第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間(2023年7月1日~2023年9月30日)における当社グループは、PRを軸として、グループシナジーを創出しながら、コミュニケーションに係る幅広いソリューションを提供してまいりました。

 中長期的な企業価値向上を目指す当社グループは、成長の加速と経営効率改善の双方を追求するため、㈱サニーサイドアップを存続会社とする連結子会社間の吸収合併を行い、2023年7月1日を効力発生日として㈱スクランブルを、9月1日を効力発生日として㈱ワイズインテグレーションを合併しました。2023年9月、中長期経営方針に沿って、XR技術を用いて新たなブランドコミュニケーションを実現する「ブランドテック」の育成に着手したほか、長期的視点で取り組む「サステナブルテック」の第一歩として、女性のウェルビーイング領域に特化したファンドに出資しました。また、経営の更なる効率化に向けて、ビジネスディベロップメント事業に含まれていた㈱アジャイルの株式を2023年7月に譲渡しました。

 当社グループでは、活発化する企業のマーケティング活動を追い風に、コスメ・ファッション、食品・飲料等のPRのほか、商業施設・ホテルの開業、スポーツイベントの開催に伴うPRを順調に受注しました。また、これまでの実績や海外PRエージェンシーとの提携が強みとなり、円安等を背景に日本進出を図るグローバル企業からの案件も継続的に受注しました。

 PRの受注やフードブランディング事業の売上高は好調に推移しましたが、前年同期に連結売上高を牽引した大手コンビニエンスストア向けの販促施策の減少により、事業全体で減収減益となりました。通期業績予想に対する進捗率は前年同期に比べて低いものの、当社利益計画に対して概ね順調に進捗しております。

 なお、前年同期の営業外収益に助成金収入59百万円を計上しましたが、当第1四半期連結累計期間に助成金収入の計上はなく、イベント等への出資を通じてPR等のサービスを提供する連結子会社において、減損処理により出資金評価損96百万円を特別損失に計上したことから、営業利益以下の段階利益も減少しました。

 

(財政状態)

 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて1,183百万円減少し、7,411百万円となりました。資産の内訳につきましては、流動資産が960百万円の減少により5,661百万円に、固定資産が223百万円の減少により1,749百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、未成業務支出金が367百万円増加したものの、現金及び預金が873百万円、売掛金が773百万円それぞれ減少したことによるものです。

 当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて995百万円減少し、3,872百万円となりました。負債の内訳につきましては、流動負債が959百万円の減少により3,141百万円に、固定負債が35百万円の減少により730百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、買掛金が421百万円減少したことによるものです。

 当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べて188百万円減少し、3,539百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の41.4%より上昇し、45.4%となりました。

 

(経営成績)

 当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高3,246百万円(前年同期比30.6%減)、営業利益278百万円(前年同期比23.0%減)、経常利益286百万円(前年同期比29.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益96百万円(前年同期比55.0%減)となりました。

 

 当社グループは、㈱サニーサイドアップを存続会社とする連結子会社間の吸収合併を契機に、基幹事業を「ブランドコミュニケーション事業」として再定義し、資源配分に係る意思決定、業績管理及びシナジー効果等の評価を適切に行うため、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載の通り、報告セグメントの変更等を行っております。以下の前年同期比につきましては、前年実績を変更後のセグメントに組み替えて表示しております。

 

 セグメント別の構成及び業績は次の通りです。

構成子会社

セグメント変更前

セグメント変更後

㈱サニーサイドアップ(コンテンツ関連部門を除く)

①マーケティング&

コミュニケーション事業

①ブランドコミュニケ―ション事業

㈱クムナムエンターテインメント

㈱ステディスタディ

㈱スクランブル(注1)

㈱エアサイド

㈱ワイズインテグレーション(注2)

②セールスアクティベーション事業

㈱サニーサイドアップ(コンテンツ関連部門)

㈱フライパン

③フードブランディング事業

②フードブランディング事業

SUNNY SIDE UP KOREA, INC

㈱グッドアンドカンパニー

④ビジネスディベロップメント事業

③ビジネスディベロップメント事業

㈱サニーサイドエックス(注3)

(注)1.2023年7月1日を効力発生日として、㈱サニーサイドアップに吸収合併しております。

   2.2023年9月1日を効力発生日として、㈱サニーサイドアップに吸収合併しております。

   3.2023年7月1日付で㈱サニーサイドアップパートナーズより商号変更しております。

 

報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失                     (単位:百万円)

 

2023年6月期

第1四半期

2024年6月期

第1四半期

 

セグメント変更前

 

(注)

 

セグメント変更後

①マーケティング&

コミュニケーション事業

売上高

1,562

3,878

2,360

売上高

①ブランド

コミュニケ―ション事業

利益

418

②セールス

 アクティベーション事業

売上高

2,316

566

491

利益

利益

148

③フードブランディング事業

売上高

634

634

838

売上高

②フードブランディング事業

利益又は

損失(△)

△2

△2

49

利益又は

損失(△)

④ビジネス

 ディベロップメント事業

売上高

162

162

47

売上高

③ビジネス

 ディベロップメント事業

利益

27

27

3

利益

(注)前第1四半期連結累計期間の実績を変更後のセグメントに組み替えて表示しております。

 

①ブランドコミュニケーション事業

 当第1四半期連結累計期間より、従来のマーケティング&コミュニケーション事業とセールスアクティベーション事業を統合した当事業では、PRを軸に、プロモーション、スポーツマーケティング、ブランディング等、マーケティング及びコミュニケーション関する多様なソリューションに加えて、店頭等の消費者とのコンタクトポイントで購買・成約の意思決定を促すためのノウハウ・ソリューションを提供しております。

 ㈱サニーサイドアップでは、クライアントニーズにきめ細かく対応した企画力とメディアリレーションを強みとして、特定の業種に限定することなく、国内外のクライアントの商品・サービス、施設等のPRを手掛けております。同社のコンテンツ関連部門では、タレントやキャラクター等のIP(知的財産)を活用したコンテンツ制作及び販促施策を手掛けるとともに、㈱ワイズインテグレーションの商品キャンペーンの企画及びグッズ制作、雑貨の商品企画やOEMの機能・ノウハウを移管しております。また、㈱スクランブルのインフルエンサーとYouTube、Instagram等のSNSを組み合わせたマーケティングサービスを取り込み、ソリューションの幅を広げております。

 ㈱クムナムエンターテインメントでは、強力なキャスティングネットワークと企画力を強みとして、日本及び韓国の人気ア-ティスト、有名プロスポーツ選手等を起用したブランディングやコンテンツ開発を手掛けております。㈱エアサイドでは、高いクリエイティビティとエンターテインメント業界とのリレーションを武器に、人気アーティストを起用したCMをメディアに紹介するPR等を手掛けています。㈱ステディスタディでは、ファッション・ライフスタイルブランドに関する専門的な知見やキャスティング力を活用し、PRやイベントの企画・制作・運営、コンサルティングを提供しています。

 

 当第1四半期連結累計期間におきましては、吸収合併によるシナジー効果の最大化を目指し、㈱サニーサイドアップで取り込んだサービスを総合的に提案するとともに、生産性の改善に向けて、案件別収支管理や稼働体制の見直しを図りました。また、教育の拡充を図り、社内教育プログラム「SUNNY UNIVERSITY」において、経営陣や外部専門家を講師とする実践的なマーケティング講座を実施しました。これらの結果、クライアントとのリレーション強化への基盤が整備され、リテナー契約による売上高が大幅に伸長するとともに、クライアント当たり売上高も増加しました。同社ではまた、官公庁や地方自治体とともに地域の観光や文化振興支援等に携わってきた知見を活かし、観光産業や地域活性化に関するコンサルティング業務を行う「地方創生ユニット」を発足したほか、Z世代を代表するインフルエンサーをSNSマーケティングプロデューサーに迎え、デジタルコミュニケーションを強化するなど、変化を機敏に捉えたソリューションの開発・提供にも注力しました。

 当事業では、㈱サニーサイドアップを中心に、海外コスメや食品・飲料、商業施設・ホテルの開業、スポーツイベントの開催に伴うPRが好調に推移しましたが、前年同期に売上高が大幅伸長した大手コンビニエンスストア向け販促施策の反動減が影響し、減収減益となりました。

 

 これらの結果、当事業の当第1四半期連結累計期間の業績は以下の通りとなりました。

  売上高       2,360百万円(前年同期比 39.1%減)

  セグメント利益     491百万円(前年同期比 13.2%減)

 

②フードブランディング事業

 当事業では、オーストラリア・シドニー発のオールデイダイニング「bills」の国内におけるブランディング、ライセンシングビジネス及び韓国におけるライセンス管理と店舗運営を行っております。

 国内で直営7店舗、韓国で直営2店舗を展開する当事業では、当第1四半期連結累計期間に出退店はないものの、2022年5月中旬より同年12月のリニューアルオープンまで休業していた「bills 横浜赤レンガ倉庫」(神奈川県横浜市中区)が通常通り営業しました。

 当第1四半期連結累計期間におきましては、季節に合わせたメニュー提供や専用に開発された「bills house 日本酒」を楽しむイベントの開催等により、銀座店や表参道店を中心に売上高が大幅に伸長しました。インバウンド需要が本格回復した大阪店、福岡店も好調に推移するなど、国内の収益改善が進み、事業全体で黒字を確保しました。

 

 これらの結果、当事業の当第1四半期連結累計期間の業績は以下の通りとなりました。

  売上高       838百万円(前年同期比    32.1%増)

  セグメント利益    49百万円(前年同期実績 △2百万円)

 

③ビジネスディベロップメント事業

 当事業は、新規事業の開発・創出を通じてグループの事業領域を拡充する位置づけにあり、セグメント特性上、費用が先行する傾向にあります。

 ㈱グッドアンドカンパニーでは主に、ウェルビーイングや女性活躍推進等、社会課題の解決に資するコミュニケーションサービスを提供しています。㈱サニーサイドエックスでは、従来の商業施設及び建物の企画、開発、管理運営等に加え、2023年9月に自社内に設置したXRスタジオで最先端のデジタル技術を駆使したXR映像を制作し、新たなソリューションを提供しております。

 当第1四半期連結累計期間におきましては、㈱アジャイルが連結対象外となり売上高が減少したことに加え、XR事業に係る費用が先行し、事業全体で減収減益となりました。

 

 これらの結果、当事業の当第1四半期連結累計期間の業績は以下の通りとなりました。

  売上高        47百万円(前年同期比 71.1%減)

  セグメント利益    3百万円(前年同期比 87.0%減)

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。