文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、貴金属事業及び環境保全事業の拡大により発展を遂げ、環境と社会をつなぐ循環経済の担い手として、今後も社会貢献することで発展し続けていくことを目指しております。また、その過程においては、安定的な利益の確保と持続的な成長の維持との均衡を重視しており、これらを通して企業価値を高め、長期に亘って顧客、株主、従業員を含むすべてのステークホルダーの期待に応えることを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
経営の基本方針に基づき、連結売上収益と連結営業利益、また株主重視の観点から、株主資本当期利益率(ROE)をそれぞれ重要な指標と考えております。
(3)経営戦略等
当社グループは、第9次中期経営計画(2021年4月~2024年3月)において「独創性と成長を追求するグローバル企業へ」という主題を掲げ、社会的価値に配慮しながら世界的な視野で市場シェアを拡大するため、「世界的な成長への基礎固め」、「新たな人材政策の実施」、「グループリスク管理の強化」、「SDGsへの貢献」の4つの基本方針を定め、持続的成長に向けた取り組みを推進しています。
計画の最終年度である2024年3月期の経営目標については下記のとおりです。なお、配当については、現在の年間配当水準から目減りさせることなく、継続的に実施すべく努め、今後の成長に向けた投資のための内部留保の充実を図りながら、配当性向に関しては40%を目処とします。
|
経営目標 |
目標値 |
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①連結売上収益 |
2,100億円 |
|
②連結営業利益 |
275億円 |
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③株主資本当期利益率(ROE) |
16% |
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④自己資本比率 |
40% |
以上の経営目標は、当社グループが現時点で入手可能な情報に基づき判断した見通しであり、実際の業績は今後の様々な要因によって変動することがあります。
(4)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染の影響により、極めて厳しい状況が続いています。段階的な経済活動の再開や政府の経済対策の効果により、景気は持ち直しの動きも見られましたが、感染再拡大の状況下にあり、コロナ禍の収束時期の見通しが立たないことから、依然として先行きが不透明な状況で推移いたしました。このような経営環境を踏まえて、当社グループは持続的な利益成長に向けた取り組みを一層強化してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 貴金属事業セグメント
当社グループの中核的事業であり、以下の施策をもって収益の拡大を図ります。
○ITを活用して効率的な営業活動体制や技術プロセスを確立し、競争力を高める。
○「責任ある貴金属管理」を徹底し、リスク管理を強化する。
○北米精錬事業の安定操業を追求し、付加価値サービスの増強により収益基盤を拡充する。
② 環境保全事業セグメント
当社グループの安定成長事業として、成長とともに収益性を重視した経営を行います。
また、以下の施策をもって収益の拡大を図ります。
○全国的なグループネットワークや高い処理技術を活かし、国内環境ビジネスのリーダー企業の地位を確立する。
○デジタル技術を活用し、効率的・効果的な事業体制を確立する。
○グローバル化を推進し、世界市場への事業拡大を図る。
(6)内部管理体制の整備・運用状況
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及びその施策の実施状況
当該事項につきましては、コーポレート・ガバナンスに関する報告書に記載しております。
② 内部管理体制の充実に向けた取り組みの最近1年間における実施状況
当社グループ内で「内部統制推進会議」を組織し、内部統制のためのルールについて運用状況を確認・評価するなど、内部統制強化のための継続的な活動を行っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりであります。これらは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えておりますが、記載した項目は当社グループが当該有価証券報告書提出日現在で認識しているものに限られており、全てのリスクが網羅されているわけではありません。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社グループは、事業活動上のリスクの把握・評価および対策を実施する体制として、監査等委員会の監督下に内部監査部門を設置してガバナンス強化に努めるとともに、内部統制推進会議や安全推進会議を定期的に開催して、コンプライアンスおよび安全体制を確立するなど、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの顕在化の未然防止を図っております。
(1)貴金属相場および為替相場について
当社グループの「貴金属事業」における主力製品である貴金属および希少金属は、国際市場で取引されており、その価格は、国際的又は地域的な需給、政治経済社会動向、為替相場、金融政策等、世界の様々な要因により変動しております。このため、当社グループは先渡取引等を通してヘッジし、主要な貴金属価格の変動状況等について適時経営陣に報告するなど、リスクの軽減に取り組んでおりますが、貴金属相場および為替相場の変動の幅により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)法規制について
当社グループが事業展開している国および地域におきましては、事業の許可、輸出入・輸送規制、商取引、労働、租税、知的財産権、環境保全等のさまざまな法規制の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンス重視の姿勢の下、全事業領域に関連する法改正情報を一元管理して現場へ周知徹底する仕組を構築し、法規制および社会的ルールの遵守を徹底しておりますが、万一、これらの法規制および社会的ルールが遵守できなかった場合や、法規制および社会的ルールの変化によって事業が制約を受ける等の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
特に、「環境保全事業」においては、当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく事業者として、各種の産業廃棄物の収集運搬および処理を行っており、当該法律のほか「水質汚濁防止法」、「大気汚染防止法」、「下水道法」等の規制を受けております。また、当社グループは、産業廃棄物では収集運搬業許可を全ての都道府県および9政令市・中核市で、処分業許可を13都道府県6政令市で、特別管理産業廃棄物では収集運搬業許可を全ての都道府県・および9政令市・中核市で、処分業許可を10道県6政令市で、取得しておりますが、許認可にあたっては、県または市条例、各種規制等の地方行政レベルでの規制の遵守が前提になっております。
環境問題への社会的関心の高まりから、これらの法的規制は強化される方向にありますが、その対策としての設備投資はもとより、処理施設の新設・移転・設備更新時には設置許可や変更許可が必要となります。それらの際には、近隣住民の同意が必要となる場合がありますが、その同意の取得が困難な場合があります。以上により、これらの法的規制や社会動向等は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)経済変動について
当社グループの2つの事業セグメントである「貴金属事業」「環境保全事業」の主要需要業界のひとつである製造業に関しては、それぞれの業界の需要動向はさまざまな国や地域の経済状況の影響を受けます。景気後退等に伴ってそれらの業界の需要が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、貴金属リサイクル分野は、情報機器や自動車などの最終製品に含まれる貴金属をリサイクルしていることから、消費動向の影響を受けるため、一般消費水準の減退による個人消費の落ち込み等が当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)事業環境について
当社グループの2つの事業セグメントである「貴金属事業」「環境保全事業」は、事業分野毎の関連する法規制や許認可等の変更により顧客ニーズが大きく変化する可能性や、顧客企業の海外移転が想定以上に進展する可能性があります。また、業界再編など事業環境が大きく変化する可能性もあります。その結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)競合との競争激化について
当社グループの2つの事業セグメントである「貴金属事業」「環境保全事業」は、事業分野毎のさまざまな企業と競合しております。グループ各社は、営業努力をはじめ、技術・製品面やコスト対応面等での取り組みにより、事業分野毎の顧客ニーズへ的確にお応えすることで、他社との競争に勝ち抜くべく努力を続けておりますが、競合他社との競争の激化により、各社の製品・サービスが厳しい価格競争にさらされる可能性があります。その結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)海外事業展開について
当社グループは、「独創性と成長を追求するグローバル企業へ」をスローガンに、海外事業の拡大を成長戦略の一つとして、北米・アジア等の国および地域において事業展開しておりますが、事業に不利な政治または経済的事象の発生、労働環境の違いによる労働争議等の発生、現地での適切な人材確保の不確実性、紛争・テロその他の要因による社会的混乱の可能性、ビジネスインフラ未整備による当該国および地域当局からの不当な介入等のリスクが内在しております。これらの事態が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)企業買収について
当社グループは、これまで企業買収によって事業内容および事業規模の拡大を図ってきており、今後も当社グループのさらなる成長に資する案件に対して前向きに取り組んで行く予定です。対象事業および企業との統合効果を最大限に高めるために、当社グループの事業戦略やオペレーションとの統合・融合を図っておりますが、人材や資産の統合等が想定通り進まなかった場合には、期待した統合・融合効果をあげられず、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)のれん・固定資産の減損について
当社グループは、企業買収の際に生じたのれんや、事業用の様々な有形固定資産および無形資産を計上しております。買収検討段階においては、財務、法務、人事等の観点から十分な調査を実施しておりますが、買収した企業や事業が、市場環境の変化等によって当初予定した業績を上げられず、経営成績や収益性が著しく悪化した場合、これらの資産の減損が発生する可能性があります。そのような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)自然災害・感染症について
大規模な地震・台風等の自然災害や新たな感染症の発生等によって、当社グループの生産・物流・販売および情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害が発生する可能性があります。当社グループでは、事業継続マネジメント(BCM)の策定、水害対策、防災訓練、社員安否確認システムの構築などの対策を講じておりますが、これらは自然災害や未知の感染症等による被害を完全に排除できるものではなく、発生した場合には当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期を見通すことは困難ですが、今後再度事態が悪化すれば、国内外経済や市場にさらなる悪影響を与える可能性があり、その結果、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)安全衛生について
当社グループは、労働災害や設備事故等の撲滅に向けて、経営陣も参加する「安全推進会議」を開催し必要な措置を講じるなど、安全管理体制の強化ならびに定期的な災害・事故防止活動を行っておりますが、これらの発生を完全に防止または軽減できる保証はありませんので、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)人材について
当社グループの中長期的な成長は、従業員個々の能力や経験に依存するため、時代に即した人材政策を推進しております。2024年3月期を最終年度とする第9次中期経営計画においても、「能力主義と成果主義」を改めて徹底することとし、組織全体の活性化を促し会社の成長の原動力を生み出すとともに、日々の勤務終了から翌日の勤務開始までの間隔を11時間以上とする「インターバル勤務」の遵守やリフレッシュ休暇取得の促進など、働き方改革を進めております。しかしながら、事業展開のスピードが増し、優秀な人材の確保や必要な戦力の整備が適切なタイミングで実施できない場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)研究開発について
当社グループは、「貴金属のリサイクル」と「産業廃棄物の無害化・再資源化」に向けて、独自の研究開発と分析技術開発を進めております。しかしながら、新技術の研究開発は、市場環境の変化、競合状況、開発成果の事業化の可否等、様々な影響を受けることから、研究開発に要した費用の回収等について不確実性が高いと考えられます。そのため、当初想定した研究開発成果が上がらない場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)重要な知的財産権について
当社グループは、事業展開にとって重要な知的財産権を保護すべく、適切な管理を行っております。しかしながら、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があり、また特定の地域においてはこれらの知的財産権を完全に保護することが不可能なため、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似製品・サービスを製造・販売することを効果的に防止できない可能性があります。さらに、当社グループが将来に向けて開発している製品・技術が、意図せず他社の知的所有権等を侵害してしまう場合や、社員との関係において、職務発明の扱い等について係争となる可能性もあります。それらの結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(14)製品品質保証・製造物責任について
当社グループは、品質保証部門が中心となり、お客様により安心・満足していただける製品を提供するためにISO9001を取得し、品質マネジメントシステムの継続的改善・品質の維持向上に努めるなど、製品の品質保証体制に万全を期しておりますが、当社グループの生産した製品に起因する損害が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)環境保護について
当社グループは、「環境方針」に基づいて「全社環境目標(年間計画)」を策定し、各拠点では環境委員会を設置するなどして、環境法規制の遵守、計画の見直し、環境教育等を審議し経営層に報告するなど、地球環境保護に向けたさまざまな取り組みを継続しております。しかしながら、環境汚染等の環境に関するリスクを完全に防止または軽減できる保証はありませんので、当社グループに起因する重大な環境汚染等が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(16)気候変動について
国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において「パリ協定」が採択、各国で批准されたのを機に、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取り組みが世界的に進められております。当社グループは、気候変動への取組みとして、2030年までにエネルギー由来CO2排出量を2015年比削減する目標を26%から50%に上方修正しました。その後2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言するとともに、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同し、提言に沿った対応を進めました。その結果、移行リスクとして炭素税を含むカーボンプライシング制度が導入された場合や、物理リスクとして異常気象により自然災害が激甚化し、当社グループの設備等に甚大な影響を及ぼし、事業活動が長期間にわたって停止した場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(17)情報セキュリティについて
当社グループが利用しているパソコンやタブレット端末等には、最新のセキュリティ対策が施されており、これらの導入や運用に際しては、システムトラブルや情報の盗難・紛失が発生しないよう、十分な対策を講じるとともに、情報リテラシーを高めるための社員教育を定期的に実施しております。しかしながら、コンピュータウイルスへの感染やハッキングの被害、ソフトウエアの不備等によるシステム障害の発生、また外部からの想定を超える攻撃などによって、重要データの破壊、改ざん、情報の外部漏洩等の不測の事態が発生する可能性があり、その結果、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(18)訴訟・その他の法的手続きについて
当社グループが国内および海外で事業展開する上で、訴訟その他の法的手続きの対象になる可能性があり、当社グループにおいてすでに発生している、または発生のおそれのある重大な訴訟案件等については、適宜モニタリングを実施するとともに、必要に応じて対策を講じております。しかしながら、当社グループがその当事者となった場合には、多額の損害賠償金等が発生する可能性があり、その結果、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)業績等の概要
① 業績
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|
売上収益 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
税引前利益 (百万円) |
親会社の所有者に帰属する当期利益 (百万円) |
基本的1株当たり当期利益 (円) |
|
当連結会計年度 |
192,442 |
26,446 |
26,372 |
18,735 |
238.11 |
|
前連結会計年度 |
164,776 |
25,126 |
26,136 |
25,725 |
326.90 |
|
増減率(%) |
16.8 |
5.3 |
0.9 |
△27.2 |
△27.2 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況が続きました。また、年度終盤のウクライナ情勢に関連してエネルギーコストの上昇などが企業活動に影響を及ぼしました。このような状況の下、当社グループの各事業セグメントの状況は以下のとおりでした。
貴金属事業セグメント
貴金属リサイクル事業は、貴金属価格の上昇を追い風として、収益性重視の営業活動を行ったことにより、前年同期比で増収増益となりました。北米の貴金属精錬事業は、前年度に物流の混乱等から急増したトレーディング事業の取引が減少しましたが、地金を用いた製品の加工・販売を行うプロダクト事業の取引が増加しました。
環境保全事業セグメント
工業生産活動の回復傾向にあわせて、当社グループの産業廃棄物の取扱量は増加しました。しかし、中核となる事業の見極めと選択を継続しており、その結果として前年度後半に連結対象から除外された事業があるため、本セグメントの売上収益および営業利益は前年同期比で減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益192,442百万円(前年同期比27,665百万円増、16.8%増)、営業利益26,446百万円(前年同期比1,319百万円増、5.3%増)、税引前利益26,372百万円(前年同期比235百万円増、0.9%増)、当期利益18,735百万円(前年同期比6,990百万円減、27.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益18,735百万円(前年同期比6,990百万円減、27.2%減)となりました。セグメント別の売上収益は、貴金属事業が173,875百万円(前年同期比29,080百万円増、20.1%増)、環境保全事業が18,566百万円(前年同期比1,414百万円減、7.1%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
|
|
売上収益 |
セグメント利益(営業利益) |
||||
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減率 (%) |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減率 (%) |
|
|
貴金属事業 |
144,795 |
173,875 |
20.1 |
24,037 |
26,596 |
10.6 |
|
環境保全事業 |
19,981 |
18,566 |
△7.1 |
3,833 |
3,738 |
△2.5 |
|
計 |
164,776 |
192,442 |
16.8 |
27,870 |
30,334 |
8.8 |
|
その他 |
- |
- |
- |
285 |
179 |
△37.1 |
|
合計 |
164,776 |
192,442 |
16.8 |
28,156 |
30,514 |
8.4 |
|
調整額 |
- |
- |
- |
△3,029 |
△4,068 |
- |
|
連結 |
164,776 |
192,442 |
16.8 |
25,126 |
26,446 |
5.3 |
② 財政状態の状況
|
|
前期末(百万円) |
当期末(百万円) |
増減(百万円) |
増減率(%) |
|
資産合計 |
244,803 |
298,387 |
53,584 |
21.9 |
|
資本合計 |
97,903 |
105,137 |
7,233 |
7.4 |
|
親会社所有者帰属 持分比率 |
40.0% |
35.2% |
△4.8ポイント |
- |
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ53,584百万円増加し、298,387百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が3,895百万円減少した一方、営業債権及びその他の債権が50,661百万円、有形固定資産が5,843百万円増加したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ46,351百万円増加し、193,250百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が46,087百万円増加したことによるものです。
資本につきましては、7,233百万円増加し、105,137百万円となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の40.0%から35.2%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
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|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (百万円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△33,353 |
11,103 |
44,457 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△2,800 |
△7,820 |
△5,020 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
24,422 |
△6,044 |
△30,466 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
10,023 |
6,127 |
△3,895 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より3,895百万円減少し、6,127百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は11,103百万円(前連結会計年度は33,353百万円の使用)となりました。これは主に、税引前利益26,372百万円(前年同期比0.9%増)、減価償却費及び償却費2,689百万円(前年同期比6.0%増)、営業債権及びその他の債権の増加額37,647百万円(前連結会計年度は29,998百万円の減少)、営業債務及びその他の債務等の増加額32,705百万円(前連結会計年度は50,501百万円の減少)、法人所得税の支払額12,934百万円(前年同期比37.3%増)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は7,820百万円(前連結会計年度は2,800百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出8,403百万円(前年同期比63.4%増)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は6,044百万円(前連結会計年度は24,422百万円の獲得)となりました。これは主に、長短借入金の純増加額3,119百万円(前連結会計年度は9,604百万円の増加)、自己株式の取得による支出1,785百万円、配当金の支払額7,077百万円(前年同期比19.9%増)によるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注の実績については、「(1)業績等の概要 ① 業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
貴金属事業 |
173,875 |
120.1 |
|
環境保全事業 |
18,566 |
92.9 |
|
合計 |
192,442 |
116.8 |
(注)1.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Varinor SA |
34,736 |
21.1 |
42,673 |
22.2 |
|
BASF・メタルズ・ジャパン㈱ |
16,882 |
10.2 |
17,988 |
9.3 |
|
田中貴金属工業㈱ |
14,712 |
8.9 |
13,936 |
7.2 |
(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当社グループは、第9次中期経営計画(2021年4月~2024年3月)において、戦略遂行の成果を、連結売上収益、連結営業利益、株主資本当期利益率(ROE)、自己資本比率の4つの経営目標でモニタリングしております。
当連結会計年度の売上収益は192,442百万円(前年同期比16.8%増)、営業利益は26,446百万円(前年同期比5.3%増)、税引前利益は26,372百万円(前年同期比0.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,735百万円(前年同期比27.2%減)となり、当初目標として掲げていた営業利益260億円を超え、過去最高の業績となりました。当社が経営効率化の指標としている株主資本当期利益率(ROE)は18.5%(前年同期比12.3ポイント減少)、自己資本比率は35.2%(前年同期比4.8ポイント減少)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
(ⅰ)キャッシュ・フロー
「(1)業績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(ⅱ)財務政策
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保及び適切な流動性の維持を図るにあたり、営業活動で得られた資金により設備投資の資金をまかなうことを基本方針としています。この基本方針のもと、持続的な利益成長によってキャッシュ・フローを創出し、資本効率の向上と財務ガバナンスの強化を通じて、財務面からグループ全体の企業価値の向上に努めていきます。
(ⅲ)資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、貴金属製品製造のための原材料の購入、製造経費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費、広告宣伝費および専門家への業務委託費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場および北米拠点の向上を中心とした生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対して、財務基盤の安定と資本効率の向上を両立させながら積極的に対応する方針です。
(ⅳ)資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、主として営業活動で得られた資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入や社債による資金調達を実施しています。これらの借入金および社債について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。当連結会計年度においては、北米貴金属精錬事業における既存設備の増強や「前渡し」取引を始めとした業容拡大に伴う必要資金を当社子会社の社債発行により調達しております。
なお、当社グループは、現在取引している金融機関と良好な関係を築いております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び同「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
該当事項はありません。
(1)研究開発活動の方針
当社グループでは、各事業セグメントにおける競争力を高めるためにコストダウンや市場ニーズに応じた新技術・新商品の開発に積極的に取り組んでいます。
貴金属事業においては、北米におけるプライマリー原料と日本を含むアジアを中心とするセカンダリー原料からの貴金属精製に関して、組成分析から製品化までの一貫したプロセスの効率向上や新技術の開発を行い、持続可能な循環型社会の形成を目指しています。また、環境保全事業においては、日本国内の産業廃棄物の無害化や資源化に関して、処理コスト低減や新技術の開発を行い、地球環境保全への貢献を目指しています。
(2)研究開発活動の体制
当社グループの研究開発活動は、主にアサヒプリテック株式会社テクノセンターが担っています。同センターでは、新しい処理技術や製品および分析技術の開発を担当すると共に、関連する設備の設計や改善・改良および保守をも担当しています。さらに、各グループ会社との情報交換・共有化を図りながら、さまざまな技術課題を抽出してその解決に当たっています。また、技術情報の収集・管理や知的財産の保護および新規事業を含めた企画・開発についてもテクノセンターが中心となって各グループ会社と連携をとりながら、大学や研究所等の外部機関も積極的に活用し効率的に推進しています。
(3)研究開発活動の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費
当社グループの研究開発活動は、コストダウン、製造期間短縮、品質向上、環境対策、安全性向上などの各種改善、および新商品の提供を目的として、
① 貴金属・希少金属の回収・分離・精製に関する技術
② 貴金属評価のための分析技術
③ 貴金属製品および製造技術
④ 有害物質の拡散防止および無害化に関する技術
⑤ 脱炭素社会に向けた水素製造に関する技術
等の開発を行っています。
主要課題と研究成果は次のとおりです。
<貴金属事業>
・貴金属精製技術の開発
北米で実施しているプライマリー原料処理に対しては主に乾式貴金属精製技術の開発を行い、日本を中心にアジアで実施しているセカンダリー原料処理においては主に湿式貴金属精製技術の開発を進めています。また、乾式および湿式の両精製技術を融合させることによって、あらゆる原料に対応できる効果的な貴金属精製技術の確立を目指しています。当連結会計年度においては、茨城県坂東市にアサヒプリテック株式会社の新工場を建設し2022年4月より稼働しております。新開発の精製技術やIoTシステムを積極的に導入し高効率な貴金属リサイクルプロセスを構築しました。
・貴金属剥離技術の開発
半導体やLED産業の製造で使用する部材・冶具等の表面に付着した貴金属を安全かつ確実に回収するために、化学剥離技術および物理剥離技術の開発を進めています。当連結会計年度においては、アサヒプリテック株式会社福岡工場へ新たに自動剥離設備を導入し稼働を開始しました。
・貴金属分析技術の開発
製品の品質維持およびお客様との取引を正確かつ迅速に行うために、X線や誘導結合プラズマ発光分析(ICP)を用いた分析技術の開発を進めています。当連結会計年度においては、短時間かつ高精度で多元素測定できる分析技術および品質管理システムを開発し、アサヒプリテック株式会社坂東工場において試験運用を開始しました。
<環境保全事業>
・産業廃棄物の処理技術および資源回収技術の開発
当社グループ全体で回収される産業廃棄物の適正処理技術と資源回収技術を開発しています。当連結会計年度においては、アサヒプリテック株式会社北九州事業所のひびき地区において新焼却炉が稼働を開始しました。また新たに関東地区において排熱回収発電能力を有した新焼却炉の建設を計画しています。廃棄物処理量拡大と同時に環境負荷の低減、地域社会への貢献を目指した新技術導入を進めます。
・脱炭素社会に向けた技術開発
廃棄物発電によって得られる電力を有効活用し、安価に水素を製造する技術開発に取り組みます。この取り組みは環境省が公募した「令和3年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択されました。経済合理性のある水素サプライチェーン構築に向けた実証試験を通じて、水素の普及拡大ならびに温室効果ガス排出削減へ貢献を目指します。
当連結会計年度における研究開発費は