第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は第3四半期連結累計期間として過去最高となる8,613百万円(前年同四半期比14.4%増)となりました。営業利益及び経常利益については、新型コロナウイルス感染症が流行する直前の2020年3月期第3四半期の利益水準を回復し、営業利益は836百万円(前年同四半期比302.9%増)、経常利益は外貨預金等に為替差益24百万円等が発生したため846百万円(前年同四半期比683.8%増)となりました。

 当社グループは日本発のグローバルCROとして日亜米欧など18か国に展開しており、経営環境は、新型コロナウイルス感染症の状況やワクチン接種の進捗状況によって地域間で引き続き差異が生じています。しかし、日本の復調や米国、欧州事業の業績が正常化したことにより、当社グループの業績は、2021年10月以降、月次の連結売上高が10億円を超え、好調に推移しました。これまでグローバル共同治験や海外案件の獲得は日本が主体でしたが、欧州、米国、アジア発のグローバル案件の獲得が増え始めており、当社グループが目指してきた日本・アジア、欧州、米国3極でのグローバル・コラボレーション及びグローバル・ワンストップサービスの提供によるグローバル・シナジーが次の段階に進み始めたものと考えております。

 なお、当社では、期初において、日本・アジア地域は当第4四半期から、欧州は当第3四半期から、米国は当第2四半期から業績が正常化すると想定しており、現時点において当該想定に変更はありません。

 

 次に、各地域の状況は下記のとおりです。

 米国においては、7月以降デルタ株の感染が急速に拡大したものの、ワクチン接種が進んだことや重症化率/死亡率の低いオミクロン株への置換が進んだことなどから経済活動は引き続き改善しました。これに伴い、当社の米国事業においては、既存の受注案件を順調に消化し、売上高、営業利益が第3四半期連結累計期間として過去最高を記録しました。この結果、前年同期比で大幅な増収・営業増益となりました。米国市場の新薬開発は旺盛であり、引き続き新規案件の受注に注力してまいります。

 

 欧州地域においては、当社の主要拠点国であるドイツ、フランス、スペイン等で米国同様に経済活動の改善傾向が続き、既存の受注案件を順調に消化し、さらに、複数の新規案件の売上貢献などにより売上高は第3四半期連結累計期間として過去最高を記録しました。この結果、前期の第3四半期と比較して業績は大きく回復し、増収・営業増益となりました。欧州事業では前期からの営業部門強化が大きな成果を出しており、日亜米欧で実施される大型グローバル案件等を含む複数案件の受注を獲得し、当期及び来期以降の売上に貢献する受注残高が大きく増加しています。以上のように、欧州事業につきましては、イギリスなどを中心に先行的な人材投資等のコスト増加要因はありますが、新型コロナウイルス流行前の成長・拡大路線に戻りつつあります。

 

 日本・アジア地域においては、日本では、上半期の受注活動の成果が売上に貢献し始めたことに加え、8月末からデルタ株の感染が減少を始め第3四半期中は小康を保ったことで、受注案件の消化が進んだこと等により10月以降、月次の業績が前年を上回って推移したことや、原価の発生を抑制した結果、売上高は前年同期を下回ったものの、営業利益は大幅な増益となりました。

 韓国では、ワクチン接種が進んだことから、治験環境が改善し、既存の受注案件を順調に消化したことや、当期獲得した複数案件が売上に貢献したことで、売上高、営業利益が第3四半期連結累計期間として過去最高を記録し、前年同期比で増収・営業増益となりました。

 中国では、ワクチン接種が進み、治験環境が引き続き改善していることから受注案件を順調に消化し、前年同期比で売上高は増収となりましたが、先行的な人材投資等により営業利益は減益となりました。

 台湾では、新型コロナウイルス感染拡大により新規案件の獲得が進まなかったこと等の影響により、前年同期比で減収・営業赤字となりました。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高、営業利益及び経常利益ともに前年同期比で大幅な増収増益となりました。

 

 

 また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、Linical Accelovance America, Inc.(以下、LAA社)の前身であるAccelovance, Inc.が買収以前に受託していた案件に関する仲裁に関連する弁護士報酬や和解金の支払、サイバー攻撃に関連した対策費等が発生する一方、LAA社の売主との間で合併契約上の補償条項等に起因する紛争等に関し和解契約を締結し、エスクローから和解金を受け取ったことから524百万円(前年同四半期比234.1%増)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用により、売上高は141百万円増加し、営業利益及び経常利益はそれぞれ17百万円減少しております。

 

 上記の米国での紛争については、2021年11月12日に公表しました「(開示事項の経過報告)当社海外子会社に対する仲裁の申立に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、当社の連結子会社であるLAA社とTopical Remedy, LLC等と和解契約を締結したことにより今後これに関連する費用の発生はなくなります。

 また、2021年11月4日に公表しました「Accelovance, Inc. (現Linical Accelovance America, Inc.)の売主との和解に関するお知らせ」に記載のとおり、当社の連結子会社であるLinical USA, Inc. (以下「LUI社」)が、2018年4月に買収しましたAccelovance, Inc. (現Linical Accelovance America, Inc.)の売主との間で、合併契約上の補償条項等に起因する紛争等に関し、2021年11月3日、売主がLUI社に対して1,445,000ドルをエスクローから支払う旨の条項を含む和解契約を締結しました。本件和解によってLUI社が受け取った1,445,000ドルについては、当第3四半期連結会計期間において特別利益に計上しております。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

①CRO事業

 当社グループのCRO事業につきましては、日本の復調や米国、欧州事業の業績が正常化したこと等の結果、売上高は7,901百万円(前年同四半期比16.5%増)、営業利益は1,856百万円(同60.3%増)となり、前年同期比で増収増益となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用により、売上高は135百万円増加し、営業利益は17百万円減少しております。

②育薬事業

 当社グループの育薬事業につきましては、前期において新型コロナウイルス感染症の影響及び開発案件の絞り込みなど製薬会社の開発計画の修正を受け、当期の売上に貢献する受注の獲得が低調であったものの、当期においては受注獲得が順調なことに加え、原価の発生を抑制した結果、売上高は711百万円(前年同四半期比4.7%減)、営業利益は232百万円(同25.7%増)となり、前年同期比で減収増益となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用により、売上高は6百万円増加し、営業利益に変更はありません。

 

(2)財政状態の分析

① 資産の部

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ55百万円(0.4%)増加し、15,336百万円となりました。これは、主に現金及び預金の増加、立替金及びその他流動資産の減少によるものであります。

② 負債の部

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ289百万円(3.0%)減少し、9,278百万円となりました。これは、主に前受金の増加、長期借入金、未払法人税等及び賞与引当金の減少によるものであります。

③ 純資産の部

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ345百万円(6.0%)増加し、6,057百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

① 売上高

当第3四半期連結累計期間の売上高は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、8,613百万円(前年同四半期比14.4%増)となりました。

② 売上原価

当第3四半期連結累計期間の売上原価は、5,934百万円(前年同四半期比6.9%増)となりました。

③ 販売費及び一般管理費

当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、1,842百万円(前年同四半期比3.9%増)となりました。

④ 営業利益

当第3四半期連結累計期間の営業利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、836百万円(前年同四半期比302.9%増)となりました。

⑤ 経常利益

当第3四半期連結累計期間の経常利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、846百万円(前年同四半期比683.8%増)となりました。

⑥ 税金等調整前四半期純利益

当第3四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、770百万円(前年同期は134百万円の税金等調整前四半期純損失)となりました。

⑦ 親会社株主に帰属する四半期純利益

当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、524百万円(前年同四半期比234.1%増)となりました。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

(6)経営戦略の現状と見通し

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しについて重要な変更はありません。
 引き続き、当社グループは受託業務の選択と集中を推し進めることによって既存のCROとの差別化を図り、大手製薬会社と同等の立場で医薬品開発を実行・サポートできる知識・技術・経験を有するCROすなわち「CDO(Contract Development Organization)」を目指していく方針であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。