当社グループは、安定成長に向けた事業構造転換に取り組んでおります。
当社グループの主要なお客様は、電子部品・デバイス工業分野に属しており、同分野の生産は、世界経済の変動によって大きくかつ急激に変動する傾向にあります。また、製品では金を中心とした貴金属及び銅の比率が高く、世界各国の財政政策の動向によって、短期間に価格が大きく変動する可能性があります。
このように、当社グループの事業は、電子部品・デバイス工業分野の生産と、貴金属及び銅相場の変動の影響を受けやすい状態にあり、事業の安定的な成長を図るためには、これらの影響を受けにくい事業を創出し続けることによって、事業構造の転換を図り、影響度を相対的に引き下げていく必要があります。
以上のことから、当社グループとして重要課題と捉えているものには、次のものが挙げられます。
・新規事業の創出及び海外も含めた新市場の開拓の加速
組織体制の変革と意識改革によるスピードアップ
・新規事業創出に貢献する研究開発体制の強化
人的リソースを集中し、開発期間の短縮と研究開発力の強化を図る
・革新しつづける会社を支える人材の活性化
イノベーションを牽引する人材の採用・育成・評価・登用
当社グループの事業展開上、様々なリスク要因があります。それら想定されるリスクに対し、事前に軽減する、回避する、ヘッジする等、事実上可能な範囲での施策を検討実施しておりますが、全てのリスク要因を排除することは不可能であり、想定外の事態、あるいは影響を軽減できない事態が発生した場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。以下、当社グループが判断するリスク要因となる可能性がある項目を記載いたします。なお、これらリスク要因は、本書提出日時点において当社グループが判断する主要なものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
(1) 事業環境の変動
当社グループの主たる事業は、電子部品の製造工程から発生する貴金属を回収する貴金属事業と、エッチング廃液を再生し、銅を回収する環境事業であり、戦略的、計画的な事業運営により、事業を安定的に成長させるよう努めておりますが、主要なお客様が属する業界の需給変動幅が大きいため、その動向により、当社グループの業績は大きく影響を受ける可能性があります。貴金属事業においては電子部品・デバイス業界、その中でも特に水晶振動子業界、環境事業においてはプリント基板業界のお客様が多く、景気変動や各業界の需給状況等、これら業界の動向に影響を与える状況がある場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、貴金属価格の高騰や、リサイクル需要の高まりなどから、業者間競争が激化するとともに、お客様からのコストダウン要求も厳しくなってきております。当社グループは、既存のお客様との取引維持を図るとともに、積極的な営業展開により新規取引先の獲得に注力しておりますが、競争激化にともなうお客様の他社への乗換え、販売価格の低下などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 金属相場の変動
当社グループの主力製品である貴金属及び銅加工品等は、金属が取引される市場の相場の影響を受けており、その価格は、供給国及び需要国の政治経済動向、為替相場等、世界の様々な要因により変動しております。変動要因の内容によっては貴金属及び銅相場が著しく変動することもあり、その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等へ大きく影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金利の変動
当社グループの平成30年9月末日時点の有利子負債(2,175,356千円)は、依存度34.1%と高い状況にあります。有利子負債の圧縮を図り、金融コストの削減に努めておりますが、現行の金利水準が大幅に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法令規制等
当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下廃棄物処理法)に基づく事業者として、産業廃棄物の収集運搬及び処理を行っております。廃棄物処理法上、不法投棄、無許可営業、無許可変更及びマニフェスト虚偽記載等一定の要件に該当する場合には、事業の停止命令及び許可の取消し処分がなされる可能性があります。また、産業廃棄物関連の事業においては、水質汚濁防止法、大気汚染防止法、下水道法等法令等の遵守が事業継続の前提となっております。このため、当社グループは内部統制システムの構築と維持に努めており、役員及び従業員への教育及び研修等により啓発を行っております。一方、環境問題への社会的関心の高まりによる、環境関連法令等の強化によって、当社グループに設備投資等追加的負担が求められる可能性があります。これらの場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。この他、企業の社会的責任を果たす観点から、紛争鉱物の不使用に対応した認証を取得しております。しかしながら、規制の強化、サプライヤーの対応不備等により、タンタル鉱石の調達ができなくなった場合には、製品の販売量が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、主な許認可等および遵守すべき法令等は以下のとおりであります。
(主な許認可等)
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許可年月 |
許認可等の名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
法令違反の要件 および主な許認可 取消事由 |
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平成29年4月 |
毒物劇物製造業 (本社工場) |
福島県 |
福島県知事登録 第31号 |
平成34年4月 |
毒物及び劇物取締法 第19条に規定される 項目に該当する場合 |
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平成27年10月 |
毒物劇物製造業 (富久山工場) |
福島県 |
福島県知事登録 第44号 |
平成32年10月 |
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平成29年3月 |
毒物劇物一般販売業 (本社工場) |
福島県 郡山市保健所 |
郡山市保健所 所長登録第134号 |
平成35年3月 |
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平成30年10月 |
毒物劇物一般販売業 (富久山工場) |
福島県 郡山市保健所 |
郡山市保健所 所長登録第189号 |
平成36年10月 |
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平成30年9月 |
特別管理産業廃棄物処分業 (廃酸、廃アルカリ、中間処理) |
福島県 郡山市 |
郡山市長登録 第08770004892号 |
平成35年9月 |
廃棄物の処理及び 清掃に関する法律 第25条に該当する 場合 |
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平成27年10月 |
産業廃棄物処分業 (廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、金属くず、中間処理) |
福島県 郡山市 |
郡山市長登録 第08720004892号 |
平成32年10月 |
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平成28年3月 |
産業廃棄物収集運搬業 (廃酸、廃プラスチック類、金属くず) |
福島県 |
福島県 県中振興局長登録 第00702004892号 |
平成33年3月 |
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平成28年11月 |
産業廃棄物収集運搬業 (廃酸、廃プラスチック類、金属くず) |
神奈川県 |
神奈川県知事登録 第01403004892号 |
平成33年10月 |
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平成28年12月 |
産業廃棄物収集運搬業 (廃酸、廃プラスチック類、金属くず) |
栃木県 |
栃木県知事登録 第00900004892号 |
平成33年12月 |
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平成26年3月 |
産業廃棄物収集運搬業 (廃プラスチック類、金属くず) |
静岡県 |
静岡県知事登録 第02201004892号 |
平成31年3月 |
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平成26年5月 |
産業廃棄物収集運搬業 (廃プラスチック類、金属くず) |
大阪府 |
大阪府知事登録 第02700004892号 |
平成31年5月 |
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平成28年3月 |
産業廃棄物収集運搬業 (廃酸、廃プラスチック類、金属くず) |
埼玉県 |
埼玉県知事登録 第01105004892号 |
平成33年2月 |
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平成28年6月 |
産業廃棄物収集運搬業 (廃酸、廃プラスチック類) |
東京都 |
東京都知事登録 第13-00-004892号 |
平成33年5月 |
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平成20年11月 |
古物商 |
福島県 公安委員会 |
第251080003700号 |
― |
古物営業法第6条に 規定される項目に 該当する場合 |
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平成5年11月 |
計量証明事業登録 (質量) |
福島県 |
福島県知事登録 第83号 |
― |
計量法第116条に 規定される項目に 該当する場合 |
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平成27年1月 |
Responsible Minerals Assurance Process (金) |
Responsible Minerals Initiative |
Smelter ID CID000090 |
平成31年1月 |
Responsible Minerals Initiativeが 不適合であると 判断した場合 |
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平成29年4月 |
Responsible Minerals Assurance Process (タンタル) |
Responsible Minerals Initiative |
Smelter ID CID000092 |
平成31年4月 |
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平成23年3月 |
品質マネジメントシステム |
BSIグループ ジャパン 株式会社 |
ISO 9001: 2015/JIS Q 9001:2015 FM 571395 |
平成32年3月 |
認証要求事項に 対し、常態化した 不適合又は重大な 不適合がある場合 |
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平成23年4月 |
環境マネジメントシステム |
BSIグループ ジャパン 株式会社 |
ISO 14001: 2015/JIS Q 14001:2015 EMS 572901 |
平成31年10月 |
(遵守すべき法令等)
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規 制 法 |
目 的 及 び 内 容 |
監 督 官 庁 |
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化学物質排出把握管理促進法 |
事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的としています。 |
経済産業省 |
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水質汚濁防止法 |
水質汚濁防止を図るため、工場及び事業場からの公共用水域への排出及び地下水への浸透を規制することを目的としています。 |
環境省 |
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騒音規制法 |
工場及び事業場における事業活動に伴って発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行うことを目的としています。 |
環境省 |
|
振動規制法 |
工場及び事業場における事業活動に伴って発生する相当範囲にわたる振動について必要な規制を行うことを目的としています。 |
環境省 |
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特定工場における公害防止組織の整備に関する法律 |
公害防止統括者等の制度を設けることにより、特定工場における公害防止組織の整備を図り、もって公害の防止に資することを目的としています。 |
経済産業省 |
|
消防法及び危険物の規制に関する規則 |
火災の予防・警戒・鎮圧により、火災から保護するとともに火災・地震等の災害に因る被害を軽減し、安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的としています。 |
総務省消防庁 |
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工場立地法 |
工場立地が環境の保全を図りつつ適正に行われるようにするため、工場立地に関する調査を実施し、及び工場立地に関する準則等を公表し、並びにこれらに基づき勧告、命令等を行うことを目的としています。 |
経済産業省 |
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大気汚染防止法 |
工場及び事業場における事業活動並びに建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制することを目的としています。 |
環境省 |
|
悪臭防止法 |
規制地域内の工場及び事業場の事業活動に伴って発生する悪臭について規制を行うことを目的としています。 |
環境省 |
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廃棄物の処理及び清掃に関する法律 |
廃棄物の定義や処理責任の所在、処理方法・処理施設・処理業の基準などが定められております。 |
環境省 |
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毒物及び劇物取締法 |
毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締りを行うことを目的としています。 |
厚生労働省 |
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高圧ガス保安法 |
高圧ガスによる災害を防止するため、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動、消費等を規制することを目的としています。 |
経済産業省 |
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計量法 |
計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的としています。 |
経済産業省 |
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古物営業法 |
古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もって窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的としています。 |
国家公安委員会 |
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製造物責任法 |
製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定められております。 |
経済産業省 |
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知的財産基本法 |
新たな知的財産の創造及びその効果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力ある経済社会を実現することを目的としています。 |
内閣官房 |
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不正競争防止法 |
企業の営業秘密の保護をより実効あるものとし、公正な競争環境を確保することを目的としています。 |
経済産業省 |
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下請代金支払遅延等防止法 |
下請代金の支払遅延等を防止することによって、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護し、もって国民経済の健全な発達に寄与することを目的としています。 |
公正取引委員会 |
|
犯罪による収益の移転防止に関する法律 |
犯罪による収益の移転防止を図り、併せてテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約等の的確な実施を確保し、もって国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的としています。 |
経済産業省 金融庁 |
(5) 廃棄物等の管理について
当社グループは、毒物や劇物を使用しておりますが、酸廃液及びアルカリ廃液を中和するなど環境に配慮した適切な処理をしております。しかしながら、工場及び運搬車両の事故等により、これらの管理に何らかの問題が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 災害の発生について
当社グループは、生産拠点が福島県郡山市に集中しているため、地震、台風、洪水などの自然災害や、予期せぬ事故等による災害などにより、事業運営を継続することが困難な状況が発生する可能性があります。また、建物等において老朽化が進んでいるものもあるため、特に地震などの自然災害により事業運営に支障をきたす事態が発生する可能性があります。防災訓練や、可能な範囲にて設備及び建物の修繕等を行っておりますが、災害による被害を完全に回避することは不可能であり、被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 新規事業投資について
当社グループは、長期的視野に立って事業を安定的に拡大させるとともに、新しい事業の立ち上げのため、積極的にリソースを投入しております。新しいニーズの発掘、技術の開発等を戦略的に行い、将来的に当社グループの収益の新たな柱となるような新しい事業の確立を目指しております。しかしながら、新規事業には不確定な要因が多く、研究開発において目標を達成できない場合や、事業計画を予定通り達成できない場合には、先行投資分を回収できず、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) システム障害について
当社グループの業務は、ITによるシステムに大きく依存しております。ファイアーウォールの設置、ウイルス対策、予備の機器の準備、定期的なデータのバックアップ等の対策は講じておりますが、何らかの事由によりシステムが利用不可能となった場合には、業務に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 固定資産の評価について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該会計基準では、それぞれの固定資産について回収可能額を測定し、回収可能額が帳簿価額を下回る場合、その差額を減損損失として認識することとされており、今後も資産価値が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 特定の取引先への依存について
当社グループは、貴金属事業に係る仕入について、特定の取引先からの仕入の割合が高く、当該取引先と何らかの要因により取引が継続できない事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 財務制限条項について
当社グループの借入金の一部に財務制限条項が付されており、純資産及び経常利益が一定金額以上であることを約する財務制限条項が付されております。万一、当社の業績が悪化し、当該財務制限状況に抵触した場合には、借入金の期限前返済を求められ、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人材の確保について
当社グループの継続的な成長のためには、優秀な人材の確保が重要となります。事業の継続的発展のために、新卒者や経験者の採用を積極的に展開し、優秀な人材を獲得するとともに、目標管理に基づいた公平な評価・処遇制度により、その定着に努めております。しかしながら、雇用環境が急速に変化する中で、優秀な人材の確保ができない場合には、長期的視点から、当社グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、米国の保護主義的な通商政策による貿易摩擦の動向や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動が懸念されることから、先行きは不透明な状況となっております。
当社の主要顧客の属する電子部品・デバイス工業分野の生産は、全体として前期を上回る水準となりましたが、海外のスマートフォン生産の減速の影響により生産が前年を下回った分野も見られました。貴金属・銅の価格は年度後半に米国金利の上昇等により前期を下回りましたが、当連結会計年度の平均では前期を上回る水準となりました。
このような環境の中、当社では、既存事業の強化と効率化に取り組むとともに、引き続き新たな技術開発に挑んでおります。既存事業では、既取引先の深耕や新規開拓と共に、貴金属材料の供給や光触媒の販路拡大を進めるほか、製造工程の自動化・ロボット化等の効率改善に取り組みました。新たに推進しているレアメタル事業では、製品の開発と販売先の拡大に取り組みました。当連結会計年度においては今後成長が期待される電子部品向け原料を開発し販売先が拡大しました。しかし、レアメタル製品の需要が当初予想を下回ったことから、業績への寄与は翌連結会計年度以降となりました。今後につきましては、販売先の開拓、新規製品の開発に注力し、早期に業績に貢献できるよう事業を推進してまいります。
当連結会計年度の経営成績は、貴金属及び環境事業での販売数量の増加と販売価格の上昇により、売上高は8,765,327千円(対前期4.6%増)となりました。営業利益は337,695千円(対前期62.0%増)。経常利益は333,533千円(対前期60.1%増)。親会社株主に帰属する当期純利益は、234,807千円(前期は補助金収入による特別利益159,193千円があったこともあり、対前期14.1%減)となりました。
各セグメントの経営成績は、次のとおりです。なお、各セグメントの金額については、セグメント間取引を含んでおります。
(貴金属事業)
金の取扱数量は、海外のスマートフォン生産の減速の影響により前期を下回りましたが、他の貴金属等製品の数量が増加したこと、貴金属相場が前期を上回る水準で推移したことから、売上高は7,849,145千円(対前期4.3%増)。取引内容の見直し、製造工程の効率改善により、セグメント利益は203,714千円(対前期15.2%増)となりました。
(環境事業)
主力製品である銅ペレット及び薬品の販売数量が前期を上回り、銅の販売価格も前期を上回ったことから、売上高は801,099千円(対前期6.8%増)、セグメント利益は、96,474千円(前期は1,678千円)となりました。
(システム事業)
品質検査データ管理への関心が高まり、受注が増加したことから、売上高は102,850千円(対前期7.7%増)、セグメント利益は24,595千円(対前期3.0%増)となりました。
(その他)
その他に含まれる運輸事業等の売上高は144,345千円(対前期0.6%減)、セグメント利益は、8,749千円(対前期44.7%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産の部)
前連結会計年度末に比べて429,622千円増加し、6,378,393千円となりました。
主な要因は、受取手形及び売掛金が51,739千円増加し、たな卸資産が348,717千円増加したことです。
(負債の部)
前連結会計年度末に比べて216,139千円増加し、3,387,747千円となりました。
主な要因は、借入金が162,167千円、借入金地金が159,435千円、繰延税金負債が38,810千円増加し、未払法人税等が134,371千円減少したことです。
(純資産の部)
前連結会計年度末に比べて213,483千円増加し、2,990,646千円となりました。
主な要因は、利益剰余金が196,598千円増加したことです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より47,228千円減少し、579,955千円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、120,958千円となりました(対前期39.6%減)。
これは、主な収入要因として、税金等調整前当期純利益が322,262千円、減価償却費が233,172千円あり、主な支出要因として、棚卸資産の増加額が346,338千円、法人税等の支払額が187,548千円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、281,790千円となりました(前期は9,563千円の支出)。
これは、主な支出要因として、有形固定資産の取得による支出が269,329千円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、110,946千円となりました(前期は299,159千円の支出)。
これは、主な収入要因として、短期借入金の純増額が356,399千円あり、主な支出要因として、長期借入金の返済による支出が195,683千円、配当金の支払額が38,209千円あったこと等によるものです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
|
|
平成28年9月期 |
平成29年9月期 |
平成30年9月期 |
|
自己資本比率(%) |
43.9 |
46.6 |
46.8 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
69.9 |
72.4 |
95.6 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
12.7 |
10.1 |
18.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
8.1 |
10.8 |
5.9 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
貴金属事業(千円) |
7,795,792 |
106.8 |
|
環境事業(千円) |
704,697 |
121.7 |
|
システム事業(千円) |
102,850 |
107.7 |
|
報告セグメント計(千円) |
8,603,339 |
107.9 |
|
その他(千円) |
12,236 |
113.7 |
|
合計(千円) |
8,615,576 |
107.9 |
(注)1.金額は販売価格により、セグメント間の取引は含んでおりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
貴金属事業、環境事業ともに回収量に応じて生産しているため該当事項はありません。システム事業においては、受注生産を行っております。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
システム事業 |
110,721 |
119.9 |
12,759 |
233.6 |
(注)1.セグメント間の取引は含んでおりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
貴金属事業(千円) |
7,849,140 |
104.3 |
|
環境事業(千円) |
801,099 |
106.8 |
|
システム事業(千円) |
102,850 |
107.7 |
|
報告セグメント計(千円) |
8,753,090 |
104.5 |
|
その他(千円) |
12,236 |
113.7 |
|
合計(千円) |
8,765,327 |
104.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日) |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
住商マテリアル株式会社 |
1,829,378 |
21.8 |
1,859,934 |
21.2 |
|
三菱商事RtMジャパン株式会社 |
1,642,003 |
19.6 |
1,495,484 |
17.1 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に詳しく記述しております。なお、見積り及び評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は、貴金属及び環境事業での販売数量の増加と販売価格の上昇により、売上高は8,765,327千円(対前期4.6%増)となりました。営業利益は337,695千円(対前期62.0%増)。経常利益は333,533千円(対前期60.1%増)。親会社株主に帰属する当期純利益は、234,807千円(前期は補助金収入による特別利益159,193千円があったこともあり、対前期14.1%減)となりました。
なお、セグメント別の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループは貴金属、非鉄金属を主な製品として取り扱っているため、金属相場及び為替相場による影響を受ける可能性があります。また、当社の取引先の多くは電子部品・デバイス工業分野に属しており、この分野の景況の変化に伴い、当社の業績も連動する可能性があります。
その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。また、設備投資並びに事業投資等の長期資金需要につきましては、自己資金はもとより、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討しております。
該当事項はありません。
(1)研究開発活動の方針
当社グループは、多様化、高度化する顧客ニーズを発掘し、それに応える技術・製品を研究開発し、提供することを基本方針としております。さらに、独自の技術によって、市場そのものを開拓する「市場創造型の開発」に取り組んでおります。この目的達成のため、
1.顧客(市場)ニーズに合致した製品の開発
2.高品質製品の開発
3.高付加価値製品・サービスの開発
を主眼としております。
(2)研究開発活動の体制
当社グループの研究開発活動は、新技術・新製品の開発と既存製品の改良・改善及び応用があります。これらの活動は、技術・開発本部が担当しております。また、必要に応じ、組織の有機的活動を強化するため、プロジェクトチームを編成し、開発活動を促進しております。
新製品に関しましては、開発した技術を効率良く、確実に量産化するために、製造本部との連携で事業化を図っております。
(3)研究開発活動の内容及び研究開発費
研究開発活動の内容に関しては、これまで蓄積した当社グループのコア技術である金属・無機薬品のリサイクル技術をさらに進化させる活動や、新たに市場を開拓するために必要な技術の研究開発、新しく事業化した分野のテーマについても推進しております。当社グループが中長期的な視点で重要だと考えている具体的なテーマは次のとおりであります。
・レアメタルなど希少で価値の高い元素の分離精製技術の研究開発
・貴金属・レアメタルの高純度化に関する研究開発
・生産工場の品質管理向上、生産管理の効率化を支援するシステム開発
当連結会計年度において特に重点的に行った研究開発活動は次のとおりであります。
(貴金属事業)
・レアメタルの高純度化に関するもの
(その他特定の事業に区分できない基礎研究)
・レアメタルを含んだ廃棄物からの効率的な分離精製技術に関するもの
・レアメタルの加工技術に関するもの
なお、当連結会計年度における研究開発費は、貴金属事業で165,735千円、その他特定の事業に区分できない基礎研究等で109,309千円であり、グループ合計では275,045千円であります。