第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「感謝・感恩・感動の三感を源にして、縁ある方々の期待を超える感動の流れを生み出し、社会の進化と未来の環境に貢献し続ける」ことを経営理念として掲げております。

 この理念のもと、医療関連データベースをコアコンピタンスにした、医療情報関連のサービスと製品を通して、日本の医療費の適正化と国民のQOL(Quality of Life)向上に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、医療関連データベース、レセプトデータ分析および重症化予防指導などの独自技術をもとに、保険者にデータヘルスのPDCAサイクルのPlan(データヘルス計画の立案)、Do(保健事業の実施)、 Check(保健事業の検証)、Act(改善、次年度の計画へ)を一貫して提供するサービスを通じて、医療費適正化とQOL向上に貢献しております。

 

 2018年度から国民健康保険の財政運営が都道府県単位となり、都道府県・市町村が連携し医療費適正化を進めることが求められてきました。

 また、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)」には、データヘルス改革の着実な推進、今後を見据えた医療情報の活用推進が記載されており、アウトカムが分かるデータヘルスへの保険者からの需要は継続するとともに、医療情報の活用への期待も高まっております。さらに、生活保護法の改正により医療扶助適正化と生活保護受給者の健康管理支援が2021年から義務化され、データヘルスの需要はますます広がりつつあります。

 このような経営環境のもと、当社グループは積極的な営業活動によりこれらの需要を受注につなげ、シェアおよび売上高の拡大を目指します。また、新サービスの開発や既存サービスの機能強化を目的とした将来に向けての研究開発投資を売上高研究開発費率5%を超える水準で行った上で、経常利益の増加を目標とします。

 さらに、今後政府の施策として都道府県国保ヘルスアップ支援事業の取組みが推進されることから、都道府県単位での新たな受注に対して㈱ディー・エヌ・エー、DeSCヘルスケア㈱およびウイングアーク1st㈱など当社グループにない強みをもつ企業と提携し、顧客の獲得を推進いたします。また、生活保護分野においては引き続き北日本コンピューターサービス㈱と連携し、新たなサービスの提供を目指します。

 なお、当社グループにおける新型コロナウイルス感染症の影響は限定的なものであると考えておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響が長引く場合は当社グループの経営成績および今後の事業展開に重大な影響をおよぼす可能性があります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループは、経営の効率性を高め、持続的な成長と企業価値の増大を図るため、売上高経常利益率を重要な経営指標と位置づけ、経営課題に取り組んでまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① サービスラインアップの強化

 (イ)成果を出す重症化予防指導の全国展開

 糖尿病性腎症をはじめとした生活習慣病の重症化予防の需要は全国に拡大しており、従来の当社グループ社員が患者を直接指導する方法では、日本全国をカバーすることは難しい状況でした。しかし、コロナ禍にて、タブレット端末を活用した遠隔重症化予防指導を推進した結果、十分な成果が得られております。今後は、当社グループ社員の増員および遠隔指導の推進によりカバーできる範囲を拡大してまいります。

 また、引き続き、全国の自治体職員や保健指導会社社員などの保健師・看護師を重症化予防の指導員として教育する事業も拡大してまいります。

 (ロ)データヘルスの自治体間比較と経年比較

 データヘルスが継続的な事業成果を求められるなか、データヘルスのPDCAサイクルに寄与するため、保健事業の実施状況とその効果について、自治体間比較や経年比較を行うサービスの改善に努めてまいります。

 

 

 (ハ)生活保護向けデータヘルスの提供

 2021年から義務化された生活保護受給者の健康管理支援を適時行うため、タブレット端末を用いた指導システムのサービス提供を行ってまいります。

 (ニ)保険者機能強化をサポートするサービス提供

 国民健康保険の保険者機能強化を促す観点から、保険者の取組状況や実績を点数化し、それに応じて国から交付金を交付する保険者努力支援制度が実施されています。当社グループは、個々の国民健康保険の保険者に応じた実績向上が期待されるサービスを展開してまいります。

 (ホ)保健事業と介護予防の一体的実施に貢献するサービス提供

 加齢に伴い、壮年期とは異なる健康課題を抱えている高齢者について、疾病予防・介護予防双方の観点から保健事業と介護予防の一体的な実施が求められています。当社グループは、豊富なレセプト分析実績に基づき、骨折・骨粗しょう症重症化予防事業等の新たなサービスを展開してまいります。

 

② サービス提供体制の強化

 当社グループは、常にお客様の潜在的なニーズを掴み、新しいサービスを開発・提供してまいりました。県単位での大規模受注も進むなか、これからも保険者のニーズに対応したサービスを短納期で大量に提供するため、研究開発投資を積極的に進めるとともに、効率的な業務を行えるよう社内体制を整備してまいります。

 

③ データ作成・分析・抽出技術の向上

 当社グループのレセプトに関する強みは、特許(注1,2,3,4)も認められたレセプト情報の高度な分析能力および処理能力の高さであります。

 今後は、各サービスに必要な分析能力をさらに向上させるための研究開発や大学を中心とした研究機関の求めに応じレセプトをもとにしたビッグデータの提供を行うなか、医療情報の活用検討を行ってまいります。

 

(注1)「医療費分解解析装置、医療費分解解析方法およびコンピュータプログラム」に関する特許(特許第4312757号)

レセプトに記載された複数の疾病に対応する医薬品や診療行為について、いずれの疾病に対応するかを特定することができ、疾病ごとの医療費を正確かつ効率的に把握することが可能となります。

(注2)「傷病管理システム」に関する特許(特許第5203481号)

レセプトに記載された傷病識別情報、医薬品識別情報および診療行為識別情報に基づき、傷病のステージ別の患者を抽出・階層化するものです。この技術により、傷病ごとの重度・軽度を判定し、将来の重症化予測を行うことが可能となります。

(注3)「レセプト分析システムおよび分析方法」に関する特許(特許第5992234号)

レセプトに記載されている病名のうち、現在治療中の病名だけを判定することができ、高精度な保健事業対象者の抽出が可能となります。

(注4)「服薬情報提供装置、服薬情報提供方法およびコンピュータプログラム」に関する特許(特許第6409113号、特許第6619113号)

レセプトより取得した患者ごとの全服薬情報のリスト作成や薬剤師から医師等に提供する服薬情報レポートを生成することができ、ポリファーマシー解消のための服薬指導の支援が可能となります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日(2021年9月29日)現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

① 医療関連情報サービスの競合他社の参入と価格競争

当社グループが提供する医療関連情報サービスの市場は、今後拡大を続けていくと想定しておりますが、当社グループのビジネスモデルと一部重複するビジネスモデルを掲げる競合企業が現れてきました。

当社グループは、長年にわたり培ってきた医療関連データベース、および特許を取得した4つのレセプト分析技術により、他社との差別化を図り継続的な事業成長に努めておりますが、競合他社により当社グループの優位性が失われた場合は、価格競争が激化し、当社グループの経営成績および今後の事業展開に影響をおよぼす可能性があります。

当該リスクへの対応策としまして、当社グループではお客様の潜在的なニーズを汲み取った新たなサービスの開発ならびに既存サービスの改善を行うほか、当社のノウハウと業務提携先の強みを生かした新たなサービスの創出により、競合他社との更なる差別化を図り、優位性の保持に努めております。

 

② 個人情報保護

当社グループは、医療関連情報サービスのサービス提供などにおいて、多くの個人情報を取り扱っております。今後不正や事故などにより個人情報の漏洩が発生した場合、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの経営成績に影響をおよぼす可能性があります。

当該リスクへの対応策としまして、当社は2005年9月に、連結子会社である㈱DPPヘルスパートナーズは2012年9月にそれぞれ「プライバシーマーク」認証を取得し、更新審査等を通じて個人情報を保護する体制の維持に努めております。

また、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得し、個人情報を含めた様々な情報保護の仕組みを社内に構築した上で個人情報の適正な管理に努めております。

 

③ 人材の確保

現在、情報産業業界においては優秀な人材の確保が難しい状況であり、当社グループが必要な人材獲得を目標どおりできない場合、また、優秀な従業員が退職するなどの事態が発生した場合には、製品開発の遅れや売上計画の未達、残業時間の増加や人材の採用などに伴う経費の増加により、当社グループの経営成績および今後の事業展開に影響をおよぼす可能性があります。

当社グループでは、積極的な求人活動を継続するほか、働き方改革の推進および待遇の改善に継続的に取組み、従業員の定着率向上に努めております。

 

④ 新型コロナウイルス感染症拡大による経済的影響

世界的に流行している新型コロナウイルス感染症拡大が続いており、収束の時期や感染拡大による影響が見通せないため、先行きは非常に不透明な状況であります。

当社グループにおいては営業活動の制限や保健事業の一部で事業の中止や延期が決定するなどの影響が出ておりますが、現時点では事業運営に重大な影響は出ないものと想定しております。しかしながら、今後も感染拡大が終息せず外出自粛や営業自粛による国内経済の停滞が長期にわたる場合には、当社グループの事業展開および経営成績に重大な影響をおよぼす可能性があります。

当社グループでは、従業員の感染防止策として在宅勤務の実施、時差出勤、マスク着用の徹底などを実施し感染予防に努めております。また、保健事業の実施において面談が必要な場合はweb面談への切り替えを推進するなど、感染リスクを低減した上で事業活動を継続できる対策を実施しております。

 

⑤ 特定の取引先に対する依存

当連結会計年度における、㈱エヌ・ティ・ティ・データ、ひろぎんITソリューションズ㈱および北日本コンピューターサービス㈱に対する売上高および当該売上高の総売上高に対する割合は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ 生産、受注及び販売の実績 (ハ)販売実績」に記載のとおりであり、販売割合が高くなっております。

㈱エヌ・ティ・ティ・データおよびひろぎんITソリューションズ㈱に対する売上高は、保険者向けのジェネリック医薬品通知サービスやデータヘルス関連サービスなどであります。また、北日本コンピューターサービス㈱に対する売上高は、自治体の福祉事務所向けのデータヘルス関連サービスであります。

これら特定の取引先の経営施策や取引方針の変更によっては、当社グループの経営成績に影響をおよぼす可能性があります。

当該リスクへの対応策としまして、独自性の高い他の追随を許さないサービスを提供するなど、今後も取引の継続性や安定性を確保できるように努めると同時に、営業力を強化し、積極的な営業活動による新規顧客等の獲得を通じて、営業基盤の拡大に努めております。

また、当社は、医療関連情報サービス事業において、㈱エヌ・ティ・ティ・データと様々な業務提携の契約を締結し、営業活動を㈱エヌ・ティ・ティ・データと協同で行っております。当社と㈱エヌ・ティ・ティ・データは良好な関係を保っておりますが、これらの契約が更新されなかった場合、および当社に不利に更新された場合は、当社グループの経営成績および今後の事業展開に影響をおよぼす可能性があります。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは医療関連情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により依然として厳しい状況にあるなかで、各種政策や海外経済の改善もあり、大企業・製造業の景況感は改善の動きが見られました。一方で、今後の感染拡大による下振れリスクも依然として存在し、不透明な状況が続いております。

当社グループの主要顧客である自治体の国民健康保険、後期高齢者医療広域連合などの保険者においても感染症拡大防止のため保健事業の中止または延期を選択するなどの影響がみられました。一方で、保険財政改善のため、保険者による予防・健康づくりの推進および医療費適正化に向けた取組は継続されており、当社の主力であるデータヘルス関連サービスの需要は引き続き高まっております。さらに、当連結会計年度より都道府県国保ヘルスアップ支援事業の動きが本格化しており、都道府県単位での需要が増しております。

また、生活保護受給者への被保護者健康管理支援事業が2021年1月から必須事業として施行されたことから、自治体の福祉事務所からの需要も継続しております。

これらの他、ポリファーマシー(多くの薬を服用することにより副作用等の薬物有害事象を起こすこと)対策事業や企業・健康保険組合における健康経営への関心も高まっており、データヘルスの需要が多方面で広がっております。

 

このような状況下で、当連結会計年度において当社グループは、都道府県庁、市町村国保および福祉事務所などへのデータヘルス関連サービスの販売活動を積極的に推進いたしました。

当連結会計年度より本格化した都道府県国保ヘルスアップ支援事業において、当社グループの強みを生かした事業提案を行い、都道府県から多くの事業を受注いたしました。

一方、市町村の保険者向けのデータヘルス関連サービスについては、ニーズに沿ったデータ分析・提供や各種指導業務を遂行した結果、受注は堅調に増加しましたが、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため一部保健事業が縮小・中止となるケースも出たため、縮小対象となった保健事業に代わる事業の提案を積極的に行いました。

また、福祉事務所向けについては、被保護者健康管理支援事業の準備事業を中心に受注しました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は33億30百万円(前期比19.7%増)となっております。損益面につきましては、売上増加により売上総利益は17億79百万円(前期比22.5%増)となりました。

一方で、将来の売上拡大を目指した、積極的な新商品・新事業の開発や営業力の強化のための人員採用により、研究開発費と人件費を中心に販売費及び一般管理費が前年同期に比べ2億41百万円増加し、営業利益は3億48百万円(前期比32.6%増)、経常利益は3億63百万円(前期比38.0%増)となりました。

これに加え、業績が好調に推移していることでスケジューリング可能な繰延税金資産を一部追加計上することになり、税金費用の増加が抑えられたことにより親会社株主に帰属する当期純利益は2億83百万円(前期比40.7%増)となりました。

 

(イ)財政状態

(資産の状況)

 資産合計の当連結会計年度末の残高は、前期末に比べて2億89百万円増加し、22億77百万円となりました。

このうち、流動資産は現金及び預金が51百万円減少したほか、売掛金が増加したことなどにより5百万円減少し、当連結会計年度末の残高は14億3百万円となりました。

 また、固定資産はソフトウエアの増加75百万円のほか、広島本社が入居しているビルの区分所有権の追加取得による建物及び構築物ならびに土地の増加や繰延税金資産の計上などにより2億95百万円増加し、当連結会計年度末の残高は8億73百万円となりました。

(負債の状況)

 負債合計の当連結会計年度末の残高は、前期末に比べて22百万円増加し、7億9百万円となりました。

このうち、流動負債は未払消費税等の増加13百万円および賞与引当金の増加などにより22百万円増加し、当連結会計年度末の残高は6億87百万円となりました。

 また、固定負債に大きな増減はありません。

(純資産の状況)

当連結会計年度末の純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益2億83百万円により利益剰余金が増加した一方で、配当支払により利益剰余金が42百万円減少し、15億67百万円となりました。

 また、自己資本比率は66.8%となりました。

 

(ロ)経営成績

(売上高)

 当社グループの当連結会計年度の売上高は、保険者向けのデータヘルス関連サービスにおいて都道府県国保ヘルスアップ支援事業が本格化し、積極的な受注活動を行った結果、20件の受注を獲得しました。また、既存顧客からの追加受注ならびに新規顧客の獲得により受注を伸ばしました。これらの結果、前期と比べて5億47百万円の増加(前期比19.7%増)となり、33億30百万円となりました。

(売上総利益)

 売上総利益は、都道府県国保ヘルスアップ支援事業をはじめとする売上高の増加により、前期と比較して3億27百万円増加し、17億79百万円となりました。なお、売上高総利益率は、53.4%となりました。

(営業利益)

 営業利益は、増収の影響により、前期と比較して85百万円増加し、3億48百万円となりました。売上高営業利益率は、前期と比較して1.0ポイント改善し10.5%となりました。

(経常利益)

 経常利益は、増収の影響により、前期と比較して1億円増加し、3億63百万円となりました。売上高経常利益率は、前期と比較して1.4ポイント改善し10.9%となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は増収の影響に加えて、繰延税金資産を一部追加計上したことにより税金費用の増加が抑えられたため、前期と比較して82百万円増加し、2億83百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ51百万円減少し、当連結会計年度末には10億64百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、3億95百万円(前連結会計年度は5億32百万円の獲得)となりました。

これは、主に税金等調整前当期純利益3億49百万円、減価償却費1億18百万円、法人税等の支払額1億6百万円などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、3億91百万円(前連結会計年度は80百万円の使用)となりました。

これは、主に固定資産の取得による支出によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、56百万円(前連結会計年度は41百万円の使用)となりました。

これは、配当金の支払いおよびリース債務の返済による支出によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(イ)生産実績

  当社グループの事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

(ロ)受注実績

  当連結会計年度の受注保険者数および受注保険者数残高の実績は、次のとおりであります。

サービスの名称

受注保険者数

(件)

前年同期比

(%)

受注保険者数

残高

(件)

前年同期比

(%)

保険者向け情報サービス

721

102.3

460

95.6

 

(ハ)販売実績

  当連結会計年度の販売実績をサービスの区分ごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

サービスの名称

当連結会計年度

(自  2020年7月1日

至  2021年6月30日)

前年同期比

(%)

保険者向け情報サービス

3,148,032

116.6

その他

182,003

218.1

合計

3,330,035

119.7

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2019年7月1日

  至  2020年6月30日)

当連結会計年度

(自  2020年7月1日

  至  2021年6月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱エヌ・ティ・ティ・データ

183,245

6.6

214,326

6.4

ひろぎんITソリューションズ㈱

205,297

7.4

186,440

5.6

北日本コンピューターサービス㈱

277,860

10.0

139,203

4.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.㈱マイティネットは2021年1月4日にIT関連事業を会社分割してひろぎんITソリューションズ㈱を設立したため、社名が変更となっております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(イ)財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(ロ)経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は33億30百万円(前期比19.7%増)となりました。売上高が増加した大きな要因は次の2点と認識しております。

a.都道府県国保ヘルスアップ支援事業の受注増加

 2018年度から、都道府県が国保の財政運営の責任主体となり、国保運営に中心的な役割を担うことを踏まえ、国は、都道府県が実施する医療費適正化に向けた保健事業等に対する助成事業として、都道府県国保ヘルスアップ支援事業が創設されました。国からの交付限度額が2020年度・2021年度は2018年度・2019年度と比較して10倍(補助率10/10)となり、当連結会計年度において当事業の需要が本格化しました。当社グループは都道府県に対し積極的な営業活動を行った結果、都道府県からの新規受注を多く獲得し、都道府県向けの売上高が前期比3億64百万円の増加となりました。

 

b.自治体の保険者からの受注増加

当社グループの主要顧客である国民健康保険ならびに後期高齢者医療広域連合などの保険者は財政状態の改善のため、予防・健康づくりの推進および医療費適正化に向けて取組みを継続しております。当社グループは広島、東京、大阪、札幌を拠点に全国に営業活動を展開し、新規顧客の獲得に努めました。また、当社グループはデータヘルスのPDCAサイクルを一貫して提供できる様々なサービスを取り揃えております。既存顧客に対しても保険者ごとの様々なニーズに対応した提案を行い、追加受注を積極的に推進した結果、都道府県をのぞく国民健康保険ならびに後期高齢者医療広域連合からの売上高は前期比8.0%増となりました。

 

 営業利益は将来の増収の影響により増加した一方で、将来の売上拡大を目指した積極的な新商品・新事業の開発や営業力強化のための人員採用により、研究開発費と人件費を中心に販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は3億48百万円(前期比32.6%増)となりました。また、経常利益も同様に増加し、3億63百万円(前期比38.0%増)となりました。売上高経常利益率は10.9%であり、前期比1.4ポイント改善、期首の予想値も2.4ポイント上回りました。

 なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の要因に加え繰延税金資産の追加計上により税金費用の増加が抑えられたため2億83百万円(前期比40.7%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(イ)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(ロ)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの主な資金需要は事業運営上必要な人件費および業務委託費などの運転資金ならびに研究開発投資に必要な人件費および外注費などであります。

 当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金は10億64百万円、有利子負債(リース債務のみ)は2百万円であり、当社グループの資金の流動性は当面十分であると考えております。なお、当社グループは、自治体との契約が中心となるため、自治体の年度末である3月末までを契約期間とする業務が多く、営業収入の入金が第4四半期に集中いたします。このため、期中は運転資金の外部調達が必要になりますが、複数の取引銀行と当座貸越契約を締結しており、機動的な資金確保が可能であります。また、当座貸越契約の借入枠についても十分な金額を確保しております。

 なお、将来大規模な投資資金などの資金需要が発生した場合には、エクイティファイナンス等による調達手段を検討してまいります。

 株主還元については、財務体質の強化および積極的な事業展開に備えるため必要な内部留保を確保しつつ、配当性向30%程度を目安として業績に対応した配当を行うことを基本方針としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りや仮定によることが必要になります。経営者は、過去の実績や状況および現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点でもっとも合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に採用しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。なお、現時点では新型コロナウイルス感染症による業績への影響は限定的であると判断しており、新型コロナウイルス感染症は当該見積りに影響を与えておりません。

 当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)㈱エヌ・ティ・ティ・データとジェネリック医薬品通知サービスの提供に関する基本契約を締結しております。

契約締結日  2006年7月1日

契約期間    2006年7月1日から、㈱エヌ・ティ・ティ・データおよび当社が顧客に本サービスの提供を全て終了するまで。

  なお、本基本契約に基づき、当社と㈱エヌ・ティ・ティ・データおよび保険者との三者間によるジェネリック医薬品通知サービスの契約を、2021年6月30日現在で5件締結しております。

(2)㈱エヌ・ティ・ティ・データと同社のレセプトチェックシステムに対して提供されるソフトウエアの使用許諾および販売に関する契約を締結しております。

契約締結日  2007年9月28日

契約期間    2007年10月1日から2008年9月30日まで。以後一方当事者から期間満了の3カ月前までに別段の意思表示がない限り1年間自動延長され、以後も同様とします。

(3)㈱エヌ・ティ・ティ・データと同社のレセプトチェックシステムに対して提供されるデータベースの販売および保守に関する契約を締結しております。

契約締結日  2007年10月1日

契約期間    2007年10月1日から2008年9月30日まで。以後一方当事者から期間満了の3カ月前までに別段の意思表示がない限り1年間自動延長され、以後も同様とします。

(4)㈱エヌ・ティ・ティ・データと同社に当社が保有している医療関連データベースの著作権の一部を譲渡し共同所有とする契約を締結しております。

契約締結日  2014年3月28日

 

(5)㈱エヌ・ティ・ティ・データと当社が共同所有している医療関連データベースの利用に関する契約を締結しております。

契約締結日  2014年3月28日

契約期間    2014年4月1日から2019年3月31日まで。以後一方当事者から期間満了の3カ月前までに別段の意思表示がない限り1年間自動延長され、以後も同様とします。

(6)DeSCヘルスケア㈱と当社はデータヘルス事業における業務提携契約を締結しております。

契約締結日  2020年4月2日

契約期間    2020年4月1日から2023年3月31日まで。以降一方当事者から期間満了の3カ月前までに別段の意思表示がない限り1年間自動延長され、以降も同様とします。

(7)当社は、2020年8月14日開催の取締役会において、㈱ディー・エヌ・エーとの間で資本業務提携契約を締結することについて決議を行い、同日付けで資本業務提携契約を締結しております。当該契約に基づき㈱ディー・エヌ・エーは、当社の普通株式306,700株を2020年8月21日付けで取得しております。

5【研究開発活動】

  当社グループは、日本の医療費削減と国民の健康に貢献するためのサービスと製品の研究開発を進めております。

  現在の研究開発は、医療関連データベースの開発およびメンテナンス、医療関連情報サービスの機能開発を当社で行っております。また、自社で使用するシステムの開発は、当社のデータセンター運用部で行っております。

  当連結会計年度の研究開発は、新サービスの開発をはじめとして、既存のデータヘルス運営システムの機能強化、ポリファーマシー対策システムの改良、その他医療関連情報サービスの提供に使用する自社システムの効率化および機能強化等を行っております。

  なお、研究開発スタッフはグループ全体で12名であり、これは総従業員数の5.9%にあたります。

  当社グループの研究開発活動の結果はその内容により、ソフトウエアまたは研究開発費に分けて計上されます。

  当連結会計年度における研究開発活動は、総額が287百万円で、ソフトウエアは119百万円、ソフトウエア仮勘定に27百万円計上し、研究開発費は141百万円となりました。