当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
なお、2018年4月16日に行われたAccelovance,Inc.(現Linical Accelovance America,Inc.)との企業結合について前第3四半期連結累計期間において暫定的な会計処理を行っておりましたが、前連結会計年度末に資産・負債へ取得原価の配分が完了しております。これに伴い、遡及修正後の数値を用いて比較分析を行っております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、米国の保護主義的な通商政策により米国と中国を始めとする主要国間で貿易摩擦問題等がある中、欧州や中国で景気の減速が見られました。一方、我が国経済につきましては、政府の経済政策や日本銀行による金融緩和策などを背景に、雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調を保ってきましたが、消費税増税の影響などもあり一部で景気の減速が見え始めました。このような経済情勢の中、特に米国と中国との間の貿易摩擦が長期化することによる世界経済の先行きへの懸念が一層高まっており、経済見通しに対する不透明感は深まっております。
医薬品業界におきましては、増大する医療費の抑制は各国共通の課題となっており、保険者の影響力の高まりや
後発医薬品の使用促進などの動きが加速しております。日本においては、2018年度から実施された抜本的薬価制度改革では、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度の抜本的見直しや長期収載品の薬価等の見直しなど、新薬創出を目指す製薬会社に経営的側面から大きなインパクトを与えており、手持ちのパイプライン品目の見直しを迫られるなど、新薬開発の生産性や効率性の向上が求められております。他方、治療満足度の低い疾患や希少疾病用医薬品へのニーズは依然として数多く存在しており、革新性の高い医薬品は待ち望まれております。日本では、希少疾病用医薬品指定制度、先駆け審査指定制度、条件付き早期承認制度も運用されるに至っており、米国、欧州の規制当局も同様に優遇政策を導入しております。このような環境下において、製薬会社は主力製品の特許切れ問題への対応も含め、革新的新薬の創出に向け、ビジネスモデルや研究開発活動の転換を加速するものと思われます。
当社グループが属する医薬品開発業務受託(CRO;Contract Research Organization)業界及び医薬品販売支援(CSO;Contract Sales Organization)業界は、医薬品開発・販売のアウトソーシング化及び国際共同治験(注)の増加を背景として、市場規模は緩やかに拡大しております。また、上述の医薬品業界の状況を踏まえると、製薬会社は革新的新薬の創出並びにその生産性や効率性を更に向上させるため、医薬品開発・販売のアウトソーシングを一層加速させることが見込まれます。
以上のような事業環境の下、米国のLinical Accelovance America, Inc.(以下、LAA社)において、前期からのマネジメント強化、営業力の増強、リストラクチャリングの成果が発現を始め、単月決算で営業黒字化を達成し今後に期待が持てる状況となりました。また、当社グループ全体の営業面でも日本、アジア、米国、欧州における当社グループのグローバル受託体制確立によるシナジー効果が発現しており、日本企業のグローバル試験、台湾企業の米台試験、米国企業の大型試験等を受注するなど各国単独試験の受注を含め好調な受注状況を保っております。しかしながら、円高により海外子会社の売上高が日本円換算で目減りした他、日本で前期から当期にかけて複数の大型案件が完了し新規案件が開始する狭間となったことに加え、欧州のフランス子会社でデモの影響から試験の進捗が遅れ売上高にマイナスの影響があったことや、日本、欧州で当第3四半期連結会計期間に売上高として計上される受注の獲得が当初想定通りに進まなかったこと等から当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は8,205百万円(前年同四半期比4.3%減)となりました。営業利益は売上高が上記理由により前年同四半期比で減少したことに加え、米国子会社買収に伴う売主とのクロージング価格調整交渉等のための弁護士報酬が発生したこと等により870百万円(前年同四半期比12.4%減)となりました。経常利益は前年同四半期は円安により外貨預金等に45百万円の為替差益が発生したのに対して、当期は円高により外貨預金等に為替差損62百万円等が発生したため776百万円(前年同四半期比23.8%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、2019年10月18日に「当社海外子会社に対する仲裁の申立に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、米国での仲裁対応のための弁護士報酬等の費用が発生したことやグループ管理の実効性強化と意思決定の迅速化のため、LAA社の欧州子会社をLINICAL Europe Holding GmbHに統合するグループ内組織再編に関連する費用が発生したことから398百万円(前年同四半期比12.1%減)となりました。
(注)「国際共同治験」とは、主要市場国における早期・同時上市を図るため、臨床試験を複数の国または地域において同時並行的に行うことをいいます。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①CRO事業
当社グループのCRO事業につきましては、米国において前期からのマネジメント強化、営業力の増強、リストラクチャリングの成果が発現を始めました。しかし、円高により海外子会社の売上高が日本円換算で目減りした他、日本で前期から当期にかけて複数の大型案件が完了し新規案件が開始する狭間となったことに加え、欧州のフランス子会社でデモの影響から試験の進捗が遅れ売上高にマイナスの影響があったことや、日本、欧州で当第3四半期連結会計期間に売上高として計上される受注の獲得が当初想定通りに進まなかったことから売上高及び利益は減収減益となりました。この結果、売上高は7,471百万円(前年同四半期比4.5%減)、営業利益は1,738百万円(前年同四半期比10.3%減)となりました。
②育薬事業
当社グループの育薬事業につきましては、新薬発売後の臨床研究を中心とした案件の受注により人員の稼働率が上昇した結果、売上は減収となったものの、利益に貢献することとなりました。この結果、売上高は733百万円(前年同四半期比2.9%減)、営業利益は301百万円(前年同四半期比12.1%増)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産の部
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ849百万円(6.4%)増加し、14,108百万円となりました。これは、主に売掛金や立替金の増加によるものであります。
② 負債の部
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ744百万円(9.3%)増加し、8,753百万円となりました。これは、主に前受金、預り金及び未払金の増加によるものであります。
③ 純資産の部
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ104百万円(2.0%)増加し、5,355百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加によるものであります。
(3)経営成績の分析
① 売上高
当第3四半期連結累計期間の売上高は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、8,205百万円(前年同四半期比4.3%減)となりました。
② 売上原価
当第3四半期連結累計期間の売上原価は、5,452百万円(前年同四半期比2.0%減)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、当期は米国子会社買収に伴う売主とのクロージング価格調整交渉等のための弁護士報酬が発生したものの、前年同四半期に発生した米国子会社買収に関連する費用の負担がなくなった他、米国子会社のリストラクチャリングの進展により人件費や家賃等の負担が減少したこと等により、1,882百万円(前年同四半期比6.6%減)となりました。
④ 営業利益
当第3四半期連結累計期間の営業利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、870百万円(前年同四半期比12.4%減)となりました。
⑤ 経常利益
当第3四半期連結累計期間の経常利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、776百万円(前年同四半期比23.8%減)となりました。
⑥ 税金等調整前四半期純利益
当第3四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は、経常利益が減少した結果、689百万円(前年同四半期比27.2%減)となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する四半期純利益
当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、398百万円(前年同四半期比12.1%減)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しについて重要な変更はありません。
引き続き、当社グループは受託業務の選択と集中を推し進めることによって既存のCROとの差別化を図り、大手製薬会社と同等の立場で医薬品開発を実行・サポートできる知識・技術・経験を有するCROすなわち「CDO(Contract Development Organization)」を目指していく方針であります。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。