(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「人と自然と未来をつなぐ」を企業活動の本質と定め、世界中の自然環境と、共に歩む全ての人の美しい未来の実現に向け、小型屋外作業機械、農業用管理機械並びに一般産業用機械の3事業の発展に臨み、企業価値の最大化を目指すとともに高い倫理観のもとにグループを通じて社会に貢献してまいりたいと考えております。
(2) 経営環境
①企業構造と市場の状況
当社グループは、生産や販売等の機能別の各事業会社で構成され、各事業会社は当社グループが展開する3事業である小型屋外作業機械、農業用管理機械並びに一般産業用機械に関わっております。
主力事業である小型屋外作業機械は、動力源の小型エンジンを鋳造、加工から組立、検査までの工程を一貫して行うことにより、高効率かつ需要に応じた柔軟な生産体制を可能とする企業構造となっております。各事業会社の事業の内容につきましては、「第一部(企業情報) 第1(企業の概況) 3(事業の内容)」に記載しております。
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内、北米および欧州を主要な市場として捉えております。国内市場と北米市場では3事業全てを展開しており、欧州市場では小型屋外作業機械事業と一般産業用機械事業を展開しています。国内市場においては当社にて製造を行い、子会社のやまびこジャパン株式会社を通じて、各販売店などに供給しています。北米市場においては、小型屋外作業機械は主に当社にて製造したエンジンを含めた基幹部品を北米子会社のエコー・インコーポレイテッドに輸出し、現地にて組み立てたのち代理店などに供給しています。一般産業用機械は主に当社にて製造した製品を、当社が直接またはエコー・インコーポレイテッドを通じて代理店に供給しています。農業用管理機械はエコー・インコーポレイテッドの子会社であるクレイリー・インダストリーズが製品の製造・販売を行っております。欧州市場向けには当社にて製造した製品を、当社が直接または欧州子会社のやまびこヨーロッパ・エス・エイを通じて各国の代理店に供給しています。
なお、現在も世界的に新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、ワクチンが普及しだしたものの新たな変異株が出現するなど、終息への見通しは立っておりません。引き続き、働き方や生活様式の変化による需要への影響を含め、世界経済の回復に向けて予断を許さない状況が続くものと見込まれます。
②競合他社との競争優位性
当社グループが展開する3事業には、それぞれに競合他社が存在します。その中でも主力事業である小型屋外作業機械事業においては、製品の主要構成部品である小型エンジンを自社開発しており、素材の配合研究から自社で行うことで、軽量化・高出力化を実現するとともに、世界各国で厳しさを増す排出ガス規制にも適合してきました。製品の環境性能は当社の技術的な強みとなっており、北米市場におけるエンジンの排出ガス規制における認証数はトップレベルにあります。加えて、数々の環境に配慮した生産技術を有しております。更には、世界90カ国以上に販売ネットワークを展開しており、製品の販売だけでなく代理店などを対象としてサービススクールを実施するなど、お客様へのアフターサービスが充実している点も当社ブランドが市場での信頼を獲得し、競争力の向上に寄与しております。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題と目標とする経営指標
当社グループは2020年度を初年度とする「中期経営計画2022」に取り組んでおります。当社グループが中長期的に各事業における確固たる位置付けを確立するとともに、新たな価値創造に挑戦し、更なる経営基盤の強化・企業価値の向上を図ります。また、「中期経営計画2022」の最終年度となる2022年12月期には売上高1,500億円、営業利益率7.8%を見込んでおり、ROEについては引き続き9%以上を目標とする経営指標を掲げております。
「中期経営計画2022」基本方針
・強い経営基盤を持ち、持続的に成長することで社会の発展に貢献し、やまびこにつながる全ての人々を幸せに
します。
・革新的な製品を生み出し、グローバルに製造・販売・サービスを展開することで企業価値を高めるとともに、
やまびこにつながる人々の多様な価値観に対応します。
上記経営方針の下、以下の重点課題に取り組んでまいります。
①小型屋外作業機械
次期排出ガス規制に対応するため、先行して環境性能を向上させるエンジン開発を継続するとともに、差別化された自社開発のプロ向けバッテリー製品の充実を図ります。
ア.海外市場はプロ向けラインナップの充実や効果的なプロモーションを継続して販売量の拡大、ブランド力
の向上を図り、ロボット芝刈機の市場開拓と新たなビジネスの実現を目指します。
イ.国内市場は高い市場シェアと強固な販売網を活用して更なるブランド力の強化を図るとともに、ラインナ
ップの充実や各種販促キャンペーンを展開させるなど、更なる拡販に取り組みます。
②農業用管理機械
開発、販売、生産が連携してコスト削減による収益化を実現させるとともに、省力化、効率化に寄与する製
品の拡販に加え、自動化や無人化など進化する農業機械へのサービス力向上を図りスマート農業への対応を促進します。
③一般産業用機械
新製品の投入による市場シェアの向上や海外展開を加速させて事業量を拡大するとともに、開発から販売ま
で全てのプロセスを対象に業務効率を向上させてコスト削減による利益改善を図るほか、生産効率の改善にも
努めます。
④総原価低減と製品品質の向上
製造リードタイムの短縮と製品在庫の削減につながる新生産方式を早期に確立させ、「絶対品質」はもとよ
り原価低減・納期遵守を実現するとともに、フロントローディングの実践により開発段階から品質・コストの
つくり込みに取り組みます。
⑤サービス力の強化
収益性の改善に資するサービス部品、アクセサリーの充実や物流コストの削減に努めることに加え、拡販を
バックアップするためのサービス資料や技術トレーニングを拡充するなど、サポート体制を強化します。
⑥経営基盤の強化
人財開発への投資が労働生産性の向上につながるように教育システム全般の運用を強化するとともに、企業
理念の浸透活動を継続して社会的責務を果たします。
当社グループの財務状況および経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは次のとおりであります。なお、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。そのようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当連結会計年度末現在において顕在化しているリスクについては、(直面するリスク)として対応策を講じております。その他のリスクについては、(注視するリスク)としてリスクが顕在化した場合に備えております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 社会情勢等(注視するリスク)
当社グループは、全世界において事業を展開しておりますが、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、テロ等による社会的混乱、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、主要市場である日本、米国、欧州における経済状況は事業に大きな影響をもたらします。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について、合理的に判断することは困難ですが、いわゆる米中貿易摩擦が顕在化した際には、当社の中国事業所において製造される米国市場向け製品の製造を、米国工場に生産移管しております。
(2) 市場環境(注視するリスク)
当社グループの主要市場である日本および海外各国のグリーンメンテナンス市場、および農・林業や建設・土木・鉄工業に関わり、農業政策や公共投資などの政策や産業構造および民間設備投資動向、その他の需給動向などが大きく変化することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について、合理的に判断することは困難ですが、リスクが顕在化した際にはいち早く対応できるよう引き続き注視してまいります。
(3) 他社との競合(注視するリスク)
当社グループの各事業分野においては、新製品の開発、低価格化、アフターサービスの充実などをめぐる他社との競争が激化しており、当社グループが品質、取引条件などで他社に劣位する場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について、合理的に判断することは困難ですが、当社グループでは各事業分野において継続的に顧客のニーズを汲み取り付加価値の高い新製品開発を行っております。価格競争については、高付加価値製品を供給することで売価を下げることなく顧客満足を獲得してまいります。
(4) 為替相場・金融市場の変動(注視するリスク)
当社グループの売上の半分以上が米ドルを中心とする外国通貨によるものであるため、外国為替相場の動向、また、金利上昇による支払利息の増加などにより、当社グループの業績へ影響が及ぶ可能性があります。通常は他の通貨に対して円高になれば当社グループの業績にマイナスの影響を及ぼし、円安になればプラスの影響を及ぼします。また、外国為替相場の変動は同一市場において当社グループと外国企業が販売する製品の相対的な価格や、製品の製造に使用する材料のコストに影響を与える可能性があります。これに対し当社グループでは、グローバルに生産拠点を配置して生産を行うなど、このリスクの軽減に努めています。また、当社グループは短期の為替変動の影響を最小にするためヘッジ取引も行っておりますが、為替レート水準の予期せぬ変動は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 原材料・部品調達(注視するリスク)
当社グループでは安定した原材料・部品の供給確保に努めておりますが、原材料価格が高騰した場合、利益を圧迫し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料の供給が不安定になった場合、製品の生産が困難になることによる販売機会の逸失などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について、合理的に判断することは困難ですが、当社グループでは部品の共通化等によるボリュームディスカウントに加え、仕入れ先の財務面を含めた供給能力に注視し原材料を安定して調達できる環境を整備しております。
(6) 各国の安全・環境規制(注視するリスク)
当社グループの主力製品である小型ガソリンエンジンの排ガス規制を始め、当社グループが製造、販売する製品の安全や環境に関する世界各国の法規制の強化や新たな規制などが適用される場合には、規制に適合するための開発費用や設備投資などにより相当の費用が増加するほか、当社グループがこれらの規制を遵守できない場合には当該市場での製品販売ができなくなるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、一般的に法規制の新規・改訂には事前のアナウンスがなされるほか、規制導入に際しても経過・段階措置が取られることから、当該リスクの顕在化に対しても十分対応が可能であると認識しております。当社グループではいち早くそれらの法規制に対応するべく、世界各国の動向を注視するとともに、先を見越した計画的な環境対応技術の研究開発に取り組んでおります。
(7) 製造物責任(注視するリスク)
当社グループでは、製品開発、生産にあたっては安全性を第一として取り組んでおりますが、製品における欠陥および使用時において予測困難な事象が発生した場合には、企業ブランド価値の毀損や販売量の減少が起こるなど、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について、合理的に判断することは困難ですが、当社グループでは、常に安全性を第一とした組織風土を醸成しており、製品検査体制の充実、ユーザーによる製品使用時において誤った使用方法をしない様、製品に警告表示をするなどの対応を行っており、問題が発生した際には速やかに市場対応が行われる体制を整備しおります。また、万一に備えて製造物責任保険に加入しております。
(8) コンプライアンス(注視するリスク)
当社グループでは、グループ横断的なコンプライアンス体制を整備しており、コンプライアンス・リスク管理委員会の設置、コンプライアンスマニュアルを策定するなど、法令遵守体制の充実に努めておりますが、法令、社会倫理違反行為の発生など、コンプライアンス上の問題が発生した場合には、監督官庁による処分や、訴訟の発生、社会的信頼の失墜などにより、当社グループの業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
(9) 人材確保(注視するリスク)
当社グループの継続的な成長には優秀な人材の確保が不可欠ですが、著しい採用環境の悪化や人材流出の増加が継続した場合は、当社グループの人材確保が計画通りに進まず、将来の成長に影響が及び、中・長期的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内では少子化が進展しており、将来的に人材の確保が困難になることが予想されるため、当社グループでは新卒採用だけでなく、専門性の高い人材の中途採用の強化を進めています。また、結婚や育児、介護等の理由により退職した人材を再度雇用する「ジョブ・リターン制度」の採用など多様な働き方に対応できる仕組みの整備にも努めております。
(10) 気象・自然災害(注視するリスク)
冷害、台風、洪水等々の気象の影響により国内農作物に大規模な被害がもたらされた場合は、国内農家の収入の減少により農家の購買力が減衰することがあり、また、国内、海外とも、旱魃などにより植物の生長が著しく妨げられた場合は、当社グループの主力製品である刈払機などの需要低下につながるなど、異常気象により当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの生産拠点などが自然災害などにより直接損害を被った場合や当社グループが直接の損害を受けなくとも、交通網や情報網、電力供給やサプライチェーンの生産などが長期に遮断される場合には、当社グループの生産活動などが停滞し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について、合理的に判断することは困難ですが、当社グループでは、災害発生時の直接的な被害を最小限に抑えるため、定期的に設備点検や避難訓練を実施しております。また、BCP(事業継続計画)を作成し、被災時にも重要な事業が継続できる体制整備に努めております。
(11) 情報セキュリティ・知的財産等(注視するリスク)
当社グループでは事業活動において、顧客情報・個人情報等に接することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しています。これら各種情報の取り扱い、機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏洩、紛失等から守るため、管理体制を構築すると共に、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じていますが、情報漏洩等の事故が発生した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
また、知的財産権については、第三者による不正利用等による侵害あるいは訴追等が発生した場合には、法的責任や賠償責任、訴訟などによる支払い義務の発生のほか、企業ブランド価値の毀損により当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、秘密保護のための管理体制の構築に加え、従業員に対しても情報セキュリティ教育を定期的に実施してリスクの未然防止に努めております。
(12) 感染症の拡大(直面するリスク)
今般世界的に新型コロナウイルス感染症が拡大しそのリスクが顕在化しておりますが、今後も感染症の世界的な拡大により当社グループの従業員やその家族が多数罹患した場合には、事業活動が停滞するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループに直接の被害が無い場合でも、交通網や情報網、電力供給やサプライチェーンの生産などが長期に遮断される場合には、当社グループの生産活動などが停滞し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
今般の新型コロナウイルス感染症に関しては、社内外における感染予防・感染拡大防止とグループ従業員・ステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に、政府および各自治体の方針や要請に基づき対策を講じております。具体的には、時差通勤やテレワークの実施、出張や来客等の規制、事業所内の感染防止策の周知、従業員の健康状態の把握・管理、感染者が発生した場合の対応を周知するなどの対策を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く市場環境は、新型コロナウイルスワクチンの普及に伴い、各国において感染症対策と社会経済活動の両立が進みだしたものの、新たな変異株の出現や国際物流の停滞、原材料価格の高騰など様々な問題が顕在化しました。国内農業用管理機械事業は、天候不順の影響など需要減退要因はあったものの、政府の経営継続補助金により需要が増加しました。国内一般産業用機械事業は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大規模な展示会が中止となるなど、販売活動が一部制限される状態が継続しました。海外小型屋外作業機械事業は、在宅時間の増加を背景とした旺盛な需要が継続しました。また、為替相場は前年同期と比べて対ドル対ユーロともに円安基調で推移しました。
このような環境の下、当社グループは主力の小型屋外作業機械において、海外市場では引き続きプロ向け「Xシリーズ」製品の拡販を進めるとともに、代理店のデジタルマーケティングの強化にも注力しました。国内では新製品投入やユーザーの満足度向上などに努めたほか、開発部門を再編しセグメント間の更なる連携強化に取り組みました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績は、次のとおりとなりました。
ア.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ154億22百万円増加し、1,225億74百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ63億56百万円増加し、536億95百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ90億65百万円増加し、688億79百万円となりました。
イ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,423億28百万円(前期比7.8%増)、営業利益93億30百万円(同3.2%減)、経常利益99億13百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は75億円(同13.0%増)となりました。
セグメント別の状況につきましては次のとおりです。
小型屋外作業機械の売上高は、1,004億85百万円(同10.5%増)となりました。
農業用管理機械の売上高は、242億76百万円(同12.2%増)となりました。
一般産業用機械の売上高は、151億59百万円(同11.4%減)となりました。
その他の売上高は、24億08百万円(同5.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが59億16百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが46億47百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが25億7百万円の支出となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は121億10百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益98億38百万円、減価償却費33億15百万円、未収消費税等の増加額10億10百万円、仕入債務の増加額30億20百万円、たな卸資産の増加額82億29百万円、法人税等の支払額23億90百万円などにより59億16百万円の収入(前連結会計年度は118億83百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出43億35百万円、投資有価証券の取得による支出5億7百万円などにより46億47百万円の支出(前連結会計年度は27億24百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出4億57百万円、配当金の支払額16億64百万円などにより25億7百万円の支出(前連結会計年度は21億27百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
小型屋外作業機械 |
95,514 |
110.1 |
|
農業用管理機械 |
13,265 |
137.1 |
|
一般産業用機械 |
7,862 |
72.8 |
|
報告セグメント計 |
116,641 |
108.7 |
|
その他 |
596 |
109.8 |
|
合計 |
117,238 |
108.8 |
(注)1 金額は標準販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ.受注実績
当社及び連結子会社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
小型屋外作業機械 |
100,485 |
110.5 |
|
農業用管理機械 |
24,276 |
112.2 |
|
一般産業用機械 |
15,159 |
88.6 |
|
報告セグメント計 |
139,920 |
107.9 |
|
その他 |
2,408 |
105.6 |
|
合計 |
142,328 |
107.8 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
THE HOME DEPOT INCORPORATED |
28,154 |
21.3 |
28,569 |
20.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は1,225億74百万円となり、前連結会計年度末に比べて154億22百万円増加しました。その主な要因は、商品及び製品の増加58億75百万円、原材料及び貯蔵品の増加53億22百万円、有形固定資産の増加15億33百万円等によるものであります。
負債合計は536億95百万円となり、前連結会計年度末に比べて63億56百万円増加しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加26億90百万円、電子記録債務の増加17億7百万円、未払金の増加11億33百万円等によるものであります。
純資産額は688億79百万円となり、前連結会計年度末に比べて90億65百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金の増加58億32百万円、為替換算調整勘定の増加30億11百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.4ポイント増加し、56.2%となりました。
b.経営成績
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
増減額 |
増減率 |
||
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
||
|
売上高 |
|
|
131,972 |
142,328 |
10,356 |
7.8 |
|
|
国内 |
49,188 |
46,430 |
△2,757 |
△5.6 |
|
|
|
海外 |
82,783 |
95,898 |
13,114 |
15.8 |
|
|
|
|
米州 |
70,650 |
80,205 |
9,554 |
13.5 |
|
|
|
その他海外 |
12,133 |
15,693 |
3,559 |
29.3 |
|
営業利益 |
9,643 |
9,330 |
△313 |
△3.2 |
||
|
経常利益 |
9,402 |
9,913 |
510 |
5.4 |
||
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
6,635 |
7,500 |
864 |
13.0 |
||
[売上高]
国内:農業用管理機械が増加したものの、一般産業用機械が大幅に減少し、小型屋外作業機械も微減となったことから減収となりました。
海外:米州や欧州で小型屋外作業機械が大幅に伸長したことに加え、北米の農業用管理機械と一般産業用機械も増加したことから大幅な増収となりました。
[損 益]
営業利益は原材料価格や物流費の高騰に伴い、期中より一部の市場から先行してコスト上昇分の販売価格への転嫁を進めたものの、減益分を補うまでには至りませんでした。経常利益は主に為替が円安に推移したことにより増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も増益となりました。
[セグメント別]
① 小型屋外作業機械
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
増減額 |
増減率 |
|
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
|
売上高 |
90,954 |
100,485 |
9,531 |
10.5 |
|
|
|
国内 |
15,087 |
14,682 |
△405 |
△2.7 |
|
|
海外 |
75,866 |
85,802 |
9,936 |
13.1 |
国内:前年の定額給付金効果の反動減に加え、当用期である夏場に長雨となるなど天候不順が影響し、主力の刈払機やチェンソーの販売が減少したことにより減収となりました。
海外:主力の北米や欧州は、国際物流の停滞により代理店や販売店での品薄状態が続いているものの、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う在宅時間の増加を背景にチェンソーやパワーブロワ、刈払機で高い需要が継続し大幅な増収となりました。
② 農業用管理機械
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
増減額 |
増減率 |
|
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
|
売上高 |
21,629 |
24,276 |
2,646 |
12.2 |
|
|
|
国内 |
16,476 |
17,798 |
1,322 |
8.0 |
|
|
海外 |
5,153 |
6,477 |
1,324 |
25.7 |
国内:部材調達難による供給不足など減収要因があったものの、政府による農家向けの経営継続補助金により高性能防除機械やモアの販売が伸長したことにより増収となりました。
海外:北米は、農作物の市場価格の上昇を背景に農業機械の需要が高まり、大豆やポテト収穫機の販売が好調に推移し大幅な増収となりました。
③ 一般産業用機械
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
増減額 |
増減率 |
|
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
|
売上高 |
17,108 |
15,159 |
△1,948 |
△11.4 |
|
|
|
国内 |
15,343 |
11,543 |
△3,800 |
△24.8 |
|
|
海外 |
1,764 |
3,615 |
1,851 |
104.9 |
国内:投光機など一部製品で需要が回復しているものの、前年に伸長したガソリンスタンド向け非常用発電機需要の反動減に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い大規模展示会が中止になるなど、販売活動の停滞により主に溶接機が減少して大幅な減収となりました。
海外:北米で経済活動の再開に伴い、昨年落ち込んでいた発電機需要が回復したことにより増収となりました。
④ その他
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
増減額 |
増減率 |
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
売上高 |
2,280 |
2,408 |
128 |
5.6 |
主要3事業以外の売上高は、除雪機販売が好調に推移したことなどにより増収となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.キャッシュ・フローの関連指標
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2020年12月期 |
2021年12月期 |
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自己資本比率(%) |
55.8 |
56.2 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
50.2 |
42.2 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債(倍) |
1.2 |
2.5 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
74.5 |
49.2 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値によって算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
ウ.資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、資本の効率性の向上、バランスシートの健全性の向上を企業価値向上のための財務戦略の基本方針としております。
資本の効率性の向上については、管理会計の発展を通して、収益性及び資産の回転率と効率性の向上を図ることで、中長期的に資本コストを上回るROEの実現を目指します。
また、現在のネットD/Eレシオの水準を維持し、経済環境の変化に備えるための十分な手元流動性の確保を図ることで、バランスシートの健全性の向上を目指します。
b.経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、安定的な経営及び不測の事態に対応可能な手元現預金の水準について、常に検証を実施しております。必要な手元現預金水準を超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
追加的に配分可能な経営資源のうち、特に株主還元を重点施策とし、連結業績及び配当性向を勘案した安定的な配当を実施してまいります。
c.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品の製造に係る原材料仕入、人件費、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
戦略的投資を目的とした資金需要は、新製品の開発・製造に係る設備投資、研究開発投資及びM&A投資であります。
d.資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。
金融機関からの資金調達については、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行9行と当座貸越契約を締結しております。
また、資金効率の向上を図るため、当社及び国内子会社において、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。
なお、手元流動性を確保することを目的に取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは「中期経営計画2022」を策定しており、最終年度である2022年12月期に売上高1,500億円、営業利益率7.8%を見込んでおり、ROEについては引き続き9%以上を目標指標としております。中期経営計画の2年目にあたる2021年12月期は、売上高1,423億円、営業利益率6.6%、ROEは11.7%でした。売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大による在宅時間の増加を背景に、北米や欧州を中心に海外の小型屋外作業機械販売が牽引したことなどにより伸長しました。
2022年12月期は、国内では農業用管理機械が昨年の政府による経済政策の反動減を予想するものの、新型コロナウイルスの感染症対策と社会経済活動の両立が進むことで、販売活動の制限により落ち込んでいた一般産業用機械が回復することで増収を見込んでいます。また、海外は物流の停滞や原材料の調達不足など、サプライチェーンの混乱が懸念されるものの、主力市場である北米や欧州市場での小型屋外作業機械の高い需要が継続することにより増収となることを見込んでいます。
当社グループは、事業環境の変化に応じた柔軟かつ機動的な経営基盤の確立に取り組むとともに、2022年1月に実施した開発体制の再改編により新製品開発を一層推進します。主力の小型屋外作業機械事業では引き続きプロに満足されるエンジン製品の開発や生産、販売を促進するとともに、バッテリー製品においても2022年12月期より充実したラインナップの販売を北米、欧州、国内市場で開始します。また、農業用管理機械事業と一般産業用機械事業も含めて生産効率化などによる収益性改善や各種プロモーションを展開して拡販に努めるなどの各重点施策に取り組んでまいります。
該当事項はありません。
当社グループでは、「世界最高の製品とサービスを提供し続けること」を目標として、国内外のお客様のニーズにあった製品の迅速な実現を目指す体制を構築し、効率的な研究開発を進めております。当連結会計年度の研究開発費は全体で
当社グループでは、2021年度は研究開発部門として開発統合本部の下にOPE開発本部、農機開発本部、産機開発本部、技術研究所の3本部1研究所を設置する体制に改編し、小型屋外作業機械、農業用管理機械、一般産業用機械に関わる製品開発及び技術研究開発を実施してきましたが、2022年1月度より開発統合本部を製品開発本部と技術推進本部の2本部体制へ再改編しました。製品開発本部は、短期・中期的な製品開発を主導する組織として、また、技術推進本部は、製品開発サポート、中長期的な商品戦略、技術研究開発を実行する組織として活動し、より効果的な研究開発を実施しております。
小型屋外作業機械では、国内外の排出ガス規制対応を効率的に推進するために、エンジンプラットフォームの統廃合化開発を継続して推進しております。その結果、プラットフォーム総数は、2018年末から2021年末の3年間で15%の総数低減を達成しました。今後、より一層の生産性向上を目指し、プラットフォーム統廃合という考え方に加え、新開発機種における部品流用率という観点も取り入れ、開発機種の定量モニタリングを行っていく予定です。ただし、部品流用率という観点に固執し、新たな価値を提供する機会を逃してしまうことの無いよう、お客様に魅力を感じて頂けるような製品力の向上も両立させていきます。2021年の新製品開発の実績としては、国内向け、欧州向け、北米向けにそれぞれ電動製品のシリーズを開発し、2022年に販売を開始します。特に、丁字型バリカン機構を持つDC製品は石跳ねが無く、作業しやすいという特長を持ち、新たな価値を提供できる製品として関発出来ました。また、電動製品だけでなく、エンジン製品においても、国内のホームセンター向け刈払機シリーズ、ホームユーザー向け35ccクラスチェンソーなど、対象ユーザーにとって付加価値の高い製品開発が実現してきています。
農業用管理機械では、2020年に販売開始したブーム自動制御システムをトラクターマウントタイプにも展開を行い、2022年には販売開始の予定です。また、農林水産省が進める農作業安全対策を推進できる製品の開発を進めております。農作業の安全安心を主眼に先進技術を活用した高性能防除機器とスマート農業に向けた製品開発を行ってまいります。
一般産業用機械では、三現主義で時代の変化を読み取り、お客様の利益に貢献できる付加価値の高い製品供給に努めることを目標に推進しております。発電機については、北米向け排ガス規制EPA(Tier4F)に対応したテレコム市場向け製品2機種を追加投入しました。また、遠隔監視機能付き発電機を北米向け及び国内向けで設定し、製品ラインナップ拡充に取り組んでおります。溶接機については、ノンガス溶接ワイヤ供給装置(半自動溶接機)を市場投入し、溶接現場の作業効率向上に繋がる製品開発を進めております。また、MIRAI-LABO(株)との資本業務提携が公表されておりますが、同社が開発する太陽光路面パネル、リユースEV蓄電池で構築するシステムと、当社の発電機を組み合わせることにより、天候に左右されず、災害にも強い『ハイブリッド自律型エネルギーシステム』を開発し事業化を目指します。今後も引き続きお客様に満足していただける製品の開発を進めてまいります。