 

(3) 機能通貨及び表示通貨

 連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切り捨てて表示しております。

 

(4) 未適用の新基準

 「(1) IFRSに準拠している旨」に記載の承認日までに公表された基準書及び解釈指針の新設又は改訂のうち、2024年12月31日において当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。

 

IFRS

強制適用時期

(以降開始年度)

当社グループ

適用年度

新設・改訂の概要

IFRS第18号

財務諸表における表示及び開示

2027年1月1日

2027年12月期

IAS第1号「財務諸表の表示」の置き換え

 

 IFRS第18号の適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積もることはできません。

 

3.重要性がある会計方針

(1) 連結の基礎

① 子会社

 子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。

 子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結対象に含めております。

 子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。グループ会社間の債権債務残高及び内部取引高、並びにグループ会社間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。

 子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の修正額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。

 支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。

 

② 関連会社

 関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。

 関連会社への投資は、取得時に取得原価で認識され、以後は持分法によって会計処理しております。関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれんが含まれております。当該のれんは区分して認識されないため、のれん個別での減損テストは実施しておりません。それに代わり、関連会社に対する投資が減損している可能性を示唆する客観的な証拠が存在する場合には、当該関連会社に対する投資全体を単一の資産として、減損テストを実施しております。

 関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えております。

 重要な影響力を喪失した後、残存持分がある場合、公正価値にて測定し、持分法を中止した日現在の投資の帳簿価額との差額を純損益で認識しております。

 

(2) 企業結合

 企業結合は、取得法を用いて会計処理しております。

 のれんは、移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が従来保有していた被取得企業の資本持分の支配獲得日公正価値の総計が、支配獲得日における識別可能な資産及び負債の正味の金額を超過する額として測定しております。反対に下回る場合には、直ちに純損益として認識しております。

 移転された対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の支配獲得日公正価値の合計として計算しております。移転された対価には、条件付対価契約から発生するすべての資産又は負債が含まれております。取得日の被取得企業の非支配持分の金額は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する現在の所有権金融商品の比例的な取り分のいずれかとして測定しております。

 支配獲得日における識別可能な資産及び負債は、IFRS第3号「企業結合」の要求に基づく一部例外を除き、支配獲得日の公正価値で測定しております。

 企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。

 企業結合が発生した連結会計年度末までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。支配獲得日時点に存在していた事実と状況を、支配獲得日当初に把握していたとしたら認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下「測定期間」)に入手した場合、その情報を反映して、支配獲得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しております。測定期間は最長で1年間であります。

 

(3) 外貨換算

① 外貨建取引

 外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで当社グループの各社の機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性資産及び負債は、各報告日の為替レート、公正価値で測定する外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の測定日における為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しております。取得原価で測定される外貨建の非貨幣性資産及び負債は、当初の取引日の直物為替レートで機能通貨に換算しております。

 換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する資本性金融商品、及び為替リスクをヘッジしているキャッシュ・フロー・ヘッジに係るヘッジ手段から生じる換算差額のうち有効部分については、その他の包括利益として認識しております。

 

② 在外営業活動体

 在外営業活動体の資産及び負債は各報告日の為替レート、収益及び費用は期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。

 

(4) 金融商品

① 金融資産

(ⅰ)当初認識及び測定

 金融資産のうち、売上債権及びその他の債権は、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。

 当初認識時に、すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に当該金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定しております。純損益を通じて測定する金融資産の取引費用は、純損益に認識しております。

 金融資産は、当初認識時に、(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、(d)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。

(a) 償却原価で測定する金融資産

 以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。

・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品

 以下の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に分類しております。

・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品

 一部の資本性金融商品に対する投資について、売買目的保有でもIFRS第3号「企業結合」が適用される企業結合における取得企業の条件付対価でもない投資の公正価値の事後の変動を、その他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に分類しております。

(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 上記の償却原価で測定する金融資産、及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。

(ⅱ)事後測定

 金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。

(a) 償却原価で測定する金融資産

 償却原価で測定する金融資産は、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得又は損失は、純損益に認識しております。

(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、公正価値で測定しております。公正価値の変動額は、その他の包括利益に認識しております。認識を中止した場合には、その他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については、純損益に認識しております。

(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、公正価値で測定し、公正価値の変動額を純損益に認識しております。

(ⅲ)減損

 償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。

 当社グループは、各報告日に、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。

 金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12カ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。

 契約上の支払期日より30日超の経過があった場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしております。信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、期日経過情報のほか、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しております。

 ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権等については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。

(ⅳ)認識の中止

 当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転する場合にのみ、金融資産の認識を中止しております。

 

② 金融負債

(ⅰ)当初認識及び測定

 金融負債のうち、社債及び借入金は、これらの発行日に当初認識しております。その他のすべての金融負債は、当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。

 金融負債は、当初認識時に、(a)償却原価で測定する金融負債、(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。

 当初認識時に、償却原価で測定する金融負債は、公正価値に当該金融負債に直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。純損益を通じて測定する金融負債の取引費用は、純損益に認識しております。

(ⅱ)事後測定

 金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。

(a) 償却原価で測定する金融負債

 償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得又は損失は、純損益に認識しております。

(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で測定し、公正価値の変動額を純損益に認識しております。

(ⅲ)認識の中止

 当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。

③ 金融資産と金融負債の相殺

 金融資産と金融負債は、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ、純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺し、純額を表示しております。

 

④ デリバティブ及びヘッジ会計

 デリバティブは、当初認識時に公正価値で測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定しております。

 当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするために為替予約、通貨スワップ、通貨オプション及び金利スワップ等のデリバティブを利用しております。

 当社グループは、ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ関係並びにヘッジの実行に関する企業のリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。当該文書には、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを判定する方法を記載しております。また、ヘッジ関係の開始時に及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価しております。継続的な評価は、各報告日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方において行っております。

 当社グループは、ヘッジ会計の適格要件を満たすキャッシュ・フロー・ヘッジにヘッジ会計を適用し、以下のように会計処理しております。

 ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に認識し、残りの非有効部分は、純損益に認識しております。その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ただし、予定取引のヘッジがその後に非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、当該非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。

 ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合、あるいはヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。予定取引又は確定約定の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。

 なお、当社グループでは公正価値ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジは行っておりません。

 

(5) 現金及び現金同等物

 現金及び現金同等物は、手許現金、要求払預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。

 

(6) 棚卸資産

 棚卸資産は、原価又は正味実現可能価額のいずれか低い額で測定しております。正味実現可能価額とは、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。原価は、主として総平均法に基づいて算定されており、購入原価、加工費、及び棚卸資産の現在の場所と状態に至るまでに発生したすべての費用を含んでおります。

 

(7) 有形固定資産

 有形固定資産の測定には、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。

 取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、資産の解体及び撤去並びに原状回復費用の当初見積額等を含めております。

 土地及び建設仮勘定以外の資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、主として定額法で計上しております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりであります。

・建物及び構築物  :2-65年

・機械装置及び運搬具:2-40年

・工具器具及び備品 :2-20年

 なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。

(8) のれん

 当初認識時におけるのれんの測定については、「(2)企業結合」に記載しております。当初認識後は、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。

 のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループ(以下「資金生成単位」)に配分しております。のれんを配分した資金生成単位については、毎年及び当該単位が減損している可能性を示す兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。その結果、資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合には、減損損失として純損益に認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失の配分については、最初に、当該単位に配分したのれんの帳簿価額を減額し、次に、当該単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により、当該単位の中の他の資産に配分しております。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れをしておりません。

 

(9) 無形資産

 無形資産の測定には、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。

 個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。

 企業結合で取得した無形資産は、支配獲得日の公正価値で測定しております。

 自己創設無形資産は、資産化の要件を満たす開発費用を除き、発生時に費用として認識しております。

 耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。

・特許権      :5-15年

・商標権及び販売権等:8-15年

・ソフトウエア   :2-10年

 なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。

 耐用年数を確定できない無形資産は、主として個別に又は企業結合で取得したブランドやトレードマークであり、「商標権及び販売権等」として無形資産に含めて計上しております。耐用年数を確定できない無形資産については、各連結会計年度末に、耐用年数を確定できないという判定が引き続き妥当であるかどうかを再検討しております。妥当でない場合には、確定できないものから確定できるものへ変更し、会計上の見積りの変更として会計処理しております。

 個別に又は企業結合で取得した仕掛中の研究開発は、「仕掛研究開発」として無形資産に含めて計上しております。当該資産は、未だ使用可能ではない無形資産であるため、償却をせず、減損テストを行っております。「仕掛研究開発」については、その後の期間に規制当局の許認可が得られ使用可能となった時点で「商標権及び販売権等」に振替を行い、その時点から見積耐用年数にわたり定額法で償却を開始しております。

 

(10) リース

 当社グループは、借手としてのリース取引について、リース開始日に、使用権資産を取得原価で、リース負債を未払リース料総額の現在価値として測定しております。

 使用権資産は、耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、定額法で減価償却を行っております。主要な原資産項目毎の使用権資産の償却期間は、以下のとおりであります。

・建物及び構築物  :2-50年

・機械装置及び運搬具:2-15年

・工具器具及び備品 :2-6年

・土地       :2-55年

 リース料は、利息法に基づき金融費用とリース負債の返済額に配分して認識しております。

 なお、無形資産に係るリース及びリース期間が12カ月以内の短期リースについては、使用権資産及びリース負債を認識しておりません。短期リースに係るリース料は、リース料総額をリース期間にわたって、定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより認識しております。

(11) 有形固定資産及び無形資産の減損

 有形固定資産及び無形資産(使用権資産を含む、以下同じ)について、各報告期間末に減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候がある場合には、回収可能価額を見積っております。個別の資産の回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。資金生成単位は、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・インフローとはおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループとしております。また、耐用年数を確定できない無形資産又は未だ使用可能ではない無形資産については、毎年及び減損している可能性を示す兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。

 個別の資産又は資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で測定しております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しております。

 当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成しません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定しております。

 減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に純損益に認識しております。

 過去の期間に認識した減損損失については、各報告期間末において、減損損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入れの兆候がある場合には、資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積っております。回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を上回る場合には、回収可能価額と減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却費を控除した後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻入れております。

 

(12) 売却目的で保有する資産

 継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産及び資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類し、非流動資産は減価償却又は償却を行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い金額で測定しております。

 

(13) 退職後給付

 当社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。

 当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定しております。

 割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した連結会計年度末日の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。

 確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しております。確定給付制度が積立超過である場合には、将来掛金の減額又は現金の返還という形で利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としております。

 勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、純損益として認識しております。

 確定給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。

 確定拠出型の退職給付に係る掛金は、従業員が勤務を提供した時点で費用として認識しております。

 

(14) 引当金

 引当金は、当社グループが、過去の事象の結果として現在の法的債務又は推定的債務を有しており、当該債務の決済をするために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。

 引当金として認識する金額は、各報告日における現在の債務を決済するために必要となる支出について、リスク及び不確実性を考慮に入れた最善の見積りであります。貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には、引当金の金額は、債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しております。

 

(15) 自己株式

 自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しております。

(16) 株式に基づく報酬

① 持分決済型の株式報酬制度

 持分決済型の株式報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。

 譲渡制限付株式報酬は、付与日における公正価値を測定し、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与した当社株式の公正価値を参照して測定しております。

 

② 現金決済型の株式報酬制度

 現金決済型の株式報酬制度として、株価連動型報酬受給権を採用しております。

 現金決済型の株式報酬については、支払額の公正価値として測定され、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。なお、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値を各報告日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。

 

(17) 売上収益

① 製商品の販売

 製商品の販売は、製商品を顧客に引き渡した時点で、顧客に製商品の法的所有権、物理的占有、製商品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、顧客が当該製商品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製商品の引渡時点で売上収益を認識しております。

 製商品は、販売数量や販売金額等の一定の目標の達成を条件としたリベート等を付けて販売される場合があります。その場合の取引価格は、顧客との契約において約束された対価からリベート等の見積りを控除した金額で算定しております。リベート等の見積りは過去の実績等に基づく最頻値法を用いており、売上収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。

 特に、米国におけるメディケイド、メディケア及びコマーシャル・マネージドケア・プログラムに関連したリベートに対して、期末日後に見込まれる返金に備えるため、連邦政府や州政府が行う公的医療制度に関連する法定及び契約上の割戻支払額や、医療機関や顧客との契約に基づく割戻支払額を見積っております。見積りにあたっては、各制度の対象製品を特定し、適用される製品価格、薬局や卸売業者での推定在庫量、製品の販売からリベート支払いまでのタイムラグ等に基づいて金額を見積っておりますが、これらの見積りには不確実性を伴うため、実際の発生額と異なる可能性があります。なお、当社グループは、変動対価の見積りが制限されるのかどうかの評価について、関連する契約についての過去の経験、支払ったリベートと契約条項との整合性、需要予測等合理的に起こりうる変化がもたらす影響を考慮して行っており、その制限は限定的であると判断しております。これらの割戻支払額に係る見積額は、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」に計上しております。

 製商品の販売に係る対価は、顧客へ製商品を引き渡した時点から主として1年以内に受領しております。なお、重大な金融要素は含んでおりません。

 

② ライセンス収入及びロイヤリティ収入

 ライセンス収入は、当社グループが第三者との間で締結した開発品又は製品の開発・販売権等に関するライセンス契約等に基づいて受領した契約一時金、マイルストーンによる収入であります。ライセンス契約等において、履行義務が一時点で充足される場合には、開発権・販売権等を付与した時点で契約一時金を売上収益として認識し、契約上定められたマイルストーンが達成された時点でマイルストーンによる収入を売上収益として認識しております。当社グループが第三者との間で締結した開発品の開発・販売権等に関する一部のライセンス契約等、履行義務が一定期間にわたり充足される場合には、原則として、当該対価を契約負債として計上し、履行義務の充足に関する進捗度の測定方法に従い、契約一時金、マイルストーンによる収入を予想される契約期間等の一定期間にわたり売上収益として認識しております。なお、マイルストーンによる収入は、事後に重大な戻入れが生じる可能性を考慮し、契約上定められたマイルストーンが達成された時点から売上収益として認識しており、履行義務の充足に関する進捗度は、開発協力等の個々の契約ごとに、経過期間等のアウトプットと契約で約束した残りのサービス提供期間等との比率により測定しております。

 ロイヤリティ収入は、契約相手先の売上収益等を基礎に算定されたライセンス契約等における対価であり、契約相手先の売上収益等の発生と履行義務の充足のいずれか遅い時点で、売上収益として認識しております。

 ライセンス収入及びロイヤリティ収入は、契約に基づく権利の確定時点から、主として1年以内に受領しております。なお、重大な金融要素は含んでおりません。

 

(18) 政府補助金

 補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証がある場合は、補助金収入を公正価値で測定し、認識しております。収益に関する補助金は、費用の発生と同じ連結会計年度に収益として計上しております。資産に関する補助金は、公正価値で測定される非貨幣性資産による補助金を含めて、繰延収益として認識し、それを資産の耐用年数にわたって規則的に純損益として認識しております。なお、繰延収益の取崩額は、関連費用から控除しております。

 

(19) 金融収益及び金融費用

 金融収益は、主として受取利息、受取配当金、公正価値の評価益及び為替差益で構成されております。受取利息は、実効金利法により認識しております。受取配当金は、配当を受け取る権利が確定したときに認識しております。

 金融費用は、主として、支払利息、公正価値の評価損及び為替差損で構成されております。

 

(20) 法人所得税

 法人所得税は、当期税金及び繰延税金で構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益で認識しております。

 当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額で算定しております。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定され、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいております。

 繰延税金は、決算日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。

 なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。

・のれんから生じる一時差異

・企業結合取引ではなく、取引時に、会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ、取引時に、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における一時差異

・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合

・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な範囲内に一時差異が解消されない可能性が高い場合

 繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識されます。

 繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識されます。

 当社及び一部の子会社は、グループ通算制度または連結納税制度を適用しております。

 繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日において制定され、又は実質的に制定されている法定税率及び税法に基づいて資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって算定しております。

 繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。

 当社グループは、IAS第12号「法人所得税」で定められる一時的な例外措置を適用しており、グローバル・ミニマム課税から生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債を認識しておらず、また、開示金額にも含めておりません。

 

(21) 1株当たり当期利益

 基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。

 

4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。

 連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは、以下のとおりであります。

・無形資産の減損(注記「3.重要性がある会計方針(11) 有形固定資産及び無形資産の減損」及び「13.資産の減損」)

・金融商品の公正価値(注記「32.金融商品」及び「35.企業結合」)

・繰延税金資産の回収可能性(注記「15.法人所得税」)

・確定給付制度債務の測定(注記「22.退職後給付」)

・米国における公的医療制度に関連する法定及び契約に基づくリベートの見積計上(注記「3.重要性がある会計方針(17) 売上収益」及び「20.その他の負債」)

 

5.事業セグメント

(1) 報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は持株会社として、グループ戦略の立案・決定、グループ経営のモニタリング機能を果たすとともに、グループ会社に対して、各種共通サービスの提供を行っており、事業活動は、当社傘下の子会社及び関連会社が展開しております。

 当社グループは、事業の核をヘルスケアに置いて、国内・海外で医療関連、ニュートラシューティカルズ関連、消費者関連及びその他の事業活動を展開しており、「医療関連事業」、「ニュートラシューティカルズ関連事業」、「消費者関連事業」及び「その他の事業」の4つを報告セグメントとしております。

 「医療関連事業」は、治療薬及び輸液等を生産及び販売しております。「ニュートラシューティカルズ関連事業」は、機能性飲料等、医薬部外品及び栄養補助食品等を生産及び販売しております。「消費者関連事業」は、ミネラルウォーター、嗜好性飲料及び食品等を生産及び販売しております。「その他の事業」は、商品の保管、保管場所の提供、化学薬品及び液晶評価機器・分光分析機器他を生産及び販売しております。

 

(2) 報告セグメントの変更等に関する事項

 2024年12月期からの5年間を対象とする第4次中期経営計画の開始にあたる当連結会計年度より、各セグメントの収益、費用及び利益の状況を、より一層明確にするため、従来、「その他の事業」としてきた一部の事業について、以下の変更を行っております。
 当該変更は、第4次中期経営計画の策定を契機に、第3次中期経営計画のもとで推進してきたグループ会社間のシナジー効果増加・協業深化に伴いセグメント間取引が増加してきたことから、従来、「その他の事業」としてきた一部の事業について、他のセグメントに直接関連する活動となっている実態をより適切に反映するため、セグメント区分の見直しを行い、収益及び費用を適切に各セグメントに帰属させることを目的にしたものです。

・ 大塚倉庫㈱のグループ会社向け倉庫・運送事業を分離し、各セグメントへ含める方法へ変更

・ 大塚化学㈱他3社の医薬品原末及び中間体を扱うファインケミカル事業を分離し、医療セグメントへ含める方法へ変更

・ 大塚テクノ㈱他2社及び大塚包装工業㈱のグループ会社向け医療用容器・包装の損益を分離し、医療セグメントへ含める方法へ変更

 なお、(3) 報告セグメントの売上収益及び業績の前連結会計年度については、変更後の報告セグメントの内容に組替えた数値を記載しております。

 

(3) 報告セグメントの売上収益及び業績

 当社グループの報告セグメントごとの売上収益及び業績は、以下のとおりであります。

 報告セグメントの利益は、営業利益に基づく数値であります。

 セグメント間の内部売上収益及び振替高は市場実勢価格に基づいて算定した合理的な内部振替価格によっております。

 

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結

 

医療関連

事業

ニュートラシューティカルズ関連事業

消費者

関連事業

その他の

事業

合計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

1,391,155

483,325

37,066

107,020

2,018,568

2,018,568

セグメント間の内部売上収益又は振替高

138

14

3,190

3,343

3,343

1,391,155

483,463

37,081

110,211

2,021,912

3,343

2,018,568

セグメント利益

143,654

34,243

12,136

278

190,313

50,700

139,612

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

66,085

17,837

2,409

5,694

92,026

5,750

97,777

持分法による投資利益(△は損失)

808

1,256

20,937

1,027

20,358

6

20,365

減損損失

138,290

26,065

4,604

3,438

172,398

21

172,419

資本的支出(注)2

83,586

105,808

3,751

5,390

198,536

12,451

210,988

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結

 

医療関連

事業

ニュートラシューティカルズ関連事業

消費者

関連事業

その他の

事業

合計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

1,629,032

557,006

33,752

110,070

2,329,861

2,329,861

セグメント間の内部売上収益又は振替高

37

7

3,586

3,631

3,631

1,629,032

557,043

33,760

113,657

2,333,493

3,631

2,329,861

セグメント利益

285,108

59,776

22,998

7,525

375,410

51,846

323,564

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

72,810

20,730

2,091

5,836

101,468

6,510

107,979

持分法による投資利益(△は損失)

4,512

1,273

26,220

1,607

33,614

33,614

減損損失

119,682

5,735

454

121

125,993

47

126,040

資本的支出(注)2

252,004

54,170

3,606

7,659

317,441

9,883

327,325

(注)1.調整額の内容は、以下のとおりであります。

① セグメント利益

セグメント利益の調整額の内容は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

セグメント間取引消去

△628

△530

全社費用 ※

△51,657

△55,819

その他の収益

1,584

4,504

合計

△50,700

△51,846

※ 全社費用は、主に当社及び一部の子会社の本社等の間接部門に係る費用であります。

 

② その他の項目

減価償却費及び償却費、減損損失

減価償却費及び償却費、減損損失の調整額の内容は、当社及び一部の子会社の本社等の全社資産としての有形固定資産及び無形資産に係るものであります。

 

③ 資本的支出

資本的支出の調整額の内容は、当社及び一部の子会社の本社・研究所等の全社資産に係る設備投資額であります。

 

2.資本的支出は、有形固定資産、のれん及び無形資産の増加額であります。

 

(4) 製品及びサービスに関する情報

 主要な製品及びサービスごとの外部顧客への売上収益は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

(医療関連事業)

 

 

レキサルティ

212,509

267,441

ロンサーフ

80,105

104,394

エビリファイメンテナ/エビリファイアシムトファイ

202,464

237,911

サムスカ

48,230

40,226

ジンアーク

183,541

241,176

臨床栄養

135,192

151,747

(ニュートラシューティカルズ関連事業)

 

 

気候及び環境リスク (注)1

183,578

198,580

女性の健康 (注)2

37,179

56,613

ヘルシアーライフ (注)3

183,862

219,332

 当連結会計年度において、新たなカテゴリーとして「気候及び環境リスク」「女性の健康」「ヘルシアーライフ」を定義し、各製品を再分類する区分変更を行いました。この表示方法の変更は、2024年度から開始した第4次中期経営計画において、「地球環境」「女性の健康」「少子高齢社会」という3つの社会課題に注力し、新たなカテゴリーを導入したことによるものです。なお、前連結会計年度については、変更後の内容に組替えた数値を記載しております。

(注)1.気候及び環境リスクは、ポカリスエット、OS-1、デイヤ、ニュートリション エ サンテ社ブランドに係るものであります。

2.女性の健康は、エクエル、ボナファイド、ユコラ、インナーシグナル、サクラエに係るものであります。

3.ヘルシアーライフは、ネイチャーメイド、メガフード、カロリーメイトに係るものであります。

 

 

(5) 地域別に関する情報

 外部顧客への売上収益

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

日本

670,850

699,709

北米

873,376

1,095,110

欧州

218,667

242,882

その他

255,673

292,158

合計

2,018,568

2,329,861

(注)1.売上収益は顧客の所在地によっております。

2.北米のうち、米国における前連結会計年度及び当連結会計年度の売上収益は、それぞれ851,355百万円及び1,068,709百万円であります。

 

 非流動資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

日本

497,493

521,272

北米

725,853

881,796

欧州

126,243

134,068

その他

80,159

96,083

合計

1,429,750

1,633,221

(注)1.非流動資産は、資産の所在地によっております。

2.持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、繰延税金資産及びその他の非流動資産(長期前払費用を除く)を含んでおりません。

3.非流動資産に含まれるのれんは、投資先の所在地によっております。

4.北米のうち、米国における前連結会計年度及び当連結会計年度の非流動資産は、それぞれ685,926百万円及び849,702百万円であります。

 

(6) 主要な顧客に関する情報

 当社グループの売上収益の10%を超える単一の外部顧客との取引による売上収益がないため、記載を省略しております。

 

6.現金及び現金同等物

 現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

現金及び現金同等物

 

 

現金及び預入期間が3カ月以内銀行預金

503,418

409,136

償還期日が3カ月以内に到来する短期投資

9,923

17,037

現金及び現金同等物計

513,341

426,173

 

7.売上債権及びその他の債権

 売上債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

受取手形及び売掛金

467,421

508,610

未収入金

10,541

12,260

貸倒引当金

△3,875

△5,580

差引計

474,086

515,289

 売上債権及びその他の債権に含まれている、借入金等に係る担保提供資産の金額は、前連結会計年度は266百万円(当連結会計年度は該当なし)であります。

 

8.棚卸資産

 棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

商品及び製品

124,342

136,704

仕掛品

46,408

62,518

原材料

73,544

92,829

貯蔵品

5,285

6,238

合計

249,581

298,292

うち、12カ月を超えて販売される予定の棚卸資産

99

218

 棚卸資産の取得原価のうち、費用として認識されている金額は、前連結会計年度は601,589百万円、当連結会計年度は649,231百万円であります。

 棚卸資産に含まれている、借入金等に係る担保提供資産の金額は、前連結会計年度は581百万円(当連結会計年度は該当なし)であります。

 費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

評価減の金額

9,125

9,665

 

9.その他の金融資産

 その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

償却原価で測定する金融資産

 

 

定期預金

13,736

30,282

敷金/保証金

5,921

6,360

その他

2,485

2,664

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

資本性金融商品

18,844

25,759

負債性金融商品

87

3,618

デリバティブ資産

873

6

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

資本性金融商品

172,001

169,485

合計

213,949

238,178

その他の金融資産(流動)

16,062

31,905

その他の金融資産(非流動)

197,887

206,272

 

10.その他の資産

 その他の資産の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

前払費用

46,356

87,736

退職給付に係る資産

7,630

10,640

その他

15,918

16,671

合計

69,905

115,048

流動資産合計

(その他の流動資産)

54,113

91,780

非流動資産合計

(その他の非流動資産)

15,792

23,267

 

11.有形固定資産

 有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。

(1) 取得原価

(単位:百万円)

 

建物

及び構築物

機械装置

及び運搬具

工具器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年1月1日残高

581,417

504,452

129,626

94,995

30,544

1,341,037

取得

20,564

14,046

8,069

2,646

62,745

108,071

企業結合

144

1

5

150

処分

△12,409

△20,256

△6,442

△267

△62

△39,438

振替

13,674

14,408

2,374

93

△32,883

△2,332

為替換算差額

11,794

14,095

1,674

745

898

29,208

その他

△4,139

△304

△507

143

622

△4,185

2023年12月31日残高

611,046

526,442

134,800

98,356

61,865

1,432,512

取得

27,229

16,839

10,094

1,175

66,665

122,004

企業結合

4,188

439

37

4,665

処分

△15,031

△20,587

△7,253

△359

△1

△43,233

振替

15,613

20,778

2,750

363

△41,880

△2,374

為替換算差額

15,919

17,367

1,528

909

4,194

39,920

その他

485

273

239

248

980

2,227

2024年12月31日残高

659,452

561,553

142,198

100,693

91,824

1,555,721

 

(2) 減価償却累計額及び減損損失累計額

(単位:百万円)

 

建物

及び構築物

機械装置

及び運搬具

工具器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年1月1日残高

△342,731

△372,463

△105,907

△8,400

△860

△830,362

減価償却費

△30,611

△24,611

△9,765

△319

△65,307

減損損失

△4,398

△2,859

△72

△104

△963

△8,398

処分

11,143

18,666

6,366

149

1

36,326

為替換算差額

△5,630

△9,324

△1,375

△1

△13

△16,345

その他

3,552

799

580

1

4,933

2023年12月31日残高

368,676

389,792

110,173

8,677

1,834

879,153

減価償却費

△32,296

△26,667

△10,377

△359

△69,700

減損損失

△795

△1,727

△92

△124

△1,334

△4,074

処分

14,225

19,226

7,132

310

40,895

為替換算差額

△8,650

△12,432

△1,181

△4

△88

△22,356

その他

8,513

△1,001

△285

△13

7,213

2024年12月31日残高

387,679

412,394

114,977

8,854

3,271

927,177

 

(3) 帳簿価額

(単位:百万円)

 

建物

及び構築物

機械装置

及び運搬具

工具器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年1月1日残高

238,686

131,989

23,719

86,595

29,684

510,674

2023年12月31日残高

242,370

136,650

24,626

89,679

60,031

553,358

2024年12月31日残高

271,772

149,159

27,220

91,838

88,553

628,544

(注)1.建設中の有形固定資産項目に関する金額は、上記の中で、建設仮勘定の科目により表示しております。

2.有形固定資産の各項目に関する金額は、使用権資産の金額を含めて表示しております。

3.前連結会計年度及び当連結会計年度の固定資産売却益、固定資産売却損及び固定資産除却損については、注記「26.その他の収益」及び「27.その他の費用」をご参照ください。

4.減損損失の内容については、注記「13.資産の減損」をご参照ください。

5.有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、注記「38.コミットメント」をご参照ください。

6.有形固定資産の取得原価に含めた重要な借入費用はありません。

 

(4) 担保提供資産

 各有形固定資産に含まれている、借入金等に係る担保提供資産の帳簿価額は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

建物

及び構築物

機械装置

及び運搬具

土地

合計

2023年1月1日残高

206

1,376

379

1,963

2023年12月31日残高

199

1,454

397

2,051

2024年12月31日残高

179

1,681

388

2,249

 

(5) 使用権資産

 各有形固定資産に含まれている使用権資産の帳簿価額は、注記「19.リース」をご参照ください。

 

12.のれん及び無形資産

 のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりであります。

(1) 取得原価

(単位:百万円)

 

 

のれん

無形資産

仕掛研究開発

商標権及び

販売権等

ソフトウエア

その他

2023年1月1日残高

342,208

404,425

328,284

69,323

56,681

858,715

取得

13,436

8,451

7,988

656

30,533

企業結合

37,427

7,963

22,828

4,015

34,807

処分

△824

△7

△2,903

△96

△3,832

振替

△67,769

67,769

245

245

売却目的で保有する資産へ振替

△4

△4

為替換算差額

22,776

16,218

18,644

2,500

3,011

40,375

その他

42

△3

39

2023年12月31日残高

402,411

373,449

445,970

77,194

64,266

960,881

取得

18,419

2,692

8,862

1,407

31,381

企業結合

26,834

133,594

6,203

139,798

処分

△219,490

△37,170

△1,665

△2,612

△260,939

振替

△3,517

3,514

△53

53

△3

為替換算差額

43,943

33,453

30,273

3,676

3,145

70,549

その他

5

△0

△16

△54

△66

2024年12月31日残高

473,189

335,915

445,279

87,996

72,409

941,601

 

(2) 償却累計額及び減損損失累計額

(単位:百万円)

 

 

のれん

無形資産

仕掛研究開発

商標権及び

販売権等

ソフトウエア

その他

2023年1月1日残高

△6,765

△18,524

△191,235

△49,926

△19,243

△278,928

償却費

△22,083

△6,226

△4,216

△32,526

減損損失

△16,141

△133,311

△4,861

△4

△9,643

△147,821

処分

709

6

2,667

6

3,390

為替換算差額

△455

△2,058

△8,891

△1,933

△978

△13,861

その他

△163

3

△160

2023年12月31日残高

23,362

153,184

227,066

55,587

34,072

469,909

償却費

△26,911

△6,910

△4,518

△38,340

減損損失

△109,419

△1,661

△306

△10,226

△121,613

処分

219,490

37,170

1,387

2,611

260,659

為替換算差額

△362

△9,401

△14,831

△2,727

△1,261

△28,223

その他

△0

109

△36

73

2024年12月31日残高

23,725

52,515

233,300

64,034

47,502

397,353

 

(3) 帳簿価額

(単位:百万円)

 

 

のれん

無形資産

仕掛研究開発

商標権及び

販売権等

ソフトウエア

その他

2023年1月1日残高

335,442

385,901

137,049

19,397

37,438

579,786

2023年12月31日残高

379,048

220,265

218,904

21,606

30,194

490,971

2024年12月31日残高

449,464

283,399

211,979

23,961

24,907

544,247

(注)1.無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。

2.減損損失の内容については、注記「13.資産の減損」をご参照ください。

3.無形資産の取得に関するコミットメントについては、注記「38.コミットメント」をご参照ください。

4.無形資産の取得原価に含めた重要な借入費用はありません。

 

(4) 担保提供資産

 該当事項はありません。

 

(5) 個別に重要な無形資産

 連結財政状態計算書に計上されている前連結会計年度の主な無形資産は、2015年に実施されたアバニアファーマシューティカルズ Inc.の買収に伴い認識されたAVP-786の研究開発に係る権利であり、前連結会計年度の帳簿価額は96,153百万円であります。なお、AVP-786につきましては、前連結会計年度及び当連結会計年度に減損を計上しております。詳細につきましては注記「13.資産の減損」に記載しております。

 連結財政状態計算書に計上されている当連結会計年度の主な無形資産は、ジュナナ社の買収に伴い認識されたJNT-517の研究開発に係る権利であり、帳簿価額は147,098百万円であります。

 

13.資産の減損

(1) 減損損失

 当社グループは、減損損失の算定にあたって概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位を基礎としてグルーピングを行っております。

 減損損失は、連結損益計算書の「減損損失」として計上しております。また、減損損失の戻入益は、「その他の収益」に計上しております。

 減損損失及び減損損失の戻入益のセグメント別内訳は、以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

医療関連事業

138,290

119,682

ニュートラシューティカルズ関連事業

26,065

5,735

消費者関連事業

4,604

454

その他の事業

3,438

121

全社

21

47

合計

172,419

126,040

 

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 前連結会計年度に認識した医療関連事業における減損損失138,290百万円は、有形固定資産に係る減損損失2,592百万円、無形資産に係る減損損失135,698百万円であり、主に、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーションの治療を目的として開発中のAVP-786の減損損失105,495百万円、及び住友ファーマ株式会社との共同開発及び販売に関するライセンス契約締結に基づき計上した無形資産に係る減損損失23,106百万円であります。

 AVP-786については、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーションを対象としたフェーズⅢ試験(305試験)で、主要評価項目が未達となった結果を受けて、当初の想定していた承認申請時期より遅延すること及び上市できる確率が低下したため、無形資産(仕掛研究開発)の再評価を行い、帳簿価額を使用価値である回収可能額まで減額し、減損損失105,495百万円を計上しております。使用価値の算定には、税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率(10.6%)を使用しております。

 住友ファーマ株式会社との共同開発及び販売に関するライセンス契約締結に基づき計上した無形資産については、ウロタロントの急性期における統合失調症患者を対象としたDIAMOND1試験及びDIAMOND2試験(フェーズⅢ試験)の両試験において主要評価項目未達となった結果を受けて、当初の想定していた承認申請時期より遅延することが確定したため、無形資産(仕掛研究開発)の再評価を行い、帳簿価額を使用価値である回収可能額まで減額し、減損損失23,106百万円を計上しております。使用価値の算定には、税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率(12.3%)を使用しております。

 ニュートラシューティカルズ関連事業においては、主に、北米でプラントベース食品を開発、製造販売するデイヤフーズ社において、北米の乳代替チーズ市場の競合環境激化等の影響により収益性が低下したため、デイヤフーズ社に係る資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失24,828百万円(うち、のれん12,707百万円、商標権及び販売権等2,477百万円、その他の無形資産9,643百万円)を計上しております。回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値により測定しております。処分コスト控除後の公正価値は、主にインカムアプローチの結果を勘案して算定したものであり、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され経営者によって承認された事業計画を基礎とした10年間の将来キャッシュ・フローの見積額を税引前加重平均資本コスト12.8%で現在価値に割引いて算定しております。なお、計画期間後のキャッシュ・フローの見積りにおける成長率は3.0%を用いております。当該公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 当連結会計年度に認識した医療関連事業における減損損失119,682百万円は、有形固定資産に係る減損損失3,569百万円、無形資産に係る減損損失116,112百万円であり、主にAVP-786の減損損失102,839百万円とデジタルメディスン関連資産の減損損失11,119百万円であります。

 AVP-786については、2024年2月に終了したフェーズⅢ試験(305試験)の結果を詳細に解析し、総合的に検討した結果、本剤の開発を中止することを決定し、仕掛研究開発の帳簿価額を使用価値である回収可能価額ゼロまで減額したものであります。

 デジタルメディスン関連資産については、米国での「エビリファイ マイサイト」の販売終了の意思決定等の影響により収益性が低下したため、事業に関連する有形固定資産のほぼすべて(建物及び構築物、機械装置及び運搬具、工具器具及び備品、建設仮勘定)及び無形資産(仕掛研究開発、商標権及び販売権等、その他無形資産)の帳簿価額を使用価値である回収可能価額ゼロまで減額し、減損損失11,119百万円(うち、建物及び構築物168百万円、機械装置及び運搬具698百万円、工具器具及び備品0百万円、建設仮勘定1,012百万円、仕掛研究開発2,837百万円、商標権及び販売権等565百万円、その他無形資産5,836百万円)を計上しております。

 

(2) のれんの減損テスト

 当社は、原則として、のれんを配分する資金生成単位を企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位としております。

 のれんの帳簿価額のセグメント別及び主要な資金生成単位別内訳は、以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

医療関連事業

296,302

359,874

 うち 治療薬・臨床栄養製品

280,130

344,199

 うち その他

16,171

15,674

ニュートラシューティカルズ関連事業

80,183

86,958

消費者関連事業

605

675

その他の事業

1,957

1,957

合計

379,048

449,464

 

 当社グループは、主要なのれんについて、毎期又は減損の兆候がある場合には随時、以下のとおり減損テストを実施しております。

 

治療薬・臨床栄養製品

 治療薬・輸液事業に配分したのれんは、主に米国のアバニアファーマシューティカルズ Inc.、アステックスファーマシューティカルズ Inc.、ビステラ Inc. 及びジュナナ Inc.等の買収に伴い発生したものであり、その帳簿価額は344,199百万円(前連結会計年度280,130百万円)です。

 

 減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。使用価値は、過去の経験及び外部からの情報を反映し、規制当局からの販売承認取得の可能性(成功確率)や上市後の販売予測や市場シェア等を加味した、経営者が承認した今後5年分の事業計画を基礎としたキャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いて算定しております。割引率は、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを使用しており、10.0%(前連結会計年度11.9%)です 。なお、事業計画の予測期間を超えた後は、将来の不確実性を考慮し、成長率を0%として事業計画の最終年度のキャッシュ・フロー金額と同額で推移すると仮定しております。

 減損テストに使用した主要な仮定が変更された場合には減損が発生するリスクがありますが、使用価値は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。

 

(3) 仕掛研究開発の減損テスト

 仕掛研究開発は、未だ使用可能ではない無形資産として、毎期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。

 使用価値は、過去の経験及び外部からの情報を反映し、経営者が承認した事業計画を基礎としたキャッシュ・フロー見積額を現在価値に割引いて算定しております。割引率は、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを使用しております。

使用価値の測定には、規制当局からの販売承認取得の可能性(成功確率)や上市後の販売予測や市場シェア等を加味しており、これらの見積に使用した仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、環境変化の激しい医療市場においては不確実性を伴うため、開発の遅延・中止や競合品の上市等により、前提とした状況が変化すれば使用価値の算定結果が異なる可能性があります。

 当連結会計年度の仕掛研究開発は、主としてJNT-517の研究開発に係る権利であり、その帳簿価額は、147,098百万円、割引率12.1%であります。

 

14.持分法で会計処理されている投資

(1) 重要性のある関連会社

 該当事項はありません。

 

(2) 個々に重要性のない関連会社

 個々に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

持分法で会計処理されている投資の帳簿価額

278,562

314,780

 

 個々に重要性のない関連会社に関する財務情報は、以下のとおりであります。

 なお、これらの金額は、グループの持分比率勘案後のものであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

当期利益

20,365

33,614

その他の包括利益

22,872

17,789

当期包括利益

43,237

51,403

 

15.法人所得税

(1) 繰延税金

 連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

繰延税金資産

118,825

205,700

繰延税金負債

△27,170

△28,801

純額

91,655

176,898

 

 繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2023年
1月1日残高

純損益を
通じて認識

その他の包括
利益において
認識

企業結合

その他

2023年
12月31日残高

棚卸資産

37,100

17,692

2,518

57,311

有価証券等

△25,353

△13

△2,358

12

△27,712

無形資産

△71,434

75,982

△2,110

△3,584

△1,147

退職後給付

2,149

△66

△570

245

1,758

未払費用及びその他の負債

44,186

△12,491

△231

31,463

契約負債

17,622

△2,309

15,313

繰越欠損金

4,115

△14

1,941

6,042

繰越税額控除

24,271

△13,323

1,241

12,190

その他

△8,788

6,776

△7

△1,546

△3,565

合計

23,871

72,232

△2,935

△2,110

597

91,655

 

 

(単位:百万円)

 

2024年
1月1日残高

純損益を
通じて認識

その他の包括
利益において
認識

企業結合

その他

2024年
12月31日残高

棚卸資産

57,311

△7,701

6,448

56,057

有価証券等

△27,712

45

1,964

△79

△25,781

無形資産

△1,147

53,430

△24,633

△2,625

25,024

退職後給付

1,758

△264

△2,751

1,089

△168

未払費用及びその他の負債

31,463

2,865

94

2,148

36,572

契約負債

15,313

△3,265

12,047

繰越欠損金

6,042

26,805

4,064

1,963

38,876

繰越税額控除

12,190

15,466

3,595

1,975

33,226

その他

△3,565

4,404

6

△640

837

1,042

合計

91,655

91,785

△780

△17,519

11,757

176,898

 

 繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、繰延税金負債の取り崩し、予測される将来課税所得及びタックス・プランニングを考慮しており、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の見込みに基づき、帳簿価額を毎期見直しており、当連結会計年度末に認識した繰延税金資産は回収可能性が高いものと判断しております。

 将来課税所得及びタックス・プランニングは、当社グループの事業計画を基礎として見積もられており、事業計画に含まれる売上収益等の予測と異なる結果が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(2) 未認識の繰延税金資産

 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

将来減算一時差異

442,521

514,549

繰越欠損金

41,686

66,311

繰越税額控除

6,498

12,699

合計

490,705

593,560

 

 上記項目に係る繰延税金資産は、予測可能な将来に一時差異が解消する可能性が低い、又は当社グループがその便益を利用するために必要となる将来の課税所得が発生する可能性が高くないため認識しておりません。将来減算一時差異は、現行の税法上は失効することはありません。

 

 繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

1年内

2,224

3,298

1年超5年内

8,565

9,710

5年超

30,896

53,302

合計

41,686

66,311

 

(3) 繰延税金負債を認識していない将来加算一時差異

 未認識の繰延税金負債は、次のとおりであります。当社が一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内での一時差異が解消しない可能性が高い場合には、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識しておりません。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

当社が予測可能な将来において配当を行わないと決定したため、繰延税金負債を認識していない子会社及び関連会社に対する投資に関連した一時差異

1,714,507

2,194,360

 

(4) 法人所得税費用

 日本における、前連結会計年度及び当連結会計年度の実効税率は、約30.6%であります。他の納税管轄地における税額は、それぞれの管轄地において一般的な税率をもって計算しております。当期税金費用及び繰延税金費用の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

当期税金費用:

 

 

当期法人所得税

90,504

79,176

過年度法人所得税

△1,115

1,191

当期税金費用 計

89,388

80,368

繰延税金費用:

 

 

一時差異等の発生及び解消

△69,965

△98,136

未認識の繰延税金資産の増減

△2,267

6,350

繰延税金費用 計

△72,232

△91,785

法人所得税費用 合計

17,155

△11,417

 

(注)当社が所在する日本では、令和5年度税制改正によりBEPSのグローバル・ミニマム課税ルールのうち所得合算ルール(IIR)が導入されており、2024年度4月1日以後開始事業年度から子会社等の税負担が最低(15%)に至るまで、当社に対して追加で上乗せ課税が適用されます。また、当社グループが事業活動を行う一部の国又は地域においては、グローバル・ミニマム課税ルールが制定又は実質的に制定されており、一部の子会社では当連結会計年度から適用されております。

当社グループにおいては、連結子会社アステックスセラピューティクス Ltd.が事業活動を行っている英国における第2の柱の実効税率が11.6%となっており、当連結会計年度において1,584百万円の第2の柱の法人所得税を当期税金費用に計上しております。

また、当社グループにおける第2の柱の法人所得税に対する潜在的なエクスポージャーを評価した結果、上記を除き重要な影響はないと判断しております。

なお、当社グループは、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び負債について、IAS第12号「法人所得税」が要求する一時的な例外規定を適用しており、認識及び開示を行っておりません。

 

 各年度の法定実効税率と実際負担税率との調整は、以下のとおりであります。実際負担税率は、税引前当期利益に対する法人所得税の負担割合を表示しております。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

法定実効税率

30.6%

30.6%

研究開発費特別控除

△21.7%

△8.3%

交際費損金不算入額

0.9%

0.4%

ファーマフィー損金不算入額

0.6%

0.0%

のれん減損損失

3.1%

持分法投資利益

△2.8%

△2.2%

未認識の繰延税金資産の増減

△1.6%

1.9%

子会社の適用税率との差異

4.2%

△3.5%

米国子会社における税務調整(注)

△24.6%

その他

△1.3%

2.3%

実際負担税率

12.0%

△3.4%

(注)AVP786の開発中止に伴い、米国で連結納税を行っている当社の連結子会社であるアメリカの持株会社において、子会社であるアバニア社への投資に対する評価損が米国税制上の損金算入要件を満たしたことにより、法人所得税費用が減少しました。

 

16.仕入債務及びその他の債務

 仕入債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

買掛金及び支払手形

117,758

126,426

未払金

87,935

92,875

その他

675

695

合計

206,369

219,996

 

17.社債及び借入金

 社債及び借入金の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

平均利率

(注)1

返済期限

(担保付)

 

 

 

 

短期借入金

746

645

3.1%

1年以内返済予定長期借入金

19

2

5.1%

長期借入金

(1年以内返済予定を除く)

2

-%

(無担保)

 

 

 

 

短期借入金

43,672

5,429

4.3%

1年以内返済予定長期借入金

4,989

1,273

1.0%

長期借入金

(1年以内返済予定を除く)

9,281

7,412

0.5%

2026年~2033年

社債

79,913

79,863

(注)3

2026年~2034年

合計

138,625

94,626

社債及び借入金

(流動)

69,425

7,350

社債及び借入金

(非流動)

69,200

87,275

(注)1.平均利率については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。

2.長期借入金の返済期日到来予定期別内訳、その公正価値については注記「32.金融商品」をご参照ください。

3.社債の発行条件の要約は、以下のとおりであります。

会社名

銘柄

発行

年月日

前連結会計年度

(2023年12月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

(百万円)

利率

(%)

担保

償還期限

大塚ホールディングス㈱

第1回

無担保社債

2019年

3月7日

19,998

(19,998)

(-)

0.120

なし

2024年

3月7日

大塚ホールディングス㈱

第2回

無担保社債

2019年

3月7日

29,970

(-)

29,983

(-)

0.260

なし

2026年

3月6日

大塚ホールディングス㈱

第3回

無担保社債

2019年

3月7日

29,945

(-)

29,956

(-)

0.375

なし

2029年

3月7日

大塚ホールディングス㈱

第4回

無担保社債

2024年

9月20日

(-)

9,962

(-)

0.911

なし

2031年

9月19日

大塚ホールディングス㈱

第5回

無担保社債

2024年

9月20日

(-)

9,960

(-)

1.219

なし

2034年

9月20日

 

合計

 

79,913

(19,998)

79,863

(-)

(注)(  )内書は、1年内償還予定の金額であります。

 

18.その他の金融負債

 その他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

償却原価で測定する金融負債

 

 

その他

564

583

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

デリバティブ負債

4,387

条件付対価

16,210

52,544

合計

16,774

57,515

その他の金融負債(流動)

4,387

その他の金融負債(非流動)

16,774

53,127

 

19.リース

 「有形固定資産」は、投資不動産の定義を満たさない自己所有の有形固定資産及び使用権資産から構成されます。使用権資産は、連結財政状態計算書の「有形固定資産」に含めて表示しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

自己所有の有形固定資産

486,050

542,303

使用権資産

67,308

86,241

合計

553,358

628,544

(注)有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額については、注記「11.有形固定資産」をご参照ください。

 

(1) 使用権資産

 当社グループが借手となるリース情報は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

帳簿価額

建物

及び構築物

機械装置

及び運搬具

工具器具

及び備品

土地

合計

2023年1月1日残高

60,874

6,037

2,624

1,428

70,964

取得

15,032

3,755

1,145

2,042

21,975

減価償却費

△15,839

△2,887

△1,208

△319

△20,254

その他

△5,421

48

△8

5

△5,376

2023年12月31日残高

54,645

6,954

2,552

3,156

67,308

取得

18,056

6,936

1,560

105

26,659

企業結合

4,168

4,168

減価償却費

△16,827

△3,666

△1,172

△359

△22,025

その他

10,288

△232

△0

75

10,131

2024年12月31日残高

70,331

9,992

2,939

2,977

86,241

 

 

建物及び構築物

 建物及び構築物は、主にプラント工場、オフィスビル及び倉庫のリースであります。

機械装置及び運搬具

 機械装置及び運搬具は、主に車両リースであります。

工具器具及び備品

 工具器具及び備品は、主に自動販売機及びIT機器のリースであります。

土地

 土地は、主に工場土地のリースであります。

(注)見積耐用年数は、注記「3.重要性がある会計方針(10) リース」に記載しております。

 

(2) リース負債

 当社グループのリース負債の満期分析(契約上の割引前キャッシュ・フロー)は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

1年以内

20,293

23,231

1年超2年以内

14,793

18,199

2年超3年以内

9,934

13,150

3年超4年以内

7,344

11,128

4年超5年以内

6,180

9,201

5年超

25,104

30,649

契約上のキャッシュ・フロー

83,651

105,560

連結財政状態計算書に計上されたリース負債の
期末残高

75,563

94,758

流動負債

18,847

21,146

非流動負債

56,715

73,612

 

(3) 純損益に認識された金額

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

  至 2023年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

リース負債に係る金利費用

1,805

2,141

短期リースに係る費用

6,247

7,134

 

(4) キャッシュ・フロー計算書で認識された金額

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

  至 2023年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額

28,598

32,245

 

20.その他の負債

 その他の負債の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

未払費用

240,859

266,058

諸預り金

11,722

12,776

従業員賞与

37,546

43,765

その他

36,434

45,064

合計

326,562

367,665

流動負債合計

(その他の流動負債)

302,410

335,338

非流動負債合計

(その他の非流動負債)

24,152

32,327

(注)注記「3.重要性がある会計方針(17) 売上収益」に記載のとおり、上記の未払費用には、米国におけるメディケイド、メディケア及びコマーシャル・マネージドケア・プログラムに関連した割戻支払額に係る見積額83,808百万円(前連結会計年度75,568百万円)が含まれております。

 

21.引当金

 引当金の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

資産除去債務引当金

2,246

3,760

その他の引当金

925

1,247

合計

3,172

5,008

流動負債

919

1,242

非流動負債

2,252

3,766

 

 引当金の内訳及び増減は、以下のとおりであります。

 

 前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

資産除去債務引当金

その他の引当金

合計

2023年1月1日残高

1,501

769

2,271

期中増加額

694

177

872

時の経過による割引の戻し

37

37

期中減少額(目的使用)

△19

△21

△40

期中減少額(戻入)

△3

△3

為替換算差額等

36

36

2023年12月31日残高

2,246

925

3,172

 

 当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

(単位:百万円)

 

資産除去債務引当金

その他の引当金

合計

2024年1月1日残高

2,246

925

3,172

期中増加額

1,176

451

1,627

時の経過による割引の戻し

212

212

期中減少額(目的使用)

△0

△129

△130

期中減少額(戻入)

△12

△12

為替換算差額等

139

139

2024年12月31日残高

3,760

1,247

5,008

 

 引当金の内容は、以下のとおりであります。

資産除去債務引当金

 当社グループは、固定資産に関連する有害物質の除去費用見込額及び賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借事務所等の原状回復費用見込額について、資産除去債務引当金を計上しております。

 経済的便益が流出する時期は、主に各連結会計年度末日より1年を経過した後の時期であると見込んでおります。

 

22.退職後給付

 当社グループは、退職後給付制度として、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。

 主要な国内子会社は、確定給付制度として、積立型の確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けています。また、確定拠出制度として、確定拠出年金制度を設けています。

 一部の海外子会社については、積立型、非積立型の確定給付型制度又は確定拠出型制度、もしくはそれらを併用した制度を採用しています。

 確定給付制度のうち主なものは、日本の確定給付制度であり、全体の確定給付制度債務の約90%を占めています。なお、当連結会計年度において国内の一部の子会社で早期退職制度の廃止が行われております。

 年金及び一時金以外の退職後の給付はありません。

 確定給付制度の会計方針については、注記「3.重要性がある会計方針(13) 退職後給付」をご参照ください。

 なお、確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率等の見積りが含まれております。これらの前提条件は、将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、それらの仮定と異なる結果が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、退職給付に係る負債及びその他の非流動資産に含まれる退職給付に係る資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

(1) 確定給付制度

 当社及び主要な国内子会社の確定給付型制度における給付は、勤続年数、勤続期間の給与、役職その他の要素に基づいて退職金支給額が計算されます。また、退職する従業員の加入期間が一定以上の場合、従業員の選択により一時払いあるいは年金として支給されます。なお、従業員の退職等に際して、確定給付制度の対象とされない割増退職金を支払う場合があります。

 確定給付企業年金制度は、大塚製薬企業年金基金によって管理されています。この年金基金の理事及び年金運用受託機関は、制度加入者及び加入者であった者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っています。

 確定給付型の退職給付制度は、一般的な投資リスク、利率リスク等に晒されていますが、重要性はないものと考えています。

 

 連結財政状態計算書で認識した金額は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

確定給付制度債務の現在価値

233,719

219,782

制度資産の公正価値

△303,409

△331,603

積立状況

△69,689

△111,821

アセット・シーリングの影響

78,616

113,745

確定給付制度債務及び資産の純額

8,926

1,924

連結財政状態計算書上の金額

 

 

退職給付に係る負債

16,557

12,564

退職給付に係る資産(その他の非流動資産)

△7,630

△10,640

連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る
負債と資産の純額

8,926

1,924

 

 確定給付制度債務の現在価値の変動は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

確定給付制度債務の期首残高

231,928

233,719

当期勤務費用

8,104

7,991

利息費用

4,492

4,723

再測定

 

 

退職給付債務の仮定と実績の差額

1,959

△1,992

人口統計上の仮定の変化による数理計算上の差異

42

△4

財務上の仮定の変化による数理計算上の差異

△1,633

△11,683

退職給付の支払額

△13,068

△13,353

縮小・清算

5

△2,415

為替換算差額

1,972

2,782

その他

△82

15

確定給付制度債務の期末残高

233,719

219,782

 

 制度資産の公正価値の変動は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

制度資産の公正価値期首残高

274,214

303,409

制度資産に係る利息収益

5,288

5,213

再測定

 

 

制度資産に係る収益(利息収益を除く)

26,917

25,920

事業主による拠出

6,890

7,283

退職給付の支払額

△11,274

△12,362

縮小・清算

29

41

為替換算差額

1,343

2,098

その他

△0

△1

制度資産の公正価値期末残高

303,409

331,603

 当社グループは、翌連結会計年度に6,922百万円の掛金を拠出する予定であります。

 

制度資産の運用方針

 当社グループの主要な制度に係る資産運用方針は、将来にわたる確定給付制度債務の支払を確実に行うために、中長期的に安定的な収益を確保することを目的としています。具体的には、毎年度定める許容リスクの範囲内で目標収益率及び投資資産別の資産構成割合を設定し、その割合を維持することにより運用を行います。

 資産構成割合の見直しは、確定給付型年金制度の財政状況や運用環境を勘案しながら、必要に応じて検討を行っています。

 また、各資産の運用を実行する際にも、アセット・マネージャーに係わるリスク分散に留意し、継続的なモニタリングを通じて、運用面の効率化を追求することとしています。

 

 制度資産の公正価値は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

活発な市場

での市場価格

があるもの

活発な市場

での市場価格

がないもの

活発な市場

での市場価格

があるもの

活発な市場

での市場価格

がないもの

現金及び現金同等物

12,123

7,761

株式

17,025

90,986

20,230

106,462

債券

149

108,125

118

112,189

その他

7,734

67,264

9,964

74,876

合計

37,033

266,376

38,075

293,528

 当社の確定給付制度への出資方針は、税法上の損金算入限度額、制度資産の積立状態、数理計算等の様々な要因を考慮の上で行われます。

 

 アセット・シーリングの影響の変動は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

アセット・シーリングの影響の期首残高

52,923

78,616

利息収益

854

1,327

再測定

 

 

確定給付資産の純額を資産上限額に制限していることの影響

24,838

33,801

アセット・シーリングの影響の期末残高

78,616

113,745

 将来掛金が減額されない又は将来掛金が返還されないために経済的便益が利用できないことから、当社グループの年金制度の一部に未認識の積立超過額が発生しています。

 

 報告期間の末日時点の主な数理計算上の仮定は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

割引率

1.5~1.9%

1.9~2.5%

 

 以下の表は、重要な数理計算上の仮定についての感応度分析であります。

 感応度分析は、数理計算に用いた基礎率が0.5%変動した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響を示しております。

 本分析においては、その他の変数は一定であることを前提としております。また、当連結会計年度の分析は、前連結会計年度と同様の基礎を用いて実施しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

割引率が0.5%上昇した場合

△12,755

△11,051

割引率が0.5%低下した場合

11,977

10,415

 

 確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度において13.4年、当連結会計年度において12.0年であります。

 

(2) 確定拠出制度

 確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度が10,406百万円、当連結会計年度が12,106百万円であります。なお、上記には公的制度に関して費用として認識した金額を含んでおります。

 

23.資本及びその他の資本項目

(1) 資本金及び資本剰余金

 授権株式数、発行済株式総数及び資本金等の残高の増減は、以下のとおりであります。

 

授権株式数

(無額面普通株式)

発行済株式総数

(無額面普通株式)

資本金

(単位:百万円)

資本剰余金

(単位:百万円)

2023年1月1日残高

1,600,000,000株

557,835,617株

81,690

506,579

期中増減

△349

2023年12月31日残高

1,600,000,000株

557,835,617株

81,690

506,230

期中増減

△5,810,900株

△27,743

2024年12月31日残高

1,600,000,000株

552,024,717株

81,690

478,486

(注)当連結会計年度の発行済株式総数の期中増減は、自己株式の消却によるものであります。

 

(2) 自己株式

 自己株式数及び残高の増減は、以下のとおりであります。

 

株数

(株)

金額

(百万円)

2023年1月1日残高

15,201,916

44,858

単元未満株式の買取請求による増加

304

1

譲渡制限付株式報酬として割り当てた普通株式の
無償取得

11,880

譲渡制限付株式報酬としての処分による減少

△64,520

△190

2023年12月31日残高

15,149,580

44,669

単元未満株式の買取請求による増加

461

3

譲渡制限付株式報酬として割り当てた普通株式の
無償取得

145,880

取締役会決議による普通株式の市場買付けによる取得

5,810,900

50,013

譲渡制限付株式報酬としての処分による減少

△363,900

△1,062

取得した自己株式の消却による減少

△5,810,900

△26,224

2024年12月31日残高

14,932,021

67,398

(注)当社は、譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、その株式の付与に自己株式を充当しております。同制度の契約条件及び金額等は注記「31.株式に基づく報酬」に記載しております。また、付与した自己株式を無償取得することがあります。

 

(3) 資本剰余金

 日本における会社法(以下「会社法」)では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。

 

(4) 利益剰余金

 会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計金額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされております。

 

(5) その他の資本の構成要素の内容及び目的

① 確定給付制度の再測定

 確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息収益に含まれる金額を除く)及び資産上限額の影響(利息収益に含まれる金額を除く)の変動額であります。

 また、数理計算上の差異とは、確定給付制度債務に係る実績による修正(期首における数理計算上の仮定と実際の結果との差異)及び数理計算上の仮定の変更による影響額であります。

 これらについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。

 

② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額であります。

 

③ 在外営業活動体の換算差額

 外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。

 

④ キャッシュ・フロー・ヘッジ

 当社グループは将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分であります。

 

(6) 配当金

 配当金の支払額は、以下のとおりであります。

 

 前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

決議日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

基準日

効力発生日

2023年2月14日

取締役会

27,131

50.0

2022年12月31日

2023年3月31日

2023年7月31日

取締役会

27,134

50.0

2023年6月30日

2023年9月4日

 

 当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

決議日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

基準日

効力発生日

2024年2月14日

取締役会

32,561

60.0

2023年12月31日

2024年3月29日

2024年7月31日

取締役会

32,574

60.0

2024年6月30日

2024年9月2日

 

 配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりであります。

 前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

決議日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

基準日

効力発生日

2024年2月14日

取締役会

32,561

60.0

2023年12月31日

2024年3月29日

 

 当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

決議日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

基準日

効力発生日

2025年2月14日

取締役会

32,225

60.0

2024年12月31日

2025年3月31日

 

24.売上収益

(1) 売上収益の分解

 当社グループは、売上収益を財又はサービスの種類別及び地域別に分解しております。分解した売上収益と報告セグメントとの関連は、以下のとおりであります。なお、注記「5.セグメント情報」に記載のとおり、当連結会計年度より事業セグメントの変更を行ったことに伴い、前連結会計年度については、変更後の報告セグメントの内容に組み替えた数値を記載しております。

 

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

 

医療関連事業

ニュートラシューティカルズ関連事業

消費者関連

事業

その他の事業

合計

財又はサービスの種類別

 

 

 

 

 

製商品の販売

1,241,454

483,266

36,662

82,081

1,843,465

ライセンス収入及びロイヤリティ収入

98,468

51

3

185

98,708

その他

51,233

7

400

24,753

76,394

合計

1,391,155

483,325

37,066

107,020

2,018,568

地域別(※)

 

 

 

 

 

日本

411,888

164,388

24,281

70,292

670,850

北米

665,780

192,358

11,263

3,973

873,376

欧州

151,419

59,861

537

6,848

218,667

その他

162,066

66,716

984

25,906

255,673

合計

1,391,155

483,325

37,066

107,020

2,018,568

(※)売上収益は、顧客の所在地によっております。

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

 

医療関連事業

ニュートラシューティカルズ関連事業

消費者関連

事業

その他の事業

合計

財又はサービスの種類別

 

 

 

 

 

製商品の販売

1,448,521

556,814

33,401

84,768

2,123,505

ライセンス収入及びロイヤリティ収入

120,881

183

4

162

121,232

その他

59,628

8

346

25,139

85,123

合計

1,629,032

557,006

33,752

110,070

2,329,861

地域別(※)

 

 

 

 

 

日本

434,900

168,904

23,595

72,308

699,709

北米

838,679

244,097

8,255

4,077

1,095,110

欧州

169,806

66,451

462

6,162

242,882

その他

185,644

77,553

1,439

27,521

292,158

合計

1,629,032

557,006

33,752

110,070

2,329,861

(※)売上収益は、顧客の所在地によっております。

 

(2) 契約残高

 顧客との契約から生じた債権及び契約負債の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度期首

(2023年1月1日)

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

顧客との契約から生じた債権

410,617

463,545

503,029

受取手形及び売掛金

413,399

467,421

508,610

貸倒引当金

△2,781

△3,875

△5,580

契約負債(流動負債)

13,376

14,322

13,952

契約負債(非流動負債)

50,736

44,869

35,361

 契約負債の期首残高のうち認識した収益の額は、前連結会計年度12,632百万円、当連結会計年度15,469百万円であります。また、契約負債残高が、前連結会計年度において、開発品の開発・販売権等に関するライセンス契約の契約一時金の受領及びマイルストーンの達成等により7,367百万円、当連結会計年度において、企業結合により3,016百万円増加しております。

 なお、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額は、前連結会計年度84,359百万円、当連結会計年度97,970百万円であり、その主なものは、ライセンス収入及びロイヤリティ収入であります。

 

(3) 履行義務の充足時期

 契約負債は主に、当社グループが第三者との間で締結した開発品の開発・販売権等に関する一部のライセンス契約において生じたものであります。原則として、履行義務の充足にかかわらず、当該対価を契約時又はマイルストーン達成時に契約負債として計上しております。また、個々の契約ごとに決定した開発協力等の履行義務の充足に応じて、契約期間等の一定期間にわたり売上収益として認識しております。上記のライセンス契約において、顧客との契約からの対価の中に取引価格に含まれていないものはありません。なお、契約負債には、製商品の販売に係る顧客からの前受金も含まれております。

 

 残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

1年以内

14,322

13,952

1年超2年以内

10,459

9,690

2年超3年以内

9,343

6,765

3年超4年以内

6,486

5,947

5年超

18,579

12,958

合計

59,191

49,314

 

25.費用の性質別内訳

 売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費に含まれる性質別の費用の主な内訳は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

  至 2023年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

人件費

396,224

446,842

販売促進費

209,318

245,834

減価償却費及び償却費

95,654

105,764

 

26.その他の収益

 その他の収益の内訳は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

  至 2023年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

補助金収入

1,044

931

受入家賃

281

445

固定資産売却益

198

433

持分変動利益

99

44

受取和解金

6

12,479

早期退職制度の廃止による収益

2,368

その他

4,098

6,326

その他の収益合計

5,729

23,031

 

27.その他の費用

 その他の費用の内訳は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

  至 2023年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

固定資産売却損

25

158

固定資産除却損

1,147

704

条件付対価に係る公正価値変動額(注)

3,172

1,486

その他

1,904

1,540

その他の費用合計

6,250

3,889

(注)条件付対価に係る公正価値変動額のうち、時間的価値の変動に基づく部分を「金融費用」に計上するとともに、時間的価値以外の変動に基づく部分を「その他の収益」又は「その他の費用」に計上しております。なお、「その他の費用」に計上した条件付対価に係る公正価値変動額は、前連結会計年度においてはニューロバンス Inc.及びリコーメディカル Inc.の買収に係るものであり、当連結会計年度においては、ニューロバンス Inc.の買収に係るものであります。

 

28.金融収益及び金融費用

 金融収益及び金融費用の内訳は、以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年1月1日

  至 2023年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

金融収益

 

 

受取利息

 

 

償却原価で測定する金融資産

4,974

7,479

受取配当金

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

1,990

2,401

公正価値の評価益

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産・負債

1,225

2,107

為替差益

889

8,679

その他

486

412

金融収益合計

9,566

21,081

金融費用

 

 

支払利息

 

 

償却原価で測定する金融負債

1,417

4,041

リース負債

1,805

2,141

公正価値の評価損

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産・負債

2,391

1,659

その他

907

948

金融費用合計

6,523

8,791

 

29.その他の包括利益

 その他の包括利益の内訳項目ごとの組替調整額及び法人所得税の額は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

純損益に振り替えられることのない項目

 

 

確定給付制度の再測定

 

 

当期発生額

1,914

7,063

税引前

1,914

7,063

法人所得税

△570

△2,751

確定給付制度の再測定

1,344

4,312

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

当期発生額

8,009

△9,122

税引前

8,009

△9,122

法人所得税

△2,636

1,697

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

5,373

△7,424

持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分

 

 

当期発生額

360

506

持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分

360

506

小計

7,078

△2,606

純損益に振り替えられる可能性のある項目

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

 

当期発生額

72,624

98,269

組替調整額

27

税引前

72,652

98,269

在外営業活動体の換算差額

72,652

98,269

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

当期発生額

55

△36

組替調整額

△25

△25

税引前

30

△61

法人所得税

△7

6

キャッシュ・フロー・ヘッジ

22

△55

持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分

 

 

当期発生額

22,507

17,283

組替調整額

4

△0

持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分

22,511

17,283

小計

95,186

115,497

その他の包括利益合計

102,264

112,891

 

30.1株当たり利益

基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)

121,616

343,120

親会社の普通株主に帰属しない当期利益(百万円)

基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円)

121,616

343,120

加重平均普通株式数(千株)

542,668

541,398

基本的1株当たり当期利益(円)

224.10

633.76

(注)希薄化後1株当たり当期利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

 

31.株式に基づく報酬

 当社グループは、中期経営計画の達成、ひいては中長期的な業績と企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることに加えて、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社子会社の一部の取締役に対して、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。

 また、一部の連結子会社の役員及び従業員に対する現金決済型の株式報酬制度として株価連動型報酬受給権を採用しており、1年間から3年間のサイクル毎に、業績達成度合と当該期間の末日の株価を勘案し、付与時点の地位を有している従業員に権利が付与され、現金による支払が行われております。

 

(1) 譲渡制限付株式報酬制度

 譲渡制限付株式報酬制度の内容は、以下のとおりであります。

 

付与日

2019年5月20日

2020年4月24日

2021年4月28日

付与数

340,120株

80,880株

71,320株

付与日の公正価値

4,196円

3,785円

4,804円

決済方法

持分決済

持分決済

持分決済

譲渡制限期間

2019年5月20日から

2026年6月1日まで

2020年4月24日から

2026年6月1日まで

2021年4月28日から

2026年6月1日まで

 

付与日

2022年4月28日

2023年4月28日

2024年4月26日

付与数

241,920株

64,520株

363,900株

付与日の公正価値

4,271円

4,227円

6,382円

決済方法

持分決済

持分決済

持分決済

譲渡制限期間

2022年4月28日から

2026年6月1日まで

2023年4月28日から

2026年6月1日まで

2024年4月26日から

2031年6月1日まで

 

(注)1.付与対象者は、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社子会社取締役の一部(以下「対象取締役」)であります。

2.当社は、対象取締役それぞれとの間で、割当てを受けた当社普通株式(以下「本割当株式」)について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないこと、及び、一定の事由が生じた場合には、当社が本割当株式を無償で取得すること等を含む譲渡制限付株式割当契約を締結しております。

 

3.当社は、①対象取締役が、譲渡制限付株式割当契約にて定められた期間中継続して、当社の取締役(当社子会社の取締役である場合は、当社子会社の取締役)の地位であったこと、かつ、②連結売上収益、連結営業利益、基本的1株当たり当期利益(EPS)、株主総利回り(TSR)、連結研究開発費投資前営業キャッシュ・フロー(R&D前営業CF)、連結投下資本利益率(ROIC)、FTSE RussellのESGスコアといった評価指標について、当社が予め設定した目標の達成を条件として、本譲渡制限期間が満了した時点で本割当株式の譲渡制限を解除することとしております。なお、割当対象者が任期満了その他の正当な理由により退任したものと決定した場合、譲渡制限を解除する時期、譲渡制限の解除の対象となる株式数を必要に応じて合理的に調整することとしております。

4.公正価値の測定方法は、取締役会決議日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値を基礎として算定しております。

 

(2) 株式報酬費用

 株式報酬費用の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

持分決済型

△9

939

現金決済型

2,372

3,683

合計

2,363

4,622

(注)株式報酬取引から生じた負債の帳簿価額は、前連結会計年度4,247百万円、当連結会計年度5,976百万円であります。

 

32.金融商品

(1) 資本管理

 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性を確保することを資本管理の基本方針としております。

 当社は、資本管理の手続として財務指標のモニタリングを実施しております。資本効率については主に親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)及び投下資本利益率(ROIC)、財務の健全性については主に信用格付け及び親会社所有者帰属持分比率を適宜モニタリングしております。

 なお、当社が適用を受ける重要な資本規制はありません。

 

(2) 金融商品の分類

 金融資産及び金融負債の分類別の内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

<金融資産>

 

 

償却原価で測定する金融資産

 

 

現金及び現金同等物

513,341

426,173

売上債権及びその他の債権

474,086

515,289

その他の金融資産

22,143

39,308

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

その他の金融資産

19,804

29,384

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

その他の金融資産

172,001

169,485

金融資産合計

1,201,378

1,179,640

<金融負債>

 

 

償却原価で測定する金融負債

 

 

仕入債務及びその他の債務

206,369

219,996

社債及び借入金

138,625

94,626

その他の金融負債

564

583

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

その他の金融負債

16,210

56,931

金融負債合計

361,769

372,137

 

(3) 財務上のリスク管理

 当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(市場リスク、信用リスク及び流動性リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。また、当社グループは、デリバティブ取引を為替リスク又は金利リスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。

 

(4) 市場リスク管理

 当社グループの活動は、主に経済環境・金融市場環境が変動するリスクに晒されております。金融市場環境が変動するリスクとして、具体的には1)為替リスク、2)金利リスク、及び3)資本性金融商品の価格変動リスクがあります。

 

1)為替リスク

① 為替リスク管理

 当社グループはグローバルな事業展開を行っており、主に、米ドル、ユーロの為替変動は業績に影響を与えます。

 当社グループは、デリバティブ取引に関する管理規程を設け、リスクヘッジ目的に限定して為替予約等のデリバティブ取引を行っております。当社グループが行っているデリバティブ取引は、「(8) 金融商品の公正価値 ② デリバティブの公正価値」に記載しております。

 

② 為替感応度分析

 当社グループは主に米ドルとユーロの為替リスクに晒されております。各報告期間における米ドル、ユーロが円に対して1%円高になった場合の感応度分析は、以下のとおりであります。なお、計算にあたり使用した通貨以外の通貨は変動しないものと仮定しております。また、機能通貨建ての金融商品及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

<米ドル>

 

 

税引前当期利益への影響

△1,226

△1,974

その他の包括利益(税効果考慮前)への影響

△9

△13

<ユーロ>

 

 

税引前当期利益への影響

△428

△320

その他の包括利益(税効果考慮前)への影響

△14

△40

(注)上記の△は、各報告通貨に対して1%円高となった場合に、当社グループの純損益及び資本に与えるマイナスの影響額を意味しております。なお、上記金額は、換算による当社グループの連結財務諸表に与える影響を示したものであり、当社グループのキャッシュ・フローや経営に対して、直接プラスもしくはマイナスの影響を及ぼすものではありません。

 

米ドルとユーロ以外の為替変動リスクに対する当社グループのエクスポージャーに重要性はありません。

 

2)金利リスク

① 金利リスク管理

 当社グループは、事業活動の中で様々な金利リスクに晒されております。特に、借入れに関わる金利の変動は業績に影響を与えます。しかしながら、金利変動が借入れコストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。

 当社グループは、これらの資産及び負債から生じる金利変動をモニタリングし、急激な金利変動時には借換等を行う金利リスク管理を行っております。

 

② 金利感応度分析

 各報告期間において金利が1%上昇した場合の当社グループの税引前当期利益に与える影響は、以下のとおりであります。

 この分析は、各報告期間末に当社グループが保有する変動金利金融商品の残高に1%を乗じて算出しており、他のすべての変数が一定であると仮定しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

税引前当期利益への影響

△116

△52

 

3)資本性金融商品の価格変動リスク

① 資本性金融商品の価格変動リスク管理

 当社グループは、資本性金融商品(株式)から生じる株価変動リスクに晒されております。短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために保有しております。資本性金融商品については、定期的に時価や発行体の財務状況を把握し、モニタリングしております。

 

② 価格感応度分析

 当社グループが保有する資本性金融商品(株式のうち上場株式)について、他のすべての変数が一定であると仮定した上で、株価が10%下落した場合の当社グループのその他の包括利益(税効果考慮前)への影響は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

その他の包括利益(税効果考慮前)への影響

△9,835

△10,127

 

(5) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値及び受取配当金は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

公正価値

受取配当金

公正価値

受取配当金

上場

98,353

1,381

101,278

1,794

非上場

73,648

608

68,207

607

合計

172,001

1,990

169,485

2,401

 上記のうち、主な銘柄の公正価値は次のとおりであります。当社グループは、営業基盤強化などを目的として保有している投資について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。

 

前連結会計年度(2023年12月31日)

(単位:百万円)

銘柄

金額

上場

 

第一三共㈱

41,257

㈱阿波銀行

6,622

維維食品飲料股份有限公司

6,494

東邦ホールディングス㈱

4,045

Dong-A Socio Holdings.

3,985

その他

35,948

非上場

 

医薬品

39,167

電気機器

32,545

その他

1,935

合計

172,001

(注)非上場株式の主な銘柄は、日亜化学工業㈱(電気機器)、Orna Therapeutics Holdings, LLC(医薬品)、及びDren Bio, Inc.(医薬品)であります。

 

当連結会計年度(2024年12月31日)

(単位:百万円)

銘柄

金額

上場

 

第一三共㈱

46,371

㈱阿波銀行

7,644

維維食品飲料股份有限公司

7,307

東邦ホールディングス㈱

5,361

Dong-A Socio Holdings.

4,144

その他

30,448

非上場

 

医薬品

43,176

電気機器

22,968

その他

2,062

合計

169,485

(注)非上場株式の主な銘柄は、日亜化学工業㈱(電気機器)、Dren Bio, Inc.(医薬品)、Orna Therapeutics Holdings, LLC(医薬品)であります。

 

 当社グループは、保有の合理性の検証結果等に基づき、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品を処分しております。

 処分時の公正価値及び累積利得(税引前)は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

公正価値

累積利得

公正価値

累積利得

2,954

△40

4,126

1,007

 上記については、処分時に、その他の包括利益から利益剰余金へ振替を行っております。

 前連結会計年度及び当連結会計年度に振り替えた金額(税引後)は、それぞれ△669百万円及び686百万円であります。

 前連結会計年度及び当連結会計年度にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の処分(認識の中止)をしたものからの受取配当金は、それぞれ125百万円及び12百万円であります。

 

(6) 信用リスク管理

 信用リスクは、保有する金融資産の相手先が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクであります。当社グループは、各社の与信管理規程に従い、売上債権等について営業部門及び経理財務部門が取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引先ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。売上債権等について、その全部又は一部について回収ができない、又は回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。

 デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、格付けの高い金融機関とのみ取引を行っており、信用リスクは極めて僅少であると認識しております。

 なお、当社グループは、特定の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを負っておりません。

 

1)貸倒引当金

 貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

全期間の予想信用損失

合計

信用リスクが

当初認識以降に著しく

増大した金融資産

常に全期間の予想信用

損失に等しい金額で

測定している金融資産

2023年1月1日残高

109

2,781

2,891

期中増加額

1,703

1,703

期中減少額(目的使用)

△585

△585

期中減少額(戻入)

△371

△371

その他

1

346

347

2023年12月31日残高

110

3,875

3,986

 

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

(単位:百万円)

 

全期間の予想信用損失

合計

信用リスクが

当初認識以降に著しく

増大した金融資産

常に全期間の予想信用

損失に等しい金額で

測定している金融資産

2024年1月1日残高

110

3,875

3,986

期中増加額

2,231

2,231

期中減少額(目的使用)

△569

△569

期中減少額(戻入)

△239

△239

その他

0

283

283

2024年12月31日残高

111

5,580

5,692

 

 

2)金融資産の信用リスクエクスポージャー

 連結財政状態計算書上に表示されている帳簿価額が、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。

 

(7) 流動性リスク管理

 当社グループは、各部署からの報告に基づき、経理財務部門が資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性を一定水準に維持することなどにより、流動性リスクを管理しております。

 保証債務以外の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)

前連結会計年度

(2023年12月31日)

帳簿残高

契約上の

キャッシュ・

フロー

1年以内

1年超

2年以内

2年超

3年以内

3年超

4年以内

4年超

5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

仕入債務

117,758

117,758

117,758

借入金

58,711

60,870

51,258

1,914

1,124

881

3,128

2,562

社債

79,913

80,757

20,195

190

30,126

112

112

30,020

条件付対価

16,210

17,046

6,381

10,664

その他

89,175

89,175

88,611

564

合計

361,769

365,608

277,823

2,104

31,250

994

9,623

43,812

 

 

(単位:百万円)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

帳簿残高

契約上の

キャッシュ・

フロー

1年以内

1年超

2年以内

2年超

3年以内

3年超

4年以内

4年超

5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

仕入債務

126,426

126,426

126,426

借入金

14,763

14,999

7,462

974

855

3,142

616

1,948

社債

79,863

82,359

403

30,339

325

326

30,233

20,731

条件付対価

52,544

66,937

3,764

7,117

34,955

3,400

17,699

その他

94,153

94,153

93,580

573

デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

デリバティブ負債

4,387

88,188

87,794

394

合計

372,137

473,065

319,431

38,825

36,136

6,869

30,849

40,952

 

(8) 金融商品の公正価値

 金融商品の公正価値の内容は、以下のとおりです。なお、短期間で決済され、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値になっている場合、金融商品の公正価値情報は、記載を省略しております。

 

公正価値のヒエラルキー

 公正価値のヒエラルキーは、以下のように区分しております。

レベル1:活発に取引される市場での同一の資産負債の取引相場価格等の観察可能なインプット

レベル2:レベル1以外のインプットのうち、資産又は負債について直接又は間接に観察可能なインプット

レベル3:資産又は負債に関する観察可能でないインプット

公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。

 

① 償却原価で測定する金融商品

(単位:百万円)

前連結会計年度

(2023年12月31日)

帳簿価額

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

合計

<金融負債>

 

 

 

 

 

借入金

58,711

58,630

58,630

社債

79,913

79,658

79,658

合計

138,625

138,288

138,288

 

 

(単位:百万円)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

帳簿価額

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

合計

<金融負債>

 

 

 

 

 

借入金

14,763

14,799

14,799

社債

79,863

78,693

78,693

合計

94,626

93,492

93,492

 

 上記の公正価値の算定方法は、以下のとおりであります。

借入金

 借入金のうち変動金利によるものの公正価値は、短期間で市場金利を反映しており、帳簿価額と公正価値は合理的な近似値となっております。また、固定金利によるものの公正価値は、同一の残存期間で同条件の借入れを行う場合の金利を用いて、将来キャッシュ・フローを割引く方法により算定しております。

社債

 社債の公正価値は、市場で観察可能な価格に基づき算定しております。

 

② デリバティブの公正価値

(単位:百万円)

前連結会計年度

(2023年12月31日)

キャッシュ・フロー・

ヘッジ

ヘッジ指定されていないデリバティブ

合計

為替予約等

38

788

826

金利スワップ

9

9

通貨スワップ

21

21

コールオプション

15

15

合計

38

834

873

 

(単位:百万円)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

キャッシュ・フロー・

ヘッジ

ヘッジ指定されていないデリバティブ

合計

為替予約等

△20

△4,367

△4,387

コールオプション

6

6

合計

△20

△4,361

△4,381

 

 上記の公正価値の算定方法は、以下のとおりであります。

為替予約等

 為替予約等の公正価値については、同様の条件により行う為替予約等の市場価格に基づき算定しております。

金利スワップ

 金利スワップは借入金の利息負担を低減する目的で使用しており、その公正価値については、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。

通貨スワップ

 通貨スワップは借入金の通貨の為替リスクを低減する目的で使用しており、その公正価値については、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。

コールオプション

 コールオプションはブラックショールズ・モデルに基づき公正価値を算定しております。

 

③ 公正価値で測定する金融商品

(単位:百万円)

前連結会計年度

(2023年12月31日)

レベル1

レベル2

レベル3

合計

<金融資産>

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

資本性金融商品

98,353

73,648

172,001

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

資本性金融商品

10,402

8,441

18,844

負債性金融商品

87

87

デリバティブ資産

873

873

合計

108,755

873

82,177

191,805

<金融負債>

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

条件付対価

16,210

16,210

合計

16,210

16,210

 

(単位:百万円)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

レベル1

レベル2

レベル3

合計

<金融資産>

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

資本性金融商品

101,278

68,207

169,485

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

資本性金融商品

13,573

12,186

25,759

負債性金融商品

3,618

3,618

デリバティブ資産

6

6

合計

114,851

6

84,011

198,869

<金融負債>

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

4,387

4,387

条件付対価

52,544

52,544

合計

4,387

52,544

56,931

(注)前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1、2の間の重要な振替は行われておりません。

 

④ レベル2及びレベル3に分類した金融商品の評価技法とインプット

(a) 評価技法とインプット

資本性金融商品

 資本性金融商品の公正価値については、類似企業比較法やオプションプライシング法など、その金融商品の特性に応じた評価技法を用いて評価しております。

 その評価に当たっては、類似企業の株式指標や当該金融商品のリスクに応じた割引率や当社グループが保有する優先株式の普通株式への転換価格などのインプット情報を考慮しております。公正価値測定にあたって用いた観察可能でないインプットのうち主なものは、類似企業比較法におけるEBITDA倍率であり、類似企業の中央値を用いて算出しております。なお、EBITDA倍率が上昇(下降)した場合は、公正価値は増加(減少)いたします。

負債性金融商品

 債券等をキャッシュ・フローと事業モデルに基づき算定しております。

デリバティブ

 「② デリバティブの公正価値」に記載しております。

条件付対価

 レベル3に分類された条件付対価は、ニューロバンス Inc.株式及びJnana Therapeutics Inc.株式を取得した際、対価の一部を条件付対価としたことにより認識した債務であります。公正価値の評価技法とインプットは、注記「35.企業結合」に記載しております。

 

(b) 評価プロセス

 レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、社内規程に則り実施しております。

 対象となる金融商品のリスク、特徴及び性質を適切に反映できる評価技法とインプットを採用しております。

⑤ レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

報告期末日時点での公正価値測定(単位:百万円)

金融資産

金融負債

期首残高

63,765

31,370

利得又は損失

 

 

純損益に計上(注)1

1,198

7,448

その他の包括利益に計上(注)2

8,205

1,059

購入・発行

9,525

売却・決済

△339

△23,668

その他

△177

期末残高

82,177

16,210

純損益に含まれる期末保有の資産及び負債の未実現損益

1,198

3,207

 

 

 

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

報告期末日時点での公正価値測定(単位:百万円)

金融資産

金融負債

期首残高

82,177

16,210

利得又は損失

 

 

純損益に計上(注)1

1,988

2,790

その他の包括利益に計上(注)2

△10,663

4,884

購入・発行

10,463

売却・決済

△3

企業結合による増加

28,658

その他

50

期末残高

84,011

52,544

純損益に含まれる期末保有の資産及び負債の未実現損益

1,988

2,790

 

(注)1.純損益に含まれている利得又は損失は、決算日時点の純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債に関するものであります。これらの利得又は損失は、連結損益計算書の「その他の収益」、「その他の費用」、「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。

(注)2.その他の包括利益に含まれている利得又は損失は、主として決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。これらの利得又は損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」及び「在外営業活動体の換算差額」に含まれております。

 

(9) ヘッジ会計

 当社グループは、外貨建予定取引に係る為替リスクをヘッジするためデリバティブ(為替予約等)を利用しております。

 ヘッジ会計が連結財政状態計算書に与える影響は僅少のため、記載を省略しております。

 

33.子会社及び関連会社

 当社の主要な子会社及び関連会社は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。なお、注記「35.企業結合(1)重要な企業結合」に記載のとおり、当連結会計年度において、Jnana Therapeutics Inc.の株式を新たに取得したため、連結の範囲に含めております。

 

34.関連当事者

(1) 関連当事者間取引及び未決済残高

 当社及び当社連結子会社と当社の関連当事者である連結子会社との間の取引は、連結上消去されており、注記には開示されておりません。

 当社グループとその他の関連当事者との取引高及び債権債務残高で重要なものはありません。

 

(2) 主要な経営幹部に対する報酬

 当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

固定報酬及び賞与

1,725

1,693

退職後給付

57

96

株式報酬

542

主要な経営幹部に対する報酬合計

1,783

2,331

 

35.企業結合

(1)重要な企業結合

 前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(ボナファイドヘルス LLCの買収について)

 当社の連結子会社であるファーマバイト LLC(以下、「ファーマバイト社」)は、女性の健康分野に特化した製品の製造販売を行うボナファイドヘルス LLC(以下、「ボナファイドヘルス社」)の全株式を取得する契約を締結し、2023年11月30日に本買収は完了いたしました。

 

① 企業結合の概要

(a) 被取得企業の名称及びその事業の内容

被取得企業の名称

ボナファイドヘルス LLC(Bonafide Health, LLC)

事業の内容

女性の健康を主目的としたサプリメント、医療機器の製造・販売

(b) 企業結合を行った主な理由

 ボナファイドヘルス社は、2017年に「女性の健康に貢献するため、革新的で安全かつ効果的な選択肢を提供する」という使命のもと設立されました。自然から着想を得た新しい女性向け健康食品などを研究開発・製造販売しており、科学的根拠を持つ製品として、医療専門家にも支持されています。これらの製品を通じ、加齢とともに複合化する女性の健康ニーズを長期的かつ持続的にサポートすることに重点を置いています。

 ボナファイドヘルス社の買収により、ファーマバイト社は、女性の泌尿器系の健康分野に特化したユコラ社製品と、エクオールを含有したサプリメント「エクエル」で構成している既存の女性向け健康食品事業を拡充します。

(c) 支配獲得日

 2023年11月30日

(d) 被取得企業の支配獲得の方法及び取得する議決権付資本持分割合

 当社の連結子会社であるファーマバイト社が、現金を対価としてボナファイドヘルス社の議決権付株式を100%取得しています。

 

② 支配獲得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値

(単位:百万円)

 

金額

支払対価の公正価値

62,432

現金

62,432

取得資産及び引受負債の公正価値

 

流動資産

2,943

非流動資産

27,021

流動負債

△1,913

非流動負債

△134

取得資産及び引受負債の公正価値

27,916

のれん

34,515

(注)・取得に直接要した費用は1,490百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。

・取得した売上債権及びその他の債権、回収が見込まれない契約上のキャッシュ・フローはありません。

・のれんの主な内容は、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力であります。のれんについて、税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。

・非流動資産のうち、無形資産に配分された主要な内訳は、商標権及び販売権等22,828百万円、その他無形資産4,015百万円であります。

③ 当社グループの業績に与える影響

 当社グループの連結損益計算書に含まれる、支配獲得日以降にボナファイドヘルス社から生じた売上収益及び損益は、軽微であります。また、当該企業結合日が2023年1月1日であると仮定した売上収益及び損益(いわゆる「プロ・フォーマ」情報)は、当該影響の重要性が乏しいため、開示を省略しております。

 

 当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

(Jnana Therapeutics Inc.の買収について)

 当社の連結子会社である大塚製薬株式会社(以下「大塚製薬」)は、2024年8月1日に医薬品の研究開発を営むJnana Therapeutics Inc.(以下「ジュナナ社」)と、大塚アメリカ Inc.が設立した買収目的子会社を通じて、現金及び将来のマイルストーンの支払いを対価とする株式取得及びそれに続く合併を実施することにより、ジュナナ社を完全子会社化(以下「本買収」)することについて合意し、2024年9月19日に本買収は完了しました。

 

① 企業結合の概要

(a) 被取得企業の名称及びその事業の内容

被取得企業の名称

Jnana Therapeutics Inc.

事業の内容

医薬品の研究開発

(b) 企業結合を行った主な理由

 ジュナナ社の革新的な創薬アプローチは、独自のRAPID(Reactive Affinity Probe Interaction Discovery)プラットフォームを使って実現されています。ジュナナ社は、RAPIDを利用してファースト・イン・クラスの化合物を同定し、これまで創薬が難しいとされてきた細胞の内外で物質を運ぶためのタンパク質の一種である溶質キャリアや転写因子、シグナル伝達の基盤となるタンパク質等、さまざまな創薬ターゲットへの対応に成功しています。ジュナナ社は、英国ケンブリッジに本社を持つ大塚製薬の子会社であるアステックス社のフラグメント創薬技術とシナジーを生み出す新しい創薬アプローチを追求しています。

 ジュナナ社の創薬技術は特定の疾患領域に限定されるものではありませんが、低分子創薬が困難だった自己免疫疾患領域や一部の希少疾患に集中することで、ユニークな競争ポジションを築いています。この創薬技術により

ジュナナ社は、難易度の高い創薬ターゲットである腎臓におけるアミノ酸の再吸収を制御するタンパク質に対する低分子阻害剤JNT-517を開発することに成功しました。JNT-517は、厳しい食事制限や医薬品で治療できない患者さんが多く残るフェニルケトン尿症(Phenylketonuria、以下「PKU」)に対する有効な治療手段として、フェーズ1b/2試験で有効性及び忍容性と安全性が確認されており、PKUに対するファースト・イン・クラスの薬剤になる可能性があります。他にもインターフェロン産生のマスター転写因子である Interferon regulatory factor 3(IRF3) 等の創薬難易度の高い標的に対する活性化合物を獲得する等、自己免疫疾患での低分子創薬の新たな可能性に挑戦しています。

 大塚製薬では、ジンアーク(常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD)、シベプレンリマブ(IgA腎症)、ボクロスポリン(ループス腎炎)等の腎領域だけでなく、ドニダロルセン(遺伝性血管性浮腫)等の新たなスペシャルティ治療薬を加えることで、幅広い希少疾患の患者さんへの貢献を進めてきました。また、2018年に買収した米国ボストン地域のビステラ社を通じて、抗体医薬技術を用いた自己免疫領域の研究開発を進めるとともに、創薬プラットフォームの拡充を進めています。

 本買収は、JNT-517により、アンメットメディカルニーズに挑戦する大塚製薬のさらなるポートフォリオの拡大につなげるとともに、ジュナナ社の創薬技術、自己免疫研究での低分子パイプラインが加わることで、世界で最も重要なバイオクラスターの一つである米国ボストン地域における研究開発を強化し、複合的な形で当社グループのグローバル展開に相乗効果を与えていくことを目的としています。

(c) 支配獲得日

 2024年9月19日

(d) 被取得企業の支配獲得の方法及び取得する議決権付資本持分割合

 当社の連結子会社である大塚アメリカ Inc.が設立した買収目的子会社が、現金及び将来のマイルストーンの支払いを対価としてジュナナ社の議決権付株式を100%取得しています。

 

 

② 支配獲得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値

 

(単位:百万円)

 

金額

支払対価の公正価値

147,443

現金

118,784

条件付対価

28,658

取得資産及び引受負債の公正価値

 

流動資産

6,620

非流動資産

143,140

流動負債

△5,429

非流動負債

△24,438

取得資産及び引受負債の公正価値

119,892

のれん

27,550

(注)・取得に直接要した費用は1,918百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。

・取得した売上債権及びその他の債権は2百万円であり、回収が見込まれない契約上のキャッシュ・フローはありません。

・のれんの主な内容は、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力であります。のれんについて、税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。

・非流動資産のうち、無形資産に配分された主要な内訳は、仕掛研究開発133,594百万円及びその他の無形資産4,596百万円であります。

・非流動負債のうち、当該企業結合により認識された繰延税金負債は、19,149百万円であります。

・当連結会計年度において支払対価である条件付対価、取得資産及び引受負債の公正価値の評価、取得対価の配分が完了しております。当初の暫定的な金額からの主な修正は、支払対価である条件付対価、仕掛研究開発、その他無形資産、及び繰延税金負債がそれぞれ7,886百万円、133,594百万円、4,596百万円、19,149百万円増加し、契約負債が3,004百万円減少した結果、のれんが114,174百万円減少しています。

 

③ 当社グループの業績に与える影響

 当社グループの連結損益計算書に含まれる、支配獲得日以降にジュナナ社から生じた売上収益及び損益に重要性はありません。また、当該企業結合日が2024年1月1日であると仮定した売上収益及び損益(いわゆる「プロ・フォーマ」情報)は、当該影響の重要性が乏しいため、開示を省略しております。

 

(2) 条件付対価

 条件付対価は、ニューロバンス Inc.、リコーメディカル Inc.及びジュナナ社の企業結合により生じたものです。

 ニューロバンス Inc.の企業結合による条件付対価は、2017年3月にニューロバンス Inc.を買収した際に取得したADHD治療薬として開発中の化合物「センタナファジン」の開発進捗に応じたマイルストーン及び発売後の売上収益に応じた販売マイルストーンであり、最大でそれぞれ50百万米ドル、750百万米ドルを支払う可能性があります。

 2018年6月にリコーメディカル Inc.を企業結合した際に取得した超音波腎デナベーションデバイスの開発進捗に応じたマイルストーンである条件付対価は、2023年12月に決済されております。

 ジュナナ社の企業結合による条件付対価は、2024年9月にジュナナ社を買収した際に取得したJNT-517をはじめとする開発品の進捗に応じた開発マイルストーン及び薬事マイルストーンであり、最大でそれぞれ75百万米ドル、250百万米ドルを支払う可能性があります。

 条件付対価の公正価値は、契約相手に支払う可能性がある金額について、その発生確率を加味した現在価値で算定しております。

 公正価値ヒエラルキーの内容は、注記「32.金融商品」に記載しております。

 

 条件付対価の公正価値の増減は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

金額

2023年1月1日残高

31,370

公正価値の変動

7,448

期中決済額

△23,668

為替換算調整

1,059

2023年12月31日残高

16,210

企業結合

28,658

公正価値の変動

2,790

為替換算調整

4,884

2024年12月31日残高

52,544

 

36.キャッシュ・フロー情報

子会社の取得による支出

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 注記「35.企業結合」に記載のとおり、株式の取得により新たにボナファイドヘルス社及びマインドセット ファーマ社他1社を連結したことに伴う連結開始時の資産及び負債の内訳並びに子会社の取得による支出との関係は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

金額

流動資産

2,943

非流動資産

34,984

のれん

37,427

流動負債

△1,913

非流動負債

△2,244

子会社の取得に係る支払対価の合計

71,196

差引:取得時に被取得会社が保有していた現金及び現金同等物

△152

支配獲得のために支出した現金及び現金同等物

71,043

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 注記「35.企業結合」に記載のとおり、株式の取得により新たにジュナナ社他1社を連結したことに伴う連結開始時の資産及び負債の内訳並びに子会社の取得による支出との関係は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

金額

流動資産

6,754

非流動資産

144,907

のれん

29,141

流動負債

△5,485

非流動負債

△25,223

子会社の取得に係る支払対価の合計

150,093

差引:支払対価に含まれる条件付対価の金額

△28,658

差引:取得時に被取得会社が保有していた現金及び現金同等物

△5,876

支配獲得のために支出した現金及び現金同等物

115,558

 

37.財務活動から生じた負債の調整表

 財務活動によるキャッシュ・フローに分類される負債の調整表は、以下のとおりであります。

 前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

(単位:百万円)

 

 

 

非資金取引による変動額

 

 

2022年

12月31日

残高

キャッシュ

・フロー

連結範囲
変動

リース

振替

為替変動

その他

2023年

12月31日

残高

流動負債

 

 

 

 

 

 

 

 

社債及び借入金

26,440

16,075

25,006

1,903

69,425

リース負債

17,717

△20,545

4,486

16,685

503

18,847

その他の金融負債

1,980

△1,980

合計

46,138

△6,450

4,486

41,692

2,406

88,272

非流動負債

 

 

 

 

 

 

 

 

社債及び借入金

93,775

△44

△25,006

439

36

69,200

リース負債

56,229

14,442

△16,685

2,729

56,715

合計

150,004

△44

14,442

△41,692

3,168

36

125,915

 

 当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

(単位:百万円)

 

 

 

非資金取引による変動額

 

 

2023年

12月31日

残高

キャッシュ

・フロー

連結範囲
変動

リース

振替

為替変動

その他

2024年

12月31日

残高

流動負債

 

 

 

 

 

 

 

 

社債及び借入金

69,425

△67,293

32

2,293

2,890

1

7,350

リース負債

18,847

△22,969

4,511

19,853

903

21,146

合計

88,272

△90,263

32

4,511

22,147

3,794

1

28,497

非流動負債

 

 

 

 

 

 

 

 

社債及び借入金

69,200

20,150

205

△2,293

7

5

87,275

リース負債

56,715

33,372

△19,853

3,377

73,612

合計

125,915

20,150

205

33,372

△22,147

3,385

5

160,887

 

38.コミットメント

 決算日以降の支出に関するコミットメントは、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年12月31日)

当連結会計年度

(2024年12月31日)

有形固定資産の取得

23,571

39,743

無形資産の取得

513,981

469,466

その他

4,091

無形資産の取得に関するコミットメント

 当社グループは、第三者との間で開発品又は製品の開発・販売権等に関するライセンス契約等を締結しております。当社グループは、これらの契約に定められた開発目標又は売上目標に関するマイルストーンを達成した場合に一定の金額を支払うことがあります。上記の金額は、すべてのマイルストーンが達成された場合の最大の支払額を表しており、実際の支払額とは異なる可能性があります。なお、金額についてはリスク調整及び割引計算を行っておりません。

 

39.後発事象

(Araris Biotech AGの買収について)

 当社の連結子会社である大鵬薬品工業株式会社(以下「大鵬薬品」)は、2025年3月17日にスイスに拠点を置き、次世代の抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate、以下「ADC」)を開発するバイオテクノロジー企業Araris Biotech AG (以下「アラリス社」)と、現金及び将来のマイルストーンの支払いを対価とする株式取得を実施することにより、アラリス社を完全子会社化(以下「本買収」)することについて合意し、契約を締結しました。

 

本買収の概要

(1) 被取得企業の名称及びその事業の内容

被取得企業の名称

Araris Biotech AG

事業の内容

医薬品の研究開発

(2) 本買収を行う主な理由

 大鵬薬品は、「がん」及び「免疫関連疾患」の2つの領域に注力する研究開発型のスペシャリティファーマです。特にがん領域においては、代謝拮抗剤や独自のシステイノミクス創薬技術基盤を用いた分子標的薬の開発といった低分子経口剤治療薬の創薬に強みをもっているほか、低分子以外の新規モダリティについても国内外の企業やアカデミアとの協業を通じて複数の研究開発プログラムを進めています。ADCは有望なモダリティのひとつとして自社での創薬活動を開始しており、アラリス社とも202311月より共同研究を実施していました。

 アラリス社は、既存のADCが持つ課題を克服できる優れた設計、高溶解性リンカーとシンプルな製造プロセスを特徴とするベスト・イン・クラスのADC開発に先駆的に取り組んでいます。ADCは、がん細胞に特異的に結合する抗体に繋ぎ手(リンカー)を用いて細胞障害性薬物(ペイロード)を結合させ、がん部位選択的に殺細胞効果を発揮するよう設計されています。同社のアプローチの基盤となるのが、独自のADCリンカープラットフォームAraLinQ™です。このプラットフォームは、非常に均一で安定、かつ強い効力を持つADC候補を生み出し、基礎試験において既存のADCと比較して抗腫瘍効果の増強や広い安全域を確認しています。さらに、同社は血液及び固形がんを対象に、独自のAraLinQ™技術を用いて創製した3つの製品の開発を進めています。これらの製品は現在前臨床段階にあり、2025年から2026年の間に臨床試験へと進む予定です。

 大鵬薬品は今後、システイノミクス創薬技術基盤に加え、アラリス社の革新的なADC創薬技術獲得を通して同社とともにバイオロジクス研究開発体制を構築し、低分子とADCの両方に強みを持ち、がん領域での継続的な開発品ポートフォリオの拡充を進めます。

(3) 取得日

 本買収は、今後、必要な手続き等を経て、2025年度前半の完了を予定しています。

 

(4) 被取得企業の支配獲得の経緯及び取得する議決権付資本持分割合

 当社の連結子会社である大鵬薬品が、現金及び将来のマイルストーンの支払いを対価としてアラリス社の議決権付株式を100%取得する予定です。

(5) 支払予定対価

 合意内容に基づき、大鵬薬品はアラリス社株主に対し、本買収の対価として本買収完了時に400百万米ドルを支払うとともに、追加マイルストーンとして最大740百万米ドルを支払います。

 

(自己株式の取得及び消却について)

 当社は、2025年3月18日開催の取締役会において、下記のとおり、会社法第459条第1項の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議するとともに、同法第178条の規定に基づき、自己株式の消却に係る事項について決議いたしました。

 

(1)自己株式の取得及び消却を行う理由

資本効率の向上及び株主還元のため、自己株式の取得と消却を行うものです。

(2) 取得に係る事項の内容

① 取得対象株式の種類:

当社普通株式

② 取得しうる株式の総数:

1,200万株(上限)

(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 2.23%)

③ 株式の取得価格の総額:

700億円(上限)

④ 取得期間:

2025年3月19日から2025年4月30日まで

⑤ 取得方法:

東京証券取引所における市場買付け(証券会社による投資一任方式、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付を含む)

(3) 取得の実施内容(2025年3月19日まで(約定日基準))

① 取得した株式の種類:

当社普通株式

② 取得した株式の総数:

738万株

③ 株式の取得価格の総額:

579億円

④ 取得期間:

2025年3月19日

⑤ 取得方法:

東京証券取引所における自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付

(4) 消却に係る事項の内容

① 消却する株式の種類:

当社普通株式

② 消却する株式の数:

上記(2)により取得した自己株式の全株式数

③ 消却予定日:

2025年5月23日

 

(2)【その他】

① 当連結会計年度における四半期情報等

(累計期間)

 

第1四半期

中間連結会計期間

第3四半期

当連結会計年度

売上収益

(百万円)

519,517

1,108,930

1,730,076

2,329,861

税引前中間(当期)(四半期)
利益

(百万円)

100,079

142,195

256,015

335,854

親会社の所有者に帰属する中間(当期)(四半期)利益

(百万円)

77,377

107,795

191,672

343,120

基本的1株当たり中間(当期)(四半期)利益

(円)

142.59

198.61

353.33

633.76

 

(会計期間)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

基本的1株当たり四半期利益

(円)

142.59

56.03

154.76

281.39

(注)1.第1四半期については、旧金融商品取引法第24条の4の7第1項の規定による四半期報告書を提出しております。

2.第3四半期については、金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成しておりますが、当該四半期に係る財務情報に対する期中レビューは受けておりません。

 

② 訴訟等

 該当事項はありません。

 

③ 決算日後の状況

 該当事項はありません。