第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、貴金属事業、環境保全事業及びライフ&ヘルス事業の拡大により発展を遂げ、今後も社会貢献することで発展し続けていくことを目指しております。また、その過程においては、安定的な利益の確保と持続的な成長の維持との均衡を重視しており、これらを通して企業価値を高め、長期に亘って顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えることを基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

経営の基本方針に基づき、連結売上収益と連結営業利益、また株主重視の観点から、株主資本当期利益率(ROE)をそれぞれ重要な指標と考えております。

 

(3)経営戦略等

当社グループは、当連結会計年度から始まる第8次中期経営計画(2018年4月~2021年3月)において「次代を支える新たな事業基盤の構築」、「情報処理技術を活かした生産性や働き方の革新」、「グループ全社員による新アサヒウェイの共有」を基本方針として、国内外の事業拡大にむけた成長戦略を推進するとともに、グループ全体の効率性向上を追求し、収益拡大に取り組みます。

計画の最終年度である2021年3月期の経営目標については下記のとおりであります。なお、配当については、連結純利益の50%以上をめどに、安定的かつ継続的な配当を実施します。

連結売上収益  1,400 億円

連結営業利益   160 億円

なお、以上の経営目標は、当社グループが現時点で入手可能な情報に基づき判断した見通しであり、実際の業績は今後の様々な要因によって変動することがあります。

 

(4)経営環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、個人消費も回復の傾向が見られました。一方、相次ぐ自然災害や、米国・中国における貿易摩擦の問題、英国のEU離脱問題等により、世界経済は不確実性を抱えており、国内外共に先行きが不透明です。このような経営環境の変化を踏まえて、当社グループは収益改善に向けた取り組みを一層強化してまいります。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

① 貴金属事業セグメント

  当社グループの中核的事業であり、以下の施策をもって収益の拡大を図ります。

  ○処理・精製工程をより高品質・低コスト・高効率に改良する。

  ○付加価値の高い貴金属製品の生産と販売を実現する。

  ○グローバルに事業を推進し、世界ナンバーワンブランドの地位を確立する。

 

② 環境保全事業セグメント

  当社グループの安定成長事業として、成長とともに収益性を重視した経営を行います。

  また、以下の施策をもって収益の拡大を図ります。

  ○リサイクルや処理困難廃棄物の処理能力を高め、他社を凌駕できるブランドを確立する。

  ○適切な設備投資による事業拡大を行い、収益基盤を強化する。

  ○全国に亘るグループ各社のネットワークを有機的に結びつけ、業容拡大を図る。

 

③ ライフ&ヘルス事業セグメント

  2018年4月にセグメントを統括するアサヒライフ&ヘルス株式会社を設立いたしました。

  同社をコアに、当セグメントの業務、管理の効率化を図り、当セグメント子会社間のシナジー効果を実現します。また、以下の施策をもって収益の拡大を図ります。

  ○消費者ニーズを的確に把握し対応するため、ITを取り入れた顧客ニーズ取得と商品への展開を行い、国内のみならず、グローバルブランドとしての知名度を確立する。

  ○メイドインジャパンブランドを活かし、海外展開を加速する。

 

 

 

(6)内部管理体制の整備・運用状況

① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及びその施策の実施状況

当該事項につきましては、コーポレート・ガバナンスに関する報告書に記載しております。

② 内部管理体制の充実に向けた取組みの最近1年間における実施状況

当社グループ内で「内部統制推進会議」を組織し、内部統制のためのルールについて運用状況を確認・評価するなど、内部統制強化のための継続的な活動を行っております。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、以下の事項は、当該有価証券報告書提出日(2019年6月19日)現在において当社グループが判断したもので

あります。

 

(1)貴金属相場及び為替相場について

当社グループの「貴金属事業」における主力製品である貴金属及び希少金属は、国際市場で取引されており、その
価格は、供給国及び需要国の政治経済動向、為替相場等、世界の様々な要因により変動しております。このため、当
社グループは先渡取引等を通してヘッジし、リスクの軽減に取り組んでおりますが、貴金属相場及び為替相場の変動
の幅により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)法規制について

当社グループが事業展開している国及び地域におきましては、事業の許可、輸出入・輸送規制、商取引、労働、租税、知的財産権、環境保全等のさまざまな法規制の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンス重視の姿勢の下、法規制及び社会的ルールの遵守を徹底してまいりますが、万一、これらの法規制及び社会的ルールが遵守できなかった場合や、法規制及び社会的ルールの変化によって事業が制約を受ける等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

特に、「環境保全事業」においては、当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく事業者として、各種の産業廃棄物の収集運搬及び処理を行っており、当該法律のほか「水質汚濁防止法」、「大気汚染防止法」、「下水道法」等の規制を受けております。また、当社グループは、産業廃棄物では収集運搬業許可を全ての都道府県・政令市で、処分業許可を12都道府県8政令市・中核市で、特別管理産業廃棄物では収集運搬業許可を全ての都道府県・政令市で、処分業許可を10都道府県7政令市・中核市で、取得しておりますが、許認可にあたっては、県または市条例、各種規制等の地方行政レベルでの規制の遵守が前提になっております。

環境問題への社会的関心の高まりから、これらの法的規制は強化される方向にありますが、その対策としての設備投資はもとより、処理施設の新設・移転・設備更新時には設置許可や変更許可が必要となります。それらの際には、近隣住民の同意が必要となる場合がありますが、その同意が困難な場合があります。以上により、これらの法的規制や社会動向等は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)経済変動について

当社グループの「貴金属事業」及び「環境保全事業」の主要需要業界のひとつである製造業に関しては、それぞれの業界の需要動向はさまざまな国や地域の経済状況の影響を受けます。景気後退等に伴ってそれらの業界の需要が減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、建設関連需要の大幅な減少や個人消費の落ち込み等によっても、「ライフ&ヘルス事業」が影響を受けることで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)事業環境について

当社グループの3つの事業セグメントである「貴金属事業」「環境保全事業」「ライフ&ヘルス事業」は、事業分野毎の関連する法規制や許認可等の変更により顧客ニーズが大きく変化する可能性や顧客企業の海外移転が想定以上に進展する可能性があります。また、業界再編など事業環境が大きく変化する可能性もあります。その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(5)競合との競争激化について

当社グループの3つの事業セグメントである「貴金属事業」「環境保全事業」「ライフ&ヘルス事業」は、事業分野毎のさまざまな企業と競合しています。グループ各社は、営業努力をはじめ、技術・製品面やコスト対応面等での取り組みにより、事業分野毎の顧客ニーズへ的確にお応えすることで、他社との競争に勝ち抜くべく努力を続けておりますが、競合他社との競争の激化により、各社の製品・サービスが厳しい価格競争にさらされる可能性があります。その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6)海外事業展開について

当社グループは、北米・アジア等の国及び地域において事業展開しておりますが、事業に不利な政治または経済的事象の発生、労働環境の違いによる労働争議等の発生、現地での適切な人材確保の不確実性、紛争・テロその他の要因による社会的混乱の可能性、ビジネスインフラ未整備による当該国及び地域当局からの不当な介入等のリスクが内在しています。これらの事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7)企業買収等について

当社グループは、これまで企業買収によって事業内容及び事業規模の拡大を図ってきており、これからも当社グループにとって魅力ある案件に対しては前向きに取り組んで行く予定です。対象事業及び企業との統合効果を最大限に高めるために当社グループの事業戦略やオペレーションとの統合・融合を図りますが、期待した統合・融合効果をあげられない可能性があります。また対象事業及び企業が当初予定した業績を上げられず、経営成績の著しい悪化等により、のれんの減損が発生する可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8)自然災害・事故等について

大規模な地震や台風等の自然災害によって、当社グループの生産・物流・販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害が発生する可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また当社グループでは、労働災害や設備事故の撲滅に向けて安全管理体制の強化ならびに定期的な災害・事故防止活動をおこなっておりますが、これらの発生を完全に防止または軽減できる保証はありませんので、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)新製品開発について

当社グループの「ライフ&ヘルス事業」は、「快適な生活と健康を維持する、人に優しい」機器や設備の提供を目指して、顧客ニーズを的確に捉え、当社技術を最適に活用することにより、魅力ある製品の開発を行っております。しかしながら、市場や業界ニーズに適切に対応できず、タイムリーな製品開発ができなかった場合には、将来の成長ならびに収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)重要な知的財産権について

当社グループは、事業展開にとって重要な知的財産権を保護すべく、適切な管理を行っております。しかしながら、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があり、また特定の地域においてはこれらの知的財産権を完全に保護することが不可能なため、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似製品・サービスを製造・販売することを効果的に防止できない可能性があります。その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11)製品品質保証・製造物責任について

当社グループは製品の品質保証体制に万全を期しておりますが、当社グループの生産した製品に起因する損害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12)環境保護について

当社グループは、「環境方針」に基づき地球環境保護に向けたさまざまな取り組みを継続しております。しかしながら環境汚染等の環境に関するリスクを完全に防止または軽減できる保証はありませんので、当社グループに起因する重大な環境汚染等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(13)訴訟・その他の法的手続きについて

当社グループが国内及び海外で事業展開する上では、訴訟その他の法的手続きの対象になる可能性があり、当社グループがその当事者となった場合には、多額の損害賠償金等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ28,788百万円増加し、160,272百万円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権が29,515百万円、有形固定資産が3,212百万円増加、現金及び現金同等物が7,842百万円減少したことによるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ25,419百万円増加し、92,468百万円となりました。これは主に、借入金が22,682百万円増加したことによるものです。

資本につきましては、3,368百万円増加し、67,804百万円となりました

 

b.経営成績

当連結会計年度における、当社グループの各事業セグメントの状況は以下のとおりでした。

 

貴金属事業セグメント

国内および韓国・マレーシアにおける貴金属リサイクル分野の売上収益は前年同期比で増加しました。また、北米における貴金属精錬分野の売上収益は前年同期比で増加しました。これらの結果、本セグメントの売上収益および営業利益は前年同期比で増加しました。

 

環境保全事業セグメント

国内の廃棄物排出量は減少していますが、新規顧客の開拓に努めたことにより、本セグメントの売上収益は前年同期比で増加しました。また、当期に進めた写真感材事業撤退の費用は発生しましたが、本セグメントの営業利益は前年同期比で増加しました。

 

ライフ&ヘルス事業セグメント

首都圏を中心とした建設需要は引き続き高い水準にあり、消防設備や空調設備の売上収益は堅調に推移しました。しかし、健康機器の売上収益が前年同期比で減少し、本セグメントの売上収益および営業利益は前年同期比で減少しました。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益128,669百万円(前年同期比12,871百万円増、11.1%増)、営業利益14,478百万円(前年同期比687百万円増、5.0%増)、税引前利益13,405百万円(前年同期比5百万円減、0.0%減)、当期利益9,000百万円(前年同期比453百万円減、4.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益9,000百万円(前年同期比415百万円減、4.4%減)となりました。セグメント別の売上収益は、貴金属事業が87,804百万円(前年同期比13,211百万円増、17.7%増)、環境保全事業が17,197百万円(前年同期比962百万円増、5.9%増)、ライフ&ヘルス事業が23,709百万円(前年同期比1,326百万円減、5.3%減)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より7,842百万円減少し、当連結会計年度末には16,297百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は20,648百万円(前年同期比54.1%増)となりました。

これは主に、税引前利益13,405百万円(前年同期比0.0%減)、減価償却費及び償却費2,320百万円(前年同期比2.3%増)、営業債権及びその他の債権の増加29,497百万円(前年同期比37.7%増)、棚卸資産の増加2,720百万円(前年同期比46.8%減)、及び法人所得税の支払6,287百万円(前年同期比93.9%増)によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は5,629百万円(前年同期比99.0%増)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出5,552百万円(前年同期比101.0%増)によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は18,261百万円(前年同期比38.7%減)となりました。

これは主に、長短借入金の純増加額22,635百万円(前年同期比14.2%増)、配当金の支払額3,666百万円(前年同期比87.4%増)及び自己株式の取得による支出744百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

 

販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

貴金属事業

87,804

117.7

環境保全事業

17,156

106.1

ライフ&ヘルス事業

23,708

94.7

合計

128,669

111.1

(注)1.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2017年4月1日

至  2018年3月31日)

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Varinor SA

11,554

10.0

19,329

15.0

田中貴金属工業㈱

12,478

10.8

14,077

10.9

3.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日(2019年6月19日)現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。

  当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。具体的には、貸倒引当金、投資の減損等が該当しますが、いずれも適正に見積っております。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

  当連結会計年度の売上収益は128,669百万円(前年同期比11.1%増)、営業利益は14,478百万円(前年同期比5.0%増)、税引前利益は13,405百万円(前年同期比0.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は9,000百万円(前年同期比4.4%減)となり、目標として掲げていた営業利益140億円を超え、2期連続して過去最高の業績となりました。当社が経営効率化の指標としている株主資本当期利益率(ROE)は13.6%となりました。

  なお、セグメント別の分析につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

  当社グループは貴金属事業において、貴金属及び希少金属を扱っており、貴金属相場及び為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。なお、取扱製品を多様化すること等により、リスク軽減に努めております。

 

④ 戦略的現状と見通し

  貴金属事業においては、世間一般の資源循環ニーズの高まりにより、自らの役割の重要性を認識し、新たな事業機会の活用、新規顧客の開拓を通して、引き続き成長性の確保と収益性の向上に努めております。

  環境保全事業においては、多様な産業廃棄物の適正処理が求められる市場において、アサヒホールディングスグループとして顧客ニーズに幅広く対応できる「ワン・ストップ」体制を志向し、顧客からの信頼をますます高めつつ、高付加価値の事業展開を推進しております。

  ライフ&ヘルス事業においては、「快適な生活と健康を維持する機器及び設備等の提供」をテーマにこの分野へ積極的に投資するとともに人材育成を図り、新たな安定した収益基盤を形成します。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

  当社グループは、事業活動のための適切な資金確保及び適切な流動性の維持を図るにあたり、営業活動で得られた資金により設備投資の資金をまかなうことを基本方針としています。主なキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

  当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は20,648百万円となりました。

  これは主に、税引前利益13,405百万円と減価償却費及び償却費2,320百万円、営業債権及びその他の債権の増加額、棚卸資産の増加額及び法人所得税の支払額によるものであります。

  当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は5,629百万円となりました。

  これは主に、有形固定資産の取得による支出5,552百万円等によるものであります。

  当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は18,261百万円となりました。

  これは主に、長短借入金の純増加額22,635百万円、配当金の支払額3,666百万円及び自己株式の取得による支出744百万円によるものであります。

  以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は16,297百万円となり、前連結会計年度末より7,842百万円減少しました。

  当社グループは、現金及び現金同等物、その他の流動性資産の水準から、十分な流動性を確保していると考えておりますが、この資金を効率的な拡大再生産に振り向けていくことが経営課題であると認識しております。

  なお、当社グループは、現在取引している金融機関と良好な関係を築いております。

 

(3)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 

(のれんの償却)

日本基準においては、のれんを規則的に償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が533百万円減少しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

(1)研究開発活動の方針

当社グループでは、各事業セグメントにおける競争力を高めるためにコストダウンや市場ニーズに応じた新技術・新商品の開発に積極的に取り組んでいます。

貴金属事業においては、北米におけるプライマリー原料と日本を含むアジアを中心とするセカンダリー原料からの貴金属精製に関して、組成分析から製品化までの一貫したプロセスの効率向上や新技術の開発を行い、持続可能な循環型社会の形成を目指しています。また、環境保全事業においては、日本国内の産業廃棄物の無害化や資源化に関して、処理コスト低減や新技術の開発を行い、地球環境保全への貢献を目指しています。さらに、ライフ&ヘルス事業においては、マッサージチェアや暖房機器を中心とした快適な生活と健康を維持するための機器開発を行い、高齢化社会への対応と快適な暮らしの維持を目指しています。

 

(2)研究開発活動の体制

当社グループの研究開発活動は、主にアサヒプリテック株式会社テクノセンターが担っています。同センターでは、新しい処理技術や製品および分析技術の開発を担当すると共に、関連する設備の設計や改善・改良および保守をも担当しています。さらに、各グループ会社との情報交換・共有化を図りながら、さまざまな技術課題を抽出してその解決に当たっています。また、技術情報の収集・管理や知的財産の保護および新規事業を含めた企画・開発についてもテクノセンターが中心となって各グループ会社と連携をとりながら、大学や研究所等の外部機関も積極的に活用し効率的に推進しています。

 

(3)研究開発活動の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費

当社グループの研究開発活動は、コストダウン、製造期間短縮、品質向上、環境対策、安全性向上などの各種改善、および新商品の提供を目的として、

① 貴金属・希少金属の回収・分離・精製に関する技術

② 貴金属評価のための分析技術

③ 貴金属製品および製造技術

④ 有害物質の拡散防止および無害化に関する技術

⑤ 生活と健康・福祉機器に関する技術

等の開発を行っています。

 

主要課題と研究成果は次のとおりです。

 

<貴金属事業>

・貴金属精製技術の開発

北米で実施しているプライマリー原料処理に対しては主に乾式貴金属精製技術の開発を行い、日本を中心にアジアで実施しているセカンダリー原料処理においては主に湿式貴金属精製技術の開発を進めています。また、乾式および湿式の両精製技術を融合させることによって、あらゆる原料に対応できる効果的な貴金属精製技術の確立を目指しています。当連結会計年度においては、北米におけるプライマリー原料の貴金属精錬プロセスで発生する副産物からのセレン(Se)回収技術の開発を行いました。

・貴金属剥離技術の開発

半導体やLED産業の製造で使用する部材・冶具等の表面に付着した貴金属を安全かつ確実に回収するために、化学剥離技術および物理剥離技術の開発を進めています。

・貴金属分析技術の開発

お客様との取引を正確かつ迅速に行うために、X線や誘導結合プラズマ発光分析(ICP)を用いた分析技術の開発を進めています。当連結会計年度においては、Asahi Refining USA Inc.及びAsahi Refining Canada Ltd.社も含めた貴金属分析技術の高度化を図りました。

 

<環境保全事業>

・産業廃棄物の処理技術および資源回収技術の開発

当社グループ全体で回収される産業廃棄物の適正処理技術と資源回収技術を開発しています。当連結会計年度においては、アサヒプリテック株式会社北九州事業所の新規焼却炉新設に関し、2020年度の竣工に向け建設を進めています。

 

<ライフ&ヘルス事業>

・次世代マッサージチェアの開発

株式会社フジ医療器では、現在販売しているマッサージチェアの商品ラインアップと並行して、次世代機種となる製品の開発に取り組んでいます。最先端のセンシング技術や制御技術を取り入れ、これまでの機種には見られなかった新しいコンセプトの新型機を目指しています。当連結会計年度においては、AI技術を搭載したマッサージチェア「サイバーリラックスAS-2000」の販売を開始しました。

 

当連結会計年度における研究開発費は454百万円です。なお、研究開発費については、基礎研究分野にかかわる費用をセグメント別に関連づけることが困難であるため、その総額を記載しています。