文中の将来に関する事項は、有価証券提出日現在(2021年6月25日)において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。近年、国内外の製薬会社はその生命線である新薬の創出のため、自社の研究所以外に大学等との共同研究による効率的な創薬研究の活性化、グローバルでの企業統合、買収等により、開発候補品の充実を目指しています。また、新薬開発における投資効率を最大化するためには実質的な特許期間、すなわち後発品出現までの期間を最大化する必要がありますが、そのために国際共同治験を活用し、主要市場国における早期・同時発売を図ることは避けられない状況となっております。このような状況に対応していくため、当社グループでも経営施策を機動的かつ柔軟に展開していくことが要求されております。
当社グループでは、特定の領域、受託業務、治験段階に注力し、大手製薬会社と同等の立場で医薬品開発を実行・支援できる知識・技術・経験を有するCROを「CDO(Contract Development Organization)」と称しております。当社グループは前述した製薬会社の要求に応えるため、主要事業のCRO事業において、主に治験の主たる段階であるフェーズⅡ、フェーズⅢにおけるモニタリング業務並びにこれに付随する品質管理業務及びコンサルティング業務に特化したCDOを目指し事業展開を行うことで、同業他社との差別化を図っております。
また、近年増加しているがん領域及び中枢神経系領域疾患の開発品目に対応するため、人材採用、教育研修及び組織改変により受託体制の強化を図っております。今後も、増加する国際共同治験に対応するため、子会社を含めた人材採用、教育研修及び組織改変により受託体制の強化を図ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、中長期的な成長による企業価値向上と利益還元バランスの最適化を図ることを重要施策と位置付け、安定的な利益還元の源泉となる1株当たり当期純利益(注)を目標とする経営指標にしております。
(注)1株当たり当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を発行済株式数で除した数値であり、株主価値を形成する重要な指標です。株式の評価指標の一つであるPER(株価収益率)の計算根拠の一つでもあり、株価収益率が一定水準に収束すると、1株当たり当期純利益の向上は株価水準の向上に結び付き、結果として株主価値の向上に寄与するものとなります。
(3)経営環境及び経営戦略の現状と見通し
国内におきましては、当社グループが属するCRO業界の市場規模は引き続き成長を続けております。当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえて、今後も主に治験の主たる段階であるフェーズⅡ、Ⅲにおけるモニタリング業務並びにこれに付随する品質管理業務及びコンサルティング業務に注力し、適正な受託費で信頼性の高いデータの収集能力を有するCROとして、顧客への期待に応えていく所存であります。
そのためには、モニタリング業務の中心となる優秀なCRAの確保及び育成は必要不可欠となっております。CRAの人材確保にあたっては、即戦力となる優秀な中途採用者の積極的な獲得及びCRAの適性を有する新卒者、未経験者の採用を進めるとともに、採用したCRAに対して、入社時には相当の研修期間を設け、また、入社後も継続的に研修を実施することにより、モニタリング業務の品質の向上を常に図っております。
また、新薬の開発においては、国際共同治験を利用したグローバルな開発が増加しており、日本を含むアジア、米国及び欧州で国際共同治験を実施できる体制を整えることで、中長期的なCRO事業の拡大に努めていく方針です。現在、米国、ドイツ、フランス、スペイン、イギリス、オランダ、ポーランド、チェコ、ルーマニア、ハンガリー、中国、韓国、台湾、シンガポール等に現地法人を有しており、今後は、現地法人の機能をさらに強化することで、国際共同治験に対応できる体制作りを進めてまいります。
さらに、当社グループは、CRO事業で取り組む医薬品開発業務の下流に位置する製造販売後の市場において、医薬品販売支援を行う育薬事業を展開しており、企業・医師主導の臨床研究、販売企画など複数の案件を受託しております。製造販売承認後の医薬品の価値を維持、増大させる活動を「育薬」と呼び、医薬品のライフサイクルマネジメントとして重要視されるようになってきています。また、臨床研究に係わる不祥事が多発したことから、臨床研究の透明化と適切な実施が求められ、2018年4月より臨床研究法が施行されています。このような背景のもと、臨床研究を中心としてアウトソーシングニーズが増加しており、医薬品販売支援業界の市場規模は拡大傾向にあります。当社グループの育薬事業では、CRO事業で得たノウハウを活かし、より専門性の求められる業務を受託し、高い品質のサービスを提供することで、同業他社との差別化を図ってまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループにおきましては、継続的な売上高及び利益の拡大、それを支える内部管理体制の充実を図るため、以下の課題を柱として取り組み、成長を期してまいります。
①国際的な治験業務の体制強化
当社グループはアンメット・メディカル・ニーズが高く、治験難易度の高いがん、中枢神経系、免疫疾患などの特定業務への特化、特定治験段階への特化を推進することによって構築した治験の各業務における多様な知見・技術を欧州、米国など世界各地に展開することで、グローバルでの研究開発に積極的な製薬会社に対して、高品質のCROサービスをグローバルワンストップに提供しております。
2018年4月、当社米国子会社が米国のCROであるAccelovance,Inc.(Linical Accelovance America, Inc.に商号変更済み)を子会社化し、世界最大の市場である米国での当社グループの機能強化を図りました。これにより、日本・アジア、米国、欧州の3極を枢軸とする国際共同治験に対応する体制を一層充実させました。さらに、2019年5月には中国上海に新たに子会社を設立しております。
現在、米国、ドイツ、フランス、スペイン、イギリス、オランダ、ポーランド、チェコ、ルーマニア、ハンガリー、中国、韓国、台湾、シンガポール等に現地法人を有しており、今後も、これらの国における国際共同治験の実施ニーズに合わせて規模拡大、機能強化を行い、現地法人の国際共同治験に対応できる体制を一層強化してまいります。
一方で、国際共同治験の実施には、参加国における規制当局の考え方、医療保険制度、医療機関の体制、治験に対する患者側の参加姿勢など、様々な環境の違いがあります。当社グループにおいても、各拠点の環境の相互理解に基づく手順やシステムの統合、プロジェクトマネジメントの強化は、喫緊の課題となっております。
②モニタリング業務の品質の向上・維持
当社グループの主要な業務でありますモニタリング業務の品質を向上・維持することは、製薬会社との良好な信頼関係を構築し、経営基盤を安定化するうえで最重要の課題であります。そのため、品質マネジメントシステム、教育研修のさらなる充実化、ITシステム等を活用したモニタリングの効率化などを推進しています。また、日本では品質管理部門や当社独自の組織であるプロジェクト・コミッティーの機能を強化することにより、モニタリング業務、ひいては臨床試験の品質の向上・維持に努めてまいります。なお、プロジェクト・コミッティーとは、受託業務に係る品質を担保するために設置されている社内の組織であり、受託した治験実施計画書に対して事前に当社グループとして特に留意すべき点の確認・指示を行います。また、国際共同治験の増加に伴い、治験実施計画書の日本における実施可能性の検討や代替案の提示など役割範囲が拡大しております。構成メンバーは、臨床試験を主体とする開発業務に精通した経験者及び社外の医師から成り、グローバル化した当社グループの全社的な品質の向上と標準化に貢献するものとなっております。
③医薬品製造販売後支援事業への展開
当社グループは、CRO事業で取り組む医薬品開発業務の下流に位置する発売後の市場において、医薬品製造販売後の支援業務を行う育薬事業を展開しており、臨床研究等の企画、モニタリング業務、監査業務など複数の案件を受託しております。
また、日本では、2018年4月に臨床研究法が施行され、発売後の医薬品に関する臨床研究は、治験とほぼ同様のルールによる規制を受けることになりました。この臨床研究法は、治験と同様に臨床研究においても責任の所在を明確化しデータの信頼性を確保するためのものとなっており、これによって客観性とリソースを確保するためのアウトソーシングニーズが拡大してきております。育薬事業にとっても大きなビジネスチャンスであり、CRO事業で得たノウハウ等を利用することにより、CRO事業同様、育薬事業においても高い品質のサービスを提供できるよう対応してまいります。
④優秀な人材の確保と育成
モニタリング業務の受託を拡大するにあたり、その業務の中心となる優秀なCRAの確保及び育成は必要不可欠であります。また国際共同治験の増加に伴い、これらに特有の業務や、各国間のプロジェクトマネジメント業務が増大いたします。このための人材育成も喫緊の課題であります。
⑤財務基盤の安定化
当社グループは、グローバルに高品質なサービスを提供し続け、製薬会社から信頼を得て業務を継続的に受託することにより高い収益性の確保を目指します。また、予算実績管理及びコスト管理を徹底することにより内部留保の充実を図り、優秀な人材の確保、国際共同治験への体制構築等、将来の事業発展に必要不可欠な成長投資に備えてまいります。
⑥新型コロナウイルスを含む感染症パンデミック下における業務実施体制の整備・運用
今般の世界的な新型コロナウイルス感染拡大にあたり、当社グループでは医療機関、製薬会社、従業員の安全を確保した上で事業を継続するために、感染予防を徹底するとともに、リモートでの業務実施体制の整備・運用を進めましたが、医療機関への訪問規制などにより受託業務を実施できない又は進捗が遅延し、業務に影響を受けました。現在、各国の規制当局やCRO団体等は、これまで治験業務で必要とされていた医療機関へ訪問しての作業についてリモートでの実施が可能となるような規制の変更や指針の策定を進めており、当社でもこれらに対応することで徐々に業績への影響を軽減しております。今後は、このような各国における規制の変更に対応し、新型コロナウイルスを含む感染症パンデミック下における業務実施体制を迅速に整備・運用することが課題となります。
(5)次期の見通し
①概要
米国におきましては、治験業務に関してリモートでの治験実施を可能とする制度対応が取られるなど新型コロナウイルス感染症流行下における治験環境は他国と比べて良好で、受注した業務を実施し売上を計上できる環境にあります。また、米国内のワクチン接種が進捗し、他国と比べていち早い経済活動の回復が見込まれるなか、製薬会社が新型コロナウイルス感染症収束後を見越し、一時凍結等していた研究開発投資を再始動するなど、足元の新規案件の引き合いは大きく増加しており、次期の売上に貢献する新規受注を順調に獲得しております。このような状況を反映し、米国においては次期第2四半期より新型コロナウイルス感染症の影響を勘案することなく順調に業績が推移するものと見込んでおります。
欧州地域におきましては、欧州各国でのワクチン接種の進捗に伴い、米国同様に製薬会社が新型コロナウイルス感染症収束後を見越して一時凍結等していた研究開発投資を再始動するなど、足元で新規案件の引き合いが増加しており、欧州発の日亜欧試験を獲得するなど次期の売上に貢献する新規受注の獲得が増加しております。しかしながら、次期上半期においては、新型コロナ感染症の影響による一部治験実施の制約が残る可能性が高く、ワクチン接種が進捗し経済活動の回復が見込まれる第3四半期以降の業績正常化を見込んでおります。
日本・アジア地域におきましては、次期上半期は、当期の新型コロナ感染症拡大による低調な受注環境の影響が残る一方、足元では製薬会社が新型コロナウイルス感染症収束後を見越して一時凍結等していた研究開発投資を再始動しており、直近で日亜米欧のグローバル試験で受注内定を受けた他、新規案件の引き合いが増加しております。しかしながら、ワクチン接種の進捗等の影響を十分に考慮する必要があることから第4四半期からの業績回復を見込んでおります。
以上の当社グループの展開地域の状況に基づき、次期(2022年3月期)の業績見通しにつきましては、売上高は10,700百万円(前期比4.1%増)、営業利益683百万円(前期比50.6%増)を見込んでおります。
②受注残高の推移
当社グループにおいて受託する業務では、1年から3年程度の主な実施期間において、症例数や対象疾患に起因する治験の難易度などにより受託総額が決定します。この実施期間についてクライアントと委受託契約を締結し、契約に従い毎月売上が発生します。
受注残高は、既に契約を締結済みの受託業務の受注金額の残高であります。これは、今後1年から5年程度の契約期間で発生する売上高を示しており、当社グループの今後の業績予想の根拠となる指標であります。
下表のとおり、2020年3月期末の受注残高に比べ2021年3月31日時点の受注残高は3.5%減少しておりますが、製薬会社はワクチン接種の開始による新型コロナウイルス感染症収束後を見越し、一時凍結等していた研究開発投資を再始動するなど、足元の新規案件の引き合いは大きく増加しており、欧州発の日亜欧試験を獲得するなど今後の売上に貢献する新規受注の獲得が増加しております。さらに、直近では日亜米欧の大型案件の受注内定を受け契約締結作業を進めており、実質的な受注残高は200億円を超える水準となっております。
受注残高の減少の要因としましては、欧州の既存案件で新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により治験期間の終了時期の前倒しが決定し契約変更の完了により受注残高が減少したことや、米国で顧客による開発案件の優先順位の見直しがあり、契約のキャンセルがあったこと等によるものです。なお、キャンセルのあった米国の顧客との間ではこれに代替する開発案件の提案依頼を受けており、契約に向けて協議中であります。
表.受注残高の推移
(単位:百万円)
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2019年 3月期末 |
2020年 3月期末 (A) |
2021年 3月期末 (B) |
増減率% (B-A)/A |
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受注残高 |
16,282 |
19,900 |
19,196 |
△3.5 |
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内訳 |
中外製薬 |
3,579 |
3,227 |
3,351 |
3.8 |
|
エーザイ |
3,350 |
3,802 |
2,926 |
△23.0 |
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小野薬品工業 |
2,476 |
1,328 |
841 |
△36.7 |
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その他 |
6,876 |
11,541 |
12,077 |
4.6 |
|
以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在(2021年6月25日)において当社グループが独自に判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。
(1)特定の製薬会社への売上割合の高さに関するリスク
当社グループは、有望な開発品目を多く有する大手製薬会社を中心に取引を行っていく方針であり、結果として特定の製薬会社への依存度が相対的に高くなっております。2020年3月期及び2021年3月期における主要販売先への売上依存度は以下の通りであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
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中外製薬株式会社 |
1,468,841 |
13.4 |
1,521,281 |
14.8 |
|
エーザイ株式会社 |
1,548,437 |
14.2 |
1,488,231 |
14.5 |
|
小野薬品工業株式会社 |
1,513,098 |
13.8 |
727,047 |
7.1 |
(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループのこれまでの成長は、モニタリング業務の品質が顧客である大手製薬会社に認められた結果であるものと考えております。
しかしながら、特定の製薬会社への依存が継続し、他の製薬会社との業務受託案件に対して適切に人材を配置できない場合、または当社グループの顧客である製薬会社が合併・統合等により経営方針を転換した場合や、主要取引先が消滅した場合には、特定の製薬会社を中心に取引を行う当社グループの事業方針の変更を余儀なくされる可能性や当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、製薬会社が当社グループに委託中のプロジェクトの開発中止を決定した場合に、CRAの稼働率が低下すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、創薬支援サービスなど業容の拡大により国内外のバイオベンチャー企業の需要の取り込みを図るなど顧客基盤の拡大に努めてまいります。
(2)治験の事故等によるリスク
治験薬の副作用が生じた場合の直接の責任は製薬会社が負うことになりますが、当社グループを含むCRO業界が関わった治験において、重篤な副作用その他の重大な事故によりCRO業界全体が製薬会社から信用を失った場合、または当社グループが関わった治験において、重篤な副作用その他の重大な事故が発生した際に当社グループが顧客への報告等、十分に対応できなかった場合において、治験受託件数が減少し、もしくは訴訟を受けることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループのCRAが関わった治験において、過失等により、治験標準業務手順書その他の規則の遵守を怠り、回収した症例報告書の信頼性等に問題があることとなった場合において、その治験の委託者である製薬会社に損害を与え、当社グループが損害賠償の責めを負うとき、または、委託者以外の製薬会社からも信用を失ったときは、訴訟の提起や治験受託件数の減少により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、当社グループではCRAに対して継続的に研修を実施し、業務品質の確保に努めております。
(3)CRO業界内の競争激化に関するリスク
近年、中小規模で特徴を持たないCROにおいては、同業他社との差別化を図ることができず、吸収合併や倒産等により淘汰されてきております。当社は2005年の設立以来、大手製薬会社から治験を継続して受託しており、業績は順調に推移しておりますが、当社グループと類似したビジネスモデルを有するCROの増加や、差別化が難しいCROが行う低価格戦略に伴う価格競争の激化により、受託契約価格の下落が起こった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、当社グループでは製薬会社のグローバル開発ニーズに対応するべく日亜米欧でのグローバル受託体制をより一層推進し、高品質なグローバルワンストップサービスを提供することにより同業他社との差別化を図ってまいります。
(4)国内における治験の海外シフトに関するリスク
医薬品の審査・承認制度は国ごとに異なっており、新薬の有効性や安全性等のデータには人種差があることから新薬製造承認申請には、基本的に各国で実施した治験のデータが必要です。しかし、「医薬品規制調和国際会議(ICH : International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)において、新薬の承認審査データを相互活用するための条件整備に向けた、海外臨床試験データの受入れに関するガイドラインが最終合意されたことにより、日本国内においても一定の確認試験を基に、海外臨床試験データを用いて承認申請を行うことが認められるようになりました。また、医薬品開発の国際競争は益々過熱しており、いち早く各国で承認・販売を勝ち得るために、グローバル開発が製薬会社の主要な戦略となっております。当社では、このような医薬品開発の環境変化や製薬会社のグローバル開発ニーズに対応すべく、米国、韓国、台湾等での海外子会社の設立や、韓国、欧州、米国での企業買収を通じて医薬品のグローバル開発体制を整備しております。
しかしながら、当社グループの地域別の売上構成に占める日本の比率は依然大きく、当社グループの医薬品のグローバル開発体制の整備・進展を大きく超えるスピードで治験環境のグローバル化が起こり、海外治験データの国内申請時における利用が急激に加速して国内で行われる治験数が減少し、当社グループの治験受託件数が減少するような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、当社グループでは製薬会社のグローバル開発ニーズに対応する日亜米欧でのグローバル受託体制の確立・進行による国際共同治験対応力の向上や海外子会社の受注獲得力向上を通じた海外受注比率の拡大を目指してまいります。
(5)製薬会社による治験の委託数減少のリスク
近年、研究開発のスピードアップと固定費の削減を目的とした医薬品開発業務のアウトソーシング化が加速し、殊に治験のモニタリング業務において、適正な受託費で信頼性の高いデータの収集能力を有するCROに対する製薬会社の高い期待を背景としてCRO業界は堅調に成長しており、今後ともこの傾向は続くものと当社グループは考えております。
しかしながら、当社グループの主要顧客である製薬会社の医薬品開発戦略の変更や治験の内製化等のアウトソーシングに係る方針転換等があった場合に、当社グループの治験受託件数が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)法改正及び法規制等に関するリスク
① 当社グループが属するCRO業界は、薬機法、薬機法施行規則及びそれらに関連するGCP等の関連法令の規制を受けており、治験の各業務を受託するCROは、これらの法令を遵守し、治験によって得られた資料及びデータを顧客に提供する義務がありますが、これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約され治験の各業務の遅滞が発生した場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 当社グループが、受託するモニタリング業務の実施等において、関連する諸法令に対して重大な違反の事実があった場合には、製薬会社から信用を失うことにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、品質管理の仕組みの充実やCRAに対する継続的な研修を通じた業務品質の確保に努めてまいります。
(7)人材獲得に関するリスク
当社グループは、治験の各業務のうちモニタリング業務等に特化することにより、これまでの成長を実現してきたものと考えております。従いまして、当社グループの業容拡大において即戦力となるプロジェクトマネジャー、CRA経験者、医学・薬学知識を有する新卒者、未経験者の確保が必要不可欠であります。
これまでのところ、当社グループは人材獲得の面で大きな問題に直面はしておりませんが、製薬会社やCRO業界等における人材獲得競争の激化等により、当社グループの計画どおりに人材を採用できない可能性があります。
モニタリング業務等に必要な人材を確保できなかった場合、人材の教育・研修が遅れた場合、または他社からの人材引抜きにより当社グループの人材流出が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、通年採用やキャリア採用など人材獲得手段の多様化に努めるとともに、新卒者や未経験中途採用者への充実した導入研修や継続研修の実施など人材教育の拡充や働き方の多様化に対応する社内体制の整備・充実を図っております。
(8)情報の流出によるリスク
当社グループを含むCRO業界が関わった治験にかかる個人情報の流出によりCRO業界全体が製薬会社から信用を失った場合、または当社グループが関わった治験にかかる個人情報の流出により製薬会社から信用を失った場合において、治験受託件数の減少や、訴訟の提起により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが関わった治験にかかる症例報告書等の機密情報について、その情報の流出があった場合において、当社グループが委託者である製薬会社から損害賠償の責めを負うとき、または、その情報の流出により委託者以外の製薬会社からも信用を失ったときには、訴訟の提起、もしくは治験受託件数の減少により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、継続して社内規程に基づく管理体制の整備・構築と運用の遵守・徹底を図ってまいります。
(9)海外進出によるリスク
当社は、増加する国際共同治験に対応するために、米国、ドイツ、フランス、イギリス、スペイン、クロアチア、オランダ、ポーランド、チェコ、ルーマニア、ハンガリー、中国、韓国、台湾、シンガポール等に現地法人を有しております。今後、事業を拡大するにあたって追加的な出資を行う場合や計画通りに事業が進展しない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、海外拠点を含め国際共同治験や臨床研究を実施する場合において、日本に機能を持たない業務を海外子会社や国内外の外部ベンダーに委託する必要性が出てきますが、そのマネジメントが適切に行われない等の原因により委託業務で遅延やトラブルが発生し、受託プロジェクトを通じ顧客である製薬会社に損害を与え当社グループが損害賠償の責めを負うとき、または顧客や顧客以外の製薬会社から信用を失ったときは、訴訟の提起や受託件数の減少等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)新型コロナウイルス感染拡大に関するリスク
当社グループは製薬会社等から新薬開発のための治験や新薬発売後の臨床研究に関する業務を受託しており、医療機関において治験や臨床試験が適切かつ迅速に実施され、新薬が早期に承認・発売され多くの患者様に適切に使用されるための大きな役割を担っています。
当社グループは、企業理念に「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」を掲げており、この度の新型コロナウイルス感染拡大の状況下においても、従業員の安全を確保するため様々な施策を講じつつ、治験や臨床試験の進捗に影響が出ないよう業務を継続しております。一方、新型コロナウイルス感染症のさらなる感染拡大や再燃等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす以下のようなリスクがあると考えています。
当社グループは、リスクの発生を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、今後起こり得るさまざまな要因により、大きな影響を受ける可能性があります。
① 従業員が新型コロナウイルスに感染するリスク
当社グループの事業は医療機関に訪問し業務を行うことが多いため、従業員に対しては時差出勤や在宅勤務、出社時の体温・体調チェックの徹底に加え、マスク配布と医療機関訪問時の着用の徹底、アルコール消毒薬等の配備と手洗い・咳エチケット等の感染予防策の周知徹底など、新型コロナウイルス感染予防に対して細心の注意を図り感染対策を講じています。一方、当社グループの従業員でクラスター感染が発生し、代替の従業員を用意できない等により、業務の継続が長期間にわたり困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 依頼者が新型コロナウイルス感染拡大の影響により開発を中断・延期するリスク
依頼者である製薬会社等において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止や資金面での問題等の理由から、実施中もしくは予定している治験や臨床研究を中止または延期する状況が発生又は長期化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 医療機関において新型コロナウイルス感染拡大の影響により臨床試験等の実施が不可能となるリスク
治験や臨床試験を実施する医療機関において、新型コロナウイルスの感染拡大等により医療機関のスタッフや施設などの機能が制限または停止し、被験者(患者)の募集や治験の実施に支障が出る場合や、当社の従業員が訪問を制限され業務を実施できない場合など、治験や臨床研究の実施が長期間にわたり影響を受ける場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
(1)財政状態
当連結会計年度における財政状態は、資産合計については、前連結会計年度末と比べ1,019百万円増加し、15,280百万円(7.2%増)となりました。負債合計については、前連結会計年度末と比べ645百万円増加し、9,568百万円(7.2%増)となりました。純資産合計については、前連結会計年度末と比べ373百万円増加し、5,712百万円(7.0%増)となりました。
(2)経営成績
当社は日本発のグローバルCROとして日亜米欧など18か国(イタリア、カナダ、南アフリカ共和国を含む)に展開しており、当連結会計年度の業績への影響は各地域の新型コロナウイルス感染症の状況や対応の相違によって差異が生じました。
米国におきましては、新型コロナウイルス感染症の深刻な被害を受けるなか、州政府ごとに対応は異なるものの、全体としては経済活動を継続させる施策が取られました。CRO業界においては、治験業務に関してリモートでの治験実施を可能とする制度対応が取られ、米国子会社がこれらに迅速に対応したことで、前期から進めている営業体制強化によって大きく積み上げた受注案件を順調に消化し、組織、業務体制の効率化の効果と相まって2020年8月以降は安定的に営業黒字化しました。この結果、通期においても上期の新型コロナウイルス感染症の影響による業績の出遅れを穴埋めし、のれん償却費控除後の営業利益において大幅な黒字を達成しました。
欧州地域におきましては、当社の主要拠点国であるドイツ、フランス、スペイン等で複数回のロックダウンが実施され、医療機関への訪問規制などが行われた結果、受注案件の進捗・消化が未達に終わるなど、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、当第4四半期には業績に回復の兆しが見え、最終的に営業黒字を確保しました。
日本・アジア地域におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響及び開発案件の絞り込みなど製薬会社の開発計画の修正の影響を受け、当連結会計年度の売上に貢献する受注の確保が進みませんでした。足元では製薬会社が新型コロナウイルス感染症収束後を見越して一時凍結等していた研究開発投資を再始動するなど、新規案件の引き合いは増加しており、次期の売上に貢献する新規受注の獲得が増加しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は10,279百万円(前期比6.0%減)となりました。営業利益は売上高の減少による稼働率の低下等により453百万円(前期比54.9%減)となりました。経常利益は海外子会社で補助金収入が発生したことにより588百万円(前期比35.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、米国子会社が買収以前に受託していた案件に関する仲裁やAccelovance, Inc.の売主との交渉に関連する弁護士報酬等の費用に加え、顧客への解決金の支払いが発生した一方、米国子会社で税金の還付や業績改善による将来の課税所得の発生見込み等に基づき繰延税金資産を計上したことに伴い法人税等調整額が発生したため539百万円(前期比11.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①CRO事業
当社グループのCRO事業につきましては、当連結会計年度の概況に記載の理由により減収減益となりました。この結果、売上高は9,329百万円(前期比5.8%減)、営業利益は1,765百万円(前期比21.4%減)となりました。
②育薬事業
当社グループの育薬事業につきましては、当連結会計年度の概況に記載の理由により減収減益となりました。この結果、売上高は949百万円(前期比8.0%減)、営業利益は247百万円(前年比32.8%減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より126百万円減少し、5,084百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、23百万円(前連結会計年度は1,192百万円の獲得)となりました。これは、主に売上債権の増加額848百万円及び立替金の増加額328百万円があったものの、税金等調整前当期純利益358百万円、減価償却費194百万円及びのれん償却費228百万円の計上、前受金の増加額296百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、169百万円(前連結会計年度は144百万円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出22百万円及び無形固定資産の取得による支出46百万円があったものの、子会社株式の取得対価の調整に伴う一部対価の返還による収入266百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、329百万円(前連結会計年度は903百万円の使用)となりました。これは、主に長期借入による収入930百万円があったものの、短期借入金の減少額439百万円、長期借入金の返済による支出419百万円及び配当金の支払額316百万円があったこと等によるものであります。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループの業務には生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
CRO事業 |
9,031,209 |
△32.5 |
18,456,464 |
△1.6 |
|
育薬事業 |
544,630 |
△53.4 |
740,077 |
△35.4 |
|
合計 |
9,575,840 |
△34.2 |
19,196,542 |
△3.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
CRO事業 (千円) |
9,329,978 |
△5.8 |
|
育薬事業 (千円) |
949,335 |
△8.0 |
|
合計(千円) |
10,279,314 |
△6.0 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで
あります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
中外製薬株式会社 |
1,468,841 |
13.4 |
1,521,281 |
14.8 |
|
エーザイ株式会社 |
1,548,437 |
14.2 |
1,488,231 |
14.5 |
|
小野薬品工業株式会社 |
1,513,098 |
13.8 |
727,047 |
7.1 |
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2021年6月25日)において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、引当金の計上等見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。但し、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果はこれら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)、(追加情報)」に記載しております。
なお、当社は、収益の認識について、顧客との業務委託契約に基づき役務提供を行った時に収益を認識する役務提供基準を採用しております。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,019百万円増加し、15,280百万円(7.2%増)となりました。これは、主に売掛金及び立替金の増加によるものであります。
② 負債の部
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ645百万円増加し、9,568百万円(7.2%増)となりました。これは、主に前受金の増加によるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ373百万円増加し、5,712百万円(7.0%増)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当社グループの当連結会計年度の売上高は、「1[経営成績等の状況の概要] (2)経営成績」に記載の要因により、前連結会計年度に比べ655百万円減少し、10,279百万円(前期比6.0%減)となりました。
② 売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ107百万円増加し、7,511百万円(前期比1.4%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ211百万円減少し、2,314百万円(前期比8.4%減)となりました。
④ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、「1[経営成績等の状況の概要] (2)経営成績」に記載の要因により、前連結会計年度に比べ551百万円減少し、453百万円(前期比54.9%減)となりました。
⑤ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、「1[経営成績等の状況の概要] (2)経営成績」に記載の要因により、前連結会計年度に比べ329百万円減少し、588百万円(前期比35.9%減)となりました。
⑥ 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、「1[経営成績等の状況の概要] (2)経営成績」に記載の要因により、前連結会計年度に比べ449百万円減少し、358百万円(前期比55.6%減)となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、「1[経営成績等の状況の概要] (2)経営成績」に記載の要因により、前連結会計年度に比べ56百万円増加し、539百万円(前期比11.8%増)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については「1[経営成績等の状況の概要] (3)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 財務政策及び資金の流動性についての分析
当社は、中長期的な成長による企業価値向上と利益還元のバランスの最適化を図ることを重要施策と位置づけ、株主の皆様からお預かりした資本に対して如何に報いるかという視点に立ち、業績を勘案した配当施策を行い、安定的に利益還元に努めてまいります。
内部留保金につきましては、将来の事業発展に必要不可欠な成長投資として活用し、中長期的な成長による企業価値向上を通じて株主の皆様の期待にお応えしてまいります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、従業員給付費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、将来の事業発展に必要不可欠な成長投資としてのM&Aによる企業買収等のための資金であります。
当社は、事業活動のために適正な流動性の維持及び効率的な資金の確保を基本方針としており、主に営業活動から得た資金を財源とし、必要に応じて短期または長期の借入による資金調達を実施することとしております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,777百万円、現金及び現金同等物の残高は5,084百万円となっております。また、当社の資金の流動性については、十分な余剰資金に加え、国内金融機関との間で合計2,500百万円の当座借越枠を設定し、当社グループの資金の流動性を補完しております。
(5)経営成績等に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な成長による企業価値向上と利益還元バランスの最適化を図ることを重要施策と位置付け、安定的な利益還元の源泉となる1株当たり当期純利益を目標とする経営指標にしております。
当連結会計年度の1株当たり当期純利益は23.91円(前年同期比11.8%増)となりました。これは、「1[経営成績等の状況の概要] (2)経営成績」に記載の要因により、親会社株主に帰属する当期純利益が前年同期と比して増加したことによるものです。
1株当たり当期純利益の2021年3月期までの実績値及び2022年3月期の計画値は、次のとおりであります。
|
経営指標 |
2018年 3月期実績 |
2019年 3月期実績 |
2020年 3月期実績 |
2021年 3月期実績 |
2022年 3月期計画 |
|
1株当たり当期純利益(円) |
57.02 |
25.09 |
21.38 |
23.91 |
未定 |
(注)2022年3月期の連結業績予想について、為替相場の変動等の不確実性による影響を現段階で合理的に算定することが困難なことから経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を未定としております。そのため、2022年3月期の1株当たり当期純利益計画を未定としております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。