文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、堅調な米国経済及び欧州経済に支えられ、全体としては緩やかに成長しました。また、我が国経済につきましては、政府の経済政策や日本銀行による金融緩和策などを背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調を保ちました。しかしながら、米国の保護主義的な通商政策による主要国間での貿易摩擦への懸念など、経済見通しに対する不透明感は依然として存在しております。
医薬品業界におきましては、増大する医療費の抑制は各国共通の課題となっており、保険者の影響力の高まりや
後発医薬品の使用促進などの動きが加速しております。日本においては、平成30年度から実施される抜本的薬価制
度改革では、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度の抜本的見直しや長期収載品の薬価等の見直しなど、新薬創
出を目指す製薬会社に経営的側面から大きなインパクトを与えており、手持ちのパイプライン品目の見直しを迫ら
れていると報じられるなど、新薬開発の生産性や効率性の向上が求められております。他方、治療満足度の低い疾
患や希少疾病用医薬品へのニーズは依然として数多く存在しており、革新性の高い医薬品は待ち望まれております。日本では、希少疾病用医薬品指定制度、先駆け審査指定制度、条件付き早期承認制度も運用されるに至っており、米国、欧州の規制当局も同様に優遇政策を導入しております。このような環境下において、製薬会社は主力製品の特許切れ問題への対応も含め、革新的新薬の創出に向け、ビジネスモデルや研究開発活動の転換を加速するものと思われます。
当社グループが属する医薬品開発業務受託(CRO;Contract Research Organization)業界及び医薬品販売支援(CSO;Contract Sales Organization)業界は、医薬品開発・販売のアウトソーシング化及び国際共同治験(注)の増加を背景として、市場規模は緩やかに拡大しております。また、上述の医薬品業界の状況を踏まえると、製薬会社は革新的新薬の創出並びにその生産性や効率性を更に向上させるため、医薬品開発・販売のアウトソーシングを一層加速させることが見込まれます。
以上のような事業環境の下、当第1四半期連結累計期間の業績は、受託案件の増加に加え、Accelovance,Inc.(現Linical Accelovance America,Inc.)買収により同社及びその子会社の売上高を取り込んだ結果、売上高は2,759百万円(前年同期比29.1%増)となりました。一方、営業利益は先行的な人材投資による人件費の増加等の他、Accelovance,Inc.(現Linical Accelovance America,Inc.)買収に関連して発生した取得関連費用やのれんの償却負担の増加により86百万円(同65.8%減)となりました。経常利益は円安により外貨預金等に為替差益72百万円が発生したため151百万円(同41.3%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は42百万円(同73.4%減)となりました。
(注)「国際共同治験」とは、主要市場国における早期・同時上市を図るため、臨床試験を複数の国又は地域において同時並行的に行うことをいいます。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①CRO事業
当社グループのCRO事業につきましては、日本、アジア、米国、欧州におけるグローバル受託体制の構築を引き続き強力に推し進めた結果、国際共同治験を中心とした受託案件が増加したことに加え、Accelovance,Inc.(現Linical Accelovance America,Inc.)買収により同社及びその子会社の売上高を取り込んだ結果、売上に貢献いたしました。一方、利益面においては売上高の増加が、先行的な人材投資による人件費の増加の他、Accelovance,Inc.(現Linical Accelovance America,Inc.)買収に関連して発生した取得関連費用やのれんの償却負担の増加等を吸収できず、減益となりました。この結果、売上高は2,492百万円(前年同期比29.9%増)、営業利益は373百万円(同24.1%減)となりました。
②育薬事業
当社グループの育薬事業につきましては、新薬販売後の臨床研究を中心とした案件の受託増加により人員の稼働率が上昇した結果、売上及び利益に貢献することとなりました。この結果、売上高は266百万円(前年同期比22.4%増)、営業利益は83百万円(同47.9%増)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産の部
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ4,515百万円(48.8%)増加し、13,762百万円となりました。これは、主に現金及び預金、売掛金、立替金、のれん等が増加したことによるものであります。
② 負債の部
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ4,720百万円(116.8%)増加し、8,763百万円となりました。これは、主に短期借入金、未払金、前受金等が増加したことによるものであります。
③ 純資産の部
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ205百万円(4.0%)減少し、4,998百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定が増加した一方、利益剰余金の減少と自己株式が増加したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
① 売上高
当第1四半期連結累計期間の売上高は、(1)業績の状況に記載の要因により、2,759百万円(前年同期比29.1%増)となりました。
② 売上原価
当第1四半期連結累計期間の売上原価は、主に先行的な人材投資や昇格・昇給による人件費の増加等の結果、1,903百万円(前年同期比31.8%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当第1四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、主に昇格・昇給による人件費の増加の他、Accelovance,Inc.(現Linical Accelovance America,Inc.)買収に関連して発生した取得関連費用やのれんの償却負担が増加した結果、769百万円(前年同期比75.4%増)となりました。
④ 営業利益
当第1四半期連結累計期間の営業利益は、売上高の増加が売上原価並びに販売費及び一般管理費の増加を下回った結果、86百万円(前年同期比65.8%減)となりました。
⑤ 経常利益
当第1四半期連結累計期間の経常利益は、円安による為替差益が発生した結果、151百万円(前年同期比41.3%減)となりました。
⑥ 税金等調整前四半期純利益
当第1四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は、経常利益が減少した結果、151百万円(前年同期比41.3%減)となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する四半期純利益
当第1四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、税金等調整前四半期純利益が減少した結果、42百万円(前年同期比73.4%減)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営戦略の現状と見通し
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しについて重要な変更はありません。
引き続き、当社グループは受託業務の選択と集中を推し進めることによって既存のCROとの差別化を図り、大手製薬会社と同等の立場で医薬品開発を実行・サポートできる知識・技術・経験を有するCROすなわち「CDO(Contract Development Organization)」を目指していく方針であります。
当社は、平成30年3月27日開催の取締役会において、当社の完全子会社であるLINICAL USA,INC.(本社:ニューヨーク州、以下「米国リニカル社」)及びその子会社であるMagnolia Acquisition Corp.(本社:メリーランド州、以下「特別目的会社」)が、米国を本拠として主に医薬品開発業務受託事業を展開するAccelovance,Inc.(本社:メリーランド州、以下、「Accelovance社」)との間で合併契約を締結し、特別目的会社とAccelovance社との合併を行なうことで、Accelovance社を米国リニカル社の完全子会社とすることを決議し、同日、合併契約を締結しております。また、上記の合併契約に基づき、平成30年4月16日(米国東部標準時)に米国リニカル社はAccelovance社の発行済株式の100%を取得し、完全子会社化しております。
詳細は、「第4 経理の状況 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。