本有価証券報告書に記載の数値は国際会計基準(IFRS)ベースで表示しております。前連結会計年度の数値は、前期に開示した日本基準の数値をIFRSに組替えて表示しております。
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費に力強さを欠くものの、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策を背景に、企業収益と雇用環境に改善の動きがみられ、緩やかな回復基調が継続しました。また、国際社会における政治情勢の変化が為替や商品市況に影響を及ぼしました。このような経済情勢の下、当社グループの各事業セグメントの状況は以下のとおりでした。
貴金属事業セグメント
貴金属リサイクル事業の回収量状況は以下のとおりです。エレクトロニクス分野では、引き続き国内市場縮小の影響を受けましたが、Eスクラップ事業および精密洗浄事業では、既存顧客の維持および新規顧客開拓により、金の回収量は前年同期比で同水準を維持しました。デンタル分野では、歯科材料に使用される貴金属量は減少していますが、金およびパラジウムの回収量は前年同期比で同水準を維持しました。宝飾分野では、引き続き買取市場への流通量低迷により、金の回収量は前年同期比で減少しましたが、プラチナの回収量は前年同期比で増加しました。自動車触媒分野では、国内の廃車台数減少が続きましたが、営業活動の強化により、パラジウムおよびプラチナの回収量は前年同期比で増加しました。貴金属の平均価格は、銀は前年同期実績を上回り、金、パラジウム、プラチナは前年同期実績を下回りました。
また、北米の金・銀精錬事業では、関連する産業の低迷が続き、手数料単価は引き続き低水準で推移しました。
環境保全事業セグメント
国内の廃棄物排出量は総じて減少傾向にあるものの、グループ各社の特長およびグループ会社間の連携による新規顧客開拓・案件獲得に注力した結果、廃棄物取扱量は全体として堅調に推移しました。
ライフ&ヘルス事業セグメント
健康機器事業は、ロースタイルマッサージチェア、小型マッサージ機器、電解水素水生成器等の拡販に注力しておりますが、個人消費低迷等の影響を受け、主力の大型マッサージチェアをはじめ総じて売上が伸び悩みました。一方、消防設備事業は、首都圏でのビル建設の増加等を受け、堅調に推移しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益106,828百万円(前年同期比12,524百万円減、10.5%減)、営業利益2,038百万円(前年同期比4,018百万円減、66.3%減)、税引前利益1,751百万円(前年同期比4,117百万円減、70.2%減)、当期損失1,086百万円(前年度は当期利益2,985百万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失1,213百万円(前年度は親会社の所有者に帰属する当期利益2,867百万円)となりました。セグメント別の売上収益は、貴金属事業が66,994百万円(前年同期比10,972百万円減、14.1%減)、環境保全事業が15,942百万円(前年同期比153百万円増、1.0%増)、ライフ&ヘルス事業が23,967百万円(前年同期比1,752百万円減、6.8%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より5,766百万円減少し、当連結会計年度末には10,798百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は3,319百万円(前連結会計年度比76.8%減)となりました。
これは主に、税引前利益1,751百万円(前連結会計年度比70.2%減)と減価償却費及び償却費2,340百万円(前連結会計年度比2.0%減)、営業債権及びその他の債権の増加989百万円(前連結会計年度は1,058百万円の減少)、営業債務及びその他の債務の減少2,390百万円(前連結会計年度は3,097百万円の増加)及び法人所得税の支払5,888百万円(前連結会計年度比8.5%減)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は2,442百万円(前連結会計年度比26.1%増)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出2,676百万円(前連結会計年度比74.7%増)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は6,630百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。
これは主に、長短借入金の返済による支出5,270百万円(前連結会計年度比1,851.9%増)及び配当金の支払額1,956百万円(前連結会計年度比0.6%減)によるものであります。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2016年3月31日) |
当連結会計年度 (2017年3月31日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
51,570 |
47,474 |
|
固定資産 |
|
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有形固定資産 |
30,791 |
30,992 |
|
無形固定資産 |
20,105 |
7,704 |
|
投資その他の資産 |
1,121 |
1,039 |
|
固定資産合計 |
52,019 |
39,735 |
|
資産合計 |
103,589 |
87,210 |
|
|
|
|
|
負債の部 |
|
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|
流動負債 |
28,442 |
19,789 |
|
固定負債 |
23,846 |
23,810 |
|
負債合計 |
52,288 |
43,599 |
|
|
|
|
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純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
52,747 |
46,725 |
|
その他の包括利益累計額 |
△1,884 |
△3,695 |
|
非支配株主持分 |
438 |
580 |
|
純資産合計 |
51,300 |
43,610 |
|
負債純資産合計 |
103,589 |
87,210 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
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(単位:百万円) |
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|
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
売上高 |
118,473 |
107,005 |
|
売上原価 |
92,719 |
82,423 |
|
売上総利益 |
25,753 |
24,581 |
|
販売費及び一般管理費 |
17,048 |
16,428 |
|
営業利益 |
8,705 |
8,152 |
|
営業外収益 |
89 |
85 |
|
営業外費用 |
284 |
341 |
|
経常利益 |
8,510 |
7,896 |
|
特別利益 |
109 |
799 |
|
特別損失 |
512 |
9,557 |
|
税金等調整前当期純利益 又は税金等調整前当期純損失(△) |
8,106 |
△862 |
|
法人税等合計 |
2,974 |
3,061 |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
5,132 |
△3,923 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
100 |
141 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
5,031 |
△4,065 |
要約連結包括利益計算書
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
5,132 |
△3,923 |
|
その他の包括利益合計 |
△2,577 |
△1,809 |
|
包括利益 |
2,554 |
△5,733 |
|
(内訳) |
|
|
|
親会社株主に係る包括利益 |
2,461 |
△5,875 |
|
非支配株主に係る包括利益 |
92 |
142 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
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株主資本 |
その他の包括利益 累計額 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
49,819 |
685 |
77 |
375 |
50,958 |
|
当期変動額合計 |
2,927 |
△2,570 |
△77 |
62 |
342 |
|
当期末残高 |
52,747 |
△1,884 |
- |
438 |
51,300 |
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括利益 累計額 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
52,747 |
△1,884 |
438 |
51,300 |
|
当期変動額合計 |
△6,021 |
△1,810 |
142 |
△7,690 |
|
当期末残高 |
46,725 |
△3,695 |
580 |
43,610 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
14,289 |
3,286 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,900 |
△2,432 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△6,473 |
△6,630 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△191 |
10 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
5,723 |
△5,766 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
10,841 |
16,564 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
16,564 |
10,798 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(企業結合に関する会計基準等の適用)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 平成25年9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 平成25年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しております。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更を行っております。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組替えを行っております。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(4)、連結会計基準第44-5項(4)及び事業分離等会計基準第57-4項(4)に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首時点から将来にわたって適用しております。
これによる連結財務諸表及び1株当たり情報に与える影響はありません。
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
有形固定資産の減価償却方法の変更
従来、当社及び国内連結子会社は有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法については、定率法(ただし、平成10年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備は除く)については定額法)を採用しておりましたが、当連結会計年度より定額法に変更しております。
この変更は、中期経営計画における投資計画の検討を機に、有形固定資産の減価償却の方法について再度検討したことによるものであります。その結果、当社の製品需要実態から、今後長期安定的に稼働することが見込まれるため、有形固定資産の減価償却方法として定額法を採用することが費用配分の観点から合理的であり、経済実態をより適切に反映できると判断し、今回の変更を行うものであります。
これにより、従来の方法によった場合に比べ、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ211百万円増加しております。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
該当事項はありません。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
第5 経理の状況 連結財務諸表注記「35.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
日本基準においては、のれんを規則的に償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が1,446百万円減少しております。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注の状況については、「1. 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
貴金属事業 |
66,994 |
85.9 |
|
環境保全事業 |
15,867 |
101.3 |
|
ライフ&ヘルス事業 |
23,966 |
93.2 |
|
合計 |
106,828 |
89.5 |
(注)1.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
田中貴金属工業㈱ |
14,562 |
12.3 |
13,212 |
12.4 |
|
三菱商事RtMジャパン㈱ |
12,344 |
10.4 |
12,337 |
11.5 |
3.上記金額には消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、貴金属事業、環境保全事業及びライフ&ヘルス事業の拡大により発展を遂げ、今後も社会貢献することで発展し続けていくことを目指しております。また、その過程においては、安定的な利益の確保と持続的な成長の維持との均衡を重視しており、これらを通して企業価値を高め、長期に亘って顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えることを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
経営の基本方針に基づき、連結売上収益と連結営業利益、また株主重視の観点から、株主資本当期純利益率(ROE)をそれぞれ重要な指標と考えております。
(3)経営戦略等
当社グループは、第7次中期経営計画(平成27年4月~平成30年3月)において「新事業分野による成長加速」、「既存事業の収益力強化」、「グローバル経営の推進」を基本方針として、国内外の事業拡大にむけた成長戦略を推進するとともに、グループ全体の効率性向上を追求し、収益拡大に取り組んでおります。
最終年度の経営目標については下記のとおりであります。なお、配当については、安定的な株主還元の観点を考慮し決定いたします。
連結売上収益 1,200 億円
連結営業利益 115 億円
なお、以上の経営目標は、当社グループが現時点で入手可能な情報に基づき判断した見通しであり、実際の業績は今後の様々な要因によって変動することがあります。
(4)経営環境
当連結会計年度において貴金属価格低迷の影響を受けたことに加えて、国内外の経済見通しについて下振れリスクの高い状況が継続しており、今後の動向に関しては依然として楽観できない状況が続くものと思われます。このような経営環境の変化を踏まえて、当社グループは収益改善に向けた取り組みを一層強化してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 貴金属事業セグメント
当社グループのコア事業であり、以下の施策をもって収益の拡大を図ります。
日本国内市場では、都市鉱山として各分野から排出される貴金属総量は減少傾向にはあるものの、新たな回収ルートを積極的に開拓することで、一層の競争力強化を図ります。北米の金・銀精錬事業は、生産コストの削減への取組みや、Asahiブランドの認知度向上に向けた積極的なマーケティング活動など、経営基盤の再構築を行います。また、アジア市場では、収益性を重視した事業の見直しを行います。
② 環境保全事業セグメント
当社グループの安定成長事業として収益性を重視した経営を行います。環境保全事業を行う当社グループ各社がそれぞれの特長を活かしつつ連携することで、より一層の効率化を図ります。また、安定成長を実現する適切な規模の設備投資を行います。
③ ライフ&ヘルス事業セグメント
新製品開発、新しい販路の開拓ならびに独自のビジネスモデルの構築、海外展開などの利益拡大を目指した取組みにより、当社事業の新たな柱に成長させます。
(6)内部管理体制の整備・運用状況
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及びその施策の実施状況
当該事項につきましては、コーポレート・ガバナンスに関する報告書に記載しております。
② 内部管理体制の充実に向けた取組みの最近1年間における実施状況
当社グループ内で「内部統制推進会議」を組織し、内部統制のためのルールについて運用状況を確認・評価するなど、内部統制強化のための継続的な活動を行っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、以下の事項は、当該有価証券報告書提出日(2017年6月21日)現在において当社グループが判断したもので
あります。
(1)貴金属相場及び為替相場について
当社グループの「貴金属事業」における主力製品である貴金属及び希少金属は、国際市場で取引されており、その価格は、供給国及び需要国の政治経済動向、為替相場等、世界の様々な要因により変動しております。このため、当社グループは先渡取引等を通してヘッジし、リスクの軽減に取り組んでおりますが、貴金属相場及び為替相場の変動の幅により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)法規制について
当社グループが事業展開している国及び地域におきましては、事業の許可、輸出入・輸送規制、商取引、労働、租税、知的財産権、環境保全等のさまざまな法規制の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンス重視の姿勢の下、法規制及び社会的ルールの遵守を徹底してまいりますが、万一、これらの法規制及び社会的ルールが遵守できなかった場合や、法規制及び社会的ルールの変化によって事業が制約を受ける等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
特に、「環境保全事業」においては、当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく事業者として、各種の産業廃棄物の収集運搬及び処理を行っており、当該法律のほか「水質汚濁防止法」、「大気汚染防止法」、「下水道法」等の規制を受けております。また、当社グループは、産業廃棄物では収集運搬業許可を全ての都道府県・政令市で、処分業許可を13都道府県9政令市・中核市で、特別管理産業廃棄物では収集運搬業許可を全ての都道府県・政令市で、処分業許可を11都道府県8政令市・中核市で、取得しておりますが、許認可にあたっては、県または市条例、各種規制等の地方行政レベルでの規制の遵守が前提になっております。
環境問題への社会的関心の高まりから、これらの法的規制は強化される方向にありますが、その対策としての設備投資はもとより、処理施設の新設・移転・設備更新時には設置許可や変更許可が必要となります。それらの際には、近隣住民の同意が必要となる場合がありますが、その同意が困難な場合があります。以上により、これらの法的規制や社会動向等は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)経済変動について
当社グループの「貴金属事業」及び「環境保全事業」の主要需要業界のひとつである製造業に関しては、それぞれの業界の需要動向はさまざまな国や地域の経済状況の影響を受けます。景気後退等に伴ってそれらの業界の需要が減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、建設関連需要の大幅な減少や個人消費の落ち込み等によっても、「ライフ&ヘルス事業」が影響を受けることで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)事業環境について
当社グループの3つの事業セグメントである「貴金属事業」「環境保全事業」「ライフ&ヘルス事業」は、事業分野毎の関連する法規制や許認可等の変更により顧客ニーズが大きく変化する可能性や顧客企業の海外移転が想定以上に進展する可能性があります。また、業界再編など事業環境が大きく変化する可能性もあります。その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)競合との競争激化について
当社グループの3つの事業セグメントである「貴金属事業」「環境保全事業」「ライフ&ヘルス事業」は、事業分野毎のさまざまな企業と競合しています。グループ各社は、営業努力をはじめ、技術・製品面やコスト対応面等での取り組みにより、事業分野毎の顧客ニーズへ的確にお応えすることで、他社との競争に勝ち抜くべく努力を続けておりますが、競合他社との競争の激化により、各社の製品・サービスが厳しい価格競争にさらされる可能性があります。その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)海外事業展開について
当社グループは、北米・アジア等の国及び地域において事業展開しておりますが、事業に不利な政治または経済的事象の発生、労働環境の違いによる労働争議等の発生、現地での適切な人材確保の不確実性、紛争・テロその他の要因による社会的混乱の可能性、ビジネスインフラ未整備による当該国及び地域当局からの不当な介入等のリスクが内在しています。これらの事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)企業買収等について
当社グループは、これまで企業買収によって事業内容及び事業規模の拡大を図ってきており、これからも当社グループにとって魅力ある案件に対しては前向きに取り組んで行く予定です。対象事業及び企業との統合効果を最大限に高めるために当社グループの事業戦略やオペレーションとの統合・融合を図りますが、期待した統合・融合効果をあげられない可能性があります。また対象事業及び企業が当初予定した業績を上げられず、経営成績の著しい悪化等により、のれんの減損が発生する可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)自然災害・事故等について
大規模な地震や台風等の自然災害によって、当社グループの生産・物流・販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害が発生する可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また当社グループでは、労働災害や設備事故の撲滅に向けて安全管理体制の強化ならびに定期的な災害・事故防止活動をおこなっておりますが、これらの発生を完全に防止または軽減できる保証はありませんので、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)新製品開発について
当社グループの「ライフ&ヘルス事業」は、「快適な生活と健康を維持する、人に優しい」機器や設備の提供を目指して、顧客ニーズを的確に捉え、当社技術を最適に活用することにより、魅力ある製品の開発を行っております。しかしながら、市場や業界ニーズに適切に対応できず、タイムリーな製品開発ができなかった場合には、将来の成長ならびに収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)重要な知的財産権について
当社グループは、事業展開にとって重要な知的財産権を保護すべく、適切な管理を行っております。しかしながら、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があり、また特定の地域においてはこれらの知的財産権を完全に保護することが不可能なため、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似製品・サービスを製造・販売することを効果的に防止できない可能性があります。その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)製品品質保証・製造物責任について
当社グループは製品の品質保証体制に万全を期しておりますが、当社グループの生産した製品に起因する損害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)環境保護について
当社グループは、「環境方針」に基づき地球環境保護に向けたさまざまな取り組みを継続しております。しかしながら環境汚染等の環境に関するリスクを完全に防止または軽減できる保証はありませんので、当社グループに起因する重大な環境汚染等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)訴訟・その他の法的手続きについて
当社グループが国内及び海外で事業展開する上では、訴訟その他の法的手続きの対象になる可能性があり、当社グループがその当事者となった場合には、多額の損害賠償金等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
(1)研究開発活動の方針
当社グループでは、各事業セグメントにおける競争力を高めるためにコストダウンや市場ニーズに応じた新技術・新商品の開発に積極的に取り組んでいます。
貴金属事業においては、北米におけるプライマリー原料と日本を含めアジアを中心とするリサイクル原料からの貴金属精製技術の開発を行っています。また、環境保全事業においては、主に日本国内の産業廃棄物処理技術の開発を行い、資源の供給から回収・リサイクルならびに廃棄物処理を一貫して担うことにより持続可能な循環型社会の形成を推進しています。さらに、ライフ&ヘルス事業においては、マッサージチェアの開発や種々の医療機器の開発を行い、高齢化社会への対応と快適な暮らしの維持を目指しています。
(2)研究開発活動の体制
当社グループの研究開発活動は、アサヒプリテック株式会社テクノセンターを中心として各グループ会社の開発部門が相互に連携をとりながら取り組んでいます。同センターでは、新しい処理技術や製品および分析技術の開発を担当すると共に、関連する設備の設計や改善・改良および保守をも担当しています。さらに、各グループ会社との情報交換・共有化を図りながら、さまざまな技術課題を抽出してその解決に当たっています。
また、技術情報の収集・管理や知的財産の保護および新規事業を含めた企画・開発についてもテクノセンターが中心となって各グループ会社と連携をとりながら、大学や研究所等の外部機関も積極的に活用し効率的に推進しています。
(3)研究開発活動の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費
当社グループの研究開発活動は、コストダウン、製造期間短縮、品質向上、環境対策、安全性向上などの各種改善、および新商品の提供を目的として、
① 貴金属・希少金属の回収・分離・精製に関する技術
② 貴金属評価のための分析技術
③ 貴金属製品および製造技術
④ 有害物質の拡散防止および無害化に関する技術
⑤ 健康・福祉機器および機能水に関する技術
等の開発を行っています。
主要課題と研究成果は次のとおりです。
<貴金属事業>
・貴金属精製技術の開発
リサイクル原料処理に特に有効な湿式貴金属精製技術に加え、北米で実施しているプライマリー原料処理に有効な乾式貴金属精製技術の開発を行っています。湿式・乾式の両精製技術を深化・融合させることによって、あらゆる原料に対応できる効果的な貴金属精製技術を確立していきます。当連結会計年度においては、「鉱山系原料ならびにリサイクル系原料に対応する新PGM精製プロセスの開発に関する調査」の項目で独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の平成28年度エネルギー使用合理化鉱物資源開発推進基盤整備事業に採択された新しいPGM精製プロセスの開発を行いました。
・貴金属剥離技術の開発
半導体やLEDの製造で使用する部材・冶具などの表面に付着した貴金属を回収するために、部材・冶具を損傷することなく、安全かつ確実に貴金属を化学剥離および物理剥離する技術を開発しています。
・貴金属分析技術の開発
お客様との取引を正確かつ迅速に行うことを目的として、X線や誘導結合プラズマ発光分析(ICP)を用いた分析技術を開発しています。当連結会計年度においては、Asahi Refining USA Inc.及びAsahi Refining Canada Ltd.社も含めた貴金属分析技術の高度化を図りました。
<環境保全事業>
・廃棄物中の貴金属回収
当社グループ全体で回収される産業廃棄物の適正処理技術の開発と資源回収技術を開発しています。当連結会計年度においては、株式会社太陽化学の新規焼却炉の設置工事に着手しました。また、アサヒプリテック株式会社北九州事業所の新規焼却炉新設のための準備に取り掛かりました。さらに、資源回収技術としてJWガラスリサイクル株式会社のガラス選別工程の効率化を図りました。
<ライフ&ヘルス事業>
・次世代マッサージチェアの開発
株式会社フジ医療器で現在販売しているマッサージチェアの商品ラインアップを拡充するために、次世代機種となる製品の開発に取り組んでいます。最先端のセンシング技術や制御技術を取り入れ、これまでの機種には見られなかった新しいコンセプトの新型機を目指しています。
当連結会計年度における研究開発費は510百万円です。なお、研究開発費については、基礎研究分野にかかわる費用をセグメント別に関連づけることが困難であるため、その総額を記載しています。
文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日(2017年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当社グループは当連結会計年度(2016年4月1日~2017年3月31日)から国際会計基準(IFRS)を適用しており、前連結会計年度の比較数値は、日本基準の数値をIFRSに組替えて表示しております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。具体的には、貸倒引当金、投資の減損等が該当しますが、いずれも適正に見積っております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上収益は106,828百万円(前年同期比10.5%減)、営業利益は2,038百万円(前年同期比66.3%減)、税引前利益は1,751百万円(前年同期比70.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期損失は1,213百万円(前年度は親会社の所有者に帰属する当期利益2,867百万円)となりました。
なお、セグメント別の分析につきましては、第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績に記載のとおりであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは貴金属事業において、貴金属及び希少金属を扱っており、貴金属相場及び為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。なお、取扱製品を多様化すること等により、リスク軽減に努めております。
(4)戦略的現状と見通し
貴金属事業においては、世間一般の資源循環ニーズの高まりにより、自らの役割の重要性を認識し、新たな事業機会の活用、新規顧客の開拓を通して、引き続き成長性の確保と収益性の向上に努めております。
環境保全事業においては、多様な産業廃棄物の適正処理が求められる市場において、アサヒホールディングスグループとして顧客ニーズに幅広く対応できる「ワン・ストップ」体制を志向し、顧客からの信頼をますます高めつつ、高付加価値の事業展開を推進しております。
ライフ&ヘルス事業においては、「快適な生活と健康を維持する機器及び設備等の提供」をテーマにこの分野へ積極的に投資するとともに人材育成を図り、新たな安定した収益基盤を形成します。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保及び適切な流動性の維持を図るにあたり、営業活動で得られた資金により設備投資の資金をまかなうことを基本方針としています。主なキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は3,319百万円となりました。
これは主に、税引前利益1,751百万円と減価償却費及び償却費2,340百万円、営業債権及びその他の債権の増加額、営業債務及びその他の債務の減少額及び法人所得税の支払額によるものであります。
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は2,442百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出2,676百万円等によるものであります。
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は6,630百万円となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出5,270百万円及び配当金の支払1,956百万円によるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、10,798百万円となり、前連結会計年度末より5,766百万円減少しました。
当社グループは、現金及び現金同等物、その他の流動性資産の水準から、十分な流動性を確保していると考えておりますが、この資金を効率的な拡大再生産に振り向けていくことが経営課題であると認識しております。
なお、当社グループは、現在取引している金融機関と良好な関係を築いております。